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課題

難治性皮膚掻痒に対する効果に優れ、かつ効果に即効性があり、安全性の高い痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物を提供する。

解決手段

本発明にかかる痒み抑制剤は、マルトオリゴ糖(A)と、止痒剤及び抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を必須有効成分として含有することを特徴とする。マルトオリゴ糖(A)としては、2〜9糖から選ばれる少なくとも一種が用いられ、(B)成分として用いる止痒剤としては、ジフェンヒドラミンクロタミトン及びそれらの塩から選ばれた少なくとも一種が用いられ、抗炎症剤としては、デキサメタゾンプレドニゾロンクロベタゾングリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸グリチルレチン酸ステアリルから選ばれた少なくとも一種が用いられる。

概要

背景

「痒み」とは、「掻破したいという欲望を起こさせる不快な感覚」と定義される皮膚感覚である。多くの皮膚疾患は痒みを伴うが、掻破することで二次的な皮膚病変を形成することから、痒みのコントロールは臨床上の重要な治療課題となっている。

生体内の起痒物質としては、プロテアーゼ神経ペプチドオピオイドエイコサノイドサイトカインなど複数のものが特定あるいは推定されており(非特許文献1)、明らかな起痒物質としては、ヒスタミンが有名である。このヒスタミンの研究が最も歴史が長いことから、痒みの治療には抗ヒスタミン剤の使用が一般的である。しかし、抗ヒスタミン剤が有効な痒みは、虫刺症や蕁麻疹に限られ(非特許文献2)、アトピー性皮膚炎老人性掻痒症接触皮膚炎痒疹乾癬などの慢性掻痒疾患の痒みは、抗ヒスタミン剤に抵抗性を示し難治性であることが臨床結果から明らかにされている(非特許文献3、4)。

また、抗ヒスタミン剤と同様に、従来の痒み抑制剤に広く配合される止痒剤として、クロタミトンが挙げられる。しかし、クロタミトンも、上記アトピー性皮膚炎などの難治性の痒み治療には奏効しないことが知られている(非特許文献5)。

上記難治性の痒みの治療法としては、現在、デキサメタゾンプレドニゾロンクロベタゾングリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸グリチルレチン酸ステアリルを代表とする抗炎症剤外用が、日常診療で一般的に用いられている。しかし、前記抗炎症剤は、抗炎症が主たる作用の薬剤であるために、痒み抑制効果即効性がない(非特許文献6)。痒みは炎症に随伴する症状であり、炎症は痒みの増悪因子として働くものの痒みの根本原因ではない。さらに、前記抗炎症剤を以ってしても、薬効が認められ炎症が軽減するまでに著効例でも数時間を要する。すなわち、前記抗炎症剤によって好酸球リンパ球の調節分子であるサイトカイン、ケモカインの産生制御を介して炎症を抑えることで痒みを軽減することができても(非特許文献7)、痒みを30分以内のうちに抑制することはできない。以上のとおり、痒みの治療法には止痒剤、抗炎症剤が広く用いられているが、難治性の痒みには即効性、持続性の点でめざましい効果がないのが現状である。

その他、従来の痒み抑制剤に配合される成分には、局所麻酔成分(アミノ安息香酸エチルジブカインリドカインプロカインなど)、局所刺激成分(カンフルハッカメントールなど)、表皮形成促進剤(アラントイン)、保湿成分(尿素ヘパリン類似物質など)が挙げられる(非特許文献8)。しかし、これらの成分の止痒効果は、止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤に更に劣るだけでなく、難治性の痒みに奏効しないし、痒み抑制効果の即効性については、無いに等しい。以上のとおり、既存の外用処方で十分な痒み治療が達成されるのは、わずかに蕁麻疹、虫刺症に限定され、アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬などの慢性掻痒疾患の痒みについては十分な治療効果が得られる外用処方どころか、原因物質の特定さえされていないのが現状である。

上述のように、従来の痒み抑制剤として主に使用されていたものは止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤であるが、これらにより緩化されない痒み(難治性の痒み)が存在する。この難治性の痒みに対する痒み抑制剤も幾つか提案されているが、その効果は不十分であり、しかも、効果に即効性がない。

