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技術 印刷制御装置、印刷要求端末および印刷装置、並びに印刷制御方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 村井清昭
出願日 2008年10月22日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2008-271736
公開日 2009年10月8日 (11年2ヶ月経過) 公開番号 2009-226922
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 終了パラメータ 指定時間間隔 位置制御処理 描画レイヤ 最小移動 オペーク 各描画要素 指定順序
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

印刷物表現性の多様化を図るのに好適な印刷制御装置を提供する。

解決手段

インク噴射する時間間隔を指定し、指定時間間隔に基づいて、インクの噴射時点を時系列古い順にみたときの各順位ごとに、その順位のインクの噴射を制御する印刷データを生成し、生成した各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて印刷装置100を順次制御することにより、複数のインクを指定時間間隔で噴射して単一の画素を形成する。

概要

背景

従来、特色インクを含む複数のインク噴射して印刷を行う場合に、OS(Operating
System)上で指定された画素の色に対して特色インクを割り当てる技術が知られている(特許文献1)。
特開平10−309834号公報

概要

印刷物表現性の多様化をるのに好適な印刷制御装置を提供する。インクを噴射する時間間隔を指定し、指定時間間隔に基づいて、インクの噴射時点を時系列古い順にみたときの各順位ごとに、その順位のインクの噴射を制御する印刷データを生成し、生成した各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて印刷装置100を順次制御することにより、複数のインクを指定時間間隔で噴射して単一の画素を形成する。

目的

しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、特色インクを割り当てることができるだけで、インクを噴射する時間間隔までは指定することができないため、印刷物の表現性に限界があるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、印刷物の表現性の多様化を図るのに好適な印刷制御装置、印刷要求端末および印刷装置、並びに印刷制御方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、前記特色インクまたは前記特殊インクを含む複数の前記インクを噴射して印刷を行う場合に、当該インクを噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定手段と、前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔に基づいて、前記インクの噴射時点時系列順にみたときの各順位ごとに、当該順位の前記インクの噴射を制御する印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて前記印刷装置を順次制御することにより、複数の前記インクを前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔で噴射させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。

請求項2

請求項1において、前記特色インクまたは前記特殊インクを含む複数の前記インクを噴射して印刷を行う場合に、当該インクを噴射する順序を指定する噴射順序指定手段を備え、前記印刷データ生成手段は、前記噴射順序指定手段で指定された順序に基づいて、各順位ごとに、当該順位の前記インクの噴射を制御する前記印刷データを生成することを特徴とする印刷制御装置。

請求項3

請求項1および2のいずれか1項において、前記複数のインクを噴射して画素を形成する画素形成手段に対する印刷媒体の位置を変更する位置変更手段を備え、前記印刷制御手段は、前記印刷データに基づいて前記位置変更手段を制御することにより、複数の前記インクを前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔で噴射させることを特徴とする印刷制御装置。

請求項4

請求項1ないし3のいずれか1項において、基本色インクは水系または油系のインクであって、前記特殊インクは、前記基本色インクに対応する特性の水系または油系の無色透明のインクを含むことを特徴とする印刷制御装置。

請求項5

請求項1ないし4のいずれか1項において、前記時間間隔指定手段は、印刷を行なう各描画要素に基づいて、前記複数のインクを噴射する時間間隔を指定することを特徴とする印刷制御装置。

請求項6

請求項1ないし4のいずれか1項において、前記時間間隔指定手段は、印刷に用いる各描画レイヤに基づいて、前記複数のインクを噴射する時間間隔を指定することを特徴とする印刷制御装置。

請求項7

印刷装置に対して印刷を要求する印刷要求端末であって、前記印刷装置が、特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う場合に、前記複数のインクを噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定手段と、前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔に基づいて、前記複数のインクの噴射時点を時系列順にみたときの各順位に、前記複数のインクの噴射を制御する印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信手段とを備えることを特徴とする印刷要求端末。

請求項8

印刷要求端末からの印刷要求に応じて、特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う印刷装置であって、前記複数のインクを噴射して印刷を行う印刷手段と、前記印刷要求端末から、印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データ受信手段で受信した前記印刷データに基づいて前記印刷手段を制御することにより、前記複数のインクを所定の時間間隔で噴射させる印刷制御手段とを備え、前記印刷データは、前記複数のインクを噴射する時間間隔の指定に基づいて、前記複数のインクの噴射時点を時系列順にみたときの各順位に、前記複数のインクの噴射を制御することを特徴とする印刷装置。

請求項9

特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御方法であって、前記特色インクまたは前記特殊インクを含む複数の前記インクを噴射して印刷を行う場合に、当該インクを噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定ステップと、前記時間間隔指定ステップで指定された時間間隔に基づいて、前記インクの噴射時点を時系列順にみたときの各順位ごとに、当該順位の前記インクの噴射を制御する印刷データを生成する印刷データ生成ステップと、前記印刷データ生成ステップで生成した各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて前記印刷装置を順次制御することにより、複数の前記インクを前記時間間隔指定ステップで指定された時間間隔で噴射させる印刷制御ステップとを含むことを特徴とする印刷制御方法。

請求項10

複数の記録剤を噴射して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、複数の前記記録剤を噴射して印刷を行う場合に、当該記録剤を噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定手段と、前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔に基づいて前記印刷装置を制御することにより、複数の前記記録剤を当該時間間隔指定手段で指定された時間間隔で噴射させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。

技術分野

0001

本発明は、複数のインク噴射して印刷を行う印刷装置を制御する装置および方法に係り、特に、印刷物表現性の多様化を図るのに好適な印刷制御装置印刷要求端末および印刷装置、並びに印刷制御方法に関する。

