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技術 無線通信装置及び無線通信方法

出願人 株式会社NTTドコモ
発明者 大渡裕介ベンジャブールアナス大矢智之萩原淳一郎
出願日 2008年5月12日 (12年1ヶ月経過) 出願番号 2008-125342
公開日 2009年11月26日 (10年7ヶ月経過) 公開番号 2009-278205
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等) 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード ステップ係数 内点法 収束状況 双対性 非線形最適化問題 ペナルティ関数 初期電力 繰返し処理
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この項目の情報は公開日時点(2009年11月26日)のものです。
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図面 (14)

課題

送信アンテナ毎送信電力値の制限がある状況で各ユーザに最適な送信電力を算出すると共にその演算量を削減すること。

解決手段

無線通信装置は、各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力の制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信するためのものであり、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するプリコーディング部と、前記プリコーディング部から前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出する最適送信電力算出部と、前記算出された送信電力により無線信号を送信する送信部とを有する。

概要

背景

近年、周波数利用効率の向上、及び通信容量の増大を図るためMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送の検討が盛んに行われている。このMIMO伝送において、複数のユーザに対してMIMO送信を行うことで更なる周波数利用効率向上を図るマルチユーザ(MU)-MIMOシステムが注目を集めている。さらに、基地局間にてMU-MIMO協調送信を行うシステムが検討され、スループットが大幅に向上することが報告されている。

この基地局間MU-MIMO協調送信システムでは、電力増幅器が基地局のアンテナ毎、もしくは基地局毎に異なるため、各々の電力増幅器の特性を考慮する必要がある。特にユーザからのフィードバック情報、例えばチャネル情報に基づいて各ユーザが送信するデータストリームに対してプリコーディングを行った際、基地局のアンテナ毎、もしくは基地局毎に送信電力制約があるために送信アンテナのプリコーディングのウェイトに応じて各ユーザの送信ストリームに配分する送信電力をフィードバック情報、例えばチャネル情報がアップデートされる度に制御する必要がある。

非特許文献1では、各々の電力増幅器の特性を考慮した基地局間MU-MIMO協調送信システムにおいて、各々のユーザが干渉とならないように送信するプリコーディング手法であるブロック対角化Zero-forcingを用いて、各ユーザのチャネル容量が均等になるような送信電力の最適化問題を示し、その問題を解くことで基地局間協調を行わない場合と比較してチャネル容量が大幅に向上されることが示されている。

非特許文献2では、前記基地局間MU-MIMO協調送信システムにおいて、システム全体のチャネル容量が最大となるようなプリコーディングの送信ウェイト及び送信電力を最適化する問題を示し、その問題を解くことでチャネル容量改善されることが示されている。

非特許文献3では、前記基地局間MU-MIMO協調送信システムにおいて、上下リンク双対性を利用した最適化問題とその解法を示し、収束速度が向上されることが示されている。
G.J.Foschini, K.Karakayali, and R.A.Valenzuela, "Coordinating multiple antenna cellular networks to achieve enormous spectral efficiency",IEEProceedings Communications, vol.153, No.4, pp.548-555, Augusut. 2006.
S.Liu, N.Hu, Z.He, K.Niu, and W.Wu, "Multi-level zero-forcing method for multiuser downlink system with per-antenna power constraint",VTC2007-Spring, pp.2248-2252, April. 2007.
W.Yu and T.Lan, "Transmitter optimization for the multi-antenna downlink with per-antenna power constraints", IEEE Trans., Signal Processing, pp.2646-2660, June. 2007.

概要

送信アンテナ毎送信電力値の制限がある状況で各ユーザに最適な送信電力を算出すると共にその演算量を削減すること。無線通信装置は、各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力の制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信するためのものであり、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するプリコーディング部と、前記プリコーディング部から前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題の初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出する最適送信電力算出部と、前記算出された送信電力により無線信号を送信する送信部とを有する。

目的

従って、本発明は、送信アンテナ毎及び複数の送信アンテナグループ毎に送信電力値の制限がある状況において、各ユーザに最適な送信電力の配分を算出し、かつその算出に係る演算量を削減することができる無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信するための無線通信装置であって、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するプリコーディング部と、前記プリコーディング部から前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出する最適送信電力算出部と、前記算出された送信電力により無線信号を送信する送信部と、を有する無線通信装置。

請求項2

前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値を前記送信ウェイトの何らかの関数により規格化した値である、請求項1記載の無線通信装置。

請求項3

前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値を前記送信ウェイトの各成分の二乗和により規格化した値である、請求項2記載の無線通信装置。

請求項4

前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値を前記送信ウェイトの各成分の二乗和により規格化した値の前記複数の送信アンテナグループにおける最小値である、請求項3記載の無線通信装置。

請求項5

前記最適送信電力算出部は、最急降下法による内点法を用いて前記制約の下で最適化を行う、請求項1乃至4何れか一項記載の無線通信装置。

請求項6

前記最適送信電力算出部は、送信電力の変化に対する前記内点法に従い導出された目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合、繰り返し回数の増加に対する前記送信電力最適化問題のオリジナル目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合、及び前記繰り返し回数が所定の閾値を超える場合の何れかを充足する場合、前記最急降下法のステップの繰り返しを終了する、請求項5記載の無線通信装置。