皮膚疾患の治療には、痒みに反応して掻破するのを防止もしくは抑制する必要があるが、そのためには、用いる痒み抑制剤の効果に即効性がなければ意味がない。それは、皮膚疾患を持つ生体は、痒みに即座に反応して掻破行為をするからであり、掻破行為を以ってしても、掻破による機械刺激により皮膚中表皮細胞肥満細胞知覚神経などから起痒物質の遊離が更なる掻破を誘引するitch-scratchサイクルと呼ばれる悪循環に陥るためである。この傾向は難治性の痒みでは顕著であり、例えば、アトピー性皮膚炎患者では掻破行為が常態化していることが知られている。したがって、痒みは発生と共に速やかに消失せねば意味がなく、我慢できるものでもなければ、掻破によって解決するものでもなく、ましてや短時間のうちに痒み症状に奏効しない止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤の外用は臨床的な意味をもたない。

皮膚疾患、特に難治性の痒みを伴う皮膚疾患が掻破行為によって更に深刻化するのを避けるためには、即効性のある痒み抑制剤が必須であるが、かかる要請に対応可能な痒み抑制剤は、提供されていないのが、現状である。

例えば、特許文献1には、ラクト−N−テトラオースまたはラクト−N−ネオテトラオースとヒト血清アルブミンキャリアーたんぱく質とする結合物を有効成分とする非特異的IgE産生促進剤が発明されているが、アレルギー症状誘導したマウスへ3週間にわたる計3回の腹腔内投与抗アレルギー効果が認められているものの、単回投与での有意な改善効果については記載がなく、痒みの改善効果については示唆すらされていない。

また、特許文献2には、(A)セラミド類、(B)二価以上のポリオールから選ばれる1種以上、(C)消炎作用化合物及び抗炎症作用化合物の群から選ばれる1種以上、を含有する皮膚外用剤組成物が開示されている。しかし、この皮膚外用剤組成物は、乾燥した皮膚に潤いを与えることにより痒みや湿疹を抑制するもので、その痒み抑制効果は限定的であり、難治性の皮膚掻痒に対する抑制効果は期待できないし、ましてや、その効果に即効性と持続性を期待することはできない。

また、特許文献3には、局所麻酔剤、尿素、清涼化剤アルコール類および水を含有する知覚過敏型肌掻痒感改善用の皮膚外用剤が開示されている。この皮膚外用剤は、知覚過敏型の肌の痒みを他の感覚(清涼感灼熱感)に置換することに特徴がある。すなわち、この皮膚外用剤は、その成分により皮膚に他のより強い感覚を発生させることにより、痒みを見かけの上で抑制するものである。したがって、薬剤による清涼感や灼熱感が減衰した時には、再び強い掻痒感が戻ってくるので、痒みの根本的な抑制を必要とする難治性の皮膚掻痒に対する抑制効果は期待できないし、ましてや、その効果に即効性と持続性を期待することはできない。

概要

難治性の皮膚掻痒に対する効果に優れ、かつ効果に即効性があり、安全性の高い痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物を提供する。本発明にかかる痒み抑制剤は、マルトオリゴ糖(A)と、止痒剤及び抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を必須有効成分として含有することを特徴とする。マルトオリゴ糖(A)としては、2〜9糖から選ばれる少なくとも一種が用いられ、(B)成分として用いる止痒剤としては、ジフェンヒドラミン、クロタミトン及びそれらの塩から選ばれた少なくとも一種が用いられ、抗炎症剤としては、デキサメタゾン、プレドニゾロン、クロベタゾン、グリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルから選ばれた少なくとも一種が用いられる。 なし

目的

本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、難治性の皮膚掻痒に対する効果に優れ、得られる効果に即効性と持続性があり、かつ安全性の高い痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

マルトオリゴ糖(A)と、止痒剤および抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を必須有効成分として含有することを特徴とする痒み抑制剤

