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技術 超音波診断装置、画像処理装置及び超音波診断装置の診断方法並びに診断プログラム

出願人 株式会社東芝キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 神山直久吉田哲也
出願日 2008年5月23日 (13年4ヶ月経過) 出願番号 2008-135870
公開日 2009年12月3日 (11年10ヶ月経過) 公開番号 2009-279265
状態 拒絶査定
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 超音波照射強度 停止間隔 非線形振動 バブルサイズ 照射周波数 音圧値 リニアアンプ Bモード
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

送信条件の変化でバブル印加される超音波強度から新たな情報を有する超音波診断画像再構成する機能、及び新しい定量法のための演算機能を有する超音波診断装置画像処理装置、超音波診断装置の診断方法診断プログラム提供することである。

解決手段

超音波診断装置10に於いて、制御プロセッサ25、内部記憶装置26にて、 第1の送信条件で被検体Pの所定の断層面の第1の断層像を取得し、第1の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第2の送信条件にて第2の断層像を取得する。こうして繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像を取得する。そして、画像生成回路24、記憶部30にて、前記取得した少なくとも3つ以上の断層像から、前記機械的作用に対する超音波造影剤感受性差異表現する再構成画像を再構成する。

概要

背景

超音波診断は、超音波プローブ体表から当てるだけの簡単な操作で心臓拍動胎児動きの様子がリアルタイム表示で得られ、且つ、安全性が高いため繰り返して検査が行えるほか、システム規模X線、CT、MRI等、他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど、簡便である。超音波診断装置の大きさは、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度の装置が開発されている。

超音波診断は、X線等のように被曝の影響がないので、比較的安心して使用することができ、将来的には患者が自分で操作できる可能性がある。

ここで、造影エコー法について説明する。

近年、静脈投与型の超音波造影剤製品化され、造影エコー法が行われるようになった。例えば、心臓及び腹部臓器等の検査で、静脈から超音波造影剤を注入して血流信号を増強し、血流動態の評価を行うのが目的である。造影剤の多くは微小気泡マイクロバブル)が反射源となり、その注入量・濃度が高ければ造影効果は大きくなる。しかしながら、気泡というデリケートな基材性質上、超音波照射によって気泡は壊れ、造影効果時間の短縮などが起こることもわかっている。そのため、現在の超音波造影法は、従来の診断に比べて非常に小さな送信音圧下で行い、マイクロバブルを極力崩壊させることなく非線形振動を引き起こし、持続的にエコー信号を得る方法が採られている。

この造影エコー法に関して、血流動態評価を行うための定量解析手法も多数研究されている。最も基本的なものは、造影剤投与後に、関心領域にてエコー信号が増強される過程を追跡し、その輝度経時変化についてグラフ化などを行う、いわゆるTime Intensity Curve(TIC)の計測である。

また、前述したように、超音波造影剤の主成分であるマイクロバブルは超音波照射により容易に消失するが、これを利用した解析を行おうとするものもある。具体的には、例えば送信を4秒間停止した後に送信を開始すれば、係る時間に流入した血液に対応した造影剤エコー信号が得られ、この停止間隔を変化させてゆくと、血流動態の時間変化が得られるというものである(下記特許文献1参照)。

次に、マイクロバブルの崩壊について説明する。

前述したように、生体内投与されたマイクロバブル(以下単にバブル略記する)は、超音波パルス機械的作用により崩壊するが、その閾値は、周波数、或いは音圧関数となることが理論的に求められている(下記非特許文献1参照)。

図7は、前記非特許文献1の理論式から計算した、バブルの初期半径と、それが崩壊するための音圧の閾値の関係を示すグラフである。

これによると、照射音圧が高いほどバブルは崩壊しやすく、また照射周波数が低いほど崩壊しやすい。また、崩壊に必要な音圧レベルは、バブルの半径によっても変化し、比較的大きなバブルを崩壊させるには、比較的大きな照射音圧(正確には、バブルに印加させる機械的強度)が必要であることがわかる。

超音波造影剤のサイズ分布については、製造元などや論文などから知ることができるが、平均直径は2〜3ミクロン程度であり、毛細血管を容易に通過する。大きなものは赤血球程度(8ミクロン)、また1ミクロン以下のものも多く存在することが知られている。このように、造影剤投与後の生体内には、様々なサイズのバブルが存在していると考えられる。

