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技術 脆性酸化物基材を耐候性塗膜で強化する方法

出願人 アーケマ・インコーポレイテッド
発明者 メイウエンジャンミッシェルシャバニョゲイリーエス.シルヴァーマンモーリスブレルトマスディー.カルプヘウォンオムリンダブルースゲルツ
出願日 2006年6月28日 (14年4ヶ月経過) 出願番号 2008-520280
公開日 2009年1月8日 (11年10ヶ月経過) 公開番号 2009-500285
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの表面処理 塗料、除去剤
主要キーワード 脆性物 強化被膜 ガラス断片 微少亀裂 適用負荷 同心円状リング 劣化抵抗性 照射パス
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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、ガラス片のような脆性酸化物片を、卓越した耐候性、特に加水分解定性を有するシランアクリレート塗料系強化する方法に関するものである。この塗料系は、シラン溶液と、放射線硬化性アクリレート溶液との混合物を含む。この混合物は、清浄な脆性酸化物表面に塗布される。このシラン溶液は、非水性溶媒中に溶解してなる1種以上のシランを含み、放射線硬化性溶液は、1種以上のアクリレート又はメタクリレート単量体、アクリレート又はメタクリレートオリゴマー及び光開始剤のような開始剤を含む。

概要

背景

発明の背景
本発明は、例えばガラス摩損によって切断され破壊された場合又はガラス瓶取り扱い中に傷ついた場合に、表面又は縁のひびにより脆弱になった脆性酸化物基材(例えば窓ガラス又はガラス容器)を強化する方法を提供する。ガラス表面のきずを修復し、それによって、このガラスをきずのないガラスの強度へと強化するために塗料が使用されてきた。特に有用な強化用組成物は、シランベースとした組成物、特に重合された架橋シロキサンを含有する水溶液である。シランをベースとした処理の使用は、これらの耐候性又は湿気劣化抵抗性欠如によって制限される。本発明は、風化又は湿気劣化に対して抵抗性の高い脆性酸化物物品を強化する又は当該物品に強度を取り戻す方法に関する。

脆性材料から作られた物品、例えばガラス窓又はガラス容器は、一般に、引張強さが予想されるよりも実質的に低い。この脆弱さは、該物品中における欠陥、又は該物品の本体若しくは表面のいずれかにおける少量の不純物、又は該物品の表面若しくは縁にある傷のような要因の結果であり得る。従来、表面を摩耗及び損傷から保護するために、脆性材料の多くのタイプの表面被覆が使用されてきた。

ガラスは、本来、知られているなかで最も強い材料の一つである。理論上、標準的な珪酸塩ガラスは、14〜20ギガパスカル平方インチ当たり2〜3百万ポンド(psi))程度に高い応力を維持することができるはずである。しかしながら、実際には、典型的に得られる強度は、およそ70メガパスカル(MPa)、すなわち約10,000psiである。

予想値測定値との矛盾についての説明は、表面のきず又は亀裂の存在である。これらのきずは、ガラスの骨格であるシロキサンネットワーク(Si−−O−−Si)を本質的に破壊する。このガラス内の損傷点は、該ガラスについての応力中心点となり、そしてこの応力を集中させるように作用し、通常他の点で予期されるよりもかなり小さい応力でガラス物品突発的な破損が生じる。

板ガラスは、商業的には、幅広い連続的なガラスシートを生じさせる「フロート」処理によって製造されている。この板ガラスは、好都合な寸法に切断されることが多い。この切断処理によってガラスの縁にきずが生じる。切断された板ガラス片は、多くの場合、熱的強化によって強度を増大させるために熱処理される。熱処理又は熱強化は、高価なプロセスである。瓶又は他のガラス容器は、充填、出荷、取り扱いなど、傷をもたらしてしまう作業中に擦り傷及び表面の損傷を受ける。

研究者らは、ガラスの強度に関する問題を多少とも解消する手段を長い間探求してきた。ガラス物品の成形方法及び取り扱い方法に変更を加えると、ガラス強度いくらか増大することが示されている。しかしながら、この変更を加えた成形及び取り扱い手順は、実際にはガラス物品を傷つけ得るため、この結果は期待通りではない。この理由のため、これらの傷がこの物品上に必然的に形成された後にその傷の影響を低減させることが、研究者の目標であった。

加熱補強又は加熱強化は、ガラス表面上に圧縮応力を創り出し、ガラスを強くする。この高価な方法は、ガラス表面を変形させる可能性がある。イオン交換による化学的強化は通常緩慢であるため、処理量容認できない。熱強化も化学強化も、強化後にガラスへの損傷(特に弱い領域で)について強度を維持することができない。このような損傷は強度を著しく低下させ得る。高分子塗膜によるガラスの強化は、他の伝統的なガラス強化方法を超える利点がある。高分子塗料の塗布は、迅速であり、保護することができ、しかもガラスの光学的特性を保つことができるので、ガラスを強化するためのさらに有利な方法である。高分子塗料は、ガラス平板の縁又は表面に塗布したり、ガラス容器の表面のような曲面に塗布したりすることができる。

ガラスの強度を改善させるいくつかの手法としては、ガラス中の金属イオンをそれよりも大きな半径イオン交換して表面圧縮応力を生じさせるAratani外の米国特許第4,859,636号が挙げられる。また、Poole外の米国特許第3,743,491号は、表面イオン処理、その後のオレフィン重合体の塗布に関するものである。Hashimoto外の米国特許第4,891,241号は、シランカップリング剤アクリロイル化合物及びメタクリロイル化合物と共に塗布し、そして硬化させることを伴うガラス表面の強化に関するものである。Hashimoto外の米国特許第5,889,074号は、シラン、チタンアルミニウムジルコニウム及びジルコニウム/アルミニウムのようなカップリング剤フルオルアクリロイル、アクリロイル及びメタクリロイルのような活性エネルギー放射線硬化性化合物並びに水と共に塗布し、そして硬化させることを伴うガラス表面の強化に関するものである。Carson外の米国特許第5,567,235号及び同6,013,333号には、シランをベースとした水性組成物を塗布し、そして硬化させることを伴う脆性酸化物基材の強化方法が開示されている。
米国特許第4859636号明細書
米国特許第3743491号明細書
米国特許第4891241号明細書
米国特許第5889074号明細書
米国特許第5567235号明細書
米国特許第6013333号明細書