背景技術

0002

従来、特色インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う場合に、OS(Operating
System)上で指定された画素の色に対して特色インクを割り当てる技術が知られている(特許文献1)。
特開平10−309834号公報

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、特色インクを割り当てることができるだけで、インクを噴射する時間間隔までは指定することができないため、印刷物の表現性に限界があるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、印刷物の表現性の多様化を図るのに好適な印刷制御装置、印刷要求端末および印刷装置、並びに印刷制御方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0004

〔適用例1〕 上記目的を達成するために、適用例1の印刷制御装置は、特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、前記特色インクまたは前記特殊インクを含む複数の前記インクを噴射して印刷を行う場合に、当該インクを噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定手段と、前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔に基づいて、前記インクの噴射時点時系列順にみたときの各順位ごとに、当該順位の前記インクの噴射を制御する印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて前記印刷装置を順次制御することにより、複数の前記インクを前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔で噴射させる印刷制御手段とを備える。

0005

このような構成であれば、時間間隔指定手段により時間間隔が指定されると、印刷データ生成手段により、指定時間間隔に基づいて各順位ごとに印刷データが生成される。そして、印刷制御手段により、生成された各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて印刷装置が順次制御され、複数のインクが指定時間間隔で噴射される。

0006

ここで、特色インクとは、基本色(例えば、CMYK)のうちの1色と、基本色のうちの他の1色との間の色相を有するインクをいい、これには、例えば、CMYKを基本色とした場合、レッドグリーンバイオレット、オレンジおよびブルー等のインクが含まれる。また、基本色インクをあらかじめある割合で調合しておき、特定の色を確実に表現できるようにしたものも特色インクに含まれる。例えば、企業のコーポレートカラーを基本色インクの組み合わせで印刷すると印刷するたびに色が変わってしまい、コーポレートカラーを所望の色で印刷することができないという問題があった。このような場合に、コーポレートカラーに合わせて調合された特色インクを用いることがある。

0007

また、特殊インクとは、基本色(例えば、CMYK)インクとは異なる質感または光沢を与えるインクをいい、これには、例えば、CMYKを基本色とした場合、金属色(例えば、メタリック、金、銀)インク、透明色や白色のインク、蛍光インクパールインク、オペークインク、磁気インク、所定の波長の光を変調して反射する変調インク、光沢性のあるまたは光沢性の無い無色インク、滲み効果を表現するための無色透明(例えば、水系、油系)インクおよび水が含まれる。

0008

〔適用例2〕 さらに、適用例2の印刷制御装置は、適用例1の印刷制御装置において、前記特色インクまたは前記特殊インクを含む複数の前記インクを噴射して印刷を行う場合に、当該インクを噴射する順序を指定する噴射順序指定手段を備え、前記印刷データ生成手段は、前記噴射順序指定手段で指定された順序に基づいて、各順位ごとに、当該順位の前記インクの噴射を制御する前記印刷データを生成する。

0009

このような構成であれば、噴射順序指定手段により噴射順序が指定されると、印刷データ生成手段により、指定時間間隔および指定順序に基づいて各順位ごとに印刷データが生成される。そして、印刷制御手段により、生成された各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて印刷装置が順次制御され、複数のインクが指定順序で噴射される。

0010

〔適用例3〕 さらに、適用例3の印刷制御装置は、適用例1および2のいずれか1の印刷制御装置において、前記複数のインクを噴射して画素を形成する画素形成手段に対する印刷媒体の位置を変更する位置変更手段を備え、前記印刷制御手段は、前記印刷データに基づいて前記位置変更手段を制御することにより、複数の前記インクを前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔で噴射させる。

0011

このような構成であれば、印刷制御手段により、印刷データに基づいて位置変更手段が制御される。その結果、位置変更手段により、画素形成手段に対する印刷媒体の位置が変更されながら、複数のインクが指定時間間隔で噴射される。
ここで、位置変更手段は、画素形成手段および印刷媒体の一方を静止させ他方を移動させてもよいし、両者を移動させてもよい。これには、例えば、キャリッジまたは搬送ローラが含まれる。

0012

〔適用例4〕 さらに、適用例4の印刷制御装置は、適用例1ないし3のいずれか1の印刷制御装置において、基本色インクは水系または油系のインクであって、前記特殊インクは、前記基本色インクに対応する特性の水系または油系の無色透明のインクを含む。
このような構成であれば、印刷用紙上でインクが混じり合い、滲みによる表現や滲み度合いを制御することで、滲み効果を表現として使うことができる。

0013

〔適用例5〕 適用例5の印刷制御装置は、適用例1ないし4のいずれか1の印刷制御装置において、前記時間間隔指定手段は、印刷を行なう各描画要素に基づいて、前記複数のインクを噴射する時間間隔を指定する。
このような構成であれば、印刷を行なう描画要素の印刷の時間間隔を指定することにより、複数のインクを噴射する順序を指定できる。

0014

〔適用例6〕 適用例6の印刷制御装置は、適用例1ないし4のいずれか1の印刷制御装置において、前記時間間隔指定手段は、印刷に用いる各描画レイヤに基づいて、前記複数のインクを噴射する時間間隔を指定する。
このような構成であれば、印刷に用いる描画レイヤーの印刷の時間間隔を指定することにより、複数のインクを噴射する順序を指定できる。

0015

〔適用例7〕 一方、上記目的を達成するために、適用例7の印刷要求端末は、印刷装置に対して印刷を要求する印刷要求端末であって、前記印刷装置が、特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う場合に、前記複数のインクを噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定手段と、前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔に基づいて、前記複数のインクの噴射時点を時系列順にみたときの各順位に、前記複数のインクの噴射を制御する印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを前記印刷装置に送信する印刷データ送信手段とを備える。