ここで、生体内に於けるバブルサイズ多様性について説明する。

前述したように、バブルの直径が6μm程度であれば、赤血球と同様な振る舞い、すなわち毛細血管壁から漏れずに体内循環する。一方、1μm程度であれば、毛細血管壁から漏れ細胞膜間の腔まで湿潤してゆく可能性がある。例えば、肝臓類洞には1μm程度のデイッセ腔と称される間隙が多数存在し、栄養や酸素分子ベル物質は、この腔に容易に流入するため、1μm程度のバブルもこの腔に流入することが考えられる。

また、別のメカニズムとしては、肝臓内異物捕食し分解する細胞クッパー細胞と称される)が、バブルを捕食することも論文等で明らかになっている。クッパー細胞に捕食されたバブルは周囲を細胞に囲まれるため、振動挙動や崩壊するための超音波音圧の閾値が変化することは容易に推測可能である。

さて、前述した通り、1μm程度のバブルは、比較的崩壊しやすいという性質がある。このため、図8(a)に示されるようなバブルが充満した臓器内を、例えば初めに500kパスカルの音圧レベルで照射すれば、1μm程度のバブルが主に崩壊し、同時に比較的大きなエコー信号源となる。具体的には、赤血球レベルの循環系と血漿レベルの循環系の両者から崩壊時のエコーが得られる(図8(b)参照)。

続いて、例えば1000kパスカルの音圧レベルで照射すると、前回崩壊せずに残っていたバブルのうち、比較的崩壊しやすいものがエコー源となる。具体的には、赤血球レベルの循環系からエコーが得られる(図8(c)参照)。

更に、送信音圧を上昇させると、クッパー細胞に包囲されて崩壊の閾値が高くなっているバブルが崩壊し、クッパー細胞の存在に起因したエコー信号が得られる(図8(d)参照)。

このようにして、異なる送信音圧下で得られるエコー信号は、それぞれ異なった生体の情報を呈するものとなり、肝臓実質の間隙の大きさ、摂取細胞の機能、代謝機能など、新たな診断情報を提供できる可能性もある。

ところで、前述したような、血液内に様々な大きさのバブルが循環することと、それらのバブルが崩壊する閾値が異なることを利用した技術は、既に知られている(例えば、下記特許文献2参照)。

この特許文献2に記載の技術は、以下の如くである。通常の超音波診断装置の送信音圧(送信電圧)は一定で制御されているが、図8に示されるように、送信音圧を徐々に上昇させながら複数の画像を取得するものである。例えば、送信音圧10Vで第1の診断画像を取得し、次に20Vで第2の画像を取得し、…、100Vで第4の画像を取得するものである。ここから、例えば第1の画像のみを取り出して時系列的に配置すれば、送信音圧10Vで崩壊するバブルが存在する領域のみが診断画像に映像化されることになる。

そして、図9に示されるように、第1の画像a、第2の画像b、…を個別に観察することで、生体内機序の異なる情報の診断画像を取得できる可能性がある。例えば、前述した図8で示されたような、血液循環に伴うバブルの画像と、類洞への浸潤するバブルの診断画像の時間変化が同時に得られることになる。
特開平11−155858号公報
特開2002−191599号公報
Holland AK, Apfel RE, An improved theory for the prediction of microcavitation thresholdsIEEE Trans Ultrason Ferroelec Freq Contr 1989; 36, No.2,204−208.

概要

送信条件の変化でバブルに印加される超音波強度から新たな情報を有する超音波診断画像再構成する機能、及び新しい定量法のための演算機能を有する超音波診断装置、画像処理装置、超音波診断装置の診断方法診断プログラム提供することである。超音波診断装置10に於いて、制御プロセッサ25、内部記憶装置26にて、 第1の送信条件で被検体Pの所定の断層面の第1の断層像を取得し、第1の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第2の送信条件にて第2の断層像を取得する。こうして繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像を取得する。そして、画像生成回路24、記憶部30にて、前記取得した少なくとも3つ以上の断層像から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性差異表現する再構成画像を再構成する。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、送信条件を変化させることでバブルに印加される超音波強度、すなわちバブル消失の程度を制御し、各送信条件下で感受するバブルからのエコー信号から、新たな情報を有する超音波診断画像を再構成する機能、及び新しい定量法のための演算機能を有する超音波診断装置、画像処理装置及び超音波診断装置の診断方法並びに診断プログラムを提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生体内超音波造影剤投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブル印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する送信制御手段と、前記送信制御手段で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性差異表現する再構成画像再構成する画像処理手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。