概要

本発明は、ガラス片のような脆性酸化物片を、卓越した耐候性、特に加水分解定性を有するシラン−アクリレート塗料系で強化する方法に関するものである。この塗料系は、シラン溶液と、放射線硬化性アクリレート溶液との混合物を含む。この混合物は、清浄な脆性酸化物表面に塗布される。このシラン溶液は、非水性溶媒中に溶解してなる1種以上のシランを含み、放射線硬化性溶液は、1種以上のアクリレート又はメタクリレート単量体、アクリレート又はメタクリレートオリゴマー及び光開始剤のような開始剤を含む。

目的

本発明は、例えばガラスが摩損によって切断され破壊された場合又はガラス瓶が取り扱い中に傷ついた場合に、表面又は縁のひびにより脆弱になった脆性酸化物基材(例えば窓ガラス又はガラス容器)を強化する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

次の工程:(a)脆性酸化物基材洗浄し、(b)その後、該脆性酸化物表面と、シランカップリング剤、4個以上のアルコキシ基を有するポリアルコキシ官能性シラン架橋剤及び放射線硬化性アクリレートを含む塗料溶液とを接触させ、(c)その後、該塗料溶液を硬化させることを含む、脆性酸化物基材の強化方法

請求項2

前記洗浄が(a)前記脆性酸化物表面と、飽和水酸化カリウムを含むイソプロパノール溶液とを接触させ、(b)その後、該脆性酸化物表面と酸とを接触させ、(c)その後、該脆性酸化物表面を水ですすぎ、そして(d)該脆性酸化物表面を乾燥させることを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記塗料溶液を非水性溶媒に溶解させる、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

請求項5

前記シランカップリング剤がγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランメタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシランアリルトリエトキシシラン及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

請求項6

シランカップリング剤対ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤の重量比が約1対2〜約10対1である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。

請求項7

前記シランカップリング剤及び前記ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤が乾燥後に前記塗料溶液の約1〜10重量%を占める、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。

請求項8

前記ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤がビストリエトキシシリルエタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、トリス(トリメトキシシリルプロピルイソシアヌレート及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。

請求項9

前記放射線硬化性アクリレートがアクリレート単量体メタクリレート単量体アクリレートオリゴマーメタクリレートオリゴマー及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。

請求項10

前記放射線硬化性アクリレートがアクリル酸イソボルニルメタクリル酸2−ヒドロキシエチルジアクリル酸1,6−ヘキサンジオールポリエチレングリコール600ジメタクリレートエトキシル化2−ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーウレタンメタクリレートオリゴマー及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。

請求項11

前記塗料溶液が光開始剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。

請求項12

前記塗料溶液がヒンダードアミン光安定剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。

請求項13

前記塗料溶液が無機粒子をさらに含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。

請求項14

前記硬化を紫外線光若しくは加熱又はその組み合わせで行う、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。

請求項15

請求項1〜14のいずれかに記載の方法によって被覆された脆性酸化物物品

請求項16

非水性溶媒中にシランカップリング剤、4個以上のアルコキシ基を有するポリアルコキシ官能性シラン架橋剤、放射線硬化性アクリレート及び開始剤を含む硬化性組成物

請求項17

前記シランカップリング剤がγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項16に記載の硬化性組成物。

請求項18

前記ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤がビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項16又は17に記載の硬化性組成物。

請求項19

シランカップリング剤対ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤の重量比が約1対2〜約10対1である、請求項16〜18のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項20

前記シランカップリング剤及び前記ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤が前記硬化性組成物の約1〜10重量%を占める、請求項16〜19のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項21

前記非水性溶媒がエタノール、イソプロパノール、ブタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、四塩化炭素,クロロホルム、n−ヘキサン、ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンよりなる群から選択される、請求項16〜20のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項22

前記放射線硬化性アクリレートがアクリレート単量体、メタクリレート単量体、アクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマー及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項16〜21のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項23

前記放射線硬化性アクリレートがアクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、エトキシル化2−ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマー及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項16〜22のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項24

前記開始剤が光開始剤、熱開始剤及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項16〜23のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項25

前記硬化性組成物がヒンダードアミン光安定剤をさらに含む、請求項16〜24のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項26

前記硬化性組成物が無機粒子をさらに含む、請求項16〜25のいずれかに記載の硬化性組成物。

技術分野

0001

本発明の分野
本発明は、概して脆性酸化物物品強化する方法に関する。さらに具体的にいうと、本発明は、ガラス物品のような脆性物品上に、加水分解に安定な強化被膜を与える当該物品用の塗料に関するものである。

背景技術

0002

発明の背景
本発明は、例えばガラス摩損によって切断され破壊された場合又はガラス瓶取り扱い中に傷ついた場合に、表面又は縁のひびにより脆弱になった脆性酸化物基材(例えば窓ガラス又はガラス容器)を強化する方法を提供する。ガラス表面のきずを修復し、それによって、このガラスをきずのないガラスの強度へと強化するために塗料が使用されてきた。特に有用な強化用組成物は、シランベースとした組成物、特に重合された架橋シロキサンを含有する水溶液である。シランをベースとした処理の使用は、これらの耐候性又は湿気劣化抵抗性欠如によって制限される。本発明は、風化又は湿気劣化に対して抵抗性の高い脆性酸化物物品を強化する又は当該物品に強度を取り戻す方法に関する。

