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技術 データ処理装置、記録装置及びデータ処理方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 瀧沢実
出願日 2008年5月29日 (11年4ヶ月経過) 出願番号 2008-141416
公開日 2009年12月10日 (9年10ヶ月経過) 公開番号 2009-285996
状態 未査定
技術分野 プリンティングのための記録情報の処理 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 進行方向先頭 列状配列 データ解凍処理 メカニカル機構 割付フラグ 静電駆動素子 複数ビットデータ 割付テーブル
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図面 (13)

課題

データ処理ソフトウェア処理ハードウェア処理との並列処理で行う場合、ソフトウェア処理である処理部に発生した待ちに起因して他の処理部へ切り換わる頻度を低減し、切り換わりに起因するデータ処理効率の低下を防止できるデータ処理装置記録装置及びデータ処理方法を提供する。

解決手段

記録ヘッド印字を行うためにプリンタに与えられた記録データについて第一タスク部53がコマンド解析ラスタ管理処理を行い、これと並列処理でデータ解凍パス分解回路42が記録データの解凍・パス分解処理を行う。次に第二タスク部54はノズル割付・列間ずらし処理とを一つのタスクとしてまとめて行い、これと並列処理で縦横変換回路43が縦横変換処理を行う。また、縦横変換回路43の縦横変換時間が規定時間以上かからないと判定された場合は、第二タスク部54が処理を終了してもタスクの切り換えが行われない構成となっている。

概要

背景

従来、プリンタでは、ホスト装置から受信した印刷データ(記録データ)にデータ処理を施し、そのデータ処理後のデータに基づき記録ヘッド駆動制御して用紙に記録を行う。例えば、インクジェット式シリアルプリンタにおけるデータ処理としては、コマンド解析処理、データ解凍処理パス分解処理ノズル割付処理、列間ずらし処理、縦横変換処理等が行われる。コマンド解析処理とは印刷データ中コマンドを解析する処理、データ解凍処理とは印刷データ中の記録データを解凍する処理、パス分解処理とは記録データを記録ヘッドの一回移動分のパス毎に分解する処理である。また、ノズル割付処理とは、記録データを構成するドットデータ(画素データ)に記録ヘッドのノズル割り付ける処理、列間ずらし処理とは記録ヘッドの移動方向に並ぶノズル列間での記録タイミングを調整すべくノズル列間でドットデータをダミーデータの付加によりずらす処理である。さらに縦横変換処理とは、記録ヘッドの移動方向と平行となるドットデータの並び順アドレス順)を、移動方向と直交するノズル列方向に合わせるべく縦横変換する処理である。

例えば特許文献1、2には、ずらし処処理を行う記録装置が開示され、用紙と記録ヘッドとの間隔やインク滴飛翔速度のプリンタ個体差間のばらつきに起因する着弾位置のずれを調整するためにラスタデータの左右にダミーデータを付加するようになっていた。また、特許文献3には、パス分解処理を行う記録装置が開示されている。

ところで、これらのデータ処理は、電子回路等を用いて行うハードウェア処理と、CPUが行うソフトウェア処理との協働で行われる。例えばコマンド解析やノズル割付処理、列間ずらし処理等はソフトウェア処理で行われ、データ解凍処理やパス分解処理、縦横変換処理等はハードウェア処理で行われる。

データ処理は、記録データが処理単位ずつ上流側から下流側へ段階的に進められ、各段階でソフトウェア処理とハードウェア処理が並列処理で行われる。例えばノズル割付処理とパス分解処理とが並列処理で行われ、次の段階で列間ずらし処理と縦横変換処理とが並列処理で行われ、各段階の処理結果は段階毎バッファに一時格納される。例えばハードウェアである縦横変換回路は、ノズル割付処理結果及び列間ずらし処理結果を反映しつつ縦横変換を行うので、ノズル割付処理及び列間ずらし処理は必ず縦横変換処理の前に行われる。このように並列処理の組み合わせの中には、ソフトウェア処理の処理結果を参照して電子回路(回路部)がハードウェア処理を行うものがある。
特開2006−239963公報(段落0087〜0091等、図25、図26A、図26B等)
特開2000−318145号公報
特開2005−262589号公報(段落0039〜0041等、図10、図11等)

概要

データ処理をソフトウェア処理とハードウェア処理との並列処理で行う場合、ソフトウェア処理である処理部に発生した待ちに起因して他の処理部へ切り換わる頻度を低減し、切り換わりに起因するデータ処理効率の低下を防止できるデータ処理装置、記録装置及びデータ処理方法を提供する。記録ヘッドで印字を行うためにプリンタに与えられた記録データについて第一タスク部53がコマンド解析・ラスタ管理処理を行い、これと並列処理でデータ解凍・パス分解回路42が記録データの解凍・パス分解処理を行う。次に第二タスク部54はノズル割付・列間ずらし処理とを一つのタスクとしてまとめて行い、これと並列処理で縦横変換回路43が縦横変換処理を行う。また、縦横変換回路43の縦横変換時間が規定時間以上かからないと判定された場合は、第二タスク部54が処理を終了してもタスクの切り換えが行われない構成となっている。

目的

ところで、CPUが行うソフトウェア処理は、記録装置内のオペレーティング・システム(OS)がタスク管理を行い、例えば優先順位の高いタスクを起動させる構成が通常採用される。このような構成を採用した場合、バッファの容量制限から、起動されたタスクが処理を終了して回路部に次の処理を渡した後、回路部の処理が終了してバッファに空きができるまで処理ができなくなり、回路部を処理終了後に再び起動させる指示を出すまでにタスクに待ちができる。この場合、OSのタスク管理上、次に優先順位の高い他のタスクに切り換わりることで、データ処理が効率よく進められる。しかし、タスクの切り換え処理が多いと、これがOSのオーバーヘッドになって返ってデータ処理時間が長くなる場合があった。このため、タスクの待ちがなるべく発生しないように処理が行われることが望まれていた。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

画素を記録するための記録素子複数列有する記録手段を備えた記録装置におけるデータ処理装置であって、与えられた記録データを構成する画素データに記録素子を割り付ける割付処理と、前記記録素子の記録タイミングを列間で調整すべく列間で画素データをずらす列間ずらし処理とをソフトウェア処理で行う処理部と、前記記録データを構成する画素データを前記記録手段が記録を行う際に前記記録素子への出力順に合うように並び替える並替処理を前記処理部の割付結果及び列間ずらし結果を反映させつつハードウェア処理で行う並替回路とを備え、前記処理部と前記並替回路は、前記記録データを処理単位ずつ順番に処理し、前記処理部が前記割付処理と前記列間ずらし処理とをまとめて行うソフトウェア処理と、前記並替回路が並替処理を行うハードウェア処理とを並列処理で行うことを特徴とするデータ処理装置。

請求項2

前記処理部は前記割付処理及び列間ずらし処理の終了後に前記並替回路を起動させ、前記割付処理及び列間ずらし処理の終了後に、前記並替回路が処理中であれば当該並替回路を起動させるまでに待ち時間が発生する構成であり、前記待ち時間が規定時間以上発生するか否かを判定する判定手段と、前記待ち時間が規定時間以上発生すると判定されれば、前記処理部の処理終了後にソフトウェア処理を前記処理部から他の処理部へ切り換え、一方、前記待ち時間が規定時間以上は発生しないと判定されれば、前記他の処理部への切り換えを行わず前記処理部を前記並替回路の処理終了まで待機させる切換手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。

請求項3

前記他の処理部及び前記処理部はそれぞれ第一タスク及び第二タスクであって、該第一及び第二タスクを含む複数のタスクを管理するとともに起動中のタスクからの終了通知に基づき実行タスクを切り換えるリアルタイムOSを備え、前記切換手段は、前記第二タスクから前記リアルタイムOSへの終了通知の有無によりタスク切り換えと待機とを選択する構成であり、前記第二タスクは、前記判定手段により前記待ち時間が規定時間以上発生すると判定されれば処理終了後に終了通知を行うが、前記待ち時間が前記規定時間以上発生しないと判定されれば終了通知を行わないことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項4

前記記録手段は、搬送される記録媒体に記録を施すとともに該記録媒体の搬送方向と交差する走査方向に移動するシリアル記録方式のものであり、前記処理部は、前記記録手段が前記走査方向に一回移動する1パス分の記録データを複数に分割した分割データを処理単位として処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。

