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技術 高周波インバータ

出願人 国立大学法人東京海洋大学
発明者 畑中義博
出願日 2008年4月18日 (12年8ヶ月経過) 出願番号 2008-109182
公開日 2009年11月5日 (11年1ヶ月経過) 公開番号 2009-261179
状態 特許登録済
技術分野 誘導加熱一般 インバータ装置
主要キーワード 電気的接続図 トリガ周波数 オフ動作状態 電流遅れ 誘導加熱材 トリガ周期 簡易等価回路 直列共振用コンデンサ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

ゲート信号トリガ周波数整数倍周波数を有する出力を得る高周波インバータを提案する。

解決手段

それぞれ給電電流スイッチS1、S3及び共振電流スイッチS2、S4を直列に接続した直列接続回路を有する複数N個の高周波電力変換回路2A、2Bを直流電源Edに並列に接続すると共に各高周波電力変換回路2A,2Bの共振電流スイッチS2、S4を負荷3を含む共振回路4に接続し、すべての高周波電力変換回路2A、2Bの給電電流スイッチS1、S3及び共振電流スイッチS2、S4を順次オン動作させて行くことにより、N周波分の正弦波波形を有する出力電流i0を負荷3に流す高周波インバータ1を実現できる。

概要

背景

誘導加熱を用いた加熱手段として、高周波インバータを用いたものが提案されている(特許文献1参照)。
特願2004−236446・国際公開2006/018912公報

この種の高周波インバータは、スイッチ素子としてiGBT(insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)や、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物電界効果トランジスタ)でなる半導体スイッチング素子を用いて、これを高周波ゲート信号によってスイッチ動作させることにより誘導加熱コイルとしてのワークコイル高周波電流を流し、これにより誘導加熱材料に渦電流誘導させるような構成を有する。

かくして加熱負荷に生ずる電磁誘導加熱により発生する熱は、次式

のように、誘導加熱材料の電気抵抗に比例する大きさのジュール熱である。

ここで、誘導加熱コイルに供給される誘導加熱電力Pは

のように、誘導加熱コイルに流れる電流周波数fの平方根に比例する値になる。

概要

ゲート信号トリガ周波数整数倍の周波数を有する出力を得る高周波インバータを提案する。それぞれ給電電流スイッチS1、S3及び共振電流スイッチS2、S4を直列に接続した直列接続回路を有する複数N個の高周波電力変換回路2A、2Bを直流電源Edに並列に接続すると共に各高周波電力変換回路2A,2Bの共振電流スイッチS2、S4を負荷3を含む共振回路4に接続し、すべての高周波電力変換回路2A、2Bの給電電流スイッチS1、S3及び共振電流スイッチS2、S4を順次オン動作させて行くことにより、N周波分の正弦波波形を有する出力電流i0を負荷3に流す高周波インバータ1を実現できる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

それぞれ、給電電流スイッチ及び共振電流スイッチ直列に接続した直列接続回路を有し、当該直列接続回路を互いに並列に接続して直流電源に並列に接続すると共に、上記給電電流スイッチ及び上記共振電流スイッチに並列に逆並列ダイオードを接続してなる複数N個の高周波電流変換回路と、負荷抵抗負荷インダクタ及び共振用コンデンサを有する共振回路とを具え、上記複数N個の高周波電流変換回路の上記給電電流スイッチ及び上記共振電流スイッチの接続中点を互いに接続すると共に、当該接続中点に対して上記共振回路を上記共振電流スイッチと並列になるように接続し、上記複数N個の高周波電流変換回路の上記給電電流スイッチ及び上記共振電流スイッチを通じて順次上記共振回路に対する上記直流電源からの給電電流及び上記共振回路からの共振電流を順次交互に流すことにより、上記給電電流スイッチ及び上記共振電流スイッチのトリガ周波数のN倍の周波数出力電流を上記共振回路に流すことを特徴とする高周波インバータ

請求項2

上記共振回路と並列にゼロ電圧スイッチングコンデンサを接続したことを特徴とする請求項1に記載の高周波インバータ。

請求項3

上記直流電源と直列にゼロ電流スイッチングインダクタを接続したことを特徴とする請求項1に記載の高周波インバータ。

技術分野

0001

本発明は高周波インバータに関し、例えば加熱負荷誘導加熱する場合に適用し得るものである。

背景技術

0002

誘導加熱を用いた加熱手段として、高周波インバータを用いたものが提案されている(特許文献1参照)。
特願2004−236446・国際公開2006/018912公報

0003

この種の高周波インバータは、スイッチ素子としてiGBT(insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)や、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物電界効果トランジスタ)でなる半導体スイッチング素子を用いて、これを高周波ゲート信号によってスイッチ動作させることにより誘導加熱コイルとしてのワークコイル高周波電流を流し、これにより誘導加熱材料に渦電流誘導させるような構成を有する。

0004

かくして加熱負荷に生ずる電磁誘導加熱により発生する熱は、次式

0005

0006

のように、誘導加熱材料の電気抵抗に比例する大きさのジュール熱である。

0007

ここで、誘導加熱コイルに供給される誘導加熱電力Pは

0008

0009

のように、誘導加熱コイルに流れる電流周波数fの平方根に比例する値になる。

発明が解決しようとする課題

0010

ところで、誘導加熱材料が非磁性体(銅、SUS316、SUS304)や、アルミニウムなどの場合は、抵抗率が非常に小さいため、(1)式において誘導加熱材料の電気抵抗の大きさが小さくなるので、(2)式の誘導加熱電力Pを大きくすることにより加熱源としての性能を高めるためには、誘導加熱コイル電流の周波数fを大きくすることが望ましい。

0011

実際上、銅やアルミニウムを誘導加熱する場合には、当該誘導加熱コイル電流の周波数fを60〜100〔kHz〕程度に高周波化する必要がある。

0012

これに対して、スイッチ素子としてiGBTを用いようとすれば、そのゲートトリガ周波数限界は40〜50〔kHz〕程度であるため、インバータの出力である誘導加熱コイル電流の周波数fをiGBTのゲートトリガ周波数限界より高周波化する必要がある。

0013

本発明は以上の点を考慮してなされたもので、スイッチ素子のゲートトリガ周波数限界の整数倍の周波数を有する誘導加熱コイル電流を送出し得る高周波インバータを提案しようとするものである。

課題を解決するための手段

0014

かかる課題を解決するため本発明においては、それぞれ、給電電流スイッチS1、S3、S5及び共振電流スイッチS2、S4、S6を直列に接続した直列接続回路を有し、当該直列接続回路を互いに並列に接続して直流電源Edに並列に接続すると共に、給電電流スイッチS1、S3、S5及び共振電流スイッチS2、S4、S6に並列に逆並列ダイオードD1〜D6を接続してなる複数N個の高周波電力変換回路2A、2B、2Cと、負荷抵抗R0、負荷インダクタL0及び共振用コンデンサCsを有する共振回路4とを具え、複数N個の高周波電力変換回路2A、2B、2Cの給電電流スイッチS1、S3、S5及び共振電流スイッチS2、S4、S6の接続中点を互いに接続すると共に、当該接続中点に対して共振回路4を共振電流スイッチS2、S4、S6と並列になるように接続し、複数N個の高周波電力変換回路2A、2B、2Cの給電電流スイッチS1、S3、S5上記共振電流スイッチS2、S4、S6を通じて順次共振回路4に対する直流電源Edからの給電電流及び共振回路4からの共振電流を順次交互に流すことにより、給電電流スイッチS1、S3、S5及び共振電流スイッチS2、S4、S6のトリガ周波数のN倍の周波数の出力電流i0を共振回路4に流すようにする。