0003

脆性材料から作られた物品、例えばガラス窓又はガラス容器は、一般に、引張強さが予想されるよりも実質的に低い。この脆弱さは、該物品中における欠陥、又は該物品の本体若しくは表面のいずれかにおける少量の不純物、又は該物品の表面若しくは縁にある傷のような要因の結果であり得る。従来、表面を摩耗及び損傷から保護するために、脆性材料の多くのタイプの表面被覆が使用されてきた。

0004

ガラスは、本来、知られているなかで最も強い材料の一つである。理論上、標準的な珪酸塩ガラスは、14〜20ギガパスカル平方インチ当たり2〜3百万ポンド(psi))程度に高い応力を維持することができるはずである。しかしながら、実際には、典型的に得られる強度は、およそ70メガパスカル(MPa)、すなわち約10,000psiである。

0005

予想値測定値との矛盾についての説明は、表面のきず又は亀裂の存在である。これらのきずは、ガラスの骨格であるシロキサンネットワーク(Si−−O−−Si)を本質的に破壊する。このガラス内の損傷点は、該ガラスについての応力中心点となり、そしてこの応力を集中させるように作用し、通常他の点で予期されるよりもかなり小さい応力でガラス物品の突発的な破損が生じる。

0006

板ガラスは、商業的には、幅広い連続的なガラスシートを生じさせる「フロート」処理によって製造されている。この板ガラスは、好都合な寸法に切断されることが多い。この切断処理によってガラスの縁にきずが生じる。切断された板ガラス片は、多くの場合、熱的強化によって強度を増大させるために熱処理される。熱処理又は熱強化は、高価なプロセスである。瓶又は他のガラス容器は、充填、出荷、取り扱いなど、傷をもたらしてしまう作業中に擦り傷及び表面の損傷を受ける。

0007

研究者らは、ガラスの強度に関する問題を多少とも解消する手段を長い間探求してきた。ガラス物品の成形方法及び取り扱い方法に変更を加えると、ガラス強度いくらか増大することが示されている。しかしながら、この変更を加えた成形及び取り扱い手順は、実際にはガラス物品を傷つけ得るため、この結果は期待通りではない。この理由のため、これらの傷がこの物品上に必然的に形成された後にその傷の影響を低減させることが、研究者の目標であった。

0008

加熱補強又は加熱強化は、ガラス表面上に圧縮応力を創り出し、ガラスを強くする。この高価な方法は、ガラス表面を変形させる可能性がある。イオン交換による化学的強化は通常緩慢であるため、処理量容認できない。熱強化も化学強化も、強化後にガラスへの損傷(特に弱い領域で)について強度を維持することができない。このような損傷は強度を著しく低下させ得る。高分子塗膜によるガラスの強化は、他の伝統的なガラス強化方法を超える利点がある。高分子塗料の塗布は、迅速であり、保護することができ、しかもガラスの光学的特性を保つことができるので、ガラスを強化するためのさらに有利な方法である。高分子塗料は、ガラス平板の縁又は表面に塗布したり、ガラス容器の表面のような曲面に塗布したりすることができる。

0009

ガラスの強度を改善させるいくつかの手法としては、ガラス中の金属イオンをそれよりも大きな半径イオン交換して表面圧縮応力を生じさせるAratani外の米国特許第4,859,636号が挙げられる。また、Poole外の米国特許第3,743,491号は、表面イオン処理、その後のオレフィン重合体の塗布に関するものである。Hashimoto外の米国特許第4,891,241号は、シランカップリング剤アクリロイル化合物及びメタクリロイル化合物と共に塗布し、そして硬化させることを伴うガラス表面の強化に関するものである。Hashimoto外の米国特許第5,889,074号は、シラン、チタンアルミニウムジルコニウム及びジルコニウム/アルミニウムのようなカップリング剤フルオルアクリロイル、アクリロイル及びメタクリロイルのような活性エネルギー放射線硬化性化合物並びに水と共に塗布し、そして硬化させることを伴うガラス表面の強化に関するものである。Carson外の米国特許第5,567,235号及び同6,013,333号には、シランをベースとした水性組成物を塗布し、そして硬化させることを伴う脆性酸化物基材の強化方法が開示されている。
米国特許第4859636号明細書
米国特許第3743491号明細書
米国特許第4891241号明細書
米国特許第5889074号明細書
米国特許第5567235号明細書
米国特許第6013333号明細書

発明が解決しようとする課題

0010

上記特許文献は、それぞれ、処理されたガラスの強度をいくらか改善させるものではあるものの、制限がないわけではない。いくつかは、製造中に利用できる時間よりもさらに長い時間が必要な研磨や熱強化が必要となり、オフライン処理を要する可能性がある。さらに、上記特許文献に記載された塗膜は、水及び/又は湿気にさらされてから比較的短時間の後に分解を受ける。被膜の早い段階での大きな問題は、湿気及び/又は水にさらされることによる強度の減少であった。

課題を解決するための手段

0011

発明の概要
本発明は、ガラス片のような脆性酸化物片を、卓越した耐候性、特に加水分解安定性を有するシロキサンアクリレート塗料系で強化する方法に関する。本発明の塗料系は、湿気や高湿度条件に長くさらされている間でも強化効果を維持する。この塗料系は、シラン溶液放射線硬化性アクリレート溶液との混合物を含む。この混合物は、清浄な脆性酸化物表面に塗布される。このシラン溶液は、非水性溶媒中に1種以上のシランを含み、また、放射線硬化性アクリレート溶液は、1種以上のアクリレート又はメタクリレート単量体と、アクリレート又はメタクリレートオリゴマーと、光開始剤のような開始剤とを含む。

