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技術 ポリ乳酸系樹脂成形体およびその成形方法

出願人 名古屋市ダイトーエムイー株式会社株式会社三林技研
発明者 飯田浩史村田真伸黒部文仁原田征林英樹岡本和明日比野猛伊東慶是松岡清司竹中誠吾岡本憲二加藤裕樹三林典幸滝川浩章牧野清二竹田知生
出願日 2008年3月5日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2008-054673
公開日 2009年9月17日 (11年5ヶ月経過) 公開番号 2009-208389
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の射出成形 電場又は磁場に対する装置又は部品の遮蔽
主要キーワード 薄板状素材 共振問題 RP剤 縦横等間隔 電磁適合性 電磁環境適合性 型離れ性 稼動範囲
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年9月17日)のものです。
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図面 (13)

課題

成形が容易で、優れた電磁環境適合性を有し、リサイクル利用時における分別の容易なポリ乳酸系樹脂成形体を提供する。

解決手段

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体1は、略矩形蓋形状の成形体本体10の内側に、成形体本体10と同様の形状にプレス成形された圧延鋼板からなるシールド部材20が密着して一体成形されている。シールド部材20には、孔20aが縦横等間隔に並んで開けられており孔20aの内部にはポリ乳酸系樹脂がシールド部材20と面一となるように充填されている。

概要

背景

ポリエチレンポリプロピレンポリエチレンテレフタレート等、従来の汎用プラスチック類は、その透明性や機械的強度の強さといった性質から、幅広い用途に使用されてきた。しかし、これらのプラスチック廃棄され、埋立て処分とされた場合、土壌中にいつまでも分解されることなく残留することから、環境への影響が問題となっている。こうした問題を解決するためのプラスチックとして、生分解性プラスチックが注目されている。生分解性プラスチックは、土壌中において微生物によって分解され、最終的には炭酸ガスや水となるため、こうした土壌中での残留による環境問題を生ずることがない。

生分解性プラスチックの中でもポリ乳酸は比較的安価であり、機械的強度が大きく、射出成形が可能で、透明性にも優れているため、例えば電気電子OA分野への適用が検討されてきている。

しかし、ポリ乳酸は、射出成形を行った場合に、離型性が悪いという欠点を有している。このため、射出成形を行う場合においては、金型射出方向からの抜き勾配を大きめにする等の工夫が必要とされ、金型設計の自由度が低いという問題がある。また、大型の成形品においては、こうした金型設計の工夫だけでは離型が困難な場合もある。

こうした問題点を解決すべく、D体のポリ乳酸と、L体のポリ乳酸とを混合することによって結晶化を防ぎ、型離れ性を向上させることも提案されている(特許文献1)。また、ポリ乳酸又は乳酸ヒドロキシカルボン酸コポリマー脂肪酸アミド又は脂肪酸と脂肪酸アミドとの混合物を混合させることにより、射出成形における離型性を向上させるという提案もなされている(特許文献2)。

一方、ポリ乳酸系樹脂パソコン携帯電話デジタル家電等の電子機器ハウジングに使用する場合には、外部からの電磁波による誤動作を防ぐことが必要となる。また、これらのデジタル機器は、一方で、機器同士の誤動作などの原因となる電磁気を発生させるといった問題も抱えている。つまり、あらゆる電子機器において、電子機器から発生する電磁妨害EMI)及び電磁妨害からの妨害耐力EMS)が課題となっている。

さらには、ポリ乳酸系樹脂成形体リサイクル利用を考えた場合、ポリ乳酸系樹脂を分別して収集することが必要となる。

特開2006−001973公報
特開平8−27363号公報

概要

成形が容易で、優れた電磁環境適合性を有し、リサイクル利用時における分別の容易なポリ乳酸系樹脂成形体を提供する。本発明のポリ乳酸系樹脂成形体1は、略矩形蓋形状の成形体本体10の内側に、成形体本体10と同様の形状にプレス成形された圧延鋼板からなるシールド部材20が密着して一体成形されている。シールド部材20には、孔20aが縦横等間隔に並んで開けられており孔20aの内部にはポリ乳酸系樹脂がシールド部材20と面一となるように充填されている。

