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技術 搬送装置及び搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 矢島康司塩原悟金田聡
出願日 2008年5月20日 (12年6ヶ月経過) 出願番号 2008-132170
公開日 2009年12月3日 (10年11ヶ月経過) 公開番号 2009-280320
状態 拒絶査定
技術分野 ベルト,ローラによる搬送 用紙の取扱い
主要キーワード 膨脹変形 回転角度検知センサ 支持面側 生乾き状態 吸引孔内 各支持台 吸引孔列 各駆動プーリ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年12月3日)のものです。
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図面 (13)

課題

吸引手段の吸引効率記録媒体搬送効率とを向上させることができる搬送装置及び搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法を提供する。

解決手段

複数の吸引孔29が形成された支持台27と、吸引孔29内に負圧を生じさせるファンと、各吸引孔29内の空気の流れを調整する弁37と、弁37の開弁状態閉弁状態とを切替える回転軸40及びカム部材41と、用紙12を搬送方向の上流側から下流側へ搬送する搬送ベルト23と、搬送ベルト23によって搬送される用紙12を検知する紙端センサと、紙端センサの検知結果に基づきカム部材41を動作させる制御部とを備え、制御部は、用紙12の先端の検知結果に基づいて、弁37を搬送方向の上流側から順次開弁状態に切替えるようにカム部材41を動作させ、用紙12の後端の検知結果に基づいて、弁37を搬送方向の上流側から順次閉弁状態に切替えるようにカム部材41を動作させる。

概要

背景

従来から、記録材インク)をターゲットに対して付着させる記録装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このプリンタは、記録ヘッドに供給されるインク(液体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することによりターゲットとしての記録媒体印刷(記録)を施すようになっている。

このようなプリンタでは、記録媒体を搬送するために、記録媒体を複数の吸引孔が形成された搬送ベルト上に載置し、吸引孔内に負圧を生じさせて記録媒体を搬送ベルトに吸着させている。しかし、こうしたプリンタでは、吸引孔に負圧を生じさせるファン吸引手段)に対して複数の吸引孔が連通しているため、記録媒体により覆われていない吸引孔からは空気が吸引され、その吸引効率を低下させていた。

これに対し、例えば特許文献1では、搬送される記録媒体の通過をセンサが検知すると、該記録媒体の通過に合わせて吸引孔を閉塞していた遮風板を徐々にスライドさせて吸引孔を開放し、記録媒体に覆われた吸引孔のみに選択的に負圧を発生させて吸引効率を向上させていた。
特開2004−216651号公報

概要

吸引手段の吸引効率と記録媒体の搬送効率とを向上させることができる搬送装置及び搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法を提供する。複数の吸引孔29が形成された支持台27と、吸引孔29内に負圧を生じさせるファンと、各吸引孔29内の空気の流れを調整する弁37と、弁37の開弁状態閉弁状態とを切替える回転軸40及びカム部材41と、用紙12を搬送方向の上流側から下流側へ搬送する搬送ベルト23と、搬送ベルト23によって搬送される用紙12を検知する紙端センサと、紙端センサの検知結果に基づきカム部材41を動作させる制御部とを備え、制御部は、用紙12の先端の検知結果に基づいて、弁37を搬送方向の上流側から順次開弁状態に切替えるようにカム部材41を動作させ、用紙12の後端の検知結果に基づいて、弁37を搬送方向の上流側から順次閉弁状態に切替えるようにカム部材41を動作させる。

目的

本願発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸引手段の吸引効率と記録媒体の搬送効率とを向上させることができる搬送装置及び該搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

記録媒体支持可能な支持面を有し且つ該支持面上には複数の吸引孔吸引開口が形成された支持部材と、前記吸引孔内に負圧を生じさせて前記吸引開口から空気を吸引する吸引手段と、前記各吸引孔と個別対応するように設けられ、第1弁状態では前記吸引手段の駆動時における前記吸引孔内の空気の流れを許容すると共に、第2弁状態では前記第1弁状態よりも前記吸引手段の駆動時における前記吸引孔内の空気の流れを阻害する弁と、該弁の弁状態を切替える切替手段と、前記吸引孔内の負圧に基づき前記支持面側に吸引された前記記録媒体を載置しつつ搬送方向の上流側から下流側へ搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される前記記録媒体を検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づき前記切替手段を動作させる制御手段とを備え、該制御手段は、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送途中において、該記録媒体の先端が通過する位置の前記吸引孔に対応する前記弁の弁状態が前記記録媒体の先端の通過タイミングに合わせて前記第1弁状態に切替わると共に、前記記録媒体の後端が通過する位置の前記吸引孔に対応する前記弁の弁状態が前記記録媒体の後端の通過タイミングに合わせて前記第2弁状態に切替わるように、前記切替手段を動作させることを特徴とする搬送装置

請求項2

前記吸引手段の駆動に基づき前記吸引孔の前記吸引開口から吸引された空気を前記吸引手段へ誘導する空気流路を更に有し、該空気流路は、前記弁の配設位置を境として第1負圧室と第2負圧室とに区画され、前記吸引手段から前記弁の間に形成された前記第1負圧室の容積は、前記弁から前記吸引開口の間に形成された前記第2負圧室の容積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。

請求項3

前記支持部材には、前記複数の前記吸引孔が前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って延びる複数の吸引孔列を前記記録媒体の搬送方向に間隔をおいて配列形成するように形成され、前記切替手段は、前記吸引孔列ごとに前記弁の弁状態の切替えを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。

請求項4

前記切替手段は、前記制御手段が前記検知手段の検知結果に基づいて回転させる回転軸と、該回転軸に一体回転可能に設けられたカム部材とを有し、該カム部材は、前記回転軸の回転に基づいて、前記弁の弁体を前記第1弁状態に対応した第1位置と前記第2弁状態に対応した第2位置との間で変位させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の搬送装置。

請求項5

前記カム部材は、前記弁体を前記第1位置に変位させる際に前記弁体に当接する当接部を前記回転軸の回転方向における少なくとも一箇所に有し、前記回転軸には、前記当接部の数を異にする複数種類の前記カム部材が設けられ、前記制御手段は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の前記記録媒体のサイズに基づいて決まる回転角度の範囲内で前記回転軸を回転させることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。

請求項6

前記切替手段は、前記弁の弁体を前記第1弁状態に対応した第1位置と前記第2弁状態に対応した第2位置との間で変位させるソレノイドであることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の搬送装置。

請求項7

前記制御手段は、前記吸引孔毎に該吸引孔の吸引開口が上流側から下流側に搬送される前記記録媒体により覆われた時点で、該吸引孔に対応する前記弁を前記第1弁状態に切替えるように前記切替手段を動作させることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の搬送装置。

請求項8

前記搬送手段は、前記支持部材の前記支持面上に摺接しつつ移動することにより前記吸引孔と連通可能となる連通孔が形成された搬送ベルトであることを特徴とする請求項1〜7のうち何れか一項に記載の搬送装置。

請求項9

前記記録媒体に記録材を付着させて記録を施す記録手段と、前記記録媒体を搬送する請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の搬送装置とを備えたことを特徴とする記録装置

請求項10

複数の吸引孔の吸引開口が形成された支持部材の支持面に支持される記録媒体を、前記吸引孔内に生じさせた負圧により吸引して前記支持面で支持しつつ、搬送方向の上流側から下流側へ搬送する記録媒体の搬送方法であって、搬送される記録媒体の先端が通過する位置の前記吸引孔を、該吸引孔内の空気の流れが許容される第1状態に切替える段階と、前記記録媒体の後端が通過する位置の前記吸引孔を、該吸引孔内の空気の流れが阻害される第2状態に切替える段階とを備えたことを特徴とする記録媒体の搬送方法。

技術分野

0001

本発明は、搬送装置及び搬送装置を備えた記録装置記録媒体搬送方法に関する。

背景技術

0002

従来から、記録材インク)をターゲットに対して付着させる記録装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このプリンタは、記録ヘッドに供給されるインク(液体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することによりターゲットとしての記録媒体に印刷(記録)を施すようになっている。

