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技術 生理活性物質の検出方法および測定キット

出願人 住友ベークライト株式会社
発明者 高田渉
出願日 2008年3月25日 (12年7ヶ月経過) 出願番号 2008-077237
公開日 2009年10月8日 (11年1ヶ月経過) 公開番号 2009-229351
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 底面直径 信号低下 酸素供与体 酸素受容体 担体洗浄 シグマアルドリッチ製 リン酸インジウム プラスチック担体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年10月8日)のものです。
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課題

ブロッキング操作をすることなく、目的外の蛋白質などの生理活性物質非特異的吸着を防ぎ、かつ目的となる抗体結合性生理活性物質を検出する方法、及びその検出方法に使用するための測定キットを提供すること。

解決手段

アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を共重合した高分子物質を表面に有する不溶性担体上に、生理活性物質に特異的に結合する抗体を高濃度リン酸塩緩衝液に溶解し接触させて不溶性担体上に抗体を結合させる工程、ついで検体を接触させ、検体中の抗体結合性生理活性物質を不溶性担体上の抗体に特異的に結合させる工程、不溶性担体に結合した抗体結合性生理活性物質を検出する工程、を有する生理活性物質の検出方法。

概要

背景

サイトカイン等の生理活性物質は、生体内において様々な生理活性誘導する働きがあり、その研究は盛んに行われている。このような生体内に存在する様々な生理活性物質を測定する方法としては、ELISAなどの抗原抗体反応を利用した測定方法が一般に行われている。

ELISAのシグナル検出において、信号対雑音比(S/N比)を低下させる原因として、検出対象物質担体への非特異的な吸着が挙げられる(例えば非特許文献1参照)。

ELISAにおいて、抗体を担体に固定化する方法としては主に2通りの方法が実施されている。その一つは蛋白質物理的吸着による固定化の方法である。この方法では、担体表面が蛋白質を吸着しやすいので、抗原二次抗体非特異的吸着を防止するために、抗体が固定された後、あらかじめ別のタンパクで該部分以外を覆う「ブロッキング」という操作を行うことになるが、このブロッキングは必ずしも十分ではなく、また固定化した抗体によって最適なブロッキング剤が異なるため、それぞれの反応系で最適なブロッキング剤を探索する必要がある、といった問題があった。このため、一次抗体の固定化後、ブロッキング剤をコーティングすることなく、生理活性物質の非特異的吸着量の少ないバイオアッセイ用基材が求められている。

抗体を担体に固定化するもう一つの方法は官能基を用いて抗体を表面に結合する方法である。蛋白質が吸着しにくいマトリクス形成成分に蛋白質と反応する官能基を導入し、これを介して抗体を固定化するが(たとえば、特許文献1)、固定化後に官能基を不活性化する工程が必要なため、次の工程に入るまでに時間がかかるという問題があった。

特開2004−531390号公報
DNAマイクロアレイ実戦マニュアル」、林崎良英、岡崎康司編、土社、2000年、p.57

概要

ブロッキング操作をすることなく、目的外の蛋白質などの生理活性物質の非特異的吸着を防ぎ、かつ目的となる抗体結合性生理活性物質を検出する方法、及びその検出方法に使用するための測定キットを提供すること。アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を共重合した高分子物質を表面に有する不溶性担体上に、生理活性物質に特異的に結合する抗体を高濃度リン酸塩緩衝液に溶解し接触させて不溶性担体上に抗体を結合させる工程、ついで検体を接触させ、検体中の抗体結合性生理活性物質を不溶性担体上の抗体に特異的に結合させる工程、不溶性担体に結合した抗体結合性生理活性物質を検出する工程、を有する生理活性物質の検出方法。 なし

目的

本発明は、ブロッキング操作をすることなく、目的外の蛋白質などの生理活性物質の非特異的吸着を防ぎながらも、目的となる抗体結合性生理活性物質を検出する方法、及びその検出方法に使用するための測定キットを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を共重合した高分子物質を表面に有する不溶性担体上に、生理活性物質に特異的に結合する抗体をリン酸塩溶液の濃度が0.1M以上である高濃度リン酸塩緩衝液に溶解し接触させて前記不溶性担体上に前記抗体を結合させる工程、ついで検体を接触させ、検体中の抗体結合性生理活性物質を前記不溶性担体上の前記抗体に特異的に結合させる工程、前記不溶性担体に結合した前記抗体結合性生理活性物質を検出する工程、を有することを特徴とする生理活性物質の検出方法

請求項2

アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)が下記の一般式[1]で表されるモノマーである請求項1記載の生理活性物質の検出方法。(式中R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す。Xは炭素数1〜10のアルキレングリコール残基を示し、pは1〜100の整数を示す。繰り返されるXは、同一であっても、または異なるアルキレングリコール基の連鎖であってもよい。)

請求項3

前記アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)がメトキシポリエチレングリコールメタアクリレートである請求項2記載の生理活性物質の検出方法。

請求項4

前記メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのエチレングリコール平均連鎖が3〜100である請求項3記載の生理活性物質の検出方法。

請求項5

架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)の架橋可能な官能基がアルコキシシリルエポキシ、及び(メタ)アクリルから選ばれる少なくとも一つの官能基である請求項1〜4いずれか記載の生理活性物質の検出方法。