請求項7

前記最適送信電力算出部は、前記内点法のステップ係数が所定の閾値より小さくなる場合、及び繰り返し回数の増加に対する前記送信電力最適化問題のオリジナル目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合の何れかを充足する場合、前記内点法のステップの繰り返しを終了する、請求項5記載の無線通信装置。

請求項8

前記最適送信電力算出部は、各ユーザのチャネル容量を均一化するように前記制約の下で最適化を行う、請求項1乃至7何れか一項記載の無線通信装置。

請求項9

前記最適送信電力算出部は、システム全体のチャネル容量を最大にするように前記制約の下で最適化を行う、請求項1乃至7何れか一項記載の無線通信装置。

請求項10

各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力の制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信する無線通信方法であって、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するステップと、前記生成するステップから前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題の初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出するステップと、前記算出された送信電力により無線信号を送信するステップと、を有する方法。

請求項11

前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値を前記送信ウェイトの何らかの関数により規格化した値である、請求項10記載の無線通信方法。

請求項12

前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値を前記送信ウェイトの各成分の二乗和により規格化した値である、請求項11記載の無線通信方法。

請求項13

前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値を前記送信ウェイトの各成分の二乗和により規格化した値の前記複数の送信アンテナグループにおける最小値である、請求項12記載の無線通信方法。

請求項14

前記算出するステップは、最急降下法による内点法を用いて前記制約の下で最適化を行う、請求項10乃至13何れか一項記載の無線通信方法。

請求項15

前記算出するステップは、送信電力の変化に対する前記内点法に従い導出された目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合、繰り返し回数の増加に対する前記送信最適化問題のオリジナル目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合、及び前記繰り返し回数が所定の閾値を超える場合の何れかを充足する場合、前記最急降下法のステップの繰り返しを終了する、請求項14記載の無線通信方法。

請求項16

前記算出するステップは、前記内点法のステップ係数が所定の閾値より小さくなる場合、及び繰り返し回数の増加に対する前記送信最適化問題のオリジナル目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合の何れかを充足する場合、前記内点法のステップの繰り返しを終了する、請求項14記載の無線通信方法。

請求項17

前記算出するステップは、各ユーザのチャネル容量を均一化するように前記制約の下で最適化を行う、請求項10乃至16何れか一項記載の無線通信方法。

請求項18

前記算出するステップは、システム全体のチャネル容量を最大にするように前記制約の下で最適化を行う、請求項10乃至16何れか一項記載の無線通信方法。

技術分野

0001

本発明は、マルチユーザMIMO下り回線における送信アンテナ毎あるいは複数の送信アンテナグループ毎に送信電力値の制限がある条件下での無線通信装置及び無線通信方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、周波数利用効率の向上、及び通信容量の増大を図るためMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送の検討が盛んに行われている。このMIMO伝送において、複数のユーザに対してMIMO送信を行うことで更なる周波数利用効率向上を図るマルチユーザ(MU)-MIMOシステムが注目を集めている。さらに、基地局間にてMU-MIMO協調送信を行うシステムが検討され、スループットが大幅に向上することが報告されている。

0003

この基地局間MU-MIMO協調送信システムでは、電力増幅器が基地局のアンテナ毎、もしくは基地局毎に異なるため、各々の電力増幅器の特性を考慮する必要がある。特にユーザからのフィードバック情報、例えばチャネル情報に基づいて各ユーザが送信するデータストリームに対してプリコーディングを行った際、基地局のアンテナ毎、もしくは基地局毎に送信電力制約があるために送信アンテナのプリコーディングのウェイトに応じて各ユーザの送信ストリームに配分する送信電力をフィードバック情報、例えばチャネル情報がアップデートされる度に制御する必要がある。

0004

非特許文献1では、各々の電力増幅器の特性を考慮した基地局間MU-MIMO協調送信システムにおいて、各々のユーザが干渉とならないように送信するプリコーディング手法であるブロック対角化Zero-forcingを用いて、各ユーザのチャネル容量が均等になるような送信電力の最適化問題を示し、その問題を解くことで基地局間協調を行わない場合と比較してチャネル容量が大幅に向上されることが示されている。

0005

非特許文献2では、前記基地局間MU-MIMO協調送信システムにおいて、システム全体のチャネル容量が最大となるようなプリコーディングの送信ウェイト及び送信電力を最適化する問題を示し、その問題を解くことでチャネル容量改善されることが示されている。

0006

非特許文献3では、前記基地局間MU-MIMO協調送信システムにおいて、上下リンク双対性を利用した最適化問題とその解法を示し、収束速度が向上されることが示されている。
G.J.Foschini, K.Karakayali, and R.A.Valenzuela, "Coordinating multiple antenna cellular networks to achieve enormous spectral efficiency",IEEProceedings Communications, vol.153, No.4, pp.548-555, Augusut. 2006.
S.Liu, N.Hu, Z.He, K.Niu, and W.Wu, "Multi-level zero-forcing method for multiuser downlink system with per-antenna power constraint",VTC2007-Spring, pp.2248-2252, April. 2007.
W.Yu and T.Lan, "Transmitter optimization for the multi-antenna downlink with per-antenna power constraints", IEEE Trans., Signal Processing, pp.2646-2660, June. 2007.