0003

このようなプリンタでは、記録媒体を搬送するために、記録媒体を複数の吸引孔が形成された搬送ベルト上に載置し、吸引孔内に負圧を生じさせて記録媒体を搬送ベルトに吸着させている。しかし、こうしたプリンタでは、吸引孔に負圧を生じさせるファン吸引手段)に対して複数の吸引孔が連通しているため、記録媒体により覆われていない吸引孔からは空気が吸引され、その吸引効率を低下させていた。

0004

これに対し、例えば特許文献1では、搬送される記録媒体の通過をセンサが検知すると、該記録媒体の通過に合わせて吸引孔を閉塞していた遮風板を徐々にスライドさせて吸引孔を開放し、記録媒体に覆われた吸引孔のみに選択的に負圧を発生させて吸引効率を向上させていた。
特開2004−216651号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、特許文献1のプリンタの場合は、吸引孔の閉塞及び開放の切替えを1枚の遮風板を用いて行っていた。そのため、記録媒体の搬送途中においては、吸着状態を維持しなくてはならないため、遮風板を初期位置に戻すことができなかった。そこで、連続して記録媒体を搬送する場合には、先の記録媒体を下流側へ送り出した後、遮風板を初期位置まで戻し、次の記録媒体の通過タイミングに合わせて再度遮風板のスライドを開始するようにしていた。そのため、複数の記録媒体を連続して搬送する場合には、タイムラグが発生してしまい、その搬送効率は低くなっていた。

0006

本願発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸引手段の吸引効率と記録媒体の搬送効率とを向上させることができる搬送装置及び該搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明の搬送装置は、記録媒体を支持可能な支持面を有し且つ該支持面上には複数の吸引孔の吸引開口が形成された支持部材と、前記吸引孔内に負圧を生じさせて前記吸引開口から空気を吸引する吸引手段と、前記各吸引孔と個別対応するように設けられ、第1弁状態では前記吸引手段の駆動時における前記吸引孔内の空気の流れを許容すると共に、第2弁状態では前記第1弁状態よりも前記吸引手段の駆動時における前記吸引孔内の空気の流れを阻害する弁と、該弁の弁状態を切替える切替手段と、前記吸引孔内の負圧に基づき前記支持面側に吸引された前記記録媒体を載置しつつ搬送方向の上流側から下流側へ搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される前記記録媒体を検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づき前記切替手段を動作させる制御手段とを備え、該制御手段は、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送途中において、該記録媒体の先端が通過する位置の前記吸引孔に対応する前記弁の弁状態が前記記録媒体の先端の通過タイミングに合わせて前記第1弁状態に切替わると共に、前記記録媒体の後端が通過する位置の前記吸引孔に対応する前記弁の弁状態が前記記録媒体の後端の通過タイミングに合わせて前記第2弁状態に切替わるように、前記切替手段を動作させる。

0008

この構成によれば、切替手段が弁の第1弁状態と第2弁状態を搬送される記録媒体の通過タイミングに合わせて切替えるため、吸引開口が記録媒体により覆われた吸引孔のみに選択的に負圧を生じさせることができる。そのため、吸引開口が記録媒体により覆われていない吸引孔から空気が吸引されるのを抑制し、吸引効率を向上させることができる。また、記録媒体の先端及び後端を含む記録媒体の全体に亘って同様に吸引力を付与することができるので、記録媒体の遊動を抑制した状態で記録媒体を安定的に搬送することができる。

0009

さらに、先の記録媒体に続いて次の記録媒体を連続して搬送する場合、先の記録媒体の後端の通過に合わせて弁を第2弁状態に切替えると共に、次の記録媒体の先端の通過に合わせて弁を第1弁状態に切替えることができる。そのため、例えば、複数の吸引孔の全ての吸引開口を閉塞可能な単一の遮風板を搬送されるターゲットの通過タイミングに合わせてスライドさせる従来の搬送装置の場合とは異なり、複数の記録媒体を連続搬送する際の待ち時間を減少させて搬送効率を向上させることができる。

0010

本発明の搬送装置は、前記吸引手段の駆動に基づき前記吸引孔の前記吸引開口から吸引された空気を前記吸引手段へ誘導する空気流路を更に有し、該空気流路は、前記弁の配設位置を境として第1負圧室と第2負圧室とに区画され、前記吸引手段から前記弁の間に形成された前記第1負圧室の容積は、前記弁から前記吸引開口の間に形成された前記第2負圧室の容積よりも大きい。

0011

この構成によれば、弁を第2弁状態から第1弁状態に切り替えることにより、その時点において負圧が蓄圧されている第1負圧室と吸引開口を介して大気圧状態となっている第2負圧室とを連通させる場合、第1負圧室の容積が第2負圧室の容積よりも大きくなっているので、第1負圧室内の圧力の上昇度合を小さくすることができる。そのため、第1負圧室と第2負圧室とを連通させて圧力が上昇したとしても、そのように上昇した圧力については記録媒体を支持面側に吸引するのに必要な程度の負圧まで短時間で回復することができる。また、弁を第2弁状態から第1弁状態に切り替えることにより、記録媒体に対して大きな吸引力を急激に付与することができるため、例えば、記録媒体が変形してその一部が支持面から離れている場合にも、そうした記録媒体の吸い寄せを容易に行うことができる。

0012

本発明の搬送装置において、前記支持部材には、前記複数の前記吸引孔が前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って延びる複数の吸引孔列を前記記録媒体の搬送方向に間隔をおいて配列形成するように形成され、前記切替手段は、前記吸引孔列ごとに前記弁の弁状態の切替えを行う。

0013

例えば、矩形状の記録媒体のように、搬送方向の先端と後端が互いに平行となる記録媒体を搬送する場合、その記録媒体の先端及び後端は搬送方向と直交することになる。そのため、この構成によれば、搬送方向と直交する方向に延びる吸引孔列に対応する弁ごとにその弁状態を切替えることで、簡単な制御で吸引効率及び搬送効率を向上させることができる。

0014

本発明の搬送装置において、前記切替手段は、前記制御手段が前記検知手段の検知結果に基づいて回転させる回転軸と、該回転軸に一体回転可能に設けられたカム部材とを有し、該カム部材は、前記回転軸の回転に基づいて、前記弁の弁体を前記第1弁状態に対応した第1位置と前記第2弁状態に対応した第2位置との間で変位させる。

0015

この構成によれば、カム部材を回転させることで弁体を第1位置と第2位置に変位させるため、弁の第1弁状態と第2弁状態の切替えの応答性を向上させることができる。
本発明の搬送装置において、前記カム部材は、前記弁体を前記第1位置に変位させる際に前記弁体に当接する当接部を前記回転軸の回転方向における少なくとも一箇所に有し、前記回転軸には、前記当接部の数を異にする複数種類の前記カム部材が設けられ、前記制御手段は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の前記記録媒体のサイズに基づいて決まる回転角度の範囲内で前記回転軸を回転させる。

0016

この構成によれば、カム部材は、回転軸と一体回転することにより、当接部が弁体に当接して弁体を第1位置に変位させる。そのため、当接部の数が異なる複数種類のカム部材を用いることで、回転軸を1回転させる間に第1弁状態と第2弁状態とを切替える切替え回数を、各弁ごとに異ならせることができる。したがって、搬送方向と直交する方向の記録媒体のサイズに応じた回転角度の範囲内で回転軸を回転させることにより、記録媒体に覆われた吸引孔と対応する弁のみを第1弁状態に切替えることができる。

0017

本発明の搬送装置において、前記切替手段は、前記弁の弁体を前記第1弁状態に対応した第1位置と前記第2弁状態に対応した第2位置との間で変位させるソレノイドである。
この構成によれば、ソレノイドにより弁体を第1位置と第2位置に変位させるため、弁の第1弁状態と第2弁状態の切替えの応答性を向上することができる。

0018

本発明の搬送装置において、前記制御手段は、前記吸引孔毎に該吸引孔の吸引開口が上流側から下流側に搬送される前記記録媒体により覆われた時点で、該吸引孔に対応する前記弁を前記第1弁状態に切替えるように前記切替手段を動作させる。

0019

この構成によれば、第2弁状態の弁は、対応する吸引孔の吸引開口が記録媒体によって覆われた時点で弁を第1弁状態に切替える。そのため、記録媒体が吸引孔の吸引開口を部分的に覆う状態で第1弁状態に切替えたときに生じる記録媒体と吸引開口との隙間からの空気の吸引が抑制されて記録媒体を好適に吸引することができる。

