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技術 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法

出願人 ダブリュディ・メディア・シンガポール・プライベートリミテッド
発明者 尾上貴弘
出願日 2008年3月26日 (12年9ヶ月経過) 出願番号 2008-082251
公開日 2009年10月15日 (11年2ヶ月経過) 公開番号 2009-238299
状態 拒絶査定
技術分野 磁気記録媒体の製造 磁気記録担体
主要キーワード 平均中心間距離 Ruイオン 低ノイズ性 組成分離 ノイズ増加 粒径分散 平均粒子間距離 ディスク基体
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この項目の情報は公開日時点(2009年10月15日)のものです。
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課題

本発明は、第1磁気記録層結晶粒子の間隔を工夫することで、連続層としての機能をも備えさせた連続層を備える垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。

解決手段

本発明にかかる垂直磁気記録媒体100は、第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bは柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部を形成したグラニュラー構造強磁性層であり、第1磁気記録層122aにおいて結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定められる粒子間距離は1nm以下であることを特徴としている。

概要

背景

近年の情報処理大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDD面記録密度年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚あたり160GBを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり250GBitを超える情報記録密度を実現することが求められる。

HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するために、近年、垂直磁気記録方式の磁気ディスク(垂直磁気記録ディスク)が提案されている。従来の面内磁気記録方式磁気記録層磁化容易軸基体面の平面方向に配向されていたが、垂直磁気記録方式は磁化容易軸が基体面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、高密度記録時に、より熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。

従来、磁気記録層としては、グラニュラー構造を有するCoCrPt−SiO2やCoCrPt−TiO2が広く用いられている。Coはhcp構造六方最密結晶格子)の結晶が柱状に成長し、CrおよびSiO2(またはTiO2)が偏析して非磁性粒界を形成する。かかるグラニュラー構造を用いることにより、物理的に独立した微細磁性粒子を形成しやすく、高記録密度を達成しやすい。

上記垂直記録方式においては、単磁極垂直ヘッドが用いられ磁気記録層に対して垂直方向の磁界を生じさせている。しかし、単に単磁極型垂直ヘッドを用いるのみでは、単磁極端部を出た磁束が直ぐに反対側のリターン磁極に戻ろうとするため十分な強度の磁界を磁気記録層に印加することができない。そこで、垂直磁気記録ディスクの磁気記録層の下に軟磁性層を設け、軟磁性層に磁束の通り道(磁路)を形成することで磁気記録層に垂直方向の強い磁界を印加することが可能となる。すなわち軟磁性層は、書き込むときの磁場によって磁化方向が整列し、動的に磁路を形成する層である。

しかし磁気記録層に強い磁界を印加すると、隣接トラックへの漏れ磁場も大きくなることから、WATE(Wide Area Track Erasure)、すなわち、書込みの対象となるトラックを中心に数μmにわたって記録情報消失する現象が問題となる。WATEを低減させる手法として、磁気記録層の逆磁区核形成磁界Hnを負とし、さらにその絶対値を大きくすることが重要といわれている。高い(絶対値の大きい)Hnを得るために、グラニュラー構造を有する磁気記録層の上方又は下方に高い垂直磁気方性を示す薄膜連続層)が形成されたCGC(Coupled Granular Continuous)媒体考案されている(特許文献1)。

また磁気記録層の保磁力Hcを向上させていくと、高記録密度化が達成できる反面、磁気ヘッドによる書き込みが困難になる傾向にある。そこで連続層は、飽和磁化Msを向上させることにより、書き込みやすさ、すなわちオーバーライト特性を向上させる役割も有している。

言い換えれば、磁気記録層の上に連続層を設ける目的は、逆磁区核形成磁界Hnを向上させてノイズを低減し、飽和磁化Msを向上させてオーバーライト特性も向上させることである。なお連続層は補助記録層またはキャップ層とも呼ばれるが、本願では、特に断らない限り、連続層と呼ぶこととする。
特開2003−346315号公報

概要

本発明は、第1磁気記録層の結晶粒子の間隔を工夫することで、連続層としての機能をも備えさせた連続層を備える垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。本発明にかかる垂直磁気記録媒体100は、第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bは柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層であり、第1磁気記録層122aにおいて結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定められる粒子間距離は1nm以下であることを特徴としている。

