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技術 位置決め治具および静翼の製造方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 大塩誠
出願日 2008年3月13日 (12年9ヶ月経過) 出願番号 2008-064830
公開日 2009年10月1日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-220197
状態 未査定
技術分野 工作機械の治具 ガスタービン、高圧・高速燃焼室
主要キーワード 位置決め加工 クランプ用ボルト 配置向き 略立方体状 一般構造用鋼 JIS規格 中心軸線まわり 位置決め対象
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年10月1日)のものです。
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図面 (6)

課題

磨耗した際の再製コストの低減を図るとともに、位置決め精度の維持が容易な位置決め治具および静翼の製造方法を提供する。

解決手段

位置決め対象と当接される円周面31を有する略円柱状の位置決め部6と、位置決め部6の中心軸線に沿う方向に位置を変えて、位置決め部6の配置が可能な溝部11を有する台部3と、が設けられていることを特徴とする。

概要

背景

一般に、加工対象物であるワークを機械加工する際には、ワークを支持するとともにワークを所定位置に配置させる位置決めピンなどの専用の位置決め治具が用いられている。このような位置決め治具には、ワークの寸法精度を確保するために、ワークの寸法精度よりも高い寸法精度が求められている。

上述の高い寸法精度を得るためには、治具を構成する部品同士の嵌め合いにおける隙間を制限する必要がある。しかしながら、上述の隙間を制限することにより治具の組立て性が悪化したり、逆に所望の寸法精度が得られにくくなったりしていた。
そのため、位置決め治具の寸法精度を確保するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1から3参照。)。

一方で、組み立てられた位置決め加工治具の寸法精度を確認するため、または、所定期間使用された位置決め治具の寸法精度が悪化していないか確認するため、位置決め治具の寸法を計測する必要もある。
このとき、位置決め治具の寸法測定が困難では、上述の高い寸法精度を確保することが困難となる。そこで、位置決め治具の寸法精度の確認を容易にするための技術も提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
実開平01−124413号公報
特開2000−354930号公報
特開2007−090446号公報
実開平03−091903号公報

概要

磨耗した際の再製コストの低減をるとともに、位置決め精度の維持が容易な位置決め治具および静翼の製造方法を提供する。位置決め対象と当接される円周面31を有する略円柱状の位置決め部6と、位置決め部6の中心軸線に沿う方向に位置を変えて、位置決め部6の配置が可能な溝部11を有する台部3と、が設けられていることを特徴とする。

目的

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、磨耗した際の再製作コストの低減を図るとともに、位置決め精度の維持が容易な位置決め治具および静翼の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

位置決め対象と当接される円周面を有する略円柱状の位置決め部と、該位置決め部の中心軸線に沿う方向に位置を変えて、前記位置決め部の配置が可能な溝部を有する台部と、が設けられていることを特徴とする位置決め治具

請求項2

前記位置決め部には中心軸線に沿って延びる平面状の設置面が設けられ、前記溝部には、前記設置面と当接される平面状の底面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の位置決め治具。

請求項3

中心軸線に対して対称な形状の当接面を有する略円柱状の位置決め部と、該位置決め部の中心軸線まわり位相を変えて前記位置決め部が取り付け可能な台部と、が設けられていることを特徴とする位置決め治具。

請求項4

前記当接面は、前記中心軸線まわりに配置された円周面であることを特徴とする請求項3記載の位置決め治具。

請求項5

前記当接面は、前記位置決め部の端部に配置された球面であることを特徴とする請求項3記載の位置決め治具。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれかに記載の位置決め治具を用いて前記位置決め対象である静翼の加工を行うことを特徴とする静翼の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、位置決め治具および静翼の製造方法、特にガスタービンの静翼などを加工する際に、静翼の位置決めに用いて好適な位置決め治具および静翼の製造方法に関する。