請求項5

記録媒体に記録を施す前記記録手段と、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ処理装置とを備えたことを特徴とする記録装置。

請求項6

画素を記録するための記録素子を複数列有する記録手段を備えた記録装置におけるデータ処理方法であって、与えられた記録データを構成する画素データに記録素子を割り付ける割付処理と、前記記録素子の記録タイミングを列間で調整すべく列間で画素データをずらす列間ずらし処理とをCPUが行う処理ステップと、前記記録データを構成する画素データを前記記録手段が記録を行う際に前記記録素子への出力順に合うように並び替える並替処理を並替回路が前記処理ステップでの割付結果及び列間ずらし結果を反映させつつ行う並替ステップとを備え、前記処理ステップと前記並替ステップは、前記記録データを処理単位ずつ順番に処理し、前記CPUが前記割付処理と前記列間ずらし処理とをまとめて行うソフトウェア処理と、前記並替回路が並替処理を行うハードウェア処理とを並列処理で行うことを特徴とするデータ処理方法。

技術分野

0001

本発明は、記録装置に与えられた記録データを記録手段による記録に使用可能なデータに変換するデータ処理ソフトウェア処理ハードウェア処理との協働で行うデータ処理装置、記録装置及びデータ処理方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、プリンタでは、ホスト装置から受信した印刷データ(記録データ)にデータ処理を施し、そのデータ処理後のデータに基づき記録ヘッド駆動制御して用紙に記録を行う。例えば、インクジェット式シリアルプリンタにおけるデータ処理としては、コマンド解析処理、データ解凍処理パス分解処理ノズル割付処理、列間ずらし処理、縦横変換処理等が行われる。コマンド解析処理とは印刷データ中コマンドを解析する処理、データ解凍処理とは印刷データ中の記録データを解凍する処理、パス分解処理とは記録データを記録ヘッドの一回移動分のパス毎に分解する処理である。また、ノズル割付処理とは、記録データを構成するドットデータ(画素データ)に記録ヘッドのノズル割り付ける処理、列間ずらし処理とは記録ヘッドの移動方向に並ぶノズル列間での記録タイミングを調整すべくノズル列間でドットデータをダミーデータの付加によりずらす処理である。さらに縦横変換処理とは、記録ヘッドの移動方向と平行となるドットデータの並び順アドレス順)を、移動方向と直交するノズル列方向に合わせるべく縦横変換する処理である。

0003

例えば特許文献1、2には、ずらし処処理を行う記録装置が開示され、用紙と記録ヘッドとの間隔やインク滴飛翔速度のプリンタ個体差間のばらつきに起因する着弾位置のずれを調整するためにラスタデータの左右にダミーデータを付加するようになっていた。また、特許文献3には、パス分解処理を行う記録装置が開示されている。

0004

ところで、これらのデータ処理は、電子回路等を用いて行うハードウェア処理と、CPUが行うソフトウェア処理との協働で行われる。例えばコマンド解析やノズル割付処理、列間ずらし処理等はソフトウェア処理で行われ、データ解凍処理やパス分解処理、縦横変換処理等はハードウェア処理で行われる。

0005

データ処理は、記録データが処理単位ずつ上流側から下流側へ段階的に進められ、各段階でソフトウェア処理とハードウェア処理が並列処理で行われる。例えばノズル割付処理とパス分解処理とが並列処理で行われ、次の段階で列間ずらし処理と縦横変換処理とが並列処理で行われ、各段階の処理結果は段階毎バッファに一時格納される。例えばハードウェアである縦横変換回路は、ノズル割付処理結果及び列間ずらし処理結果を反映しつつ縦横変換を行うので、ノズル割付処理及び列間ずらし処理は必ず縦横変換処理の前に行われる。このように並列処理の組み合わせの中には、ソフトウェア処理の処理結果を参照して電子回路(回路部)がハードウェア処理を行うものがある。
特開2006−239963公報(段落0087〜0091等、図25、図26A、図26B等)
特開2000−318145号公報
特開2005−262589号公報(段落0039〜0041等、図10図11等)

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、CPUが行うソフトウェア処理は、記録装置内のオペレーティング・システム(OS)がタスク管理を行い、例えば優先順位の高いタスク起動させる構成が通常採用される。このような構成を採用した場合、バッファの容量制限から、起動されたタスクが処理を終了して回路部に次の処理を渡した後、回路部の処理が終了してバッファに空きができるまで処理ができなくなり、回路部を処理終了後に再び起動させる指示を出すまでにタスクに待ちができる。この場合、OSのタスク管理上、次に優先順位の高い他のタスクに切り換わりることで、データ処理が効率よく進められる。しかし、タスクの切り換え処理が多いと、これがOSのオーバーヘッドになって返ってデータ処理時間が長くなる場合があった。このため、タスクの待ちがなるべく発生しないように処理が行われることが望まれていた。

0007

本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、データ処理をソフトウェア処理とハードウェア処理との並列処理で行う場合、ソフトウェア処理である処理部に発生した待ちに起因して他の処理部へ切り換わる頻度を低減し、切り換わりに起因するデータ処理効率の低下を防止できるデータ処理装置、記録装置及びデータ処理方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、画素を記録するための記録素子複数列有する記録手段を備えた記録装置におけるデータ処理装置であって、与えられた記録データを構成する画素データに記録素子を割り付ける割付処理と、前記記録素子の記録タイミングを列間で調整すべく列間で画素データをずらす列間ずらし処理とをソフトウェア処理で行う処理部と、前記記録データを構成する画素データを前記記録手段が記録を行う際に前記記録素子への出力順に合うように並び替える並替処理を前記処理部の割付結果及び列間ずらし結果を反映させつつハードウェア処理で行う並替回路とを備え、前記処理部と前記並替回路は、前記記録データを処理単位ずつ順番に処理し、前記処理部が前記割付処理と前記列間ずらし処理とをまとめて行うソフトウェア処理と、前記並替回路が並替処理を行うハードウェア処理とを並列処理で行うことを要旨とする。

0009

この発明によれば、処理部は、与えられた記録データを構成する画素データに記録素子を割り付ける割付処理と、記録素子の記録タイミングを列間で調整すべく列間で画素データをずらす列間ずらし処理とをソフトウェア処理で行う。また、並替回路は、記録データを構成する画素データを記録手段が記録を行う際に記録素子への出力順に合うように並び替える並替処理を処理部の割付結果及び列間ずらし結果を反映させつつハードウェア処理で行う。処理部と並替回路の各処理は、記録データを処理単位ずつ順番に処理することで行われる。そして、処理部が割付処理と列間ずらし処理とをまとめて行うソフトウェア処理と、並替回路が並替処理を行うハードウェア処理とは並列処理で行われる。よって、処理部の処理結果が一時的に格納される格納部(バッファ)の容量の制限等を理由に、並替回路の処理が進むまで処理部の処理を一時的に行えない待ちが発生しても、並替回路と並列処理を行う処理部の処理内容を列間ずらし処理だけとした構成に比べ、その待ち時間を短くすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明をインクジェット式プリンタに適用した一実施形態を、図1図12を用いて説明する。図1は、外装ケースを取り外した状態のインクジェット式記録装置の斜視図を示す。図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタ11と称す)は、例えばシリアル記録方式の大判プリンタである。プリンタ11は、上側が開口する略四角箱状の本体ケース12を備え、この本体ケース12内に架設されたガイド軸13にはキャリッジ14が主走査方向(図1におけるX方向)に案内されて往復動可能な状態で設けられている。キャリッジ14が背面側で固定された無端状のタイミングベルト15は、本体ケース12の背板内面上に配設された一対のプーリ16,17に巻き掛けられ、一方のプーリ16と駆動軸が連結されたキャリッジモータ(以下、「CRモータ18」という)が正逆転駆動されることにより、キャリッジ14は主走査方向Xに往復動する構成となっている。

0011

キャリッジ14の下部には、インク噴射する記録ヘッド19が設けられ、さらに本体ケース12内において記録ヘッド19と対向する下方位置には、記録ヘッド19と記録媒体としての用紙Pとの間隔を規定するプラテン20がX方向に延びる状態で配置されている。また、キャリッジ14の上部には、ブラック用およびカラー用の各インクカートリッジ21,22が着脱可能に装填されている。記録ヘッド19は、各インクカートリッジ21,22から供給された各色のインクを、色ごとのノズル列を構成する各ノズルから噴射(吐出)する。なお、記録ヘッド19により記録手段が構成される。