発明の効果

0015

本発明によれば、それぞれ給電電流スイッチ及び共振電流スイッチを直列に接続した直列接続回路を有する複数N個の高周波電力変換回路を直流電源に並列に接続すると共に各高周波電力変換回路の共振電流スイッチを負荷を含む共振回路に接続し、すべての高周波電力変換回路の給電電流スイッチ及び共振電流スイッチを順次オン動作させて行くことにより、N周波分の正弦波波形を有する出力電流を負荷に流すことができる高周波インバータを実現できる。

発明を実施するための最良の形態

0016

下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。

0017

(1)倍周波高周波インバータの基本回路
図1において、1は全体として倍周波高周波インバータを示し、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bを有する。

0018

第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bは、それぞれiGBTでなりかつ互いに直列接続されている一対のスイッチ素子すなわち給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2並びに給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4を有する。

0019

給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2で構成された直列回路と、給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4で構成された直列回路は互いに並列に接続されると共に、この2つの並列接続回路が直流電源Ed(その電源電圧をEd〔V〕とする)に並列に接続されている。

0020

第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2の接続中点は、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4の接続中点に接続され、これにより2系統の給電電流スイッチS1及びS3が互いに並列に接続されると共に、2系統の共振電流スイッチS2及びS4が互いに並列に接続される。

0021

共振電流スイッチS2及びS4の並列回路には、並列に、加熱負荷3を構成する負荷抵抗R0及び負荷インダクタL0の直列回路に直列共振用コンデンサCsを直列に接続してなる直列共振回路4が接続されている。

0022

これにより給電電流スイッチS1又はS3がオン動作したときこれを通って直流電源Edから流れる電流i1又はi3が直列共振回路4に負荷電流i0(これを出力電流と呼ぶ)として給電される。

0023

また共振電流スイッチS2又はS4がオン動作したときこれを通って、直列共振回路4から共振電流として放出される負荷電流i0が、電流i2又はi4として、流れる。

0024

給電電流スイッチS1及びS3には、並列に、逆並列ダイオードD1及びD3が接続され、これにより直列共振回路4から共振電流スイッチS2又はS4を通って共振電流が放出されている状態において当該共振電流スイッチS2又はS4が強制的にターンオフ動作したとき、直列共振回路4がその共振動作により同じ方向に流そうとする共振電流(これを連続電流という)を、逆並列ダイオードD1及びD3を通して電流i1及びi3として流すようになされている。

0025

さらに共振電流スイッチS2及びS4には、並列に、逆並列ダイオードD2及びD4が接続され、これにより直列共振回路4に給電電流スイッチS1又はS3を通じて直流電源Edから給電電流が給電されている状態において当該給電電流スイッチS1又はS3が強制的にターンオフ動作したとき、直列共振回路4がその共振動作により同じ方向に流そうとする連続電流を逆並列ダイオードD2及びD4を通して電流i2及びi4として流すようになされている。

0026

図1の実施の形態において、加熱負荷3の負荷抵抗R0及び負荷インダクタL0は、直列共振回路4に負荷電流i0が流れたとき、これが誘導加熱コイルを流れて加熱材料に渦電流を誘導させることによりジュール熱を発生させる現象を表わす簡易等価回路として示したものである。

0027

(2)電流遅れ動作
図1の構成において、倍周波高周波インバータ1は、図2に示すように、時間の経過に従って、第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2をゲート信号GT1及びGT2によってオンオフ制御することによって図2の時点t1〜t2及びt2〜t3の区間において順次高周波電力変換動作を行い、その後の時点t3〜t4及びt4〜t5において第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4をゲート信号GT3及びGT4によってオンオフ制御することによって順次高周波電力変換動作を行う。

0028

かくして時点t1〜t5において、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bによって1サイクル分の高周波電力変換動作を行い、以下続いて当該高周波電力変換サイクルを繰り返す。

0029

図2の場合、次式

0030

0031

のように、給電電流スイッチS1及びS3並びに共振電流スイッチS2及びS4のゲート信号GT1及びGT3並びにGT2及びGT4の周波数ftが、加熱負荷3を含む直列共振回路4の共振周波数frの1/2より大きく、これにより以下の動作モードに従って電流遅れ動作をする。

0032

(2−1)D1・D3複流モード
前回の高周波電力変換サイクルの時点t5(図2)において、倍周波高周波インバータ1は、第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4に対するゲート信号GT4をオフトリガレベル切り換えることにより、時点t1において新たな処理サイクル入り、第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1に対するゲート信号GT1をGT4のオフタイミングと重ならないように、一定のデッドタイムの後にオントリガレベルに切り換える。

0033

このとき、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1(従って給電電流スイッチS3の両端電圧Vs3)が、図2(C1)に示すように、Vs1=Ed〔V〕から0〔V〕になると共に、共振電流スイッチS2の両端電圧Vs2(従って共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4)が、図2(C2)に示すように、Vs2=0〔V〕からEd〔V〕になる。

0034

また、直列共振回路4から第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4に流れていた共振電流i4が強制的にオフになるのに対して直列共振回路4が共振動作に基づいて当該共振電流を同じ方向に流そうとすることにより、倍周波高周波インバータ1は、図3に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD1及びD3−直流電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通し、直列共振回路4において下から上に向う方向(すなわち負荷電流i0として負方向)に連続電流i11及びi31(図2(A1)及び(A3))を流す。

0035

(2−2)S1単流モード
時点t1〜t2の区間において、やがて直列共振回路4から流出する連続電流i11及びi31がゼロになると、逆並列ダイオードD1が導通している間に給電電流スイッチS1のゲート信号GT1がオンとなっていることにより、給電電流スイッチS1が引き続きターンオンして、倍周波高周波インバータ1は、図4に示すように、電源Ed−給電電流スイッチS1−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通って、直列共振回路4に電源Edからの給電電流i1を供給させる。

0036

かくして倍周波高周波インバータ1は、図2(B)に示すように、時点t1において給電電流スイッチS1をハードスイッチングした後、時点t1〜t2の区間において、直列共振回路4に、負方向に流れる連続電流i11及びi31に続いて正方向に流れる給電電流i1によって、正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0を流すと共に、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに給電電流i1に基づく共振エネルギー蓄積させる。

0037

(2−3)D2・D4複流モード
続いて時点t2〜t3の区間に入ると、倍周波高周波インバータ1は、第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1に対するゲート信号GT1をオフトリガレベルに切り換えると共に、共振電流スイッチS2に対するゲート信号GT2をGT1のオフタイミングと重ならないように一定のデッドタイムの後に、オントリガレベルに切り換える。

0038

このとき、共振電流スイッチS2の両端電圧Vs2(従って共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4)は、図2(C2)に示すように、0〔V〕になると共に、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1(従って給電電流スイッチS3の両端電圧Vs3)はEd〔V〕になる。

0039

また、図4の電流ループにおいて給電電流スイッチS1を通って直列共振回路4に給電されていた給電電流i1が強制的にゼロ以外の電流値遮断される(すなわちハードスイッチングされる)ので、直列共振回路4は図5に示すように、当該給電電流i1と同じ方向に連続電流i21及びi41(図2(A2)及び(A4))を流そうとする。

0040

この連続電流i21及びi41は、直列共振回路4−逆並列ダイオードD2及びD4−直列共振回路4の電流ループを通って、直列共振回路4において上から下の方向、すなわち正の負荷電流i0の方向に流れる。

0041

(2−4)S2単流電流モード
時点t2〜t3の区間において、やがて連続電流i21及びi41がゼロになると、逆並列ダイオードD2が導通している間に共振電流スイッチS2のゲート信号がオンとなっていることにより、共振電流スイッチS2が引き続きターンオンして、倍周波高周波インバータ1は、図6に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS2−直列共振回路4の電流ループを通って直列共振回路4から共振電流i2を流す。

0042

かくして時点t2〜t3の区間において、倍周波高周波インバータ1は、図2(B)に示すように、直列共振回路4に、連続電流i21及びi41と、これに続く共振電流i2とによって、正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0を流すと共に、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに蓄積されていた共振エネルギーを放出させる。