背景技術

0002

一般に、加工対象物であるワークを機械加工する際には、ワークを支持するとともにワークを所定位置に配置させる位置決めピンなどの専用の位置決め治具が用いられている。このような位置決め治具には、ワークの寸法精度を確保するために、ワークの寸法精度よりも高い寸法精度が求められている。

0003

上述の高い寸法精度を得るためには、治具を構成する部品同士の嵌め合いにおける隙間を制限する必要がある。しかしながら、上述の隙間を制限することにより治具の組立て性が悪化したり、逆に所望の寸法精度が得られにくくなったりしていた。
そのため、位置決め治具の寸法精度を確保するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1から3参照。)。

0004

一方で、組み立てられた位置決め加工治具の寸法精度を確認するため、または、所定期間使用された位置決め治具の寸法精度が悪化していないか確認するため、位置決め治具の寸法を計測する必要もある。
このとき、位置決め治具の寸法測定が困難では、上述の高い寸法精度を確保することが困難となる。そこで、位置決め治具の寸法精度の確認を容易にするための技術も提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
実開平01−124413号公報
特開2000−354930号公報
特開2007−090446号公報
実開平03−091903号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一般にガスタービンのである静翼も機械加工する必要があるため、静翼の機械加工時に静翼を支持するとともに位置決めする専用の位置決め治具が用いられている。静翼は複数の曲面が組み合わされた複雑な形状を有しており、ワークである静翼の位置決め精度を確保するためには、静翼と位置決め治具との接触は点接触となっていた。

0006

すると、同一の位置決め治具を用いて数多くの静翼を加工した場合に、治具と静翼との接触部が磨耗しやすくなり、静翼の位置決め精度が悪化しやすい問題があった。
具体的には、位置決め治具に対する静翼の着脱や、クランプなどにより接触部が磨耗し、位置決め精度などが悪化するという問題があった。

0007

さらに、複雑な形状を有する静翼を支持するために位置決め治具の形状も複雑となることから、位置決め治具の形状寸法が計測しにくく、寸法精度の確認が困難であるという問題があった。

0008

上述のように磨耗した接触部を交換することにより、位置決め治具による位置決め精度を確保する技術も知られているが、点接触の場合には、磨耗が激しく接触部の交換頻度が高くなるという問題があった。
言い換えると、接触部の製作コストがかかるとともに、接触部交換後の位置決め治具の形状寸法を計測して、治具の寸法精度が保たれているか確認する必要があり、位置決め治具の再製コストが高くなるという問題があった。

0009

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、磨耗した際の再製作コストの低減を図るとともに、位置決め精度の維持が容易な位置決め治具および静翼の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の位置決め治具は、位置決め対象と当接される円周面を有する略円柱状の位置決め部と、該位置決め部の中心軸線に沿う方向に位置を変えて、前記位置決め部の配置が可能な溝部を有する台部と、が設けられていることを特徴とする。

0011

本発明によれば、同一の位置決め部を中心軸線に沿う方向に位置を変えて配置することにより、位置決め部における位置決め対象と当接する領域が変わるため、位置決め部の一の領域が磨耗しても他の磨耗していない領域と位置決め対象とを当接させることにより同一の位置決め部を使用し続けることができ、位置決め部の交換頻度が低くなる。
さらに、新たな位置決め部に交換する際に必要な位置決め部の形状測定回数が減り、形状測定の頻度が低くなる。

0012

位置決め部の形状寸法と溝部の形状寸法とを測定することにより、位置決め治具における位置決め対象と位置決め部との当接領域の位置を容易に把握できる。

0013

上記発明においては、前記位置決め部には中心軸線に沿って延びる平面状の設置面が設けられ、前記溝部には、前記設置面と当接される平面状の底面が設けられていることが望ましい。

0014

本発明によれば、位置決め部と溝部との接触が平面状の設置面と底面との接触になるため、接触部の面圧が低くなり、位置決め部と溝部との間の磨耗が抑制される。
一方、比較的測定が容易な、位置決め部における設置面から位置決め対象と当接される円周面までの寸法や、溝部が形成された面から底面までの寸法を測定することにより、位置決め治具における位置決め対象と位置決め部との当接領域の位置を把握できる。