0016

このような構成であれば、印刷要求端末では、時間間隔指定手段により時間間隔が指定されると、印刷データ生成手段により、指定時間間隔に基づいて各順位ごとに印刷データが生成される。そして、印刷データ送信手段により、生成された各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データが印刷装置に順次送信される。

0017

〔適用例8〕 一方、上記目的を達成するために、適用例8の印刷装置は、印刷要求端末からの印刷要求に応じて、特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う印刷装置であって、前記複数のインクを噴射して印刷を行う印刷手段と、前記印刷要求端末から、印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データ受信手段で受信した前記印刷データに基づいて前記印刷手段を制御することにより、前記複数のインクを所定の時間間隔で噴射させる印刷制御手段とを備え、前記印刷データは、前記複数のインクを噴射する時間間隔の指定に基づいて、前記複数のインクの噴射時点を時系列順にみたときの各順位に、前記複数のインクの噴射を制御する。

0018

このような構成であれば、印刷装置では、印刷データ受信手段で印刷データを受信すると、印刷制御手段により、順次受信した印刷データに基づいて印刷手段が制御され、複数のインクが指定時間間隔で噴射される。

0019

〔適用例9〕 一方、上記目的を達成するために、適用例9の印刷制御方法は、特色インクまたは特殊インクを含む複数のインクを噴射して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御方法であって、前記特色インクまたは前記特殊インクを含む複数の前記インクを噴射して印刷を行う場合に、当該インクを噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定ステップと、前記時間間隔指定ステップで指定された時間間隔に基づいて、前記インクの噴射時点を時系列順にみたときの各順位ごとに、当該順位の前記インクの噴射を制御する印刷データを生成する印刷データ生成ステップと、前記印刷データ生成ステップで生成した各順位の印刷データのうち第1順位から順番に得られる印刷データに基づいて前記印刷装置を順次制御することにより、複数の前記インクを前記時間間隔指定ステップで指定された時間間隔で噴射させる印刷制御ステップとを含む。

0020

〔適用例10〕 一方、上記目的を達成するために、適用例10の印刷制御装置は、複数の記録剤を噴射して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、複数の前記記録剤を噴射して印刷を行う場合に、当該記録剤を噴射する時間間隔を指定する時間間隔指定手段と、前記時間間隔指定手段で指定された時間間隔に基づいて前記印刷装置を制御することにより、複数の前記記録剤を当該時間間隔指定手段で指定された時間間隔で噴射させる印刷制御手段とを備える。

0021

このような構成であれば、時間間隔指定手段により時間間隔が指定されると、印刷制御手段により、指定時間間隔に基づいて印刷装置が制御され、複数の記録剤が指定時間間隔で噴射される。
ここで、記録剤とは、文字や画像等の情報を用紙等の印刷媒体に記録可能な材料をいい、これには、例えば、インク、トナーが含まれる。インクには、基本色(例えば、CMYK)インク、特色インクおよび特殊インクのほか、滲み効果という記録を伴う点で水も含まれる。

0022

また、時間間隔は、単一の画素に対して3回以上記録剤を噴射する場合は、時間間隔をそれぞれ指定することもできるし、時間間隔を一括で指定することもできる。

発明を実施するための最良の形態

0023

〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。
A印刷システムの構成
まず、本発明を適用する印刷システムの構成を説明する。
図1は、印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図1において、印刷装置100と、印刷装置100に対して印刷を要求する印刷要求端末200とが通信ケーブルを介して通信可能に接続されている。
ここで、印刷装置100としては、シリアルプリンタラインプリンタのいずれも適用可能であるが、シリアルプリンタを適用した場合について以下に説明する。

0024

印刷装置100は、印刷制御を行う印刷制御部10と、印刷要求端末200との間でデータの送受信を行う通信部12と、データやテーブル等をファイルとして記憶可能なHD等からなる記憶部14と、印刷用紙上に画像を形成する画像形成部16とを有して構成されている。
印刷制御部10は、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPUと、所定領域にあらかじめCPUの制御プログラム等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、通信部12等に対してデータの入出力を媒介するI/Fとで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバスで相互にかつデータ授受可能に接続されている。

0025

画像形成部16は、印刷用紙を搬送する搬送ローラと、印刷用紙の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジとを有して構成されている。キャリッジは、CMYKの基本色インク、特色インクおよび特殊インクのインクカートリッジ着脱可能なカートリッジホルダと、カートリッジホルダからインクの供給を受けてノズルから微小なインクを噴射することにより印刷用紙にドットを形成する印字ヘッドとを一体に備えている。印刷用紙上に画像を形成する場合は、印刷制御部10の制御に従って、キャリッジの1往復ごとに搬送ローラにより印刷用紙を所定量移動させ、印字ヘッドの移動方向および搬送ローラの搬送方向の各最小移動ごとに、各インク色のいずれかについてドットの有無およびサイズを制御することにより行う。

0026

印刷要求端末200は、情報処理を行う情報処理部30と、印刷装置100との間でデータの送受信を行う通信部32と、データやテーブル等をファイルとして記憶可能なHD等からなる記憶部34と、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードマウス等からなる入力部36と、画像信号に基づいて画面を表示する表示部38とを有して構成されている。