発明を実施するための最良の形態

0012

図面の簡単な説明
図1は、強度対処理方法のグラフ図である。
図2a及び2bは、沸騰水への暴露後の被覆ガラス顕微鏡写真である。
図3a及び3bは、沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
図4a−4cは、沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
図5は、強度対シランの種類のグラフ図である。
図6は、強度(沸騰水試験の前後)対処法のグラフ図である。

0013

発明の詳細な説明
本発明の方法の脆性酸化物基材は、あらゆる脆性酸化物材料、例えば、アルミン酸塩酸化珪素若しくは珪酸塩酸化チタン若しくはチタン酸塩ゲルマニウム酸化物又は、例えば上記材料から作られたガラスから作ることができる。さらに、この脆性酸化物基材は、板ガラス又はガラス瓶のような任意の形態にあることができる。板ガラスについては、塗料を平坦な表面、縁部の表面又はその両方に塗布することができる。便宜上、本明細書では、このような脆性酸化物基材をガラス基材という。この塗料系は、シラン溶液と放射線硬化性アクリレート溶液との混合物を清浄なガラス基材に塗布することを含む。シラン溶液対アクリレート溶液の比は、溶液粘度、乾燥及び硬化後の塗膜の熱的特性機械的性質並びに塗膜のガラスへの付着に依存する。好ましくは、この比は、約1対50〜5対1の範囲にある。

0014

本発明のシラン溶液の成分は、非水性溶媒に溶解されたシランカップリング剤からなることができる。この非水性溶媒は、使用されるシラン及びアクリレートと相溶性のある任意の典型的な溶媒、例えば、エタノールイソプロパノールブタノールフルフリルアルコールテトラヒドロフランジオキサンジエチルエーテルアセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、酢酸メチル酢酸エチルトルエン四塩化炭素クロロホルムn−ヘキサンジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンであることができる。シランカップリング剤は、好ましくは、アクリレート官能性シラン、メタクリレート官能性シラン及びビニル官能性シラン、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランメタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシランアリルトリエトキシシラン又はこのようなシランカップリング剤の混合物から選択される。

0015

4個以上のアルコキシ基を有するポリアルコキシ官能性シラン架橋剤をシランカップリング剤と共に添加すると、より高度に架橋されたシロキサンネットワークが生じると考えられる。ビストリエトキシシリルエタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、トリス(トリメトキシシリルプロピルイソシアヌレートを含めたポリアルコキシ官能性シラン架橋剤を添加すると、塗膜の加水分解安定性が高まることが分かった。使用できる他のポリアルコキシ官能性シラン架橋剤としては、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリメトキシシリルメチル)エチレン、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)フマレート、ビス(トリエトキシシリルプロピル)フマレート、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[3−トリメトキシシリル)プロピルエチレンジアミン、1−(トリエトキシシリル)−2−(ジエトキシメチルシリル)エタン、テトラエトキシシランテトラメトキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。

0016

シランカップリング剤対ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤の比は、約1:2〜約10:1の範囲にあることができる。好ましくは、ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤は、シランカップリング剤に約1:1のシランカップリング剤対架橋剤の比で添加される。一般に、少量の水をこのシラン溶液に添加してシランの加水分解を向上させる。好ましくは、水対シランカップリング剤及びポリアルコキシ官能性シラン架橋剤中の加水分解性基モル比は、1対3〜4対1の範囲にある。この水は、好ましくは、加水分解及び縮合触媒するように、pH=3〜4又は10〜11のpH値に調整される。この水のpHは、好ましくは、酢酸硫酸のような酸又はアンモニア水酸化ナトリウム水酸化カリウムのような塩基で調整される。アクリレート溶液と混合する前に5分〜1ヶ月間のシラン溶液の熟成を使用してシランの予備加水分解を促進させる。好ましくは、この熟成時間は、5分〜1日以内である。

0017

本発明の乾燥塗膜中の全シラン(シランカップリング剤+ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤)濃度は、この塗膜混合物の約1重量%〜10重量%の範囲にあることができる。

0018

本発明の放射線硬化性アクリレート溶液成分は、アクリレート又はメタクリレート単量体、アクリレート又はメタクリレートオリゴマー並びに光開始剤及び/又は熱開始剤のような開始剤を含むことができる。アクリレート又はメタクリレート単量体及びアクリレート又はメタクリレートオリゴマーは、塗料の粘度、架橋密度及び塗膜の機械的性質を調節するために様々な官能性部分を有することができる。好適な単量体としては、アクリル酸イソボルニルメタクリル酸2−ヒドロキシエチルジアクリル酸1,6−ヘキサンジオールポリエチレングリコール600ジメタクリレートエトキシル化2−ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。好適なオリゴマー又はいくつかのアクリレート若しくはメタクリレート単量体と混合されるオリゴマーとしては、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーEbecryl 284、Ebecryl 8402(両者ともUCBケミカルズ社から入手できる)、CN982B88、CN963A80、CN963B80、CN963E80、CN963J85、CN964、CN964A85、CN964B85、CN985B88(それぞれスタートマー社から入手できる)及び脂肪族ウレタンメタクリレートオリゴマーCN1963(スタートマー社から入手できる)が挙げられるが、これらに限定されない。メタクリレートは、通常、アクリレートよりも緩やかに反応するので、UV硬化は、粘着性のない表面の硬化を達成するのに長時間かかり及び/又はさらに高い放射線量若しくはさらに多くの照射パスを必要とし得る。