請求項2

前記機械的作用が高い送信条件は、前記直前の送信条件の超音波よりも高い送信駆動音圧にて続く送信条件の超音波を照射することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項3

前記機械的作用が高い送信条件は、前記直前の送信条件の超音波よりも低い周波数にて続く送信条件の超音波を照射することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項4

生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する送信制御手段と、前記送信制御手段で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対するエコー信号強度の関係を表現する音圧依存曲線を描画可能な演算処理手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。

請求項5

生体内に造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を走査して断層画像を処理する画像処理装置に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する送信制御手段と、前記送信制御手段で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像を再構成する画像処理手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置。

請求項6

生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置の診断方法に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する第1のステップと、前記第1のステップで取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像を再構成する第2のステップと、を具備することを特徴とする超音波診断装置の診断方法。

請求項7

前記機械的作用が高い送信条件は、前記直前の送信条件の超音波よりも高い送信駆動音圧にて続く送信条件の超音波を照射することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置の診断方法。

請求項8

前記機械的作用が高い送信条件は、前記直前の送信条件の超音波よりも低い周波数にて続く送信条件の超音波を照射することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置の診断方法。

請求項9

前記再構成される機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像は、前記取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値に於ける、空間的に対応する画素で最も信号強度の高い値を選択して少なくとも1つの再構成される画像であることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置の診断方法。

請求項10

前記再構成される機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像は、前記取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を、それぞれ異なる色で重畳した少なくとも1つの再構成される画像であることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置の診断方法。

請求項11

生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置の診断プログラムに於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得するように促す第1の手順と、前記第1の手順で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像を再構成するように促す第2の手順と、を具備することを特徴とする超音波診断装置の診断プログラム。

請求項12

前記機械的作用が高い送信条件は、前記直前の送信条件の超音波よりも高い送信駆動音圧にて続く送信条件の超音波を照射することを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置の診断プログラム。

請求項13

前記機械的作用が高い送信条件は、前記直前の送信条件の超音波よりも低い周波数にて続く送信条件の超音波を照射することを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置の診断プログラム。

請求項14

前記再構成される機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像は、前記取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値に於ける、空間的に対応する画素で最も信号強度の高い値を選択して少なくとも1つの再構成される画像であることを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置の診断プログラム。

請求項15

前記再構成される機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像は、前記取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を、それぞれ異なる色で重畳した少なくとも1つの再構成される画像であることを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置の診断プログラム。

技術分野

0001

本発明は、超音波造影剤を用いて行う造影エコー法に於いて、造影剤粒子感受性の違いを反映した定量解析が可能な超音波診断装置画像処理装置及び超音波診断装置の診断方法並びに診断プログラムに関するものである。

背景技術

0002

超音波診断は、超音波プローブ体表から当てるだけの簡単な操作で心臓拍動胎児動きの様子がリアルタイム表示で得られ、且つ、安全性が高いため繰り返して検査が行えるほか、システム規模X線、CT、MRI等、他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど、簡便である。超音波診断装置の大きさは、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度の装置が開発されている。

0003

超音波診断は、X線等のように被曝の影響がないので、比較的安心して使用することができ、将来的には患者が自分で操作できる可能性がある。

0004

ここで、造影エコー法について説明する。

0005

近年、静脈投与型の超音波造影剤が製品化され、造影エコー法が行われるようになった。例えば、心臓及び腹部臓器等の検査で、静脈から超音波造影剤を注入して血流信号を増強し、血流動態の評価を行うのが目的である。造影剤の多くは微小気泡マイクロバブル)が反射源となり、その注入量・濃度が高ければ造影効果は大きくなる。しかしながら、気泡というデリケートな基材性質上、超音波照射によって気泡は壊れ、造影効果時間の短縮などが起こることもわかっている。そのため、現在の超音波造影法は、従来の診断に比べて非常に小さな送信音圧下で行い、マイクロバブルを極力崩壊させることなく非線形振動を引き起こし、持続的にエコー信号を得る方法が採られている。

