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技術 車両用無段変速機の変速制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 岸大悟
出願日 2008年3月10日 (13年5ヶ月経過) 出願番号 2008-059861
公開日 2009年9月24日 (11年11ヶ月経過) 公開番号 2009-216167
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 所定時定数 総合コントローラ 通常コース 記載範囲 釈放状態 可動フランジ 変更速度 ギヤ固定
関連する未来課題
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図面 (7)

課題

運転者アクセルペダル操作等の運転操作に基づき、到達目標変速比を一旦設定した後にその設定変速比よりもロー側の変速比に再設定する場合に、運転者に変速ショック回転数変化の違和感を与えるのを防止することにある。

解決手段

目標変速比を第1の目標変速比に一旦設定した後にその第1の目標変速比よりもロー側の第2の目標変速比に再設定することを運転者の運転操作に基づき予測する予測手段(ステップS2)と、目標変速比を第1の目標変速比に一旦設定した後にその第1の目標変速比よりもロー側の第2の目標変速比に再設定することを前記予測手段が予測した場合にアクセルペダルの戻し方向の操作に基づいて、第1の目標変速比へ向けての目標変速比の変更速度を遅らせる再設定前目標変速比変更遅延手段(ステップS5)とを具えることを特徴とする車両用無段変速機変速制御装置である。

概要

背景

車両は、動力性能の向上と、燃費運転性の向上との、トレードオフの関係にある要求を満足させる必要があり、Vベルト無段変速機トロイダル型無段変速機のような無段変速機は、これらの要求を高次元で両立させ得る手段として大いに有用である。

すなわち車両用無段変速機変速制御装置は通常、スロットル開度毎に車速に対する目標入力回転数を表すものとして予め設定された変速線に従い、センサで検出したアクセルペダル踏み込み量に対応するスロットル開度と車速とから無段変速機の目標入力回転数を求め、実入力回転数がこの目標入力回転数に至るよう、目標入力回転数に対応する目標変速比を求め、この目標変速比に一致するように無段変速機の実変速比変速制御する。

さらに車両用無段変速機の変速制御装置は通常、車両がアクセルオフに対応するスロットル開度となると、最ハイ側変速比(変速比最小)に設定された変速線(コースト線)上まで無段変速機の動作点を移動させ、目標変速比の値を最も小さくして目標入力回転数ひいては実入力回転数を大幅に低下させるコースト制御を行って、変速ショックの発生を防止しつつ燃費や運転性を向上させる。

ところで、上記のコースト制御では目標変速比の値を最も小さくするので、動力性能を重視する運転者アクセルペダル釈放後に直ちにアクセルペダルを踏込んだ場合に、運転者が意図した動力性能が得られないという不都合があった。

それゆえ、従来の車両用無段変速機の変速制御装置では、例えば本願出願人が特許文献1で開示したように、運転者の運転操作に基づき運転者の運転傾向を検知し、例えば運転者に動力性能重視の運転傾向がある場合に、アクセルオフの検知後、通常のコースト線よりも目標入力回転数を高回転側に設定して目標変速比をロー側変速比(変速比大)にした高回転コースト線を用いるいわゆるスポティーコースト制御を行うことで、エンジン回転高回転域を用い得るようにして、エンジン応答性を高めて運転者が意図した高い動力性能が得られるようにする場合がある。

また、運転者が動力性能重視の運転傾向の場合や運転状況に応じて急なアクセルペダルやブレーキペダル操作を行った場合等、運転者が高い動力性能を必要とする場合に、いわゆる「足離しギヤ固定」すなわち、アクセルオフの検知後、目標入力回転数を高回転に設定して目標変速比をロー側変速比(変速比大)にした後に車速の低下に伴い目標変速比を維持しながら目標入力回転数を低下させる制御を行ったり、いわゆる「ブレーキングダウンシフト」すなわち、アクセルオフおよびブレーキペダルの所定以上の速度での踏込みの検知後、目標入力回転数を高回転に設定して目標変速比をロー側変速比(変速比大)にした後に車速の低下に伴いさらに目標変速比を大きな値にダウンシフトしながら目標入力回転数を低下させる制御を行ったりすることで、エンジンの応答性を高めて運転者が意図した高い動力性能が得られるようにする場合がある。
特開2006−266288号公報

概要

運転者のアクセルペダル操作等の運転操作に基づき、到達目標変速比を一旦設定した後にその設定変速比よりもロー側の変速比に再設定する場合に、運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えるのを防止することにある。目標変速比を第1の目標変速比に一旦設定した後にその第1の目標変速比よりもロー側の第2の目標変速比に再設定することを運転者の運転操作に基づき予測する予測手段(ステップS2)と、目標変速比を第1の目標変速比に一旦設定した後にその第1の目標変速比よりもロー側の第2の目標変速比に再設定することを前記予測手段が予測した場合にアクセルペダルの戻し方向の操作に基づいて、第1の目標変速比へ向けての目標変速比の変更速度を遅らせる再設定前目標変速比変更遅延手段(ステップS5)とを具えることを特徴とする車両用無段変速機の変速制御装置である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

車両のアクセルペダル踏み込み量に基づくスロットル開度車速とから設定される目標変速比に対応させて実変速比を変更する変速制御を行う車両用無段変速機変速制御装置において、前記目標変速比を、アクセルペダル解放側への戻し操作により該戻し操作前の初期変速比よりもハイ側の第1の目標変速比に設定する目標変速比設定手段と、前記目標変速比設定手段により前記第1の目標変速比が設定された後、前記第1の目標変速比よりもロー側の第2の目標変速比に再設定する目標変速比再設定手段と、運転者運転操作に基づき前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測する予測手段と、前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを前記予測手段が予測した場合に前記戻し操作に基づいて、前記初期変速比から前記第1の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる再設定前目標変速比変更遅延手段と、を具えることを特徴とする、車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項2

