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技術 米ぬか油の製造方法

出願人 公立大学法人大阪府立大学薮田産業株式会社
発明者 吉田弘之ポーラリオミドフェリドンサラクアスガリ
出願日 2008年3月11日 (12年8ヶ月経過) 出願番号 2008-060961
公開日 2009年9月24日 (11年2ヶ月経過) 公開番号 2009-215437
状態 特許登録済
技術分野 脂肪類、香料 食用油脂
主要キーワード 各処理温度 亜臨界処理 とう精 圧搾効率 亜臨界水処理 搾油機 粘着成分 圧搾処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年9月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

簡単な処理で、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得ると共に、特別な処理をしなくても長期間保存しても劣化しない米ぬか油を得る米ぬか油の製造方法を提供することにある。

解決手段

本発明は、亜臨界状態の水を用いて、米ぬかを処理することで、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得る。また、特別な処理をしなくても長期間保存しても遊離脂肪酸が増加しない米ぬか油を得ることができる。

概要

背景

米ぬか油は、玄米搗精(米を搗くの意味、以下、「とう精」という)して白米を得る際に発生する米ぬかを適当な前処理をして溶媒抽出をして得られる。米ぬかには、約15〜25重量%の米ぬか油が含まれている。

米ぬか油は、バランスのよい脂肪酸組成と、栄養上有用な成分を有する、優れた食用油である。このため、米ぬかからできるだけ多くの米ぬか油を得ることが重要である。

米ぬか油は、ヘキサンなどの非極性溶媒を用いて溶媒抽出されている。しかし、使用する非極性溶媒の多くは食用に適さないものである。このため、非極性溶媒を用いない米ぬか油の製造が求められている。

一方、米ぬか原油には、タンパク質リン脂質などのガム成分遊離脂肪酸が多く含まれている。したがって、米ぬか原油から食用とする米ぬか油を得るには、脱ガム処理不飽和脂肪酸除去処理などの精製処理が必要とされる。

また、米ぬか中に存在するリパーゼにより、米ぬか油中のトリグリセリドが経時的に分解し、遊離脂肪酸が増加する、すなわち米ぬか油が劣化するという問題がある。

このような問題を解決するために、玄米をとう精した後すぐに、米ぬかを高温処理する加水分解防止処理をすることが試みられている(例えば、特許文献1参照)。この文献では、この処理をすることでリパーゼを分解して失活させている。また、この文献に記載の方法では、溶媒抽出を用いず、搾油機を用いて圧搾して米ぬか油を得ている。

特開2002−212585号公報

概要

簡単な処理で、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得ると共に、特別な処理をしなくても長期間保存しても劣化しない米ぬか油を得る米ぬか油の製造方法を提供することにある。 本発明は、亜臨界状態の水を用いて、米ぬかを処理することで、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得る。また、特別な処理をしなくても長期間保存しても遊離脂肪酸が増加しない米ぬか油を得ることができる。 なし

目的

すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な処理で、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得ると共に、特別な処理をしなくても長期間保存しても劣化しない米ぬか油を得る米ぬか油の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

米ぬか亜臨界状態の水と接触させて、米ぬか油を製造する米ぬか油の製造方法。

請求項2

前記亜臨界状態の水との接触により、リパーゼ失活化させる請求項1に記載の米ぬか油の製造方法

技術分野

0001

本発明は、米ぬかから、米ぬか油を製造する方法に関する。

背景技術

0002

米ぬか油は、玄米搗精(米を搗くの意味、以下、「とう精」という)して白米を得る際に発生する米ぬかを適当な前処理をして溶媒抽出をして得られる。米ぬかには、約15〜25重量%の米ぬか油が含まれている。

0003

米ぬか油は、バランスのよい脂肪酸組成と、栄養上有用な成分を有する、優れた食用油である。このため、米ぬかからできるだけ多くの米ぬか油を得ることが重要である。

0004

米ぬか油は、ヘキサンなどの非極性溶媒を用いて溶媒抽出されている。しかし、使用する非極性溶媒の多くは食用に適さないものである。このため、非極性溶媒を用いない米ぬか油の製造が求められている。

0005

一方、米ぬか原油には、タンパク質リン脂質などのガム成分遊離脂肪酸が多く含まれている。したがって、米ぬか原油から食用とする米ぬか油を得るには、脱ガム処理不飽和脂肪酸除去処理などの精製処理が必要とされる。