請求項2

マルトオリゴ糖(A)が2〜9糖から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の痒み抑制剤。

請求項3

止痒剤が、ジフェンヒドラミンクロタミトン及びそれらの塩から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の痒み抑制剤。

請求項4

抗炎症剤が、デキサメタゾンプレドニゾロンクロベタゾングリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸グリチルレチン酸ステアリルから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の痒み抑制剤。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の痒み抑制剤を有効成分として有する痒み抑制組成物

請求項6

皮膚外用剤であることを特徴とする請求項5に記載の痒み抑制組成物。

技術分野

0001

本発明は、生体の痒みを抑制する痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物に関し、さらに詳しくは、特に難治性の痒みの抑制に即効性持続性を有する痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物に関する。

背景技術

0002

「痒み」とは、「掻破したいという欲望を起こさせる不快な感覚」と定義される皮膚感覚である。多くの皮膚疾患は痒みを伴うが、掻破することで二次的な皮膚病変を形成することから、痒みのコントロールは臨床上の重要な治療課題となっている。

0003

生体内の起痒物質としては、プロテアーゼ神経ペプチドオピオイドエイコサノイドサイトカインなど複数のものが特定あるいは推定されており(非特許文献1)、明らかな起痒物質としては、ヒスタミンが有名である。このヒスタミンの研究が最も歴史が長いことから、痒みの治療には抗ヒスタミン剤の使用が一般的である。しかし、抗ヒスタミン剤が有効な痒みは、虫刺症や蕁麻疹に限られ(非特許文献2)、アトピー性皮膚炎老人性掻痒症接触皮膚炎痒疹乾癬などの慢性掻痒疾患の痒みは、抗ヒスタミン剤に抵抗性を示し難治性であることが臨床結果から明らかにされている(非特許文献3、4)。

0004

また、抗ヒスタミン剤と同様に、従来の痒み抑制剤に広く配合される止痒剤として、クロタミトンが挙げられる。しかし、クロタミトンも、上記アトピー性皮膚炎などの難治性の痒み治療には奏効しないことが知られている(非特許文献5)。

0005

上記難治性の痒みの治療法としては、現在、デキサメタゾンプレドニゾロンクロベタゾングリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸グリチルレチン酸ステアリルを代表とする抗炎症剤外用が、日常診療で一般的に用いられている。しかし、前記抗炎症剤は、抗炎症が主たる作用の薬剤であるために、痒み抑制効果に即効性がない(非特許文献6)。痒みは炎症に随伴する症状であり、炎症は痒みの増悪因子として働くものの痒みの根本原因ではない。さらに、前記抗炎症剤を以ってしても、薬効が認められ炎症が軽減するまでに著効例でも数時間を要する。すなわち、前記抗炎症剤によって好酸球リンパ球の調節分子であるサイトカイン、ケモカインの産生制御を介して炎症を抑えることで痒みを軽減することができても(非特許文献7)、痒みを30分以内のうちに抑制することはできない。以上のとおり、痒みの治療法には止痒剤、抗炎症剤が広く用いられているが、難治性の痒みには即効性、持続性の点でめざましい効果がないのが現状である。

0006

その他、従来の痒み抑制剤に配合される成分には、局所麻酔成分(アミノ安息香酸エチルジブカインリドカインプロカインなど)、局所刺激成分(カンフルハッカメントールなど)、表皮形成促進剤(アラントイン)、保湿成分(尿素ヘパリン類似物質など)が挙げられる(非特許文献8)。しかし、これらの成分の止痒効果は、止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤に更に劣るだけでなく、難治性の痒みに奏効しないし、痒み抑制効果の即効性については、無いに等しい。以上のとおり、既存の外用処方で十分な痒み治療が達成されるのは、わずかに蕁麻疹、虫刺症に限定され、アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬などの慢性掻痒疾患の痒みについては十分な治療効果が得られる外用処方どころか、原因物質の特定さえされていないのが現状である。