0027

情報処理部30は、印刷制御部10と同様に、CPU、ROM、RAMおよびI/Fをバス接続して構成されている。
記憶部34には、印刷要求端末200で実行される描画アプリケーションで作成された描画データが記憶されている。
描画アプリケーションでは、後述のように、表示部38の表示画面を見ながら操作者(ユーザ)が入力部36を操作することにより、例えば図5に示すような描画データが生成される。
すなわち、描画アプリケーションでは、図形等の描画要素ごとにその色に対応するインクを何番目に噴射するか、噴射した後にどれぐらいの時間間隔をあけるかを指定することによりインクを噴射する順序および時間間隔を指定することができ、描画データにその指定順序および指定時間間隔を規定して記憶部34に記憶する。
ここで、描画要素(オブジェクト)とは、四角形描画コマンドや円描画コマンド、あるいはイメージデータ描画コマンドなど描画に関するコマンドに応じた要素のことである。
また、上記のインクを噴射する順序の指定は、描画画素の単位で指定することが可能であり、描画画素の複数をまとめて1つの単位とし、この1つの単位で指定することも可能である。
なお、本発明が適用される図1の印刷システムでは、印刷装置100の印刷制御部10のCPUがROMに格納されているプログラムに従い、または印刷要求端末200の情報処理部30のCPUがROMに格納されているプログラムに従い、後述の各種の処理や制御を行う。そこで、本発明が適用される図1の印刷システムの処理や制御の一例を機能的に表現すると、図2に示すようになる。
ここで、図2の時間間隔指定部は、図1の印刷要求端末200の入力部36、表示部38、情報処理部30が相当する。また、図2の印刷データ生成部は、図1の印刷要求端末200の情報処理部30が相当する。さらに、図2の印刷制御部は、図1の印刷装置100の印刷制御部10が相当する。

0028

B 描画データの生成
次に、印刷要求端末200において、描画要素の色に対応してインクを噴射する順序、および時間間隔を指定する処理について、図3および図4を参照して説明する。
情報処理部30のCPUは、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図3および図4フローチャートに示す処理を実行する。

0029

図3は、操作者が入力部36と表示部38などを用いて、画像を描き、その後にオブジェクト単位でインクの噴射順序および時間間隔を指定する場合である。
この場合には、ステップS10において、描画ツールを用いて表示部38の表示画面を見ながら入力部36で描画を行う。例えば、色Aを選択し四角を描き、色Bを選択し丸を描く。
ステップS11では、「オブジェクト選択メニューを選び、インクの噴射順序を指定するオブジェクトを入力部36で選ぶ。例えば、丸を選ぶ。
ステップS12では、オブジェクトを選択した状態で「順位メニュー」を選ぶと、表示画面に<最上位>、<1つ上>、<1つ下>、および<最下位>が表示されるので、操作者は入力部36により所望の順位になるように指定する。例えば、<最上位>を選ぶ。
ステップS13では、「プリント設定時間制御オプション」を選ぶと、オブジェクト毎の画像がプリントする順に表示画面に表示される。そして、オブジェクトとオブジェクトの間に時間パラメータが表示され(例えばデフォルトとして「0秒」を表示)、オブジェクト間の時間間隔を希望の時間T秒に設定する。
ステップS14では、「プリント」を選ぶと、表示画面に<確認してプリント>、<ファイル出力>、および<プリント出力>が表示されるので、<確認してプリント>を入力部36で選ぶ。
ステップS15では、オブジェクト毎の画像がプリントする順にオブジェクト間の時間が表示される。そして、表示画面に<OK−プリント>、<順番・時間編集>、および<キャンセル>が表示されるので、<OK−プリント>を入力部36で選択する。
ステップS16では、上記の処理に基づき、図5に示すようなプリントコマンド(描画コマンド)を生成し、この生成したプリントコマンドを記憶部34に記憶する。
ここでは、オブジェクト単位でインクの噴射順序および時間間隔を指定したが、インクの噴射順序を指定するオブジェクトを描画レイヤとしてもよい。

0030

図4は、操作者が入力部36と表示部38などを用いて、描画レイヤ(階層)別に画像を描き、階層単位でインクの噴射順位および噴射の時間間隔を指定する場合である。
この場合には、ステップS20において、描画ツールを用いて表示部38の表示画面を見ながら入力部36で描画を行う。例えば、色Aを選択し四角を描く。
ステップS21では、「新規レイヤ挿入」メニューを選ぶ。これにより、新規レイヤに描画ができるようになる。
ステップS22では、新規レイヤに描画する。例えば、色Bを選択して丸を描く。ここで、特殊インク(例えば水)を印刷対象の全面に使用(噴射)する旨の指定をするようにしても良い。
ステップS23では、「プリント設定−時間制御オプション」を選ぶと、描画レイヤ毎の画像がプリントする順に表示画面に表示される。そして、描画レイヤと描画レイヤの間に時間パラメータが表示され(例えばデフォルトとして「0秒」を表示)、レイヤ間の時間間隔を希望の時間T秒に設定する。
ステップS24では、「プリント」を選ぶと、表示画面に<確認してプリント>、<ファイルに出力>、および<プリントに出力>が表示されるので、<確認してプリント>を入力部36で選ぶ。
ステップS25では、描画レイヤ毎の画像がプリントする順に画面とレイヤ間の時間がレイ間に表示される。そして、表示画面に<OK−プリント>、<順番・時間編集>、および<キャンセル>が表示されるので、<OK−プリント>を入力部36で選択する。
ステップS26では、上記の処理に基づき、図5に示すようなプリントコマンド(描画コマンド)を生成し、この生成したプリントコマンドを記憶部34に記憶する。
なお、上記のステップS16またはステップS26において、生成したプリントコマンドは、記憶部34に記憶するようにしたが、これに代えてそのプリントコマンドは印刷装置100に対して送信することが可能である。しかし、この場合には、そのプリントコマンドに基づく図6および後述するビットマップデータ生成処理および図7および後述する印刷データ生成処理は印刷装置100側で行うことになる。