0006

また、米ぬか中に存在するリパーゼにより、米ぬか油中のトリグリセリドが経時的に分解し、遊離脂肪酸が増加する、すなわち米ぬか油が劣化するという問題がある。

0007

このような問題を解決するために、玄米をとう精した後すぐに、米ぬかを高温処理する加水分解防止処理をすることが試みられている(例えば、特許文献1参照)。この文献では、この処理をすることでリパーゼを分解して失活させている。また、この文献に記載の方法では、溶媒抽出を用いず、搾油機を用いて圧搾して米ぬか油を得ている。

0008

特開2002−212585号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、この文献に記載の方法では、圧搾する際に圧搾効率を上げるために、加水分解防止処理と圧搾処理との間に、蒸煮して調湿させる処理を行う。蒸煮調湿処理時間は、数十分から1、2時間要している。

0010

また、採油効率は60〜70%である。

0011

すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な処理で、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得ると共に、特別な処理をしなくても長期間保存しても劣化しない米ぬか油を得る米ぬか油の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、米ぬかを亜臨界水を用いて処理することにより、採油効率よく米ぬか油が得られること、および特別な処理をしなくても長期間保存しても劣化しない米ぬか油が得られることを見出し、本発明を完成した。

発明の効果

0013

本発明は、亜臨界状態の水を用いて、米ぬかを処理することで、米ぬかから採油効率よく米ぬか油を得る。すなわち、本発明では、非極性溶媒などの特別な抽出溶媒を使用しない。また、米ぬかに含まれる米ぬか油をほぼ100%近くまで回収できる。

0014

さらに、特別な処理をしなくても長期間保存しても遊離脂肪酸が増加しない米ぬか油を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下に、本発明を詳細に説明する。

0016

[米ぬか]
原料となる米ぬかは、玄米をとう精して白米を製造する際に発生するものである。米ぬかには、約15〜25重量%の割合で米ぬか油米ぬか油が含まれると共に、γ−オリザノールなどの多種類の有効成分が含まれている。本発明で用いる米ぬかは、精選、乾燥など前処理をしてもよい。白米の製造時に発生する米ぬかは、ぬかになった時点からリパーゼによりトリグリセライドの分解が急速に始まる。このため、生じた米ぬかを早期に用いるのが好ましい。

0017

処理条件
本発明の有用物の製造方法においては、米ぬかを亜臨界状態の水と接触させて分解することにより行う。米ぬかと、亜臨界状態の水との混合比は、特に制限されないが、米ぬか(乾燥物換算)1質量部に対して、水を2〜30質量部、好ましくは3〜25質量部の範囲であるとよい。本発明の方法において、反応は、バッチ式であっても、連続式であってもよい。

0018

ここで、水の亜臨界状態とは、374℃以下でその温度における飽和蒸気圧以上の高温高圧状態をいう。処理温度は、110℃〜374℃、好ましくは120℃〜374℃の温度であればよい。一般的に同一の処理時間では、高温のほうが米ぬか油の採油効率は上昇する。処理温度と処理時間を調節することで、採油効率のよい条件を選択すればよい。

0019

反応時間は、処理温度、処理物の種類、処理後に得られる製造物の種類により適宜設定すればよく、例えば、1分以上20分以下、好ましくは2分以上10分以下である。

0020

反応器から流出した熱水は、冷却する。熱水を冷却することで、固相水相油相固体脂相に分かれる。油相が本発明の米ぬか油である。得られた米ぬか油は、常法に従って、分離回収する。

0021

採油効率は、処理温度、処理時間により調整できるが、好ましくは50重量%以上、特に好ましくはほぼ100重量%とすることができる。

0022

得られた米ぬか油は、亜臨界水処理により、リパーゼが分解され失活している。このため、70日以上、好ましくは90日以上放置しても遊離脂肪酸は増加しない。すなわち、経時変化により劣化しない米ぬか油が得られる。また、得られた米ぬか油に最初に含まれている遊離脂肪酸は、公知の方法により除去してもよい。これにより、より高品質な米ぬか油を得ることができる。

0023

米ぬか油には、米ぬか由来のタンパク質や主としてレシチンであるリン脂質を主成分とする粘着成分である、ガム成分が含まれている。ガム成分は、米ぬか油の黄変化の原因となる。従来の米ぬか油においては、脱ガム処理が重要な精製処理であった。本発明の製造方法を用いると、ガム成分の多くは、分解されて水相中に溶解する、あるいは水相中に溶解すると考えられる。この結果、脱ガム処理を必要としない米ぬか油が得られる。