0007

上述のように、従来の痒み抑制剤として主に使用されていたものは止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤であるが、これらにより緩化されない痒み(難治性の痒み)が存在する。この難治性の痒みに対する痒み抑制剤も幾つか提案されているが、その効果は不十分であり、しかも、効果に即効性がない。

0008

皮膚疾患の治療には、痒みに反応して掻破するのを防止もしくは抑制する必要があるが、そのためには、用いる痒み抑制剤の効果に即効性がなければ意味がない。それは、皮膚疾患を持つ生体は、痒みに即座に反応して掻破行為をするからであり、掻破行為を以ってしても、掻破による機械刺激により皮膚中表皮細胞肥満細胞知覚神経などから起痒物質の遊離が更なる掻破を誘引するitch-scratchサイクルと呼ばれる悪循環に陥るためである。この傾向は難治性の痒みでは顕著であり、例えば、アトピー性皮膚炎患者では掻破行為が常態化していることが知られている。したがって、痒みは発生と共に速やかに消失せねば意味がなく、我慢できるものでもなければ、掻破によって解決するものでもなく、ましてや短時間のうちに痒み症状に奏効しない止痒剤(抗ヒスタミン剤、クロタミトン)、抗炎症剤の外用は臨床的な意味をもたない。

0009

皮膚疾患、特に難治性の痒みを伴う皮膚疾患が掻破行為によって更に深刻化するのを避けるためには、即効性のある痒み抑制剤が必須であるが、かかる要請に対応可能な痒み抑制剤は、提供されていないのが、現状である。

0010

例えば、特許文献1には、ラクト−N−テトラオースまたはラクト−N−ネオテトラオースとヒト血清アルブミンキャリアーたんぱく質とする結合物を有効成分とする非特異的IgE産生促進剤が発明されているが、アレルギー症状誘導したマウスへ3週間にわたる計3回の腹腔内投与抗アレルギー効果が認められているものの、単回投与での有意な改善効果については記載がなく、痒みの改善効果については示唆すらされていない。

0011

また、特許文献2には、(A)セラミド類、(B)二価以上のポリオールから選ばれる1種以上、(C)消炎作用化合物及び抗炎症作用化合物の群から選ばれる1種以上、を含有する皮膚外用剤組成物が開示されている。しかし、この皮膚外用剤組成物は、乾燥した皮膚に潤いを与えることにより痒みや湿疹を抑制するもので、その痒み抑制効果は限定的であり、難治性の皮膚掻痒に対する抑制効果は期待できないし、ましてや、その効果に即効性と持続性を期待することはできない。

0012

また、特許文献3には、局所麻酔剤、尿素、清涼化剤アルコール類および水を含有する知覚過敏型肌掻痒感改善用の皮膚外用剤が開示されている。この皮膚外用剤は、知覚過敏型の肌の痒みを他の感覚(清涼感灼熱感)に置換することに特徴がある。すなわち、この皮膚外用剤は、その成分により皮膚に他のより強い感覚を発生させることにより、痒みを見かけの上で抑制するものである。したがって、薬剤による清涼感や灼熱感が減衰した時には、再び強い掻痒感が戻ってくるので、痒みの根本的な抑制を必要とする難治性の皮膚掻痒に対する抑制効果は期待できないし、ましてや、その効果に即効性と持続性を期待することはできない。

0013

特開2001−081041号公報
特開2003−183148号公報
特開2007−262031号公報

先行技術

0014

山本昇壮、高路修、秀道広、「月刊デルマ」、30、25〜33頁、全日本病院出版会(1999年)
「痒み最前線」、94-97頁、メディカルレビュー社(2006年刊
Wahlgren C.F., Acta Derm. Venereol. Suppl., 165, 1-53 (1991)
高森建二、「日本医事新報」、4262、1〜7頁、(2006年)
Smith EB, King CA, Baker MD., Int J Dermatol., 23(10), 684-685 (1984)
「肥満細胞」永井博弌著、643〜654頁、メディカルレビュー社(1990年刊)
「痒み最前線」、84-87頁、メディカルレビュー社(2006年刊)
「OTCハンドブック2004−05」、779〜839頁、学術情報流通センター(2004年刊)