0043

(2−5)D3・D1複流電流モード
続いて時点t3〜t4の区間に入ると、倍周波高周波インバータ1は、第1高周波電力変換回路2Aの共振電流スイッチS2に対するゲート信号GT2をオフトリガレベルに切り換えると共に、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3に対するゲート信号GT3をGT2のオフタイミングと重ならないように一定のデッドタイムの後にオントリガレベルに切り換える。

0044

このとき、給電電流スイッチS3の両端電圧Vs3(従って給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1)は、図2(C1)に示すように、0〔V〕になると共に、共振電流スイッチS2の両端電圧Vs2(従って共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4)は、図2(C2)とに示すように、Ed〔V〕になる。

0045

また、直列共振回路4は当該共振電流i2の流れる方向(すなわち負荷電流i0の負方向)に連続電流を流そうとする。

0046

これにより倍周波高周波インバータ1は、図7に示すように、負方向の連続電流i32及びi12(図2(A3)及び(A1))を、直列共振回路4−逆並列ダイオードD3及びD1−電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通って流す。

0047

(2−6)S3単流モード
やがてt3〜t4の区間において、連続電流i32及びi12がゼロになると、逆並列ダイオードD3が導通している間に給電電流スイッチS3のゲート信号がオンとなっていることにより、給電電流スイッチS3が引き続きターンオンして、倍周波高周波インバータ1は、図8に示すように、電源Ed−給電電流スイッチS3−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通って、電源Edから直列共振回路4に対する給電電流i3(図2(A3))を負荷電流i0の正方向に流す。

0048

かくして時点t3〜t4の区間において、直列共振回路4には、直列共振回路4から負方向に流出する連続電流i32及びi12に続いて正方向の給電電流i3が流れることにより、図2(B)に示すように、正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0が流れると共に、負荷インダクタL0及び直列共振コンデンサCsに共振エネルギーを蓄積させる。

0049

(2−7)D4・D2複流モード
やがて時点t4〜t5の区間に入ると、倍周波高周波インバータ1は、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3に対するゲート信号GT3をオフトリガレベルに切り換えると共に、共振電流スイッチS4に対するゲート信号GT4をGT3のオフタイミングと重ならないように、一定のデッドタイムの後にオントリガレベルに切り換える。

0050

このとき、共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4(従って共振電流スイッチS2の両端電圧Vs2)は、図2(C2)に示すように、0〔V〕になると共に、給電電流スイッチS3の両端電圧Vs3(従って給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1)は図2(C1)に示すように、Ed〔V〕になる。

0051

また、直列共振回路4はそれまで正方向に流れていた負荷電流i0の方向に連続電流を流そうとすることにより、倍周波高周波インバータ1は、図9に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD4及びD2−直列共振回路4の電流ループを通って正方向の連続電流i42及びi22(図2(A4)及び(A2))を流す。

0052

(2−8)S4単流モード
時点t4〜t5の区間において、連続電流i42及びi22がゼロになると、逆並列ダイオードD4が導通している間に共振電流スイッチS4のゲート信号がオンとなっていることにより、共振電流スイッチS4が引き続きターンオンして、倍周波高周波インバータ1は、図10に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS4−直列共振回路4の電流ループを通って直列共振回路4から負荷電流i0の負方向の共振電流i4(図2(A4))を流す。

0053

かくして時点t4〜t5において正方向の連続電流i42及びi22に続いて負方向の共振電流i4が流れることにより、直列共振回路4には図2(B)に示すように正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0が流れて、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに共振エネルギーを放出させる。

0054

以上の構成において、倍周波高周波インバータ1は、(2−1)〜(2−8)において上述したように、時点t1〜t5の間にスイッチ素子をハードスイッチング動作させながら、1サイクル分の高周波電力変換動作を実行し、以後当該時点t1〜t5の高周波変換サイクルを繰り返す。

0055

この1サイクル分の高周波電力変換動作において、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bをそれぞれ構成する一対のスイッチ、すなわち給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2並びに給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4をオンオフ動作させるゲート信号GT1及びGT2並びにGT3及びGT4は、負荷電流i0の2周期分に相当するトリガ周期を有する。

0056

かくして、以上の構成によれば、図1の倍周波高周波インバータ1は、スイッチ素子に対するゲート信号のトリガ周波数に対して2倍の周波数を有する負荷電流i0を発生させることができる。

0057

これによりスイッチ素子としての給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2並びに給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4として40〜50〔kHz〕で動作限界を有するスイッチ素子(例えばiGBT)を用いても、その2倍の周波数80〜100〔kHz〕の負荷電流i0を生成できることにより、加熱負荷3を銅やアルミニウムなどのような高導電率材料で構成しても、実用上十分な発熱量の電磁加熱性能をもつ高周波インバータを実現できる。

0058

(3)電流進み動作
上述の図2図10においては、図1の倍周波高周波インバータ1を、(3)式の条件の下で電流遅れ動作をする場合の実施の形態について述べたが、図1の構成の倍周波高周波インバータ1は、次式

0059

0060

のように、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bの給電電流スイッチS1及びS3並びに共振電流スイッチS2及びS4のトリガ周波数ftが、直列共振回路4の共振周波数frの1/2の値より小さい場合には、以下の動作モードで図11に示すようにスイッチ素子をトリガ制御することによって、電流進み動作し、これにより加熱負荷3に対する負荷電流i0の周波数、すなわち出力周波数f0として、スイッチ信号のトリガ周波数の2倍の周波数を有する誘導加熱電流を出力することができる。

0061

(3−1)S1単流モード
倍周波高周波インバータ1は、図11の時点t11〜t12に入ると、前回の高周波電力変換サイクルの時点t15において第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4に対するゲート信号GT4はデッドタイムを考慮してD4の導通期間中に既にオフ動作ベルに切り換えられており、今回の高周波電力変換サイクルの時点t11において第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1のゲート信号GT1をオントリガレベルに切り換える。このとき図12に示すように、電源Ed−給電電流スイッチS1−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通じて、図11(A1)に示すような給電電流i1が、ハードスイッチングによって、直列共振回路4に流れる状態になる。

0062

このとき給電電流スイッチS1及びS3の両端電圧Vs1及びVs3は図11(C1)に示すように、0〔V〕になると共に、共振電流スイッチS2及びS4の両端電圧Vs2及びVs4は図11(C2)に示すように、Ed〔V〕になる。

0063

かくして直列共振回路4は当該給電電流i1によって負荷電流i0を流すと共に、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに共振エネルギーを蓄積する。

0064

(3−2)D1・D3複流モード
やがて直列共振回路4に蓄積されたエネルギーによって、給電電流i1がゼロクロスして流れる方向が反転すると、直列共振回路4から共振電流に基づく連続電流を放出する状態になる。

0065

このとき倍周波高周波インバータ1は、図13に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD1及びD3−電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i11X及びi31X(図11(A1)及び(A3))を流すとともにこの期間中に第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1に対するゲート信号GT1をオフトリガレベルに切り換える。

0066

かくして倍周波高周波インバータ1は、時点t11〜t12において、図11(B)に示すように、直列共振回路4に対して、給電電流i1とこれに続く連続電流i11X及びi31Xとに基づいて正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0を流す。

0067

(3−3)S2単流モード
時点t12〜t13の区間に入ると、倍周波高周波インバータ1は、第1高周波電力変換回路2Aの共振電流スイッチS2に対するゲート信号GT2をオントリガレベルに切り換える。

0068

このとき倍周波高周波インバータ1は、直列共振回路4から逆並列ダイオードD1及びD3に連続電流i11X及びi31Xを放出していた状態から、図14に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS2−直列共振回路4の電流ループを通して、図11(A2)に示すような共振電流i2を流すような状態になる。