前記予測手段は、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを検知する運転傾向検知手段を有し、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを前記運転傾向検知手段が検知した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測することを特徴とする、請求項1記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項3

前記予測手段は、アクセルペダルが戻し方向に所定以上の速度で操作されたことを検知するアクセルペダル戻し方向速度検知手段を有し、アクセルペダルが戻し方向に所定以上の速度で操作されたことをアクセルペダル戻し方向速度検知手段が検知した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測することを特徴とする、請求項1記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項4

前記予測手段は、アクセルペダルが釈放状態とされたときに前記目標変速比をロー側変速比に固定する制御を行うアクセルオフ変速比固定制御条件が満たされていることを検出するアクセルオフ変速比固定制御条件検出手段を有し、前記アクセルオフ変速比固定制御条件が満たされていることを前記アクセルオフ変速比固定制御条件検出手段が検出した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記初期変速比と同一の前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測することを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項5

前記予測手段は、アクセルペダルが釈放状態とされるとともにブレーキペダル踏み込み操作されたときに前記目標変速比をロー側変速比に変速するアクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御を行う条件が満たされていることを検出するアクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件検出手段を有し、前記アクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件が満たされていることを前記アクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件検出手段が検出した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記初期変速比よりもロー側の前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測することを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項6

前記目標変速比を前記第2の目標変速比に再設定した後に、前記第1の目標変速比からその第2の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる再設定後目標変速比変更遅延手段を具えることを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項7

前記再設定後目標変速比変更遅延手段は、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを検知する運転傾向検知手段を有し、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを前記運転傾向検知手段が検知した場合に、前記第1の目標変速比から前記第2の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる量を減少させることを特徴とする、請求項6記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項8

前記再設定後目標変速比変更遅延手段は、前記目標変速比を前記第2の目標変速比に再設定した時点での、前記第1の目標変速比への変更速度が遅れた前記目標変速比を初期値として、その第2の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせることを特徴とする、請求項6または7記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項9

前記再設定前目標変速比変更遅延手段は、前記予測手段が前記目標変速比の再設定を予測してから所定時間経過後に前記目標変速比の変更速度を遅らせる処理を終了することを特徴とする、請求項1から8までの何れか1項記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

請求項10

前記再設定前目標変速比変更遅延手段は、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを検知する運転傾向検知手段を有し、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを前記運転傾向検知手段が検知した場合に、前記初期変速比から前記第1の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる量を減少させることを特徴とする、請求項1から9までの何れか1項記載の車両用無段変速機の変速制御装置。

技術分野

0001

本発明は、Vベルト無段変速機トロイダル型無段変速機に代表される無段変速機を搭載した車両がアクセルペダル釈放状態アクセルオフ)となる場合に無段変速機を好適に変速制御するための変速制御装置に関するものである。

背景技術

0002

車両は、動力性能の向上と、燃費運転性の向上との、トレードオフの関係にある要求を満足させる必要があり、Vベルト式無段変速機やトロイダル型無段変速機のような無段変速機は、これらの要求を高次元で両立させ得る手段として大いに有用である。

0003

すなわち車両用無段変速機の変速制御装置は通常、スロットル開度毎に車速に対する目標入力回転数を表すものとして予め設定された変速線に従い、センサで検出したアクセルペダル踏み込み量に対応するスロットル開度と車速とから無段変速機の目標入力回転数を求め、実入力回転数がこの目標入力回転数に至るよう、目標入力回転数に対応する目標変速比を求め、この目標変速比に一致するように無段変速機の実変速比を変速制御する。

0004

さらに車両用無段変速機の変速制御装置は通常、車両がアクセルオフに対応するスロットル開度となると、最ハイ側変速比(変速比最小)に設定された変速線(コースト線)上まで無段変速機の動作点を移動させ、目標変速比の値を最も小さくして目標入力回転数ひいては実入力回転数を大幅に低下させるコースト制御を行って、変速ショックの発生を防止しつつ燃費や運転性を向上させる。

0005

ところで、上記のコースト制御では目標変速比の値を最も小さくするので、動力性能を重視する運転者がアクセルペダル釈放後に直ちにアクセルペダルを踏込んだ場合に、運転者が意図した動力性能が得られないという不都合があった。

0006

それゆえ、従来の車両用無段変速機の変速制御装置では、例えば本願出願人が特許文献1で開示したように、運転者の運転操作に基づき運転者の運転傾向を検知し、例えば運転者に動力性能重視の運転傾向がある場合に、アクセルオフの検知後、通常のコースト線よりも目標入力回転数を高回転側に設定して目標変速比をロー側変速比(変速比大)にした高回転コースト線を用いるいわゆるスポティーコースト制御を行うことで、エンジン回転高回転域を用い得るようにして、エンジン応答性を高めて運転者が意図した高い動力性能が得られるようにする場合がある。