目的

本発明は、垂直磁気記録媒体に設けられる連続層が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、第1磁気記録層の結晶粒子の間隔を工夫することで、第1磁気記録層に連続層としての機能をも備えさせた垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基体上に少なくとも第1磁気記録層、第2磁気記録層をこの順に備える垂直磁気記録媒体であって、第1磁気記録層および第2磁気記録層は柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部を形成したグラニュラー構造強磁性層であり、前記第1磁気記録層において、前記結晶粒子と隣接する結晶粒子との最短距離の平均により定まる粒子間距離は1nm以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。

請求項2

前記第2磁気記録層において、前記結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定まる粒子間距離は0.5nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項3

前記第1磁気記録層中の前記結晶粒子の平均粒径をAnm、前記第2磁気記録層中の前記結晶粒子の平均粒径をBnmとした場合、A>Bであることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項4

前記第1磁気記録層中の前記結晶粒子の平均粒径と、前記第2磁気記録層中の前記結晶粒子の平均粒径との比が1<A/B<1.2であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項5

前記第1磁気記録層と第2磁気記録層の総厚が15nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項6

前記第1磁気記録層の膜厚は、第2磁気記録層の膜厚の約0.2〜約1倍であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項7

前記第2磁気記録層より基体から遠い側に、基体面方向に磁気的に連続した連続層を備え、前記第1磁気記録層の膜厚は、前記連続層の膜厚の約0.2〜約2倍であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項8

前記第2磁気記録層より基体から遠い側に、基体面方向に磁気的に連続した連続層を備え、前記第2磁気記録層の膜厚は、前記連続層の膜厚の約0.7〜約2倍であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項9

前記第1磁気記録層に含まれる非磁性物質は、SiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数の酸化物を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項10

前記第2磁気記録層に含まれる非磁性物質は、SiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数の酸化物を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直磁気媒体

請求項11

基体上に少なくとも第1磁気記録層、第2磁気記録層をこの順に備える垂直磁気記録媒体の製造方法であって、前記第1磁気記録層として酸素もしくはSiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数の酸化物を含む磁性ターゲットを用いて、ガス圧を約0.5〜約5Pa、電力を約100〜約700Wとすることにより、柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性の粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層を形成し、酸素もしくはSiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数の酸化物を含む磁性ターゲットを用いて、ガス圧を約0.5〜約5Pa、電力を約100〜約1000Wとすることにより、前記第2磁気記録層として柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性の粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層を形成し、前記第1磁気記録層において、前記結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定まる粒子間距離は1nm以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、垂直磁気記録方式のHDDハードディスクドライブ)などに搭載される垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年の情報処理大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDDの面記録密度年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚あたり160GBを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり250GBitを超える情報記録密度を実現することが求められる。

0003

HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するために、近年、垂直磁気記録方式の磁気ディスク(垂直磁気記録ディスク)が提案されている。従来の面内磁気記録方式磁気記録層磁化容易軸基体面の平面方向に配向されていたが、垂直磁気記録方式は磁化容易軸が基体面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、高密度記録時に、より熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。

0004

従来、磁気記録層としては、グラニュラー構造を有するCoCrPt−SiO2やCoCrPt−TiO2が広く用いられている。Coはhcp構造六方最密結晶格子)の結晶が柱状に成長し、CrおよびSiO2(またはTiO2)が偏析して非磁性粒界を形成する。かかるグラニュラー構造を用いることにより、物理的に独立した微細磁性粒子を形成しやすく、高記録密度を達成しやすい。

0005

上記垂直記録方式においては、単磁極垂直ヘッドが用いられ磁気記録層に対して垂直方向の磁界を生じさせている。しかし、単に単磁極型垂直ヘッドを用いるのみでは、単磁極端部を出た磁束が直ぐに反対側のリターン磁極に戻ろうとするため十分な強度の磁界を磁気記録層に印加することができない。そこで、垂直磁気記録ディスクの磁気記録層の下に軟磁性層を設け、軟磁性層に磁束の通り道(磁路)を形成することで磁気記録層に垂直方向の強い磁界を印加することが可能となる。すなわち軟磁性層は、書き込むときの磁場によって磁化方向が整列し、動的に磁路を形成する層である。

0006

しかし磁気記録層に強い磁界を印加すると、隣接トラックへの漏れ磁場も大きくなることから、WATE(Wide Area Track Erasure)、すなわち、書込みの対象となるトラックを中心に数μmにわたって記録情報消失する現象が問題となる。WATEを低減させる手法として、磁気記録層の逆磁区核形成磁界Hnを負とし、さらにその絶対値を大きくすることが重要といわれている。高い(絶対値の大きい)Hnを得るために、グラニュラー構造を有する磁気記録層の上方又は下方に高い垂直磁気方性を示す薄膜連続層)が形成されたCGC(Coupled Granular Continuous)媒体考案されている(特許文献1)。