0006

この造影エコー法に関して、血流動態評価を行うための定量解析手法も多数研究されている。最も基本的なものは、造影剤投与後に、関心領域にてエコー信号が増強される過程を追跡し、その輝度経時変化についてグラフ化などを行う、いわゆるTime Intensity Curve(TIC)の計測である。

0007

また、前述したように、超音波造影剤の主成分であるマイクロバブルは超音波照射により容易に消失するが、これを利用した解析を行おうとするものもある。具体的には、例えば送信を4秒間停止した後に送信を開始すれば、係る時間に流入した血液に対応した造影剤エコー信号が得られ、この停止間隔を変化させてゆくと、血流動態の時間変化が得られるというものである(下記特許文献1参照)。

0008

次に、マイクロバブルの崩壊について説明する。

0009

前述したように、生体内投与されたマイクロバブル(以下単にバブル略記する)は、超音波パルス機械的作用により崩壊するが、その閾値は、周波数、或いは音圧関数となることが理論的に求められている(下記非特許文献1参照)。

0010

図7は、前記非特許文献1の理論式から計算した、バブルの初期半径と、それが崩壊するための音圧の閾値の関係を示すグラフである。

0011

これによると、照射音圧が高いほどバブルは崩壊しやすく、また照射周波数が低いほど崩壊しやすい。また、崩壊に必要な音圧レベルは、バブルの半径によっても変化し、比較的大きなバブルを崩壊させるには、比較的大きな照射音圧(正確には、バブルに印加させる機械的強度)が必要であることがわかる。

0012

超音波造影剤のサイズ分布については、製造元などや論文などから知ることができるが、平均直径は2〜3ミクロン程度であり、毛細血管を容易に通過する。大きなものは赤血球程度(8ミクロン)、また1ミクロン以下のものも多く存在することが知られている。このように、造影剤投与後の生体内には、様々なサイズのバブルが存在していると考えられる。

0013

ここで、生体内に於けるバブルサイズ多様性について説明する。

0014

前述したように、バブルの直径が6μm程度であれば、赤血球と同様な振る舞い、すなわち毛細血管壁から漏れずに体内循環する。一方、1μm程度であれば、毛細血管壁から漏れ細胞膜間の腔まで湿潤してゆく可能性がある。例えば、肝臓類洞には1μm程度のデイッセ腔と称される間隙が多数存在し、栄養や酸素分子ベル物質は、この腔に容易に流入するため、1μm程度のバブルもこの腔に流入することが考えられる。

0015

また、別のメカニズムとしては、肝臓内異物捕食し分解する細胞クッパー細胞と称される)が、バブルを捕食することも論文等で明らかになっている。クッパー細胞に捕食されたバブルは周囲を細胞に囲まれるため、振動挙動や崩壊するための超音波音圧の閾値が変化することは容易に推測可能である。

0016

さて、前述した通り、1μm程度のバブルは、比較的崩壊しやすいという性質がある。このため、図8(a)に示されるようなバブルが充満した臓器内を、例えば初めに500kパスカルの音圧レベルで照射すれば、1μm程度のバブルが主に崩壊し、同時に比較的大きなエコー信号源となる。具体的には、赤血球レベルの循環系と血漿レベルの循環系の両者から崩壊時のエコーが得られる(図8(b)参照)。

0017

続いて、例えば1000kパスカルの音圧レベルで照射すると、前回崩壊せずに残っていたバブルのうち、比較的崩壊しやすいものがエコー源となる。具体的には、赤血球レベルの循環系からエコーが得られる(図8(c)参照)。

0018

更に、送信音圧を上昇させると、クッパー細胞に包囲されて崩壊の閾値が高くなっているバブルが崩壊し、クッパー細胞の存在に起因したエコー信号が得られる(図8(d)参照)。

0019

このようにして、異なる送信音圧下で得られるエコー信号は、それぞれ異なった生体の情報を呈するものとなり、肝臓実質の間隙の大きさ、摂取細胞の機能、代謝機能など、新たな診断情報を提供できる可能性もある。

0020

ところで、前述したような、血液内に様々な大きさのバブルが循環することと、それらのバブルが崩壊する閾値が異なることを利用した技術は、既に知られている(例えば、下記特許文献2参照)。