0031

図5は、描画データのデータ構造の一例を示す図である。
描画データは、図5に示すように、描画要素の色を指定する描画コマンド400と、描画要素を描画する描画コマンド402と、描画要素を上書きすることを指示する描画コマンド(上書描画コマンド)404と、インクを噴射する時間間隔を指定する描画コマンド(時間制御コマンド)406と、1ページの描画が終了したことを指示する描画コマンド(不図示)と、すべての描画が終了したことを指示する描画コマンド(不図示)とを含んで構成されている。図5の例では、(X0、Y0、X1、Y1)の座標で指定される四角形を色Aで描画し、時間間隔をT秒間あけ、その上に、(Xc、Yc、R )の座標で指定される円を色Bで上書きして描画することを示している。この場合、色Aの四角形と色Bの円とが重なり合う部分は、色Aに対応するインク(以下、インクAという。)を噴射してからT秒間あけてその上に色Bに対応するインク(以下、インクB)を噴射することになる。

0032

C印刷要求端末の処理
次に、印刷要求端末200が実行する処理を説明する。
情報処理部30のCPUは、マイクロプロセッシングユニット等からなり、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図6および図7のフローチャートに示すビットマップ生成処理および印刷データ生成処理を実行する。

0033

C−1ビットマップデータ生成処理
初めに、ビットマップデータ生成処理を説明する。
図6は、ビットマップデータ生成処理を示すフローチャートである。
ビットマップ生成処理は、情報処理部30のCPUにおいて実行されると、図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、変数である描画レイヤNに初期値として「1」を設定する。
ここで、本実施形態では、画像を複数のレイヤに分けて印刷するので、その複数のレイヤのうちの1つが描画レイヤである。
このため、描画レイヤとは、一度に印刷する描画要素をグループ化する層をいい、複数の描画レイヤのそれぞれに、座標が重なり合う描画要素を配置することにより、描画要素を重ねて印刷することができる。したがって、どの描画レイヤにどの描画要素を配置するかによって、描画要素の重複部分においてインクを噴射する順序を異ならせることができる。

0034

次いで、ステップS102に移行して、描画パラメータ記憶領域をRAM上に確保し、ステップS104に移行して、描画レイヤNのビットマップデータを格納するためのビットマップ記憶領域をRAM上に確保し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、描画レイヤNを示す描画パラメータ(レイヤ指定パラメータ)を描画パラメータ記憶領域に格納し、ステップS108に移行して、記憶部34の描画データから描画コマンドを取得し、ステップS110に移行する。

0035

ステップS110では、取得した描画コマンドが、インクを噴射する時間間隔を指定する描画コマンド(時間制御コマンド)であるか否かを判定し(図5参照)、時間制御コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS112に移行する。
ステップS112では、取得した描画コマンドが、描画要素を上書きすることを指示する描画コマンド(上書描画コマンド)であるか否かを判定し(図5参照)、上書描画コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS114に移行する。

0036

ステップS114では、取得した描画コマンドが、1ページの描画が終了したことを指示する描画コマンド(ページ終了コマンド)であるか否かを判定し、ページ終了コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS116に移行する。
ステップS116では、取得した描画コマンドに基づいて、描画レイヤNのビットマップデータを生成し、ステップS118に移行して、生成したビットマップデータをビットマップ記憶領域に格納し、ステップS108に移行する。

0037

一方、ステップS114で、取得した描画コマンドがページ終了コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS120に移行して、1ページの描画終了を示す描画パラメータ(ページ終了パラメータ)を描画パラメータ記憶領域に格納し、ステップS122に移行する。
ステップS122では、取得した描画コマンドが、すべての描画が終了したことを指示する描画コマンド(描画終了コマンド)であるか否かを判定し、描画終了コマンドであると判定したとき(Yes) は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させるが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS104に移行する。

0038

一方、ステップS112で、取得した描画コマンドが上書描画コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS124に移行して、描画レイヤNに「1」を加算し、ステップS104に移行する。
一方、ステップS110で、取得した描画コマンドが時間制御コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS126に移行して、取得した時間制御コマンドで指定された時間間隔を示す描画パラメータ(時間間隔パラメータ)を描画パラメータ記憶領域に格納し、ステップS124に移行する。

0039

C−2印刷データ生成処理
次に、印刷データ生成処理を説明する。
図7は、印刷データ生成処理を示すフローチャートである。
印刷データ生成処理は、ビットマップ生成処理の実行後に続けて実行される処理であって、情報処理部30のCPUにおいて実行されると、図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。

0040

ステップS200では、通信部32を介して印刷要求を印刷装置100に送信し、ステップS202に移行して、描画パラメータを描画パラメータ記憶領域から読み出し、ステップS204に移行する。
ステップS204では、読み出した描画パラメータがページ終了パラメータであるか否かを判定し、ページ終了パラメータでないと判定したとき(No)は、ステップS206に移行する。

0041

ステップS206では、読み出した描画パラメータが時間間隔パラメータであるか否かを判定し、時間間隔パラメータでないと判定したとき(No)は、消去法によりレイヤ指定パラメータであると判定し、ステップS208に移行する。
ステップS208では、読み出したレイヤ指定パラメータで指定される描画レイヤ(指定描画レイヤ)のビットマップデータをビットマップ記憶領域から読み出し、ステップS210に移行する。

0042

ステップS210では、読み出したビットマップデータに対して色変換処理およびハーフトーン処理を施して2値化データを生成する。2値化データは、印字ヘッドの移動方向および搬送ローラの搬送方向に対応させて横方向および縦方向に複数の画素を配列した印刷画像を表すデータであって、各画素ごとに、ドットを形成しないことを指定するか、ドットを形成する場合は、各インク色のいずれかおよびドットのサイズを指定したデータである。

