図面 (/)

技術 免疫バランス調節剤

出願人 国立大学法人北海道大学北海道三井化学株式会社
発明者 西村孝司松原浩一
出願日 2008年11月5日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2008-284449
公開日 2009年11月5日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 2009-256310
状態 特許登録済
技術分野 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 山地帯 カラマツ属 山岳地帯 大鋸屑 凝集促進 体積増加 アレルギー体質 強化用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年11月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

本発明は、北海道産カラマツ抽出物の新たな用途を提供することを目的とする。

解決手段

本発明は、北海道産カラマツ(Larix leptolepis)からの溶媒抽出物を含有する免疫バランス調節剤を提供する。本発明の免疫バランス調節剤は、北海道産カラマツの溶媒抽出物という天然成分を有効成分とした、極めて安全性の高い、生体免疫バランスを調節して正常化するという効果を有する組成物である。本発明者らは、北海道産カラマツからの溶媒抽出物をマウス投与することで、タイプ1免疫賦活効果による感染防御抗腫瘍活性に加えて、免疫バランスを調節することにより、過度のタイプ2免疫応答によって生ずるアレルギー疾患改善作用を示すことを見いだし、本発明を完成した。

概要

背景

日本カラマツ(Larix leptolepis)は、Larix kaempferiとも呼ばれる、マツカラマツ属に属する植物である。日本では、主に中部山岳地帯山地帯から亜高山帯、東北海道などの、比較的寒冷な地域における植林樹種として用いられている。

日本カラマツの主な用途は住宅用あるいは家具用の木材である。特に北海道に植林され、生育した北海道産カラマツは、厳寒期を幾度となく過ごすことにより、強度に優れ、また木目が揃った良好な木材という、本州産カラマツにはない特徴を備えている。

一方、日本カラマツ自体或いはその抽出物生理学的用途については、カラマツの樹皮溶媒抽出物を含む美白効果を有する皮膚外用剤に関する発明(特許文献1)、カラマツの抽出成分を含む保湿性及び抗酸化作用を有する化粧料に関する発明(特許文献2)が公開されている程度であり、これまでのところ、注目を集めるには到っていない。
特開平10−25238号公報
特開2006−52197号公報

概要

本発明は、北海道産カラマツの抽出物の新たな用途を提供することを目的とする。 本発明は、北海道産カラマツ(Larix leptolepis)からの溶媒抽出物を含有する免疫バランス調節剤を提供する。本発明の免疫バランス調節剤は、北海道産カラマツの溶媒抽出物という天然成分を有効成分とした、極めて安全性の高い、生体免疫バランスを調節して正常化するという効果を有する組成物である。本発明者らは、北海道産カラマツからの溶媒抽出物をマウス投与することで、タイプ1免疫賦活効果による感染防御抗腫瘍活性に加えて、免疫バランスを調節することにより、過度のタイプ2免疫応答によって生ずるアレルギー疾患改善作用を示すことを見いだし、本発明を完成した。 なし

目的

本発明は、北海道産カラマツの抽出物の新たな用途を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

北海道産カラマツ(Larixleptolepis)からの溶媒抽出物を含有する免疫バランス調節剤

請求項2

感染症用である、請求項1に記載の免疫バランス調節剤。

請求項3

抗腫瘍用である、請求項1に記載の免疫バランス調節剤。

請求項4

Th1系免疫機能強化用である、請求項1に記載の免疫バランス調節剤。

請求項5

TNFα及び又はインターロイキン12産生促進用である、請求項4に記載の免疫バランス調節剤。

請求項6

溶媒が水である、請求項1〜5の何れかに記載の免疫バランス調節剤。

技術分野

0001

本発明は、北海道産カラマツからの溶媒抽出物を含有する免疫バランス調節剤に関する。

背景技術

0002

日本カラマツ(Larix leptolepis)は、Larix kaempferiとも呼ばれる、マツカラマツ属に属する植物である。日本では、主に中部山岳地帯山地帯から亜高山帯、東、北海道などの、比較的寒冷な地域における植林樹種として用いられている。

0003

日本カラマツの主な用途は住宅用あるいは家具用の木材である。特に北海道に植林され、生育した北海道産カラマツは、厳寒期を幾度となく過ごすことにより、強度に優れ、また木目が揃った良好な木材という、本州産カラマツにはない特徴を備えている。