目的

本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、成形が容易で、優れた電磁環境適合性を有し、リサイクル利用時における分別の容易なポリ乳酸系樹脂成形体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属製の薄板状素材からなるシールド部材と、該シールド部材の片面を覆うポリ乳酸系樹脂とが、一体成形されていることを特徴とするポリ乳酸系樹脂成形体

請求項2

前記シールド部材には複数の貫通孔が開けられており、該貫通孔には前記ポリ乳酸系樹脂が該シールド部材表面と面一となるように充填されていることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系樹脂成形体。

請求項3

ポリ乳酸系樹脂成形体を製造するための第1の金型と第2の金型とを用意する第1工程と、第1の金型にシールド部材を密着させる第2工程と、該シールド部材を密着させた該第1の金型に第2の金型を整合させる第3工程と、該第1の金型及び該第2の金型によって形成されたゲートからポリ乳酸系樹脂の溶融物射出させる第4工程と、を備えるポリ乳酸系樹脂成形体の製造方法であって、該ポリ乳酸系樹脂の溶融物は該シールド部材に対して垂直方向から該第1の金型側に押し付けるように射出されることを特徴とするポリ乳酸系樹脂成形体の成形方法

技術分野

0001

本発明は、機械的強度及び電磁波遮蔽性能に優れたポリ乳酸系樹脂成形体に関し、パソコン等の電気機器ハウジング材等に好適に用いることができる。

背景技術

0002

ポリエチレンポリプロピレンポリエチレンテレフタレート等、従来の汎用プラスチック類は、その透明性や機械的強度の強さといった性質から、幅広い用途に使用されてきた。しかし、これらのプラスチック廃棄され、埋立て処分とされた場合、土壌中にいつまでも分解されることなく残留することから、環境への影響が問題となっている。こうした問題を解決するためのプラスチックとして、生分解性プラスチックが注目されている。生分解性プラスチックは、土壌中において微生物によって分解され、最終的には炭酸ガスや水となるため、こうした土壌中での残留による環境問題を生ずることがない。

0003

生分解性プラスチックの中でもポリ乳酸は比較的安価であり、機械的強度が大きく、射出成形が可能で、透明性にも優れているため、例えば電気電子OA分野への適用が検討されてきている。

0004

しかし、ポリ乳酸は、射出成形を行った場合に、離型性が悪いという欠点を有している。このため、射出成形を行う場合においては、金型射出方向からの抜き勾配を大きめにする等の工夫が必要とされ、金型設計の自由度が低いという問題がある。また、大型の成形品においては、こうした金型設計の工夫だけでは離型が困難な場合もある。

0005

こうした問題点を解決すべく、D体のポリ乳酸と、L体のポリ乳酸とを混合することによって結晶化を防ぎ、型離れ性を向上させることも提案されている(特許文献1)。また、ポリ乳酸又は乳酸ヒドロキシカルボン酸コポリマー脂肪酸アミド又は脂肪酸と脂肪酸アミドとの混合物を混合させることにより、射出成形における離型性を向上させるという提案もなされている(特許文献2)。

0006

一方、ポリ乳酸系樹脂をパソコンや携帯電話デジタル家電等の電子機器ハウジングに使用する場合には、外部からの電磁波による誤動作を防ぐことが必要となる。また、これらのデジタル機器は、一方で、機器同士の誤動作などの原因となる電磁気を発生させるといった問題も抱えている。つまり、あらゆる電子機器において、電子機器から発生する電磁妨害EMI)及び電磁妨害からの妨害耐力EMS)が課題となっている。