請求項6

架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)が下記の一般式[2]で表されるアルコキシシリルを有するモノマーである請求項1〜4いずれか記載の生理活性物質の検出方法。(式中R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキル基を示す。A1、A2、A3のうち、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。)

請求項7

前記不溶性担体に結合した生理活性物質に特異的に結合する抗体が抗サイトカイン抗体であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の生理活性物質の検出方法。

請求項8

前記抗サイトカイン抗体がインターロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、インターロイキン−7、インターロイキン−8、インターロイキン−9、インターロイキン−10、インターロイキン−11、インターロイキン−12、インターロイキン−13、インターロイキン−15、インターロイキン−16、インターロイキン−17、インターロイキン−18、インターロイキン−21、インターロイキン−23、インターロイキン−25、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、顆粒コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒状マクロファージコロニー刺激因子GM−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF−α、TNF−β)、MIP−1α(macrophage inflammatory protein)、MIP−1βの群より選択された少なくとも1種に対する抗体である請求項7記載の生理活性物質の検出方法。

請求項9

前記不溶性担体に結合した抗体結合性生理活性物質の検出を、前記生理活性物質に特異的に結合する物質を用いて行う請求項1〜8いずれか記載の生理活性物質の検出方法。

請求項10

前記不溶性担体に結合した抗体結合性生理活性物質の検出が、標識物質により標識された前記生理活性物質に対する二次抗体を用いる請求項9記載の生理活性物質の検出方法。

請求項11

前記抗体結合性生理活性物質の検出を、前記生理活性物質に対する二次抗体と、二次抗体に対する三次抗体であって標識物質により標識された三次抗体を用いて行う請求項9記載の生理活性物質の検出方法。

請求項12

前記標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質発光物質酵素補酵素ハプテン及びラジオアイソトープからなる群から選択される物質である請求項10又は11記載の生理活性物質の検出方法。

請求項13

検体中に二種以上の抗体結合性生理活性物質が含まれ、前記抗体結合性生理活性物質を検出する工程において、各抗体結合性生理活性物質に対する二種以上の二次抗体によって検出する請求項1〜12いずれか記載の生理活性物質の検出方法。

請求項14

二種以上の二次抗体の検出が、該抗体に結合した異なる種類の標識物質をそれぞれ測定することによって行う請求項13記載の生理活性物質の検出方法。

請求項15

二種以上の二次抗体の検出が、二種以上の各二次抗体に対する三次抗体であって別異の標識物質により標識された三次抗体によって行う請求項13記載の生理活性物質の検出方法。

請求項16

前記標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質、発光物質、酵素、補酵素、ハプテン及びラジオアイソトープからなる群から選択される物質である請求項14又は15記載の生理活性物質の検出方法。

請求項17

前記不溶性担体の形状が96ウェル又は384ウェルのマイクロタイタープレートである請求項1〜16いずれか記載の生理活性物質の検出方法。

請求項18

前記不溶性担体の材質プラスチックである請求項1〜17いずれか記載の生理活性物質の検出方法。

請求項19

前記プラスチックがポリカーボネートポリエチレンポリプロピレンポリスチレン飽和環状ポリオレフィンポリペンテンポリアミド、及びそれらの共重合体よりなる群より選択された少なくとも1種である請求項18記載の生理活性物質の検出方法。

請求項20

請求項13記載の生理活性物質の検出方法に用いる生理活性物質の測定キットであって、少なくとも下記の(ア)〜(ウ)の構成要素を含む抗体結合性生理活性物質の測定キット。(ア)抗体を結合した不溶性担体(イ)抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(ウ)標識物質により標識した、上記(イ)の二次抗体に対する三次抗体

請求項21

前記不溶性担体の形状が96ウェルないし384ウェルのマイクロタイタープレートである請求項20記載の測定キット。

請求項22

前記抗体結合性生理活性物質がサイトカインである請求項20又は21記載の測定キット。

請求項23

前記標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質、発光物質、酵素、補酵素、ハプテン及びラジオアイソトープからなる群から選択される物質である請求項20〜22いずれか記載の測定キット。

請求項24

請求項15記載の生理活性物質の検出方法に用いる生理活性物質の測定キットであって、少なくとも下記の(ア)〜(オ)の構成要素を含む抗体結合性生理活性物質の測定キット。(ア)抗体を結合した不溶性担体(イ)標識物質により標識した、第一の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(二次抗体1)(ウ)標識物質により標識した、第二の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(二次抗体2);(エ)第一の標識物質により標識した二次抗体1に対する三次抗体(三次抗体1)(オ)第二の標識物質により標識した二次抗体2に対する三次抗体(三次抗体2)

請求項25

前記不溶性担体の形状が96ウェル又は384ウェルのマイクロタイタープレートである請求項24記載の測定キット。

請求項26

二次抗体1及び二次抗体2が異なる生物種由来である請求項24又は25記載の測定キット。

請求項27

第一及び第二の抗体結合性生理活性物質が、サイトカインの中からそれぞれ選択される異なる物質である請求項24〜26いずれか記載の測定キット。

請求項28

第一及び第二の標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質、発光物質、酵素、補酵素、ハプテン及びラジオアイソトープからなる群からそれぞれ選択される異なる物質である、請求項24〜27いずれか記載の測定キット。