0012

プリンタ11の背面側には、給紙トレイ23と、給紙トレイ23上に積重された多数枚の用紙Pのうち最上位の1枚のみを分離して副走査方向Y下流側に供給する自動給紙装置(Auto Sheet Feeder)24とが設けられている。

0013

また、本体ケース12の図1における右側下部に配設された紙送りモータ(以下、「PFモータ25」という)が駆動されることにより、搬送機構(例えば紙送りローラ及び排紙ローラ)(図示せず)が駆動されて、用紙Pが副走査方向Yへ搬送される。そして、キャリッジ14を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド19のノズルから用紙Pに向けてインクを噴射する印刷動作と、用紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する紙送り動作とを略交互(但し、各動作タイミングは一部重複してもよい。)に繰り返すことで、用紙Pに文字や画像等の印刷が施される。なお、PFモータ25は自動給紙装置24の動力源も兼ねている。

0014

また、プリンタ11には、キャリッジ14の移動距離に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダ26がガイド軸13に沿って延びるように配置されており、リニアエンコーダ26の出力パルスを用いて求められるキャリッジ14の移動位置、移動速度及び移動方向に基づいて、キャリッジ14の速度制御及び位置制御は行われる。また、リニアエンコーダ26の出力パルスに基づいて記録ヘッド19のノズルからのインク噴射タイミングを決める噴射タイミング信号が生成される。なお、プリンタ11においてホームポジションキャリッジ移動経路上の一端部(図1における右端位置))に位置した際のキャリッジ14の直下には、記録ヘッド19のノズル目詰まり等を予防・解消するためのクリーニング等を行うメンテナンス装置27が配設されている。

0015

図2は記録ヘッドの底面(ノズル開口面)を示す。図2に示すように、記録ヘッド19の底面は複数個のノズルが開口するノズル開口面19Aとなっている。ノズル開口面19Aには、副走査方向(図2における上下方向)に一定のノズルピッチで一列に配列された計180個のノズル♯1〜♯180により構成されているK,C,M,Yの各色の計4列のノズル列が形成されている。本例では、合計4列のノズル列を用いて、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の4色の印刷を行う。なお、ノズル列毎のノズルは1列状配列に限らず、千鳥配列としてもよい。

0016

また、記録ヘッド19には、各ノズル♯1〜♯180と対応する図2に示す吐出駆動素子28がノズル数同数内蔵されている(但し、図2では記録ヘッド19の外側に模式的に描いている)。吐出駆動素子28は、例えば圧電振動素子又は静電駆動素子からなり、所定駆動波形電圧パルス印加されると、電歪作用又は静電駆動作用により、ノズルに連通するインク室内壁部(振動板)を振動させて、インク室を膨張圧縮させることによりノズルからインク滴を吐出させる。もちろん吐出駆動素子28はノズル通路内のインクを加熱するヒータでもよく、ヒータで加熱したインク内に沸騰により発生した気泡の膨張を利用してノズルからインク滴を吐出させる方式も採用できる。なお、吐出駆動素子28はノズルと対向する位置に配置され、その素子配列はノズル列と同様の配列パターンとなっている。本実施形態では、吐出駆動素子28が記録素子に相当する。

0017

図3は、プリンタ11のデータ処理に係る部分の電気的構成を示す概略構成図である。
プリンタ11はホスト装置80からインターフェイス29を介して印刷データPDを受信する。印刷データPDはホスト装置80からプリンタ11にパケット転送される。

0018

この印刷データPDは、コマンドと記録データ(ラスタデータ)とから構成される。記録データは、ホスト装置80内のプリンタドライバ(図示せず)が、表示用(例えばRGB表色系)の画像データに対し解像度変換処理色変換処理ハーフトーン処理等を施して生成したものである。印刷データPDには、カラー印刷の場合はシアンC、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録データが含まれ、一方、モノクロ印刷の場合はブラック(K)の記録データが含まれる。

0019

ここで、解像度変換処理は、表示用(例えばRGB表色系)の画像データの解像度を、プリンタ11の印刷解像度に変換する処理であり、色変換処理は、解像度変換処理後の表示用表色系(例えばRGB表色系)の画像データをCMYK表色系の画像データに変換する処理である。また、ハーフトーン処理は、色変換処理後のCMYK表色系の画像データを、プリンタ11が表現可能な2階調又は4階調のCMYKドットデータに変換する処理である。記録データはプリンタ11へ転送される前に圧縮される。なお、プリンタ11がメモリカード等の外部記録装置から読み取った画像データについて内部で解像度変換処理、色変換処理及びハーフトーン処理等を行って印刷データを生成する機能を備えるスタンドアロン方式である場合、ホスト装置80から受信した印刷データと同様に、内部で生成した印刷データについて後述するデータ処理を行う。

0020

プリンタ11内には、CRモータ18、PFモータ25(いずれも図1参照)及び記録ヘッド19の各種制御を司るコントローラ30が設けられている。コントローラ30は、CPU31(中央処理装置)、電子回路(集積回路)であるASIC32(Application Specific IC)、ROM33、RAM34及びヘッド駆動回路35を備える。ヘッド駆動回路35は、記録ヘッド19と電気的に接続されている。なお、CPU31、RAM34、ヘッド駆動回路35のうち少なくとも一つがASIC32内にデータ処理用回路と共に内蔵されていてもよい。

0021

ASIC32は、データ処理を行うハードウェア構成としてデータ受信回路41、データ解凍・パス分解回路42、縦横変換回路43及びヘッド転送回路44を備えている。
データ解凍・パス分解回路42は、印刷データPD中の記録データを解凍するデータ解凍処理と、記録ヘッド19の主走査方向への1回の移動である1パス分ずつ記録データを分解するパス分解処理とを行う。また、縦横変換回路43は、RAM34中に主走査方向と平行な方向(横方向)が読み出し順となるアドレス順序で格納されたドットデータを、記録ヘッド19のノズル列方向(縦方向)にノズル列高さ分(列方向のノズル個数分)ずつ主走査方向Xに沿って順番に読み出し可能なアドレス順序にデータの格納順序を並び替える(変換する)縦横変換処理を行う。これらの各処理の詳細については後述する。

0022

プリンタ11の起動時には、ROM33から読み出されたプログラム変数がRAM34内に図3に示すように書き込まれる。このプログラムには、オペレーティング・システム(OS)用のプログラム(以下、「OS用プログラム」という)、記録ヘッド19を駆動制御するためのヘッド制御用のファームウェアプログラム、CRモータ18及びPFモータ25を駆動制御するためのモータ制御用のファームウェアプログラム等が含まれている。CPU31がOS用プログラム及び記録制御用のファームウェアプログラムを必要な変数等を用いて実行することで、データ処理の一部を構成するソフトウェア処理が行われる。

0023

RAM34には、記録データの格納領域として、入力バッファ46、プレーンバッファ47及びイメージバッファ48が備えられている。入力バッファ46は、データ受信回路41が受信した印刷データが一時的に記憶される記憶領域である。プレーンバッファ47は、データ解凍・パス分解回路42が処理した後の記録データが一時的に記憶される記憶領域である。また、イメージバッファ48は、縦横変換回路43で縦横変換された後の記録データが記憶される記憶領域である。

0024

CPU31はヘッド制御用のファームウェアプログラムを実行することで、ASIC32内の各回路41〜44及びヘッド駆動回路35に対するレジスタ設定や起動の指示を行う。なお、コントローラ30は、印刷時には、図示しないモータ駆動回路を介してCRモータ18及びPFモータ25を駆動制御する。

0025

図4は、コントローラ30内に設けられたデータ処理装置50のブロック図を示す。データ処理装置50は、印刷データPDにデータ処理を施して、記録ヘッド19の吐出制御に使用可能な記録データを生成する。データ処理装置50は、ASIC32及びRAM34の他、CPU31がOS用プログラムを実行して構築されるリアルタイムOS51と、CPU31がヘッド制御用のファームウェアプログラムを実行して構築されるファームウェア部52とを備える。リアルタイムOS51及びファームウェア部52は共にソフトウェアで構成される。