0020

本発明の搬送装置において、前記搬送手段は、前記支持部材の前記支持面上に摺接しつつ移動することにより前記吸引孔と連通可能となる連通孔が形成された搬送ベルトである。

0021

この構成によれば、記録媒体を搬送ベルト上に吸着した状態で搬送することができるため、記録媒体の伸びやすさや撓みやすさといった材質に係わらず、該記録媒体を搬送ベルトと等速で搬送することができる。したがって、記録媒体の搬送速度は、搬送ベルトの搬送速度から容易に得ることができる。

0022

本発明の記録装置は、前記記録媒体に記録材を付着させて記録を施す記録手段と、前記記録媒体を搬送する上記構成の搬送装置とを備えた。
この構成によれば、記録媒体の搬送方向の先端及び後端を含む全体を吸着することができるため、支持面上での記録媒体の遊動が抑制されて記録材の付着位置のずれを抑制することができる。さらに、記録媒体を先端から徐々に吸引することができるため、記録材を吸収して膨張変形する記録媒体を搬送する場合でも、よじれにより生じる皺の発生を抑制することができる。

0023

本発明の記録媒体の搬送方法は、複数の吸引孔の吸引開口が形成された支持部材の支持面に支持される記録媒体を、前記吸引孔内に生じさせた負圧により吸引して前記支持面で支持しつつ、搬送方向の上流側から下流側へ搬送する記録媒体の搬送方法であって、搬送される記録媒体の先端が通過する位置の前記吸引孔を、該吸引孔内の空気の流れが許容される第1状態に切替える段階と、前記記録媒体の後端が通過する位置の前記吸引孔を、該吸引孔内の空気の流れが阻害される第2状態に切替える段階とを備えた。

0024

この構成によれば、上記搬送装置と同様の作用効果を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

(第1の実施形態)
以下、本発明の搬送装置及び搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法をインクジェット式プリンタにおいて具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「上下方向」、「前後方向」、「左右方向」をいう場合は、図1及び図2に矢印で示した方向を基準として示すものとする。

0026

図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)11は記録媒体としての矩形状の用紙12を搬送するための搬送機構13を備えている。搬送機構13は、搬送方向の上流側(左側)に位置した給紙トレー14から給紙された用紙12を下流側(右側)へ搬送する第1搬送部15と、該第1搬送部15によって搬送された用紙12を、さらに下流側へ搬送して排紙トレー16へ排紙する搬送装置としての第2搬送部17から構成されている。

0027

各搬送部15,17は、それぞれ図示しないモータ駆動力により回転駆動されると共に互いの軸線が平行となる第1駆動プーリ18及び第2駆動プーリ19と、各駆動プーリ18,19の軸線と平行な軸線を中心に回転自在な第1従動プーリ20及び第2従動プーリ21とをそれぞれ有している。さらに、第1駆動プーリ18と第1従動プーリ20との間には、無端状の第1搬送ベルト22が掛け渡されていると共に、第2駆動プーリ19と第2従動プーリ21との間には、無端状の第2搬送ベルト23が掛け渡されている。そして、各搬送ベルト22,23が、それぞれ対応する駆動プーリ18,19の回転駆動に伴い周回運動することにより、給紙トレー14から給紙された用紙12が第1搬送ベルト22上に載置された状態で第1搬送部15から第2搬送部17側へ搬送され、さらに第2搬送ベルト23上に載置された状態で排紙トレー16側へ搬送されるようになっている。

0028

すなわち、第2駆動プーリ19、第2従動プーリ21、第2搬送ベルト23はそれぞれ搬送手段として機能している。
また、図1に示すように、第1搬送部15における第1搬送ベルト22の上側となる位置には、該第1搬送ベルト22上に載置されて搬送される途中の用紙12の表面に向けて記録材としてのインクを噴射する記録手段としての記録ヘッド24が配設されている。この記録ヘッド24からは、例えば染料インク等の水分を含有したインクが噴射され、そのインクが用紙12の表面に付着することにより、用紙12の表面上に記録処理領域12a(図2参照)を形成するようになっている。

0029

すなわち、記録ヘッド24の下面となるノズル形成面24aには、用紙12の幅方向(前後方向)に沿う複数のノズル列(図示略)が搬送方向(左右方向)に一定間隔をおいて列設されている。そして、記録ヘッド24は、用紙12が記録ヘッド24の下方を通過するのに合わせて幅方向全体に亘るようにインクを噴射することにより、用紙12に対して印刷(記録処理)を施すようになっている。この点で、本実施形態の記録ヘッド24は、用紙12の搬送方向と直交する方向に用紙12の幅全体と対応した全体形状をなす、いわゆるフルラインタイプラインヘッドであるといえる。

0030

また、第2搬送部17における上流端の位置であって第2搬送ベルト23の上側となる位置には、第1搬送ベルト22上から第2搬送ベルト23上に移送された用紙12を乾燥促進のために加熱可能なヒータ25が配設されている。このヒータ25は、赤外線を用紙12に対して放射する赤外線ヒータであり、記録ヘッド24から噴射されたインクが付着して浸透した用紙12の記録処理領域12aを用紙12におけるインクが付着した面(表面)には非接触で加熱するようになっている。

0031

また、各搬送部15,17において、第1駆動プーリ18と第1従動プーリ20の間、及び第2駆動プーリ19と第2従動プーリ21の間には、上面(支持面)が平面状に形成された第1支持台26及び支持部材としての第2支持台27が各々配設されている。そして、各搬送ベルト22,23が周回運動した場合には、各搬送ベルト22,23において用紙12を載置して下流側(左側から右側)に搬送するベルト部分の裏面が、各々対応する支持台26,27の上面(支持面)に対して摺接するようになっている。

0032

したがって、各搬送ベルト22,23上に載置された状態で搬送される用紙12は、各搬送ベルト22,23越しに各々対応する各支持台26,27の上面(支持面)に支持されることになる。

0033

そして、図1に示すように、搬送機構13において搬送ベルト22,23による用紙12の搬送経路には、記録ヘッド24と対向する記録ゾーンから下流側に複数のゾーンが順次設定されている。まず、記録ゾーンの下流側には、記録ゾーンでの記録ヘッド24からのインク噴射により記録処理領域12aにインクが付着された用紙12をヒータ25の配設位置まで搬送する第1搬送ゾーンAが記録ゾーンに連続するように設定されている。そして、この第1搬送ゾーンAの下流側には、その用紙12を加熱可能なヒータ25を備えた加熱ゾーンBが第1搬送ゾーンAに連続するように設定されている。

0034

また、加熱ゾーンBの下流側には、加熱ゾーンBでの加熱により記録処理領域12aからのインク蒸発が促進された用紙12を第2支持台27上まで搬送する第2搬送ゾーンCが加熱ゾーンBに連続するように設定されている。そして、第2搬送ゾーンCの下流側には、第2支持台27上に用紙12を平面状態拘束するための拘束ゾーンDが第2搬送ゾーンCに連続するように設定されている。

0035

また、各搬送部15,17において、各搬送ベルト22,23及び各支持台26,27には、それぞれ複数の孔が形成されている。但し、それらの各孔の形成態様は、各搬送部15,17において同様であるため、以下では図2に基づいて第2搬送部17における第2搬送ベルト23及び第2支持台27に各々形成された各孔の孔形成態様を説明する。

0036

図2に示すように、第2搬送ベルト23には、用紙12が載置される表面23aと第2支持台27に摺接する裏面とを貫通するように、多数の通気孔28が形成されている。なお、これらの通気孔28は、前後方向に沿う複数列通気孔列28aを左右方向に所定間隔をおいて形成するように規則的に配列されている。そして、以上のような通気孔28及び通気孔列28aが第1搬送部15における第1搬送ベルト22にも形成されている。