0043

次いで、ステップS212に移行して、生成した2値化データに基づいて印刷制御コマンドを生成する。印刷制御コマンドは、指定描画レイヤの画像を形成するように印刷装置100を制御するコマンドであって、その種類としては、例えば、画素の色を設定する色設定コマンド、印字ヘッドまたは印刷用紙の位置を制御する位置制御コマンド、インクを噴射する印字コマンド、印刷用紙を排出する紙送りコマンド、および指定時間間隔だけ印字待機する時間制御コマンドがある。

0044

次いで、ステップS214に移行して、生成した印刷制御コマンドを印刷データとして記憶部34にデータバッファリングし、ステップS216に移行して、通信部32を介して、記憶部34にバッファリングした印刷データを印刷装置100に送信し、ステップS218に移行する。
ステップS218では、すべての描画パラメータを描画パラメータ記憶領域から読み出したか否かを判定し、すべての描画パラメータを読み出したと判定したとき(Yes) は、ステップS220に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、ステップS202に移行する。

0045

ステップS220では、印刷制御コマンドの送信が終了したか否かを判定し、送信が終了したと判定したとき(Yes) は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させるが、そうでないと判定したとき(No)は、送信が終了するまでステップS220で待機する。
一方、ステップS206で、読み出した描画パラメータが時間間隔パラメータであると判定したとき(Yes) は、ステップS222に移行して、読み出した時間間隔パラメータで指定された時間間隔だけ印字を待機する時間制御コマンドを生成し、ステップS214に移行する。

0046

一方、ステップS204で、読み出した描画パラメータがページ終了パラメータであると判定したとき(Yes) は、ステップS224に移行して、紙送りコマンドを生成し、ステップS214に移行する。
D印刷装置の処理
次に、印刷装置100が実行する処理を説明する。
印刷制御部10のCPUは、マイクロプロセッシングユニット等からなり、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図8のフローチャートに示す印刷制御処理を実行する。

0047

図8は、印刷制御処理を示すフローチャートである。
印刷制御処理は、印刷制御部10のCPUにおいて実行されると、図8に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、通信部12を介して印刷要求を受信したか否かを判定し、印刷要求を受信したと判定したとき(Yes) は、ステップS302に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、印刷要求を受信するまでステップS300で待機する。

0048

ステップS302では、通信部12を介して印刷データを受信し、ステップS304に移行して、受信した印刷データを記憶部14のバッファに格納し、ステップS306に移行する。
ステップS306では、印刷制御コマンドをバッファから読み出し、ステップS308に移行して、読み出した印刷制御コマンドが色設定コマンドであるか否かを判定し、色設定コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS310に移行する。

0049

ステップS310では、読み出した印刷制御コマンドに基づいてインク色を設定し、ステップS306に移行する。
一方、ステップS308で、読み出した印刷制御コマンドが色設定コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS312に移行して、読み出した印刷制御コマンドが位置制御コマンドであるか否かを判定し、位置制御コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS314に移行する。

0050

ステップS314では、読み出した印刷制御コマンドに基づいてキャリッジまたは搬送ローラを制御することにより、印字ヘッドまたは印刷用紙の位置を制御する位置制御処理を実行し、ステップS306に移行する。この位置制御は、印刷画像がない部分をスキップすること、位置ポインタを初期値にし初期位置まで戻すこと、およびキャリッジが動作し実効的に紙送りと同等の効果が得られる位置制御を行うことが含まれる。

0051

一方、ステップS312で、読み出した印刷制御コマンドが位置制御コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS316に移行して、読み出した印刷制御コマンドが印字コマンドであるか否かを判定し、印字コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS318に移行する。
ステップS318では、読み出した印刷制御コマンドに基づいて印字ヘッドを制御することにより、ステップS310で設定したインク色のインクを噴射する印字制御処理を実行し、ステップS306に移行する。

0052

一方、ステップS316で、読み出した印刷制御コマンドが印字コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS320に移行して、読み出した印刷制御コマンドが紙送りコマンドであるか否かを判定し、紙送りコマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS322に移行する。
ステップS322では、読み出した印刷制御コマンドに基づいて搬送ローラを制御することにより、印刷用紙を排出する紙送り制御処理を実行し、ステップS306に移行する。

0053

一方、ステップS320で、読み出した印刷制御コマンドが紙送りコマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS324に移行して、読み出した印刷制御コマンドが時間制御コマンドであるか否かを判定し、時間制御コマンドであると判定したとき(Yes) は、ステップS326に移行する。
ステップS326では、読み出した時間制御コマンドで指定された時間間隔だけ印字を待機する待機処理を実行し、ステップS306に移行する。

0054

一方、ステップS324で、読み出した印刷制御コマンドが時間制御コマンドでないと判定したとき(No)は、ステップS328に移行して、バッファが空であるか否かを判定し、バッファが空であると判定したとき(Yes) は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS328で、バッファが空でないと判定したとき(No)は、ステップS302に移行する。

0055

印刷動作
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図9は、四角形を先に描画しT秒間あけてその上に円を描画する場合を示す図である。 本実施の形態では、図9に示すように、四角形を色Aで描画した上にT秒間あけて円を色Bで上書きして描画する。
印刷要求端末200では、図5の描画データが作成されると、ステップS100〜S128を経て、情報処理部30により、各描画レイヤごとにビットマップデータが生成され、ビットマップデータがビットマップ記憶領域に、必要な描画パラメータが描画パラメータ記憶領域にそれぞれ格納される。