0026

ファームウェア部52は、コマンド解析・ラスタ管理部である第一タスク部53と、ノズル割付・列間ずらし部である第二タスク部54と、メカ制御・ヘッド制御部である第三タスク部55とを備える。さらにファームウェア部52は、縦横変換回路43が処理単位分(本例では半パス分)の記録データの縦横変換に要する処理時間(縦横変換時間)が規定時間かかるか否かを判定する判定部56及びその判定結果を保持するフラグ57を備えている。なお、本実施形態では、1ラスタライン(1パス)分の記録データを複数分割(本例では2分割)した半パス分の記録データが分割データに相当する。

0027

また、リアルタイムOS51は、処理機能部61及びスケジューラ62を備える。スケジューラ62は、タスク管理部63及びディスパッチ部64を備えている。
処理機能部61は、リアルタイムOS51のスケジューラ62以外の各種機能を司る部分である。スケジューラ62は、タスク部53〜55のスケジュール管理を行う。すなわち、タスク部53〜55の起動要求受け付けると、空きがあればそのタスク部を起動するが、既に他のタスク部が実行中(Run状態)であれば、そのタスク部をReady状態とする。そして、実行中のタスク部から処理を終了した旨あるいは待ちが発生した旨の通知SC(サービスコール)を受け付けると、そのときReady状態のタスク部が存在すればそのうち優先順位の一番高いタスク部を起動させることで実行タスク切り換えるようになっている。タスク管理部63は、タスクの状態(Wait,Ready,Run等)を管理する。ディスパッチ部64は、スケジューラ62がタスク切り換えイベントとなる通知SC(サービスコール)を受け付けると、タスク管理部63が管理するタスクの状態を参照してReady状態のタスク部のうち優先順位の一番高いタスク部に起動指示DSを通知してこれを起動させる。

0028

第一タスク部53(コマンド解析・ラスタ管理部)は、データ受信回路41がデータ受信を開始すると、入力バッファ46から印刷データPDを読み出してコマンド解析処理及びタスク管理処理を行う。ここで、印刷データPDは、コマンドと記録データとから構成される。第一タスク部53は、入力バッファ46から取得したデータがコマンドであればコマンド解析処理を行い、コマンド解析結果に基づき1ラスタライン分の記録データの保存先アドレス割り当てるなどのラスタ管理処理コマンド処理)を行う。さらに第一タスク部53は、取得したデータがコマンドでなければ(つまり記録データであれば)、データ解凍・パス分解回路42のレジスタに、ラスタ管理処理で割り当てた保存先アドレスを含む設定データを設定(レジスタ設定)した後、データ解凍・パス分解回路42を起動させる。

0029

データ解凍・パス分解回路42は、入力バッファ46から記録データを読み出して解凍する解凍処理と、解凍した記録データを構成するドットデータ(画素データ)をパス毎に分解するパス分解処理とを行う。そして、パス分解後の記録データをプレーンバッファ47に格納する。

0030

また、判定部56は、コマンド解析結果を利用して、今回の(これから行うべき)処理単位分(半パス分)の記録データを縦横変換する縦横変換回路43の処理時間(以下、「縦横変換時間」という)が規定時間以上かかるか否かを判定する。判定部56は、縦横変換時間が規定時間以上かかると判定した場合は、フラグ57内に設けられた判定フラグ(図示せず)に「1」をセットし、一方、規定時間以上かからないと判定した場合は、判定フラグを「0」にクリアする。ここで、本実施形態では、コマンド解析により取得された用紙サイズ(媒体サイズ)を用いて判定部56は判定を行う。すなわち、判定部56は、用紙サイズが規定サイズ以上であれば判定フラグをセットし、用紙サイズが規定サイズ未満であれば判定フラグをクリアする。

0031

第二タスク部54(ノズル割付・列間ずらし部)は、ドットデータにノズルを割り付けるノズル割付け処理と、KCMYの各色のノズル列間で吐出タイミングを調整すべくノズル列毎のドットデータの配置位置をダミーデータの付加によってずらす列間ずらし処理とを行う。第二タスク部54は、ノズル割付結果及び列間ずらし処理結果のテーブルをRAM34の所定記憶領域に記憶した後、縦横変換回路43に起動させる。縦横変換回路43は、プレーンバッファ47からパス分解後の記録データを処理単位分(半パス分)ずつ読み出し、前記テーブルを参照してノズル割付結果及び列間ずらし処理結果を反映しつつドットデータの縦横変換処理を行う。そして、縦横変換処理後の記録データをイメージバッファ48に格納する。

0032

第二タスク部54は、1ラスタライン分(半パス×2回分)のノズル割付・列間ずらし部を終了すると、縦横変換回路43を起動させる前において、フラグ57を参照し、判定フラグが「1」であるか否かを判断する。そして、判定フラグが「1」であれば、第二タスク部54はリアルタイムOS51に対して縦横変換回路43の処理終了待ちの旨の通知SCを行う。一方、判定フラグが「0」であれば、第二タスク部54はリアルタイムOS51に対して通知SCを行わず、縦横変換回路43の処理が終了するまで起動したまま待機する。

0033

リアルタイムOS51のタスク管理部63は、起動中であったタスク部から通知SC(サービスコール)を受け付けると、そのときReady状態にあるタスク部が存在すれば、その中で一番優先順位の高いタスク部を起動させるタスク制御を行う。このため、起動中のタスク部から処理を終了したにも関わらず通知SCを受け付けなければ、リアルタイムOS51による他のタスク部への切り換えは行われない。よって、縦横変換時間Tが規定時間Tc以上かかると判定された場合、つまり、第二タスク部54が処理終了後に縦横変換回路43の処理終了まで待つ待ち時間Twaitが規定時間To以上長いと判定される場合は、他のタスク部への切り換えが行われるが、縦横変換時間Tが規定時間Tc以上かからない判定された場合は、他のタスク部への切り換えが行われずタスク部は起動したまま待機する。なお、フラグ57には、判定フラグの他に、ノズル割付・列間ずらし処理で用いるノズル割付指示フラグ及びノズル割付終了フラグが備えられている。

0034

第二タスク部54は、タスク部の切り換えあるいは待機により、縦横変換回路43の処理が終了すると、次の処理単位の記録データを縦横変換させるために再び縦横変換回路43を起動させる。

0035

第三タスク部55(メカ制御・ヘッド制御部)は、CRモータ18及びPFモータ25などのメカニカル機構部を駆動制御するメカ制御処理と、記録ヘッド19の吐出制御を行うヘッド制御処理とを行う。ヘッド制御処理を行う際、第三タスク部55は、縦横変換処理終了後に起動されると、ヘッド転送回路44及びヘッド駆動回路を起動させる。ヘッド転送回路44はイメージバッファ48から縦横変換処理後の記録データを記録ヘッド19へ転送する。これと同時に起動されたヘッド駆動回路35は記録ヘッド19に対して電圧パルスを出力する。

0036

次にパス分解処理、ノズル割付処理、縦横変換処理について図5及び図6を用いて説明する。図5は、記録ヘッドのノズルと、各ノズルから吐出されるドットデータとの関係を示す説明図である。また、図6は、記録データの処理手順を説明するデータ構造を示す説明図である。

0037

図5では、記録ヘッド19を用いてシリアル印刷が行われる様子を、1色分のノズル列だけを示して説明するもので、1色分のノズル列を構成する各ノズルと、各ノズルからインク滴が吐出されて形成されるドット(画素)との関係を示すものである。なお、図5では、記録ヘッドにおける1列のノズル列を構成するノズル数を説明の便宜上4個としている。また、図5では、説明を簡単にするため、主走査方向X(CR移動方向)と搬送方向Yに6ドット×6ドット分の画像を記録する場合を例にする。

0038

図5において、記録ヘッド19は、主走査方向Xに移動しつつノズルからインク滴を吐出することで用紙P上にドット(記録画素)を形成する。記録ヘッド19が1パス分の印刷を終えると、次に用紙Pを紙送りして(図5では2ノズルピッチ分)、次に2パス目の移動を行って2パス目のドットを形成する。以後、同様に1パス終了毎に搬送方向Y(副走査方向)に2ノズルピッチずつ紙送りされる毎に、記録ヘッド19を主走査方向Xに移動させて次のパスの印刷が行われる。なお、図5では、搬送方向Yへ紙送りピッチ分ずつ移動する用紙Pに対する相対位置として記録ヘッド19を描いているため、記録ヘッド19が反搬送方向へ移動する図として示されている。