0037

また、第2支持台27には、該第2支持台27を上下方向(第2支持台27の厚み方向)に貫通する多数の吸引孔29が前後方向に沿う複数列の吸引孔列29aを左右方向に所定間隔をおいて形成されている。そして、各吸引孔29は、第2搬送ベルト23の各通気孔28と前後方向においては各々対応した位置であって且つ左右方向においては各通気孔28よりも広い(例えば約3倍程度の)間隔をおいた位置に、第2支持台27の支持面27aと下面27b(図3参照)との間を貫通するように形成されている。なお、各吸引孔29における支持面27a側の開口は、左右方向に沿う長溝状の吸引開口としての開口部30に形成されている。そして、以上のような吸引孔29及び吸引孔列29aが第1搬送部15における第1支持台26にも形成されている。

0038

図1及び図2に示すように、第1支持台26の下側には、各吸引孔29内を吸引するための箱体状をなす第1吸引部31が第1支持台26の下面側における各吸引孔29の開口を覆うように設けられている。また、第2支持台27の下側には、同様に各吸引孔29内を吸引するための箱体状をなす第2吸引部32が第2支持台27の下面27b側における各吸引孔29の開口を覆うように設けられている。

0039

また、第1吸引部31内には1つのファン33が、第2吸引部32内には吸引手段としての3つのファン33が、それぞれ設けられている。そして、各ファン33の駆動に伴い各吸引孔29内が吸引されて負圧になることで、各吸引孔29の長溝状の開口部30を介して連通した通気孔28を通じて、搬送ベルト22,23上に載置された状態にある用紙12には下向きの吸引力(拘束力)が付与されるようになっている。

0040

図3に示すように、第2支持台27に形成された略円筒状の吸引孔29は、支持面27a付近の径が、中心を共有する下面27b付近の径よりも大きくなるように、段差状に形成されている。そして、吸引孔29の段差部分は、下面27b側から支持面27a側にかけて徐々に径が大きくなるようにテーパ状に形成されて、テーパ面を有した略円錐台形状弁座35となっている。

0041

そして、弁座35の上方には、該弁座35のテーパ面と当接して吸引孔29内の空気の流れを遮断する(吸引孔29の第1状態)と共に、弁座35から離間することで吸引孔29内の空気の流れを許容する(吸引孔29の第2状態)略円錐台形状の弁体36が設けられている。すなわち、この弁体36と弁座35とにより弁37が構成されている。なお、弁体36は、その最大径の部分が弁座35の最大径の部分よりも大きくなっている。そのため、弁体36は弁座35に着座したとき、該弁座35によって係止される。

0042

さらに、弁体36の下側には、円柱状のロッド部材38が下方に向けて延設され、該弁体36とロッド部材38は一体に変位可能になっている。このロッド部材38の径は、吸引孔29の下面27b付近の径よりも小さくなっている。さらに、ロッド部材38は、吸引孔29に挿通されており、弁体36が弁座35に当接する第2位置に位置した閉弁時には、下面27b側の開口から突出する程度の長さとなっている。

0043

一方、第2吸引部32の各弁37とファン33との間に位置する第1負圧室39内には、吸引孔列29aの幅方向(前後方向)に沿って延びる回転軸40が、吸引孔列29aの幅よりも長くなるように各吸引孔列29aに対応して設けられている。そして、回転軸40には、該回転軸40と一体回転する複数の円盤状のカム部材41が、各弁37と前後方向において各々対応した位置に、回転軸40と一体回転するように取り付けられている(図5図6参照)。なお、これらの各カム部材41は偏心カムであって、それらの位相は揃っている。すなわち、1つのカム部材41における回転軸40からカム面までの距離が最も大きくなる当接部42が回転軸40の下側にあるときには、その他のカム部材41における同様の当接部42も回転軸40の下側に位置している。

0044

そして、回転軸40の回転に伴ってカム部材41が回転すると、各カム部材41の各当接部42が各ロッド部材38に当接してロッド部材38及び弁体36を上方に押し上げて第1位置に変位させ、弁体36と弁座35を離間させて弁37を開弁状態(第1弁状態)に切替えるようになっている。すなわち、回転軸40及びカム部材41は切替手段として機能している。

0045

一方、弁37と支持面27aとの間は、弁37が開弁状態となった場合に第1負圧室39と連通する第2負圧室43となっている。なお、この第2負圧室43は、1本の回転軸40によって第1負圧室39に対する連通状態非連通状態とが切替えられる吸引孔列29a内の第2負圧室43の容積の合計が、連通される第1負圧室39の容積よりも小さくなっている。そして、本実施形態では、弁37の配設位置を境として上下に区画される第1負圧室39と第2負圧室43とにより、ファン33の駆動に基づき吸引孔29の開口部30から吸引された空気をファン33へ誘導する空気流路が構成されている。

0046

図4に示すように、プリンタ11には、該プリンタ11の稼働状態統括制御する制御手段としての制御部44が設けられている。この制御部44は、中央処理装置として機能することにより各種の演算を実行するCPU45、プログラムや予め設定された情報を記憶するROM46、及び入力された情報を一時記憶するRAM47を備えたデジタルコンピュータにて構成されている。

0047

そして、制御部44は、第2駆動プーリ19の回転数カウントする回転数カウンタ48及び第2搬送部17を搬送される用紙12の紙端を検知する紙端センサ49の検知結果に基づき、回転軸40を回転駆動するためのモータ50を駆動制御する。

0048

すなわち、CPU45は、まず回転する第2駆動プーリ19の回転数カウンタ48のカウンタ値をゼロにリセットする。そして、内蔵する時計計測時間に基づいて、一定時間経過後に回転数カウンタ48のカウント値(回転数)を取得してRAM47に記憶する。その後、第2搬送ベルト23に載置されて、該第2搬送ベルト23と等速で搬送される用紙12の搬送速度を、ROM46に記憶された第2駆動プーリ19の太さや第2搬送ベルト23の厚み等のデータと、単位時間あたりのカウント値とから算出してRAM47に記憶する。

0049

さらに、CPU45は、第2支持台27よりも上流側となる第2搬送ゾーンCに設けられた紙端センサ49により用紙12の先端及び後端が検知されると、先端であるかもしくは後端であるかの検知結果と、検知された時間とをRAM47に記憶する。

0050

そして、CPU45は、RAM47に記憶されたこれらの情報に基づいて、用紙12の先端が各開口部30の搬送方向の下流端まで搬送される時間、及び用紙12の後端が各開口部30の搬送方向の上流端まで搬送される時間を、吸引孔列29aごとにそれぞれ算出する。その後、制御部44は、算出結果に基づくタイミングで回転軸40を回転させるようにモータ50を駆動させる。

0051

次に、上記のように構成された本実施形態のプリンタ11の作用について、記録ゾーンで記録ヘッド24により印刷が施された後、第1搬送ゾーンA、加熱ゾーンB、第2搬送ゾーンC、拘束ゾーンDを順次通過するように用紙12が搬送される際の作用を中心に説明する。

0052

さて、プリンタ11において用紙12に印刷を施す場合は、まず、給紙トレー14から第1搬送ベルト22上に用紙12が給紙されると共に、その用紙12を下流側に搬送するために搬送ベルト22,23が周回運動を開始する。また、各吸引部31,32のファン33が駆動されることにより各支持台26,27の吸引孔29内が吸引される。すると、第1搬送ベルト22において用紙12が載置された領域内に位置する通気孔28及びこの通気孔28と長溝状の開口を通じて連通する支持台26の吸引孔29には負圧が生じる。そのため、第1搬送ベルト22上に載置された用紙12は、その負圧を受けて第1搬送ベルト22上に平面状に吸着された拘束状態で下流側に搬送され、記録ゾーンにおいて記録ヘッド24からのインク噴射により記録処理領域12aにインクを付着される。

0053

続いて、第1搬送ゾーンAでは、用紙12が非加熱状態及び非拘束状態で下流側に搬送される。したがって、用紙12の記録処理領域12aに付着したインクは、その搬送中に用紙12の内部に徐々に浸透及び拡散し、記録処理領域12aを膨脹変形させることになる。なお、本実施形態における用紙12の記録処理領域12aはインクがベタ状に付着した矩形状の領域とされ、その領域の周囲はインクが付着していない非記録処理領域(非液体付着領域)12bにより包囲されている。なお、非記録処理領域12bとは、その表面にインクの付着がなく内部にはインクが浸透していないために用紙12の繊維同士の結合が維持された領域のことをいう。