発明が解決しようとする課題

0007

前記電力配分の最適化問題はそれぞれ制約条件付の非線形最適化問題であり、これを解くにあたっては多くの演算量が必要となってしまうという問題がある。例えば、最急降下法を用いた内点法で解く場合について、解析的に簡単なアルゴリズムで解を求めることが出来る反面、収束に要する演算量が多くなる。

0008

しかしながら、非特許文献1と非特許文献2における最適化問題の解法について演算量削減の検討がされていない。

0009

また、非特許文献3に関しては、線形プリコーディング処理のみを対象としており、非線形プリコーディング処理の場合については述べられていない。

0010

従って、本発明は、送信アンテナ毎及び複数の送信アンテナグループ毎に送信電力値の制限がある状況において、各ユーザに最適な送信電力の配分を算出し、かつその算出に係る演算量を削減することができる無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記の問題点を解決するため、本発明の一特徴は、各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力の制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信するための無線通信装置であって、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するプリコーディング部と、前記プリコーディング部から前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題の初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出する最適送信電力算出部と、前記算出された送信電力により無線信号を送信する送信部とを有する無線通信装置に関する。

0012

本発明の他の特徴は、各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力の制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信する無線通信方法であって、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するステップと、前記生成するステップから前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題の初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出するステップと、前記算出された送信電力により無線信号を送信するステップとを有する方法に関する。

発明の効果

0013

本発明によれば、送信アンテナ毎もしくは複数の送信アンテナグループ毎に送信電力値の制限がある状況において、各ユーザに最適な送信電力の配分を算出し、かつその算出に係る演算量を削減することができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明の一特徴は、各送信アンテナグループが1以上の送信アンテナから構成され、各自の送信電力の制約を有している複数の送信アンテナグループを介して、複数のユーザに適正な送信電力により無線信号を送信するための無線通信装置であって、各ユーザについて変調された信号にプリコーディング処理を行い、送信ウェイトを生成するプリコーディング部と、前記プリコーディング部から前記送信ウェイトを受け付け、前記送信ウェイトの各成分と各送信アンテナグループの送信電力制限値とを送信電力最適化問題の初期値の算出に利用して、各ユーザに適正な送信電力を算出する最適送信電力算出部と、前記算出された送信電力により無線信号を送信する送信部とを有する無線通信装置に関する。

0015

上記の構成により、最適送信電力算出部において、送信ウェイトの各成分wk,q,jの値に基づいて電力配分の初期値に設定し、それを送信電力最適化問題の初期値とすることにより、設定しない場合と比較して最適値付近から最適化問題を解くことができ、最適化問題の収束までの反復回数及び演算量を削減しつつ、送信アンテナ毎もしくは複数の送信アンテナグループ毎の送信電力値の制限の範囲内で最適な送信電力配分を行うことができる。
また、本発明の一実施例では、前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値Pmax,qを前記送信ウェイトの各成分wk,q,jの値を含んだ何らかの関数により規格化した値であってもよい。これにより、各送信アンテナの送信電力制限値Pmax,qを考慮した上で、送信ウェイトの各成分wk,q,jの値に基づいて送信電力最適化問題の電力配分初期値を設定でき、最適化問題の収束までの反復回数及び演算量を削減することができる。

0016

さらに、本発明の一実施例では、前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値Pmax,qを前記送信ウェイトの各成分wk,q,jの二乗和により規格化した値であってもよい。さらに、本発明の一実施例では、前記初期値は、前記各送信アンテナグループの送信電力制限値Pmax,qを前記送信ウェイトの各成分wk,q,jの二乗和により規格化した値の前記複数の送信アンテナグループにおける最小値であってもよい。これにより、各送信アンテナの送信電力制限値Pmax,qを考慮した上で、送信ウェイトの各成分wk,q,jの値に基づいて送信電力最適化問題の電力配分初期値を各ユーザの各ストリームに対して等しく設定することができ、最適化問題の収束までの反復回数及び演算量を削減することができる。

0017

また、本発明の一実施例では、前記最適送信電力算出部は、最急降下法による内点法を用いて前記制約の下で最適化を行ってもよい。これにより、解析的に簡単なアルゴリズムで最適解を求めることができる。

0018

また、本発明の一実施例では、前記最適送信電力算出部は、送信電力の変化に対する前記内点法に従い導出された目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合、繰り返し回数の増加に対する前記送信電力最適化問題のオリジナル目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合、及び前記繰り返し回数が所定の閾値を超える場合の何れかを充足する場合、前記最急降下法のステップの繰り返しを終了してもよい。これにより、最急降下法の収束点を判断することができ、最適解を求めることができる。