0019

シラン成分及びアクリレート成分における官能基での重合の開始は、光(UV)硬化、加熱硬化及び電子線硬化(これらに限定されない)を含めて、許容できる任意の方法によることができる。UV光による光開始又は熱誘導開始が好ましい。光開始は、1種以上の好適な光開始剤を該混合物に取り入れることによって実施される。光開始剤は、特定波長のUV光を吸収するように設計され、しかも、この吸収光波長が反応を開始させるのに使用される光源発光帯重複するように選択されるであろう。光開始剤は、好ましくは、該混合物のアクリレート成分に取り入れられる。好適な光開始剤の例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロポナン(チバ社から入手できるDarocur 1173)、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート(BASF社から入手できるLucirinTPO−L)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ社から入手できるIrgacure 819)及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ社から入手できるIrgacure 184)が挙げられるが、これらに限定されない。熱誘導開始は、該混合物に熱開始剤を取り入れることによって実施できる。好適な熱開始剤の例としては、有機過酸化物、例えば、Lupersol 231、過安息香酸t−ブチル、Lupersol 256、Lupersol 80、Lupersol 575、t−ブチルペルオクトエート、Lupersol TBIC(それぞれアルケマ社から入手できる)が挙げられるが、これらに限定されない。電子線硬化を適用する場合には、光開始剤又は熱開始剤は必要ない。

0020

随意に、ヒンダードアミン光安定剤塗料混合物に添加して太陽光又はUV光による損傷に対する塗膜の安定性を向上させることができる。有効なヒンダードアミン光安定剤の例としては、Tinuvin 292(チバ社から入手できる)及びTinuvin 123(チバ社から入手できる)が挙げられるが、これらに限定されない。

0021

随意に、無機粒子(例えばマイクロ寸法又はナノ寸法シリカ粒子)を塗料に添加して塗膜の強度を増大させることができる。この無機粒子が小さい(例えばナノ粒子)場合には、これらはチキソトロープ剤としても機能する。この粒子は、アクリレート若しくはメタクリレート官能基又は親水性基で処理できる。このような粒子の例としては、処理を受けたヒュームドシリカ、例えば、Aerosil R711(デグッサ社から入手できる)、Aerosil R7200(デグッサ社から入手できる)及びCAB−O−SIL530(キャボット社から入手できる)が挙げられる。

0022

実施例では、ガラス表面上の塗膜について、塗料溶液を、ソーダ石灰シリカガラスの非錫側表面に塗布した。フロートガラスの一方の面上にある錫被膜は、溶融したガラスを形成する錫ベース表面によるものである。強化試験のために、凹凸のあるガラスを使用して、その表面の非錫側に制御された傷もつくった。ビッカースマイクロ圧子を使用して、中央におよそ4ミクロンの深さ及びおよそ41ミクロンの幅の傷をつくった。凹凸のあるガラスと凹凸のないガラスの両方をある種の洗浄方法予備処理し、そして乾燥させた。続いて、このガラスの平面の非錫側にナイフ塗布器で塗料を塗布した。

0023

ガラスの縁に塗布した塗料について、使用したガラスは、130金属スコーリングホイールを使用して手動で非錫側を摩減させることによって切断されたソーダ石灰−シリカガラスであった。縁の強化試験におけるガラスの標準的な寸法は、1インチ×6インチ×2.2mmであった。このガラスを所定の洗浄方法で予備処理し、そして乾燥させた。強化用溶液モーター付き「V」型ローラー塗布器によってこれらの試料の長い方の縁に沿って塗布した。

0024

これらのガラス試料を、(1)市販の洗剤であるガラスクリーナー(S.C.Johnson & Son社から入手できるWindex(商標))で洗浄し、続いてイソプロパノールですすぎ、そして空気乾燥させるか、又は(2)飽和水酸化カリウム/イソプロパノール溶液中に浸漬させ、脱イオン水ですすぎ、10重量%の硫酸中に浸漬し、脱イオン水ですすぎ、脱イオン水中に浸漬させ、そして清浄な空気又は窒素で吹き付け乾燥させた(水酸化カリウム/酸洗浄)。市販の洗剤ガラスクリーナーでガラスを洗浄しても完全には清浄な表面が得られないし、後に塗布された塗料の付着(特に湿式付着)が強くないことが分かった。好ましい洗浄方法は、塗布された塗膜の付着、特に湿式付着を可能にする、完全に清浄で僅かにエッチングされ且つヒドロキシル化されたガラス表面を与える上記第2手順であった。また、清浄で、粗面化され及び/又はヒドロキシル化された表面を生じさせることができる他の洗浄方法も使用できる。

0025

塗料の塗布後に、この塗料を熱硬化紫外線光硬化又はこの両方の組み合わせのいずれかにより硬化させた。熱硬化に続いてUV光硬化を行うことで、本発明の塗膜混合物の強化効果が向上することが分かった。約110℃〜170℃の温度にまで10秒〜30分間熱硬化させ、続いてUV光硬化を行うことが好ましい。ガラス表面上の塗膜について、オーブン内において約120℃で10分間の熱硬化、続いて紫外線(UV)硬化を試験パネルについて適用した。粘着性のない表面を得るために、UV硬化は、184ワット/cmのドープ水銀ランプにより行った。UV光を塗膜表面に直接照射した。それぞれのガラスの縁上の塗膜について、赤外パネルを使用して、120〜140℃の表面温度に達するまでそれぞれのガラスの縁を加熱した(1分未満)。続いて、この塗膜を、粘着性のない表面を得るために、184ワット/cmのドープ水銀ランプによるUV照射によって硬化させた。UV光を被覆された縁に直接照射した。好ましい硬化時間及び硬化温度は、脆性酸化物の種類と、使用される特定の装置によって変わる。

0026

硬化した塗膜並びに対照(被覆していないガラス)のガラス強度を、表面被覆ガラスについてはリングオンリング試験、縁被覆ガラスについては四点曲げ試験によってそれぞれ試験した。

0027

リング・オン・リング試験では、試料をそれらの凹凸側でテープ固定して破損後のガラス断片を保持した。測定中に、凹凸側をその面を下にして置き、そして35mmの直径の支持リングで支持した。14mmの直径のスチール製穴開け器を試料が脆性破壊するまで0.5mm/分の速度で移動させた。破壊応力(MOR)又はガラスの強度を算出した。リング・オン・リング又は同心円状リング強度試験は、Journal of Strain Analysis,第19巻,第3号(1984)及びJournal of Non−Crystalline Solids,38 & 39,pp.419−424(1980)に記載された通りである。この試験は、一般に、当業者に周知である。