0054

ここで、本実施形態の用紙12は、木材を原料とするパルプ繊維(主成分はセルロースであり、以下、「繊維」という。)が網目構造をなすように積み重なった吸液性を有する多孔性材料である。そのため、用紙12にインクが付着すると、親水性を有する繊維はインクのインク溶媒(水分もしくはアルコールなどの有機溶媒)を吸収して膨潤し、記録処理領域12aの体積を増加させる。また、繊維に吸収されないインクは用紙12における繊維間の空隙に浸透して繊維同士の水素結合を切断するため、記録処理領域12aの繊維は相対移動可能な状態となる。そのため、記録処理領域12aは膨潤した繊維同士が押し合うことで膨脹変形するため、記録処理領域12aが形成された用紙12には、インクの浸透及び拡散に伴って第1搬送ベルト22の表面から離間するように変形し、搬送ベルト22に沿って波打つような形状となる(所謂コックリング現象)。

0055

そして次に、そのような波打ちが発生した用紙12は、第1搬送ベルト22上から第2搬送ベルト23上に受け渡しされることにより、第1搬送ゾーンAから加熱ゾーンBへと搬送される。すると、この加熱ゾーンBにおいて、用紙12はその記録処理領域12aがヒータ25により加熱されることにより記録処理領域12aからのインクの蒸発が促進される。そのため、用紙12の記録処理領域12aは、インクの蒸発により、生乾き状態になると共に、それまでのインクの浸透及び拡散による体積の増加が止まるので、その膨脹度合いが抑制される。

0056

なお、このとき、ヒータ25は、第2搬送ベルト23の表面23aに載置された用紙12の表面(すなわち、液体としてのインクが付着した面)に対して非接触で用紙12を加熱する。また、用紙12の搬送経路において加熱ゾーンBには支持台26,27が位置していないので、この加熱ゾーンB内で用紙12は第2搬送ベルト23の表面23a上に負圧を受けることもなく単に載置されただけの非拘束状態で搬送されつつ加熱される。したがって、膨脹変形した記録処理領域12aに対して膨脹度合いを低減させる方向への拘束力も付与されないので、用紙12に皺が発生することもない。

0057

続いて、用紙12は第2搬送ベルト23の表面23a上に載置された状態で第2搬送ゾーンCに搬送され、この第2搬送ゾーンCを非加熱状態及び非拘束状態で下流側に搬送される。

0058

このとき、第2搬送ゾーンCに設けられた紙端センサ49が用紙12の先端の通過を検知した検知結果を制御部44に入力する。すると制御部44では、第2搬送部17の各回転軸40に対応するモータ50の駆動タイミングを算出する。

0059

なお、用紙12が拘束ゾーンDに搬送される前段階の弁37は図5に示すように閉弁状態(第2弁状態)となっており、その弁37により空気流路は閉塞された状態にあるものとする。すなわち、第2負圧室43は、開口部30及び通気孔28を介して大気圧状態となっている。そして、用紙12が拘束ゾーンDに搬送されると、制御部44は算出された駆動タイミングに基づいてモータ50を駆動し、弁37を開弁する。

0060

なお、モータ50の駆動タイミングは、用紙12の先端が開口部30の搬送方向下流端となる位置D1(図3参照)まで搬送されると、その吸引孔列29a(図3では左側の吸引孔29により形成される吸引孔列)に対応する回転軸40のモータ50を駆動させる。そのため、搬送方向の上流側から順次にカム部材41の当接部42がロッド部材38に当接し、弁37を開弁する。なお、制御部44は、カム部材41の当接部42が回転軸40の上側に位置してロッド部材38を押し上げた状態で、モータ50の駆動を停止させる。したがって、搬送方向において位置D1よりも下流側に位置する吸引孔29の弁37は図5に示すように閉弁状態が維持されている。

0061

すなわち、用紙12が位置D1からさらに搬送されて、その先端が位置D2に位置すると、図3で右側の吸引孔29により形成される吸引孔列に対応する回転軸40のモータ50が駆動されて、図6に示すように弁37は開弁する。このように、各吸引孔列29aは用紙12の搬送に伴って上流側から順次に用紙12に対して吸引力を付与可能とされるため、用紙12はその先端から徐々に第2搬送ベルト23の表面23aに拘束される。

0062

一方、紙端センサ49が用紙12の後端の通過を検知した検知結果を制御部44に入力すると、制御部44は、用紙12が各回転軸40に対応するモータ50の駆動タイミングを算出する。

0063

そして、用紙12の後端が拘束ゾーンDに搬送されると、制御部44は算出した駆動タイミングに基づいて、各回転軸40のモータ50を回転駆動させることにより、搬送方向の上流側から順次にカム部材41の当接部42がロッド部材38から離間し、弁37が閉弁状態とされる。なお、制御部44は、カム部材41の当接部42が回転軸40の下側に位置した状態でモータ50の駆動を停止する。

0064

すなわち、用紙12の後端が開口部30の搬送方向上流端となる位置D3(図3参照)まで搬送されると、該開口部30と連通する図3で左側の回転軸40に対応する弁37を閉弁する。

0065

そして、用紙12がさらに搬送されて、その後端が位置D4に位置するタイミングで、制御部44は、図3で右側の回転軸40に対応するモータ50を駆動して、弁37を閉弁状態とする。

0066

そのため、拘束ゾーンDでは、用紙12の先端から後端に向かって順に吸引力を付与することになるため、用紙12は、生乾き状態で膨脹変形している記録処理領域12aが周囲の非記録処理領域12bと一様な面状態を維持するように平面状に拘束されつつ、第2搬送ベルト23の周回運動に従い下流側へと搬送される。

0067

そして、用紙12は、その搬送途中で記録処理領域12aからインクが自然に蒸発し、記録処理領域12aと非記録処理領域12bとが一様な面状態を維持したままで自然乾燥するため、記録処理領域12aが膨脹変形することにより生じていたコックリング現象が消失する。

0068

そして、先の用紙12の搬送に続いて次の用紙12の搬送を行う場合には、上記と同様の手順で第2搬送部17が再駆動され、閉弁状態の弁37は次の用紙12の先端の通過に合わせて再び開弁される。

0069

上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)カム部材41が取り付けられた回転軸40を、搬送される用紙12が吸引孔列29aを通過するタイミングに合わせて回転させた。そのため、回転軸40と一体回転するカム部材41の当接部42がロッド部材38に当接して弁37の開弁状態と閉弁状態とを切替えるため、用紙12に覆われた通気孔28と連通する吸引孔29のみに選択的に負圧を付与することができる。そして、用紙12に覆われていない通気孔28と連通する吸引孔29から空気が吸引されるのを抑制し、吸引効率を向上させることができる。また、用紙12の先端及び後端を含む用紙12の全体に亘って同様に吸引力を付与することができるので、用紙12をその遊動を抑制した状態で安定的に搬送することができる。

0070

さらに、先の用紙12に続いて次の用紙12を連続して搬送する場合、先の用紙12の通過に合わせて閉弁状態に切替えられた弁37は、次の用紙12の通過に合わせて開弁状態に切替えることができる。そのため、複数の用紙12を連続して搬送する際に、待ち時間を短縮して搬送効率を向上させることができる。

0071

(2)弁37が閉弁した状態において、ファン33により吸引されて負圧が蓄圧される第1負圧室39と、弁37が閉弁状態である場合に通気孔28を介して大気圧状態となっている第2負圧室43は、弁37を開弁することによって連通する。このとき、第1負圧室39の容積を第2負圧室43の容積よりも大きくすることで、第1負圧室39の圧力の上昇度合を小さくすることができる。そのため、第1負圧室39と第2負圧室43とを連通させて圧力が上昇したとしても、そのように上昇した圧力を用紙12の吸着に必要な負圧まで短時間で回復することができる。また、用紙12に対して大きな吸引力を急激に付与することができるため、インクが付着して膨張変形し、その一部が表面23aから離れた用紙12の吸い寄せを容易に行うことができる。

0072

(3)矩形状の用紙12の先端及び後端が吸引孔列29aと平行となるように搬送し、モータ50の駆動制御により弁37の開閉の切り替えを吸引孔列29aごとに行った。そのため、個別に弁37の弁状態を制御する場合に比べて簡単な制御で吸引効率及び搬送効率を向上させることができる。