0056

図10は、ビットマップ記憶領域および描画パラメータ記憶領域のデータ構造を示す図である。
その結果、描画レイヤ1のビットマップ記憶領域には、図10(a)に示すように、四角形を構成する各画素ごとに色情報「A」が、描画レイヤ2のビットマップ記憶領域には、図10(b)に示すように、円を構成する各画素ごとに色情報「B」がそれぞれ格納される。なお、色情報「0」は、画素を形成しないことを示す。また、描画パラメータ記憶領域には、図10(c)に示すように、レイヤ指定パラメータ「描画レイヤ1」、時間制御パラメータ「Wait(T) 」、レイヤ指定パラメータ「描画レイヤ2」およびページ終了パラメータが格納される。
印刷要求端末200では、ステップS200〜S224を経て、情報処理部30により、各描画レイヤごとに印刷データが生成され、印刷データが印刷装置100に順次送信される。

0057

図11は、印刷手順を示す図である。
印刷装置100では、印刷データを受信すると、ステップS300〜S328を経て、印刷制御部10により、順次受信した印刷データに基づいて画像形成部16が制御される。その結果、図8に示すように、1列目から7列目までインクAで四角形の画像が形成され、T秒間あけ、印刷用紙が2列目まで戻り、2列目から5列目までインクBで円の画像が形成される。

0058

図12は、印刷結果を示す図である。
印刷結果において四角形と円とが重なり合う部分は、図12に示すように、インクAを噴射してからT秒間あけてその上にインクBを噴射することになるので、その指定順序および指定時間間隔に基づく表現性を有する色Cが得られる。

0059

F噴射の時間間隔
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、複数のインクを噴射して印刷する場合に、インクを噴射する時間間隔によっては印刷物の表現性が異なることを見出した。例えば、特色インクAを噴射直後にインクBを噴射する場合と、特色インクAを噴射後所定時間間隔をあけてインクBを噴射する場合とでは、印刷物の質感が異なる。この現象は、特殊インクを噴射する場合も同様に見られる。以下に様々な方法について述べる。

0060

基本色インクとして水溶性のCMYKインクを、特殊インクとして水インク(水)をそれぞれ用いた。また、印刷用紙としてマット系用紙または和紙を用いた。
方法1は、前面または画像のある領域を含めた周辺に特殊インクを噴射し、T1秒間(印刷用紙に水を馴染ませるに十分な時間)あけて基本色インクを噴射する。これにより、水と水溶性インクが印刷用紙上で混じり合い、滲み効果を表現でき、新しい表現性を実現できる。

0061

方法2は、前面または画像のある領域を含めた周辺に特殊インクを噴射し、T2(T2> T1)秒間あけて基本色インクを噴射する。このように、方法1とは時間間隔を異ならせることで滲み効果を制御できるので、方法1とは異なる滲み効果を表現でき、新しい表現性を実現できる。
方法3は、基本色インクを噴射し、T3秒間(印刷用紙に基本色インクを馴染ませるに十分な時間)あけて、前面または画像のある領域を含めた周辺に特殊インクを噴射する。これは、方法1、2に対してインクを噴射する順序が逆のパターンである。先に噴射するインクと印刷用紙の馴染み方が違うので、方法1、2とは異なる滲み効果を表現でき、新しい表現性を実現できる。時間間隔を異ならせることでその表現性を広げることもできる。

0062

方法4は、特殊インクに代えて非速乾性メタリックインクを用いた。また、印刷用紙としてインクジェット写真用紙またはパンフレット等で使用される印刷本紙を用いた。非速乾性メタリックインクは、例えば、印刷用紙との組み合わせにおいて、N秒経てば周辺または上に色インクを噴射しても滲みが問題にならず、メタリック物の隣に物体を印刷することができるが、N秒未満で隣接部に基本色インクを噴射した場合は、基本色インクと滲み、濁りが生じて表現として期待していない出力になる。理想的には、速乾性メタリックインクで所望の質感が得られればよいが、得ようとする質感のインクがある特別なインクで得ることでできるならば、非速乾性メタリックインクであっても使用できることが望ましい。

0063

方法5は、メタリックレイヤーとして特殊インクを噴射し、N秒間あけて基本色インクを噴射する。このように、N秒間あけることで、始めて非速乾性メタリックインクを使うことが可能となり、所望の表現性を実現できる。
このようにして、本実施の形態では、インクを噴射する時間間隔を指定し、複数のインクを指定時間間隔で噴射して単一の画素を形成することにより、インクAを噴射してからその上にインクBを噴射する場合と、これとは異なる時間間隔をあけてインクBを噴射する場合とをそれぞれ実現することができるので、従来に比して、印刷物の表現性の多様化を図ることができる。

0064

さらに、本実施の形態では、インクを噴射する順序を指定し、複数のインクを指定順序で噴射して単一の画素を形成することにより、インクAを噴射してからその上にインクBを噴射する場合と、その逆の順序で行う場合とをそれぞれ実現することができるので、印刷物の表現性の多様化をさらに図ることができる。
さらに、本実施の形態では、特殊インクとして水インクを用いたことにより、他のインクとの滲み効果を制御できる。

0065

〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図13は、円を先に描画しT秒間あけてその上に四角形を描画する場合を示す図である。
本実施の形態では、図13に示すように、円を色Bで描画した上にT秒間あけて四角形を色Aで上書きして描画する。
印刷要求端末200では、図5の描画データが作成されると、各描画レイヤごとにビットマップデータが生成され、ビットマップデータがビットマップ記憶領域に、必要な描画パラメータが描画パラメータ記憶領域にそれぞれ格納される。