0015

本発明の位置決め治具は、中心軸線に対して対称な形状の当接面を有する略円柱状の位置決め部と、該位置決め部の中心軸線まわり位相を変えて前記位置決め部が取り付け可能な台部と、が設けられていることを特徴とする。

0016

本発明によれば、同一の位置決め部を中心軸線まわりに位相を変えて取り付けることにより、位置決め部における位置決め対象と当接する領域が変わるため、位置決め部の一の領域が磨耗しても他の磨耗していない領域と位置決め対象とを当接させることにより同一の位置決め部を使用し続けることができ、位置決め部の交換頻度が低くなる。
さらに、新たな位置決め部に交換する際に必要な位置決め部の形状測定回数が減り、形状測定の頻度が低くなる。

0017

上記発明においては、前記当接面は、前記中心軸線まわりに配置された円周面であることが望ましい。

0018

本発明によれば、当接面を球面とする場合と比較して、加工や形状寸法の測定が容易であるため、位置決め精度の維持などが容易となる。

0019

上記発明においては、前記当接面は、前記位置決め部の端部に配置された球面であることが望ましい。

0020

本発明によれば、当接面を円周面とする場合と比較して、位置決め対象との当接方向が緩く、複雑な形状を有する位置決め対象であっても、高い精度で位置決めできる。

0021

本発明の静翼の製造方法は、上記本発明の位置決め治具を用いて前記位置決め対象である静翼の加工を行うことを特徴とする。

0022

本発明によれば、上記本発明の位置決め治具を用いて静翼の位置決めを行うため、静翼の製造コストの低減や、静翼の加工精度の維持が容易になる。

発明の効果

0023

本発明の位置決め治具によれば、同一の位置決め部を中心軸線に沿う方向に位置を変えて配置することにより、位置決め部の交換頻度が低くなるため、磨耗した際の再製作コストの低減を図ることができ、かつ、位置決め精度の維持が容易になるという効果を奏する。さらに、位置決め部の形状寸法と溝部の形状寸法とを測定することにより、位置決め治具における位置決め対象と位置決め部との当接領域の位置を容易に把握でき、位置決め精度の維持が容易になるという効果を奏する。

0024

本発明の位置決め治具によれば、同一の位置決め部を中心軸線まわりに位相を変えて取り付けることにより、位置決め部の交換頻度が低くなるため、磨耗した際の再製作コストの低減を図ることができ、かつ、位置決め精度の維持が容易になるという効果を奏する。

0025

本発明の静翼の製造方法によれば、上記本発明の位置決め治具を用いて静翼の位置決めを行うため、静翼の製造コストの低減や、静翼の加工精度の維持が容易になるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0026

この発明の一実施形態に係るガスタービン静翼加工用取付具について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスタービン静翼の加工用取付具の構成を説明する上面視図である。図2は、図1の加工用取付具の構成を説明する正面視図である。

0027

本実施形態の加工用取付具(位置決め治具)1は、図1および図2に示すように、ガスタービンの静翼(位置決め対象)51が取り付けられる治具であって、静翼51の加工時に用いられるものである。つまり、加工用取付具1は、機械加工が施される静翼51が配置されるものであって、かつ、加工される静翼51の位置決めを行う治具である。

0028

なお、本実施形態では、本願の発明をガスタービンの静翼51の加工時に用いられる治具に適用して説明するが、静翼51の加工に用いられる治具に限られることなく、他のワークの加工や、ワークに対するその他の処理時における位置決めに用いられる治具に適用してもよく、特に限定するものではない。