0021

この特許文献2に記載の技術は、以下の如くである。通常の超音波診断装置の送信音圧(送信電圧)は一定で制御されているが、図8に示されるように、送信音圧を徐々に上昇させながら複数の画像を取得するものである。例えば、送信音圧10Vで第1の診断画像を取得し、次に20Vで第2の画像を取得し、…、100Vで第4の画像を取得するものである。ここから、例えば第1の画像のみを取り出して時系列的に配置すれば、送信音圧10Vで崩壊するバブルが存在する領域のみが診断画像に映像化されることになる。

0022

そして、図9に示されるように、第1の画像a、第2の画像b、…を個別に観察することで、生体内機序の異なる情報の診断画像を取得できる可能性がある。例えば、前述した図8で示されたような、血液循環に伴うバブルの画像と、類洞への浸潤するバブルの診断画像の時間変化が同時に得られることになる。
特開平11−155858号公報
特開2002−191599号公報
Holland AK, Apfel RE, An improved theory for the prediction of microcavitation thresholdsIEEE Trans Ultrason Ferroelec Freq Contr 1989; 36, No.2,204−208.

発明が解決しようとする課題

0023

しかしながら、前記特許文献2では、従来装置では得られない新たな診断情報を呈することが期待されるものの、造影剤の時間変化を観察するためには、以下のような問題を含んでいる。すなわち、送信音圧を上昇させて画像群を取得した一群送信制御(Gl)の後には、再び十分なバブルが診断領域に再充満するまで送信を停止して待機する、いわゆる間送信法を採る必要があった。これにより、リアルタイム性が損なわれることとなっている。

0024

その後、前記手法を、後述する彌漫(びまん)性の診断に利用できる可能性が見出されている。このびまん性疾患の診断は、造影剤投与後十分時間が経過した、例えば30分後等に行われる。そこでは、血管系のバブルの循環は微小となっており、肝臓にバブルは完全に消失されているか、クッパー細胞に捕食されている、或いは微小血管接着している等、いくつか分岐するが、超音波照射強度に依存したエコー信号を取得することで、前述と同様の分別が期待される。

0025

しかしながら、びまん性疾患の診断に有用な情報を提供しようとした場合、時間的に変化する超音波断層像の表示だけでは不足であることが考察される。

0026

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、送信条件を変化させることでバブルに印加される超音波強度、すなわちバブル消失の程度を制御し、各送信条件下で感受するバブルからのエコー信号から、新たな情報を有する超音波診断画像再構成する機能、及び新しい定量法のための演算機能を有する超音波診断装置、画像処理装置及び超音波診断装置の診断方法並びに診断プログラムを提供することである。

課題を解決するための手段

0027

すなわち本発明は、生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する送信制御手段と、前記送信制御手段で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異表現する再構成画像を再構成する画像処理手段と、を具備することを特徴とする。

0028

また、本発明は、生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する送信制御手段と、前記送信制御手段で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対するエコー信号強度の関係を表現する音圧依存曲線を描画可能な演算処理手段と、を具備することを特徴とする。

0029

更に、本発明は、生体内に造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を走査して断層画像を処理する画像処理装置に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する送信制御手段と、前記送信制御手段で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像を再構成する画像処理手段と、を具備することを特徴とする。

0030

本発明は、生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置の診断方法に於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得する第1のステップと、前記第1のステップで取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像を再構成する第2のステップと、を具備することを特徴とする。

0031

そして、本発明は、生体内に超音波造影剤を投与した後に、被検体内部の診断対象を超音波で走査し、超音波断層画像を取得する超音波診断装置の診断プログラムに於いて、第1の送信条件で前記被検体の所定の断層面の第1の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、続けて直前の送信条件より造影剤バブルに印加する機械的作用が高い第n(nは2以上の整数)の送信条件にて第nの断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得し、以下繰り返し直前の送信条件より機械的作用が高い送信条件にて少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値を取得するように促す第1の手順と、前記第1の手順で取得した少なくとも3つ以上の断層像若しくはそれに相当するエコー信号値から、前記機械的作用に対する超音波造影剤の感受性の差異を表現する再構成画像を再構成するように促す第2の手順と、を具備することを特徴とする。

発明の効果

0032

本発明によれば、送信条件を変化させることでバブルに印加される超音波強度、すなわちバブル消失の程度を制御し、各送信条件下で感受するバブルからのエコー信号から、新たな情報を有する超音波診断画像を再構成する機能、及び新しい定量法のための演算機能を有する超音波診断装置、画像処理装置及び超音波診断装置の診断方法並びに診断プログラムを提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0033

