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技術 光学系及び原子発振器

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 青山拓石原直樹
出願日 2008年5月12日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2008-124359
公開日 2009年11月19日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 2009-273088
状態 特許登録済
技術分野 発信器の安定化、同期、周波数シンセサイザ 予め定められた時間間隔の測定 メーザ
主要キーワード 次原子 エネルギ遷移 物理パッケージ 気密封 標準器 アルカリ蒸 コヒー エネルギ差
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年11月19日)のものです。
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図面 (10)

課題

リペアコストを低減し、信頼性の高い原子発振器光学系を提供する。

解決手段

この光学系1は、各共鳴光出射するコヒーレント光源2と、コヒーレント光源2の出射側に配置されガス状金属原子封入すると共に、金属原子ガス中に各共鳴光を通過させるガスセル4と、ガスセル4を通過した光を検出する光検出器5と、コヒーレント光源2から出射した各共鳴光をガスセル4に導くと共に、ガスセル4を通過した光を光検出器5に導く導光部材6、7、13と、光検出器8から検出された信号により、発振周波数を制御する周波数制御回路12と、コヒーレント光源2、光検出器5、及びガスセル4の温度を制御する温度制御回路11と、を備え、導光部材は、複数の基板7と2個の板状プリズム13、6を備え、2個の板状プリズム13、6の対向面、及び複数の基板7によりガスセル4のセルユニットを構成する。

概要

背景

ルビジウムセシウム等のアルカリ金属を用いた原子発振器は、原子エネルギ遷移
利用する際に、原子をガス状態に保つ必要があるため、原子を気密封入したガスセルを高
温に保って動作させている。原子発振器の動作原理は、光とマイクロ波を利用した二重共
鳴法と、2種類のレーザ光による量子干渉効果(以下CPT:Coherent Population Trap
pingと記す)を利用する方法に大別されるが、両者共にガスセルに入射した光が、原子ガ
スにどれだけ吸収されたかを反対側に設けられた検出器で検出することにより、原子共鳴
を検知して制御系にて水晶発振器などの基準信号をこの原子共鳴に同期させて出力を得て
いる。
図9は従来の原子発振器の物理パッケージ模式化した図である。この図から明らかに
ように、従来の物理パッケージは、光源としての半導体レーザ50、レーザ光を平行光に
変換する平行レンズ51、光の強度を補正するNDフィルタ52、光の位相を1/4波長
偏光する1/4波長板53、セルを加熱するヒータ54、アルカリ蒸気セル55、及び光
検出器56が積層された構造で、且つ、図示は省略するが、ヒータ54と光検出器56は
ボンディングワイヤにより基板と接続されている(特許文献1参照)。
US6806784B2

概要

リペアコストを低減し、信頼性の高い原子発振器の光学系を提供する。この光学系1は、各共鳴光出射するコヒーレント光源2と、コヒーレント光源2の出射側に配置されガス状金属原子封入すると共に、金属原子ガス中に各共鳴光を通過させるガスセル4と、ガスセル4を通過した光を検出する光検出器5と、コヒーレント光源2から出射した各共鳴光をガスセル4に導くと共に、ガスセル4を通過した光を光検出器5に導く導光部材6、7、13と、光検出器8から検出された信号により、発振周波数を制御する周波数制御回路12と、コヒーレント光源2、光検出器5、及びガスセル4の温度を制御する温度制御回路11と、を備え、導光部材は、複数の基板7と2個の板状プリズム13、6を備え、2個の板状プリズム13、6の対向面、及び複数の基板7によりガスセル4のセルユニットを構成する。

目的

しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術に使用されるセルユニット57は
、長時間の使用によりガスセルとしての機能が低下してくる。セルユニット57が劣化
た場合、物理パッケージが一体化されているため、セルユニット57だけを取り外して、
リフレッシュしたり新品交換することができなかった。即ち、使用可能な光検出器56
や半導体レーザ50も同時に破棄せざるを得ず、リペアコストが高くなるといった問題が
ある。また、このような一体型物理パッケージだと、高温に保たれたガスセルからの熱伝
導により、レーザや光検出器等の半導体部品ダメージを受け易く、信頼性の低下といっ
た問題もある。
本発明は、係る課題に鑑みてなされたものであり、物理パッケージのセルユニットを導
光部材(プリズム等)と一体構成にしてガスセルコンポーネントとして構成し、レーザや
光検出器部を独立させることにより、リペアコストを低減し、信頼性の高い原子発振器の
光学系を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

