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技術 高調波抑制装置

出願人 北芝電機株式会社
発明者 渡辺敏之滝田雅夫
出願日 2008年2月29日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2008-049053
公開日 2009年9月10日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-207321
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電 電力変換一般 インバータ装置
主要キーワード 高調波比 高調波含有量 整合変圧器 パワーヒューズ 高圧受電盤 金属材料間 電圧器 外部電力系統
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課題

簡単で安価な装置により、電力変換装置での高調波の増大を抑制し、高調波の外部電力系統への流出を抑制することができる高調波抑制装置を提供するものである。

解決手段

高圧受電盤2に接続された高調波フィルタ3に、高周波インバータ5を介して、加熱コイル7に接続し、前記高圧受電盤2に高調波計測器10を接続し、この高調波計測器10からの高調波割合の信号を受けて、高周波インバータ5から加熱コイル7の出力の調整を行う制御装置8を設け、この制御装置8に、設定したしきい値と前記高調波割合とを比較する高調波比較手段11を設け、しきい値以下の場合に初期設定値での運転継続信号を出力する初期設定値制御手段12を設け、しきい値を超過した場合に、高周波インバータ5から負荷への出力を初期設定値より低下させて運転継続信号を出力する出力低下制御手段14を設けたものである。

概要

背景

一般に、インバータコンバータなどの電力変換装置を介して接続される工業電熱に利用される誘導加熱装置電動機を電力系統に接続して運転する場合、電力系統から他の電気機器で発生した高調波が流入したり、誘導加熱装置や電動機に接続された電力変換装置から発生した高調波が増大されて流出し、電力系統に接続された他の電気機器を停止させたり破損させるおそれがある。

ここで高調波とは50Hz または60Hz の電源周波数基本波)の整数倍の成分であり、歪み率下式のように、各整数倍の高調波成分毎に二乗し、更に各成分を加算した合計値平方根分子とし、分母は基本波として算出するものである。
歪み率k={√(V2^ 2+・・+Vn ^ 2) }/V1×100%
但し V1: 基本波、V2:二次高調波、Vn :n 次高調波

このような高調波が発生する原因としては、(1)電力系統が極端不平衡である場合、(2)電力系統に電源周波数の奇数付近共振周波数がある場合、(3)誘導加熱装置を設置する同一構内に他の大きな高調波発生源がある場合、(4)電力系統から大きな高調波が流入する場合などがある。

特にダイオード式若しくはサイリスタ順変換器の場合、入力電圧に対して出力電流非線形であるために高調波が発生するもので、一般に低力率電流が大きい)である場合、頻繁なオンオフが繰り返される場合、電力系統のインピーダンスが大きい場合に顕在化するものである。このため、サイリスタ式順変換器を使用して高調波を抑制するには、高力率運転とするか、需要点変電所付近に配置するなどして電力系統の配線インピーダンスを低減するか、連続運転として出力を絞ることが有効である。

このような高調波から電力機器を保護するために、電力系統から機器に流入する高調波成分を検出し、検出した高調波成分が一定割合以上の場合に、電動機などへの出力回路の全ての接点を開いて、進相用コンデンサ遮断して進相用コンデンサを保護する装置(特許文献1)がある。

しかしながらこの装置は、外部の電力系統から流入する高調波成分を検出して、電動機への出力を停止するものであり、電力変換装置から発生して電力系統へ流出する高調波を抑制することができず、また高調波成分を検出して、電動機をその都度停止させるので、再起動させる煩雑さがあった。

このため、図5に示すように例えば工業電熱に適用される誘導加熱装置では高調波フィルタ装置を設けて、電力変換装置から発生する高調波の外部電力系統への流出を抑制することが行なわれている。