0039

図5において記録ヘッド19のノズルを示す円内に示す符号「nm」の「n」はnパス目を示し、「m」はノズルに対し搬送方向下流側から順番に付したノズル番号を示す。例えば「13」は1パス目の記録ヘッドの3番ノズルを示す。また、ドットの円内の符号「nm」も同様に、「n」がドットを形成したnパス目を示し、「m」がドットを形成したノズル番号を示している。

0040

また、図5に示すように、このプリンタ11では、記録ヘッド19が主走査方向Xに移動しながらインク滴を吐出して形成しうるドットの最小ピッチが360dpiとなっている。一方、画像の主走査方向のドット解像度は720dpiとなっている。そのため、奇数パス目で主走査を行ったときに360dpiでドット(同図における白丸)を形成し、次の偶数パス目で、前行(前パス)で記録した360dpiのドット列間の隙間を埋めるようにドット(同図における網掛け丸)を形成することで、720dpiの解像度を得るようにしている。また、主走査方向Xに720dpiを確保するため、1パス目の1番と2番ノズルは非吐出とされ、最終パスの3番と4番ノズルは非吐出とされる(図5における破線のドット)。

0041

図6は、図5に示すシリアル印刷を行うべく記録データに施すべきパス分解処理、ノズル割付処理及び縦横変換処理を説明するものである。
図6に示すように、入力バッファ46には、図6に示すようにアドレス方向(図6では左から右へ向かう方向)に並ぶ順序解凍後のドットデータは配列されている。図6では、奇数列(列方向はアドレス方向と直交する縦方向)のドットデータを白丸、偶数列のドットデータを網掛けの丸で描いている。図5で説明したように、奇数列のドットは奇数パス目、偶数列のドットは偶数パス目で記録が行われるので、データ解凍・パス分解回路42が行うパス分解処理では、解凍後のドットデータを、奇数パス用の奇数列のドットデータと、偶数パス用の偶数列のドットデータとに分解する。このパス分解処理によって、図6に示すように、プレーンバッファ47には、奇数パス用のドットデータと偶数パス用のドットデータとに分かれて格納される。

0042

次にパス分解後のドットデータに対し、パス番号nとノズル番号mとを割り付けるノズル割付処理を行う。この割付は、図6に示すように、1パス目の1番と2番ノズルと、最終パスの3番と4番ノズルに非吐出を設定するためのダミーデータ(ヌルデータ)(図6における破線丸印)を付加した後に行われる。このノズル割付処理結果は、縦横変換回路43が縦横変換処理を行う際に参照されるノズル割付テーブル(ノズル割付情報)としてRAM34の所定記憶領域に記憶される。なお、図5及び図6ではバンド印刷の例であるが、インタレース印刷を行う場合はインタレース印刷の吐出順に応じた内容でノズル割付処理が行われる。

0043

このノズル割り付け後には縦横変換処理前に列間ずらし処理を合わせて行う。図7は、列間ずらし処理を説明するものである。図7(a)(b)は、記録ヘッド19が主走査方向X(CR移動方向)に移動している途中でKCMYの各色のノズル列からインク滴を吐出する様子を示し、同図(a)は吐出タイミングを説明するもの、同図(b)はインク滴の着弾時の状態を示すものである。図2及び図7(a)に示すように、各色のノズル19K,19C,19M,19Yは、主走査方向に異なる位置に配置されている。そのため、各ノズル19K,19C,19M,19Yから同時にインク滴KICIMI,YIを吐出すると、各ノズル列の間隔の分だけドットの着弾位置が主走査方向Xにずれてしまうので、図7(a)に示すように、KCMYの各色のインク滴KI,CI,MI,YIの吐出タイミングを、記録ヘッド19の進行方向(以下、「ヘッド進行方向」という)と反対側のノズル列ほど順番に遅らせる必要がある。そして、図7(a)に示すように記録ヘッド19の進行方向と反対側ほどノズル19K,19C,19M,19Yからのインク滴KI,CI,MI,YIの吐出タイミングを遅らせることで、図7(b)に示すように、KCMYの各色のインク滴KI,CI,MI,YIを主走査方向Xの同一位置に着弾させるようにしている。このように各ノズル列間でインク滴の吐出タイミングをノズル列間隔距離の移動時間分(=ノズル列間隔距離/ヘッド移動速度)ずつヘッド進行方向と反対側のノズル列ほどずらすために、その時間分遅延を発生しうる量のダミーデータ(ヌルデータ)を付加する。列間ずらし処理では、この列毎の遅延時間分のダミーデータを付加してドットデータをずらす情報(アドレス情報等)を含む参照テーブルを生成する。列間ずらし処理結果である参照データはRAM34の所定記憶領域に記憶される。

0044

図6に戻って、ノズル割付処理及び列間ずらし処理を終えると、縦横変換処理が行われる。図5に示すようなベタ印刷を想定した場合、記録ヘッド19の1パス目において位置x1で全ノズル(1〜4番ノズル)で吐出し、次に位置x2で全ノズル(1〜4番ノズル)で吐出し、以下同様に位置x3、位置x4でも全ノズル(1〜4番ノズル)で吐出を行う。

0045

また、ドットデータがイメージバッファ48からアドレス方向の順番で読み出されるので、上記の位置x1〜x4の順番で全ノズル分ずつドットデータが読み出されるように、ドットデータのノズル列方向の並び順がアドレス方向となるようにドットデータを並び替える縦横変換処理を行う。この縦横変換処理は、縦横変換回路43が、ノズル割付結果及び列間ずらし処理結果の各テーブルを参照して、ノズル割付処理結果及び列間ずらし処理結果を反映しつつ行われる。なお、図6では、ヘッド進行方向先頭列の1色分のドットデータを示しているので、列間ずらし分のダミーデータが付加されていない。

0046

図8は、列間ずらし処理結果が反映された縦横変換処理を説明するものである。図8に示すように、黒(K)の縦横変換処理後のドットデータには、ダミーデータ(ヌルデータ)の付加はない。シアン(C)の縦横変換処理後のドットデータには、1列分遅延可能な量(図8の例では1列分)のずらしダミーデータが付加されている。また、マゼンタ(M)の縦横変換処理後のドットデータには、2列分遅延可能なずらしダミーデータが付加されている。さらに、イエロー(Y)の縦横変換処理後のドットデータには、3列分遅延可能なずらしダミーデータが付加されている。

0047

次に、データ処理の流れを説明する。図9はデータ処理のトランザクション図を示す。また、図11はコマンド解析・ラスタ管理処理のフローチャート図12はノズル割付・列間ずらし処理のフローチャートを示す。なお、第一タスク部53が図11に示すコマンド解析・ラスタ管理処理を実行し、第二タスク部54が図12に示すノズル割付・列間ずらし処理を実行する。

0048

以下、図9及び図10のトランザクション図を参照しつつ、図11及び図12に示すフローチャートに従ってデータ処理について説明する。
まず図11に基づいてコマンド解析・ラスタ管理処理を説明する。

0049

印刷時にはホスト装置80からプリンタ11へ印刷データが送信される。送信された印刷データはI/F29を介してプリンタ11内のデータ受信回路41に受信される。データ受信回路41は印刷データを受信する。受信した印刷データはRAM34内の入力バッファ46に格納される。データ受信回路41は印刷データPDの受信を開始すると、第一タスク部53にデータ受信開始の旨を通知する。

0050

図11におけるステップS10では、第一タスク部53は、データ受信回路41からデータ受信開始の旨の通知があるまで待機する。つまり、データ受信開始の旨の通知を受け付けるまで、第一タスク部53は待機状態(Wait)にある。そして、この待機中においてデータが取得(受信)されたか否かを判断する(ステップS20)。

0051

データが取得されると、リアルタイムOS51は第一タスク部53を起動させる。すなわち、タスク管理部63がタスク毎の状態を管理しており、データ取得を条件としてディスパッチ部64が第一タスク部53を実行タスクとして選択しこれを起動させる。