0019

また、本発明の一実施例では、前記最適送信電力算出部は、前記内点法のステップ係数が所定の閾値より小さくなる場合、及び繰り返し回数の増加に対する前記送信電力最適化問題のオリジナル目的関数の変化量が所定の閾値の範囲内となる場合の何れかを充足する場合、前記内点法のステップの繰り返しを終了してもよい。これにより、内点法による各ステップの収束点を判断することができ、最適解を求めることができる。

0020

また、本発明の一実施例では、前記最適送信電力算出部は、各ユーザのチャネル容量を均一化するように前記制約の下で最適化を行ってもよい。これにより、電力配分後の各ユーザのチャネル容量を均等にする最適解を求めることができる。

0021

また、本発明の一実施例では、前記最適送信電力算出部は、システム全体のチャネル容量を最大にするように前記制約の下で最適化を行ってもよい。これにより、電力配分後の各ユーザのチャネル容量の和を最大にする最適解を求めることができる。

0022

本発明の原理は、送信アンテナ毎もしくは複数の送信アンテナグループ毎に送信電力値が制限された状況で各ユーザの送信ストリームごとに送信電力を決定して、決定された送信電力値に基づいて送信信号の送信を制御することである。

0023

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信送信装置10の構成を示すブロック図である。無線通信送信装置10は、物理的には、図1に示すように、ユーザ数(N)だけの変調部11と、プリコーディング部12と、最適送信電力算出部13と、送信電力制御部14とを含んで構成される。ここで、変調部11は直並列変換部111と、信号変調部112とを含んで構成される。

0024

図2は、本実施形態における最適送信電力算出部13を示す。最適送信電力算出部13は、初期電力設定部21と、最適化処理部22とを含んで構成される。

0025

図3は、本実施形態における初期電力設定部21を示す。初期電力設定部21は、送信ウェイト二乗和算出部31と、送信電力制限値規格化部32と、最小値検出部33とを含んで構成される。

0026

続いて、上述した構成を有する本実施形態にかかる無線通信送信装置の動作及び無線通信送信方法について説明する。以下では、送信アンテナ数Mt、ユーザ数N、ユーザアンテナ数Mrを用いるマルチユーザMIMO伝送において、プリコーディング処理としてチャネル情報に基づいたブロック対角化Zero-forcing(BD-ZF)を用いた場合について説明する。

0027

ただし、プリコーディング処理としてはチャネル情報に基づいた任意のMU-MIMOプリコーダーでもよい(ZF、MMSE、DPC等)。もしくは、コードブックから送信ウェイトベクトルが選択されるプリコーディングのものでもよい。

0028

はじめに、図1に示される変調部11では、各ユーザに送信する情報信号系列を直並列変換部111において多重化する各送信ストリーム割り当て、信号変調部112において変調を行い、送信信号sk,jを発生させる。ここで、sk,jは第kユーザ(1≦k≦N)における第j送信ストリーム(1≦j≦Mr)にて送信する送信信号を表す。また、第kユーザのMr次元送信信号ベクトルskを以下に定義する。

0029

ただし、Tは転置を表す。

0030

ここで、第kユーザのMr×MtMIMOチャネルチャネル行列をHkとしたとき、第kユーザのMt×Mr BD-ZF送信ウェイト行列WBD-ZF,kは以下の式を満たすように生成される。

0031

BD-ZF後の第kユーザのMr×Mr等価チャネル行列Hk'を以下で定義し、これに特異値分解(Singular Value Decomposition(SVD))を行う。

0032

ただし、Hはエルミート転置を表し、λk,jはHk'HHk'の固有値を表す。

0033

上式で得られたVkと前記WBD-ZF,kを用いて第kユーザのMt×Mr送信ウェイト行列をWkとする。

0034

プリコーディング部12において上記Wkを算出し、Wkの各成分wk,q,j(1≦q≦Mt)及びλk,jを送信ウェイト関連情報として最適送信電力算出部13へ出力する。また、Wk及びskを送信電力制御部14へ出力する。

0035

送信電力制御部14では、後述する最適送信電力算出部13にて算出された第kユーザの第j送信ストリームに割り当てられる送信電力Pk,j及び入力されたWk及びskを用いて、以下に表されるプリコーディング後のMt次元送信信号ベクトルxkを生成し、各ユーザへ送信する。

0036

なお、第kユーザのMr次元受信信号ベクトルをyk、Mr次元雑音ベクトルをnkとした場合、受信信号は以下で表される。

0037

ここで、各ユーザのMr×Mr受信ウェイト行列を式(3)のUkHをとすると、受信ウェイト行列乗算後の出力は以下で表される。

0038

上記より、各ユーザに空間多重して送信された信号は干渉無く受信できることがわかる。また、雑音電力をσ2とした場合、第kユーザにおける第j送信ストリームに対する受信SNRk,jは次式で表される。

0039

上記受信SNRk,jを用いて、第kユーザのMIMOチャネル容量Ckは以下で表される。

0040

続いて最適送信電力算出部13の動作について説明する。最適送信電力算出部13では、前記プリコーディング部12から出力された送信ウェイト行列Wkの各成分wk,q,j及び固有値λk,jが送信ウェイト関連情報として入力され、それらを用いて第q番目の送信アンテナの送信電力制限値Pmax,qを満たすようにPk,jを算出する。つまり、以下の最適化問題を解く。