以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。

0034

図1は、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置10のブロック構成を示した図である。

0035

図1に於いて、本超音波診断装置10は、装置本体11と、超音波プローブ12と、入力装置13と、モニタ14とを有して構成される。また、装置本体11は、送受信ユニット21と、Bモード処理ユニット22と、ドブラ処理ユニット23と、画像生成回路24と、制御プロセッサ25と、内部記憶装置26と、画像メモリ27、ソフトウェア格納部28、インタフェース部29から成る記憶部30を備えている。装置本体11に内蔵される送受信ユニット21等は、集積回路等のハードウェアで構成されることもあるが、ソフトウェア的にモジュール化されたソフトウェアプログラムである場合もある。

0036

超音波プローブ12は、送受信ユニット21からの駆動信号に基づいて超音波を発生し、被検体Pからの反射波電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するパッキング材等を有している。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織音響インピーダンス不連続面次々反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面に於ける音響インピーダンスの差に依存する。

0037

また、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドブラ効果により移動体超音波送信方向の速度成分を依存して、周波数偏移を受ける。

0038

入力装置13は、装置本体11に接続されており、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11に取り込むためのトラックボール13a、各種スイッチ13bや釦の他、マウスキーボード等を有している。モニタ14は、画像生成回路24からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報血流情報を、画像として表示する。

0039

送受信ユニット21は、図示されないトリガ発生回路遅延回路及びバルサ回路等を有している。バルサ回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し、且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ12に駆動パルスを印加する。

0040

尚、送受信ユニット21は、制御プロセッサ25の指示に従って、後述する本実施形態のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更については、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または複数の電源ユニット電気的に切り替える機構によって実現される。

0041

また、送受信ユニット21は、図示されないアンプ回路、A/D変換器加算器等を有している。アンプ回路では、超音波プローブ12を介して取り込まれたエコー信号が、チャンネル毎に増幅される。A/D変換器では、この増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間が与えられ、その後、加算器に於いて加算処理が行われる。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信総合的なビームが形成される。

0042

Bモード処理ユニット22は、送受信ユニット21からエコー信号を受け取り対数増幅包絡線検波処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。このデータは、画像生成回路24に送信され、反射波の強度を輝度にて表したBモード画像として、モニタ14に表示される。

0043

ドブラ処理ユニット23は、送受信ユニット21から受け取ったエコー信号から速度情報周波数解析し、ドブラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出して、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。得られた血流情報は、画像生成回路24に送られて、平均速度画像分散画像パワー画像、これらの組み合わせ画像として、モニタ14にカラー表示される。

0044

画像生成回路24は、超音波スキャン走査線信号列を、テレビ等に代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、表示画像としての超音波診断画像を生成する。また、画像生成回路24は、画像データを格納する記憶用メモリを搭載しており、例えば診断の後に操作者によって検査中に記録された画像を呼び出すことが可能となっている。尚、当該画像生成回路24に入る以前のデータは、「生データ」と称されることがある。また、本実施形態の主要部分は画像生成回路24にあり、詳細は後述する。

0045

制御プロセッサ25は、情報処理装置計算機)としての機能を有しており、本超音波診断装置本体11の動作を制御する制御手段である。この制御プロセッサ25は、内部記憶装置26から、後述する画像生成・表示等を実行するための制御プログラム読み出してソフトウェア格納部28上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する。

0046

内部記憶装置26は、後述するスキャンシーケンス、画像生成、表示処理を実行するための制御プログラムや、診断情報(患者ID、医師所見等)、診断プロトコル送受信条件対応表、その他のデータ群保管されている。また、必要に応じて、画像メモリ27中の画像の保管等にも使用される。内部記憶装置26のデータは、インタフェース部29を経由して、図示されない外部周辺装置転送することも可能となっている。

0047

画像メモリ27は、画像生成回路24から受信した画像データを格納するメモリから成る。この画像データは、例えば診断の後に操作者によって呼び出すことが可能となっており、静止画的に、或いは複数枚を使って動画的に再生することが可能でなる。また、画像メモリ27は、送受信ユニット21直後の出力信号(radio frequency(RF)信号と称される)、送受信ユニット21通過後の画像輝度信号、その他の生データ、ネットワークを介して取得した画像データ等を必要に応じて記憶する。