請求項29

第一及び第二の標識物質のいずれか一方が、ラジオアイソトープ又は蛍光物質であることを特徴とする請求項24〜27いずれか記載の測定キット。

技術分野

0001

本発明は抗体結合性生理活性物質検出方法に関する。また、更に本発明は上記検出方法に使用するための測定キットに関する。

背景技術

0002

サイトカイン等の生理活性物質は、生体内において様々な生理活性誘導する働きがあり、その研究は盛んに行われている。このような生体内に存在する様々な生理活性物質を測定する方法としては、ELISAなどの抗原抗体反応を利用した測定方法が一般に行われている。

0003

ELISAのシグナル検出において、信号対雑音比(S/N比)を低下させる原因として、検出対象物質担体への非特異的な吸着が挙げられる(例えば非特許文献1参照)。

0004

ELISAにおいて、抗体を担体に固定化する方法としては主に2通りの方法が実施されている。その一つは蛋白質物理的吸着による固定化の方法である。この方法では、担体表面が蛋白質を吸着しやすいので、抗原二次抗体非特異的吸着を防止するために、抗体が固定された後、あらかじめ別のタンパクで該部分以外を覆う「ブロッキング」という操作を行うことになるが、このブロッキングは必ずしも十分ではなく、また固定化した抗体によって最適なブロッキング剤が異なるため、それぞれの反応系で最適なブロッキング剤を探索する必要がある、といった問題があった。このため、一次抗体の固定化後、ブロッキング剤をコーティングすることなく、生理活性物質の非特異的吸着量の少ないバイオアッセイ用基材が求められている。

0005

抗体を担体に固定化するもう一つの方法は官能基を用いて抗体を表面に結合する方法である。蛋白質が吸着しにくいマトリクス形成成分に蛋白質と反応する官能基を導入し、これを介して抗体を固定化するが(たとえば、特許文献1)、固定化後に官能基を不活性化する工程が必要なため、次の工程に入るまでに時間がかかるという問題があった。

0006

特開2004−531390号公報
DNAマイクロアレイ実戦マニュアル」、林崎良英、岡崎康司編、土社、2000年、p.57

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、ブロッキング操作をすることなく、目的外の蛋白質などの生理活性物質の非特異的吸着を防ぎながらも、目的となる抗体結合性生理活性物質を検出する方法、及びその検出方法に使用するための測定キットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

すなわち本発明は、
(1)アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を共重合した高分子物質を表面に有する不溶性担体上に、生理活性物質に特異的に結合する抗体をリン酸塩溶液の濃度が0.1M以上である高濃度リン酸塩緩衝液に溶解し接触させて前記不溶性担体上に前記抗体を結合させる工程、ついで検体を接触させ、検体中の抗体結合性生理活性物質を前記不溶性担体上の前記抗体に特異的に結合させる工程、前記不溶性担体に結合した前記抗体結合性生理活性物質を検出する工程、を有することを特徴とする生理活性物質の検出方法、
(2)アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)が下記の一般式[1]で表されるモノマーである(1)記載の生理活性物質の検出方法、



(式中R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す。Xは炭素数1〜10のアルキレングリコール残基を示し、pは1〜100の整数を示す。繰り返されるXは、同一であっても、または異なるアルキレングリコール基の連鎖であってもよい。)
(3)前記アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)がメトキシポリエチレングリコールメタアクリレートである(2)記載の生理活性物質の検出方法、
(4)前記メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのエチレングリコール平均連鎖が3〜100である(3)記載の生理活性物質の検出方法、
(5)架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)の架橋可能な官能基がアルコキシシリルエポキシ、及び(メタ)アクリルから選ばれる少なくとも一つの官能基である(1)〜(4)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、
(6)架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)が下記の一般式[2]で表されるアルコキシシリルを有するモノマーである(1)〜(4)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、