0029

加工用取付具1は、図1および図2に示すように、台板(台部)2と、台板2の上に固定配置される前縁側台金(台部)3、後縁側台金(台部)4、および、上端側台金5と、静翼51の前縁と当接される前縁支持ピン(位置決め部)6と、静翼51の上面と当接される上面支持ピン(位置決め部)7と、静翼51の後縁側の下面と当接される下面支持ピン(位置決め部)8と、静翼51の上端と当接される上端支持ピン9と、が設けられている。

0030

台板2は、図1および図2に示すように、略板状に形成された部材であって、上面に前縁側台金3や、後縁側台金4や、上端側台金5などが固定される土台となる部材である。
台板2を形成する素材としては、一般構造用鋼、例えばJIS規格におけるSS材などを例示することができる。

0031

図3は、図1の前縁側台金の構成を説明する側面視図である。
前縁側台金3は、図1から図3に示すように、静翼51の前縁側(図1の下方)に配置される部材であって、前縁支持ピン6および上面支持ピン7とともに、静翼51を支持するとともに位置決めする部材である。前縁側台金3は、静翼51の形状に合わせた段部を有する略立方体状の部材である。

0032

前縁側台金3の上面(図2の上側の面)は、前縁側台金3が台板2に固定された状態において、台板2と略平行に延びる平面とされている。
前縁側台金3の上面には、前縁支持ピン6が配置される一対の溝部11と、溝部11との間で前縁支持ピン6を保持する前縁用クランプ部12と、上面支持ピン7が取り付けられる一対の上面用取付穴13と、が設けられている。

0033

図4は、図3の溝部の構成を説明する部分拡大断面視図である。
溝部11は、図1から図3に示すように、前縁支持ピン6の中心軸線に沿う方向に位置を変えて、前縁支持ピン6の配置が可能な凹部である。溝部11は、前縁側台金3の上面に、静翼51の前縁に対して交差する方向、より好ましくは直交する方向(図1の上下方向)に延びて形成されている。

0034

溝部11には、図4に示すように、前縁支持ピン6の設置面32と当接する底面14が設けられている。
底面14は前縁側台金3の上面に沿って延びる略平面状の面であって、底面14から前縁側台金3の上面までの距離Dは、溝部11に延びる方向にわたって略一定とされている。

0035

前縁用クランプ部12は、図1および図2に示すように、溝部11との間で前縁支持ピン6を挟むことにより、前縁支持ピン6を固定するものである。
前縁用クランプ部12には、前縁側台金3の上面に添って延び前縁支持ピン6と当接する略棒状のクランプ本体15と、前縁側台金3の上面と当接する脚部16と、前縁側台金3に前縁用クランプ部12を固定するクランプ用ボルト17と、が設けられている。

0036

クランプ本体15の一方の端部は前縁支持ピン6と当接するとされ、他方の端部には、前縁側台金3に向かって突出する脚部16が設けられている。さらに、クランプ本体15の略中央には、クランプ用ボルト17が挿通される貫通孔が形成されている。

0037

上面用取付穴13は、図3に示すように、上面支持ピン7の中心軸線まわりに位相を変えて上面支持ピン7が取り付け可能な穴であって、台板2に対して略直角方向(図3の上下方向)に延びる穴である。
上面用取付穴13は、前縁側台金3の上面であって、加工用取付具1に取り付けられた静翼51の上面における最も前方(図3の左方)に突出した領域と対応した位置に設けられている。
なお、上面用取付穴13と上面支持ピン7における上面用挿入部36との嵌め合いは、加工用取付具1に求められる寸法精度に応じて設定され、特に限定するものではない。

0038

図5は、図1後縁側台金の構成を説明する側面視図である。
後縁側台金4は、図1および図5に示すように、静翼51の後縁側(図1の上側)に配置される部材であって、下面支持ピン8とともに静翼51を支持するとともに位置決めする略立方体状の部材である。
後縁側台金4の上面(図5の上側の面)は、後縁側台金4が台板2に固定された状態において、台板2と略平行に延びる平面とされている。
後縁側台金4の上面には、下面支持ピン8が取り付けられる下面用取付穴21が設けられている。