発明が解決しようとする課題

0015

本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、難治性の皮膚掻痒に対する効果に優れ、得られる効果に即効性と持続性があり、かつ安全性の高い痒み抑制剤および該痒み抑制剤を有効成分として含有する痒み抑制組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

本発明者らは、上記課題を解決するために、難治性の皮膚掻痒に対し、即効性と持続性に優れた掻痒抑制剤を得るべく鋭意研究を行った結果、特定のマルトオリゴ糖(A)と、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を同時に含有させることによって、初めて難治性の痒みに対する効果に優れ、かつ効果に著しい即効性と持続性とを発揮する痒み抑制剤を得ることができることを知るに到った。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。

0017

すなわち、本発明にかかる痒み抑制剤は、特定のマルトオリゴ糖(A)と、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を同時に含有することを特徴とする。
なお、本発明に係る痒み抑制剤は、マルトオリゴ糖(A)と、止痒剤および抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を必須有効成分として含有することを特徴とするものであり、前記必須有効成分以外に任意の有効成分を含有していても良い。

0018

(必須成分(A))
本発明で用いるマルトオリゴ糖(A)は、マルトース(2糖)、マルトトリオース(3糖)、マルトテトラオース(4糖)、マルトペンタオース(5糖)、マルトヘキサオース(6糖)、マルトヘプタオース(7糖)、マルトオクタオース(8糖)、およびマルトノナオース(9糖)である。これら2〜9糖のオリゴ糖の中でも好ましくは3〜6糖、より好ましくは4糖または5糖である。本発明で用いるマルトオリゴ糖(A)としては、前記2〜9糖、好ましくは3〜6糖、より好ましくは4糖または5糖から選ばれる少なくとも一種が用いられる。これらマルトオリゴ糖は、NK1受容体拮抗作用を有し、サブスタンスP起因性の痒みを抑制する作用を持つ化合物である。これらのマルトオリゴ糖は、例えば、SIGMA社から購入することができる。また、これらマルトオリゴ糖は食品にも使用可能な安全性の高い化合物である。

0019

(必須成分(B))
本発明の必須成分(B)として用いることのできる止痒剤としては、ジフェンヒドラミン、クロタミトン及びそれらの塩を挙げることができる。これら止痒剤は、外用剤として汎用され安全性が確認されている成分である。これらの止痒剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。

0020

また、本発明の必須成分(B)として用いることのできる抗炎症剤としては、デキサメタゾン、プレドニゾロン、クロベタゾン、グリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルを挙げることができる。これら抗炎症剤は、上記止痒剤と同様に、外用剤として汎用され安全性が確認されている成分である。これらの抗炎症剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。

0021

本発明にかかる痒み抑制組成物は、前記いずれかの痒み抑制剤を有効成分として、各種用途に応じた他の成分に配合してなることを特徴とする組成物である。

発明の効果

0022

本発明の痒み抑制剤は、生体に安全な成分から構成され、皮膚に発現する痒みに対して優れた抑制作用を示し、かつこの痒み抑制作用の効果に即効性と持続性とがある。したがって、本発明の痒み抑制剤は、皮膚疾患の緩化あるいは治療に大変有効であり、この痒み抑制剤を有効成分として医薬組成物化粧品組成物を構成することにより、日常的に継続して安全に使用可能な形態の痒み抑制組成物を提供することができる。

0023

本発明にかかる痒み抑制剤は、上述のように、特定のマルトオリゴ糖(A)と、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を同時に含有することを特徴とする。また、本発明にかかる痒み抑制組成物は、前記いずれかの痒み抑制剤を有効成分として、各種用途に応じた他の成分に配合してなることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態につき更に詳しく説明する。

0024

(痒み抑制剤)
(必須成分(A))
本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物において、必須成分であるマルトオリゴ糖(A)は、前述のように、マルトース(2糖)、マルトトリオース(3糖)、マルトテトラオース(4糖)、マルトペンタオース(5糖)、マルトヘキサオース(6糖)、マルトヘプタオース(7糖)、マルトオクタオース(8糖)、およびマルトノナオース(9糖)の2〜9糖、好ましくは3〜6糖、より好ましくは4糖または5糖から選ばれる少なくとも一種が用いられる。