0066

図14は、ビットマップ記憶領域および描画パラメータ記憶領域のデータ構造を示す図である。
その結果、描画レイヤ1のビットマップ記憶領域には、図14(a)に示すように、円を構成する各画素ごとに色情報「B」が、描画レイヤ2のビットマップ記憶領域には、図14(b)に示すように、四角形を構成する各画素ごとに色情報「A」がそれぞれ格納される。また、描画パラメータ記憶領域には、図14(c)に示すように、図11(c)と同様の描画パラメータが格納される。

0067

印刷要求端末200では、各描画レイヤごとに印刷データが生成され、印刷データが印刷装置100に順次送信される。
印刷装置100では、印刷データを受信すると、順次受信した印刷データに基づいて画像形成部16が制御され、印刷物が得られる。
図15は、印刷結果を示す図である。

0068

印刷結果において四角形と円とが重なり合う部分は、図15に示すように、インクBを噴射してからT秒間あけてその上にインクAを噴射することになるので、その指定順序および指定時間間隔に基づく表現性を有する色Dが得られる。

0069

〔他の実施の形態〕
なお、上記第1および第2の実施の形態のほか、以下の変形例が考えられる。
(1)図16は、円の部分を除く四角形を先に描画しT秒間あけてその上に円を描画する場合を示す図である。これにより、四角形と円との境界部分について色Cが得られる。
(2)図17は、円を先に描画しT秒間あけてその上に円の部分を除く四角形を描画する場合を示す図である。これにより、四角形と円との境界部分について色Dが得られる。

0070

(3)図18は、印刷手順を示す図である。
図18に示すように、インクAで四角形の画像を、インクBで円の画像を並行に形成してもよい。図18の例では、2列分の印字および印刷用紙を2列戻す時間がT秒間である。これにより、紙送りを大きく巻き戻すことがなくなり、紙送りと戻しの誤差による印字位置の精度が向上する。また、一度目の印字によって印刷用紙の長さが変化する場合にも有効である。さらに、画像のサイズが変わったときに、同じ画像に対しては時間間隔が長くなり過ぎることがなくなり、インクの滲み効果を積極的に使って表現性を制御したい場合にも有効である。

0071

(4)図19は、印字ヘッドの間隔を調整できる印刷装置の構成を示す図である。
図19に示すように、各色の印字ヘッドの位置が物理的に差があるように構成しておき、メカニカル的な移動時間を問題にならないようにすることもできる。
(5)印字ヘッドの位置関係または印刷用紙の搬送速度(紙送り速度)のどちらか一方を時間間隔に応じて可変とすることも有効である。これにより、紙送りと戻しの誤差による印字精度の問題を改善し、安定性が向上し、また紙送りが単純になるため印刷速度も向上する。

0072

(6)アプリケーションでインクを噴射する時間間隔を指定するようにしたが、これに限らず、OS、デバイスドライバで指定することもできる。本発明は、アプリケーション、OS、デバイスドライバの役割や関係を限定するものではない。
(7)印刷用紙への印刷だけでなく、金属や布等の印刷にも応用することができる。また、インクジェット配線や物体の形成を行うなど、インクジェット応用分野においても有効である。

0073

(8)インクを噴射する順序を指定せずに時間間隔だけを指定する構成でもよい。
(9)特殊インクとして無色透明の油系のインクを用いてもよい。これにより、同様に、他のインクとの滲み効果を制御できる。
(10)印刷用紙にインクを噴射する印字ヘッドが印刷用紙の搬送方向と直交する方向に往復移動するプリンタを例に説明したが、印字ヘッドを印刷用紙の搬送方向と直交する方向に複数個並べて配置し、印字ヘッドを移動させずに印刷を行うラインヘッドプリンタにも適用可能である。

0074

(11)インクを噴射する時間間隔を指定する場合に、所定の時間間隔を指定し、その
所定の時間間隔でインクを噴射する構成としたが、これに限らず、少なくとも指定された時間間隔以上の時間間隔でインクを噴射する構成としてもよい。例えば、指定された時間間隔が2秒の場合に、5秒の時間間隔でインクを噴射してもよい。

図面の簡単な説明

0075

印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
印刷システムの制御処理の一例を機能的に表現したブロック図である。
インクの噴射順序の指定および噴射の時間間隔を指定する処理を示すフローチャートである。
インクの噴射順序の指定および噴射の時間間隔を指定する処理の他の例を示すフローチャートである。
描画データのデータ構造の一例を示す図である。
ビットマップデータ生成処理を示すフローチャートである。
印刷データ生成処理を示すフローチャートである。
印刷制御処理を示すフローチャートである。
四角形を先に描画しT秒間あけてその上に円を描画する場合を示す図である。
ビットマップ記憶領域および描画パラメータ記憶領域のデータ構造を示す図である。
印刷手順を示す図である。
印刷結果を示す図である。
円を先に描画しT秒間あけてその上に四角形を描画する場合を示す図である。
ビットマップ記憶領域および描画パラメータ記憶領域のデータ構造を示す図である。
印刷結果を示す図である。
円の部分を除く四角形を先に描画しT秒間あけてその上に円を描画する場合を示す図である。
円を先に描画しT秒間あけてその上に円の部分を除く四角形を描画する場合を示す図である。
印刷手順を示す図である。
印字ヘッドの間隔を調整できる印刷装置の構成を示す図である。

符号の説明

0076

100…印刷装置、 200…印刷要求端末、 10…印刷制御部、 12、32…通信部、 14、34…記憶部、 16…画像形成部、 30…情報処理部、 36…入力部、 38…表示部、 400〜404…描画コマンド、 410…ハート部分

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