0007

また、運転者が動力性能重視の運転傾向の場合や運転状況に応じて急なアクセルペダルやブレーキペダル操作を行った場合等、運転者が高い動力性能を必要とする場合に、いわゆる「足離しギヤ固定」すなわち、アクセルオフの検知後、目標入力回転数を高回転に設定して目標変速比をロー側変速比(変速比大)にした後に車速の低下に伴い目標変速比を維持しながら目標入力回転数を低下させる制御を行ったり、いわゆる「ブレーキングダウンシフト」すなわち、アクセルオフおよびブレーキペダルの所定以上の速度での踏込みの検知後、目標入力回転数を高回転に設定して目標変速比をロー側変速比(変速比大)にした後に車速の低下に伴いさらに目標変速比を大きな値にダウンシフトしながら目標入力回転数を低下させる制御を行ったりすることで、エンジンの応答性を高めて運転者が意図した高い動力性能が得られるようにする場合がある。
特開2006−266288号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら上記従来の車両用無段変速機の変速制御装置では、アクセルペダルの戻し操作によるアクセルオフを検知した後、どのような過程で目標入力回転数を高回転の目標入力回転数に至らせるかは開示していないので、アクセルオフを検知した後、一旦通常のコースト線に至るように無段変速機に低い目標入力回転数を指令して目標変速比をハイ側変速比(変速比小)にし、その後に高回転側の目標入力回転数を指令して目標変速比をロー側変速比(変速比大)に再設定することになる。

0009

このため上記従来の車両用無段変速機の変速制御装置は、高回転の目標入力回転数への移行時に目標入力回転数ひいては実入力回転数の短時間での上下変化が発生し、運転者に変速ショックまたは回転数変化の違和感を与えるという点で、さらなる改良の余地があった。

0010

それゆえ本発明は、アクセルオフに伴って目標変速比をハイ側変速比(変速比小)に設定した後に運転者の運転操作に基づきロー側変速比(変速比大)に再設定する場合でも運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えることがない車両用無段変速機の変速制御装置を提案することを目的としている。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、上記課題を有利に解決するためになされたものであり、本発明の車両用無段変速機の変速制御装置は、車両のアクセルペダル踏み込み量に基づくスロットル開度と車速とから設定される目標変速比に対応させて実変速比を変更する変速制御を行う車両用無段変速機の変速制御装置において、前記目標変速比を、アクセルペダル解放側への戻し操作により該戻し操作前の初期変速比よりもハイ側の第1の目標変速比に設定する目標変速比設定手段と、前記目標変速比設定手段により前記第1の目標変速比が設定された後、前記第1の目標変速比よりもロー側の第2の目標変速比に再設定する目標変速比再設定手段と、運転者の運転操作に基づき前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測する予測手段と、前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを前記予測手段が予測した場合に前記戻し操作に基づいて、前記初期変速比から前記第1の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる再設定前目標変速比変更遅延手段と、を具えることを特徴とするものである。

発明の効果

0012

かかる本発明の車両用無段変速機の変速制御装置にあっては、逐次設定変更される目標変速比を、目標変速比設定手段がアクセルペダル解放側への戻し操作により該戻し操作前の初期変速比よりもハイ側(変速比小)の第1の目標変速比(第1の所定値)に設定した後に、目標変速比再設定手段がその第1の目標変速比よりもロー側(変速比大)の第2の目標変速比(第2の所定値)に再設定することを、予測手段が運転者のアクセルペダル操作等の運転操作に基づいて予測し、それら第1の目標変速比への設定および第2の目標変速比への再設定が行われることを予測手段が予測した場合には再設定前目標変速比変更遅延手段がアクセルペダルの戻し方向の操作に基づいて、初期変速比から第1の目標変速比へ向けての目標変速比の変更速度を遅らせる。

0013

従ってこの発明の車両用無段変速機の変速制御装置によれば、運転者のアクセルペダル操作等の運転操作に基づき、目標変速比を第1の目標変速比に一旦設定した後にその第1の目標変速比よりもロー側(変速比大)の第2の目標変速比に再設定する場合でも、第1の目標変速比へ向けての目標変速比の変更速度が低下して、目標変速比が第2の目標変速比への再設定時点またはその近くの時点まで穏やかに変化するので、短時間での目標入力回転数ひいては実入力回転数の上下変化を避け得て、運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えるのを防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、本発明の一実施例になる無段変速機の制御装置を具えた車両のパワートレーンと、その制御系を示し、このパワートレーンは、エンジン1と無段変速機2とを具える。エンジン1は例えばガソリンエンジンとするが、そのスロットルバルブ3を、運転者が操作するアクセルペダル4とは機械的に連結させずこれから切り離して、スロットルアクチュエータ5によりスロットルバルブ3の開度電子制御する。

0015

スロットルアクチュエータ5は、通常のマイクロコンピュータを具える総合コントローラ21が決定する目標スロットル開度tTVOに関した指令に応動する、これも通常のマイクロコンピュータを具えるエンジンコントローラ22によって作動量を制御され、これによりスロットルバルブ3のスロットル開度TVOを当該目標スロットル開度tTVOに一致させ、エンジン1の出力を基本的にはアクセルペダル4の踏み込み量(以下、アクセル開度とも言う)APOに応じた値となるように制御するが、目標スロットル開度tTVOは必要に応じてアクセルペダル4の踏み込み量以外の因子によっても制御する。なおエンジンコントローラ22は、スロットルアクチュエータ5を介した上記スロットル開度制御を行うだけでなく、図示しないが、その他エンジン1の運転に際して必要な燃料噴射量制御や、フューエルカット制御や、点火時期制御をも行う。

0016

無段変速機2は、周知のVベルト式無段変速機であり、ロックアップトルクコンバータ6を介してエンジン1の出力軸駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。そして、セカンダリプーリ8にはファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11が駆動結合され、これらにより無段変速機2は上記車両の図示しない車輪回転駆動する。

0017

無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げたりすることにより行い、両可動フランジのストローク位置は、変速制御油圧回路12からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの比により決定する。

0018

変速制御油圧回路12は、変速アクチュエータとしてのステップモータ13を具え、変速機コントローラ23は、このステップモータ13を目標変速比tRTOに対応したステップ位置へ向けて駆動させることで無段変速機2をその実変速比が目標変速比tRTOと一致するように無段変速させる。