波長が異なるコヒーレント光としての2種類の共鳴光入射したときの量子干渉効果による光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子発振器光学系であって、前記各共鳴光出射するコヒーレント光源と、該コヒーレント光源の出射側に配置されガス状金属原子封入すると共に、該金属原子ガス中に前記各共鳴光を通過させるガスセルと、該ガスセルを通過した光を検出する光検出手段と、前記コヒーレント光源から出射した各共鳴光を前記ガスセルに導くと共に、前記ガスセルを通過した光を前記光検出手段に導く導光部材と、を備え、前記導光部材は、第1の基板と、該第1の基板の一面上に一方の非光学面を面接触させた状態で所定のギャップを隔てて対向配置された2個の板状プリズムと、前記一方の非光学面と対向する前記2個の板状プリズムの他方の非光学面上に跨って一面を面接触させた状態で固定された第2の基板と、前記2個の板状ブリズムの対向面、及び前記第1及び第2の基板により四面閉塞された前記ギャップの他の二面を閉塞する第3及び第4の基板と、を備え、前記2個の板状プリズムの対向面、及び前記第1乃至第4の基板により前記ガスセルのセルユニットを構成することを特徴とする原子発振器の光学系。

請求項2

前記導光部材と前記ガスセルとを一体に構成してガスセルコンポーネントとすることを特徴とする請求項1に記載の原子発振器の光学系。

請求項3

前記コヒーレント光源、前記ガスセルコンポーネント、及び前記光検出手段は夫々個別に温度管理手段を備え、各温度管理手段は夫々独立に温度制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載の原子発振器の光学系。

請求項4

前記コヒーレント光源を端面発光型レーザダイオードにより構成し、前記光検出手段を導波路型受光素子により構成したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の原子発振器の光学系。

請求項5

前記ガスセルコンポーネントを基板の一方の面に配置し、前記コヒーレント光源、及び光検出手段を該基板の他方の面に配置し、前記コヒーレント光源から出射した共鳴光が前記基板に設けた開口部から前記ガスセルコンポーネントに入射し、該ガスセルコンポーネントから出射した光が前記基板に設けた開口部から前記光検出手段に入射する構成としたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の原子発振器の光学系。

請求項6

前記コヒーレント光は、レーザ光であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の原子発振器の光学系。

請求項7

前記ガス状の金属原子は、ルビジウム、又はセシウムであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の原子発振器の光学系。

請求項8

請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学系を備えたことを特徴とする原子発振器。

技術分野

0001

本発明は、原子発振器に関し、さらに詳しくは、導光部材ガスセルとを一体構成とし
ガスセルコンポーネントの構成技術に関するものである。

背景技術

0002

ルビジウムセシウム等のアルカリ金属を用いた原子発振器は、原子エネルギ遷移
利用する際に、原子をガス状態に保つ必要があるため、原子を気密封入したガスセルを高
温に保って動作させている。原子発振器の動作原理は、光とマイクロ波を利用した二重共
鳴法と、2種類のレーザ光による量子干渉効果(以下CPT:Coherent Population Trap
pingと記す)を利用する方法に大別されるが、両者共にガスセルに入射した光が、原子ガ
スにどれだけ吸収されたかを反対側に設けられた検出器で検出することにより、原子共鳴
を検知して制御系にて水晶発振器などの基準信号をこの原子共鳴に同期させて出力を得て
いる。
図9は従来の原子発振器の物理パッケージ模式化した図である。この図から明らかに
ように、従来の物理パッケージは、光源としての半導体レーザ50、レーザ光を平行光に
変換する平行レンズ51、光の強度を補正するNDフィルタ52、光の位相を1/4波長
偏光する1/4波長板53、セルを加熱するヒータ54、アルカリ蒸気セル55、及び光
検出器56が積層された構造で、且つ、図示は省略するが、ヒータ54と光検出器56は
ボンディングワイヤにより基板と接続されている(特許文献1参照)。
US6806784B2