0069

また、共振電流スイッチS2及びS4の両端電圧Vs2及びVs4は0〔V〕になる(図11(C2))と共に、給電電流スイッチS1及びS3の両端電圧Vs1及びVs3はEd〔V〕になる(図11(C1))。

0070

(3−4)D2・D4複流モード
やがて直列共振回路4の共振電流i2がゼロクロスすると、倍周波高周波インバータ1は、図15に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD2及びD4−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i21X及びi41X(図11(A2)及び(A4))を流す状態になるとともに、この期間中に第1高周波電力変換回路2Aの共振電流スイッチS2に対するゲート信号GT2をオフトリガレベルに切り換える。

0071

かくして時点t12〜t13の区間において、倍周波高周波インバータ1は、直列共振回路4に対して、図11(B)に示すように、共振電流i2と、連続電流i21X及びi41Xとによって正弦波1/2周期分の負荷電流i0を流す。

0072

(3−5)S3単流モード
時点t13〜t14の区間に入ると、倍周波高周波インバータ1は、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3に対するゲート信号GT3をオントリガレベルに切り換える。

0073

このとき倍周波高周波インバータ1は、図16に示すように、電源Ed−給電電流スイッチS3−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通じて電源Edから給電電流スイッチS3を通して、直列共振回路4に対して、図11(A3)に示すような給電電流i3を流す。

0074

また、給電電流スイッチS3及びS1の両端電圧Vs3及びVs1は0〔V〕になる(図11(C1))と共に、共振電流スイッチS2及びS4の両端電圧Vs2及びVs4はEd〔V〕になる(図11(C2))。

0075

(3−6)D3・D1複流モード
やがて給電電流i3がゼロクロスすると、直列共振回路4は共振電流を放出し始めることにより、倍周波高周波インバータ1は、図17に示すように直列共振回路4−逆並列ダイオードD3及びD1−電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通じて連続電流i32X及びi12X(図11(A3)及び(A1))を流すとともに、この期間中に給電電流スイッチS3に対するゲート信号GT3をオフトリガレベルに切り換える。

0076

かくして倍周波高周波インバータ1は、時点t13〜t14の区間において、給電電流i3と連続電流i32X及びi12Xとによって、図11(B)に示すように、正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0を流す。

0077

(3−7)S4単流モード
時点t14〜t15に入ると、倍周波高周波インバータ1は、第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4に対するゲート信号GT4をオントリガレベルに切り換える。

0078

このとき倍周波高周波インバータ1は、図18に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS4−直列共振回路4の電流ループを通じて直列共振回路4から図11(A4)に示す共振電流i4を流す。

0079

また、共振電流スイッチS4及びS2の両端電圧Vs4及びVs2は0〔V〕になる(図11(C2))と共に、給電電流スイッチS1及びS3の両端電圧Vs1及びVs3はEd〔V〕になる(図11(C1))。

0080

(3−8)D4・D2複流モード
やがて共振電流i4がゼロクロスして直列共振回路4が正方向の連続電流を流す状態になると、倍周波高周波インバータ1は、図19に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD4及びD2−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i42X及びi22X(図11(A4)及び(A2))を流すとともに、この期間中に給電電流スイッチS4に対するゲート信号GT4をオフトリガレベルに切り換える。

0081

かくして、時点t14〜t15において、倍周波高周波インバータ1は、共振電流i4と連続電流i42X及びi22Xとによって、図11(B)に示すように、正弦波波形1/2周期分の負荷電流i0を流す。

0082

以上の構成において、倍周波高周波インバータ1は、(3−1)〜(3−8)について上述した電流モードに従って、各スイッチ素子1サイクル分の高周波電力変換動作を終了し、これにより図11(B)に示すように、2周期分の正弦波波形を有する負荷電流i0を直列共振回路4を構成する加熱負荷2に流すことができ、以下当該高周波電力変換サイクルを繰り返す。

0083

ここで、スイッチ素子を構成する第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bの電流給電スイッチS1及びS3並びに共振電流スイッチS2及びS4を駆動するためのゲート信号GT1及びGT3並びGT2及びGT4のトリガ周期が1周期の間に、2周期分の負荷電流i0を発生することができる。

0084

以上の構成によれば、図1の倍周波高周波インバータ1は、電源進み動作条件の場合においても、負荷電流i0の周波数をトリガ周波数の2倍にできることにより、誘導加熱量を大きくできる。

0085

(4)他の実施の形態
図1の倍周波高周波インバータ1においては、それぞれ給電電流スイッチ及び共振電流スイッチを有する第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bを直列共振回路4に接続すると共に、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bを順次給電電流モード及び連続電流モード並びに共振電流モード及び連続電流モードで動作させることにより、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bにおいてそれぞれ正弦波1周期分の負荷電流i0を形成するようにし、これにより、各スイッチ素子としての給電電流スイッチ及び共振電流スイッチのトリガ周波数の2倍の周波数をもつ出力電流を得るようにした。

0086

これに代え、図20に示すように、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bに加えて、同じように給電電流スイッチS5及び共振電流スイッチS6を有する第3高周波電力変換回路2Cを直列共振回路4に接続することにより3系統の高周波電力変換回路を設ければ、3倍の周波数を有する出力電流を形成し得る3倍周波高周波インバータ1Xを得ることができる。

0087

図20の3倍周波高周波インバータ1Xは、図21の時点t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4及びt4〜t5の区間においては、図2について上述したと同様にして、スイッチ素子をゲート信号GT1、GT2、GT3及びGT4によってオン動作させることにより順次1/2周期分の正弦波波形をもつ負荷電流i0(図21(B))を生成する。

0088

図21の場合、3倍周波高周波インバータ1Xは、これに加えて、時点t5〜t6及びt6〜t7の区間について、第3高周波電力変換回路2Cの給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4をゲート信号GT5及びGT6によってオン動作させることにより、給電電流i5(図21(A5))及び共振電流i6(図21(A6))を発生する。

0089

その際、時点t1〜t2の区間においては直列共振回路4から発生する連続電流i11(図21(A1))、i31(図21(A3))及びi51(図21(A5))を第1、第2及び第3の高周波電力変換回路2A、2B及び2Cの逆並列ダイオードD1、D3及びD5を通して流す。

0090

また時点t2〜t3においては、直列共振回路4から放出される連続電流i21(図21(A2))、i41(図21(A4))及びi61(図21(A6))を第1、第2及び第3高周波電力変換回路2A、2B及び2Cの逆並列ダイオードD2、D4及びD6を通して流す。

0091

さらに、時点t3〜t4の区間においては直列共振回路4から発生する連続電流i12(図21(A1))、i32(図21(A3))及びi52(図21(A5))を第1、第2及び第3の高周波電力変換回路2A、2B及び2Cの逆並列ダイオードD1、D3及びD5を通して流す。

0092

また時点t4〜t5においては、直列共振回路4から放出される連続電流i22(図21(A2))、i42(図21(A4))及びi62(図21(A6))を第1、第2及び第3高周波電力変換回路2A、2B及び2Cの逆並列ダイオードD2、D4及びD6を通して流す。

0093

さらに時点t5〜t6の区間においては直列共振回路4から発生する連続電流i13(図21(A1))、i33(図21(A3))及びi53(図21(A5))を第1、第2及び第3の高周波電力変換回路2A、2B及び2Cの逆並列ダイオードD1、D3及びD5を通して流す。

0094

また時点t6〜t7においては、直列共振回路4から放出される連続電流i23(図21(A2))、i43(図21(A4))及びi63(図21(A6))を第1、第2及び第3高周波電力変換回路2A、2B及び2Cの逆並列ダイオードD2、D4及びD6を通して流す。