0007

さらには、ポリ乳酸系樹脂成形体のリサイクル利用を考えた場合、ポリ乳酸系樹脂を分別して収集することが必要となる。

0008

特開2006−001973公報
特開平8−27363号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、上記従来のポリ乳酸系樹脂成形体では、成形容易性電磁環境適合性及びリサイクル利用時における分別の容易性、の全て兼ね備えたものは無かった。

0010

本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、成形が容易で、優れた電磁環境適合性を有し、リサイクル利用時における分別の容易なポリ乳酸系樹脂成形体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体は、金属製の薄板状素材からなるシールド部材と、該シールド部材の片面を覆うポリ乳酸系樹脂とが、一体成形されていることを特徴とする。

0012

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体では、金属製の薄板状素材からなるシールド部材がポリ乳酸系樹脂によって覆われて一体成形されている。ここで、「金属製の薄板状素材からなるシールド部材がポリ乳酸系樹脂によって覆われて一体成形されている」とは、金属製の薄板状素材からなるシールド部材の一面側が、ポリ乳酸系樹脂と接着して一体とされており、シールド部材の他面側は、ポリ乳酸系樹脂と接着することなく、剥き出しとなるように成形されていることをいう。こうであれば、本発明のポリ乳酸系樹脂組成形体を電子機器のハウジングとして用いた場合、金属製の薄板状素材からなるシールド部材が電磁波を遮蔽する効果を奏する。このため、本発明のポリ乳酸系樹脂成形体を電子機器のハウジングとして用いれば、電子機器が外部からのEMIノイズによって誤動作することを防止することができる。また本発明のポリ乳酸系樹脂組成形体の内部に入れられた電子機器が発するEMIノイズが外部へ漏れることを防止することができる。
なお、金属製の薄板状素材はメッシュ状の素材でもよい。こうであっても電磁波を遮蔽することは可能だからである。また、軽量化を図ることもできる。

0013

また、金属製の薄板状素材からなるシールド部材が補強材としての役割を担うこととなり、ポリ乳酸系樹脂成形体の機械的強度が高められる。このため、成形型からの型抜き時の変形が防止され、成形が容易となる。また、金属製の薄板状素材が一体成形されていることによって、金属製の薄板状素材の形状や板厚を変えることでポリ乳酸系樹脂成形体の固有振動数振動モードを変更することも可能となり電子機器の共振対策も容易となる。

0014

さらには、ポリ乳酸系樹脂成形体のリサイクル利用を行なう場合においても、金属製の薄板状素材からなるシールド部材は、一面側においてポリ乳酸系樹脂と接着して一体とされており、シールド部材の他面側は、ポリ乳酸系樹脂と接着することなく、剥き出しとなるように成形されているため、他面側からシールド部材をポリ乳酸系樹脂から引き剥がすだけで、金属とポリ乳酸系樹脂を分別して収集することができる。このため、金属とポリ乳酸系樹脂との分別収集が極めて容易となる

0015

したがって、本発明のポリ乳酸系樹脂成形体によれば、成形が容易で、電磁波遮蔽性に優れ、リサイクル利用も容易となる。

0016

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体では、前記シールド部材には複数の貫通孔が開けられており、該貫通孔には前記ポリ乳酸系樹脂が該シールド部材表面と面一となるように充填されていることが好ましい。こうであれば、金属製の薄板状素材の使用する量が少なくなり、軽量化を図ることができ、製造コストも低廉となる。貫通孔の大きさ及び数は、ポリ乳酸系樹脂成形体に要求される機械的強度、重量、振動特性、シールド部材に要求される電磁波蔽能等を案して、適宜決定すればよい。