0019

これも通常のマイクロコンピュータを具える変速機コントローラ23は、目標変速比tRTOを求めるに当たって、図2に例示するようにスロットル開度TVO毎に定めた変速線を基に、スロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数(目標プライマリプーリ回転数)tNpriを求め、この目標入力回転数tNpriを変速機出力回転数No(車速VSPから求め得る)で除算することにより目標変速比tRTOを求める。また後述のように目標入力回転数tNpriに所定時定数フィルターを掛けて、目標変速比tRTOの設定変更を遅延させるための遅延した目標入力回転数trNpriを求める。

0020

ここで図2に示すコースト線αは、通常のノーマル走行中のアクセルオフ時(アクセルペダル釈放時)に変速比の値を最も小さくし、目標入力回転数ひいてはエンジン回転数を大幅に低下させてエンジン1の燃費を良くする通常コースト制御を行うために予め設定されたものであり、ノーマル走行中アクセルペダル踏み込み量APO=0に対応するスロットル開度TVO=0/8となった場合には、目標入力回転数がこのコースト線αに沿って低下するように変速制御を行う。

0021

変速機コントローラ23はさらに、ロックアップ(L/U)信号を変速制御油圧回路12に出力し、変速制御油圧回路12はこの信号に応じてトルクコンバータ6を、入出力要素間直結されたロックアップ状態にしたり、このロックアップを解除したりする制御も行う。変速機コントローラ23は、車速VSPが所定のロックアップ車速VSPl以上の車速である間、ロックアップ(L/U)信号を出力してトルクコンバータ6のロックアップを指令し、車速VSPがロックアップ車速VSPlより僅かに低い所定のロックアップ解除車速VSPo以下の車速である間、ロックアップ(L/U)信号を出力しないことによりトルクコンバータ6のロックアップ解除を指令して、意図しないエンジンストップを防止する。

0022

エンジンコントローラ22への目標スロットル開度tTVOの指令および、変速機コントローラ23へのロックアップ車速VSPlおよびロックアップ解除車速VSPoの指令並びに後述のスポーティー変速指令はそれぞれ、総合コントローラ21が行う。このため総合コントローラ21には、アクセルペダル4の踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ24からの信号と、車輪の回転数から車速VSPを検出する車速センサ25からの信号と、アクセルペダル4を釈放したアクセルオフ時(アクセル開度APO=0の時)にONとなるアイドルスイッチ26からの信号と、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ27からの信号と、車両の横加速度を検出する横加速度センサ28からの信号とをそれぞれ入力する。なおこれらの信号は、総合コントローラ21を経由してエンジンコントローラ22および変速機コントローラ23へも供給され、これらコントローラによる前記の制御に供される。

0023

総合コントローラ21は車両の走行状態、例えばアクセルペダル4の操作速度、図示しないセンサが検出する図示しないブレーキペダルの操作速度、車速VSPに基づく車両の加減速度、横加速度センサ28が検出する車両の横加速度等から、運転者が意図しているのが動力性能重視傾向のスポーティーな運転であるか、燃費重視傾向のエコノミーな運転であるかを所定時間(例えば10ms)毎に繰返し判断して、例えばアクセルペダル4やブレーキペダルの操作速度あるいは車両の加減速度や横加速度が所定閾値以上に所定回数以上なった場合に、運転者が意図しているのが動力性能重視傾向のスポーティーな運転であると判断し、そうでない場合には、燃費重視傾向のエコノミーな運転であると判断する。そして運転者が意図しているのが動力性能重視傾向のスポーティーな運転であると判断した場合には、変速機コントローラ23にスポーティー変速指令を出力し、運転者が意図しているのが燃費重視傾向のエコノミーな運転であると判断した場合には、変速機コントローラ23へのスポーティー変速指令の出力を止める。

0024

変速機コントローラ23は運転者がアクセルペダル4を足戻し方向に操作する場合に、総合コントローラ21からの指令に基づき、図3フローチャートで示す如き手順で無段変速機2の制御を行う。すなわち、先ずステップS1で、エンジン回転数および車速がそれぞれ、アクセルオフの検知後、目標入力回転数を高回転に設定して目標変速比をロー側(変速比大)の目標変速比に設定した後、車速の低下に伴いその目標変速比を維持しながら目標入力回転数を低下させる足離しギヤ固定を行うかまたは、アクセルオフおよびブレーキペダルの所定以上の速度での踏込みの検知後、目標入力回転数を高回転に設定して目標変速比をロー側(変速比大)の目標変速比に設定した後、車速の低下に伴いさらに目標変速比を大きな値にダウンシフトしながら目標入力回転数を低下させるブレーキングダウンシフトを行うのに適した所定値(例えばエンジン回転数3000RPM、車速60Km/h)以上か否かを判断し、エンジン回転数および車速がその所定値未満の場合はステップS10へ進み、ステップS10で通常の変速制御を行った後、今回の当該プログラムを終了する。

0025

エンジン回転数および車速がそれぞれ上記所定値以上の場合はステップS2に進み、変速機コントローラ23はこのステップS2で、上記の足離しギヤ固定またはブレーキングダウンシフトが必要な走行状態か否かを、例えば総合コントローラ21からのスポーティー変速指令の有無および車速から判断するとともに、アクセルペダル4の足戻し操作の加速度すなわちアクセル開度APOの減少加速度が所定値以上か否かを、アクセル開度センサ24からの信号に基づき判断して、総合コントローラ21からのスポーティー変速指令が無くかつ車速がステップ1での所定値より高い第2所定値(例えば車速80Km/h)以上でないか、またはスポーティー変速指令が有るかまたは車速が上記第2所定値以上高いがアクセル開度APOの減少加速度が上記所定値未満の場合は、その時点での目標入力回転数を記憶した後ステップS10へ進み、ステップS10で通常の変速制御すなわち、例えばアクセルオフに至っていれば目標入力回転数をコースト線αに沿って低下させる変速制御を行った後、今回の当該プログラムを終了する。