0041

ここで、上記最適化問題の式(10)は全ユーザ中で最低のチャネル容量であるユーザの容量を最大限引き上げることを意味する。この最適化問題を解くことで、全ユーザのチャネル容量がほぼ等しくなることから、これをFairness規準と呼ぶこととする。

0042

前記最適化問題は、内点法に基づいて解くことができる。ここで、内点法とは、式(10)にペナルティ関数g(Pk,j)及びペナルティ関数の大きさを調整するステップ係数r(i)を追加し、式(11)(12)の制約式が無い関数を最大化させる新たな最適化問題を解く手法である。ただし、iは後述する内点法のステップ繰り返し処理回数を表す。なお、大きな値のステップ係数から始め、ステップ係数ごとに最適なPk,jを算出し、その値を初期値としてステップ係数を小さくして処理を繰り返し行うことで、ステップ係数r(i)が十分小さくなった段階で元の制約式付の最適化問題の解を得ることができる。以下に、ペナルティ関数及びステップ係数を用いた新たな最適化問題を示す。

0043

ここで、式(13)の右辺の第1項は各ユーザのチャネル容量に関する制約条件付最適化問題に係るオリジナル目的関数の一例であり、Fはオリジナル目的関数にペナルティ関数と該ペナルティ関数の大きさを調整するステップ係数とを追加することによって内点法に従って導出された目的関数の一例であり、新たな最適化問題の目的関数である。

0044

なお、ペナルティ関数g(Pk,j)については、各送信ウェイト、送信電力制限値及び送信電力を含む関数であり、例えば、以下に示すものを使用する。

0045

もしくは、上記g(Pk,j)は以下のものを用いてもよい。

0046

続いて、図2に示される初期電力設定部21の動作について図3を用いて説明する。最適送信電力算出部13に入力された前記wk,q,jは、送信ウェイト二乗和算出部31に入力される。送信ウェイト二乗和算出部31においては、次式に従い、送信アンテナ毎にwk,q,jの二乗和を算出し、送信電力制限値規格化部32へ出力する。

0047

送信電力制限値規格化部32においては、各送信アンテナの送信電力制限値Pmax,qを保持しており、入力された前記送信アンテナ毎のwk,q,jの二乗和によりPmax,qを次式に従い規格化する。ここで規格化した値を最小値検出部33へ出力する。

0048

最小値検出部33においては、入力された前記の値の最小値を算出し、各ユーザの各ストリームに対して等しい送信電力最適化問題の電力配分初期値Pinitialとして次式に従い設定する。

0049

上記にて設定した電力配分初期値Pinitialを最適化処理部22へ出力する。
ここで、図4に上記電力配分初期値Pinitialの設定に係る概念図を示す。図4に示すグラフ縦軸は送信電力を表し、横軸は送信アンテナを表す。図4に示すとおり、上記設定方法は、式(17)にて算出される送信電力制限値Pmax,qを規格化した値が最小となる送信アンテナの送信電力を、そのアンテナの送信電力制限値と等しくすることを意味する。

0050

なお、ここでは送信アンテナ毎のwk,q,jの二乗和によりPmax,qを規格化した値の最小値を電力配分初期値Pinitialとして各ユーザの各ストリームに等しく設定する一例を示したが、式(17)にて規格化した値に基づいて電力配分初期値Pinitialを各ユーザの各ストリームに等しく設定してもよいし、送信ウェイトの成分wk,q,jの値を含んだ何らかの関数h(wk,q,j)にて規格化した値に基づいて電力配分初期値Pinitialを設定してもよい。

0051

次に、後述する最急降下法を用いた内点法により最適化を行う場合の最適化処理部22の構成を図5に示す。最適化処理部22は、図5に示すように、初期電力算出部51と、ステップ係数乗算部52と、チャネル容量算出部53と、最急降下処理部54と、繰返処理部55とを含んで構成される。

0052

続いて、繰返処理部55を図6に示す。繰返処理部55は、プリコーディング後電力算出部61と、制約式判断部62と、最急降下法歩み更新部63と、最急降下法終了判断部64と、内点法終了判断部65と、ステップ係数更新部66とを含んで構成される。

0053

以下に最急降下法を用いた内点法により最適化を行う場合の具体的な動作を示す。前記初期電力設定部21にて設定された送信電力初期値Pinitialを前記wk,q,j及びλk,jとともに最適化処理部22へ入力する。最適化処理部22の初期電力算出部51では、Pinitial及び前記wk,q,jとλk,jを用いて最適化処理部22における初期の送信アンテナ毎の送信電力Pqを式(16)に従い算出し、ステップ係数乗算部52に出力する。ステップ係数乗算部52では、ペナルティ関数にステップ係数r(i)を乗算する。なお,ステップ係数r(i)の値は以下で表される。