この誘導加熱装置は、電力系統からの電源1に高圧受電盤2が接続され、この高圧受電盤2に高調波フィルタ3が接続されている。更にこの高調波フィルタ3に変換装置電圧器4を介して高周波インバータ5が接続され、これに接続した高周波整合装置6を介して加熱コイル7が接続され、これらは制御装置8により運転制御されるようになっている。

前記高圧受電盤2は誘導加熱装置への電源通電・停止と故障発生時電流遮断を行う装置で、短絡事故時に電流遮断するパワーヒューズ21と電源の通電と停止に伴う開閉動作を行う遮断機22とで構成されている。前記高調波フィルタ3は、高周波インバータ5から高調波電流が電力系統に流出しないように抑制する装置で、限流リアクトル31、直列リアクトル32、および高調波コンデンサ33とから構成されている。高調波電流が所定値超過した場合に異常信号(D)を制御装置8に出力するようになっている。

前記変換装置用電圧器4は、高周波インバータ5が所定の出力電圧を出力するために、高周波インバータヘの入力電圧を調整するもので、温度上昇内部ガス圧異常などの信号(E)を制御装置8に出力する。

前記高周波インバータ5は、50Hz または60Hz の商用電源から任意の高周波電流を生成するための装置であり、交流直流変換器である順変換器51と、直流交流変換器である逆変換器52と直流リアクトル9とから構成されている。この高周波インバータ5は、制御装置8からの運転・停止信号(F)によって制御されており、高周波インバータが故障時に制御装置8に故障状態を伝える信号(F)を出力する。前記直流リアクトル9は、順変換器51で生成する直流電圧重畳するリプル成分を除去するとともに、逆変換器52や加熱コイル7などの負荷破損時に生じる過電流の急激な流出を抑制する作用をなすものである。

前記高周波整合装置6は、高周波インバータ5と加熱コイル7とのインピーダンス整合を図る装置で、これはインピーダンス整合を図るための高周波整合変圧器61と、加熱コイル7の遅れ力率を進み力率に補償する複数台力率調整コンデンサ62とが設置され、これら構成要素の温度上昇や破損などの信号(G)を出力する。

前記加熱コイル7は、炉内に鉄等の金属材料投入されたとき、高周波インバータ5から高周波電力を供給されることで、炉内の金属材料にうず電流を発生させ、うず電流と金属材料間に発生するジユール熱によって、金属材料を溶解・昇温させるもので、冷却水の温度上昇や冷却水の停止などの信号(H)を出力する。

前記制御装置8は、誘導加熱装置の運転・停止、出力調整、構成要素が破損あるいは定格を超過した運転条件になった場合に、誘導加熱装置を保護するもので、各種信号を処理するための演算装置シーケンサ)や、誘導加熱装置に所定の運転をさせるためのプログラムソフトウエア)から構成される。

また高調波は50Hz または60Hz の商用電源の整数倍の成分であり、基本波が50Hz の場合、5次の250Hz と、7次の350Hz が最も他の機器に影響を与えることから、高調波ガイドライン規制で、6.6KV受電の場合、総合電圧歪み率を5%以下に抑制するように上記装置では、高調波フィルタ3が設けられている。

しかしながら、高調波ガイドラインに規制されていない3次の150Hz の高調波が流入した場合、これが高周波インバータ5で増大され、これが流出して電力系統に接続された他の電気機器を停止させたり破損させるおそれがある。このため、3次の高調波を抑制させる機器を、高調波フィルタ3に設けるとすると、装置が大掛かりとなり、コストが10倍程度増大し、しかも大きな設置スぺースが必要となる問題があった。
特開平4−312322号