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術に使用されるセルユニット57は
、長時間の使用によりガスセルとしての機能が低下してくる。セルユニット57が劣化
た場合、物理パッケージが一体化されているため、セルユニット57だけを取り外して、
リフレッシュしたり新品交換することができなかった。即ち、使用可能な光検出器56
や半導体レーザ50も同時に破棄せざるを得ず、リペアコストが高くなるといった問題が
ある。また、このような一体型物理パッケージだと、高温に保たれたガスセルからの熱伝
導により、レーザや光検出器等の半導体部品ダメージを受け易く、信頼性の低下といっ
た問題もある。
本発明は、係る課題に鑑みてなされたものであり、物理パッケージのセルユニットを導
光部材プリズム等)と一体構成にしてガスセルコンポーネントとして構成し、レーザや
光検出器部を独立させることにより、リペアコストを低減し、信頼性の高い原子発振器の
光学系を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。

0005

[適用例1]波長が異なるコヒーレント光としての2種類の共鳴光を入射したときの量
干渉効果による光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子発振器の光学系であっ
て、前記各共鳴光出射するコヒーレント光源と、該コヒーレント光源の出射側に配置さ
ガス状金属原子封入すると共に、該金属原子ガス中に前記各共鳴光を通過させるガ
スセルと、該ガスセルを通過した光を検出する光検出手段と、前記コヒーレント光源から
出射した各共鳴光を前記ガスセルに導くと共に、前記ガスセルを通過した光を前記光検出
手段に導く導光部材と、を備え、前記導光部材は、第1の基板と、該第1の基板の一面上
に一方の非光学面を面接触させた状態で所定のギャップを隔てて対向配置された2個の板
状プリズムと、前記一方の非光学面と対向する前記2個の板状プリズムの他方の非光学面
上に跨って一面を面接触させた状態で固定された第2の基板と、2個の板状ブリズムの対
向面、及び前記第1及び第2の基板により四面閉塞された前記ギャップの他の二面を閉
塞する第3及び第4の基板と、を備え、前記2個の板状プリズムの対向面、及び前記第1
乃至第4の基板により前記ガスセルのセルユニットを構成することを特徴とする。

0006

本発明では導光部材を複数の基板と板状のプリズムにより構成し、2個の板状ブリズム
の対向面、及び2枚の基板により四面を閉塞されたギャップの他の二面を閉塞する2枚の
基板と、を備え、2個の板状プリズムの対向面、及び4枚の基板によりガスセルのセルユ
ニットを構成するので、セルユニットを単独に準備する必要がなくなり、部品コストを低
減することができる。
なお、4枚の基板のうちの2枚、或いは3枚を予め一体化しておき、基板点数を減少し
ておくことは差し支えない。

0007

[適用例2]前記導光部材と前記ガスセルとを一体に構成してガスセルコンポーネント
とすることを特徴とする。

0008

本発明では、コヒーレント光源、ガスセルコンポーネント、及び光検出手段を予め分割
しておき、特に、ガスセルコンポーネントをガスセルと導光部材とを一体にして構成する
。これにより、ガスセルを交換或いはリフレッシュすることが容易となり、リペアコスト
を低減することができる。

0009

[適用例3]前記コヒーレント光源、前記ガスセルコンポーネント、及び前記光検出手
段は夫々個別に温度管理手段を備え、各温度管理手段は夫々独立に温度制御されることを
特徴とする。

0010

原子発振器を構成するコヒーレント光源、ガスセルコンポーネント、及び光検出手段は
夫々最適な温度で管理されることにより、最も優れた特性を発揮することができる。例え
ば、ガスセルコンポーネントは比較的高い温度で管理されるが、コヒーレント光源と光検
出手段は一般的に半導体で構成されるため、低い温度で管理される。そこで本発明では、
夫々個別に温度管理手段を備え、各温度管理手段は夫々独立に温度制御される。これによ
り、光学系全体の特性と信頼性を高めることができる。