(式中R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキル基を示す。A1、A2、A3のうち、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。)
(7)前記不溶性担体に結合した生理活性物質に特異的に結合する抗体が抗サイトカイン抗体であることを特徴とする(1)〜(6)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、
(8)前記抗サイトカイン抗体がインターロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、インターロイキン−7、インターロイキン−8、インターロイキン−9、インターロイキン−10、インターロイキン−11、インターロイキン−12、インターロイキン−13、インターロイキン−15、インターロイキン−16、インターロイキン−17、インターロイキン−18、インターロイキン−21、インターロイキン−23、インターロイキン−25、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、顆粒コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒状マクロファージコロニー刺激因子GM−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF−α、TNF−β)、MIP−1α(macrophage inflammatory protein)、MIP−1βの群より選択された少なくとも1種に対する抗体である(7)記載の生理活性物質の検出方法、
(9)前記不溶性担体に結合した抗体結合性生理活性物質の検出を、該生理活性物質に特異的に結合する物質を用いて行う(1)〜(8)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、
(10)前記不溶性担体に結合した抗体結合性生理活性物質の検出が、標識物質により標識された前記生理活性物質に対する二次抗体を用いる(9)記載の生理活性物質の検出方法、
(11)前記抗体結合性生理活性物質の検出を、前記生理活性物質に対する二次抗体と、二次抗体に対する三次抗体であって標識物質により標識された三次抗体を用いて行う(9)記載の生理活性物質の検出方法、
(12)前記標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質発光物質酵素補酵素ハプテン及びラジオアイソトープからなる群から選択される物質である(10)又は(11)記載の生理活性物質の検出方法、
(13)検体中に二種以上の抗体結合性生理活性物質が含まれ、前記抗体結合性生理活性物質を検出する工程において、各抗体結合性生理活性物質に対する二種以上の二次抗体によって検出する(1)〜(12)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、
(14)二種以上の二次抗体の検出が、該抗体に結合した異なる種類の標識物質をそれぞれ測定することによって行う(13)記載の生理活性物質の検出方法、
(15)二種以上の二次抗体の検出が、二種以上の各二次抗体に対する三次抗体であって別異の標識物質により標識された三次抗体によって行う(13)記載の生理活性物質の検出方法、
(16)前記標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質、発光物質、酵素、補酵素、ハプテン及びラジオアイソトープからなる群から選択される物質である(14)又は(15)記載の生理活性物質の検出方法、
(17)前記不溶性担体の形状が96ウェルないし384ウェルのマイクロタイタープレートである(1)〜(16)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、
(18)前記不溶性担体の材質プラスチックである(1)〜(17)いずれか記載の生理活性物質の検出方法、
(19)前記プラスチックがポリカーボネートポリエチレンポリプロピレンポリスチレン飽和環状ポリオレフィンポリペンテンポリアミド、及びそれらの共重合体よりなる群より選択された少なくとも1種である(18)記載の生理活性物質の検出方法、
(20)(13)記載の生理活性物質の検出方法に用いる生理活性物質の測定キットであって、少なくとも下記の(ア)〜(ウ)の構成要素を含む抗体結合性生理活性物質の測定キット、
(ア)抗体を結合した不溶性担体
(イ)抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体
(ウ)標識物質により標識した、上記(イ)の二次抗体に対する三次抗体
(21)前記不溶性担体の形状が96ウェルないし384ウェルのマイクロタイタープレートである(20)記載の測定キット、
(22)前記抗体結合性生理活性物質がサイトカインである(20)又は(21)記載の測定キット、
(23)前記標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質、発光物質、酵素、補酵素、ハプテン及びラジオアイソトープからなる群から選択される物質である(20)〜(22)いずれか記載の測定キット、
(24)(15)記載の生理活性物質の検出方法に用いる生理活性物質の測定キットであって、少なくとも下記の(ア)〜(オ)の構成要素を含む抗体結合性生理活性物質の測定キット、
(ア)抗体を結合した不溶性担体
(イ)標識物質により標識した、第一の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(二次抗体1)
(ウ)標識物質により標識した、第二の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(二次抗体2);
(エ)第一の標識物質により標識した二次抗体1に対する三次抗体(三次抗体1)
(オ)第二の標識物質により標識した二次抗体2に対する三次抗体(三次抗体2)
(25)前記不溶性担体の形状が96ウェル又は384ウェルのマイクロタイタープレートである(24)記載の測定キット、
(26)二次抗体1及び二次抗体2が異なる生物種由来であることを特徴とする(24)又は(25)記載の測定キット、
(27)第一及び第二の抗体結合性生理活性物質が、サイトカインの中からそれぞれ選択される異なる物質である(24)〜(26)いずれか記載の測定キット、
(28)第一及び第二の標識物質が、特異的結合対の一方の物質、蛍光物質、発光物質、酵素、補酵素、ハプテン及びラジオアイソトープからなる群からそれぞれ選択される異なる物質である、(24)〜(27)いずれか記載の測定キット、
(29)第一及び第二の標識物質のいずれか一方が、ラジオアイソトープ又は蛍光物質であることを特徴とする(24)〜(27)いずれか記載の測定キット、
である。

発明の効果

0009

本発明の生理活性物質の検出方法、及びその検出方法に使用するための測定キットによれば、ブロッキング操作をすることなく、目的外の蛋白質などの生理活性物質の非特異吸着を防ぎながらも、目的となる抗体結合性生理活性物質を検出することが可能となり、またその検出方法に使用するための測定キットを提供することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明方法1)
本発明方法1の生理活性物質の検出方法は、アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を共重合した高分子物質を表面に有する不溶性担体上に、生理活性物質に特異的に結合する抗体を高濃度リン酸塩緩衝液に溶解し接触させることで該抗体を不溶性担体に固定化させ、ついで抗原となる生理活性物質を反応させて、不溶性担体に結合した当該抗体結合性生理活性物質を検出することを特徴とする。

0011

前記エチレン系不飽和重合性モノマーを重合した高分子物質は、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質、及び高分子主鎖同士を架橋させる性質を併せ持つポリマーであって、アルキレングリコール残基が生理活性物質の非特異的吸着を抑制する役割を果たす。

0012

本発明の担体表面に存在する高分子物質に使用する、アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)は、特に構造を限定しないが、一般式[1]で表される(メタ)アクリル基と炭素数1〜10のアルキレングリコール残基Xの連鎖からなる化合物であることが好ましい。