0024

また、本発明の製造方法では、米ぬか由来の固体脂肪が得られる。この固体脂肪も、化粧材等の原料として利用することができる。

0025

以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。

0026

[採油効率]
(実施例1)
米ぬか1質量部に対して、純水6質量部を反応管(SUS316)に充填して密閉した。この反応管を、それぞれ、75℃、100℃、125℃、140℃、160℃、180℃、200℃、240℃、275℃、225℃、360℃の恒温槽に浸漬して急激に加熱し、5分間保持して、処理反応を行った。処理後に回収した米ぬか油を測定した。結果を図1に示す。

0027

図1において、横軸分解処理温度(℃)を、縦軸各処理温度における、乾燥原料に対する米ぬか油の生成収率(g/g−乾燥原料)を示す。図1から、5分間の亜臨界水処理では、米ぬか油の生成率は処理温度と共に増加していることがわかる。

0028

(比較例1)
米ぬか1質量部に対して、d−リモネンを用い、ソックスレー抽出器を用いて、163℃で、180分抽出した。得られた抽出液からd−リモネンを除去して、米ぬか油を得た。米ぬか油の産生収率は、0.244g/g−乾燥原料であった。

0029

(比較例2)
米ぬか1質量部に対して、ヘキサンを用い、ソックスレー抽出器を用いて、69℃で、180分抽出した。得られた抽出液からヘキサンを除去して、米ぬか油を得た。米ぬか油の産生収率は、0.186g/g−乾燥原料であった。

0030

実施例1において、もっとも米ぬか油の産生収率が高いのは、亜臨界処理温度が360℃の場合で、0.272g/g−乾燥原料であった。比較例1、2の場合は、実施例1の場合と比べ産生収率が明らかに低かった。また、d−リモネンの場合は、多量に溶媒を用いる実際の製造には適さない溶媒である。ヘキサンも、食用にするには適さない溶媒である。さらに、溶媒抽出の場合は、抽出時間が180分と長い時間を要する。

0031

上記実施例1で得られた亜臨界処理物のうち、水相に含まれるアミノ酸分析した。結果を図2に示す。図2から、トレオニングリシンバリンは、亜臨界処理を120℃で行ったときに、最大の収率になることがわかる。アスパラギン酸は、亜臨界処理を140℃で行ったときに、最大の収率になることがわかる。これより高い温度で亜臨界処理をした場合は、アミノ酸は分解していると思われる。すなわち、本発明の方法を用いた場合は、ガム質の構成成分であるタンパク質は分解され、水相に溶解していると考えられる。

0032

[遊離脂肪酸の抑制]
(実施例2〜6)
亜臨界処理条件を、実施例2:120℃、10分、実施例3:160℃、10分、実施例4:200℃、10分、実施例5:200℃、20分、実施例6:240℃、10分にした以外は、実施例1と同様にして、米ぬか油を得た。得られた油を、常温で、1〜85日まで放置し、遊離脂肪酸の含量を測定した。結果を図3〜7に示す。

0033

(比較例8、9)
米ぬかをヘキサン(比較例8)、ヘキサン−水(比較例9)を用いて直接抽出した。抽出液から溶媒を除去して、米ぬか油を得た。得られた油を、常温で、1〜85日まで放置し、遊離脂肪酸の含量を測定した。結果を図8、9に示す。

0034

図3〜9において、横軸は保存期間(日)を、縦軸は米ぬか油中の遊離脂肪酸含量(wt%)を示す。図3〜7から、本発明の製造方法で得た米ぬか油は、70日〜85日保管しても、米ぬか油中の遊離脂肪酸は増加しないことがわかる。一方、図8、9からヘキサン抽出、ヘキサン−水抽出の米ぬか油は、米ぬか油中の遊離脂肪酸が徐々に増加していることがわかる。

図面の簡単な説明

0035

図1は、米ぬかを温度を変えて亜臨界水処理をしたときの米ぬか油の生成率を示すグラフである。
図2は、米ぬかを温度を変えて亜臨界水処理をしたときのアミノ酸の生成率を示すグラフである。
図3は、120℃、10分で亜臨界処理をして得られた米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。
図4は、160℃、10分で亜臨界処理をして得られた米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。
図5は、200℃、10分で亜臨界処理をして得られた米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。
図6は、200℃、20分で亜臨界処理をして得られた米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。
図7は、240℃、10分で亜臨界処理をして得られた米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。
図8は、ヘキサンを用いて抽出した米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。
図9は、ヘキサン−水を用いて抽出した米ぬか油の保存試験における遊離脂肪酸の含量を測定したグラフである。

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