0095

図20の3倍周波高周波インバータ1Xによれば、各スイッチ素子1サイクル分の高周波電力変換動作をする時点t1〜t7の区間の間に、3周期分の正弦波波形を有する負荷電流i0を得ることができるが、そのために必要な1つのスイッチ素子に対して必要なトリガ周期は負荷電流i0の3周期分でよく、従って各スイッチ素子に対するトリガ周波数に対して3倍の周波数の負荷電流i0を発生させることができる。

0096

かくして3倍の周波数の負荷電流i0によってさらに大きな発熱量の誘導加熱をなし得る3倍周波高周波インバータ1Xを実現できる。

0097

なお、図20の場合は、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bに対して1系列分の第3高周波電力変換回路2Cを設けた場合について述べたが、これに代え、2系列、3系列、……M系列分の高周波電力変換回路を設ければ、図21について上述したと同様に各高周波電力変換回路のスイッチ素子を順次オン動作させて行くことにより、負荷電流i0として4倍、5倍、……M倍の周波数をもつ負荷電流i0を形成することができる。

0098

かくすれば、さらに一段と大きい発熱量で誘導加熱をすることができる高周波インバータを得ることができる。

0099

(5)倍周波ZVS高周波インバータ
図22は、本発明の実施の形態として、図1の倍周波高周波インバータについて、ft(トリガ周波数)>1/2・fr(直列共振回路の共振周波数)の場合の電流遅れ動作について、これをZVS(Zero Voltage Switching)動作(以下これをゼロ電圧スイッチング動作と呼ぶ)できるようにした倍周波ZVS高周波インバータ11を示す。

0100

図22の倍周波ZVS高周波インバータ11は、図1との対応部分に同一符号を付して示すように、加熱負荷3を含む直列共振回路4と並列に、ZVSコンデンサCpを接続した構成を有する。

0101

図22の倍周波ZVS高周波インバータ11は、以下の電流モードを順次実行することにより、図23に示す時点t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4及びt4〜t5において、給電電流スイッチS1、共振電流スイッチS2、給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4を順次スイッチ制御信号GT1、GT2、GT3及びGT4をトリガ動作レベルに切り換えることにより、給電電流i1(図23(A1))、共振電流i2(図23(A2))、給電電流i3(図23(A3))及び共振電流i4(図23(A4))を直列共振回路4の加熱負荷3に流すことにより、図23(B)に示すように、2周期分の正弦波波形状を有する負荷電流i0を形成する。

0102

(5−1)全スイッチオフモード
図23において、前回の高周波電力変換動作サイクルの時点t4〜t5の区間(図35について後述する)で、倍周波ZVS高周波インバータ11は、第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4を通して直列共振回路4から共振電流i4を流している状態になっており、次式

0103

0104

のように、共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4は0〔V〕であり(図23(C2)、かつこれに並列に接続されているZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpも0〔V〕である。

0105

この状態において、倍周波ZVS高周波インバータ11が、時点t5において共振電流スイッチS4をゲート信号GT4によってオフ動作させる。

0106

このとき共振電流スイッチS4がオフ動作したことにより、当該共振電流スイッチS4を流れていた直列共振回路4の共振電流がZVSコンデンサCpの電圧連続性に基づいて、当該ZVSコンデンサCpに切り換わることにより、図24に示すように、直列共振回路4−ZVSコンデンサCp−直列共振回路4の電流ループを通してZVSコンデンサCpに対する充電電流icpとして流れて、その両端電圧Vcpはゼロからある傾きで入力電圧Edまで上昇して行く。

0107

このとき、共振電流スイッチS4及びS2の両端電圧Vs4及びVs2と、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpは、

0108

0109

のように互いに等しく、またZVSコンデンサCpの充電電流icpは、

0110

0111

であると共に、

0112

0113

のように、給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2を流れる電流i1及びi2は共にゼロである。

0114

ここで、第1高周波電力変換回路2Aについて、次式

0115

0116

のように、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1と共振電流スイッチS2の両端電圧VS2との和が電源Edの両端電圧Edと等しくなる関係が成り立つと共に、上述の(6)式から、

0117

0118

なので、

0119

0120

0121

が成り立つ。

0122

そこで、(12)式の両辺を微分すると、

0123

0124

となり、これに(7)式から

0125

0126

代入すると共に、(10)式から

0127

0128

を代入して整理すると、

0129

0130

の関係が得られる。

0131

かくして、図24の全スイッチオフモードにおいては、(5)式について上述したように、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpが、ゼロからある傾きで電源電圧Edまで上昇するのに対して、(16)式から、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1は、Vs2=Vs4=Vcpの逆の傾きで、電源電圧Ed〔V〕から0〔V〕になる。

0132

このZVSコンデンサCpの充電動作時、すべてのスイッチ素子がオフ動作状態を保持する。

0133

(5−2)D1・D3複流モード
やがて、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcp(=Vs2)が電源Edの電圧Edに達すると、次式

0134

0135

で表わされる給電電流スイッチS1の電圧Vs1が0〔V〕になる。

0136

このとき、直列共振回路4から流れる電流は、共振電流の連続性によりそのまま同じ方向に流れようとすることにより、図25に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD1及びD3−電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i11Y及びi31Y(図23(A1)及び(A3))として流れる。

0137

また、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1は0〔V〕を維持する(図23(C1))と共に、共振電流スイッチS2の両端電圧Vs2はEd〔V〕を維持する(図23(C2))。

0138

(5−3)S1単流モード
図25のD1・D3複流モードにおいて、やがて直列共振回路4からの連続電流連続電流i11Y及びi31Yがゼロになると、逆並列ダイオードD1が導通している間に給電電流スイッチS1のゲート信号GT1がオンとなっていることにより、給電電流スイッチS1が引き続きターンオンして、図26に示すように、電源Ed−給電電流スイッチS1−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通って電源Edからの給電電流i1が流れる。

0139

かくして倍周波ZVS高周波インバータ11は、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1が0〔V〕の状態で連続電流i11Y及びi31Y並びに給電電流i1を流す状態にZVS動作して、連続電流i11Y及びi31Yと電源Edからの給電電流i1とにより負荷抵抗R0に負荷電流i0(図23(B))を流すと共に、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに共振エネルギーを蓄積させる。

0140

(5−4)全スイッチオフモード
やがて倍周波ZVS高周波インバータ11は、時点t2〜t3の区間に入って給電電流スイッチS1のゲート信号GT1をオフトリガ動作状態に切り換えると給電電流スイッチS1をオフ動作させることにより直列共振回路4に流れていた電流i1が遮断される。

0141

このとき、

0142

0143

になった時点で、第1高周波電力変換回路2Aにおいて成り立つ次式、

0144

0145

の関係から、倍周波ZVS高周波インバータ11は、ZVSコンデンサCpの電流の連続性に基づいて、図27に示すように、ZVSコンデンサCp−直列共振回路4−ZVSコンデンサCpの電流ループを通ってZVSコンデンサCpから放電電流icpを流す。

0146

この状態において、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpは放電により電源電圧Ed〔V〕からある傾きで低下して行くと同時に、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1は0〔V〕からある傾きで上昇して行く。

0147

(5−5)D2・D4複流モード
やがて、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1が次式

0148

0149

のように、電源電圧Ed〔V〕になると共に、従ってZVSコンデンサCpの両端電圧Vcp従って共振電流スイッチS2の両端電圧Vs2が

0150

0151

のように、0〔V〕になると、倍周波ZVS高周波インバータ11は、直列共振回路4のインダクタL0の電流の連続性に基づいて同一方向に連続して電流を流すことにより、図28に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD2及びD4−直列共振回路4の電流ループを通って直列共振回路4からの共振電流を連続電流i21Y及びi41Y(図23(A2)及び(A4))として流す。

0152

(5−6)S2単流モード
図28のD2・D4複流モードにおいて、やがて逆並列ダイオードD2及びD4を流れる連続電流i21Y及びi41Yがゼロになると、逆並列ダイオードD2が導通している間に共振電流スイッチS2のゲート信号がオンとなっていることにより、共振電流スイッチS2が引き続きターンオンして、倍周波ZVS高周波インバータ11は、図29に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS2−直列共振回路4の電流ループを通じて直列共振回路4から共振電流i2を流す(図23(A2))。