0017

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体は、次のようにして製造することができる。すなわち、本発明のポリ乳酸系樹脂成形体の成形方法は、ポリ乳酸系樹脂成形体を製造するための第1の金型と第2の金型とを用意する第1工程と、第1の金型にシールド部材を密着させる第2工程と、該シールド部材を密着させた該第1の金型に第2の金型を整合させる第3工程と、該第1の金型及び該第2の金型ゲートによって形成されたゲートからポリ乳酸系樹脂の溶融物射出させる第4工程と、を備えるポリ乳酸系樹脂成形体の製造方法であって、該ポリ乳酸系樹脂の溶融物は該シールド部材に対して垂直方向から該第1の金型側に押し付けるように射出されることを特徴とする。

0018

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体では、第1工程としてポリ乳酸系樹脂成形体を製造するための第1の金型と第2の金型とを用意し、さらに第2工程として
第1の金型にシールド部材を密着させる。これは、シールド部材の片面をポリ乳酸系樹脂で確実に覆うためである。なお、このとき、シールド部材を第1の金型に確実に密着させるために、両面テープ等を用いてシールド部材と第1の金型とを密着させることも好ましい。

0019

そして、次に、第3工程として、シールド部材を密着させた第1の金型を第2の金型で覆う。そして、第4工程として、第1の金型及び第2の金型によって形成されたゲートからポリ乳酸系樹脂の溶融物を射出させる。このとき、ポリ乳酸系樹脂の溶融物はシールド部材に対して垂直方向から第1の金型に押し付けるように射出されるため、射出成形時にシールド部材は第1の金型に強く押される。このため、ゲートから射出されたポリ乳酸系樹脂は、シールド部材と第1の金型との間に回り込むことが防止され、シールド部材と第2の金型との間の隙間に確実に充填される。このため、第2の金型に対面するシールド部材の片面が、ポリ乳酸系樹脂によって覆われた本発明のポリ乳酸系樹脂成形体を確実に製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

本発明のポリ乳酸系樹脂成形体に用いるポリ乳酸系樹脂としては、ポリ乳酸を主成分とする樹脂であれば、他のプラスチック、軟化剤難燃剤滑剤増量剤等の各種の添加剤が添加されていてもよい。

0021

ポリ乳酸は、使用者が自ら合成してもよいが、入手のし易さから市販されているものを用いることも可能である。具体的には、Cargill−DOW社製のNature Works(登録商標)、トヨ自動車(株)製のU’z(登録商標)、島津製作所(株)製のラクティ(登録商標)、ユニチカ( 株)製のテラマック(登録商標)、三井化学(株)製のレイシア(登録商標)、カネボウ合繊社製ラクトロン(登録商標)、三菱樹脂社製のエコロージュ(登録商標)、クラレ(株)社製のプラスターチ(登録商標)、東セロ(株)社製のパルグリーン(登録商標)等が挙げられる。

0022

また、ポリ乳酸を構成している乳酸は、L−乳酸、D−乳酸及びL−乳酸とD−乳酸との混合物のいずれであってもよい。また、ポリ乳酸の重量平均分子量は3万以上、100万以下であることが好ましい。ポリ乳酸の重量平均分子量が3万未満では、成形品とした場合の強度が小さなものとなり、100万を超えた場合、加熱時の流動性欠け、射出成形が困難となる。

0023

本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物には、発明の課題達成阻害しない範囲で必要に応じて副次的な添加物を加えて様々な改質を行うことが可能である。副次的な添加物の例としては、酸化防止剤紫外線吸収剤着色剤顔料抗菌剤、安定剤、静電剤、核形成材、各種フィラー等その他の類似のものが挙げられる。

0024

一方、ポリ乳酸系樹脂と一体成形されるシールド部材は、金属製の薄板状素材をプレス成形する等により製造することができる。金属製の薄板状素材は耐腐食性を向上させるためにめっき等が施されていてもよい。また、プレス成形等が容易なようにリン酸塩皮膜等の化成皮膜が形成されている金属製の薄板状素材を用いてもよい。金属製の薄板状素材の材質としては特に限定は無く、鉄、アルミステンレス、銅、亜鉛真ちゅう等を用いることができる。この中でも、鉄は安価で機械的強度にも優れるため、ポリ乳酸系樹脂層補強する効果が大きく、好適である。
金属製の薄板状素材の厚さは、材質や、要求される機械的強度、電磁波遮蔽性能等によって適宜選択されるが、一般的には0.1mm〜1.0mmである。