0054

ただし、iは内点法のステップ繰返し処理回数を表し、α(<1)はステップ係数の刻み幅を表す。

0055

次のチャネル容量算出部53では、各ユーザのチャネル容量を入力された前記wk,q,jとλk,j及びPk,jを用いて式(9)により算出し、最急降下処理部54へ出力する。最急降下処理部54では、前記ペナルティ関数を用いた最適化問題の式(13)を最急降下法により最適化を行う。ここで、最急降下法とは、式(13)の勾配情報を用いて最適化を行う手法であり、具体的には次式のような繰り返し処理を行う。

0056

ただし、(u)はu回目の繰り返し処理を、βは歩み幅を表す。

0057

最急降下処理部54にて最適化された送信電力Pk,jは繰返処理部55に出力される。繰返処理部55に入力された送信電力Pk,jは繰返処理部55におけるプリコーディング後電力算出部61において送信アンテナ毎の送信電力Pqを、入力されたPk,j及びwk,q,jを基に算出し、制約式判断部62へ出力する。制約式判断部62においては、下記に示す制約条件を満足するかを判断する。

0058

式(21)の条件のうち、どれか一つでも満足しない場合には、最急降下法歩み幅更新部63において歩み幅βを小さくし、チャネル容量算出部53へ出力し、式(20)の処理を行う前のPk,jを用いて、制約式判断部62にて前記条件を満たすまでこの処理を繰り返す。制約式判断部62にて前記条件を満たした場合には、送信電力Pk,jを最急降下法終了判断部64に入力し、最急降下法終了判断部64において続いて下記に示す最急降下法の終了条件を満たすかを判断する。

0059

ただし、

0060

また、uは最急降下法による繰り返し処理回数、Imaxはその最大回数と定義し、(u)はu回目の繰り返し処理を表す。また、ε1及びε2は十分小さな値とする。すなわち、送信電力の変化に対する導出された目的関数の変化量が所定の十分小さな値の範囲内となる場合、繰り返し回数の増加に対するオリジナル目的関数の変化量が所定の十分小さな値の範囲内となる場合、及び繰り返し回数が所定の閾値を超える場合の何れかを充足する場合、最急降下法のステップの繰り返しを終了する。

0061

なお、上記は最急降下法の終了条件の一例であり、他の終了条件を用いてもよい。

0062

最急降下法終了判断部64において、式(22)の条件のうち、全てを満足しない場合には、このときの送信電力Pk,jをチャネル容量算出部53へ入力し、再び処理を行い、最急降下法終了判断部64にて式(22)の条件を満足するまで繰り返す。一方、どれか1つでも満足した場合には、送信電力Pk,jを内点法終了判断部65に入力し、内点法終了判断部65において下記に示す内点法のステップ繰返し処理終了条件を満足するかを判断する。

0063

ただし、(i)はi回目の内点法におけるステップ繰り返し処理を表す。また、ε3及びε4は十分小さな値とする。すなわち、ステップ係数が所定の十分小さな値より小さくなる場合、及び繰り返し回数の増加に対するオリジナル目的関数の変化量が所定の十分小さな値の範囲内となる場合の何れかを充足する場合、内点法のステップの繰り返しを終了する。

0064

なお、上記は内点法のステップ繰返し処理終了条件の一例であり、他の条件を用いてもよい。

0065

内点法終了判断部65において、上記終了条件のうち全てを満足しない場合には、そのときの送信電力Pk,jをステップ係数r(i)における最適解とし、ステップ係数更新部66において、ステップ係数を式(19)に従い小さくし、ステップ係数乗算部52へPk,j及びr(i)を出力して再び内点法のステップ繰返し処理を行う。一方、内点法終了判断部65において、上記終了条件のどちらかを満足した場合には、その時点での送信電力Pk,jを最適化処理部22の最適解としてPk,jを送信電力制御部14へ出力する。

0066

前記最適送信電力算出部13の処理を図7に示すフローチャート図を用いて説明する。最適送信電力算出部13では、まず、71ステップにおいて、ステップ係数r(i)及び最急降下法による最大繰り返し処理回数Imax及びε1〜ε4を定め、その後、72ステップにおいて、最適送信電力算出部13に入力された送信ウェイト成分wk,q,jを用いて送信電力最適化問題の電力配分初期値Pinitialを式(18)に従い設定し、73ステップへ出力する。73ステップにおいては、電力配分初期値Pinitial及び固有値λk,jと前記wk,q,jを用いて送信電力最適化問題を解き、最適解を74ステップにおいて出力とする。

0067

続いて、72ステップの処理を図8に示すフローチャート図を用いて説明する。81ステップにおいて、入力された前記wk,q,jを用いて式(16)に従い送信アンテナ毎にwk,q,jの二乗和を算出し、82ステップへ出力する。82ステップにおいては、入力された前記送信アンテナ毎のwk,q,jの二乗和によりPmax,qを式(17)に従い規格化した後、83ステップへ出力する。83ステップにおいては、入力された前記の値の最小値を算出し、その最小値を送信電力最適化問題の電力配分初期値Pinitialとして設定し、73ステップへ出力する。
なお、上記に示した、送信アンテナ毎のwk,q,jの二乗和によりPmax,qを規格化した値の最小値を電力配分初期値Pinitialとして設定する方法は一例であり、式(17)にて規格化した値に基づいて電力配分初期値Pinitialを各ユーザの各ストリームに等しく設定してもよいし、送信ウェイトの成分wk,q,jの値を含んだ何らかの関数h(wk,q,j)にて規格化した値に基づいて電力配分初期値Pinitialを設定してもよい。