0025

このマルトオリゴ糖(A)の本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物における配合量は有効量であり、用法、剤形投与対象者の年齢性別その他の条件、症状、疾患の程度などに応じて適宜に設定されるが、通常0.001質量%〜50質量%配合するのがよい。好ましくは0.01質量%〜35質量%、より好ましくは0.1質量%〜15質量%配合するのがよい。配合量が0.001質量%〜50質量%であると、成分(B)との併用による相乗効果を得ることができる。なお、成分(A)の配合量が0.001質量%を下回ると本発明の効果を発揮できない。また、成分(A)の配合量が50質量%を上回っても効果向上は見られず、処方によっては安定性や製造が困難になるものもあることから、50質量%を超えない方がよい。

0026

(必須成分(B):特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種)
本発明の痒み抑制剤または痒み抑制組成物において、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)の配合量は有効量であり、用法、剤形、投与対象者の年齢、性別その他の条件、症状、疾患の程度などに応じて適宜に設定されるが、通常は、市販品の配合濃度の上限に従った濃度が好適に使用できる。すなわち、本発明の痒み抑制組成物中の止痒剤の配合量は0.1質量%〜20質量%であり、抗炎症剤の配合量が0.01質量%〜2質量%である。なお、止痒剤の配合量が0.1質量%未満となると本発明の効果を発揮できず、配合量が20質量%を超えても効果向上は見られず、処方によっては薬物の過剰投与によって皮膚刺激等の弊害が引き起こされるおそれが生じることもあることから、20質量%を超えない方がよい。また、抗炎症剤の配合量が0.01質量%未満となると本発明の効果を発揮できず、2質量%を超えても効果向上は見られず、処方によっては安全性の確保が困難になるものもあることから、2質量%を超えない方がよい。

0027

例えば、止痒剤のうち抗ヒスタミン剤のジフェンヒドラミンは上限10質量%、より好ましくは0.1質量%〜2質量%を配合できる。また、止痒剤のうちクロタミトンは、上限20質量%、より好ましくは1質量%〜10質量を配合できる。

0028

抗炎症剤のうち、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾンは上限2質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.05質量%、プレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロンは上限2質量%、より好ましくは0.125質量%〜0.3質量%、クロベタゾン、酪酸クロベタゾンは上限2%、より好ましくは0.001質量%〜0.1、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリルは上限5質量%、より好ましくは0.05質量%〜1質量%を配合できる。

0029

本発明の痒み抑制剤は、必須有効成分であるマルトオリゴ糖(必須成分(A))と、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(必須成分(B))以外の成分を適宜に選択し、配合して痒み抑制組成物とすることにより、外用処方で医薬品、医薬部外品は無論、化粧品の形態で使用することができる。

0030

(痒み抑制組成物)
本発明の痒み抑制剤を有効成分として配合することにより、全身皮膚頭皮などに適用可能な痒み抑制組成物を得ることができる。かかる痒み抑制組成物の剤形としては、例えば、絆創膏サージカルテープなどの非水外用製剤パップ剤などの含水系外用製剤;クリームハンドクリーム乳液化粧水ローションなどの皮膚外用剤;石鹸ハンドソープボディソープなどの皮膚洗浄剤入浴剤水虫薬にきび治療剤、止痒剤などの皮膚治療剤シャンプーリンストニック育毛剤などの毛髪化粧料などを挙げることができる。また、前記痒み抑制組成物には、前記それぞれの剤形を与える公知の賦形剤などの成分を配合することができる。

0031

前記痒み抑制組成物の用量としては、必須有効成分であるマルトオリゴ糖(A)と、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(必須成分(B))の配合濃度や、剤形、投与対象者の年齢、性別その他の条件、症状、疾患の程度などに応じて適宜選定されるが、1日あたり0.1g〜5gが通常量であり、これを1日1回または複数回に分けて患部に塗布する。