0073

(4)カム部材41を回転させることにより、弁体36を弁座35から離間した第1位置と弁座35に当接する第2位置を変位させた。そのため、弁37の開弁状態と閉弁状態の切替えの応答性を向上させることができる。

0074

(5)閉弁状態の弁37は、対応する吸引孔29の開口部30が用紙12によって覆われた時点で弁37を開弁状態に切替える。そのため、用紙12が吸引孔29の開口部30を部分的に覆った状態で開弁状態に切替えたときに生じる用紙12と開口部30との隙間からの空気の吸引が抑制されて用紙12を好適に吸引することができる。

0075

(6)用紙12を搬送ベルト23上に吸着した状態で搬送するため、用紙12の代わりに例えば、伸びやすいもしくは撓みやすいフィルム等を搬送する場合でも、搬送ベルト23と等速で搬送することができる。したがって、搬送される用紙12(フィルム等)の搬送速度は、搬送ベルトの搬送速度から容易に得ることができる。

0076

(7)用紙12を先端から徐々に吸引するようにしたため、インクを吸収して膨張変形する用紙12を搬送する場合でも、よじれによる皺の発生を抑制することができる。
(8)用紙12の先端が支持台27へ搬送されるタイミングで、まず最上流側に位置する吸引孔列29aに対応する弁37を開弁し、該用紙12の先端を搬送ベルト23に吸着させる。そのため、用紙12は幅方向に亘ってその先端部が吸着され、該先端部に引かれるように用紙12は搬送ベルト23上に載置されるので、載置される際の歪みや曲がりを抑制して、搬送方向に対して真っ直ぐな状態で搬送することができ、用紙12の搬送の信頼性を向上させることができる。

0077

(9)弁37の開閉の切替をカム部材41と回転軸40を用いて行った。そのため、第1負圧室39と第2負圧室43の差圧に応じて弁37を開弁するような場合に必要な第1負圧室39と第2負圧室43を連通させる微細流路が不要となる。したがって、ファン33の負圧発生能力は、微細流路からの負圧損失分を含まない程度のものとすることができる。

0078

(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7図11に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態とはカム部材の形状を変更した点でのみ構成が相違しており、その他の構成は共通しているため、同様の構成部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。

0079

図7(a)〜(c)及び図8に示すように、本実施形態における回転軸52には形状の異なる複数種類(本実施形態では3種類)のカム部材51,56,60が回転軸52に対して一体回転可能に支持されている。

0080

図7(a)に示すように、第1カム部材51には、回転軸52を挿通するための貫通孔53が中央部分に形成されている。そして、この第1カム部材51は、その中心からカム面までの距離が大きな3つの当接部、すなわち、第1当接部54a、第2当接部54b、及び第3当接部54cを有している。なお、各当接部54a〜54cの中心からの距離はそれぞれ等しくなっている。そして、各当接部54a〜54cは互いに120度間隔を有して形成されていると共に、第3当接部54cと第2当接部54bの間は第1非当接部55a、第2当接部54bと第1当接部54aの間は第2非当接部55b、第1当接部54aと第3当接部54cの間は第3非当接部55cとなっている。なお、各非当接部55a〜55cは、各当接部54a〜54cよりも中心からの距離が小さくなっている。

0081

図7(b)に示すように、第2カム部材56には、回転軸52を挿通するための貫通孔57が中央部分に形成されている。そして、この第2カム部材56は、その中心からカム面までの距離が第1カム部材51の各当接部54a〜54cと等しい第1当接部58aと第2当接部58bとを有している。なお、各当接部58a,58bは、一方に120度、他方に240度間隔を有して形成され、その両側は第1非当接部59a及び第2非当接部59bとなっている。

0082

したがって、第2カム部材56の当接部58a,58b及び非当接部59a,59bの形状は、第1カム部材51の各当接部54a〜54cのうち何れか2つの当接部と、該2つの当接部に挟まれた非当接部55a〜55cの形状と一致する。

0083

図7(c)に示すように、第3カム部材60には、回転軸52を挿通するための貫通孔61が中央部分に形成されている。そして、この第3カム部材60は、その中心からカム面までの距離が第1カム部材51及び第2カム部材56の各当接部54a〜54c,58a,58b及び各非当接部55a〜55c,59a,59bとそれぞれ等しい当接部62aと非当接部63aを1つずつ有している。なお、第3カム部材60の当接部62aの形状は、他のカム部材51,56の各当接部54a〜54c,58a,58bの形状と一致する。

0084

図8に示すように、各カム部材51,56,60は、位相が揃うように回転軸52に取り付けられて、回転軸52の回転に伴って一体回転する。すなわち、各カム部材51,56,60の第1当接部54a,58a,62aを結ぶ直線が、回転軸52と平行になっている。したがって、第1カム部材51と第2カム部材56の第2当接部54b,58bを結ぶ直線も回転軸52と平行となっている。

0085

そのため、図8に示す状態を初期状態(0度)とすると、同図に矢印で示す反時計回り方向に回転軸52を60度回転させると、各カム部材51,56,60の第1非当接部55a,59a,63aが回転軸52の上方に位置する。そして、さらに回転軸52を60度(初期位置から120度)回転させると、第1カム部材51と第2カム部材56の第2当接部54b,58bが上方に位置し、第3カム部材60は第1非当接部63aが上方に位置する。

0086

そして、さらに回転軸52を120度(初期位置から240度)回転させると、第1カム部材51と第2カム部材56では、初期位置から180度回転させた時点で第2非当接部55b,59bが回転軸52の上方を通過し、各カム部材51,56,60の第1当接部54a,58a,62aが上方に位置するようになる。そして、さらに回転軸52を120度(初期位置から360度)回転させると、初期位置から300度回転させた時点で第1カム部材51の第3非当接部55cと、第2カム部材56及び第3カム部材60の第1非当接部59a,63aが回転軸52の上方を通過し、第1カム部材51の第3当接部54cが再び回転軸52の上方に位置し、初期状態と同じ状態となる。

0087

なお、本実施形態の支持台64には、図9に示すように、7個の吸引孔29が前後方向に沿って並ぶように形成された吸引孔列29aが、左右方向に間隔を有して複数配列形成されている。そして、各吸引孔列29aの下方には、前後方向に沿って延びる複数の回転軸52が吸引孔列29aごとに個別に対応するように設けられている。そして、各回転軸52には、搬送する用紙65a〜65cのサイズに応じて複数のカム部材51,56,60が回転軸52と一体回転するように位相を合わせて取り付けられている。

0088

なお、本実施形態では、搬送方向と直交する幅方向のサイズが異なる3種類の用紙65a〜65cを搬送することもある。すなわち、前後方向に3つの吸引孔29と連通する通気孔28を覆う程度の大きさ(サイズ1)、5つの吸引孔29と連通する通気孔28を覆う程度の大きさ(サイズ2)、及び7つの吸引孔29と連通する通気孔28を覆う程度の大きさ(サイズ3)を各々有する3種類の用紙65a〜65cを搬送することがある。そのため、回転軸52には、1つの第3カム部材60、1つの第2カム部材56、3つの第1カム部材51、1つの第2カム部材56、及び1つの第3カム部材60が、この順番で前側から後側へ、各吸引孔29に一つずつ対応するように取り付けられている。

0089

すなわち、カム部材51,56,60は、搬送方向に沿って同一のカム部材51,56,60が並ぶように各回転軸52に取り付けられている。具体的には、用紙65a〜65cの幅方向に沿う回転軸52の長手方向の略中央部において、サイズ1の用紙65aが通過する領域に位置する3つの弁37と対応する位置には3つの第1カム部材51が取り付けられている。そして、その回転軸52の長手方向において、サイズ1の用紙65aが通過する領域の外側(前後両側)であって、サイズ1の用紙65aは通過せず、サイズ2及びサイズ3の用紙65b,65cは通過する領域に位置する2つの弁37と対応する位置には前後で1つずつとなるように2つの第2カム部材56が取り付けられている。さらに、その回転軸52の長手方向において、サイズ2の用紙65bが通過する領域の外側(前後両側)であって、サイズ1及びサイズ2の用紙65a,65bは通過せず、サイズ3の用紙65cのみが通過する領域に位置する2つの弁37と対応する位置には前後で1つずつとなるように2つの第3カム部材60が取り付けられている。