0153

かくして共振電流スイッチS2は両端電圧Vs2が0〔V〕の状態で連続電流i21Y及びi41Y並びに共振電流i2を流す状態にZVS動作することにより、倍周波ZVS高周波インバータ11は、連続電流i21Y及びi41Yと直列共振回路4を流れる共振電流i2とに基づいて負荷電流i0(図23(B))を流すことによって、共振エネルギーを放出させる。

0154

(5−7)全スイッチオフモード
この状態に続いてやがて時点t3〜t4の区間に入ると、倍周波ZVS高周波インバータ11は、第1高周波電力変換回路A2の共振電流スイッチS2のゲート信号GT2をオフトリガ動作状態に切り換えることにより、図30に示す全スイッチオフモードに移る。

0155

このとき図29において共振電流スイッチS2に電流i2を流していた直列共振回路4は電流i2が遮断されたことにより共振電流の連続性により同一方向に電流を流そうとする。

0156

この状態において次式

0157

0158

のように第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1と、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3の両端電圧Vs3とが等しく、かつ

0159

0160

のように、第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS2の両端電圧がZVSコンデンサCpの両端電圧Vcp及び第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4と等しく、かつ

0161

0162

のように、電源電圧Edが第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1とZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpとの和の値になる状態になる。

0163

かくして直列共振回路4から送出される電流は、図30に示すように、直列共振回路4−ZVSコンデンサCp−直列共振回路4の電流ループを通って流れるZVSコンデンサのCpへの充電電流icpになる。

0164

ここでZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpは図29のS2単流モードから連続であり、かつ電源電圧Edは一定なので、(20)式から給電電流スイッチ1の両端電圧Vs1も連続となる。

0165

かくしてZVSコンデンサCpは直列共振回路4から送出された連続電流によって充電されることにより、ある傾きで増大して行くので、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1(従って給電電流スイッチS3の両端電圧Vs3)は当該ある傾きで減少するのに対して、共振電流スイッチS2及びS4の両端電圧Vs2及びVs4は、(19)式によりZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpと共に0〔V〕からある傾きで上昇して行く。

0166

(5−8)D3・D1複流モード
やがて

0167

0168

のように、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpが電源電圧Ed〔V〕になると共に、

0169

0170

のように、給電電流スイッチS1及びS3の両端電圧が0〔V〕になると、逆並列ダイオードD1およびD3が導通することにより、倍周波ZVS高周波インバータ11は、図31に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD1及びD3−電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通じて直列共振回路4から送出される共振電流である連続電流i32Y及びi12Y(図23(A3)及び(A1))を流す。

0171

(5−9)S3単流モード
やがて直列共振回路4から放出される連続電流i12Y及びi32Yがゼロになると、逆並列ダイオードD3が導通している間に給電電流スイッチS3のゲート信号GT3がオンとなっていることにより、給電電流スイッチS3が引き続きターンオンして、倍周波ZVS高周波インバータ11は、図32に示すように、電源Ed−給電電流スイッチS3−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通って給電電流i3を流す状態に切り換わり図23(A3))、連続電流i32Y及びi12Yと給電電流i3とによって負荷抵抗R0に負荷電流i0(図23(B))を流すと共に、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに共振エネルギーを蓄積する。

0172

このように、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3は、両端電圧Vs3が0〔V〕の状態で、連続電流i32Y及びi12Y並びに給電電流i3を流す状態に切り換わることにより、倍周波ZVS高周波インバータ11はZVS動作することになる。

0173

(5−10)全スイッチオフモード
かくして倍周波ZVS高周波インバータ11は、時点t3〜t4の高周波電力変換動作に続いて時点t4〜t5の区間に入ると、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3のゲート信号GT3をオフトリガ動作させると、図33に示すように、直列共振回路4−ZVSコンデンサCp−直列共振回路4の電流ループを通じて、直列共振回路4の負荷インダクタL0の連続性によりそれまで流れていた電流i3の方向と同じ方向の連続電流を流す。

0174

かくして当該連続電流は、ZVSコンデンサCpに対する放電電流icpとしてこれを放電することにより、

0175

0176

で表わされる、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpは電源Edの両端電圧Ed〔V〕からある傾きで減少していくのに対して、

0177

0178

で表わされる、給電電流スイッチS1及びS3の両端電圧Vs1及びVs3は0〔V〕からある傾きで上昇して行く。

0179

ここで、

0180

0181

のように、給電電流スイッチS1の両端電圧Vs1とZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpとの和の電圧は電源電圧Ed〔V〕になる。

0182

(5−11)D4・D2複流モード
かくしてZVSコンデンサCpの放電が進んで、

0183

0184

のように、ZVSコンデンサCpの両端電圧Vcpが0〔V〕になると共に、

0185

0186

のように、給電電流スイッチS3及びS1の両端電圧Vs3及びVs1が電源電圧Ed〔V〕になると、倍周波ZCS高周波インバータ11は、図34に示すように、逆並列ダイオードD2及びD4が導通することにより、直列共振回路4の負荷インダクタL0の連続性により直列共振回路4から逆並列ダイオードD2及びD4を通って共振電流が連続電流i42Y及びi22Y(図23(A4)及び(A2))として流れる。

0187

(5−12)S4単流モード
やがて直列共振回路4から逆並列ダイオードD2及びD4を流れる連続電流i22Y及びi42Yがゼロになると、逆並列ダイオードD4が導通している間に共振電流スイッチS4のゲート信号がオンとなっていることにより、共振電流スイッチS4が引き続きターンオンして、倍周波ZVS高周波インバータ11は、図35に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS4−直列共振回路4の電流ループを通って直列共振回路4から共振電流i4を放出する。

0188

かくして倍周波ZVS高周波インバータ11は、時点t4〜t5の期間において、共振電流スイッチS4の両端電圧Vs4が0〔V〕の状態で連続電流i42Y及びi22Y並びに共振電流i4を流す状態にZVS動作して、負荷抵抗R0に負荷電流i0(図23(B))を流すと共に、負荷インダクタLD及び直列共振用コンデンサCsの共振エネルギーを放出させる。

0189

かくして上述の電流モード(5−1)〜(5−12)に従って、倍周波ZVS高周波インバータ11は、時点t1〜t5の高周波電力変換動作を終了する。

0190

以上のように、図22図35の構成によれば、スイッチ要素のトリガ周波数に対して2倍の周波数の出力電流i0を得ることができることにより、加熱負荷に対する発熱量を一段と大きくできる高周波インバータを実現するにつき、各スイッチ要素のスイッチング動作時において、すべてのスイッチ要素を一旦オフモードに設定してZVSコンデンサCpの充電・放電動作を利用してZVS動作をすることができるような倍周波ZVS高周波インバータ11を実現できる。

0191

(6)倍周波ZCS高周波インバータ
図36は、本発明の実施の形態として、図1の倍周波インバータについて、ft(トリガ周波数)<1/2・fr(直列共振回路の共振周波数)の場合の電流進み動作について、これをZCS(Zero Current Switching)動作(以下これをゼロ電流スイッチング動作と呼ぶ)できるようにした倍周波ZCS高周波インバータ12を示す。

0192

この倍周波ZCS高周波インバータ12は、図1との対応部分に同一符号を付して示すように、電源Edと、第1及び第2高周波電力変換回路2A及び2Bの給電電流スイッチS1及びS3の接続端との間に、ZCS(Zero Current Switching)態様でスイッチング動作(これを電流ゼロスイッチングと呼ぶ)をさせるZCSインダクタLdを接続した構成を有する。