0026

総合コントローラ21からのスポーティー変速指令が有るかまたは車速が上記第2所定値以上高く、かつアクセル開度APOの減少加速度が所定値以上の場合はステップS3に進み、変速機コントローラ23は、このステップS3で、以下の第1フィルターでの遅延制御を行う時間を制限するタイマーをセットし、そのタイマーのカウントを開始させ、次いでステップS4で、目標変速比再設定前のフィルターである第1フィルターの時定数を所定の値に決定する。この第1フィルターの時定数は、通常アクセル開度APOの減少によるスロットル開度TVOの減少に伴って減少する目標入力回転数ひいては目標変速比を、そのアクセル開度APOの減少に対しどの程度遅れて減少するよう変更するかを定めるものであり、遅れる程度が大きいほど目標変速比の低下が遅れ、その後再設定される第2の目標変速比との差が小さくなって目標入力回転数ひいては実入力回転数の繋がりが良くなる。一方、遅れが大きいと、アクセルオフに至らない程度にアクセルペダル4が足戻し操作された場合でも目標入力回転数が高回転に維持されてアクセルペダル操作に対する目標入力回転数ひいては実入力回転数の追従性が低下する。そこで変速機コントローラ23はこの第1フィルターの時定数について、例えばスポーティー変速指令が有る場合は追従性を重視して遅れを短めにし、スポーティー変速指令がない場合は繋がりを重視して遅れを長めにするように決定する。

0027

次いでステップS5で変速機コントローラ23は、アクセル開度APOに基づくスロットル開度TVOと車速VSPとから、図2に例示するようにスロットル開度TVO毎に定めた変速線を表すマップを基に目標入力回転数(目標プライマリプーリ回転数)tNpriを求め、この目標入力回転数tNpriに上記第1フィルターを掛けて遅延させた目標入力回転数trNpriを、上記の足離しギヤ固定またはブレーキングダウンシフトへ向かう目標入力回転数として算出する。これにより、アクセルオフ時の目標入力回転数tNpriを変速機出力回転数No(アクセルオフ時の車速VSPから求め得る)で除算することで求まる第1の目標変速比tRTO(第1の所定値)へ向けて、目標変速比が上記第1フィルターの時定数に応じて遅延して向かうことになる。

0028

次いで変速機コントローラ23は、ステップS6でアクセルオフに至ったか否かを判断し、アクセルオフに至っていなければステップS7でタイマーのカウントを継続し、続くステップS8でタイマーのカウントが終了したか否かを判断し、終了していなければステップS5へ戻り、終了していればステップS9へ進む。変速機コントローラ23は、ステップS9でその時点での遅延させた目標入力回転数trNpriひいては遅延させた目標変速比を維持するとともに上記第1フィルターを終了し、次いでステップS10で通常の変速制御を行った後、今回の当該プログラムを終了する。またステップS6でアクセルオフに至っている場合は、変速機コントローラ23はステップS11でステップS9と同様にその時点での遅延させた目標入力回転数trNpriひいては遅延させた目標変速比を維持するとともに上記第1フィルターを終了し、次いでステップS12へ進む。

0029

ステップS12で変速機コントローラ23は、足離しギヤ固定を実行するかブレーキングダウンシフトを実行するかを判断する。このステップS12での判断は、具体的にはアクセルオフに至った後僅かな所定時間内にブレーキペダルの踏込みがあったか否かで行い、ブレーキペダルの踏込みがなかった場合は足離しギヤ固定を実行すると判断し、ブレーキペダルの踏込みがあった場合はブレーキングダウンシフトを実行すると判断する。

0030

そしてステップS12で足離しギヤ固定を実行すると判断した場合は、変速機コントローラ23はステップS13で、目標変速比再設定後のフィルターである第2フィルターの時定数を所定の値に決定する。この第2フィルターの時定数は、足離しギヤ固定のためにステップS2での足戻し判断直前の目標変速比(初期変速比)に一致して再設定される第2の目標変速比(第2の所定値)に対し通常直ちに一致するよう設定変更する目標変速比を、その第2の目標変速比にどの程度遅れて一致するよう設定変更するかを定めるものであり、遅れる程度が大きいほど目標変速比の増加が穏やかになり、目標入力回転数ひいては実入力回転数の繋がりが良くなる。一方、遅れが大きいと、目標変速比が足戻し判断直前の目標変速比に一致する第2の目標変速比に至るのが遅いため、アクセルオフになっているのにエンジンブレーキが遅れてアクセルペダル操作に対する実入力回転数の追従性が低下する。そこで変速機コントローラ23はこの第2フィルターの時定数についても、例えばスポーティー変速指令が有る場合は追従性を重視して遅れを短めにし、スポーティー変速指令がない場合は滑らかさを重視して遅れを長めにするように決定する。

0031

次いでステップS14で変速機コントローラ23は、前回の当該プログラムのステップS2の実行の際に記憶した足戻し判断直前の目標入力回転数(足離しギヤ固定回転数)tNpriを読み出し、この目標入力回転数tNpriに上記第2フィルターを掛けて遅延させた目標入力回転数trNpriを、上記の足離しギヤ固定のフィルター後目標入力回転数として算出する。これにより、上記足戻し判断直前の目標入力回転数tNpriを変速機出力回転数No(上記足戻し判断直前の車速VSPから求め得る)で除算することで求まる第2の目標変速比tRTO(第2の所定値)へ向けて、目標変速比が上記第2フィルターの時定数に応じて遅延して向かうことになる。