0052

第一タスク部53は入力バッファ46から取得したデータがコマンドであるか否かを判断し、コマンドであれば(S30で肯定判定)、コマンド解析(ステップS40)及びコマンド処理(ステップS50)を行う。一方、取得したデータがコマンドでなければ(S30で否定判定)、つまりデータが記録データ(ラスタデータ)であれば、そのときデータ解凍・パス分解回路42が終了状態にあれば(S60で肯定判定)、第一タスク部53がデータ解凍・パス分解回路42を起動させる(ステップS70)。この起動の結果、データ解凍・パス分解回路42は1パス分の記録データの解凍及びパス分解処理(図6参照)を行う。このとき、図9に示すように第一タスク部53によるコマンド解析・ラスタ管理処理(ソフトウェア処理)と、データ解凍・パス分解回路42によるデータ解凍・パス分解処理(ハードウェア処理)とは並行に進められる。

0053

そして、図11のステップS80において1パス分終了したと判断すると、ノズル割付指示通知を行う。このノズル割付指示通知をリアルタイムOS51が受け付けると、スケジューラ62のディスパッチ部64が実行タスクを第一タスク部53から第二タスク部54に切り換える(図9参照)。

0054

実行タスクとして起動された第二タスク部54は、図12にフローチャートで示すノズル割付・列間ずらし処理を行う。以下、第二タスク部54が行うノズル割付・列間ずらし処理について説明する。

0055

まず図12におけるステップS110では、ノズル割付指示フラグとノズル割付終了フラグを共にクリアする。そして、第二タスク部54は通知(ノズル割付指示通知又は印刷指示完了通知)があるまで待機する。第二タスク部54は待機状態(Ready)にあり、通知があると、リアルタイムOS51が第二タスク部54にその通知内容に応じた処理を実行させる。

0056

すなわち、S120でノズル割付指示通知があれば、ノズル割付指示フラグをセットし(ステップS130)、イメージバッファ48に空があるか否かを判断し(ステップS140)、イメージバッファ48に空があれば、先行2パス分作成済みであるか否かを判断する(ステップS150)。先行2パス分作成済みでなければ、リアルタイムOS51に縦横変換回路43の終了待ちを通知する(以下、この通知を「縦横変換終了待ち通知」ともいう)(ステップS170)。リアルタイムOS51は、縦横変換終了待ち通知を受け付けると、そのときReady状態にあるタスク部のうち優先順位の一番高いタスク部が第二タスク部54であるため、第二タスク部54に1パス目の残り半パス分のノズル割付・列間ずらし処理を実行させるべく第二タスク部54の起動状態を継続させる。

0057

そして、1パス分終了しておらず(S190で否定判定)、ノズル割付・列間ずらし処理済みではない今回は(S200で否定判定)、ノズル割付処理(ステップS220)及び列間ずらし処理(ステップS230)を行う。この結果、1パス目の半パス分についてノズル割付処理と列間ずらし処理とが行われる。

0058

その後、S150〜S170,S190を前回と同様の手順で経た後、今度のS200ではノズル割付・列間ずらし処理済みと判断されるため、ステップS210において第二タスク部54が縦横変換回路43を起動させる。その結果、縦横変換回路43はノズル割付・列間ずらし処理結果のテーブルを参照して、1パス目の半パス分について縦横変換処理を行う。

0059

第二タスク部54は、縦横変換回路43の起動後、1パス目の残り半パス分のノズル割付処理(S220)及び列間ずらし処理(S230)を行う。このように本実施形態では、図9に示すように、第二タスク部54は、1パス分を2分割した半パス分ずつノズル割付・列間ずらし処理及び縦横変換処理を行い、縦横変換回路43が1パス目の半パス分の縦横変換を行っている間に、第二タスク部54は並列処理で1パス目の残り半パス分のノズル割付及び列間ずらし処理を行う。ここで、ノズル割付・列間ずらし処理時間に比べ、縦横変換時間は処理対象のデータ量に大きく依存するため、この並列処理で行われる第二タスク部54の処理と縦横変換回路43の処理のうち、どちらが早く終了するかはデータ量に依存する。データ量が多い場合は、第二タスク部54の処理の方が早く終わり、残り半パス分の縦横変換処理のために縦横変換回路43を起動させる指示を出すまでに待ち時間が発生する。一方、データ量が少ない場合は、第二タスク部54に縦横変換回路43を起動させる指示を出すまでの待ち時間が短く済むか発生しない。

0060

そして、1パス目の残り半パス分のノズル割付処理(S220)・列間ずらし処理(S230)を終えた後のステップS150では、先行2パス分作成済みでないと判断されるので、ステップS170に進むことになる。

0061

縦横変換終了待ち通知(S170)後にリアルタイムOS51により再び第二タスク部54が起動されて復帰した場合、1パス目の残り半パス分のノズル割付・列間ずらし処理が終了しているものの、その残り半パス分の縦横変換処理が終了前なので(S190で否定判定)、ステップS210で縦横変換回路43を起動させて、その残り半パス分の縦横変換処理を行わせる。この間、2パス目のコマンド解析・ラスタ管理処理がまだ行われておらず次のS220,S230で処理すべきデータがないので、ステップS150で先行2パス分作成済みではないと判定され、ステップS170で縦横変換終了待ち通知を行うことになる。この縦横変換終了待ち通知を受け付けたリアルタイムOS51は、第一タスク部53を実行タスクとして選択しこれを起動させる。この結果、縦横変換処理が終了するまでの待ち時間を利用して第一タスク部53が2パス目のコマンド解析・ラスタ管理処理を行う。そして、縦横変換処理が終了すると、第二タスク部54が再び起動され、ステップS190において1パス分の縦横変換処理が終了したと判断される。

0062

こうして1パス分の縦横変換が終了すると(S190で肯定判定)、ステップS240に進んでノズル割付指示フラグをクリアし、さらにステップS250で先行2パス分完了したか否かを判断する。ここまでの処理では1パス分完了しただけなので、次にステップS260に進んでノズル割付終了フラグをセットし、さらにステップS270で終了通知を行う。なお、図12のフローチャートでは、ステップS270,S280で通知を行った後、ステップS120に戻る経路を示しているが、実際は、これらの通知により第二タスク部54が一旦Wait状態に切り換えられ、次に起動されたときにステップS120の処理から始めることを意味している。また、図11のフローチャートも同様で、ステップS90の通知後、第一タスク部53が一旦Wait状態に切り換えられ、次に起動されたときにステップS20の処理から始めることを意味している。

0063

第一タスク部53による2パス目の記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理が終了した後、次に起動された第二タスク部54は、ステップS120でノズル割付指示通知を受け付けると、1パス目と同様にステップS130〜S230の処理を繰り返し、2パス目の記録データのノズル割付・列間ずらし処理と縦横変換処理とを半パス分ずつ並行処理で行う。

0064

このとき、2パス目のノズル割付・列間ずらし処理(S220,S230)を終了した次のステップS150において先行2パス分作成済みと判断されるので、ステップS160に進む。つまり、ノズル割付・列間ずらし処理が施されたデータが先行2パス分作成し終わるまでは、リアルタイムOS51に縦横変換終了待ち通知を行って第一タスク部53によるコマンド解析・ラスタ管理処理等を優先させるが、先行2パス分作成し終わった以後は、縦横変換回路の終了待ちが発生したとき、ステップS160に進む。

0065

ステップS160では、縦横変換時間が大であるか否かを判断する。本実施形態では、コマンド解析で印刷設定条件情報の一つとして得られる用紙サイズに基づき判定部56が、縦横変換時間が大であるか否かを間接的に判定しており、判定部56は用紙サイズが規定サイズ以上である場合はフラグ57の判定フラグをセットし、用紙サイズが規定サイズ未満である場合は判定フラグをクリアしている。そして、第二タスク部54はフラグ57の判定フラグを読み出し、判定フラグセットであれば縦横変換時間が大と判定し、一方、判定フラグクリアであれば縦横変換時間が大ではないと判定する。

0066

縦横変換時間が大でない場合はステップS180に進んで、縦横変換回路43の処理終了まで待機し、一方、縦横変換時間が大である場合はステップS170に進んで、リアルタイムOS51に縦横変換回路終了待ちを通知する。後者の場合、リアルタイムOS51は、縦横変換終了待ち通知を受け付けると、第二タスク部54に替えて、そのときReady状態にある第一タスク部53を起動させる。その結果、第一タスク部53が図11のフローチャートで示される処理を再び実行し、3パス目の記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理を行う。つまり、第二タスク部54が縦横変換回路43の処理終了を待つ空き時間を利用して、第一タスク部53が3パス目の記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理を行う。そして、3パス目のコマンド解析等が終了すると、再びノズル割付指示通知が行われる。この通知の結果、リアルタイムOS51により再び第二タスク部54が起動される。