0193

かくして倍周波ZCS高周波インバータ12は、図1について上述したように、給電電流スイッチS1、共振電流スイッチS2、給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4がその順序で繰り返し切換え動作をすることにより、2倍周波の負荷電流i0を直列共振回路4に流すよう構成されていると共に、スイッチ動作する際に、図37に示すように、各素子に流れる電流すなわち給電電流i1(図37(A1))及びi3(図37(A3))並びに共振電流i2(図37(A2))及びi4(図37(A4))がゼロの状態からある傾きでターンオン(すなわちZCSターンオン)動作をする。

0194

倍周波ZCS高周波インバータ12は、このようなZCSターンオン動作を以下の電流モードに従って実行する。

0195

(6−1)S1・D4・D2重流モード
倍周波ZCS高周波インバータ12は、図37の時点t11において第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1のゲート信号GT1がオントリガ動作すると、図38に示すように、電源Ed−ZCSインダクタLd−給電電流スイッチS1−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通って給電電流スイッチS1の給電電流i1を流す。

0196

この給電電流i1は、ZCSインダクタLdを通って流れることによりその電流連続性に基づいてゼロからある傾きで大きくなって行く。

0197

ところが時点t11においては、前の電力変換動作サイクルに続いて直列共振回路4−逆並列ダイオードD2及びD4−直列共振回路4の電流ループを通って直列共振回路4から連続電流i21Z及びi41Zが流れており(図49)、直列共振回路4に流れる負荷電流i0はこれらの電流が重なる重流電流として流れる。

0198

この重流モードにおける第1高周波電力変換回路2AとZCSインダクタLdとの接続点における電流条件は、次式

0199

0200

0201

の条件が成り立つため、

0202

0203

のように、給電電流スイッチS1を流れる給電電流i1がZCSインダクタLdを流れる電流idと等しくなる。

0204

かくしてターンオン時の給電電流スイッチS1の給電電流i1(図37(A1))は、ZCSインダクタLdを流れる電流idとしてゼロからある傾斜で増大する連続電流と同じ連続電流になるので、給電電流スイッチS1はZCSターンオン動作をすることになる。

0205

(6−2)S1単流モード
やがて逆並列ダイオードD2及びD4を流れる連続電流i21Z及びi41Zがゼロになると、図39に示すように、給電電流スイッチS1の給電電流i1だけが直列共振回路4に流れる状態になり(図37(A1))、これにより倍周波ZCS高周波インバータ12は、給電電流i1によって負荷抵抗R0に負荷電流i0(図37(B))を流すと共に、負荷インダクタンスL0及び直列共振用コンデンサCsに共振エネルギーを蓄積する。

0206

(6−3)D1・D3複流モード
やがて給電電流i1が直列共振回路4の共振電流としてゼロクロスして逆方向に流れ始めると、倍周波ZCS高周波インバータ12は、図40に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD1及びD3—電源Ed—直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i11Z及びi13Z(図37(A1)及び(A3))を流す複流モードになり、かくして時点t11〜t12の区間の高周波電力変換動作を終了する。なお、第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS1のゲート信号GT1は、このD1・D3複流モード期間中にオフトリガ動作状態に切り換える。

0207

かくして倍周波ZCS高周波インバータ12は、時点t11〜t12の区間において、連続電流i21Z及びi41Zと、給電電流i1と、連続電流i11Z及びi31Zとにより、図37(B)に示すように、1/2周期分の正弦波波形を有する負荷電流i0を流す。

0208

(6−4)S2・D1・D3重流モード
図40において逆並列ダイオードD1及びD3に連続電流i11Z及びi13Z(図37(A1)及び(A3))が流れている状態において、倍周波ZCS高周波インバータ12は、時点t12〜t13の区間に入ると、共振電流スイッチS2のゲート信号GT2がオントリガ動作に切り換えて、図41に示すように、逆並列ダイオードD1及びD3を流れる連続電流i11Z及びi31Zに重なるように、直列共振回路4−共振電流スイッチS2−直列共振回路4の電流ループを通って共振電流i2が流れる(図37(A2))。

0209

この重流モードにおいて、給電電流スイッチS1と共振電流スイッチS2との接続点における共振電流i2の条件は、

0210

0211

0212

の関係になるので、

0213

0214

のように、共振電流i2は、ZCSインダクタLdを流れる連続電流idと、負荷電流i0とによって表すことができ、その結果、共振電流i2は連続電流であることになる。

0215

従って共振電流スイッチS2は、共振電流i2がゼロからある傾きで大きくなって行くことにより、ZCSターンオン動作する。

0216

(6−5)S2単流モード
やがて逆並列ダイオードD1及びD3に流れていた連続電流i11Z(図37(A1))及びi31Z(図37(A3))がゼロになると、倍周波ZCS高周波インバータ12は、図42に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS2−直列共振回路4の電流ループを通して直列共振回路4から共振電流スイッチS2に共振電流i2(図37(A2))を流すS2単流モードになる。

0217

かくして直列共振回路4から流れる共振電流i2によって負荷抵抗R0に負荷電流i0が流れると共に、負荷インダクタL0及び直列共振用コンデンサCsに蓄積された共振エネルギーが放出される。

0218

(6−6)D2・D4複流モード
やがて直列共振回路4から放出される共振電流i2がゼロクロスして流れる方向が反転すると、倍周波ZCS高周波インバータ12は、図43に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD2及びD4−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i42Z及びi22Z(図37(A4)及び(A2))を放出するD2・D4複流モードになる。なお、第1高周波電力変換回路2Aの給電電流スイッチS2のゲート信号GT2は、このD2・D4複流モード期間中にオフトリガ動作状態に切り換える。

0219

かくして倍周波ZCS高周波インバータ12は、時点t12〜t13の区間において、連続電流i11Z及びi31Zと、共振電流i2と、連続電流i22Z及びi42Zとにより、図37(B)に示すように、1/2周期分の正弦波波形を有する負荷電流i0を流すことになる。

0220

(6−7)S3・D2・D4重流モード
この状態において倍周波ZCS高周波インバータ12は、やがて時点t13〜t14の区間に入って、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3のゲート信号GT3をオントリガ動作に切り換えて、図44に示すように、電源Ed−ZCSインダクタLd−給電電流スイッチS3−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通って電源Edから直列共振回路4に給電電流i3(図37(A3))を流すS3・D2・D4重流モードに切り換わる。

0221

このときZCSインダクタLdを流れる電流idは、次式、

0222

0223

0224

となることにより、給電電流スイッチS3に流れる電流i3は次式

0225

0226

のように電流idと等しくなる。

0227

ここで電流idはZCSインダクタLdから流れる連続電流であるので、給電電流スイッチS3がゼロからZCSターンオン動作することになる。

0228

(6−8)S3単流モード
S3・D2・D4重流モードにおいて、やがて逆並列ダイオードD2及びD4の連続電流i22Z及びi42Z(図37(A2)及び(A4))がゼロになると、逆並列ダイオードD2及びD4がオフ動作状態になるので、倍周波ZCS高周波インバータ12は、図45に示すように、電源Ed−ZCSインダクタLd−給電電流スイッチS3−直列共振回路4−電源Edの電流ループを通して電源Edから直列共振回路4に給電電流i3だけを流す(図37(A3))S3単流モードになり、これにより負荷抵抗R0に給電電流i3によって負荷電流i0を流すと共に、負荷コイルL0及び直列共振用コンデンサCsに共振エネルギーを蓄積させる。

0229

(6−9)D3・D1複流モード
やがて給電電流i3が直列共振回路4の共振電流としてゼロクロスして流れる方向を反転すると(図37(A3))、給電電流スイッチS3を流れることができなくなる。

0230

このとき倍周波ZCS高周波インバータ12は、図46に示すように、直列共振回路4−給電電流スイッチD1及びD3−ZCSインダクタLd−電源Ed−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i32Z及びi12Z(図37(A3)及び(A1))を流すD3・D1複流モードになる。なお、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS3のゲート信号GT3は、このD3・D1複流モード期間中にオフトリガ動作状態に切り換える。