0004

一方、日本カラマツ自体或いはその抽出物生理学的用途については、カラマツの樹皮の溶媒抽出物を含む美白効果を有する皮膚外用剤に関する発明(特許文献1)、カラマツの抽出成分を含む保湿性及び抗酸化作用を有する化粧料に関する発明(特許文献2)が公開されている程度であり、これまでのところ、注目を集めるには到っていない。
特開平10−25238号公報
特開2006−52197号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、北海道産カラマツの抽出物の新たな用途を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、北海道産カラマツからの溶媒抽出物をマウス投与することで、タイプ1免疫賦活効果による感染防御抗腫瘍活性に加えて、免疫バランスを調節することにより、過度のタイプ2免疫応答によって生ずるアレルギー疾患改善作用を示すことを見いだし、下記の各発明を完成した。

0007

(1)北海道産カラマツ(Larix leptolepis)からの溶媒抽出物を含有する免疫バランス調節剤。

0008

(2)抗感染症用である、(1)に記載の免疫バランス調節剤。

0009

(3)抗腫瘍用である、(1)に記載の免疫バランス調節剤。

0010

(4)Th1系免疫機能強化用である、(1)に記載の免疫バランス調節剤。

0011

(5)TNFα及び又はインターロイキン12産生促進用である、(4)に記載の免疫バランス調節剤。

0012

(6)溶媒が水である、(1)〜(5)の何れかに記載の免疫バランス調節剤。

発明の効果

0013

本発明の免疫バランス調節剤は、北海道産カラマツの溶媒抽出物という天然成分を有効成分とした、極めて安全性の高い、生体の免疫バランスを調節して正常化するという効果を有する組成物である。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明は、北海道産カラマツ(Larix leptolepis)からの溶媒抽出物を含有する免疫バランス調節剤である。日本において、カラマツ(日本カラマツ)は、中部山岳地帯の山地帯から亜高山帯、東北、北海道などに生育或いは植林された植物であるが、本発明で使用するカラマツは、北海道に植林され、生育した北海道産カラマツである。

0015

本発明の組成物は、北海道産カラマツからの溶媒抽出物を含む。抽出溶媒としては、水、又はメタノールエタノールなどの低級アルコールプロピレングリコールや1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどの水と混和可能な溶媒などを単独で、あるいは2種以上の混合溶媒を挙げることができる。好ましい抽出溶媒は水、アルコール類、それらの混液であり、水が特に好ましい。かかる溶媒の使用は、抽出時における操作性や安全性に優れるという利点を有する。

0016

溶媒抽出は、北海道産カラマツを大鋸屑程度の適当な大きさに粉砕したものに水を加え、4℃〜50℃、常圧で、好ましくは室温で数分〜数時間撹拌するか、あるいはプレス機を用いて絞り出し抽出を行ってもよい。水は、添加後に北海道産カラマツの粉砕物撹拌できる程度の量又はそれ以上を加えればよい。また抽出液は、さらに濾過し、また濃縮して使用してもよく、スプレードライ或いは凍結乾燥によって乾燥させ、粉末として使用してもよい。

0017

本発明にいう免疫バランス調節、すなわち免疫バランスを調節する作用とは、Th1免疫系機能とTh2免疫系機能の一方、特にTh2系免疫機能が亢進されている状態を解消して、両免疫系機能が調節された状態に導く作用を意味する。なお、本発明にいう免疫バランスの調節は免疫バランスの調整と交換可能に使用される。

0018

一般に、Th1免疫系は、抗原提示細胞である樹状細胞マクロファージからの抗原ペプチド提示IL−12の作用によって誘導されるTh1細胞(Tヘルパー1細胞)が関与する細胞性免疫として理解されている。Th1細胞は、IFN−γなどTh2細胞の分化阻害B細胞成熟阻害を介したIgE抗体の産生を抑制するサイトカインの他に、IL−2やTNF−αなどを産生し、キラーT細胞活性化や樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞の活性を高める働きを有する。一方のTh2免疫系は、抗原提示細胞であるマクロファージからの抗原ペプチドの提示とIL−4の作用によって誘導されるTh2細胞(Tヘルパー2細胞)が関与する液性免疫として理解されている。Th2細胞は、IL−4やIL−13などのB細胞の成熟を介したIgE抗体の産生を増加させるサイトカインの他に、IL−5、IL−6、IL−10を産生する。