0028

四点曲げ試験では、負荷範囲厚さ比を、異なる寸法のガラス試料について31.6に維持した。負荷範囲対支持範囲の比を1:1.375に保持した。1×10-5s-1の歪み速度を使用した。これを使用して、加えられた実際の負荷速度を算出した。この機構は、試料の底部表面を均一な緊張下に置き且つ頂部表面を2つの負荷点間で均一な加圧下に置いた。第2縁部は、ガラスの最も弱い部分を表すため、試料を緊張下に凹凸の縁部で下向きに固定した。頂部表面をテープで留めてガラス片が飛散しないようにした。引張強さ又は破壊応力(MOR)は、試料が脆性破壊を受けた時点での引張応力であり、破壊前の最大適用負荷から算出した。全ての破壊は、試料の縁部にある傷から始まった。

0029

塗膜の加水分解安定性を決定するために、被覆した試料を、この被覆したガラス基材を沸騰水中に所定時間浸漬させ、取り出し、乾燥させ、そして室温にまで冷却する沸騰水試験で試験した。塗膜の剥離肉眼的亀裂とをチェックした。光学顕微鏡を使用してふくれ及び/又は他の欠陥の形成を観察した。光学的画像解析の他に、場合によってはASTMD3359−02,方法AのXカットテープ試験も使用して湿式付着を評価した。さらに、場合によって、強度の測定も沸騰水処理試料で実施した。

0030

さらに塗膜の耐候性を決定するために、ASTME773/E774試験に似せたQUV促進耐候性及び熱サイクル湿潤試験を数種の被覆試料で実施した。塗膜の欠陥及び/又は強度の測定を所定の耐候性試験期間後に実施した。

0031

本発明は、次の実施例によってさらに明らかになるであろう。これらの実施例は、本発明の単なる例示であるものとする。ここで使用するパーセンテージは、特定しない限り、重量パーセントである。

0032

例1
シランカップリング剤のγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン3%及びポリアルコキシ官能性シラン架橋剤のビス(トリエトキシシリル)エタン3%を含むシラン成分をイソプロパノール溶媒13%に溶解してなる溶液と、アクリレート:ウレタンアクリレートオリゴマー+ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール(Ebecryl 284,ウレタンアクリレートオリゴマー対ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオールの比は7.33:1である)30%、トリス(2−ヒドロキシルエチル)イソシアヌレートトリアクリレート28%及びアクリル酸イソボルニル17%を含むアクリレート成分と、光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロポナン1%及びエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート4%との組合せを含む塗料混合物を調製した。全シラン溶液対全アクリレート溶液の重量比は1対4であった。水性酢酸でpH=4に調整した水1%をこのシラン成分に添加してこのシランを触媒的に加水分解させた。このシラン溶液とアクリレート溶液とを混合してから、このシラン溶液を4時間にわたって熟成させた。この塗料混合物を、平坦な凹凸ガラス試験パネルにナイフ塗布器で塗布して100ミクロンの膜圧を得た。これらのガラスパネルを、まず、(a)市販のガラスクリーナー(S.C.Jhonson&Son社から入手できるWindex(商標))で洗浄し、続いてイソプロパノールですすぎ、そして空気乾燥させるか、又は(b)飽和水酸化カリウム/イソプロパナール溶中に16時間浸漬させ、脱イオン水ですすぎ、10重量%の硫酸中に15〜30分間浸漬させ、脱イオン水ですすぎ、脱イオン水中に20分間浸漬させ、そして清浄な空気又は窒素で吹き付け乾燥させた(水酸化カリウム/酸洗浄)。

0033

図1は、リング・オン・リング試験により試験されたガラス強度を示す。対照、即ち、未処理の凹凸ガラスパネルも試験した。このデータは、強度の増加が両方の洗浄方式について本発明に従う塗料混合物によって得られると共に、「水酸化カリウム/酸」洗浄方式が最も高い強度を与えることを示している。

0034

例2
「水酸化カリウム/酸」洗浄方式で洗浄した凹凸のない板ガラス試験パネル及び例1に従う塗膜を沸騰水試験に付して塗膜の加水分解安定性を評価した。塗膜の厚みは70ミクロンであった。洗浄され且つ被覆されたガラスパネルを沸騰水中に1時間浸漬し、試験し、次いでさらに3時間浸漬した。光学顕微鏡を使用してふくれ及び他の欠陥の形成について試験した。また、Xカットテープ試験(ASTMD3359−02方法A)を使用して湿式付着を評価した。図2及び3は、沸騰水への浸漬後のガラスパネルの顕微鏡写真を示している。図から分かるように、1時間の浸漬後(図2a及び3a)に、市販のガラスクリーナーで洗浄されたガラスパネルはふくれを示し始め、且つ、付着評価の1Aまでの低下を示し始めた。これに対して、水酸化カリウム/酸プロセスで洗浄されたガラスパネルは、いかなるふくれの形成も示さず、また付着評価も5Aを維持した。さらに3時間の浸漬後(図2b及び3b)に、市販のガラスクリーナーで洗浄されたガラスパネルはさらに大きなふくれを形成し、また、その塗膜は基材への付着性を完全に失った。対照的に、水酸化カリウム/酸プロセスで洗浄されたガラスパネルはいかなるふくれも示さず、また、付着評価は5Aを維持した。これらの水酸化カリウム/酸プロセスで洗浄された上記ガラスパネルは、沸騰水浸漬試験で100時間を超えた後に、塗膜の完全な付着、すなわち、いかなるふくれもなく、しかも5Aと評価される付着性を与えた。