0007

また磁気記録層の保磁力Hcを向上させていくと、高記録密度化が達成できる反面、磁気ヘッドによる書き込みが困難になる傾向にある。そこで連続層は、飽和磁化Msを向上させることにより、書き込みやすさ、すなわちオーバーライト特性を向上させる役割も有している。

0008

言い換えれば、磁気記録層の上に連続層を設ける目的は、逆磁区核形成磁界Hnを向上させてノイズを低減し、飽和磁化Msを向上させてオーバーライト特性も向上させることである。なお連続層は補助記録層またはキャップ層とも呼ばれるが、本願では、特に断らない限り、連続層と呼ぶこととする。
特開2003−346315号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、従来技術では、高い飽和磁化Msを有する連続層によりオーバーライト特性を改善できる反面、ノイズの増加を招くこととなる。当該連続層は、媒体の上方に位置することになるため、ノイズ増加に対する影響は大きい。

0010

一般に、垂直磁気記録媒体においては、記録ヘッドからの距離が遠ざかるにつれて、記録磁界強度は著しく減少する。発明者は、従来の連続層の機能を第1磁気記録層にも備えさせることにより、媒体の上方(媒体の表層に近い層)でのヘッド磁界強度と比較して弱いヘッド磁界強度においても理想的な磁化反転を達成させる構成が理想的であると想到するに至った。本発明の構成を用いることにより、より効率的に高いオーバーライト特性を達成でき、かつ、第1磁気記録層は、再生ヘッドから十分に離れた部分に位置しているために、ノイズ増加への寄与も小さい。

0011

本発明は、垂直磁気記録媒体に設けられる連続層が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、第1磁気記録層の結晶粒子の間隔を工夫することで、第1磁気記録層に連続層としての機能をも備えさせた垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために、本発明の発明者らが鋭意検討したところ、第1磁気記録層の結晶粒子の間隔が所定の値を有することで、オーバーライト特性が向上することを見出し、本発明を完成するに到った。

0013

すなわち上記課題を解決するために、本発明にかかる垂直磁気記録媒体の代表的な構成は、基体上に少なくとも第1磁気記録層、第2磁気記録層をこの順に備える垂直磁気記録媒体であって、第1磁気記録層および第2磁気記録層は柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層であり、第1磁気記録層において結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定まる粒子間距離は1nm以下であることを特徴とする。

0014

上記第1磁気記録層の結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒子間距離を1nm以下にする構成により、第1磁気記録層が連続層と同様の機能を有することとなる。したがって、確実に逆磁区核形成磁界Hnの向上、耐熱揺らぎ特性の改善、オーバーライト特性の改善を図ることができる。なお、第1磁気記録層中の結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒子間距離が、1nm以上であると、連続層としての機能を果たさなくなり、オーバーライト特性の向上が見込めなくなる。

0015

上記第2磁気記録層において、結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定まる粒子間距離は0.5nm以上であるとよい。

0016

これにより、最適に高保磁力Hcおよび高SNRを維持することができる。なお、第2磁気記録層中の結晶粒子の粒子間距離が、0.5nm以下であると、グラニュラー構造を保つことができなくなり、SNRが低下する。

0017

第1磁気記録層中の結晶粒子の平均粒径をAnm、第2磁気記録層中の結晶粒子の平均粒径をBnmとした場合、A>Bであってもよい。

0018

これにより、第1磁気記録層において、連続層としての機能を果たしつつオーバーライト特性を向上させ、第2磁気記録層において、最適に高保磁力Hcおよび高SNRを維持することができる。

0019

上記第1磁気記録層中の結晶粒子の平均粒径と、第2磁気記録層中の結晶粒子の平均粒径との比が1<A/B<1.2であるとよい。

0020

これにより、最適にオーバーライト特性を向上させることができる。なお、第1磁気記録層中の結晶粒子の平均粒径と第2磁気記録層中の結晶粒子の平均粒径との比A/Bが1.2よりも大きいと、オーバーライト特性が低下してしまう。