0019

Th2細胞から産生されるIL−4、IL−10は、Th1細胞からのIFN−γの産生を抑制するように、互いにその作用を調節し合うことが知られており、またTh2免疫系機能が優性であると細胞性免疫が抑制され、感染症が重症化し易く、またB細胞の成熟を介したIgE抗体産生が増加し、アレルギー体質に陥りやすいと考えられている。従って、Th1免疫系機能とTh2免疫系機能のバランス崩壊、特に行き過ぎたTh2免疫系機能の亢進ないし優性は、必ずしも生体にとって好ましいものとは言えない。

0020

本発明で使用する北海道産カラマツの溶媒抽出物は、マウス個体に対してTNF−αの産生を促進する作用、IL−12の産生を促進する作用、またLPSと同程度のマクロファージ凝集促進作用を示す。従って、本発明の免疫バランス調節剤を、特にTh2系免疫機能が亢進している個体に投与することによって、Th1系免疫機能を強化することができ、その結果、免疫バランスを調節することができる。この様に、本発明で使用する北海道産カラマツの溶媒抽出物は、Th1免疫系機能を強化するTh1免疫系機能強化剤として利用することもでき、またTNF−α産生促進剤、IL−12産生促進剤としても利用することができる。

0021

なお、上記の本発明で使用する北海道産カラマツの溶媒抽出物が示す生理活性は、全く意外なことに、同じマツ科カラマツ属に属する植物である北米産カラマツからの溶媒抽出物では確認することができない。

0022

また、本発明で使用する北海道産カラマツの溶媒抽出物は、Th1系免疫機能を強化することにより、Th2免疫系機能が優位にある状態、例えばアレルギー緩和することができ、あるいは感染症や悪性腫瘍などの細胞性免疫の亢進が求められる疾患の治療に対して有効である。

0023

また、本発明で使用する北海道産カラマツの溶媒抽出物は、これを服用することで、平常時からTh1免疫系機能とTh2免疫系機能のバランスが保つことができ、感染症などの外的異物侵入に対する抵抗性を高め、さらに行き過ぎた免疫応答反応であるアレルギーや自己免疫疾患に対しても、これを緩和する作用を有するものと期待することができる。

0024

具体的には、本発明の免疫バランス調節剤には、ウイルスや細菌等による感染症抗腫瘍、炎症、アトピー性皮膚炎肌荒れ敏感肌花粉症喘息気管支喘息鼻炎蕁麻疹等のアレルギー性疾患などの予防、治療あるいは症状の改善効果を期待することができる。

0025

本発明における北海道産カラマツの溶媒抽出物は、そのまま免疫バランス調節剤として利用できる他、一般的な賦形剤と組み合わせることで組成物とし、さらに皮膚外用剤、内服剤注射剤その他の一般的な剤型に製剤化して使用することも可能である。

0026

組成物あるいは剤型における北海道産カラマツの溶媒抽出物の配合量は特に規定されるものではなく、剤形の種類、品質、期待される効果の程度によって若干異なるが、組成物或いは製剤全量中、乾燥固形分として1%〜99重量%、好ましくは10〜99重量%、更に好ましくは50〜99重量%配合させるのが良い。

0027

上記組成物あるいは各種の剤型は、北海道産カラマツの抽出物の他に、ビタミン生薬抗炎症剤抗ヒスタミン剤その他の医薬を有効成分として必要に応じて配合し、医薬品、医薬部外品の形態としても差し支えない。

0028

また製剤化において使用される賦形剤は、例えば、錠剤カプセル等の経口固形剤水性液剤や懸濁液剤などの内服液剤軟膏貼付剤ローションクリームスプレー、座剤その他の、剤型毎に当業者に広く知られ、また用いられている成分を適宜組み合わせて使用することができる。

0029

本発明の免疫バランス調節剤は、適当な食品素材と組み合わせることで、食品、健康食品或いはサプリメントとして製造し、利用することができる。

0030

以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定的に解釈されるものではない。

0031

<実施例1>
北海道産カラマツの芯材149kg(含水率約45%)の粉砕物に水840Lを加え、180分間浸漬抽出後、スクリュープレスで粉砕物を絞り水抽出液800Lを得た。この水抽出液をMF膜で濾過した後に凍結乾燥して、北海道産カラマツの水抽出物(乾燥)2.8kgを得た。