0035

例3
「水酸化カリウム/酸」洗浄方式で洗浄した板ガラス試験パネル及び例1に従う塗膜を60℃での連続的な脱イオン水噴霧(100%湿度)及び0.25W/m2/nm光度でのUVA−351暴露にさらすことを含むQUV促進耐候性試験に付し、そして強度をリング・オン・リング試験で検討した。塗膜の厚みは、それぞれ70ミクロン(試料1)及び30ミクロン(試料2)であった。表1は、QUV試験前の強度をまとめている。凹凸のある被覆していないガラスパネルについての対照1及び凹凸のある被覆していない洗浄ガラスパネルについての対照2が含まれている。これらの結果は、9回の反復試験の平均である。このQUV高湿潤試験では、試料1の被覆試験パネルは約6日でふくれを示し始め、そして約5〜9週間で剥離を示し始めたのに対し、試料2の被覆試験パネルは約4日でふくれを示し始め、そして約4〜7週間で剥離を示し始めた。

0036

0037

例4
凹凸のある板ガラス試験パネルを、例1に従う「水酸化カリウム/酸」洗浄方式で洗浄し、そして、イソプロパノール溶媒13%中シランカップリング剤のγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン3%及びポリアルコキシ官能性シラン架橋剤のビス(トリエトキシシリル)エタン3%を含むシラン溶液と、アクリレート及びメタクリレート:ウレタンメタクリレートオリゴマーCN1963を48%、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート8%、エトキシル化2−ビスフェノールAジメタクリレート8%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8%及びトリメチロールプロパントリアクリレート4%を含むアクリレート成分と、光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロポナン1%及びエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート3%とを含む塗料混合物で被覆した。全シラン溶液対全アクリレート溶液の重量比は1対4であった。水性酢酸でpH=4に調整した水1%をこのシラン成分に添加してこのシランを触媒的に加水分解させた。このシラン溶液とアクリレート溶液とを混合してから、このシラン溶液を4時間にわたって熟成させて予め加水分解を促進させた。この塗料混合物をナイフ塗布器で板ガラス試験パネルに塗布して70ミクロンの皮膜厚さを得た(試料3)。この塗料混合物を、1重量%のTinuvin 292(チバ社から入手できるヒンダードアミン光安定剤):試料4(70ミクロン厚)か、又はメタクリルシラン(Aerosil 711)で処理された4重量%のヒュームドシリカ:試料5(70ミクロン厚)のいずれかを含ませることによって改質させた。表2は、QUV試験前の試料3、4及び5についての強度試験の結果をまとめている。これらの結果は、9回の反復試験の平均である。

0038

0039

また、試料3、4及び5について上記の促進耐候性試験も行った。試料3についてのQUV促進耐候性試験では、被覆試験パネルは、約1.4週間のうちにふくれを示し、5〜8週間で剥離を示し始めた。試料4及び5については、ふくれは、それぞれ9週及び8週まで形成せず、それぞれ21週及び12週目でも剥離は全く観察されなかった。

0040

例5
QUV試験を行った例3及び4の試験パネルの強度をリング・オン・リング試験により測定した。表3はその結果をまとめている。

0041

0042

表3のデータは、本発明に従う塗膜が21週間程度の促進耐候性試験の後でも強度を保持することを示している。21週間のQUV試験後に、被覆ガラス(試料4)は、なお20944psiの強度を有していたが、これは、耐候性試験を受けていない被覆ガラスの70%である。さらに、凹凸のある被覆していないガラス(対照1)の150%も強度が改善している。

0043

例6
例1及び4に従って調製された試験パネル(試料1及び3)を沸騰水中に110時間浸漬させた。それぞれの試料の厚みは、60−150μmの範囲であった。試料1の塗膜は、83μmよりも大きい厚さを有する範囲で微少亀裂を形成し(図4a)、且つ、60〜83μmの範囲で微少亀裂とふくれを形成した(図4b)。対照的に、試料3の塗膜は、厚さが83μmよりも熱くてもいかなる微少亀裂も有しておらず、またいかなるふくれも有していなかった(図4c)。

0044

例7
上記例1及び4に従って調製された試験パネルを、ASTME773/E774試験によく似た熱サイクル/湿潤試験に付した。標準的なASTM E773/E774耐候性試験では、被覆ガラスは、まず高湿度試験を受け、次いで促進耐候サイクル試験を受ける(表4)。後者は、凍結解凍サイクル、UV照射及び短時間の水噴射を含む。この試験の評価レベル(A、B及びCレベル)を、塗膜が特性の変化なしにどれくらいの回数これらのサイクル試験(表4に示されるような)を経たか、に従って決定する。このASTM E773/E774試験によく似た試験では、それぞれのレベルで、塗膜を、高湿度試験(60℃、95%相対湿度)に似せるために、まずQUV促進耐候性条件(60℃、連続水噴射、0.25W/m2/nmでのUVA照射)で試験した。続いて、塗膜を促進耐候サイクル試験に似せた試験で検討した。すなわち、ASTM E773/E774の温度プロフィールの後に、相対湿度を3〜4時間の間に約95%に増加させ、1時間にわたり95%で保持した。ここで使用した促進耐候サイクル試験に似せた試験では、UV照射又は水噴射は行わなかった。

0045

0046

上記の試料1〜5を高湿度及び促進耐候サイクル試験に交互に付して表5に従う評価を決定した。表5はそれらの結果をまとめている。

0047

0048

クラスC試験では、試料1及び2の塗膜(それぞれ、70ミクロン及び30ミクロン)並びに試料3(70ミクロン)の塗膜は、高湿度試験(QUV試験)の直後にふくれを形成し始めた。このふくれは、実際には、5週間(140サイクル)の促進耐候サイクル試験中にある程度回復し、そして明るい点に変化した。試料4及び5は、クラスCレベルで完全なままであった。