0090

そして、制御部44は、図示しない回転角度検知センサの検知結果から得られる回転軸52の初期状態を基準とする回転角度と、紙端センサ49から入力された用紙幅に応じて、用紙65a〜65cが搬送される前に回転軸52のモータ50をROM46に記憶されたテーブルに基づいて制御する。

0091

次に、上記のように構成された本実施形態のプリンタ11の作用について前後方向の大きさが異なる用紙65a〜65cが搬送される際の作用を中心に説明する。
図9に示すように、サイズ1の用紙65aを搬送する場合は、まず、制御部44は、ROM46に記憶されたテーブルに基づいてモータ50を駆動制御し、初期状態から300度回転させた状態となるように回転軸52を回転させて、第1カム部材51の第3非当接部55c及び第2,第3カム部材56,60の第1非当接部59a,63aを上方に位置させる。

0092

そして、第1の実施形態と同様に算出された駆動タイミングに基づいて、回転軸52が反時計回り方向に60度ずつ回転するようにモータ50を駆動させる。すなわち、搬送される用紙65aが通過する領域に位置する吸引孔29の上方を用紙65aの先端が通過するのに合わせて回転軸52が反時計方向に60度回転するようにする。すると、第1カム部材51は、第3当接部54cが対応する弁37のロッド部材38に当接して、前後方向の中央部に位置した3つの弁37を開弁させる。そのため、用紙65aが載置された範囲内に位置して該用紙65aにより吸引開口を覆われた吸引孔29内の第2負圧室43は、第1負圧室39と連通して、用紙65aには吸引力が付与される。

0093

一方、回転軸52の長手方向において前後両側の4つのカム部材56,60は、それぞれ非当接部59a,63aが上方に位置しているため、ロッド部材38には当接せず、各々が対応する弁37は閉弁状態が維持される。そして次に、用紙65aの先端の通過に合わせて開弁状態とされた弁37と対応する中央部の3つの吸引孔29の上方を用紙65aの後端が通過するようになると、その通過に合わせて回転軸52がさらに60度回転するようにする。すると、各カム部材51,56,60は、それぞれ第1非当接部55a,59a,63aが回転軸52の上方に位置するようになり、その結果、各吸引孔29と対応する全ての弁37が閉弁状態とされる。

0094

また、図10に示すように、サイズ2の用紙65bを搬送する場合は、まず、制御部44は、ROM46に記憶されたテーブルに基づいてモータ50を駆動制御し、初期状態から60度回転させた状態となるように回転軸52を回転させて、各カム部材51,56,60の第1非当接部55a,59a,63aを上方に位置させる。

0095

そして、第1の実施形態と同様に算出された駆動タイミングに基づいて、回転軸52が反時計回り方向に60度回転するようにモータ50を駆動させる。すると、図10に示すように、第1,第2カム部材51,56の各第2当接部54b,58bが対応する弁37のロッド部材38に当接して、前後方向の中央部に位置した5つの弁37を開弁させる。そのため、用紙65bが載置された範囲内に位置して該用紙65bにより吸引開口を覆われた吸引孔29内の第2負圧室43は、第1負圧室39と連通して、用紙65bには吸引力が付与される。

0096

一方、回転軸52の長手方向において前後両端の2つの第3カム部材60は、それぞれ非当接部63aが上方に位置しているため、ロッド部材38には当接せず、各々が対応する弁37は閉弁状態が維持される。そして次に、用紙65bの先端の通過に合わせて開弁状態とされた弁37と対応する中央部の5つの吸引孔29の上方を用紙65bの後端が通過するようになると、その通過に合わせて回転軸52がさらに60度回転するようにする。すると、各カム部材51,56,60は、それぞれ第2非当接部55b,59bと第1非当接部63aが回転軸52の上方に位置するようになり、その結果、各吸引孔29と対応する全ての弁37が閉弁状態とされる。

0097

また、図11に示すように、吸引孔列29aと連通する通気孔列28aの幅よりも大きな幅(サイズ3)の用紙65cを搬送する場合は、まず、制御部44は、ROM46に記憶されたテーブルに基づいてモータ50を駆動制御し、初期状態から180度回転させた状態となるように回転軸52を回転させて、各カム部材51,56,60の第2非当接部55b,59bと第1非当接部63aを上方に位置させる。

0098

そして、第1の実施形態と同様に算出された駆動タイミングに基づいて、回転軸52が反時計回り方向に60度回転するようにモータ50を駆動させる。すると、図11に示すように、各カム部材51,56,60の第1当接部54a,58a,62aが対応する弁37のロッド部材38に当接して、吸引孔列29aの全ての弁37を開弁させる。そのため、用紙65cが載置された範囲内に位置して該用紙65cにより吸引開口を覆われた吸引孔29内の第2負圧室43は、第1負圧室39と連通して、用紙65cには吸引力が付与される。そして次に、用紙65cの先端の通過に合わせて開弁状態とされた弁37と対応する各吸引孔29の上方を用紙65cの後端が通過するようになると、その通過に合わせて回転軸52がさらに60度回転するようにする。すると、各カム部材51,56,60は、それぞれ第3非当接部55c,第1非当接部59a,63aが回転軸52の上方に位置するようになり、その結果、各吸引孔29と対応する全ての弁37が閉弁状態とされる。

0099

したがって、本実施形態では、カム部材51,56,60及び回転軸52が弁37の弁状態を切替える切替手段として機能している。
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(9)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。

0100

(10)当接部54a〜54c,58a,58b,62aと非当接部55a〜55c,59a,59b,63aとを有するカム部材51,56,60は、回転軸52を中心に回転することにより、当接部54a〜54c,58a,58b,62aが弁体36と共に変位するロッド部材38に当接して弁体36を変位させる。そして、その位相を揃えて回転軸52に取り付けられたカム部材51,56,60は、回転軸52の回転角度に応じて当接部54a〜54c,58a,58b,62aと非当接部55a〜55c,59a,59b,63aの位置を決めることができる。すなわち、回転軸52の回転角度を変更することにより、開弁される弁37を選択することができる。したがって、用紙65a〜65cの各サイズに応じた回転角度の範囲内で回転軸52を回転させることにより、用紙65a〜65cに覆われた吸引孔29と対応する弁37のみをその都度開閉することができる。

0101

(11)用紙幅に対応した弁37のみを開弁することにより、幅方向において用紙65a〜65cに覆われていない吸引孔29からの空気の吸引が抑制される。そのため、用紙幅が異なる用紙65a〜65cを搬送する場合においても、吸引効率を向上させることができる。

0102

(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図12に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態とは弁体を変位させるための切替手段を変更した点でのみ構成が相違しており、その他の構成は共通しているため、同様の構成部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。

0103

本実施形態では、弁37における弁体36から延設された円柱状のロッド部材38が磁性材料(例えば、鉄)によって形成されている。また、ロッド部材38の下側には、ロッド部材38周辺磁界を変化させる切替手段としてのソレノイド66が設けられている。

0104

すなわち、図示しない付勢部材によって上方に押し上げられているロッド部材38は、ソレノイド66に電圧印加して励磁状態とすることで発生した磁界によって、付勢部材の付勢力に抗して下方へ引き寄せられる。すると、ロッド部材38と共に弁体36が下方へ移動して弁座35に着座するため、弁37は閉弁される。

0105

一方、ソレノイド66への電圧の印加が中止されて消磁状態となると、ロッド部材38は付勢部材の付勢力によって上方へ押し上げられる。するとロッド部材38と共に弁体36が上方へ移動して弁座35から離間するため、弁37は開弁される。

0106

また、制御部44は、第1の実施形態と同様に用紙12の搬送速度を算出してRAM47に記憶する。また、紙端センサ49により、用紙12の先端及び後端が検知されると、先端であるかもしくは後端であるかの検知結果と、検知された時間とをRAM47に記憶する。

0107

そして、RAM47に記憶されたこれらの情報に基づいて、用紙12の先端が各開口部30の搬送方向の下流端まで搬送される時間、及び用紙12の後端が各開口部30の搬送方向の上流端まで搬送される時間をそれぞれ算出する。その後、制御部44は、算出結果に基づくタイミングでソレノイド66の励磁状態と消磁状態を切替え得る。