0032

<比較例>
実施例1の北海道産カラマツを北米産カラマツ(Larix occidentalis)に置き換えた他は、実施例1と同様にして、北米産カラマツの水抽出物(乾燥)2.5kgを得た。

0033

試験例>
(1)TNF−α産生促進作用
C57BL/6マウスより腹腔内細胞を回収し、96穴プレートに1×105cells/ウェルになるように加えた。37℃で5%CO2の条件で3時間インキュベートした後に、非接着性の細胞を除去した。接着性腹腔内細胞に対して、最終濃度0.2mg/mLあるいは2mg/mLで、実施例1で調製した北海道産カラマツの水抽出物(以下、実施例1の抽出物と表す)及び比較例で調製した北米産カラマツの水抽出物(以下、比較例の抽出物と表す)を添加した。37℃で5%CO2の条件で48時間培養した後、無添加の条件(コントロール)とともに、培養上清中に産生されたTNF−αについて、市販のELISAキットを使用して測定した。

0034

その結果、コントロールと比較して、比較例の抽出物を添加した群ではTNF−αレベルの増強は確認されなかったが、実施例1の抽出物を添加した群において、有意なTNF−αの産生促進作用が確認された(図1)。

0035

(2)腹腔滲出細胞(PEC)マクロファージ凝集作用
C57BL/6マウスにチオグリコレート腹腔内投与し、5日後に回収された腹腔滲出細胞(PEC)を、96穴プレートに1×105cells/ウェルになるように加え、37℃で5%CO2の条件で3時間インキュベートした後に、非接着性の細胞を除去した。得られたマクロファージに対して、最終濃度20mg/mLの実施例1の抽出物を添加した。対照群として最終濃度が1μg/mLになるようにリポポリサッカライド(LPS)を添加したものを用意し、48時間後に位相差顕微鏡を用いて、細胞の形態観察を行った。

0036

その結果、無添加群(コントロール)に比べて、実施例1の抽出物を添加した群では著しい細胞の凝集が確認されたが、LPS対照群では確認されなかった(図2)。

0037

(3)脾臓細胞凝集作用
C57BL/6マウスより回収した脾臓細胞を、96穴プレートに5×105cells/ウェルになるように加え、さらに最終濃度20mg/mLの実施例1の抽出物を添加した。対照群として最終濃度が1μg/mLになるようにリポポリサッカライド(LPS)を添加したものを用意した。48時間後に位相差顕微鏡を用いて細胞の形態観察を行った。

0038

その結果、無添加群(コントロール)に比べて、実施例1の抽出物を添加した群において細胞の凝集が確認されたが、LPS対照群ではさらに著しい細胞の凝集が確認された(図3)。

0039

(4)骨髄由来樹状細胞(BMDC)からのIL−12およびTNF−α産生誘導作用
C57BL/6マウスより回収した骨髄細胞を、6穴プレートに1×106cells/ウェルになるように加え、GMCSFの存在下で6日間培養することでCD11c陽性樹状細胞を分化誘導した。誘導されたCD11c陽性樹状細胞に、最終濃度0.5、2、10mg/mLとなるように実施例1の抽出物を添加した。6時間後にBFAを添加し、さらに6時間培養を行った後に細胞を回収した。CD11c陽性樹状細胞からのIL−12およびTNF−α産生について、細胞内染色法を用いたフローサイトメトリーにより評価した。

0040

その結果、無添加群(コントロール)に比べて、実施例1の抽出物を添加した群において、樹状細胞からのIL−12及びTNF−αの産生促進作用が確認された(図4)。

0041

(5)BMDCからのTLR2およびTLR4を介したTNF−α産生誘導作用
野生型、Toll−like receptor2ノックアウト(TLR2KO、株式会社オリエンタバイオサービス)、Toll−like receptor4ノックアウト(TLR4KO、株式会社オリエンタルバイオサービス)及びToll−like receptor9ノックアウト(TLR9KO、株式会社オリエンタルバイオサービス)の各マウス(C57BL/6マウス)よりそれぞれ回収された骨髄細胞を、6穴プレートに1×106cells/ウェルになるように加え、GM−CSFの存在下で6日間培養することでそれぞれのCD11c陽性樹状細胞を分化誘導した。誘導されたCD11c陽性樹状細胞に、最終濃度10mg/mL又は20mg/mLで実施例1の抽出物を添加し、14時間培養を行った後に、培養上清中に産生されたTNF−αレベルをELISA法により評価した。