0025

以下、本発明を具体化した実施例のポリ乳酸系樹脂成形体について図面を参照しつつ詳述する。

0026

(実施例1)
図1に示した実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体1は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ本体の前面パネルに用いられるものである。このポリ乳酸系樹脂成形体1は、略矩形蓋形状の成形体本体10の内側に、成形体本体10と同様の形状にプレス成形された圧延鋼板からなるシールド部材20(図2参照)が密着して一体成形されている(図3参照)。圧延鋼板の厚さは0.3mmである。ポリ乳酸系樹脂成形体1は、図1に示すように、傾斜面1aが設けられており、さらにはDVDを挿入するための矩形孔1bが開けられている。

0027

図2に示すように、シールド部材20には、直径6mmの孔20aが縦横等間隔に並んで開けられており、図4に示すように、孔20aの内部にはポリ乳酸系樹脂がシールド部材20と面一となるように充填されている。

0028

<ポリ乳酸系樹脂の製造>
以上のように構成された実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体1を構成する成形体本体1の原料としては、次の組成のポリ乳酸系樹脂を用いた。
ポリ乳酸(ユニチカ(株)製、テラマックTE4000)・・90重量部
(100°Cで4時間乾燥させたもの)
ポリブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製、ビオノーレ(登録商標)#1020)(以下「PBS」と略す)・・・・・・・・・・・・10重量部

0029

そして、これらを混合した後、中型二軸押出機テクノベル(株)製、KZW15−30TGN)に投入して加熱溶融混練してペレット化した。

0030

<成 形>
上記のようにして得られたポリ乳酸系樹脂のペレットを用いて、以下のようにして成形した。すなわち、まず圧延鋼板を用意し、図2に示すシールド部材20の展開図の形状に切断した後、プレス加工してシールド部材20を作製する。そして、図5及び図6に示すように、シールド部材20に沿って密着する凸部30aを有する雄金型30にシールド部材20を被せる。

0031

次に、図7に示すように、雌金型31を雄金型30と合体させる。ここで、雌金型31は雄金型30との合体で、ポリ乳酸系樹脂成形体1の成型金型形状に整合する隙間ができるように形成されており、さらには、樹脂を射出させるためのゲート32が形成されるようになっている。ゲート32は、図8に示すように、シールド部材20に対して垂直方向からポリ乳酸系樹脂が射出されるように形成されている。このため、射出成型時において、シールド部材20は溶融したポリ乳酸系樹脂の導入によって雄金型30側に押し付ける力が働く。このため、ポリ乳酸系樹脂がシールド部材20と雄金型30との間に入り込むことが防止される。そして図示しない射出成形機からゲート32に溶融したポリ乳酸樹脂を射出する。なお、シールド部材20と雄金型30とを両面テープを用いて密着させることも好ましい。こうであれば、ポリ乳酸系樹脂がシールド部材20と雄金型30との間に入り込むことをさらに確実に防止することができる。

0032

最後に、雌金型31と雄金型30とが離され、実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体1が型から外され、成形が終了する。

0033

(実施例2)
実施例2では、次の組成のポリ乳酸系樹脂を用いた。その他は実施例1と同様であり、説明を省略する。
・ポリ乳酸(ユニチカ(株)製、テラマックTE4000)・・90重量部
(100°Cで4時間乾燥させたもの)
・ポリブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製、ビオノーレ(登録商標)
#1020)(以下「PBS」と略す)・・・・・・・・・・・・10重量部
RP剤(旭化成デュラネートTSA)・・・・・・・・・・・0.5重量部