概要

簡単で安価な装置により、電力変換装置での高調波の増大を抑制し、高調波の外部電力系統への流出を抑制することができる高調波抑制装置を提供するものである。高圧受電盤2に接続された高調波フィルタ3に、高周波インバータ5を介して、加熱コイル7に接続し、前記高圧受電盤2に高調波計測器10を接続し、この高調波計測器10からの高調波割合の信号を受けて、高周波インバータ5から加熱コイル7の出力の調整を行う制御装置8を設け、この制御装置8に、設定したしきい値と前記高調波割合とを比較する高調波比較手段11を設け、しきい値以下の場合に初期設定値での運転継続信号を出力する初期設定値制御手段12を設け、しきい値を超過した場合に、高周波インバータ5から負荷への出力を初期設定値より低下させて運転継続信号を出力する出力低下制御手段14を設けたものである。

目的

本発明は上記問題を改善し、3次の高調波など、高調波ガイドラインに規制されていない高調波に対しても、簡単で安価な装置により、電力変換装置での高調波の増大を抑制し、発生する高調波の外部電力系統への流出を抑制することができる高調波抑制装置を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

受電盤に接続された高調波フィルタに、電力変換装置を介して、負荷に接続し、前記受電盤に高調波計測器を接続し、この高調波計測器からの高調波割合の信号を受けて、電力変換装置から負荷への出力の調整を行う制御装置を設け、この制御装置に、設定したしきい値と前記高調波割合とを比較する高調波比較手段を設け、しきい値以下の場合に初期設定値での運転継続信号を出力する初期設定値制御手段を設け、しきい値を超過した場合に、電力変換装置から負荷への出力を初期設定値より低下させて運転継続信号を出力する出力低下制御手段を設けたことを特徴とする特徴とする高調波抑制装置

請求項2

しきい値を変えた高調波比較手段を複数個設け、しきい値を一番低く設定した高調波比較手段で、計測された高調波割合が一番低く設定したしきい値以下の場合に初期設定値で運転継続信号を出力する初期設定値制御手段を設け、一番低く設定したしきい値を超過した場合に信号が出力されるしきい値を高く設定した高調波比較手段を設け、ここで高調波割合が次に高く設定したしきい値を超過した場合に、電力変換装置から負荷への出力を初期設定値より低下させる運転継続信号を出力する出力低下制御手段を設け、高調波割合が高く設定したしきい値以下の場合に、前回の判定で高く設定したしきい値をまだ超過していないと判定された時には、前記初期設定値制御手段に信号が出力され、前回の判定で高く設定したしきい値を超過していたと判定された時には、前記出力低下制御手段に信号が出力される継続判定手段を設けたことを特徴とする請求項1の高調波抑制装置。

請求項3

負荷が加熱装置またはモータであることを特徴とする請求項1記載の高調波抑制装置。

請求項4

電力変換装置がインバータまたはコンバータであることを特徴とする請求項1記載の高調波抑制装置。

技術分野

0001

本発明は、高調波電力系統に流出するのを抑制する高調波抑制装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に、インバータコンバータなどの電力変換装置を介して接続される工業電熱に利用される誘導加熱装置電動機を電力系統に接続して運転する場合、電力系統から他の電気機器で発生した高調波が流入したり、誘導加熱装置や電動機に接続された電力変換装置から発生した高調波が増大されて流出し、電力系統に接続された他の電気機器を停止させたり破損させるおそれがある。

0003

ここで高調波とは50Hz または60Hz の電源周波数基本波)の整数倍の成分であり、歪み率下式のように、各整数倍の高調波成分毎に二乗し、更に各成分を加算した合計値平方根分子とし、分母は基本波として算出するものである。
歪み率k={√(V2^ 2+・・+Vn ^ 2) }/V1×100%
但し V1: 基本波、V2:二次高調波、Vn :n 次高調波

0004

このような高調波が発生する原因としては、(1)電力系統が極端不平衡である場合、(2)電力系統に電源周波数の奇数付近共振周波数がある場合、(3)誘導加熱装置を設置する同一構内に他の大きな高調波発生源がある場合、(4)電力系統から大きな高調波が流入する場合などがある。