0011

[適用例4]前記コヒーレント光源を端面発光型レーザダイオードにより構成し、前
記光検出手段を導波路型受光素子により構成したことを特徴とする。

0012

レーザダイオードは一般的に発光面を上に向けてケース実装される。また、光検出手
段は一般的にフォトダイオードが使用され、同じく受光面を上に向けてケースに実装され
る。従って、レーザダイオードを基板にそのまま実装すると、光は上方に発光され、その
光をフォトダイオードにより受光するためには、レーザダイオードと対向させて配置する
必要がある。その結果、高さ方向が大きくなり、小型化、薄型化を実現することが困難と
なる。そこで本発明では、コヒーレント光源を端面発光型のレーザダイオードにより構成
し、光検出手段を導波路型受光素子により構成する。これにより、光学系の薄型化を容易
に実現することができる。

0013

[適用例5]前記ガスセルコンポーネントを基板の一方の面に配置し、前記コヒーレン
ト光源、及び光検出手段を該基板の他方の面に配置し、前記コヒーレント光源から出射し
た共鳴光が前記基板に設けた開口部から前記ガスセルコンポーネントに入射し、該ガス
ルコンポーネントから出射した光が前記基板に設けた開口部から前記光検出手段に入射す
る構成としたことを特徴とする。

0014

コヒーレント光源、及び光検出手段の発光面又は受光面が上面にあるものを使用する場
合は、コヒーレント光源、及び光検出手段を基板の例えば裏面に配置して、ガスセルコン
ポーネントを基板の表面に配置する。そして、基板に光路となる部分に開口部を設け、そ
の開口部を介して光をガスセルコンポーネントに導く。これにより、ガスセルコンポーネ
ントの温度が基板により遮蔽されて、コヒーレント光源、及び光検出手段の温度管理を容
易にすることができる。

0015

[適用例6]前記コヒーレント光は、レーザ光であることを特徴とする。
普通の光は、いろいろな波長が混ざり位相がランダムな光である。これに対してレーザ
光は波長の単色性が良く、位相の揃った光である。このような光の波長や位相の安定性
尺度としてコヒーレンスが定義されている。コヒーレンスが良い、すなわち波長や位相が
安定な光は量子干渉効果を起こすことができる。その点ではレーザ光は最適である。

0016

[適用例7]前記ガス状の金属原子は、ルビジウム、又はセシウムであることを特徴と
する。

0017

セシウム原子を使えば、精度の高い原子発振器を実現できる。また、ルビジウム原子
手軽に広く普及している。よって、原子発振器の要求性能とコストを考慮して、いずれか
の金属原子を選ぶことができる。

0018

[適用例8]上記構成による光学系を原子発振器に備えたことを特徴とする。
コヒーレント光源として、端面発光型のレーザダイオードを使用することで、光学系を更
に小型化、薄型化することができる。また、面発光型素子VCSELに比べて突然死
いった故障が少なくなるので、信頼性が高い原子発振器を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記
載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限
り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る原子発振器の光学系の要部構成図である。この光学系1
は、波長が異なるコヒーレント光としての2種類の共鳴光を入射したときの量子干渉効果
による光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子発振器100の光学系1であって
、各共鳴光を出射するコヒーレント光源2と、コヒーレント光源2の出射側に配置されガ
ス状の金属原子を封入すると共に、金属原子ガス中に各共鳴光を通過させるガスセル4と
、ガスセル4を通過した光を検出する光検出器(光検出手段)5と、コヒーレント光源2
から出射した各共鳴光をガスセル4に導くと共に、ガスセル4を通過した光を光検出器5
に導く導光部材6、7、13と、光検出器8から検出された信号により、発振周波数を制
御する周波数制御回路12と、コヒーレント光源2、光検出器5、及びガスセル4の温度
を制御する温度制御回路11と、を備え、導光部材は、複数の基板7と2個の板状プリ
ム13、6を備え、2個の板状プリズム13、6の対向面、及び複数の基板7によりガス
セル4のセルユニットを構成する(詳細は後述する)。
また、導光部材とガスセル4とを一体に構成してガスセルコンポーネント3とする。尚
、本発明の主旨は、原子発振器を構成する光学系の構成にあるので、原子発振器の周波数
制御についての詳細な説明は省略する。