0013

0014

式中のアルキレングリコール残基Xの炭素数は1〜10であり、より好ましくは1〜6であり、更に好ましくは2〜4であり、より更に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。アルキレングリコール残基Xの繰り返し数pは、1〜100の整数であり、より好ましくは2〜100の整数であり、更に好ましくは2〜95の整数であり、最も好ましくは20〜90の整数である。繰り返し数2以上100以下の場合は、繰り返されるアルキレングリコール残基Xの炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。

0015

前記エチレン系不飽和重合性モノマーとしては、例えばメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基一置換エステルの(メタ)アクリレート類グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールを側鎖とする(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール (メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられるが、入手性からメトキシポリエチレングリコールメタクリレートが好ましい。

0016

本発明に使用する架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)は、架橋可能な官能基の反応が高分子物質合成中に進行しないものであれば特に制限されるものではない。

0017

架橋可能な官能基としては、例えば加水分解によりシラノール基を生成する官能基やエポキシ基、(メタ)アクリル基、グリシジル基などが用いられるが、架橋処理が容易なことから加水分解によりシラノール基を生成する官能基やエポキシ基、グリシジル基が好ましく、より低温で架橋できることから加水分解によりシラノール基を生成する官能基が好ましい。

0018

加水分解によりシラノール基を生成する官能基とは、水と接触すると容易に加水分解を受けシラノール基を生成する基であり、例えば、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基フェノキシシリル基アセトキシシリル基等を挙げることができる。ハロゲンを含まないことからアルコキシシリル基、フェノキシシリル基、アセトキシシリル基が好ましく、なかでもシラノール基を生成し易い点からアルコキシシリル基が最も好ましい。

0019

加水分解によりシラノール基を生成する官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーは、(メタ)アクリル基とアルコキシシリル基が炭素数1〜20のアルキル鎖を介して、または直接結合した一般式[3]で表されるエチレン系不飽和重合性モノマーであることが好ましい。

0020

0021

アルコキシシリル基を含有するエチレン系不飽和重合性モノマーとしては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルビストリメチルシロキシメチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、8−(メタ)アクリロキシオクタニルトリメトキシシラン、11−(メタ)アクリロキシウンデニルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン化合物等を挙げることができる。なかでも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランがアルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーとの共重合性が優れている点、入手が容易である点等から好ましい。これらのアルコキシシリル基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーは、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。

0022

本発明に使用する架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)の望ましい組成比は1〜20mol%であり、好ましくは2〜15mol%、最も好ましくは2〜10mol%である。

0023

本発明に使用する高分子物質は、アルキレングリコール残基、生理活性物質を固定化する官能基および架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー以外に他の基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーを含んでもよい。例えば、アルキル基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(C)を共重合させてもよく、アルキル基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(C)としてはn—ブチルメタクリレートもしくはn−ドデシルメタクリレートもしくはn−オクチルメタクリレートが好ましい。

0024

本発明の高分子物質の合成方法は、特に限定されるものではないが、合成の容易さから、少なくともアルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を含む混合物を、重合開始剤存在下、溶媒中でラジカル重合することが好ましい。

0025

溶媒としてはそれぞれのエチレン系不飽和重合性モノマーが溶解するものであればよく、例えば、メタノールエタノールt−ブチルアルコールベンゼントルエンテトラヒドロフランジオキサンジクロロメタンクロロホルム等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。プラスチック担体に該高分子物質を塗布する場合は、エタノール、メタノールが担体を変性させないため好ましい。

0026

重合開始剤としては通常のラジカル開始剤ならいずれでもよく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル(以下「AIBN」という)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1 −カルボニトリル)等のアゾ化合物過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物等を挙げることができる。

0027

本発明の高分子物質の化学構造は、少なくともアルキレングリコール残基、生理活性物質を固定化する官能基及び架橋可能な官能基を有する各エチレン系不飽和重合性モノマーが共重合されたものであれば、その結合方式ランダムブロック、グラフト等いずれの形態をなしていてもかまわない。

0028

本発明の高分子物質の分子量は、高分子物質と未反応の単量体との分離精製が容易になることから、数平均分子量は5000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。

0029

本発明の高分子物質を担体表面に結合させて被覆することにより、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質を容易に付与することが可能である。さらに、高分子主鎖同士を架橋させる性質を併せ持つことから、担体表面を被覆した後に架橋させることが可能である。これにより、担体上の高分子不溶性を付与することができ、担体洗浄による信号低下を低減することができる。

0030

担体表面と高分子物質との結合は、共有結合静電的相互作用水素結合疎水効果による結合等どのような結合様式であっても良く、本発明においては、例えば高分子物質を有機溶剤に0.05〜50重量%濃度になるように溶解し、この高分子溶液を浸漬、吹き付け等の公知の方法で担体表面に塗布した後、室温下ないしは加湿下にて乾燥させることにより行われる。その後、架橋可能な官能基に応じた任意の方法で高分子の主鎖同士を架橋させる。架橋可能な官能基が加水分解によりシラノール基を生成する官能基の場合の高分子化合物の被覆については、有機溶剤中に水を含有させた混合溶液を用いてもよい。含有される水により加水分解が生じ、該合成高分子中にシラノール基が生成し、さらに加熱することにより主鎖同士が結合され、高分子化合物が不溶になる。