0068

次に、73ステップの処理を図9に示すフローチャート図を用いて説明する。91ステップにおいて、入力された前記Pinitialを用いて送信アンテナ毎の送信電力Pqを算出し、92ステップへ出力する。92ステップにおいて、ステップ係数r(i)を乗算し、新たな最適化問題の目的関数Fを生成し、Pqとともに93ステップへ出力する。93ステップにおいて、各ユーザのチャネル容量を計算し、それを基に94ステップにおいて、目的関数Fの勾配、つまり微分値を計算し、新たなPk,jを式(20)に基づいて算出し、95ステップへ出力する。その後、95ステップにおいて、送信アンテナごとの送信電力Pqを式(16)に基づいて算出した後、式(21)の制約条件が満足するかを判断し、一つでも満足しない場合には、96ステップにおいて、歩み幅?を小さくして、93ステップに入力し、再び処理を行い、95ステップにおいて前記制約条件を満たすまで繰り返す。一方、95ステップにおいて、式(21)の制約条件が全て満足した場合には、次の97ステップにて式(22)の最急降下法の終了条件を満足するかを判断する。式(22)の条件のうち、全てを満たさない場合には、送信電力Pk,jを93ステップに入力し、再び処理を行い、97ステップにて式(22)の条件のうちどれか1つを満足するまで繰り返す。一方、どれか1つでも満たした場合には、98ステップにおいて,式(24)の内点法のステップ繰返し処理終了条件を満たすかを判断する。式(24)の終了条件のうち全てを満足しない場合には、そのときの送信電力Pk,jをステップ係数r(i)における最適解とし、99ステップにおいて、ステップ係数を式(19)の通り小さくし、92ステップへPk,j及びr(i)を出力して再び内点法のステップ繰返し処理を行う。一方、式(24)の終了条件のどちらかを満足した場合には、その時点での送信電力Pk,jを73ステップの最適解としてステップ74にて出力する。

0069

なお、ここまで最急降下法を用いた内点法による最適化手法を述べたが、他の最適化手法を用いてもよい。その場合においても、図2及び図7で示した構成及びフローチャートにてプリコーディング用送信ウェイトの各成分wk,q,jの値に基づいて送信電力最適化問題の電力配分初期値を設定し、それを用いて最適化処理を行うことができる。

0070

なお、上記最適化方法では、各ユーザのチャネル容量Ckを均一化させることを目的とする最適化問題を解いたが、システム全体のチャネル容量Cを最大化させることを目的としてもよい。この場合の最適化問題を以下に示す。

0071

上記のシステム全体のチャネル容量Cを最大化させることを目的とする最適化問題をSum-rate規準と呼ぶこととする。解法については、Fairness規準の場合と同様である。

0072

なお、ここでは、送信アンテナ毎に電力制限Pmax,qがある場合について説明したが、送信アンテナを複数のグループに分け、そのグループ毎に電力制限を設けた場合についても、前記最適化手法を用いることができる。図10にこの概念図を示す。図中のL(1≦l≦L)はグループ数を表し、Slはグループlに属する送信アンテナ番号の集合を表す。以下に、その場合におけるFairness規準の最適化問題を示す。

0073

ここで、グループlにおける電力制限値をPmax,lとした。上記最適化問題は、前述の解法と同様に解くことが可能である。また。Sum-rate規準の場合も同様に導くことが可能である。

0074

なお、ここでは、プリコーディング手法にBD-ZFを用いた場合を示したが、他のプリコーディング手法における送信電力最適化問題においても同様に解くことができる。
[第2実施形態]
前記本実施形態においては無線通信送信装置上に複数の送信アンテナが搭載されていることを想定していたが、複数の送信アンテナは有線もしくは無線にて繋がっており、前期無線通信送信装置とは違う場所にあってもよい。
図11は、本発明の第2実施形態にかかる概念図である。無線通信送信装置10は、有線もしくは無線により複数の送信アンテナを持つ送信アンテナ部1Aと繋がっている。