0042

その結果、野生型に比べて、TLR2KOおよびTLR4KO由来のCD11c陽性樹状細胞を刺激した場合においてTNF−αの産生の減弱が認められ、実施例1の抽出物はBMDCのTLR2およびTLR4分子を介してTNF−αの産生を誘導することが確認された(図5)。

0043

(6)LPSを除去した実施例1の抽出物によるBMDCからのIL−12及びTNF−α産生誘導作用
C57BL/6マウスより回収した骨髄細胞を、6穴プレートに1×106cells/ウェルになるように加え、GM−CSFの存在下で6日間培養することでCD11c陽性樹状細胞を分化誘導した。誘導されたCD11c陽性樹状細胞に、市販のエンドトキシン除去キット(Detoxi−Gel AffinityPak Columnsタカラバイオ株式会社)を用いてLPSを除去した実施例1の抽出物を0.45μmポアサイズ又は0.22μmポアサイズのフィルターでそれぞれ濾過滅菌した後、最終濃度が10mg/mLになるように調製して添加した。24時間培養を行った後に培養上清中に産生されたIL−12およびTNF−αレベルをELISA法によりそれぞれ評価した。

0044

その結果、LPSを除去した実施例1の抽出物を用いてBMDCを刺激した場合においても、IL−12(図6a)及びTNF−α(図6b)の産生が確認された。

0045

(7)LPSを除去した実施例1の抽出物によるBMDCからのIL−12及びTNF−α産生誘導能
C57BL/6マウスより回収した骨髄細胞を、6穴プレートに1×106cells/ウェルになるように加え、GM−CSFの存在下で6日間培養することでCD11c陽性樹状細胞を分化誘導した。誘導されたCD11c陽性樹状細胞を回収し、中にて40分間インキュベートした。その後、FITC標識した実施例1の抽出物を0.1mg/mLになるように添加し、そのまま氷中あるいは37℃でそれぞれ15分間インキュベートした。遊離の状態にあるFITC標識された実施例1の抽出物を洗浄除去した後に、樹状細胞に取り込まれた実施例1の抽出物レベルを、FITCの蛍光強度指標としたフローサイトメトリーによりそれぞれ評価した。

0046

その結果、実施例1の抽出物はBMDCに直接取り込まれることが確認された(図7)。

0047

(8)抗原特異的細胞傷害性T細胞の誘導
C57BL/6マウスに卵白アルブミン(OVA)蛋白質を200μg/マウスで単独投与した群、OVAに加えて実施例1の抽出物5mg/マウスを投与した群、OVAに加えてBMDC5×105cells/マウスを投与した群、OVAと実施例1の抽出物とBMDCを全て前記の量で投与した群を用意した。投与はマウスフットパット皮内注射により行った。投与7日後、更に同様の条件で繰り返し投与を行った。繰り返し投与から5日後に、投与したフットパット近傍の所属リンパ節を回収し、OVAペプチド抗原と結合できるT細胞受容体を持つCD8+T細胞(OVA抗原特異的細胞傷害活性T細胞)の誘導能を、FACS解析により評価した。

0048

その結果、OVA単独投与に比べて、実施例1の抽出物を併用することにより、抗原特異的細胞傷害活性T細胞の効率的な誘導が確認された。さらにBMDCとの併用投与においても、実施例1の抽出物を用いることにより、抗原特異的細胞傷害活性T細胞の効率的な誘導が確認された(図8)。

0049

(9)免疫賦活作用による抗腫瘍活性
OVAを仮想腫瘍抗原として産生する癌細胞(EG7)2×106cellsをC57BL/6マウスに皮内接種後、5日目、8日目及び11日目にそれぞれOVA200μg、5×105cellsのBMDC及び実施例1の抽出物10mg/マウス又は20mg/マウスを、腫瘍の所属リンパ節近傍に皮内投与した。何も処置を行わないマウスをコントロールとし、形成される癌組織体積を癌細胞の皮内接種後5日目〜21日目まで計測した。