0020

即ち、本実施形態の原子発振器100は、レーザ光などのコヒーレント光の量子干渉
利用したものである。この方式は、2つの基底準位が共鳴光を受けて、共通の励起準位
共鳴結合している系において、同時に照射される2つの共鳴光の周波数が正確に基底準位
1と基底準位2のエネルギ差に一致すると、原子は2つの基底準位の重ね合わせの状態に
なり、励起準位3への励起が停止する。CPTはこの原理を利用して、2つの共鳴光の一
方或いは両方の波長を変化させたときに、ガスセルでの光吸収が停止する状態を検出して
利用するものである(詳細は後述する)。
そして、本発明の光学系1は、導光部材を複数の基板7と板状のプリズム13、6によ
り構成し、2個の板状ブリズム13、6の対向面、及び2枚の基板により四面を閉塞され
たギャップの他の二面を閉塞する2枚の基板と、を備え、2個の板状プリズム13、6の
対向面、及び4枚の基板7によりガスセル4のセルユニットを構成するので、セルユニ
トを単独に準備する必要がなくなり、部品コストを低減することができる。

0021

また、本実施形態では、コヒーレント光源2、ガスセルコンポーネント3、及び光検出
器5を予め分割しておき、特に、ガスセルコンポーネント3をガスセル4と導光部材とを
一体にして構成する。これにより、ガスセル4を交換或いはリフレッシュすることが容易
となり、リペアコストを低減することができる。
尚、本実施形態のコヒーレント光は、レーザ光を使用している。レーザ光は波長の単色
性がよく、位相の揃った光である。このような光の波長や位相の安定性の尺度としてコヒ
ーレンスが定義されている。コヒーレンスがよい、すなわち波長や位相が安定な光は量子
干渉効果を起こすことができる。その点でレーザ光は最適である。
また、ガスセル4に使用するガス状の金属原子は、ルビジウム、又はセシウムである。
例えば、1次原子標準器に使われるセシウム原子を使えば、精度の高い原子発振器を実現
できる。また2次標準器で使われるルビジウム原子は手軽に広く普及しているため、これ
を使えば小型で低価格な原子発振器を実現できる。従って、金属原子に何を用いるかは、
使用目的により選択すればよい。なお、本実施例ではルビジウム、セシウムを用いたが、
3準位系を持った原子であればどのような原子であっても構わない。

0022

図2はCPT方式による原子の3準位系を説明する一例である。原子発振器に用いられ
るルビジウムやセシウムの基底準位は、核スピン電子スピン相互作用による超微細構造
により2種類の基底準位に分かれている。これらの基底準位の原子は光を吸収して、より
エネルギーの高い準位へ励起する。
また、図2の様に2つの基底準位が光を受けて、共通の励起準位と共鳴結合している状
態を2光子共鳴と言う。図2において、基底準位1(23)と基底準位2(24)は準位
エネルギが若干異なるため、共鳴光もそれぞれ共鳴光1(20)と共鳴光2(22)と
波長が若干異なる。同時に照射される共鳴光1(20)と共鳴光2(22)の周波数差
波長の差)が正確に基底準位1(23)と基底準位2(24)のエネルギ差に一致すると
図2の系は2つの基底準位の重ね合わせ状態になり、励起準位21への励起が停止する
。CPTはこの原理を利用して、共鳴光1(20)と共鳴光2(22)のどちらかまたは
両方の波長を変化させたときに、ガスセル3での光吸収(つまり励起準位21への転換
が停止する状態を検出、利用する方式である。