0031

含水量が少ないとシラノール基の生成が不十分で、架橋結合が弱くなる。一方、含水量が多くなると高分子化合物が溶媒に不溶となる恐れがある。理論上加水分解によりシラノール基を生成するのに必要な水が含有されていれば十分であるが、容積の調製の容易さを考えると、含水量が約0.01〜15重量%程度のものが好ましい。

0032

有機溶剤としてはエタノール、メタノール、イソプロパノールn−ブタノール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノールシクロヘキサノールアルコール類、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチルメチルエチルケトンメチルブチルケトンエチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルシクロヘキサノン等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。中でも、エタノール、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、シクロヘキサノール等アルコール類がプラスチック基材を変性させず、乾燥させやすいため好ましい。また、溶液中で高分子化合物を加水分解させる場合にも、水と任意の割合で混ざるので好ましい。

0033

本発明の高分子物質を溶解した溶液を担体表面に塗布した後、乾燥させる工程において、高分子物質中のシラノール基は、他の高分子物質中のシラノール基、水酸基、アミノ基等と脱水縮合して架橋を形成する。さらに担体表面に水酸基、カルボニル基、アミノ基などがある場合も同様に脱水縮合し、担体表面と化学的に結合することができる。シラノール基の脱水縮合により形成される共有結合は加水分解されにくい性質があるので、担体表面に被覆された高分子物質は容易に溶解したり、担体から脱離してしまうことはない。シラノール基の脱水縮合は加熱処理により促進される。高分子物質が熱により変成されない温度範囲内、例えば60〜120℃で5分間〜72時間加熱処理するのが好ましい。

0034

担体の素材は、ガラス、プラスチック、金属その他を用いることができるが、本発明に使用する担体の素材としては、表面処理容易性、量産性の観点から、プラスチックが好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリペンテン等の直鎖状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、飽和環状ポリオレフィン、含フッ素樹脂等を用いることが好ましく、耐熱性耐薬品性低蛍光性成形性に特に優れる飽和環状ポリオレフィンを用いることがより好ましい。ここで飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体等を指す。

0035

担体表面と表面に被覆される高分子物質との密着性を高めるために、担体表面を活性化することが好ましい。活性化する手段としては酸素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、窒素雰囲気下、空気雰囲気下等の条件下でプラズマ処理する方法、ArF、KrFなどのエキシマレーザーで処理する方法があるが、酸素雰囲気下でプラズマ処理する方法が好ましい。

0036

高分子物質を担体に塗布することで、容易に担体に生理活性物質の非特異吸着を抑えた生理活性物質固定化用担体を作製できる。さらに該高分子物質を架橋することで、担体上の高分子物質に不溶性を付与することができる。これらのことより、該高分子物質を塗布した担体はELISA用プレートに好適に用いることができる。

0037

本発明に使用する担体の形状は特に限定しないが、スライドガラスに代表される基板状のもの、96穴や384穴に代表されるマイクロタイタープレート状のもの、またビーズ状のもの、あるいはシート状のもの及びそれらの複合体が挙げられる。

0038

本発明に使用するリン酸塩緩衝液は、各種リン酸塩が0.1M以上4.0M以下の高濃度で溶解していることが好ましい。より好ましくは0.6M以上2.4M以下、もっとも好ましくは0.8M以上1.4M以下である。濃度が下限値未満では生理活性物質が十分に固定化できずシグナルが検出されないという問題が発生する恐れがあり、濃度が上限値を超えると生理活性物質が変性を起こし生理活性物質が特異的な反応を起こさず機能しないという問題が発生する恐れがある。

0040

本発明において、抗体を担体上に固定化する際には、抗体を溶解または分散した液体を担体表面に接触させることになるが、その方法は担体の形状によって様々である。例えば96ウェルプレートの場合は、溶液をそれぞれのウェルに分注するだけでよい。抗体を溶解または分散した液体のpHは8〜10であることが好ましく、pH9.0〜9.9がより好ましい。固定化後は、固定化されなかった抗体を除去するため、純水や緩衝液洗浄することが好ましい。

0041

本発明において検体とは、抗体結合性生理活性物質を含みうる液体であれば特に限定はされないが、特に生体内から取り出した体液検体(尿、血液、血漿血清組織液リンパ液腹水等)、臓器抽出液細胞抽出液又は培養上清等が挙げられる。

0042

本発明方法により測定される抗体結合性生理活性物質としては、抗体に結合性を有する生理活性物質であれば特に限定はされないが、例えばサイトカインが挙げられる。例えばインターロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、インターロイキン−7、インターロイキン−8、インターロイキン−9、インターロイキン−10、インターロイキン−11、インターロイキン−12、インターロイキン−13、インターロイキン−15、インターロイキン−16、インターロイキン−17、インターロイキン−18、インターロイキン−21、インターロイキン−23、インターロイキン−25、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒状マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF−α、TNF−β)、MIP−1α(macrophage inflammatory protein)、MIP−1β等が挙げられる。