0032

一方、ステップS12でブレーキングダウンシフトを実行すると判断した場合は、変速機コントローラ23はステップS15で、目標変速比再設定後のフィルターである第2フィルターの時定数を所定の値に決定する。この第2フィルターの時定数は、ブレーキングダウンシフトのためにステップS2での足戻し判断直前の目標変速比(初期変速比)よりも大きく再設定される第2の目標変速比(第2の所定値)に対し通常直ちに一致するよう設定変更する目標変速比を、その第2の目標変速比にどの程度遅れて一致するよう設定変更するかを定めるものであり、遅れる程度が大きいほど目標変速比の増加が穏やかになり、目標入力回転数ひいては実入力回転数の繋がりが良くなる。一方、遅れが大きいと、目標変速比がブレーキングダウンシフト用の大きい第2の目標変速比に至るのが遅いため、アクセルオフ後にブレーキングしているのにダウンシフトが遅れてアクセルペダル操作に対する実入力回転数の追従性が低下する。そこで変速機コントローラ23はこの第2フィルターの時定数についても、例えばスポーティー変速指令が有る場合は追従性を重視して遅れを短めにし、スポーティー変速指令がない場合は繋がりを重視して遅れを長めにするように決定する。

0033

次いでステップS16で変速機コントローラ23は、前回の当該プログラムのステップS2の実行の際に記憶した足戻し判断直前の目標入力回転数tNpriを読み出し、この目標入力回転数tNpriに所定係数を掛けて高めた目標入力回転数(ブレーキングダウンシフト回転数)tNpriに上記第2フィルターを掛けて遅延させた目標入力回転数を、上記のブレーキングダウンシフトのフィルター後目標入力回転数として算出する。これにより、上記足戻し判断直前の目標入力回転数tNpriを変速機出力回転数No(上記足戻し判断直前の車速VSPから求め得る)で除算して所定係数を掛けることで求まる第2の目標変速比tRTO(第2の所定値)へ向けて、目標変速比が上記第2フィルターの時定数に応じて遅延して向かうことになる。

0034

ステップS14,S16後、変速機コントローラ23はステップS17で、足離しギヤ固定の制御を実行する場合とブレーキングダウンシフトの制御を実行する場合との開始時の目標入力回転数を比較し、大きい方の値を開始時の目標入力回転数としてから、ステップS18で先の決定に従って足離しギヤ固定またはブレーキングダウンシフトの制御を実行し、今回の当該プログラムを終了する。

0035

従って、ステップS1,S2は予測手段、アクセルオフ変速比固定制御条件検出手段およびアクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件検出手段に相当し、ステップS4は再設定前目標変速比変更遅延手段の運転傾向検知手段に相当し、ステップS5は目標変速比設定手段および再設定前目標変速比変更遅延手段に相当し、ステップS3,S6〜S8はアクセルペダル戻し方向速度検知手段に相当し、ステップS13,S15は再設定後目標変速比変更遅延手段の運転傾向検知手段に相当し、ステップS14,S16は目標変速比再設定手段および再設定後目標変速比変更遅延手段に相当する。

0036

図4は、上記図3のフローチヤートに沿って足離しギヤ固定の制御を行う場合の上記実施例の無段変速機の制御装置の作動を示すタイムチャートであり、図示のようにアクセル開度APOの減少加速度がXで示す時点で所定値以上の場合にその後、目標入力回転数は実線R1で示すようにアクセル開度APOの減少に伴って低下し、それに応じて目標変速比の値も減少するが、目標入力回転数に第1のフィルターを掛けているので、フィルター後の目標入力回転数は二点鎖線R2で示すように遅延して低下し、これにより目標変速比も、フィルター前の漸次減少する目標変速比へ向けて遅延して減少する。そしてその間にアクセル開度APOが0(アクセルオフ)となって目標変速比が小さい値(ハイ側)の第1の目標変速比(第1の所定値)に設定された僅か後に、ブレーキペダルの踏込みが無かったことによって足離しギヤ固定の制御の開始判定フラグがYで示す時点でONになると、アクセル開度APOの減少直前の目標入力回転数に一致する足離しギヤ固定の目標入力回転数に対応して目標変速比が大きい値(ロー側)の第2の目標変速比(第2の所定値)に再設定され、その第2の目標変速比に第2のフィルターを掛けているので、目標入力回転数が破線R3で示すように遅延して上昇し、目標変速比が第2の目標変速比へ向けて遅延して増加する。

0037

従って、第1のフィルターにより、領域Eで示す部分での目標入力回転数の低下が防止でき、目標入力回転数は一点鎖線R4で示すように目標変速比の再設定前後で滑らかに繋がり、目標入力回転数の短時間での上下変化を避け得て、実線R5で示すように実入力回転数も滑らかに推移し、また、第2のフィルターにより、目標変速比の再設定後の目標入力回転数の変動も小さくなるので、例えば図2に示す点Pから下側の二点鎖線で示すように変速比固定で目標入力回転数を低下させる場合に、運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えるのを防止することができる。