0023

図3は本発明の第1の実施形態に係るガスセルコンポーネント3の構成を模式化した図
である。(a)はA視側面図、(b)は上面図、(c)はB視側面図、(d)はC視前面
図である。このガスセルコンポーネント3は、第1の基板33と、第1の基板33の一面
上に一方の非光学面を面接触させた状態で所定のギャップを隔てて対向配置された2個の
板状プリズム32(図1のプリズム13)、35(図1のプリズム6)と、一方の非光学
面と対向する2個の板状プリズム32、35の他方の非光学面上に跨って一面を面接触さ
せた状態で固定された第2の基板31と、2個の板状ブリズム32、35の対向面、及び
第1の基板33及び第2の基板31により四面を閉塞されたギャップの他の二面を閉塞す
る第3の基板30(本実施形態では基板30をプリズムとして構成する)及び第4の基板
34と、を備え、2個の板状プリズム32、35の対向面32b、35b、及び第1の基
板33乃至第4の基板34によりガスセル4のセルユニット37を構成する。
このガスセルコンポーネント3では、共鳴光Aは基板30の反射面30aにより屈折
れて矢印の方向に進んで、プリズム32の反射面32aによりセルユニット37に入射さ
れる。セルユニット37を透過した光は、プリズム35の反射面35aにより矢印の方向
に屈折され、再び基板30の反射面により矢印の方向に屈折されて光Bとしてガスセルコ
ンポーネント3から出射される(詳細は後述する)。なお、4枚の基板のうちの2枚、或
いは3枚を予め一体化しておき、基板点数を減少しておくことは差し支えない。

0024

図4は本発明の第1の実施形態に係るガスセルコンポーネント3を使用した光学系1a
の構成を模式化した図である。この光学系1aは、ガスセルコンポーネント3を基板39
の表面に配置し、コヒーレント光源2、及び光検出器5を基板39の裏面に配置し、コヒ
ーレント光源2から出射した共鳴光2aが基板39に設けた開口部39aからガスセルコ
ンポーネント3に入射し、ガスセルコンポーネント3から出射した光39bが基板39に
設けた開口部39bから光検出器5に入射する構成とした。
また、ガスセルコンポーネント3を加熱するヒータ10をセルユニット37を覆うよう
に配置し、コヒーレント光源2、及び光検出器5が所定の温度になるように、温度管理手
段(例えば、ペルチェ素子等)8、9を備える。これらの温度は温度制御回路11により
制御される。
即ち、コヒーレント光源2、及び光検出器5の発光面又は受光面が上面にある素子を使
用する場合は、コヒーレント光源2、及び光検出器5を基板39の例えば裏面に配置して
、ガスセルコンポーネント3を基板の表面に配置しなければならない。そして、基板39
に光路となる部分に開口部39a、39bを設け、その開口部39a、39bを介して光
をガスセルコンポーネント3に導く。
これにより、ガスセルコンポーネント3の温度が基板39により遮蔽されて、コヒーレ
ント光源2、及び光検出器5の温度管理を容易にすることができる。

0025

図5は本発明の第2の実施形態に係るガスセルコンポーネント3bを使用した光学系1
bの構成を模式化した図である。同じ構成要素には図4と同じ参照番号を付し説明を省略
する。この光学系1bが図4の光学系1aと異なる点は、図4のガスセルコンポーネント
3を基板39上に立て、基板30を透明基板30aにしたことである。
このような構成により、光学系1bの高さは高くなるが、光学パス単純化されると共
に、プリズムの枚数が少なくなるので、ガスセルコンポーネント3のコストを低減するこ
とができる。

0026

図6は本発明の第3の実施形態に係るガスセルコンポーネント3bを使用した光学系1
cの構成を模式化した図である。同じ構成要素には図5と同じ参照番号を付し説明を省略
する。(a)は上面図、(b)はA視側面図である。この光学系1cが図5と異なる点は
、ガスセルコンポーネント3bの長手方向を基板39と平行になるように配置し、コヒー
レント光源2を端面発光型のレーザダイオード40により構成し、光検出器5を導波路型
受光素子41により構成したことである。即ち、レーザダイオードは一般的に発光面を上
に向けてケースに実装される。
また、光検出器5は一般的にフォトダイオードが使用され、同じく受光面を上に向けて
ケースに実装される。従って、レーザダイオードを基板39にそのまま実装すると、光は
上方に発光され、その光をフォトダイオードにより受光するためには、レーザダイオード
と対向させて配置する必要がある。その結果、高さ方向が大きくなり、小型化、薄型化を
実現することが困難となる。
そこで本実施形態では、コヒーレント光源2を端面発光型のレーザダイオード40によ
り構成し、光検出器5を導波路型受光素子41により構成する。これにより、光学系1c
の薄型化を容易に実現することができる。