0067

こうしていずれの場合も、縦横変換処理終了後のステップS190において1パス分(2パス目)の縦横変換処理が終了したと判断される。そして、ステップS240で、ノズル割付指示フラグをクリアし、次のステップS250で今度は先行2パス分完了と判断されるので、ステップS280で印刷指示通知を行う。

0068

印刷指示通知を受け付けたリアルタイムOS51は、第三タスク部55を起動する。その結果、図9に示すように、先行2パス分の縦横変換処理が終わると、第三タスク部55は、ヘッド転送回路44及びヘッド駆動回路35に指示して記録ヘッド19による印字処理を行わせる。すなわち、ヘッド転送回路44はイメージバッファ48から縦横変換処理後の記録データを記録ヘッド19へ転送するとともにヘッド駆動回路35が駆動電圧パルスを記録ヘッド19に出力する。記録データを構成するドットデータ(画素データ)は例えば二値データであり、ヘッド駆動回路35から出力された駆動電圧パルスによる吐出駆動素子28の駆動・非駆動を選択する選択データとして使用される。吐出駆動素子28は、ドットデータが「0」のときは駆動されず、「1」のときに駆動されて記録ヘッド19のノズルからインク滴が吐出される。なお、ドットデータを2ビットデータとし、その値「01」「10」「11」に応じて、吐出するインク滴のサイズを大中小の3段階に調整する構成も採用できる。もちろん、ドットデータを2ビット以外の複数ビットデータとして、インク滴のサイズの種類を適宜調整してもよい。

0069

図9に示すように、こうして1パス目の印字動作が行われると、この1パス目の印字動作中に並行して第一タスク部53による3パス目の記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理が行われる。そして、3パス目の記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理が終了してノズル割付指示通知を受け付け(S120)、ノズル割付フラグをセットしても(S130)、イメージバッファ48に空がないので(S140で否定判定)、再びステップS120に戻る。

0070

そして、1パス目の印字動作を終了すると、第三タスク部55は印刷指示完了通知を行い、この印刷指示完了通知を受け付けたリアルタイムOS51は、Ready状態にある第二タスク部54を起動する。図12に示すステップS120で、印刷指示完了通知を受け付けたと判断すると、ステップS290に進んでノズル割付終了フラグがセットされているか否かを判断する。初めての印刷指示完了通知を受け付けた際は、ノズル割付終了フラグはステップS260でセットされているため、次にステップS300に進んでノズル割付終了フラグをクリアした後、ステップS310で印刷指示通知を行う。この結果、第三タスク部55が起動されてヘッド転送回路44及びヘッド駆動回路35が起動されることで、2パス目の印字動作が行われる。この2パス目の印字動作が開始されると、再び第二タスク部54が起動され、ノズル割付指示通知を受け付けると、S130〜S230を繰り返し、3パス目のノズル割付・列間ずらし処理を行う。

0071

3パス目1パス分の縦横変換処理が終了すると(S190で肯定判定)、S240〜S260の処理を経てS270で終了通知を行う。その後、ノズル割付指示通知があっても、イメージバッファ48に空がなければ(S140で否定判定)、ノズル割付指示フラグセットするのみで(S130)、S120に戻る。その後、2パス目の印字動作が終了し、印刷指示完了通知を受け付けると、ノズル割付終了フラグがセットされているので(S290で肯定判定)、ノズル割付終了フラグをクリアした後(S300)、印刷指示通知を行う(S310)。

0072

こうして3パス目のノズル割付・列間ずらし処理を終了すると、この2パス目の印字動作中に第一タスク部53による4パス目の記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理も行われる。なお、最初に先行2パス分の縦横変換処理を完了してはじめて印字動作を開始させるのは、印字動作開始時にはその印字動作に必要なデータが全て揃った状態にあり、印字動作間に必要なデータの処理終了を待つための比較的長い待ち時間が発生することを回避するためである。

0073

その後、2パス目の印字動作が完了して、印刷指示完了通知を受け付けると、先と同様にS290〜S310の処理を行って印字指示通知を行うことで、3パス目の印字動作が開始される。以下同様に処理が進められる。なお、ステップS320でノズル割付指示フラグがセットされているか否かを判断した場合、ノズル割付指示フラグがステップS240でクリアされた後、ノズル割付指示通知を受け付けてS130でノズル割付指示フラグがセットされていれば、S320でセットと判断されるためステップS140に進むが、ノズル割付指示フラグがセットされていなければステップS120に戻る。

0074

次に本実施形態の効果の一つを図9図10を比較しつつ説明する。図9が比較的小さな用紙サイズ(例えば2L判サイズ)で印刷する例であるのに対し、図10は比較的大きな用紙サイズ(例えばA2サイズ等の大判)で印刷する例である。なお、図10は、図9における二点鎖線で囲まれた部分に相当する処理のみを示している。

0075

前述のように、小さな用紙サイズで印刷を行う図9の例では、第二タスク部54が2パス分のノズル割付・列間ずらし処理を終えた以後においては図12のS150で肯定判定となり、縦横変換時間が大であるか否かを判断する(S160)。本例では、これを用紙サイズから判断しており、用紙サイズが規定サイズ(例えばA2サイズ)以上の大サイズであれば縦横変換時間が大であると判断する。しかし、図9の例では、用紙サイズが小さく規定サイズ未満なので、縦横変換時間が大ではないと判断される。この結果、縦横変換回路43の処理終了まで待機する(S180)。このように仮に待ち時間が発生したとしても比較的短く済む場合は、第二タスク部54はリアルタイムOS51に縦横変換終了待ち通知を行うことなく待機する。その結果、仮に待ちができてもタスクの切り換えは行われない。例えば待ち時間が比較的短いにも関わらず、待ちが発生したためタスクが切り換えられたとすると、タスク切り換え処理がリアルタイムOS51のオーバーヘッドとなり、これが原因で返って処理時間の長時間化をもたらす。しかし、本実施形態の構成では、縦横変換時間が大ではない場合、タスクの切り換えが行われないので、リアルタイムOS51のタスク切り換えに起因するオーバーヘッドの発生を回避してデータ処理時間を短く済ませられる。

0076

一方、大きな用紙サイズで印刷を行う図10の例では、第二タスク部54が1パス分のノズル割付・列間ずらし処理を終えた後、用紙サイズが規定サイズ(例えばA2サイズ)以上なので、縦横変換時間が大であると判断される(S160)。このため、リアルタイムOS51に縦横変換終了待ち通知を行う(S170)。この結果、その縦横変換終了待ち通知を受け付けたリアルタイムOS51は、そのときReady状態にある第一タスク部53を起動させて実行タスクの切り換えを行う。つまり、縦横変換時間が大であるため比較的長い待ち時間が発生すると判断された場合、図10に示すように第二タスク部54によるノズル割付・列間ずらし処理を終えた後、縦横変換回路43の処理終了までの待ち時間を利用して、第一タスク部53による次パスの記録データのコマンド解析・ラスタ管理処理が行われる。このため、タスク切り換え処理が発生するものの、比較的長い待ち時間を他のタスク処理に有効に活用でき、全体的にデータ処理時間を効果的に短縮できる。なお、本実施形態では、第二タスク部54がリアルタイムOS51に対して行う通知SCの有無と、リアルタイムOS51が通知SCを受け付けると他のタスク部に切り換える切り換え機能とにより、切換手段が構成される。

0077

以上説明したように、この第一実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)縦横変換時間が大であると判断した場合は、縦横変換終了待ち通知を行ってタスク切り換えを行い、一方、縦横変換時間が大ではない判断した場合は、縦横変換終了待ち通知を行うことなく縦横変換回路43の処理終了を待つ構成とした。よって、待ち時間が比較的長い場合は、タスク切り換えによりその待ち時間を他のタスクの実行に有効に活用でき、その一方で、待ち時間が比較的短い場合は、リアルタイムOS51のオーバーヘッドの原因となるタスク切り換えが行われないので、タスク切り換えに起因するオーバーヘッドによって返ってデータ処理時間を短縮できなくなる事態を回避できる。