0108

次に、上記のように構成された本実施形態のプリンタ11の作用について用紙12が搬送される際の作用を中心に説明する。なお、説明の前提として、用紙12が搬送される前の吸引孔29に対応するソレノイド66は電圧が印加されており、その弁37は図12右側に示すように閉弁している。

0109

さて、用紙12が搬送されると、制御部44は、算出したタイミングに合わせてソレノイド66への電圧の印加を上流側から順次中止する。具体的には、用紙12の先端が開口部30の搬送方向下流端となる位置D1まで搬送されるタイミングで、図12で左側のソレノイド66への電圧の印加を中止すると共に、用紙12の先端が位置D2まで搬送されるタイミングで、図12で右側のソレノイド66への電圧の印加を中止する。

0110

さらに用紙12が搬送されて、用紙12の後端が開口部30の搬送方向の上流端となる位置D3まで搬送されると、そのタイミングで図12における左側のソレノイド66へ電圧を印加する。また、用紙12の後端が位置D4まで搬送されるタイミングで図12における右側のソレノイド66への電圧を印加する。

0111

上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態における(1)〜(12)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(13)各弁37に対応するソレノイド66を設けて、その電圧の印加を選択することにより、弁体36を弁座35から離間した第1位置と弁座35に着座する第2位置との間で変位させた。そのため、弁37の開弁状態と閉弁状態の切替えの応答性を向上させることができる。

0112

なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態において、第1搬送部15にも、第2搬送部17と同様に切替手段を備えてもよい。これにより、記録ヘッド24からインクが噴射される際に用紙12の先端及び後端を含む全体を確実に吸着することができるため、第1搬送ベルト22の表面上での用紙12の遊動が抑制されてインクの付着位置のずれを抑制することができる。さらに、第1搬送ベルト22に用紙12が搬送される際には、用紙12の先端が幅方向に渡って吸着されるため、搬送の際に生じる歪みや曲がりが抑制される。そのため、用紙12に噴射されるインクが搬送ベルト22に付着することにより生じる汚れが抑制され、印刷品質を向上させることができる。

0113

・上記各実施形態において、プリンタ11は用紙12の種類を検知可能な検知手段として紙種検知センサを備えるようにしてもよい。もしくは、操作者によって紙種を設定可能な操作パネルを設けても良い。

0114

このとき、ROM46は、紙種に応じたモータ50の駆動態様を記憶している。例えば、の弱い用紙12を用いる場合には、吸引開始時刻を遅らせることにより、コックリングは解消されやすくなる。そのため、紙種として腰の弱い用紙12を搬送する場合には、インクが付着されて膨張変形した用紙12が搬送される第2支持台27は、搬送方向の上流側に位置する複数の弁37を閉弁状態に維持することによって、コックリングによる印刷品質の低下を抑制することができる。

0115

また、搬送方向の上流側に位置するカム部材41,51,56,60において、ロッド部材38との当接位置を当接部42,54a〜54c,58a,58b,62aからずらす、もしくはソレノイド66へ印加する電流を小さくすることにより、空気流路の流路断面積を狭くし、用紙12に付与する吸引力を小さくすることで、腰の弱い用紙が強い吸引力に引かれて歪みが生じてしまうのを抑制することができる。

0116

これにより、用紙12の材質による影響を抑制し、用紙12の厚みが異なるものや、和紙にも対応することができる。
・上記各実施形態において、記録ヘッド24からのインクの噴射によらずに孔版印刷等の他の印刷処理により表面にインクが付着した用紙12を支持台27上に搬送して乾燥させるようにしてもよい。

0117

・上記各実施形態において、弁体36と弁座35の間には隙間が形成されていてもよい。すなわち、弁37は空気流路を閉塞するわけではなく、空気流路内を流れる空気の流れを阻害することで、空気流路の流路抵抗を増加させ、用紙12により覆われていない吸引孔29からの吸引を減らして、吸引効率を向上させることができる。さらに、弁体36と弁座35の隙間を空気が通過することにより、弁体36を弁座35から容易に離間させることができる。したがって、弁37の閉弁状態から開弁状態の切替えを容易に行うことができる。

0118

・上記各実施形態において、弁体36の変位を規制する規制部や、弁体36を下方に付勢する付勢部材を設けても良い。
・上記各実施形態において、制御部44は、ROM46に記憶した用紙12の搬送速度及びその駆動プーリ18,19の駆動態様に基づいて駆動プーリ18,19の駆動を制御し、該搬送速度に基づいてモータ50の駆動タイミングを算出するようにしてもよい。

0119

・第3実施形態において、紙端センサ49は用紙幅方向の紙端を検知し、幅方向において用紙12が位置する吸引孔29と対応する弁37のみを開弁させるようにソレノイド66に対する電圧の印加を停止するようにしてもよい。

0120

・第3実施形態において、ソレノイド66の励磁及び消磁の変化をロッド部材38に伝えるリンク機構を設けてもよい。すなわち、例えばリンク機構としててこを用いる場合、ロッド部材38を下方に引き寄せる弾性部材を用いて弁37を常時閉弁状態とし、ソレノイド66が励磁された際に支点を中心に揺動する磁性体を引き寄せることで、該磁性体の反対側の端がロッド部材38を押し上げて弁37を開弁する構成としてもよい。

0121

・上記各実施形態では、インクが付着することにより膨張変形した用紙12を平面状態に戻す第2搬送部17に具体化したが、本発明はそれ以外の装置で使用される用紙12を搬送する搬送装置にも適用することができる。

0122

・上記各実施形態において、弁37を開弁させるタイミングは、用紙12の先端が開口部30の上流端に位置するタイミングとしてもよく、また、弁37を閉弁させるタイミングは、用紙12の後端が開口部30の下流端に位置するタイミングとしてもよい。

0123

・第2実施形態において、回転軸52に取り付けられるカム部材51,56,60の各個数及び各カム部材51,56,60が有する当接部54a〜54c,58a,58b,62aの数は任意に変更することができる。これらの組み合わせパターンを多くすることで、より多種類の用紙幅の用紙に適した対応ができる。また、複数の弁37に対応するカム部材51,56,60を一体形成してもよい。

0124

・上記各実施形態において、第1負圧室39の容積は第2負圧室43の容積よりも小さくてもよい。
・上記実施形態において、例えば、吸引孔列29aのうち、A4サイズ(サイズ1)の用紙12に対応する吸引孔29を1つの流路で連通させるとともに、連通されていない流路のうちA4サイズ〜A3サイズ(サイズ2)に対応する吸引孔29をさらに1つの流路で連通させ、各流路に弁37を設けるようにしてもよい。これにより、切替手段の構成及びその制御を簡素化することができる。

0125

・上記実施形態では、搬送装置が備えられる記録装置をインクジェット式プリンタ11に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体(機能材料粒子が分散されている液状体を含む)を噴射する記録装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液体噴射装置バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に、記録装置及び搬送装置を適用することができる。

図面の簡単な説明

0126

第1の実施形態のプリンタの模式図。
用紙と搬送ベルトと支持台との重なり関係を示す平面図。
弁とカム断面模式図
制御部のブロック図。
弁とカムの断面模式図。
弁とカムの断面模式図。
(a)は第2の実施形態のカム部材の平面図、(b)は同カム部材の平面図、(c)は同カム部材の平面図。
カムの斜視図。
弁とカムの断面模式図。
弁とカムの断面模式図。
弁とカムの断面模式図。
第3の実施形態の弁とソレノイドの断面模式図。

符号の説明

0127

11…プリンタ(記録装置)、12,65a〜65c…用紙(記録媒体)、17…第2搬送部(搬送装置)、19…第2駆動プーリ(搬送手段)、21…第2従動プーリ(搬送手段)、23…第2搬送ベルト、24…記録ヘッド(記録手段)、27,64…支持台(支持部材)、27a…支持面、28…通気孔(孔)、29…吸引孔、29a…吸引孔列、30…開口部(吸引開口)、33…ファン(吸引手段)、36…弁体、37…弁、39…第1負圧室、40,52…回転軸、41,51,56,60…カム部材、43…第2負圧室、44…制御部(制御手段)、49…紙端センサ(検知手段)、42,54a〜54c,58a,58b,62a…当接部、66…ソレノイド。

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