0038

図5は、上記図3のフローチヤートに沿ってブレーキングダウンシフトの制御を行う場合の上記実施例の無段変速機の制御装置の作動を示すタイムチャートであり、図示のようにアクセル開度APOの減少加速度がXで示す時点で所定値以上の場合にその後、目標入力回転数は実線R1で示すようにアクセル開度APOの減少に伴って低下し、それに応じて目標変速比の値も減少するが、目標入力回転数に第1のフィルターを掛けているので、フィルター後の目標入力回転数は二点鎖線R2で示すように遅延して低下し、これにより目標変速比も、フィルター前の漸次減少する目標変速比へ向けて遅延して減少する。そしてその間にアクセル開度APOが0(アクセルオフ)となって目標変速比が小さい値(ハイ側)の第1の目標変速比に設定された僅か後に、ブレーキペダルの踏込みがあったことによってブレーキングダウンシフトの制御の開始判定フラグがYで示す時点でONになると、アクセル開度APOの減少直前の目標入力回転数に所定係数を掛けて高めたブレーキングダウンシフトの目標入力回転数に対応して目標変速比が大きい値(ロー側)の第2の目標変速比(第2の所定値)に再設定され、その第2の目標変速比に第2のフィルターを掛けているので、目標入力回転数が破線R3で示すように遅延して上昇し、目標変速比が第2の目標変速比へ向けて遅延して増加する。

0039

従って、第1のフィルターにより、領域Eで示す部分での目標入力回転数の低下が防止でき、目標入力回転数は一点鎖線R4で示すように目標変速比の再設定前後で滑らかに繋がり、目標入力回転数の短時間での上下変化を避け得て、実線R5で示すように実入力回転数も滑らかに推移し、また、第2のフィルターにより、目標変速比の再設定後の目標入力回転数の変動も小さくなるので、例えば図2に示す点Pから上側の二点鎖線で示すように変速比の値を増加させながら目標入力回転数を低下させる場合に、運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えるのを防止することができる。

0040

図6は、アクセルオフ後にアクセルペダルが踏込まれてアクセルオンダウンシフトが行われる場合に適用した本発明の他の一実施例になる無段変速機の制御装置の作動を示すタイムチャートであり、図示のようにアクセル開度APOの減少加速度がXで示す時点で所定値以上の場合にその後、目標入力回転数は実線R1で示すようにアクセル開度APOの減少に伴って低下し、それに応じて目標変速比の値も減少するが、目標入力回転数に第1のフィルターを掛けているので、目標入力回転数は二点鎖線R2で示すように遅延して低下し、これにより目標変速比も、フィルター前の漸次減少する目標変速比へ向けて遅延して減少する。そしてその間にアクセル開度APOが0(アクセルオフ)となって目標変速比が小さい値に設定された僅か後に、アクセルペダル4が踏込まれてアクセル開度APOの増加加速度がYで示す時点で所定以上となると、アクセル開度APOの減少直前の目標入力回転数に所定係数を掛けて高めたアクセルオンダウンシフトの目標入力回転数に対応して目標変速比が大きい値(ロー側)の第2の目標変速比(第2の所定値)に再設定され、その第2の目標変速比に第2のフィルターを掛けているので、目標入力回転数が破線R3で示すように遅延して上昇し、目標変速比が第2の目標変速比に向けて遅延して増加する。

0041

従って、第1のフィルターにより、領域Eで示す部分での目標入力回転数の低下が防止でき、目標入力回転数は一点鎖線R4で示すように目標変速比の再設定前後で滑らかに繋がり、目標入力回転数の短時間での上下変化を避け得て、実線R5で示すように実入力回転数も滑らかに推移し、また、第2のフィルターにより、目標変速比の再設定後の目標入力回転数の変動も小さくなるので、運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えるのを防止することができる。

0042

なお、図4図6に示す何れの作動においても、第1フィルター前目標入力回転数R1を示す実線と第1フィルター後目標入力回転数R2を示す二点鎖線との交点までの第1フィルター後目標入力回転数R2の垂直部分と、第1フィルター後目標入力回転数R2を示す一点鎖線と第2フィルター後目標入力回転数R3を示す破線との交点までの第2フィルター後目標入力回転数R3の垂直部分とでは、フィルター処理を実行しない。これにより目標入力回転数の落ち込みを防止することができる。

0043

以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の例に限定されるものでなく特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、アクセルオフ後所定時間内にブレーキペダルの踏込み操作が無かった場合に、上記足離しギヤ固定に代えて、図2に示す高回転コースト線βを用いたスポーディーコースト制御を行っても良く、この高回転コースト線βは、ノーマル走行中より加減速性能を重視したスポーティー走行中のアクセルオフ時(アクセルペダル釈放時)に変速比の値をノーマル走行中よりも高めに維持し、目標入力回転数ひいてはエンジン回転数を高めに維持してエンジン1の応答性を良くする制御を行うためにコースト線αとは別に予め設定されたもので、スポーティー走行中アクセルペダル踏み込み量APO=0/8となった場合に、目標入力回転数がこの高回転コースト線βに沿って低下するように変速制御を行うものである。

0044

かくして、本発明の車両用無段変速機の変速制御装置によれば、運転者のアクセルペダル操作等の運転操作に基づき、目標変速比を第1の目標変速比に一旦設定した後にその第1の目標変速比よりもロー側(変速比大)の第2の目標変速比に再設定する場合でも、第1の目標変速比へ向けての目標変速比の変更速度が低下して、目標変速比が第2の目標変速比への再設定時点またはその近くの時点まで穏やかに変化するので、短時間での目標入力回転数ひいては実入力回転数の上下変化を避け得て、運転者に変速ショックや回転数変化の違和感を与えるのを防止することができる。