0039

下面用取付穴21は、図5に示すように、下面支持ピン8の中心軸線まわりに位相を変えて下面支持ピン8が取り付け可能な穴であって、台板2に対して略直角方向(図5の上下方向)に延びる穴である。
なお、下面用取付穴21と下面支持ピン8の下面用挿入部42との嵌め合いは、加工用取付具1に求められる寸法精度に応じて設定され、特に限定するものではない。

0040

上端側台金5は、図1および図2に示すように、静翼51の上端側(図1の左方)に配置される部材であって、上端支持ピン9とともに静翼51の位置決めを行う部材である。
上端側台金5における静翼51と対向する側面(図2の右側の面)は、後縁側台金4が台板2に固定された状態において、台板2と略垂直に延びる平面とされている。

0041

上端側台金5の側面には、上端支持ピン9が取り付けられる上端用取付穴22が設けられている。
上端用取付穴22は、図2に示すように、上端支持ピン9が取り付けられる穴であって、台板2に沿って延びる穴である。

0042

前縁側台金3、後縁側台金4および上端側台金5を形成する素材としては、炭素鋼、例えばJIS規格におけるS45C材などを例示することができる。

0043

前縁支持ピン6は、図1から図3に示すように、前縁側台金3とともに静翼51を支持し、かつ、静翼51の位置決めを行う略円柱状の部材である。言い換えると、溝部11内に配置され、上方から静翼51の前縁が押し当てられる部材である。
前縁支持ピン6には、図4に示すように、静翼51の前縁と当接する前縁用当接面(円周面)31と、前縁側台金3と当接する設置面32と、が設けられている。

0044

前縁用当接面31は、略円柱状に形成された前縁支持ピン6の円周面である。設置面32は前縁支持ピン6の中心軸線に沿って延びる平面であって、例えば、略円柱状の前縁支持ピン6における円周面の一部を切削して形成される平面である。
設置面32から最も離れた前縁用当接面31までの距離Hは、前縁支持ピン6の中心軸線に沿う方向にわたって略一定に形成されている。

0045

上面支持ピン7は、図1から図3に示すように、前縁側台金3とともに静翼51を支持し、かつ、静翼51の位置決めを行う略円柱状の部材である。言い換えると、前縁側台金3から上方、より好ましくは鉛直方向(図3の上方)に延びて配置され、側方図3右方)から静翼51の上面が押し当てられる部材である。
上面支持ピン7には、静翼51の上面と当接する上面用当接面(円周面)35と、上面用取付穴13に挿入される上面用挿入部36と、が設けられている。

0046

上面用当接面35は略円柱状に形成された前縁支持ピン6の円周面である。上面用挿入部36は、上面支持ピン7の一方の端部から中心軸線に沿って延びる円柱状の部材であって、例えば、上面用当接面35よりも径の小さな部材である。
なお、上面用挿入部36と上面用取付穴13との嵌め合いは、加工用取付具1に求められる寸法精度に応じて設定され、特に限定するものではない。

0047

下面支持ピン8は、図1および図5に示すように、後縁側台金4とともに静翼51を支持し、かつ、静翼51の位置決めを行う略円柱状の部材である。言い換えると、後縁側台金4から上方、より好ましくは鉛直方向(図5の上方)に延びて配置され、前縁側上方(図5の左上方)から静翼51の下面が押し当てられる部材である。
下面支持ピン8には、静翼51の下面と当接される下面用当接面(球面)41と、下面用取付穴21に挿入される下面用挿入部42と、が設けられている。

0048

下面用当接面41は略円柱状に形成された下面支持ピン8の上端部(図5の上側の端部)に形成された球面である。下面用挿入部42は、下面支持ピン8の下側の端部から中心軸線に沿って延びる円柱状の部材である。
なお、下面用挿入部42と下面用取付穴21との嵌め合いは、加工用取付具1に求められる寸法精度に応じて設定され、特に限定するものではない。