0034

(実施例3)
実施例3では次の組成のポリ乳酸系樹脂を用いた。その他は実施例1と同様であり、説明を省略する。
・ポリ乳酸(ユニチカ(株)製、テラマックTE4000)・・90重量部
(100°Cで4時間乾燥させたもの)
・ポリブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製、ビオノーレ(登録商標)
#1020)(以下「PBS」と略す)・・・・・・・・・・・10重量部
・RP剤(旭化成デュラネートTSA(登録商標))・・・・・0.5重量部
・難燃剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
ポリリン酸アンモニウムクラリアント社製:ペコフレーム)

0035

(実施例4)
実施例4では次の組成のポリ乳酸系樹脂を用いた。その他は実施例1と同様であり、説明を省略する。
・ポリ乳酸(ユニチカ(株)製、テラマックTE4000)・・90重量部
(100°Cで4時間乾燥させたもの)
・ポリブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製、ビオノーレ(登録商標)
#1020)(以下「PBS」と略す)・・・・・・・・・・・10重量部
・RP剤(旭化成デュラネート(登録商標)TSA)・・・・・0.5重量部
・難燃剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
(ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製:ペコフレーム)
造核剤(トヨタ自動車製:UZ´KX238P)・・・・・・・・10重量部

0036

(比較例1)
比較例1では、シールド部材20を用いることなく、全てポリ乳酸系樹脂で成形を行った。用いたポリ乳酸系樹脂は、実施例1と同じである。

0037

(比較例2)
比較例2では、シールド部材20を用いることなく、全てポリ乳酸系樹脂で成形を行った。用いたポリ乳酸系樹脂は、実施例2と同じである。

0038

(比較例3)
比較例3では、シールド部材20を用いることなく、全てポリ乳酸系樹脂で成形を行った。用いたポリ乳酸系樹脂は、実施例3と同じである。

0039

(比較例4)
比較例4では、シールド部材20を用いることなく、全てポリ乳酸系樹脂で成形を行った。用いたポリ乳酸系樹脂は、実施例4と同じである。

0040

以上のように得られた実施例1〜4及び比較例1〜4のポリ乳酸系樹脂成形体について、電磁適合性EMC試験及び成形体の寸法精度について測定を行った。

0041

<電磁環境適合性(EMC)試験>
実施例3及び比較例1のポリ乳酸系樹脂成形体内に組み込まれた電子機器から発生する電磁妨害(EMI)及び電磁妨害からの妨害耐力(EMS)を測定するため、EMC試験を行なった。試験方法は、ポリ乳酸系樹脂成形体をパーソナルコンピュータのハウジングの一部として用い、そのパーソナルコンピュータを電波暗室内において、各種の周波数において発生する電磁波を測定することにより行なった。測定は、電波暗室内におかれたテーブル(高さ80cm)上に360度回転するターンテーブルを置き、その上に測定対象となるパーソナルコンピュータを載せ、回転させながら測定を行なった。受信用アンテナは測定対象となるパーソナルコンピュータから10mの位置とし、ターンテーブルを回転させたときに最も電磁波の強い角度の時において測定した。アンテナは高さ1〜4mの稼動範囲において電磁波強度が最大となる高さで行い、水平方向及び垂直方向の両方で測定を行なった。

0042

実施例3における測定結果図10及び11に、比較例1における測定結果を図12にそれぞれ示す。これらの図から、実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体では、VCCIクラスBの基準(図中のステップ状の実線)を満たしているのに対し、比較例1のポリ乳酸系樹脂成形体では、図12に示すように、507.93MHzでの測定においてアンテナを垂直にした場合、VCCIクラスBの基準(図中のステップ状の実線)を大きく超過した(図12における丸で囲んだ×印のピーク)。以上の結果から、実施例3のポリ乳酸系樹脂成形体においては、シールド部材があるために、電磁波遮蔽効果が著しく大きくなることが確認された。