0048

インタフェース部29は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインタフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インタフェース部29よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。

0049

次に、図2を参照して、本実施形態に於ける送信シーケンスについて説明する。

0050

図2に於いて横軸時間経過を表しており、縦軸は送信によるバブルヘの機械的作用の度合いを表している。すなわち、縦軸の値が大きいほど、送信周波数は低い、或いは送信駆動音圧は大きくなる、若しくはその複合として設定される(以下、説明の簡単化のため、バブルヘの機械的作用が強いときを単に「送信音圧が高い」と記すものとする)。

0051

また図中の矢印は、1フレームの超音波スキャンを表しており、該当フレームの送信音圧の機械的作用が、この矢印の長さに対応する。尚、1枚の超音波診断画像は、一般的に数百回の送受信による数百本の走査線から構成されるが、ここでは構成された1枚の画像を1本の矢印で示している。更に、矢印の間隔は、一般にフレームレートと称される。

0052

図2にT1で示される期間は、低音圧送信による超音波断層像の取得する時間を示している。この期間で操作者は、バブルの消失を極力避けながら生体内の診断領域を探索する。続く時間T2は、操作者による入力装置13からの指示を示している。これによって、超音波診断装置10は、本実施形態に於ける主要な送信に遷移する。

0053

また、期間T3は、1フレーム毎に送信音圧を上昇させて複数の診断画像を取得することを示しており、本実施形態の主要部分である。具体例としては、送信電圧を20V、40V、60V、80V、100Vとそれぞれ上昇させる。図2に示される例では、5枚のフレームを取得しているが、取得するフレーム数は任意で良い。また、各電圧値を複数回ずつ(例えば、20V、20V、40V、40V、…100V、100V)送信する手段を用いても良い。更に、前述したように、制御するのは送信音圧(電圧)に限らず、バブルに印加される機械的作用が上昇するパラメータであれば、例えば周波数を下げていく方式でも良い。

0054

図2の期間T3の送信後は、これらT3の送信によって得られた信号を基に、後述する再構成画像、或いはグラフが表示される。若しくは、前記再構成画像を生成、或いはグラフを作成するための対話的ソフトウェアプログラムが起動可能となる。

0055

次に、図2シーケンスを使用した診断プロトコルについて、図3フローチャートを参照して説明する。

0056

先ず、操作者は、主に検査を始める前に、準備として本実施形態に於けるシーケンスが選択される。具体例としては、前述したように、第1〜第10フレームを取得するための送信音圧が、それぞれ10V、20V、30V、…、100Vとなるようなシーケンスである。操作者は、予め用意された複数のプロトコルシーケンスから、所望のシーケンスを対話的に選択することができるようになっている。

0057

次に、操作者によって被検体Pのスキャンが開始される(ステップS1)。本実施形態では、10分以上前に、既に造影剤が生体内に投与されているものとし、造影剤の体内循環は平衡状態に達している。具体的には、血流による体内循環中のバブルはほとんどが消失しており、肝臓内に留まるバブルがあれば、それらが残存している状態となっている。初めは、バブルを壊さない程度の低音圧送信下での臓器の断層像が、操作者により確認される。

0058

次に、造影剤が投与されて、本実施形態のシーケンスによる送信及び記録が開始される。開始手段は、入力装置13に備えられている釦を押すこと等によってなされる。その後、操作者にとっては自動的に本シーケンスが実行される。超音波診断装置10では、その送信条件の情報と共に、画像フレーム或いは画像構成前のエコー信号が、イメージメモリ或いは記憶媒体へ記録される。具体的には、先ず第1の送信音圧(例えば10V)での信号の送信及びこれにより得られたエコー信号が記録される(ステップS21)。次いで、第2の送信音圧(例えば20V)での信号の送信及びエコー信号が記録され(ステップS22)、以降、送信音圧を変更して信号の送信及びエコー信号の記録という動作が繰り返され、最後に第N番目の送信音圧(例えば100V)での信号の送信及びエコー信号が記録される(ステップS2n)。

0059

前記ステップS21〜2nのシーケンスが終了すると、この間に得られたエコー信号が用いられて、後述する画像の再構成演算処理が開始される(ステップS3)。再構成された結果は、モニタ14に表示される(ステップS4)。