0043

固相担体に抗体を介して結合した上記の抗体結合性生理活性物質の検出は、該抗体結合性生理活性物質に特異的に結合する物質を用いて行うことが好ましい。そのような物質としては、例えば前記抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体等が親和性の強さから好ましい。前記抗体としてはポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を用いることが可能であり特に限定はされない。上記検出において、上記抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体を用いる場合は、当該抗体又は当該抗体に対する三次抗体を標識物質により標識することが、より正確な抗体結合性生理活性物質の測定が可能となるため好ましい。

0044

本発明で用いられる標識物質としては、例えば特異的結合対(例えばビオチンストレプトアビジン等のアビジン類等)の一方の物質;FITCフィコエリトリンユーロピウムフィコシアニンローダミンテキサスレッドウンベリフェロン、トリカラーシアニン又は7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸(AMCA)等の蛍光物質類;ルミノールアクリジニウム又はルシゲニン等の発光物質類;アルカリホスファターゼβ−ガラクトシダーゼペルオキシダーゼ又はグルコースオキシダーゼ等の酵素類;ビオチン等の補酵素類;ジニトロフルオロベンゼンAMPアデノシン一リン酸)又は2,4−ジニトロアニリン等のハプテン類;及び125I、131I、3H等のラジオアイソトープ類等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。

0045

標識物質の検出は、使用する標識物質に適した通常実施される方法により行うことが可能である。例えば、標識物質として上記酵素に分類されるペルオキシダーゼを用いた場合は、テトラメチルベンジジン(TMB)などの酸素受容体過酸化水素などの酸素供与体を反応させることにより、溶液の着色により検出することが可能である。

0046

(本発明方法2)
本発明方法2の生理活性物質の検出方法は、検体中に含まれる二種以上の抗体結合性生理活性物質を測定する方法であって、アルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(A)、及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー(B)を共重合した高分子物質を表面に有する不溶性担体上に、生理活性物質に特異的に結合する抗体を高濃度リン酸塩緩衝液に溶解し接触させ、ついで不溶性担体に検体を接触させ、抗体を介して不溶性担体に結合した二種以上の抗体結合性生理活性物質を、抗体結合性生理活性物質に対する二種以上の二次抗体により測定する方法であり、かつ二種以上の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体、あるいはこれらの抗体に対する三次抗体がそれぞれ異なる標識物質により標識されていることが好ましい。

0047

本発明方法2における、検体、抗体及び固相担体は上述の本発明方法1に記載したものと同様である。本発明方法2は検体中に含まれる複数の抗体結合性生理活性物質を測定するための方法であるが、その測定の対象となる抗体結合性生理活性物質は、本発明方法によって測定できる限り限定されないが、前記の通りサイトカインが好ましい。例えば前記インターロイキン−6とTNF−αを同時に測定する場合は、それらに対する抗体(抗インターロイキン−6抗体及び抗TNF−α抗体)を使用できる。これらの抗体としてはポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を利用することが可能である。本発明方法2で使用する生理活性物質に対する二種以上の二次抗体は、それぞれ判別して検出することが可能であるように、例えば一方はマウス由来IgG抗体、他方はヤギ由来のIgG抗体と、それぞれ異なる生物種由来の抗体を使用する。例えば一方の抗体をマウス由来のIgG抗体、他方をヤギ由来のIgG抗体を用いた場合には、それらを判別、検出する手段としては、それぞれ異なる標識物質により標識した三次抗体である抗マウスIgG抗体及び抗ヤギIgG抗体を使用する。また、生理活性物質に対する二種以上の二次抗体は、それぞれ異なるサブクラスに属する抗体であってもよい。複数の三次抗体それぞれを標識する標識物質としては、上述の本発明方法1で列挙した物質が挙げられるが、その中でも特に一方の三次抗体を標識する標識物質としてラジオアイソトープ類又は蛍光物質類を使用することが好ましい。それぞれの標識物質を検出する方法は、選択する標識物質にあわせ、公知の方法から適宜選択することが可能である。

0048

本発明キット1)
本発明キット1は、少なくとも下記の(ア)〜(ウ)の構成要素を含む抗体結合性生理活性物質の測定キットである。
(ア)抗体を結合した不溶性担体
(イ)抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体
(ウ)標識物質により標識した、上記(イ)の二次抗体に対する三次抗体

0049

本発明キット1は本発明方法1に記載された測定法を行うためのキットである。従って、本発明キット1における抗体結合性生理活性物質に対する抗体、固相担体、抗体結合性生理活性物質、抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体、三次抗体は本発明方法1に記載したものと同様である。本発明キット1における標識物質としては、本発明方法1に列挙した標識物質を使用することが可能であるが、特にキットとしての操作の簡便性を考慮すると、酵素類を使用することが好ましい。標識物質の検出は、使用する標識物質により適宜選択するべきであるが、例えば標識物質としてペルオキシダーゼを選択した際は、それを検出する手段としては、通常は過酸化水素及びTMBの反応による発色が挙げられる。

0050

(本発明キット2)
本発明キット2は、少なくとも下記の(ア)〜(オ)の構成要素を含む抗体結合性生理活性物質の測定キットである。
(ア)抗体を結合した固相担体
(イ)標識物質により標識した、第一の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(二次抗体1)
(ウ)標識物質により標識した、第二の抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体(二次抗体2)
(エ)第一の標識物質により標識した二次抗体1に対する三次抗体(三次抗体1)
(オ)第二の標識物質により標識した二次抗体2に対する三次抗体(三次抗体2)