0005

特にダイオード式若しくはサイリスタ順変換器の場合、入力電圧に対して出力電流非線形であるために高調波が発生するもので、一般に低力率電流が大きい)である場合、頻繁なオンオフが繰り返される場合、電力系統のインピーダンスが大きい場合に顕在化するものである。このため、サイリスタ式順変換器を使用して高調波を抑制するには、高力率運転とするか、需要点変電所付近に配置するなどして電力系統の配線インピーダンスを低減するか、連続運転として出力を絞ることが有効である。

0006

このような高調波から電力機器を保護するために、電力系統から機器に流入する高調波成分を検出し、検出した高調波成分が一定割合以上の場合に、電動機などへの出力回路の全ての接点を開いて、進相用コンデンサ遮断して進相用コンデンサを保護する装置(特許文献1)がある。

0007

しかしながらこの装置は、外部の電力系統から流入する高調波成分を検出して、電動機への出力を停止するものであり、電力変換装置から発生して電力系統へ流出する高調波を抑制することができず、また高調波成分を検出して、電動機をその都度停止させるので、再起動させる煩雑さがあった。

0008

このため、図5に示すように例えば工業電熱に適用される誘導加熱装置では高調波フィルタ装置を設けて、電力変換装置から発生する高調波の外部電力系統への流出を抑制することが行なわれている。

0009

この誘導加熱装置は、電力系統からの電源1に高圧受電盤2が接続され、この高圧受電盤2に高調波フィルタ3が接続されている。更にこの高調波フィルタ3に変換装置電圧器4を介して高周波インバータ5が接続され、これに接続した高周波整合装置6を介して加熱コイル7が接続され、これらは制御装置8により運転制御されるようになっている。

0010

前記高圧受電盤2は誘導加熱装置への電源通電・停止と故障発生時電流遮断を行う装置で、短絡事故時に電流遮断するパワーヒューズ21と電源の通電と停止に伴う開閉動作を行う遮断機22とで構成されている。前記高調波フィルタ3は、高周波インバータ5から高調波電流が電力系統に流出しないように抑制する装置で、限流リアクトル31、直列リアクトル32、および高調波コンデンサ33とから構成されている。高調波電流が所定値超過した場合に異常信号(D)を制御装置8に出力するようになっている。

0011

前記変換装置用電圧器4は、高周波インバータ5が所定の出力電圧を出力するために、高周波インバータヘの入力電圧を調整するもので、温度上昇内部ガス圧異常などの信号(E)を制御装置8に出力する。

0012

前記高周波インバータ5は、50Hz または60Hz の商用電源から任意の高周波電流を生成するための装置であり、交流直流変換器である順変換器51と、直流交流変換器である逆変換器52と直流リアクトル9とから構成されている。この高周波インバータ5は、制御装置8からの運転・停止信号(F)によって制御されており、高周波インバータが故障時に制御装置8に故障状態を伝える信号(F)を出力する。前記直流リアクトル9は、順変換器51で生成する直流電圧重畳するリプル成分を除去するとともに、逆変換器52や加熱コイル7などの負荷破損時に生じる過電流の急激な流出を抑制する作用をなすものである。

0013

前記高周波整合装置6は、高周波インバータ5と加熱コイル7とのインピーダンス整合を図る装置で、これはインピーダンス整合を図るための高周波整合変圧器61と、加熱コイル7の遅れ力率を進み力率に補償する複数台力率調整コンデンサ62とが設置され、これら構成要素の温度上昇や破損などの信号(G)を出力する。

0014

前記加熱コイル7は、炉内に鉄等の金属材料投入されたとき、高周波インバータ5から高周波電力を供給されることで、炉内の金属材料にうず電流を発生させ、うず電流と金属材料間に発生するジユール熱によって、金属材料を溶解・昇温させるもので、冷却水の温度上昇や冷却水の停止などの信号(H)を出力する。