0075

上記無線通信送信装置10の動作については、複数の送信アンテナ部1Aが無線通信送信装置10とは違う場所にある以外は、前記第1実施形態の処理方法と同一である。

0076

本発明の第1実施形態にかかる実施例について図面を参照して説明する。本発明の有効性を確認するために、プリコーディング手法としてBD-ZFを用い、送信アンテナ毎に等しい電力制限値Pmaxを設けた場合において、本発明の第1実施形態を適用した場合の計算機シミュレーション結果について以下に示す。式(14)(15)に示されるペナルティ関数については式(14)のものを使用した。送信アンテナ数Mt=6、ユーザ数N=2、ユーザアンテナ数Mr=3とし、各ユーザに3ストリームを空間多重して伝送した。各送信アンテナの電力制限値をPmax=1/6とし、使用可能な総送信電力を1とした。また、 10,000パターンMIMOチャネル行列を用いて最適化を行った後、平均化した。伝搬路環境については、各ユーザのMIMOチャネルが無相関レイリーフェージングとした。本発明におけるその他のパラメータについては、以下のように設定した。なお、本シミュレーションでは、本発明における収束状況を見るために、ε4については0とした。
[最適化処理部におけるパラメータ]
r(0)=10-5、α=0.05、Imax=2000、ε1=10-6、ε2=10-11、ε3=10-3
図12に電力配分初期値を十分小さな値(Pinitial=10-10)に設定した場合の最適化と本発明の第1実施形態における最適化の収束状況及び乗算数特性について、Fairness規準を用いた場合の結果を示す。電力配分初期値を十分小さな値に設定した場合においては、r(0)=1.0もしくはr(0)=10-5とした。同図において、Conventionalは電力配分初期値を十分小さな値に設定して最適化を行った場合の特性を示し、Initializedが本発明における最適化の特性を示す。また、Convergenceは縦軸左側の内点法におけるステップiにおけるチャネル容量が最低であるユーザの容量を示す。一方、Multipliersは縦軸右側の乗算数の累積を示す。なお、横軸は内点法におけるステップ繰り返し回数iを示している。

0077

図12より、r(0)=10-5としたConventionalと本発明の第1実施形態を適用したInitializedの結果を比較すると、Conventional(r(0)=10-5)では収束までの反復回数及び乗算数が少ないものの、収束値が低くなっていることがわかる。一方、r(0)=1.0としたConventionalとInitializedの結果を比較すると、収束値を1.60とした場合、それぞれの収束点(Conventional(r(0)=1.0)ではi=6、Initializedではi=3)における乗算数はConventional(r(0)=1.0)が1.40×106回、Initializedが0.91×106回となり、約35%削減できることがわかる。

0078

続いて、図13に電力配分初期値を十分小さな値(Pinitial=10-10)に設定した場合の最適化と本発明の第1実施形態における最適化の収束状況及び乗算数特性について,Sum-rate規準を用いた場合の結果を示す。電力配分初期値を十分小さな値に設定した場合においては、 r(0)=1.0もしくはr(0)=10-5とした。同図において、Conventionalは電力配分初期値を十分小さな値に設定して最適化を行った場合の特性を示し、Initializedが本発明における最適化の特性を示す。また、Convergenceは縦軸左側の内点法におけるステップiにおけるシステム全体のチャネル容量を示す。一方、Multipliersは縦軸右側の乗算数の累積を示す。なお、横軸は内点法におけるステップ繰り返し回数iを示している。

0079

図13より、r(0)=10-5としたConventionalと本発明の第1実施形態を適用したInitializedの結果を比較すると、Conventional(r(0)=10-5)では収束までの反復回数及び乗算数が少ないものの、収束値が低くなっていることがわかる。一方、r(0)=1.0としたConventionalとInitializedの結果を比較すると、収束値を3.39とした場合、それぞれの収束点(Conventional(r(0)=1.0)ではi=6、Initializedではi=3)における乗算数はConventional(r(0)=1.0)が1.09×106回、Initializedが0.91×106回となり、約17%削減できることがわかる。

0080

以上、本発明が特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず適切な如何なる数式が使用されてもよい。実施例又は項目区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例又は項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。

図面の簡単な説明

0081

図1は、第1実施形態に係る無線通信送信装置の構成図である。
図2は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部の構成図である。
図3は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部における初期電力設定部の構成図である。
図4は、第1実施形態に係る無線通信送信装置における送信電力制限値を送信ウェイトの値を用いて規格化して電力配分初期値を設定する場合の概念図である。
図5は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部における最適化処理部の構成図である。
図6は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部における最適化処理部中の繰返処理部の構成図である。
図7は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部の動作を表すフローチャートである。
図8は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部における初期電力設定部の動作を表すフローチャートである。
図9は、第1実施形態に係る無線通信送信装置中の最適送信電力算出部における最適化処理部の動作を表すフローチャートである。
図10は、第1実施形態に係る無線通信送信装置における複数の送信アンテナをグループ分けした場合の概念図である。
図11は、第2実施形態に係る無線通信送信装置の概念図である。
図12は、本発明の適用効果を示すFairness規準における収束特性及び収束に係る演算量を表す図である。
図13は、本発明の適用効果を示すSum-rate規準における収束特性及び収束に係る演算量を表す図である。

符号の説明

0082

10無線通信送信装置
11変調部
111直並列変換部
112信号変調部
12プリコーディング部
13最適送信電力算出部
14送信電力制御部
21初期電力設定部
22最適化処理部
31初期電力算出部
32 初期電力最大値算出部
33電力規格化部
51 初期電力算出部
52ステップ係数乗算部
53チャネル容量算出部
54 最急降下処理部
55 繰返処理部
61プリコーディング後電力算出部
62制約式判断部
63最急降下法歩み幅更新部
64 最急降下法終了判断部
65内点法終了判断部
66 ステップ係数更新部
1A送信アンテナ部

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