0021

上記第1磁気記録層と第2磁気記録層の総厚が15nm以下であるとよい。

0022

第1磁気記録層の膜厚は5nm以下が好ましく、望ましくは3nm〜4nmである。3nmより小さいと第2磁気記録層の組成分離を促進することができないためであり、4nmより大きいとR/W特性(リードライト特性)が低下するためである。第2磁気記録層の膜厚は5nm以上が好ましく、望ましくは7nm〜15nmである。7nmより小さいと十分な保磁力が得られなくなるためであり、15nmより大きいと高いHnが得られなくなってしまうためである。したがって、高いHnを得るためには、第1磁気記録層と第2磁気記録層の総厚が15nm以下であることが好ましい。

0023

上記第1磁気記録層の膜厚は、第2磁気記録層の膜厚の約0.2〜約1倍であってもよい。上記第2磁気記録層より基体から遠い側に、基体面方向に磁気的に連続した連続層を備え、第1磁気記録層の膜厚は、連続層の膜厚の約0.2〜約2倍であるとよい。上記第2磁気記録層より基体から遠い側に、基体面方向に磁気的に連続した連続層を備え、第2磁気記録層の膜厚は、連続層の膜厚の約0.7〜約2倍であるとよい。

0024

これにより、最適に高SNRを維持しつつ高オーバーライト特性を得ることができる。

0025

上記第1磁気記録層に含まれる非磁性物質は、SiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数を含むとよい。非磁性物質とは、結晶粒子(磁性粒もしくは磁性グレイン)間の交換相互作用が抑制、または、遮断されるように、磁性粒の周囲に粒界部を形成しうる物質であって、コバルト(Co)と固溶しない非磁性物質であればよい。特に、SiO2は磁性粒子の微細化および孤立化(隣接する磁性粒子との分離)を促進し、TiO2は結晶粒子の粒径分散を抑制させる効果がある。またCr2O3は保磁力Hcを増加させることが可能となる。さらに、これらの酸化物複合させて磁気記録層の粒界に偏析させることにより、双方の利益を享受することができる。

0026

上記第2磁気記録層に含まれる非磁性物質は、SiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数を含むとよい。これにより、粒界部を確実に形成し結晶粒子を明確に分離することができる。したがって、SNRを向上させることができる。

0027

上記課題を解決するために、本発明にかかる垂直磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、基体上に少なくとも第1磁気記録層、第2磁気記録層をこの順に備える垂直磁気記録媒体の製造方法であって、第1磁気記録層として酸素もしくはSiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数の酸化物を含む磁性ターゲットを用いて、ガス圧を約0.5〜約5Pa、電力を約100〜約700Wとすることにより、柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性の粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層を形成し、酸素もしくはSiO2、TiO2、Cr2O3、Ta2O5、Nb2O5、B2O3またはZrO2の群から選択された、1または複数の酸化物を含む磁性ターゲットを用いて、ガス圧を約0.5〜約5Pa、電力を約100〜約1000Wとすることにより、第2磁気記録層として柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性の粒界部を形成したグラニュラー構造の強磁性層を形成し、第1磁気記録層において、結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒界部の最短距離の平均により定まる粒子間距離は1nm以下であることを特徴とする。

0028

上述した垂直磁気記録媒体の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該垂直磁気記録媒体の製造方法にも適用可能である。

発明の効果

0029

本発明にかかる垂直磁気記録媒体は、第1磁気記録層の結晶粒子の間隔を工夫することで、第1磁気記録層に連続層としての機能を持たせることができ、SNRおよびオーバーライト特性を適切に向上させることが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0030

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。

0031

(実施形態)
本発明にかかる垂直磁気記録媒体の製造方法の実施形態について説明する。図1は本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100の構成を説明する図である。図1に示す垂直磁気記録媒体100は、基体としてのディスク基体110、付着層112、第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114c、前下地層116、第1下地層118a、第2下地層118b、非磁性グラニュラー層120、第1磁気記録層122a、第2磁気記録層122b、連続層124、媒体保護層126、潤滑層128で構成されている。なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて軟磁性層114を構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bとはあわせて磁気記録層122を構成する。

0032

以下に説明するように、本実施形態に示す垂直磁気記録媒体100は、磁気記録層122の第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bのいずれかまたは両方に複数の種類の酸化物(以下、「複合酸化物」という。)を含有させることにより、非磁性の粒界に複合酸化物を偏析させている。

0033

ディスク基体110は、アモルファスアルミノシリケートガラスをダイレクトプレス円板状に成型したガラスディスクを用いることができる。なおガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラスソーダアルミノケイ酸ガラスアルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラスチェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。このガラスディスクに研削研磨化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体110を得ることができる。