0049

上端支持ピン9は、図1および図2に示すように、上端側台金5とともに静翼51の位置決めを行う部材である。言い換えると、上端側台金5から側方、より好ましくは水平方向(図2の左右方向)に延びて配置され、側方(図2の右方)から静翼51の上端が押し当てられる部材である。
上端支持ピン9の一方の端部は、静翼51の上端と当接される上端用当接面45とされ、他方の端部は上端用取付穴22に挿入される上端用挿入部46と、が設けられている。

0050

なお、上述の前縁支持ピン6、上面支持ピン7、下面支持ピン8、および、上端支持ピン9を形成する素材としては、工業用炭素鋼、例えばJIS規格におけるSK材などを例示することができる。

0051

次に、上記の構成からなる加工用取付具1の前縁支持ピン6や、上面支持ピン7や、下面支持ピン8における静翼51との接触部が磨耗した際の措置について説明する。
最初に前縁支持ピン6の措置について説明し、その後、上面支持ピン7、下面支持ピン8の順に措置を説明する。

0052

前縁支持ピン6の前縁用当接面31における静翼51の前縁との接触部が磨耗した場合には、図3に示すように、前縁支持ピン6をその中心軸線に沿う方向(図3の左右方向)に移動させる。このようにすることで、前縁用当接面31のうちの磨耗が発生していない領域と、静翼51の前縁とが当接される。

0053

また、前縁支持ピン6を中心軸線に沿う方向に移動させる他にも、前縁支持ピン6の配置向き入れ替えることにより、磨耗が発生していない前縁用当接面31と、静翼51の前縁とを当接させてもよく、特に限定するものではない。

0054

前縁支持ピン6の移動が繰り返され、静翼51の前縁と当接する前縁用当接面31の全てが磨耗すると、前縁支持ピン6の交換が行われる。
この時、加工用取付具1による静翼51の位置決め精度を確保するため、前縁支持ピン6の形状寸法の計測や、測定の基準位置となる台板2に対する前縁用当接面31の配置位置の計測が行われる。例えば、図4に示すように、前縁支持ピン6における距離Hや、溝部11の距離Dなどが測定される。

0055

上面支持ピン7の上面用当接面35における静翼51の上面との接触部が磨耗した場合には、図3に示すように、上面支持ピン7の位相をその中心軸線まわりに回転させる。このようにすることで、上面用当接面35のうちの磨耗が発生していない領域と、静翼51の上面とが当接される。
なお、上面支持ピン7の回転は、上面支持ピン7を上面用取付穴13から抜いて回転させた後に、再び上面支持ピン7が上面用取付穴13に挿入されることにより行われる。

0056

上面支持ピン7の回転が繰り返され、静翼51の前縁と当接する上面用当接面35の全てが磨耗すると、上面支持ピン7の交換が行われる。
この時、加工用取付具1による静翼51の位置決め精度を確保するため、上面支持ピン7の形状寸法の計測や、測定の基準位置となる台板2に対する上面用当接面35の配置位置の計測が行われる。例えば、図3に示すように、上面支持ピン7の直径などが測定される。

0057

下面支持ピン8の下面用当接面41における静翼51の下面との接触部が磨耗した場合には、図5に示すように、下面支持ピン8の位相をその中心軸線まわりに回転させる。このようにすることで、下面用当接面41のうちの磨耗が発生していない領域と、静翼51の下面とが当接される。
なお、下面支持ピン8の回転は、下面支持ピン8を下面用取付穴21から抜いて回転させた後に、再び下面支持ピン8が下面用取付穴21に挿入されることにより行われる。

0058

下面支持ピン8の回転が繰り返され、静翼51の前縁と当接する下面用当接面41の全てが磨耗すると、下面支持ピン8の交換が行われる。
この時、加工用取付具1による静翼51の位置決め精度を確保するため、下面支持ピン8の形状寸法の計測や、測定の基準位置となる台板2に対する下面用当接面41の配置位置の計測が行われる。例えば、図5に示すように、球面である下面用当接面41の直径などが測定される。