0027

図7はガスセルコンポーネント3の構成を詳細に説明するために内部を透視した斜視図
である。同じ構成要素には図4と同じ参照番号を付して説明する。このガスセルコンポー
ネント3は、第1の基板33と、第1の基板33の一面上に一方の非光学面を面接触させ
た状態で所定のギャップを隔てて対向配置された2個の板状プリズム32、35と、一方
の非光学面と対向する2個の板状プリズム32、35の他方の非光学面上に跨って一面を
面接触させた状態で固定された第2の基板31と、2個の板状ブリズム32、35の対向
面、及び第1の基板33及び第2の基板31により四面を閉塞されたギャップの他の二面
を閉塞するプリズム30(第3の基板30)及び第4の基板34と、を備え、2個の板状
プリズム32、35の対向面32b、35b、及び第1の基板33乃至第4の基板34に
よりガスセル4のセルユニット37を構成する。
このガスセルコンポーネント3では、コヒーレント光源2から出射した共鳴光38はプ
リズム30のA点から入射して、反射面30aによりB点で屈折して矢印の方向に進み、
プリズム32の反射面32aのC点で屈折してセルユニット37にD点から入射する。セ
ユニット37のE点を透過した光は、プリズム35の反射面35aによりF点で矢印の
方向に屈折し、再びプリズム30の反射面30aのG点により矢印の方向に屈折し、H点
から光39としてガスセルコンポーネント3から出射され光検出器5に入射する。

0028

図8はガスセルコンポーネント3bの構成を詳細に説明するために内部を透視した斜視
図である。同じ構成要素には図4と同じ参照番号を付して説明する。このガスセルコンポ
ーネント3bは、第1の基板33と、第1の基板33の一面上に一方の非光学面を面接触
させた状態で所定のギャップを隔てて対向配置された2個の板状プリズム32、35と、
一方の非光学面と対向する2個の板状プリズム32、35の他方の非光学面上に跨って一
面を面接触させた状態で固定された第2の基板31と、2個の板状ブリズム32、35の
対向面、及び第1の基板33及び第2の基板31により四面を閉塞されたギャップの他の
二面を閉塞する第3の基板30及び第4の基板34と、を備え、2個の板状プリズム32
、35の対向面32b、35b、及び第1の基板33乃至第4の基板34によりガスセル
4のセルユニット37を構成する。
このガスセルコンポーネント3bでは、コヒーレント光源2から出射した共鳴光38は
第3の基板30のA点から入射して、プリズム32の反射面32aのB点で屈折してセル
ユニット37にC点から入射する。セルユニット37のD点を透過した光は、プリズム3
5の反射面35aによりE点で矢印の方向に屈折し、F点から光39としてガスセルコン
ポーネント3から出射され光検出器5に入射する。

図面の簡単な説明

0029

本発明の実施形態に係る原子発振器の光学系の要部構成図である。
CPT方式による原子の3準位系を説明する図である。
本発明の第1の実施形態に係るガスセルコンポーネント3の構成を模式化した図である。
本発明の第1の実施形態に係るガスセルコンポーネント3を使用した光学系1aの構成を模式化した図である。
本発明の第2の実施形態に係るガスセルコンポーネント3bを使用した光学系1bの構成を模式化した図である。
本発明の第3の実施形態に係るガスセルコンポーネント3bを使用した光学系1cの構成を模式化した図である。
ガスセルコンポーネント3の構成を詳細に説明するために内部を透視した斜視図である。
ガスセルコンポーネント3bの構成を詳細に説明するために内部を透視した斜視図である。
従来の光学系の構成を示す図である。

符号の説明

0030

1光学系、2コヒーレント光源、3ガスセルコンポーネント、4ガスセル、5
光検出器、6 、13プリズム、7導光部材、8、9、10温度制御手段、11
温度制御回路、12周波数制御回路、100 原子発振器

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