0050

その結果、実施例1の北海道産カラマツの抽出物を投与した群において、コントロールと比べて癌組織の体積増加が著しく抑制されることが確認された(図9)。

0051

(10)免疫賦活作用による抗腫瘍活性
OVAを仮想腫瘍抗原として産生する癌細胞(EG7)2×106cellsをC57BL/6マウスに皮内接種後、5日目、8日目及び11日目に、OVA200μgと2×106cellsのBMDC、2×106cellsのBMDCと実施例1の抽出物20mg/マウス、OVA200μgと実施例1の抽出物20mg/マウス、又はOVA200μgと実施例1の抽出物20mg/マウスと2×106cellsのBMDCを、それぞれ腫瘍の所属リンパ節近傍に皮下投与した。何も処置を行わないマウスをコントロールとし、形成される癌組織の体積を癌細胞の皮内接種後5日目〜27日目まで計測した。

0052

その結果、OVAとBMDCと実施例1の北海道産カラマツの抽出物とを投与した群において、コントロール又はその他の群と比べて癌組織の体積増加が著しく抑制されることが確認された(図10図11)。

図面の簡単な説明

0053

実施例1の抽出物のTNF−α産生促進作用を示すグラフである。縦軸はTNF−α産生量を表す。
実施例1の抽出物の腹腔滲出細胞(PEC)マクロファージ凝集作用を示す写真である。図中、左上はコントロール、中上は実施例1の抽出物、右上はLPS(対照群)であり、それぞれの下の写真は上の写真の倍率を変えたものである。
実施例1の抽出物の脾臓細胞凝集作用を示す写真である。図中、左上はコントロール、中上は実施例1の抽出物、右上はLPS(対照群)であり、それぞれの下の写真は上の写真の倍率を変えたものである。
実施例1の抽出物の骨髄由来樹状細胞(BMDC)に対するIL−12およびTNF−α産生誘導作用をフローサイトメトリーで測定した結果を示すグラフである。
実施例1の抽出物がBMDCのTLR2およびTLR4分子を介してTNF−αを産生誘導することを示すグラフである。
LPSを除去した実施例1の抽出物による、BMDCからのIL−12産生誘導作用を示すグラフである。
LPSを除去した実施例1の抽出物による、BMDCからのTNF−α産生誘導作用を示すグラフである。
FITC標識された実施例1の抽出物が樹状細胞に取り込まれたことを表した、FITCの蛍光強度を指標としたフローサイトメトリー測定の結果を示すグラフである。グラフ上が氷中インキュベーション、グラフ下が37℃インキュベーションである。
実施例1の抽出物の抗原特異的細胞傷害性T細胞の誘導作用を表した、FACS解析の結果を示すグラフである。
実施例1の抽出物の投与により、癌細胞移植マウスでの癌組織の体積増加が抑制されることを示すグラフである。
OVA、BMDC及び実施例1の抽出物の投与により、癌細胞移植マウスでの癌組織の体積増加が抑制されることを示すグラフである。
OVA、BMDC、実施例1の抽出物を投与した癌細胞移植マウスの癌組織(癌細胞移植後21日目)の様子を示す写真である。写真は左からコントロール(無処置群)、BMDCと実施例1の抽出物、BMDCとOVA、OVAと実施例1の抽出物、BMDCとOVAと実施例1の抽出物をそれぞれ投与したマウスの癌組織である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 武田薬品工業株式会社の「 複素環化合物およびその用途」が 公開されました。( 2019/10/03)

    【課題】オレキシン2型受容体作動活性を有する複素環化合物を提供すること。【解決手段】式(I):[式中、各記号は明細書記載のとおりである。]で表される化合物またはその塩は、オレキシン2型受容体作動活性を... 詳細

  • ファイザー・インクの「 ピリドピリミジノンCDK2/4/6阻害剤」が 公開されました。( 2019/10/03)

    【課題・解決手段】本発明は、一般式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩[式中、R1、R2、R2A、R2B、R3、R4、R5A、R5B、R6、R7、R8、R9、p、qおよびrは、本明細書で定義さ... 詳細

  • 不二製油株式会社の「 アスコルビン酸製剤」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】 本発明は、簡易な方法で調製が可能で、異味が少なく、着色も抑制された、アスコルビン酸製剤を提供することを課題とする。【解決手段】 油中水型の乳化物であって、水相のpHが4以上であり、水相の... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