0231

かくして倍周波ZCS高周波インバータ12は、時点t13〜t14の区間において、連続電流i22Z及びi42Zと、給電電流i3と、連続電流i32Z及びi12Zとにより、図37(B)に示すように、1/2周期分の正弦波波形を有する負荷電流i0を流す。

0232

(6−10)S4・D3・D1重流モード
この状態において、倍周波ZCS高周波インバータ12は、時点t14〜t15の区間に入ると、第2高周波電力変換回路2Bの共振電流スイッチS4のゲート信号GT4をオントリガ動作に切り換えて、図47に示すように、直列共振回路4−共振電流スイッチS4−直列共振回路4の電流ループを通って電流i4をも流すS4・D3・D1重流モードに切り換わる。

0233

この重流モードにおいて、ZCSインダクタLdを流れる電流idについて、

0234

0235

0236

となることにより、共振電流スイッチS4に流れる電流i4は、

0237

0238

のように、共に連続電流であるZCSインダクタLdを流れる電流idと負荷電流i0とによって表すことができる。

0239

これにより共振電流スイッチS4のターンオン時に流れる共振電流i4(図37(A4))はゼロからZCSターンオン動作することになる。

0240

(6−11)S4単流モード
やがて直列共振回路4から逆並列ダイオードD3及びD1を流れる連続電流i32Z及びi12Z(図37(A3)及び(A1))がゼロになると、逆並列ダイオードD1及びD3がオフ動作することにより、倍周波ZCS高周波インバータ12は、図48に示すように、直列共振回路4からの共振電流i4を共振電流スイッチS4を通して流れるS4単流モードになり、これにより負荷抵抗R0に共振電流i4によって負荷電流i0を流すと共に、負荷コイルL0及び直列共振用コンデンサCsに蓄積された共振エネルギーを放出させる。

0241

(6−12)D4・D2複流モード
やがて、直列共振回路4から共振電流スイッチS4に流れる共振電流i4(図37(A4))がゼロクロスすることにより流れる方向が反転すると、倍周波ZCS高周波インバータ12は、図49に示すように、直列共振回路4−逆並列ダイオードD2及びD4−直列共振回路4の電流ループを通って連続電流i41Z及びi21Z(図37(A4)及び(A2))を流すD4・D2複流モードになる。なお、第2高周波電力変換回路2Bの給電電流スイッチS4のゲート信号GT4は、このD4・D2複流モード期間中にオフトリガ動作状態に切り換える。

0242

かくして倍周波ZCS高周波インバータ12は、時点t14〜t15の区間において、連続電流i32Z及びi12Zと、共振電流i4と、連続電流i41Z及びi21Zとにより、図37(B)に示すように、1/2周期分の正弦波波形を有する負荷電流i0を流す。

0243

倍周波ZCS高周波インバータ12は、このD4・D2複流モードにおいて時点t14〜t15の高周波電力変換動作を終了して新たな高周波電力変換サイクルt11〜t15の動作に入る。

0244

上述の(6−1)〜(6−12)の電流モードについて上述したように、倍周波ZCS高周波インバータ12は、第1高周波電力変換回路2A並びに第2高周波電力変換回路2Bをそれぞれ構成する給電電流スイッチS1及び共振電流スイッチS2並びに給電電流スイッチS3及び共振電流スイッチS4を、ゲート信号GT1及びGT2並びにGT3及びGT4によって、その順序で順次切換え動作させることにより、各ゲート信号1周期の間に2周期分の正弦波波形を有する負荷信号i0を得ることができ、これによりトリガ周波数の2倍の周波数を有する負荷電流i0を直列共振回路4の加熱負荷3に出力することができる。

0245

かくするにつき、各スイッチ素子のターンオン時及びターンオフ時において、いずれも各スイッチ素子に流す電流としてZCSインダクタLd及び直列共振回路4から得られる連続電流を流すようにしたことにより、全体としてZCS動作をする倍周波ZCS高周波インバータ12を得ることができる。

0246

(7)他の実施の形態
(7−1)図22図35及び図36図39の実施の形態においては本発明をスイッチ要素のトリガ周波数に対して2倍の周波数を有する負荷電流i0を得る場合について述べたが、本発明はこれに限らず、3倍、4倍……N倍の出力周波数を有する高周波インバータに適用してもよい。

0247

この場合、図20及び図21について上述したと同様に、第1及び第2高周波電流変換回路2A及び2Bに対して並列に第3高周波電力変換回路2C又は第4、第5……第N高周波電力変換回路を設けるようにすればよい。

0248

本発明は、業務用、民生用加熱調理器や、民生用及び工業用誘導加熱高周波焼入れ装置などの高周波加熱装置に適用できる。

図面の簡単な説明

0249

本発明の一実施の形態による倍周波高周波インバータを示す電気的接続図である。
図1の電流遅れ動作の説明に供する各部動作波形図である。
D1・D3複流モードを示す略線図である。
S1単流モードを示す略線図である。
D2・D4複流モードを示す略線図である。
S2単流モードを示す略線図である。
D3・D1複流モードをを示す略線図である。
S3単流モードを示す略線図である。
D4・D2複流モードを示す略線図である。
S4単流モードを示す略線図である。
図1の電流進み動作波形の説明に供する各部動作波形図である。
S1単流モードを示す略線図である。
D1・D3複流モードを示す略線図である。
S2単流モードを示す略線図である。
D2・D4複流モードを示す略線図である。
S3単流モードを示す略線図である。
D3・D1複流モードを示す略線図である。
S4単流モードを示す略線図である。
D4・D2複流モードを示す略線図である。
本発明の他の実施の形態である3倍周波高周波インバータを示す電気的接続図である。
図20の3倍周波(遅れ電流)の場合の動作の説明に供する各部動作波形図である。
本発明の他の実施例として倍周波ZVS高周波インバータを示す電気的接続図である。
図22のZVS電流遅れ動作の説明に供する各部動作波形図である。
全スイッチオフモードを示す略線図である。
D1・D3複流モードを示す略線図である。
S1単流モードを示す略線図である。
全スイッチオフモードを示す略線図である。
D2・D4複流モードを示す略線図である。
S2単流モードを示す略線図である。
全スイッチオフモードを示す略線図である。
D3・D1複流モードを示す略線図である。
S3単流モードを示す略線図である。
全スイッチオフモードを示す略線図である。
D4・D2複流モードを示す略線図である。
S4単流モードを示す略線図である。
本発明の他の実施の形態として倍周波ZCS高周波インバータを示す電気的接続図である。
図36のZCS電流進み動作の説明に供する各部動作波形図である。
S1・D4・D2重流モードを示す略線図である。
S1単流モードを示す略線図である。
D1・D3複流モードを示す略線図である。
S2・D1・D3重流モードを示す略線図である。
S2単流モードを示す略線図である。
D2・D4複流モードを示す略線図である。
S3・D2・D4重流モードを示す略線図である。
S3単流モードを示す略線図である。
D3・D1複流モードを示す略線図である。
S4・D3・D1重流モードを示す略線図である。
S4単流モードを示す略線図である。
D4・D2複流モードを示す略線図である。

符号の説明

0250

1……倍周波高周波インバータ、1X……3倍周波高周波インバータ、2A……第1高周波電力変換回路、2B……第2高周波電力変換回路、3……加熱負荷、4……直列共振回路、11……倍周波ZVS高周波インバータ、12……倍周波ZCS高周波インバータ、S1、S3……給電電流スイッチ、S2、S4……共振電流スイッチ、D1〜D4……逆並列ダイオード、Ed……電源、R0……負荷抵抗、L0……負荷インダクタ、Cs……直列共振用コンデンサ、Ld……ZCSインダクタ。

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