0043

<寸法精度>
成形体の寸法精度は、図9に示すように、ポリ乳酸系樹脂成形体1の長手方向直線部分の中央における設計値からのずれの距離G(図9参照)によって評価した。その結果、表1に示すように、シールド部材20を入れた実施例1〜4では、ずれの距離Gが1mmであるのに対して、シールド部材20を入れていない比較例1〜4ではいずれも2.2mm以上となり、シールド部材20を入れることにより、成形体の寸法精度が飛躍的に良くなることが確認された。

0044

0045

以上のように得られたポリ乳酸系樹脂成形体1では、金属板からなるシールド部材20がポリ乳酸系樹脂1によって覆われて一体成形されているため、金属板からなるシールド部材20によって電磁波が遮蔽される。このため、電子機器から発生する電磁妨害(EMI)が防止され、電磁妨害からの妨害耐力(EMS)にも優れることとなる。

0046

また、ポリ乳酸系樹脂成形体1の機械的強度が圧延鋼板からなるシールド部材20によって高められているため、成形型からの型抜き時の変形が防止され、成形が容易となる。

0047

さらには、ポリ乳酸系樹脂成形体1のリサイクル利用を行なう場合においても、圧延鋼板からなるシールド部材20を成形体本体10から引き剥がすだけで、圧延鋼板とポリ乳酸系樹脂を分別して収集することができ、再利用され易くなる。

0048

したがって、実施例のポリ乳酸系樹脂成形体1によれば、成形が容易で、電磁波遮蔽性に優れ、リサイクル利用時における分別も容易となる。

0049

また、シールド部材20には複数の孔20aが開けられており、孔20aにはポリ乳酸系樹脂がシールド部材20の表面と面一となるように充填されているため、圧延鋼板を使用する量が少なくてすむため、軽量化が図られ、製造コストも低廉となる。

0050

振動解析
上記実施例1及び比較例1のポリ乳酸系樹脂成形体の固有振動数について、数値解析有限要素法に従って行なった。数値解析にあたっては、パソコンにおける一般的な光学式ドライブとして、最高回転数10000rpm(振動数では167Hz)の光学式ドライブを搭載したと仮定した。

0051

その結果、シールド部材を用いていない比較例1では、3次の固有振動数が171.1Hzとなり、共振する可能性があるのに対し、シールド部材を用いた実施例1では、145Hzまで固有振動数が下がっており、光学式ドライブとの共振問題が回避できることが分かった。
以上の結果から、シールド部材と一体成形することによって、ポリ乳酸系樹脂成形体の共振対策が図りやすくなることが確認できた。

0052

なお、上記実施例では金属製の薄板状素材として鉄製の薄板材を使用したが、その代わりにメッシュ状の金網素材を用いても良い。こうであっても電磁波を遮蔽することはでき、さらには軽量化が図られることとなる。

0053

この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

図面の簡単な説明

0054

実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体の斜視図である。
シールド部材の斜視図である。
実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体の断面図である。
実施例1のポリ乳酸系樹脂成形体の一部拡大断面図である。
シールド部材と雄金型の断面図である。
シールド部材を雄金型に被せた状態の断面図である。
シールド部材を雄金型に被せ、さらに雌金型を被せた状態での断面図である。
シールド部材を雄金型に被せ、さらに雌金型を被せた状態でのゲート付近の拡大断面図である。
ポリ乳酸系樹脂成形体1の底面図である。
実施例3のポリ乳酸系樹脂成形体の電磁環境適合性試験(アンテナ水平)結果を示すグラフである。
実施例3のポリ乳酸系樹脂成形体の電磁環境適合性試験(アンテナ垂直)結果を示すグラフである。
比較例1のポリ乳酸系樹脂成形体の電磁環境適合性試験結果を示すグラフである。

符号の説明

0055

10…成形体本体
20…シールド部材
24…貫通孔
30…第1の金型(雄金型)
31…第2の金型(雌金型)
32…ゲート

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