0034

ディスク基体110上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて付着層112から連続層124まで順次成膜を行い、媒体保護層126はCVD法により成膜することができる。この後、潤滑層128をディップコート法により形成することができる。なお、生産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。以下、各層の構成および製造方法について説明する。

0035

付着層112は非晶質の下地層であって、ディスク基体110に接して形成され、この上に成膜される軟磁性層114とディスク基体110との剥離強度を高める機能を備えている。付着層112は、ディスク基体110がアモルファスガラスからなる場合、そのアモルファスガラス表面に対応させる為にアモルファスの合金膜とすることが好ましい。

0036

付着層112としては、例えばCrTi系非晶質層を選択することができる。

0037

軟磁性層114は、垂直磁気記録方式において記録層に垂直方向に磁束を通過させるために、記録時に一時的に磁路を形成する層である。軟磁性層114は第1軟磁性層114aと第2軟磁性層114cの間に非磁性のスペーサ層114bを介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成することができる。これにより軟磁性層114の磁化方向を高い精度で磁路(磁気回路)に沿って整列させることができ、磁化方向の垂直成分が極めて少なくなるため、軟磁性層114から生じるノイズを低減することができる。第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成としては、CoTaZrなどのコバルト系合金、CoCrFeBなどのCo−Fe系合金、[Ni−Fe/Sn]n多層構造のようなNi−Fe系合金などを用いることができる。

0038

前下地層116は非磁性の合金層であり、軟磁性層114を防護する作用と、この上に成膜される下地層118に含まれる六方細密充填構造(hcp構造)の磁化容易軸をディスク垂直方向に配向させる機能を備える。前下地層116は面心立方構造fcc構造)の(111)面、または体心立方構造bcc構造)の(110)面がディスク基体110の主表面と平行となっていることが好ましい。また前下地層116は、これらの結晶構造とアモルファスとが混在した構成としてもよい。前下地層の材質としては、Ni、Cu、Pt、Pd、Zr、Hf、Nb、Taから選択することができる。さらにこれらの金属を主成分とし、Ti、V、Ta、Cr、Mo、Wのいずれか1つ以上の添加元素を含む合金としてもよい。例えばfcc構造としてはNiW、CuW、CuCr、bcc構造としてはTaを好適に選択することができる。

0039

下地層118はhcp構造であって、磁気記録層122のCoのhcp構造の結晶をグラニュラー構造として成長させる作用を有している。したがって、下地層118の結晶配向性が高いほど、すなわち下地層118の結晶の(0001)面がディスク基体110の主表面と平行になっているほど、磁気記録層22の配向性を向上させることができる。下地層の材質としてはRuが代表的であるが、その他に、RuCr、RuCoから選択することができる。Ruはhcp構造をとり、また結晶の格子間隔がCoと近いため、Coを主成分とする磁気記録層を良好に配向させることができる。

0040

下地層118をRuとした場合において、スパッタ時のガス圧を変更することによりRuからなる2層構造とすることができる。具体的には、上層側の第2下地層118bを形成する際に、下層側の第1下地層118aを形成するときよりもArのガス圧を高くする。ガス圧を高くするとスパッタリングされるRuイオンの自由移動距離が短くなるため、成膜速度が遅くなり、結晶分離性を改善することができる。また高圧にすることにより、結晶格子の大きさが小さくなる。Ruの結晶格子の大きさはCoの結晶格子よりも大きいため、Ruの結晶格子を小さくすればCoのそれに近づき、Coのグラニュラー層の結晶配向性をさらに向上させることができる。

0041

非磁性グラニュラー層120は非磁性のグラニュラー層である。下地層118のhcp結晶構造の上に非磁性のグラニュラー層を形成し、この上に第1磁気記録層122aのグラニュラー層を成長させることにより、磁性のグラニュラー層を初期成長の段階(立ち上がり)から分離させる作用を有している。非磁性グラニュラー層120の組成は、Co系合金からなる非磁性の結晶粒子の間に、非磁性物質を偏析させて粒界を形成することにより、グラニュラー構造とすることができる。特にCoCr−SiO2、CoCrRu−SiO2を好適に用いることができ、さらにRuに代えてRh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Au(金)も利用することができる。また非磁性物質とは、磁性粒(磁性グレイン)間の交換相互作用が抑制、または、遮断されるように、磁性粒の周囲に粒界部を形成しうる物質であって、コバルト(Co)と固溶しない非磁性物質であればよい。例えば酸化珪素(SiOx)、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコン(ZrO2)、酸化タンタル(Ta2O5)を例示できる。