0078

(2)縦横変換時間が大であるか否かの判断を用紙サイズに基づき行う構成としたので、比較的簡単にかつ適切にその判断を行うことができる。
(3)本実施形態では、ノズル割付処理を、縦横変換回路43へ起動指示を出す第二タスク部54により列間ずらし処理と共に一緒に行うようにした。このため、縦横変換回路43への指示を行うタスクに列間ずらし処理だけを行わせる構成に比べ、第二タスク部54の処理時間が長くなるので、第二タスク部54の処理終了時点で、図10に示すように、縦横変換回路43が既に処理を終了している頻度が高くなる。よって、この種のハードウェア処理の終了を待つ待機時間ができたことが原因でタスクの切り換わりが発生し、この種のタスク切り換わりが原因でリアルタイムOS51にオーバーヘッドが発生したことに起因してデータ処理時間が長くなる事態を効果的に回避することができる。

0079

(4)本実施形態では、1パスを複数分割(本例では2分割)し、分割パス毎に、ノズル割付・パス分解処理を行い、この処理を分割数と同じ回数だけ繰り返すことで、1パス分のノズル割付・パス分解処理を完成させる構成としている。このため、第二タスク部54の処理終了後に縦横変換回路43の処理終了を待つ待機時間が相対的に短くなる。よって、この種の待機時間ができても、待機時間が短いため、タスクの切り換わりを回避できる。従って、タスクの切り換わりに起因するリアルタイムOS51のオーバーヘッドの発生を回避して、処理時間を比較的短時間で済ませられる。

0080

前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)縦横変換時間が大であるか否かの判断を廃止してもよい。この場合、1パス分のノズル割付・列間ずらし処理を終了した後、縦横変換回路終了待ちが発生した際は、常に第二タスク部54から第一タスク部53へのタスク切り換えが発生するが、ノズル割付処理と列間ずらし処理とを同一タスクで行う構成としたことから、第二タスク部54の処理終了の際に縦横変換回路43が既に処理終了状態になる頻度が、ノズル割付処理が第一タスク部53で行われる構成に比べ相対的に高くなる。このため、タスク切り換わり頻度を減らすことができ、タスク切り換え処理がリアルタイムOS51のオーバーヘッドとなり、返ってデータ処理時間の短縮できなくなる事態を回避し易くなる。

0081

(変形例2)縦横変換時間(並替処理時間)が大であるか否かの判断に用いる用紙サイズを取得する方法は、コマンド解析で印刷設定条件情報の一つである用紙サイズを取得する方法に限定されない。例えばプリンタ11に設けられた紙幅センサが検出した紙幅サイズ規定値以上でるか否かを判断し、紙幅サイズが規定値以上であれば縦横変換時間が大であり、規定値未満であれば縦横変換時間が大ではないと判定する構成も採用できる。

0082

(変形例3)縦横変換時間(並替処理時間)が大であるか否かの判断方法は、用紙サイズから判断する方法に限定されない。例えばコマンド解析時にパス毎の記録データのデータ長(データサイズ)を取得し、1回の縦横変換が行われる単位当たりの記録データのデータ長が規定値以上であれば、縦横変換時間が大であると判定する構成も採用できる。

0083

(変形例4)切換手段は、第二タスク部54(第二タスク)がリアルタイムOS51への終了通知の有無により、他のタスクへのタスク切り換えと待機とを選択する構成に限定されない。例えばファームウェアプログラムを実行するCPUにより切換手段が構成され、ノズル割付・列間ずらし処理部に待ちが発生した場合、待ち時間が規定以上発生するか否かを判定し、規定時間以上の待ちが発生すると判定した場合は他の処理部の処理に切り換える構成でも構わない。

0084

(変形例5)前記実施形態では、1パスを複数分割し、分割パスごとにノズル割付処理・列間ずらし処理を施す構成としたが、分割することなく1パス単位でノズル割付処理・列間ずらし処理を施す構成としてもよい。

0085

(変形例6)判定手段の判定タイミングは、第二タスク部54の切り換えのタイミングに間に合う限りにおいて適宜な時期に設定できる。例えば処理終了前に事前に判断しておき、待ち時間が規定時間以上発生すると判定されていた場合は、処理終了後直ちに終了通知を行う構成としてもよい。

0086

(変形例7)前記実施形態では、記録装置をインクジェット式記録装置に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の流体液体や、機能材料粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体ゲルのような流状体、流体として流して吐出できる固体を含む)を吐出したりするシリアル式の液体吐出装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材色材画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出する液状体吐出装置バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。さらに、時計カメラ等の精密機械ピンポイント潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を吐出する液状体吐出装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種のシリアル式の液体吐出装置に本発明を適用できる。

0087

(変形例8)インクジェット式記録装置に限定されない。ドットインパクトプリンタ熱転写プリンタに適用してもよい。例えばドットインパクトプリンタの場合、記録用ピンワイヤ)を個々に駆動させる駆動素子が記録素子に相当する。また、シリアルプリンタに限定されず、記録素子を色別など複数列備えた記録部を有するラインプリンタページプリンタに適用してもよい。例えば、レーザープリンタの場合、ドラム感光体)にレーザー照射するレーザー発光部(露光装置)を構成するLED(発光ダイオード)やLCS(液晶シャッター)が記録素子に相当し、LED列やLCS列が記録素子の列に相当する。

0088

前記実施形態及び各変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)前記記録手段はシリアル記録方式のものであり、前記処理部を第二処理部とした場合、前記記録データ中のコマンドを解析するコマンド解析処理をソフトウェア処理で行う第一処理部と、前記記録データを構成する画素データを前記記録手段の記録時における一回の移動であるパス毎に分解するパス分解回路とをさらに備え、前記第二処理部と前記並替回路との並列処理に対する上流側の処理として、前記第一処理部と前記パス分解回路とを並列処理で行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。

0089

(2)前記判定手段は、前記記録手段が記録を施す記録媒体の媒体サイズを取得し、該媒体サイズに基づき前記待ち時間が前記規定時間以上発生するか否かを判定することを特徴とする請求項2又は3に記載のデータ処理装置。

0090

(3)前記判定手段は前記記録データの処理単位当たりのデータ長を取得し、該データ長に基づいて前記待ち時間が前記規定時間以上発生するか否かを判定することを特徴とする請求項2又は3に記載のデータ処理装置。

図面の簡単な説明

0091

一実施形態におけるプリンタの構成を示す斜視図。
吐出駆動素子と共に示す記録ヘッドの模式底面図。
プリンタにおいて記録系のデータ処理に係る電気的構成を示すブロック図。
データ処理装置を示すブロック図。
シリアル印刷方式の記録ヘッドとインクドットとの対応関係を示す模式図。
データ処理の手順を説明する模式図。
(a),(b)列間ずらしを説明するための模式側面図。
列間ずらしを反映させた縦横変換処理を説明する模式図。
小さな用紙サイズで印刷する際のデータ処理に係るトランザクション図。
大きな用紙サイズで印刷する際のデータ処理に係るトランザクション図。
コマンド解析・ラスタ管理処理を示すフローチャート。
ノズル割付・列間ずらし処理を示すフローチャート。

符号の説明

0092

11…記録装置としてのプリンタ、14…キャリッジ、18…CRモータ、19…記録手段としての記録ヘッド、19K,19C,19M,19Y…ノズル、25…PFモータ、28…記録素子としての吐出駆動素子、30…コントローラ、31…CPU、32…ASIC、33…ROM、34…RAM、35…ヘッド駆動回路、41…データ受信回路、42…データ解凍・パス分解回路、43…並替回路としての縦横変換回路、44…ヘッド転送回路、46…入力バッファ、47…プレーンバッファ、48…イメージバッファ、50…データ処理装置、51…リアルタイムOS、52…ファームウェア部、53…第一タスク部(コマンド解析・ラスタ管理部)、54…第二タスク部、55…第三タスク部、56…判定部、57…フラグ、61…機能処理部、62…スケジューラ、63…タスク管理部、64…ディスパッチ部、80…ホスト装置、Twait…待ち時間、To…規定時間、T…縦横変換時間、Tc…規定時間、P…記録媒体としての用紙、Y…搬送方向。

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