0045

なお、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記予測手段は、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを検知する運転傾向検知手段を有し、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを前記運転傾向検知手段が検知した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測しても良く、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしているときは、ロー側変速比(変速比大)を積極的に使用する可能性が高いので、このようにすれば目標入力回転数の短時間での上下変化を確実に避け得て、制御性を安定させることができる。

0046

また、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記予測手段は、アクセルペダルが戻し方向に所定以上の速度で操作されたことを検知するアクセルペダル戻し方向速度検知手段を有し、アクセルペダルが戻し方向に所定以上の速度で操作されたことをアクセルペダル戻し方向速度検知手段が検知した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測しても良く、アクセルペダルが戻し方向に所定以上の速度で操作されたときは、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていて、ロー側変速比(変速比大)を積極的に使用する可能性が高いので、このようにすれば目標入力回転数の短時間での上下変化を確実に避け得て、制御性を安定させることができる。

0047

さらに、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記予測手段は、アクセルペダルが釈放状態とされたときに前記目標変速比をロー側変速比に固定する制御を行うアクセルオフ変速比固定制御条件が満たされていることを検出するアクセルオフ変速比固定制御条件検出手段を有し、前記アクセルオフ変速比固定制御条件が満たされていることを前記アクセルオフ変速比固定制御条件検出手段が検出した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記初期変速比と同一の前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測しても良く、アクセルペダルが釈放状態とされたときに到達目標変速比をロー側変速比に固定するアクセルオフ変速比固定制御を行う条件が満たされている場合は、アクセルペダルが釈放状態とされた後でも再度ロー側変速比(変速比大)を使用するので、このようにすれば目標入力回転数の短時間での上下変化を確実に避け得て、制御性を安定させることができる。

0048

さらに、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記予測手段は、アクセルペダルが釈放状態とされるとともにブレーキペダルが踏み込み操作されたときに前記目標変速比をロー側変速比に変速するアクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御を行う条件が満たされていることを検出するアクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件検出手段を有し、前記アクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件が満たされていることを前記アクセルオフブレーキ操作ダウンシフト制御条件検出手段が検出した場合に、前記第1の目標変速比への設定および前記初期変速比よりもロー側の前記第2の目標変速比への再設定が行われることを予測しても良く、アクセルペダルが釈放状態とされるとともにブレーキペダルが踏み込み操作されたときに到達目標変速比をロー側変速比に変速するアクセルオフブレーキ操作ダウンシフト(ブレーキングダウンシフト)制御を行う条件が満たされている場合は、アクセルペダルが釈放状態とされた後でも再度ロー側変速比(変速比大)を使用するので、このようにすれば目標入力回転数の短時間での上下変化を確実に避け得て、制御性を安定させることができる。

0049

さらに、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記目標変速比を前記第2の目標変速比に再設定した後に、前記第1の目標変速比からその第2の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる再設定後目標変速比変更遅延手段を具えても良く、このようにすれば目標変速比の再設定後も目標入力回転数の短時間での上下変化を避け得て、制御性を安定させることができる。

0050

さらに、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記再設定後目標変速比変更遅延手段は、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを検知する運転傾向検知手段を有し、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを前記運転傾向検知手段が検知した場合に、前記第1の目標変速比から前記第2の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる量を減少させても良く、このようにすれば運転者が動力性能重視傾向の場合にその運転者の意図に合った速やかな変速を行うことができる。

0051

さらに、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記再設定後目標変速比変更遅延手段は、前記目標変速比を前記第2の目標変速比に再設定した時点での、前記第1の目標変速比への変更速度が遅れた前記目標変速比を初期値として、その第2の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせても良く、このようにすれば再設定前後の目標変速比に繋がりができるので、制御性をより安定させることができる。

0052

さらに、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記再設定前目標変速比変更遅延手段は、前記予測手段が前記目標変速比の再設定を予測してから所定時間経過後に前記目標変速比の変更速度を遅らせる処理を終了しても良く、このようにすれば制御のハンチングを防止することができる。

0053

そして、この発明の車両用無段変速機の変速制御装置においては、前記再設定前目標変速比変更遅延手段は、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを検知する運転傾向検知手段を有し、運転者が動力性能重視傾向の運転操作をしていることを前記運転傾向検知手段が検知した場合に、前記初期変速比から前記第1の目標変速比へ向けての前記目標変速比の変更速度を遅らせる量を減少させても良く、このようにすれば運転者が動力性能重視傾向の場合にその運転者の意図により合った速やかな変速を行うことができる。

図面の簡単な説明

0054

本発明の一実施例の無段変速機の制御装置を具えた車両のパワートレーンとその制御系を示す略線図である。
上記実施例の無段変速機の制御装置の変速線を例示する変速パターン図である。
上記実施例の無段変速機の制御装置の制御プログラムを示すフローチャートである。
上記実施例の無段変速機の制御装置が足離しギヤ固定制御を行う場合の動作例を説明するタイムチャートである。
上記実施例の無段変速機の制御装置が足離し後ブレーキングダウンシフト制御を行う場合の動作例を説明するタイムチャートである。
上記実施例の無段変速機の制御装置が足離し後アクセルオンダウンシフト制御を行う場合の動作例を説明するタイムチャートである。

符号の説明

0055

1エンジン
2無段変速機
3スロットルバルブ
4アクセルペダル
5スロットルアクチュエータ
6ロックアップ式トルクコンバータ
7プライマリプーリ
8セカンダリプーリ
9Vベルト
10ファイナルドライブギヤ組
11ディファレンシャルギヤ装置
12変速制御油圧回路
13ステップモータ
21総合コントローラ
22エンジンコントローラ
23変速機コントローラ
24アクセル開度センサ
25車速センサ
26アイドルスイッチ
27エンジン回転センサ
28 横加速度センサ

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