0042

磁気記録層122は、Co系合金、Fe系合金、Ni系合金から選択される硬磁性体の磁性粒の周囲に非磁性物質を偏析させて粒界を形成した柱状のグラニュラー構造を有した強磁性層である。この磁性粒は、非磁性グラニュラー層120を設けることにより、そのグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長することができる。本実施形態では組成および膜厚の異なる第1磁気記録層122aと、第2磁気記録層122bとから構成されている。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bは、いずれも非磁性物質としてはSiO2、Cr2O3、TiO2、B2O3、Fe2O3等の酸化物や、BN等の窒化物、B4C3等の炭化物を好適に用いることができる。

0043

また本実施形態では、第1磁気記録層122aにおいて、磁性粒(結晶粒子)と隣接する磁性粒との粒界部の最短距離の平均により定まる粒子間距離は1nm以下としている。第1磁気記録層122aの結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒子間距離を1nm以下にする構成により、第1磁気記録層122aが後述する連続層124と同様の機能を有することとなる。したがって、確実に逆磁区核形成磁界Hnの向上、耐熱揺らぎ特性の改善、オーバーライト特性の改善を図ることができる。なお、第1磁気記録層122a中の結晶粒子と隣接する結晶粒子との粒子間距離が、1nm以上であると、連続層124としての機能を果たさなくなり、オーバーライト特性の向上が見込めなくなる。

0044

さらに本実施形態では、第1磁気記録層122a中の磁性粒(結晶粒子)の平均粒径をAnm、第2磁気記録層122b中の磁性粒(結晶粒子)の平均粒径をBnmとした場合、A>Bとしている。これにより、第1磁気記録層122aにおいて、連続層124としての機能を果たしつつオーバーライト特性を向上させ、第2磁気記録層122bにおいて、最適に高保磁力Hcおよび高SNRを維持することができる。

0045

さらに本実施形態では、第1磁気記録層122aまたは第2磁気記録層122bのいずれかまたは両方において2以上の非磁性物質を複合して用いることもできる。このとき含有する非磁性物質の種類には限定がないが、特にSiO2およびTiO2を含むことが好ましく、次にいずれかに代えて/加えてCr2O3を好適に用いることができる。例えば第1磁気記録層122aは、粒界部に複合酸化物(複数の種類の酸化物)の例としてCr2O3とSiO2を含有し、CoCrPt−Cr2O3−SiO2のhcp結晶構造を形成することができる。また例えば第2磁気記録層122bは、粒界部に複合酸化物の例としてSiO2とTiO2を含有し、CoCrPt−SiO2−TiO2のhcp結晶構造を形成することができる。

0046

連続層124はグラニュラー構造を有する磁気記録層122の上に、面内方向に磁気的に連続した層(連続層とも呼ばれる)である。連続層124を設けることにより磁気記録層122の高密度記録性と低ノイズ性に加えて、逆磁区核形成磁界Hnの向上、耐熱揺らぎ特性の改善、オーバーライト特性の改善を図ることができる。

0047

媒体保護層126は、真空を保ったままカーボンをCVD法により成膜して形成することができる。媒体保護層126は、磁気ヘッドの衝撃から垂直磁気記録層を防護するための保護層である。一般にCVD法によって成膜されたカーボンはスパッタ法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録層を防護することができる。

0048

潤滑層128は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜することができる。PFPEは長い鎖状分子構造を有し、媒体保護層126表面のN原子と高い親和性をもって結合する。この潤滑層128の作用により、垂直磁気記録媒体100の表面に磁気ヘッドが接触しても、媒体保護層126の損傷や欠損を防止することができる。

0049

以上の製造工程により、垂直磁気記録媒体100を得ることができる。以下に、実施例と比較例を用いて本発明の有効性について説明する。

0050

(実施例と評価)
ディスク基体110上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、付着層112から連続層124まで順次成膜を行った。付着層112は、CrTiとした。軟磁性層114は、第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成はFeCoTaZrとし、スペーサ層114bの組成はRuとした。前下地層116の組成はfcc構造のNiW合金とした。下地層118は、第1下地層118aは低圧Ar下でRuを成膜し、第2下地層118bは高圧Ar下でRuを成膜した。非磁性グラニュラー層120の組成は非磁性のCoCr−SiO2とした。磁気記録層122は下記の実施例および比較例の構成で形成した。連続層124の組成はCoCrPtBとした。媒体保護層126はCVD法によりC2H4およびCNを用いて成膜し、潤滑層128はディップコート法によりPFPEを用いて形成した。