0032

以下に、本発明の実施例を説明する。以下に示す実施例は、本発明を好適に説明する例示であり、本発明を限定するものではない。

0033

(実施例1〜53)
下記(表1〜7)に示すように、(A)成分(マルトオリゴ糖)として、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトテトラオースとマルトペンタオースの併用を用い、(B)成分の止痒剤として、塩酸ジフェンヒドラミン、クロタミトン、シクロスポリン、抗炎症剤として、デキサメタゾン、プレドニゾロン、クロベタゾン、グリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、酢酸ジフロラゾンを組み合わせ、その他の成分として、エタノール、水を加えて、実施例1〜53のそれぞれのサンプルを調製した。

0034

(比較例1〜17)
下記(表8及び9)に示すように、成分がエタノールと精製水のみからなるサンプル(比較例1)、マルトオリゴ糖((A)成分)とエタノールと精製水の3成分系からなるサンプル(比較例2〜4)、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)とエタノールと精製水の3成分系からなるサンプル(比較例5〜16)、その他のイソマルトオリゴ糖と止痒剤((B)成分)とエタノールと精製水の4成分系からなるサンプル(比較例17)を調製した。

0035

上記実施例1〜53、および比較例1〜17の各サンプルの止痒効果と、止痒効果の即効性および持続性を、以下の評価基準に従って、評価した。評価結果は、下記(表1〜9)に併記した。

0036

(止痒効果:NCマウス自発性掻破行動に対する作用)
難治性の痒みを呈するアトピーモデル動物を用いて、止痒効果を評価した。アトピーモデル動物には、広く研究に用いられるNC/Ngaマウスを用いた。市販の雄性NC/Ngaマウス(日本エスエルシー株式会社)を6週齢で購入し、温度23±1℃、湿度60±10%、明暗サイクルを(7:00〜19:00(明)→19:00〜7:00(暗))としたSPF(Specific Pathogen Free:無菌特殊環境)下で、通常の(日本農産工業株式会社製、商品名「CE2」)と水を自由摂取させて、剃毛背部皮膚に1mg/mLの抽出ダニ抗原(株式会社 エル・エス・エル製)の外用を週2回、計4週間行って皮膚症状を誘導し、実験に供した。掻破行動の観察は定法に従い、後肢による背部および顔部の掻破行動を無人化でビデオ撮影し、目視によって1時間あたりの掻破回数カウントした。

0037

上記皮膚痒み症状を発症させたマウスを検体とし、それらに前記実施例1〜53および比較例1〜17の各サンプル(皮膚外用組成物)0.2mLを、絵筆を用いて背部に塗布し、直後からの掻破行動を観察した。試験は1群12匹で行い、薬物塗布による掻破回数の抑制率(Pir(%))を算出した。有意差検定は、次式(1)のとおり、各サンプル塗布群の塗布前と後のそれぞれ掻破回数(Abefore)と(Aafter)について、t検定を用いて、処理した。

Pir(%)={(Abefore−Aafter)/Abefore}×100 (1)

0038

(止痒効果の即効性の評価基準)
5点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、70%以上。
4点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、50%以上70%未満。
3点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、30%以上50%未満。
2点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、10%以上30%未満。
1点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、5%以上10%未満。
0点:薬剤外用直後から30分間の持続的な掻痒抑制率(Pir)が、5%未満。

0039

(止痒効果の持続性の評価基準)
5点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、70%以上。
4点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、50%以上70%未満。
3点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、30%以上50%未満。
2点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、10%以上30%未満。
1点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、5%以上10%未満。
0点:薬剤外用後3時間経過した後の30分間の掻痒抑制率(Pir)が、5%未満。