0060

その後、操作者は、生体臓器の別な断層面等で、同じプロトコルを繰り返すか否かが判断される(ステップS5)。プロトコルが継続される場合は前記ステップS21に移行し、継続されない場合は、本プロトコルが終了する。

0061

次に、再構成の画像について説明する。

0062

図4は、本実施形態のシーケンスによって得られた元画像を示したもので、(a)〜(d)に示される画像35a〜35dは送信音圧の低値のものから並べて示している。

0063

尚、本実施形態では説明の簡単化のため、使用する元画像は35a〜35dの4枚としているが、これに限られるものではない。

0064

ここで、画像の再構成を行うための手順について説明する。

0065

先ず、最大値保持演算について説明する。

0066

この最大値保持演算に於いて、最も簡単な画像処理は、使用する複数画像に対して、空間的に対応する画素で最も信号強度の高い値を選択して、1枚の新たな画像を生成する方法である。この場合、全ての画像を使用すると、本実施形態の手法を用いずに、最大送信音圧でバブルのエコー信号を得ることと同様になるが、ある一定値以上の送信音圧の結果(例えば、送信音圧50V以上、画像35c、35dのみを用いる、など)を使用することで、特定の情報を選択的に映像化することができる。

0067

次いで、積算値演算について説明する。

0068

この積算値演算とは、対応する各画素の値の総和を基に新たな画像を再構成する方法である。一般的に、総和した値は過大となり、表示可能な値を超えてしまう場合があるため、最大値規格化されるようになっている。

0069

送信音圧に依存したカラー表示について説明する。

0070

これは、各送信音圧の結果によるエコー信号を、それぞれ異なる色で重畳表示することである。例えば、図4(a)〜(d)に示される画像35a〜35dを、それぞれ赤、黄色、緑、青とした場合、これら4枚の画像を、図5に示されるように1枚の画像に重畳する。

0071

次に、解析演算機能について説明する。

0072

図3に示されるシーケンスが終了した後、操作者の指示によって、図6に示されるような画像を表示して解析プログラムが起動することも可能となっている。

0073

このとき、本実施形態のシーケンスにより得られたN枚の画像を、1枚ずつ閲覧することが可能なように、画面40内にコントロール釦41が備えられている。前述した一連の画像群は、時間的に変化する診断画像と類似に扱うことができるが、フレーム方向に変化するのは時間ではなく、音圧値であることに注意する必要がある。

0074

本実施形態に於ける解析ソフトウェアでは、画像42の局所に関心領域43を設定して、その部分の平均輝度の変化を計測し、表示部44に表示することが可能となっている。更に、各々の詳細の数値も表示する表示領域45も有している。解析結果のグラフを表示部44に表示する場合、横軸は音圧値、縦軸はエコー信号強度となるが、これらの値は予め画像と共に記録されたヘッダ情報等から、プログラムが取得可能となっている。

0075

本実施形態によれば、ある送信条件下で感受するバブルからのエコー信号をそれぞれ分離して取得することができることから、特異的に感受するバブルの分布を示した画像を再構成することができる。これは診断学として、新たな情報を提示する可能性があるものである。

0076

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。

0077

更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、或いは実施形態に示される構成要件が幾つか組合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。

図面の簡単な説明

0078

本発明の一実施形態に係る超音波診断装置10のブロック構成を示した図である。
本発明の一実施形態に於ける送信シーケンスについて説明するための概念図である。
本発明の一実施形態に於ける送信シーケンスについて説明するためのフローチャートである。
本発明の一実施形態のシーケンスで得られる画像群の例を示す概念図である。
図4の画像群から画像再構成法により重畳表示した画像の一例を示した図である。
本発明の一実施形態により得られる画像群を解析する解析ソフトウェアの一例を示した図である。
バブルのサイズと崩壊に必要な引圧の理論的な関係を示したグラフである。
サイズの異なるバブルの微視的な存在領域を示す概念図である。
従来の時間的変化を観察するシーケンスを説明するための図である。

符号の説明

0079

10…超音波診断装置、11…装置本体、12…超音波プローブ、13…入力装置、13a…トラックボール、13b…スイッチ、14…モニタ、21…送受信ユニット、22…Bモード処理ユニット、23…ドブラ処理ユニット、24…画像生成回路、25…制御プロセッサ、26…内部記憶装置、27…画像メモリ、28…ソフトウェア格納部、29…インタフェース部、30…記憶部。

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