0051

本実施例において、連続層124の膜厚を7nmと、第1磁気記録層122aの膜厚を3nmと、第2磁気記録層122bの膜厚を10nmとした。

0052

図2は、磁気記録層122を成膜する際のガス圧とSNRの関係と投入電力とSNRの関係を説明するための説明図であり、特に図2(a)は、連続層124の膜厚を7nm、第1磁気記録層122aの膜厚を3nm、磁性粒の平均粒径を7nmと、平均粒子間距離を0.8nmと固定し第2磁気記録層122bを成膜する際の条件(ガス圧および投入電力)とSNRの関係を示した図であり、図2(b)は、連続層124の膜厚を7nm、第2磁気記録層122bの膜厚を10nm、磁性粒の平均粒径を6nmと、平均粒子間距離を1.2nmと固定し第1磁気記録層122aを成膜する際の条件(ガス圧および投入電力)とSNRの関係を示した図である。なお、いずれの場合においても投入電力と成膜時間の積が一定となるように成膜時間を調整し、膜厚を一定としている。この際、第1磁気記録層122aは、複合酸化物の例としてCr2O3とSiO2を含有させてCoCrPt—Cr2O3—SiO2のhcp結晶構造を形成し、第2磁気記録層122bは、複合酸化物の例としてSiO2とTiO2を含有させてCoCrPt−SiO2−TiO2のhcp結晶構造を形成した。

0053

図2(a)に示すように、第2磁気記録層122bは、ガス圧3Pa、投入電力400Wで成膜を行うと最適なSNRを得ることができる。この際の第2磁気記録層122bの磁性粒の平均粒径および粒子間距離は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)で計測することができ、平均粒径は6.7nmであり、平均粒子間距離は1.4nmであった。

0054

結晶粒子の平均粒径を求める具体例としては、TEMの測定結果における100nm2面積に含まれるすべての結晶粒子を面積を用いて円近似し、円近似した結晶粒子の平均直径を計算することによって結晶粒子の平均粒径を求めることができる。粒子間距離を求める具体例としては、同様にTEMの測定範囲である100nm2において、各結晶粒と粒子に隣接する結晶粒子との最短距離をそれぞれ計測して平均することにより求めることができる。また粒子間距離を求める他の例としては、面積を用いて円近似した結晶粒子の中心間の距離をそれぞれ計測して平均中心間距離を求め、この平均中心間距離から平均直径(半径の2倍)を差し引くことで算出する求めることができる。

0055

図2(b)に示すように、第1磁気記録層122aは、ガス圧2.5Pa、投入電力200Wで成膜を行うと最適なオーバーライト特性を得ることができる。この際の第1磁気記録層122aの磁性粒の平均粒径は、透過型電子顕微鏡で計測することができ、平均粒径は6.3nmであり、平均粒子間距離は0.6nmであった。

0056

以下、磁性粒の平均粒径が7nm、平均粒子間距離が0.7nmである第1磁気記録層122aおよび磁性粒の平均粒径が6.7nm、平均粒子間距離が1.3nmである第2磁気記録層122bすなわち磁性粒の平均粒径が第1磁気記録層122a>第2磁気記録層122bを実施例1とし、磁性粒の平均粒径が6.7nm、平均粒子間距離が1.3nmである第1磁気記録層122aおよび磁性粒の平均粒径が7nm、平均粒子間距離が0.7nmである第2磁気記録層122bすなわち磁性粒の平均粒径が第1磁気記録層122a<第2磁気記録層122bを比較例とする。

0057

図3は、第1磁気記録層122aの磁性粒の平均粒子間距離および第2磁気記録層122bの磁性粒の平均粒子間距離の関係とオーバーライト特性、SNRの関係を説明するための説明図である。

0058

図3に示すように、第1磁気記録層122aに含まれる磁性粒の平均粒子間距離が第2磁気記録層122bに含まれる磁性粒の平均粒子間距離よりも小さい方が、第1磁気記録層122aに含まれる磁性粒の平均粒子間距離が第2磁気記録層122bに含まれる磁性粒の平均粒子間距離よりも小さい場合と比較して、高オーバーライト特性を得ることができる。

0059

また第1磁気記録層122a中の磁性粒の平均粒径が、第2磁気記録層122b中の磁性粒の平均粒径よりも約0.3nm大きいことにより、最適にオーバーライト特性を向上させることができる。なお、比較例に示すように、第1磁気記録層122a中の磁性粒の平均粒径が第2磁気記録層122b中の磁性粒の平均粒径よりも約0.3nm小さいと、オーバーライト特性が低下してしまう。