0040

0041

0042

0043

0044

0045

0046

0047

0048

0049

(表1)〜(表9)に示した評価結果から明らかなように、マルトオリゴ糖(A)と、特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を必須有効成分として含有する本発明の痒み抑制組成物は、従来の主剤である止痒剤や抗炎症剤を含有しながらも、特定のマルトオリゴ糖と同時に用いることにより、従来の痒み抑制組成物に抵抗性を示すアトピー性皮膚炎などの難治性の掻痒に対して止痒作用を有し、しかもその止痒作用に即効性及び持続性があり、優れた治療効果を発揮することが確認できる。

0050

マルトオリゴ糖(A)に特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を組み合わせることにより得られた止痒作用の即効性、持続性は、(A)(B)両成分の単純な相加効果ではなく、著しい相乗効果によるものであることは、例えば、以下のような実施例と比較例の成績から明らかである。

0051

まず、実施例15では、必須成分として、マルトトリオース((A)成分):5.0質量%および塩酸ジフェンヒドラミン((B)成分):2.0質量%を含有しており、止痒効果の即効性は4点、止痒効果の持続性は4点である。これに対して必須成分としてマルトトリオース((A)成分):5.0質量%のみを含有する比較例2の止痒効果の即効性は2点、止痒効果の持続性は2点であり、必須成分として塩酸ジフェンヒドラミン((B)成分):2.0質量%のみを含有する比較例5の止痒効果の即効性は0点、止痒効果の持続性は0点である。

0052

同様に、実施例31では、必須成分として、マルトテトラオース((A)成分):5.0質量%およびクロタミトン((B)成分):10.0質量%を含有しており、止痒効果の即効性は5点、止痒効果の持続性は4点である。これに対して必須成分としてマルトテトラオース((A)成分):5.0質量%のみを含有する比較例3の止痒効果の即効性は2点、止痒効果の持続性は2点であり、必須成分としてクロタミトン((B)成分):10.0質量%のみを含有する比較例6の止痒効果の即効性は1点、止痒効果の持続性は0点である。

0053

さらに、実施例47では、必須成分として、マルトペンタオース((A)成分):5.0質量%および酢酸デキサメタゾン((B)成分):0.05質量%を含有しており、止痒効果の即効性は5点、止痒効果の持続性は4点である。これに対して必須成分としてマルトペンタオース((A)成分):5.0質量%のみを含有する比較例4の止痒効果の即効性は2点、止痒効果の持続性は2点であり、必須成分として酢酸デキサメタゾン((B)成分):0.05質量%のみを含有する比較例8の止痒効果の即効性は0点、止痒効果の持続性は1点である。

0054

したがって、マルトオリゴ糖(A)に特定の止痒剤および特定の抗炎症剤から選ばれる少なくとも一種(B)を組み合わせることにより得られた止痒作用の即効性、持続性は、(A)(B)両成分の単純な相加効果ではなく、著しい相乗効果によるものであることは、明らかである。

0055

また、実施例51では、(B)成分として止痒剤と呼称される化合物(クロタミトン)と抗炎症剤と呼称される化合物(酪酸クロベタゾン)とを同時に用いており、止痒剤または抗炎症剤から選ばれた一種を(B)成分として用いている他の実施例と同様に高い効果が得られている。したがって、(A)成分と(B)成分を必須成分として有する本発明の痒み抑制剤においては、必須成分である(B)成分として、止痒剤と呼称される化合物と抗炎症剤と呼称される化合物からなる群から選ばれる一種もしくは二種以上を用いることにより、優れた止痒効果の即効性および持続性を得ることができることが明らかである。

0056

以下に、本発明の痒み抑制剤を有効成分とした痒み抑制組成物の具体例として、痒み止め軟膏ヘアートニックに適用した場合の配合例を表10〜表13に示す。

0057

(配合例1〜16)痒み止め軟膏

0058

0059

0060

(配合例17〜32)痒み止めヘアートニック

0061

実施例

0062

0063

以上のように、本発明の痒み抑制剤および痒み抑制外用組成物は、皮膚に発現する痒みに対して優れた抑制作用を有し、しかも効果の即効性と持続性に優れ、皮膚疾患の緩化および治療に非常に有効であり、医薬組成物、化粧品組成物として日常的に継続して使用可能な形態で好適に用いることができるものである。

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