0059

上記の構成によれば、同一の前縁支持ピン6を中心軸線に沿う方向に位置を変えて配置することにより、前縁支持ピン6における静翼51と当接する領域が変わるため、前縁支持ピン6における前縁用当接面31の一の領域が磨耗しても他の磨耗していない領域と静翼51とを当接させることにより同一の前縁支持ピン6を使用し続けることができ、前縁支持ピン6の交換頻度が低くなる。
そのため、前縁支持ピン6が磨耗した際の再製作コストの低減を図ることができる。

0060

さらに、新たな前縁支持ピン6に交換する際に必要な前縁支持ピン6の形状測定回数が減り、形状測定の頻度が低くなるため、前縁支持ピン6が磨耗した際の再製作コストの低減を図ることができる。

0061

前縁支持ピン6の形状寸法である距離Hや、溝部11の形状寸法である距離Dなどを測定することにより、加工用取付具1における静翼51と前縁支持ピン6との当接領域の位置を容易に把握できる。そのため、加工用取付具1における位置決め精度の維持が容易となる。

0062

前縁支持ピン6と溝部11との接触が平面状の設置面32と底面14との接触になるため、接触部の面圧が低くなり、前縁支持ピン6と溝部11との間の磨耗が抑制され、加工用取付具1における位置決め精度の維持が容易となる。

0063

一方、比較的測定が容易な、前縁支持ピン6における設置面32から静翼51と当接される前縁用当接面31までの寸法である距離Hや、溝部11が形成された上面から底面14までの寸法である距離Dを測定することにより、加工用取付具1における静翼51と前縁支持ピン6との当接領域の位置が把握できる。

0064

同一の上面支持ピン7や、下面支持ピン8を中心軸線まわりに位相を変えて取り付けることにより、上面支持ピン7や、下面支持ピン8における静翼51と当接する領域が変わるため、上面支持ピン7や、下面支持ピン8における上面用当接面35や、下面用当接面41の一の領域が磨耗しても他の磨耗していない領域と静翼51とを当接させることにより同一の上面支持ピン7や、下面支持ピン8を使用し続けることができ、上面支持ピン7や、下面支持ピン8の交換頻度が低くなる。
そのため、上面支持ピン7や、下面支持ピン8が磨耗した際の再製作コストの低減を図ることができる。

0065

さらに、新たな上面支持ピン7や、下面支持ピン8に交換する際に必要な位置決め部の形状測定回数が減り、形状測定の頻度が低くなるため、上面支持ピン7や、下面支持ピン8が磨耗した際の再製作コストの低減を図ることができる。

0066

上面用当接面35は円周面であるため、球面である場合と比較して、加工や形状寸法の測定が容易であるため、位置決め精度の維持などが容易となる。

0067

下面用当接面41は球面であるため、円周面である場合と比較して、静翼51との当接方向の制限が緩く、複雑な形状を有する静翼51であっても、高い精度で位置決めできる。

図面の簡単な説明

0068

本発明の一実施形態に係るガスタービン静翼の加工用取付具の構成を説明する上面視図である。
図1の加工用取付具の構成を説明する正面視図である。
図1の前縁側台金の構成を説明する側面視図である。
図3の溝部の構成を説明する部分拡大断面視図である。
図1後縁側台金の構成を説明する側面視図である。

符号の説明

0069

1加工用取付具(位置決め治具)
2台板(台部)
3前縁側台金(台部)
4後縁側台金(台部)
6 前縁支持ピン(位置決め部)
7 上面支持ピン(位置決め部)
8 下面支持ピン(位置決め部)
11 溝部
14 底面
31 前縁用当接面(円周面)
32 設置面
35 上面用当接面(円周面)
41 下面用当接面(球面)
51静翼(位置決め対象)

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