0051

本発明キット2は本発明方法2に記載された測定法を行うためのキットである。従って、本発明キット2における抗体、固相担体、抗体結合性生理活性物質、抗体結合性生理活性物質に対する二次抗体、三次抗体は本発明方法2に記載したものと同様である。本発明キット2における標識物質としては、本発明方法2で列挙したものを使用することが可能であるが、その中でも特に二種の二次抗体(二次抗体1、二次抗体2)を明確に判別して検出することが可能であるように、異なる検出法により検出される標識物質の組み合わせを適宜選択することが好ましい。少なくとも、二種の三次抗体の一方がラジオアイソトープ又は蛍光物質により標識されたキットが、検出及び測定の正確性から好ましい。これらの標識物質により、検出の手段は適宜選択される。検出の手段としては、本発明方法1、本発明方法2及び本発明キット1で記載したものと同様である。

0052

以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例)
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2ノルボルネン開環重合体水素添加物MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃)を96ウェルプレート形状(1ウェルの寸法:底面直径6.4mm×高さ11mm)に加工して固相担体を作成した。酸素雰囲気下のプラズマ処理によって担体表面に酸化処理を施した。この固相担体をポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(別名メトキシポリエチレングリコールメタクリレート)−p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート−3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン(PEGMA−MEONP−MPDES、各基はモル%で92:3:5)共重合体である高分子化合物の0.3重量%エタノール溶液に浸漬、65℃、72時間加熱乾燥することにより、担体表面にアルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー及び架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーからなる高分子化合物を含む層を導入した担体を得た。

0053

(比較例)
実施例のプラズマ処理の後の担体を高分子化合物を塗布せずに用いた。

0054

(一次抗体の固定化)
次に、実施例および比較例で得られた担体に、1.2Mのリン酸二水素カリウム(和光純薬製)水溶液中に一次抗体であるマウス由来抗ヒトインターロイキン−4抗体を1μg/mLの濃度になるように調製した溶液を100μL/ウェルの割合で分注し、室温で2時間静置した。その後、各々の担体について、0.05wt%の界面活性剤Triton X−100(MPBIO社製)を添加したPBSを用いて、室温にて5分間洗浄を行った。

0055

(ブロッキング)
実施例についてはブロッキング処理を行わなかった。比較例については、上記洗浄後の担体に、1wt%のBSA(ウシ血清アルブミンシグマアルドリッチ製)を溶解したPBSを100μL/ウェルの割合で分注し、室温で2時間静置した。その後、0.05wt%の界面活性剤Triton X−100を添加したPBSを用いて、室温にて5分間洗浄を行った。

0056

固定化抗体と抗原との反応)
次に、上記洗浄後の担体に、表1に示した各濃度(溶媒:1wt%のBSAを溶解したPBS)で抗原であるマウスIgG2aを添加した溶液を100μL/ウェルの割合で分注し、室温で2時間静置することで抗原抗体反応を実施した。反応後、各々の担体について、0.05wt%の界面活性剤Triton X−100を添加したPBSを用いて、室温にて5分間洗浄を行った。

0057

(抗原と二次抗体との反応)
次に、上記担体表面に、0.5μg/mLの濃度(溶媒:1wt%のBSAを溶解したPBS)に調製した二次抗体であるマウス由来ビオチン標識抗ヒトインターロイキン−4抗体溶液を100μL/ウェルの割合で分注し、室温で1時間静置することで抗原抗体反応を実施した。反応後、各々の担体について、0.05wt%の界面活性剤Triton X−100を添加したPBSを用いて、室温にて5分間洗浄を行った。

0058

(ビオチン−アビジン反応)
次に、上記担体表面に、0.1μg/mLの濃度(溶媒:1wt%のBSAを溶解したPBS)に調製したストレプトアビジン−西ワサビペルオキシダーゼ(HRP)溶液を100μL/ウェルの割合で分注し、室温で30分静置することでビオチン−アビジン反応を実施した。反応後、各々の担体について、0.05wt%の界面活性剤Triton X−100を添加したPBSを用いて、室温にて5分間洗浄を行った。

0059

発色反応
最後に、TMBペルオキシダーゼ発色キット(BIO−RAD社製)を用いて発色反応を行った。操作は製品の添付のプロトコールに従った。

0060

発色反応を行った担体について、450nmの吸光度測定を行った。吸光度の測定には、TECAN社製プレートリーダーを用いた。結果を表1に示す。

0061

実施例では、濃度依存的な吸光度の検出ができ、また抗原濃度ゼロの吸光度も低い値となったが、比較例では抗原濃度ゼロの吸光度の値が高く、非特異的吸着が起こっていることが示唆された。このため、濃度依存性も実施例に比して悪くなった。また、実施例ではプレートのブロッキングの工程がないので、アッセイ時間は比較例に対して約2時間少なかった。すなわち、本発明の生理活性物質の検出方法では、ブロッキング操作をすることなく、目的外の蛋白質などの生理活性物質の非特異吸着を防ぎながらも、目的となる抗体結合性生理活性物質を検出することができたと言える。

0062

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