0049

クラスBでは、試料1、2及び3の塗膜は、高湿度試験(QUV試験)後に剥離し始めた。試料4及び5は、両方ともクラスBで申し分なかった。この結果は、QUV試験でのそれらの性能と一致する。

0050

クラスAでは、高湿度試験後に、試料5の塗膜で大きなふくれが形成されたのに対し、試料4の塗膜ではほんの小さなふくれがあったにすぎなかった。それからクラスAでの2週間(56サイクル)の熱サイクル試験の後に、試料5の塗膜ではかなりの亀裂が形成されたが、試料4の皮膜はそのままであった。。

0051

試料4の塗膜では、クラスA試験後に、その塗膜がガラス基材に付着したままであった。光学顕微鏡下では、ふくれは全く観察されなかった。

0052

例8
シランのアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン(VTEO)及びγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMO)と、アクリレート及び表6に示したような光開始剤とを一緒にした。このシラン溶液(シラン+イソプロパノール)とこのアクリレート溶液とを混合してから、このシラン溶液(シラン、水及びイソプロパノールを含む)を1日間熟成させた。ガラス試料を上記の市販のガラスクリーナー方式で洗浄した。この処方物を、モーター付き「V」型ロール塗布器により板ガラスパネルの縁に塗布した。赤外パネルを使用してそれぞれのガラスの縁を120〜140℃の表面温度に達するまで加熱した(20秒間)。続いて、この被覆物をUV照射で硬化させた。その強度を四点曲げ方法により試験した。図5はそれらの結果をまとめている。

0053

0054

例9
4種の脂肪族ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー(少量のアクリレート単量体と混合されたものを含む)Ebecryl284、CN983、CN963A80及びCN991を、それぞれ1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)と4:1の比率希釈した。光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロポナン及びエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフェートを1PPH(百分率)及び4PPHの濃度で添加した。次いで、それぞれの溶液を、4時間にわたって熟成させた、イソプロパノール溶媒65%中γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン15%と、ビス(トリエトキシシリル)エタン15%と、水5%とのシラン溶液に4:1のアクリレート溶液対シラン溶液の比で添加して塗料溶液を調製した。

0055

約40μmの厚さの塗膜を「水酸化カリウム/酸」洗浄方式で洗浄したガラスの表面にナイフ塗布器により塗布し、次いで沸騰水試験に付した。浸漬の7時間後に、Ebecryl284が処方された塗膜のみがふくれを形成しなかった。CN983、CN963A80及びCN991が処方された他の3種の塗膜の全てがかなりのふくれの形成に至った。

0056

例10
4時間にわたって熟成された例1のシランを、表7に示したアクリレートと混合した。ガラス物品(1インチ×6インチ)をWindex方式で洗浄した。これらの塗料をガラスの縁に塗布し、そして、初期強度を四点曲げ試験で測定した。上記のようなQUV促進試験を実施して塗膜の剥離時を決定した。表7は、放射線硬化性アクリレート部分の形成を一覧にしており、またそれらの結果をまとめている。

0057

0058

例11
4時間にわたって熟成された例1のシラン処方物を、表8において重量パーセントで示したアクリレート組成物と混合した。ガラス物品をKOH/酸方式で洗浄した。塗料を凹凸のある洗浄したガラス表面にナイフ塗布器により塗布した。乾燥及び硬化後の塗膜の厚さは100ミクロンであった。初期強度及び沸騰水浸漬の64時間後の強度の両方リング・オン・リング試験で測定した。図6はその結果をまとめている。

0059

0060

比較例
ガラス基材を例1に記載した水酸化カリウム/酸洗浄方式で洗浄した。0.5重量%のメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMO)を、酢酸でpH4.5に調整された50%水/50%イソプロパノール溶媒に溶解してなるシラン溶液を調製した。比較試料1及び2について、洗浄したガラス基材をシラン溶液及び4個以上のアルコキシ基を有する乾燥ポリアルコキシ官能性シラン架橋剤中に60℃で2分間浸漬させた。その後、表9に示した反応性アクリレート溶液をこのガラス基材に塗布した。このアクリレート溶液は、光開始剤Darcour 1173及びLucirinTPO−Lを含む。ナイフ塗布器を使用してこれらの塗料を塗布する。続いて、塗膜を60℃のオーブン内で1分間乾燥させた。乾燥後に、これらの塗膜を紫外線ランプに暴露して硬化させた。硬化した塗膜の厚さは約70ミクロンであった。この被覆ガラス基材を上記沸騰水試験に付した。比較試料3及び4は、シラン溶液で「予備処理」されず、むしろ、シランMPTMOを表9に記載した反応性アクリレート溶液に直接添加した。この反応性アクリレート溶液を同一のナイフ塗布方法で塗布し、次いで同一の方法で乾燥及び硬化させた。比較試料3及び4を、塗料の塗布後に同一の沸騰水試験に付した。表9のデータは、シランカップリング剤予備処理及び紫外線光で硬化された反応性アクリレート溶液で処理されたガラス基材(比較試料1及び2)が沸騰水試験において26時間未満の剥離時間を示したことを示している。シランが反応性アクリレート溶液中に加えられた比較試料3及び4は、同様の剥離時間又はそれよりも短い剥離時間を示した。シラン溶液及び放射線硬化性アクリレート溶液を含む本発明に従う塗膜(試料2、3及び4)は、50又は100時間を超える剥離時間を示した。

0061

0062

本発明をその特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明の多数の他の形態及び改変が当業者にとっては自明であることは明らかである。添付した特許請求の範囲及び本発明は、概して、本発明の精神及び範囲内にあるこのような全ての形態及び改変を包含すると解釈すべきである。

図面の簡単な説明

0063

強度対処理方法のグラフ図である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
沸騰水への暴露後の被覆ガラスの顕微鏡写真である。
強度対シランの種類のグラフ図である。
強度(沸騰水試験の前後)対処法のグラフ図である。

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