0060

また第1磁気記録層122a中の磁性粒の平均粒径を、第2磁気記録層122b中の磁性粒の平均粒径よりも約0.3nm大きくすることにより、容易に第1磁気記録層122a中の磁性粒の粒子間距離を1nm以下にすることができ、最適にオーバーライト特性を向上させることができる。なお、第1磁気記録層122a中の磁性粒の粒子間距離が、1nm以上であると、オーバーライト特性の向上が見込めなくなる。

0061

さらに第1磁気記録層122a中の磁性粒の平均粒径を、第2磁気記録層122b中の磁性粒の平均粒径よりも約0.3nm大きくすることにより、容易に第2磁気記録層122b中の磁性粒の粒子間距離を、0.5nm以上にすることができ、最適に高保磁力Hcおよび高SNRを維持することができる。なお、第2磁気記録層122b中の磁性粒の粒子間距離が、0.5nm以下であると、グラニュラー構造を保つことができなくなり、SNRが低下する。

0062

高オーバーライト特性を実現したままSNR向上を目指すために、実施例2では、第1磁気記録層122aを複合酸化物の例としてCr2O3とSiO2を含有させてCoCrPt—Cr2O3—SiO2のhcp結晶構造を形成し、第2磁気記録層122bを複合酸化物(複数の種類の酸化物)の例としてSiO2とTiO2を含有させてCoCrPt−SiO2−TiO2のhcp結晶構造を形成した。

0063

図3に示すように、第2磁気記録層122bをSiO2とTiO2の複合酸化物を含有させて形成することにより、複数の酸化物の特性を得ることができ、磁気記録層122の磁性粒子のさらなる微細化と孤立化を図ることによりノイズを低減し、高オーバーライト特性を維持したままSNRを向上させることができた。

0064

特に、SiO2は磁性粒子の微細化および孤立化を促進し、TiO2は結晶粒子の粒径分散を抑制させる効果がある。そしてこれらの酸化物を複合させて磁気記録層122の粒界に偏析させることにより、双方の利益を享受することができる。

0065

図4は、本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した垂直磁気記録媒体100を説明するための説明図である。

0066

図4に示すように、本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した垂直磁気記録媒体100は、第1磁気記録層122a中の磁性粒(結晶粒子)と隣接する磁性粒(結晶粒子)の粒子間距離は、第2磁気記録層122b中の磁性粒(結晶粒子)と隣接する磁性粒(結晶粒子)の粒子間距離よりも小さくなるように成膜される。したがって、第1磁気記録層122aが連続層124と同様の機能を有することとなる。したがって、確実にオーバーライト特性を向上させることが可能となる。

0067

上記構成によれば、第2磁気記録層を連続層としての機能を持たせることができる。したがって、媒体の上方と比較して弱いヘッド磁界が加えられた場合であっても理想的な磁化反転が達成され、その機能を適切に発揮させることができる。これにより、SNRおよびオーバーライト特性を適切に向上させることが可能となる。

0068

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0069

例えば、上記実施形態および実施例においては、磁気記録層を第1磁気記録層と第2磁気記録層の2層からなると説明した。しかし磁気記録層がさらに3以上の層からなる場合であっても、少なくとも下層の磁気記録層の磁性粒の平均粒径を上層の磁気記録層の磁性粒の平均粒径よりも大きくすることにより、上記と同様に本発明の利益を得ることができる。

0070

本発明は、垂直磁気記録方式のHDDなどに搭載される垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法として利用可能である。

図面の簡単な説明

0071

実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。
磁気記録層を成膜する際のガス圧とSNRの関係と投入電力とSNR特性の関係を説明するための説明図である。
第1磁気記録層の磁性粒の粒子間距離および第2磁気記録層の磁性粒の粒子間距離の関係とオーバーライト特性、SNRの関係を説明するための説明図である。
実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した垂直磁気記録媒体を説明するための説明図である。

符号の説明

0072

100 …垂直磁気記録媒体
110 …ディスク基体
112 …付着層
114 …軟磁性層
114a …第1軟磁性層
114b …スペーサ層
114c …第2軟磁性層
116 …前下地層
118 …下地層
118a …第1下地層
118b …第2下地層
120 …非磁性グラニュラー層
122 …磁気記録層
122a …第1磁気記録層
122b …第2磁気記録層
124 …連続層
126 …媒体保護層
128 …潤滑層

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