0015

前記制御装置8は、誘導加熱装置の運転・停止、出力調整、構成要素が破損あるいは定格を超過した運転条件になった場合に、誘導加熱装置を保護するもので、各種信号を処理するための演算装置シーケンサ)や、誘導加熱装置に所定の運転をさせるためのプログラムソフトウエア)から構成される。

0016

また高調波は50Hz または60Hz の商用電源の整数倍の成分であり、基本波が50Hz の場合、5次の250Hz と、7次の350Hz が最も他の機器に影響を与えることから、高調波ガイドライン規制で、6.6KV受電の場合、総合電圧歪み率を5%以下に抑制するように上記装置では、高調波フィルタ3が設けられている。

0017

しかしながら、高調波ガイドラインに規制されていない3次の150Hz の高調波が流入した場合、これが高周波インバータ5で増大され、これが流出して電力系統に接続された他の電気機器を停止させたり破損させるおそれがある。このため、3次の高調波を抑制させる機器を、高調波フィルタ3に設けるとすると、装置が大掛かりとなり、コストが10倍程度増大し、しかも大きな設置スぺースが必要となる問題があった。
特開平4−312322号

発明が解決しようとする課題

0018

本発明は上記問題を改善し、3次の高調波など、高調波ガイドラインに規制されていない高調波に対しても、簡単で安価な装置により、電力変換装置での高調波の増大を抑制し、発生する高調波の外部電力系統への流出を抑制することができる高調波抑制装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0019

本発明の請求項1記載の高調波抑制装置は、受電盤に接続された高調波フィルタに、電力変換装置を介して、負荷に接続し、前記受電盤に高調波計測器を接続し、この高調波計測器からの高調波割合の信号を受けて、電力変換装置から負荷への出力の調整を行う制御装置を設け、この制御装置に、設定したしきい値と前記高調波割合とを比較する高調波比較手段を設け、しきい値以下の場合に初期設定値での運転継続信号を出力する初期設定値制御手段を設け、しきい値を超過した場合に、電力変換装置から負荷への出力を初期設定値より低下させて運転継続信号を出力する出力低下制御手段を設けたことを特徴とするものである。

0020

本発明の請求項2記載の高調波抑制装置は、請求項1において、しきい値を変えた高調波比較手段を複数個設け、しきい値を一番低く設定した高調波比較手段で、計測された高調波割合が一番低く設定したしきい値以下の場合に初期設定値で運転継続信号を出力する初期設定値制御手段を設け、一番低く設定したしきい値を超過した場合に信号が出力されるしきい値を高く設定した高調波比較手段を設け、ここで高調波割合が次に高く設定したしきい値を超過した場合に、電力変換装置から負荷への出力を初期設定値より低下させる運転継続信号を出力する出力低下制御手段を設け、高調波割合が高く設定したしきい値以下の場合に、前回の判定で高く設定したしきい値をまだ超過していないと判定された時には、前記初期設定値制御手段に信号が出力され、前回の判定で高く設定したしきい値を超過していたと判定された時には、前記出力低下制御手段に信号が出力される継続判定手段を設けたことを特徴とするものである。

0021

本発明の請求項3記載の高調波抑制装置は、請求項1において、負荷が加熱装置またはモータであることを特徴とものである。更に本発明の請求項4記載の高調波抑制装置は、請求項1において、電力変換装置がインバータまたはコンバータであることを特徴とするものである。

発明の効果

0022

本発明に係る請求項1記載の高調波抑制装置によれば、3次の高調波など、高調波ガイドラインに規制されていない高調波に対しても、簡単で安価な構造の高調波計測器で全体の高調波含有量を常時測定して、この信号を高調波抑制装置で常時しきい値と比較して初期設定値で電力変換装置の運転を継続するか、出力を低下させて運転を継続するかを常時判定して、超過した場合に電力変換装置の出力を低下させて、高調波が更に拡大することを抑制し、高周波が流出して電力系統に接続された他の電気機器を停止させたり破損させたりするのを防止できる。また高調波抑制装置が制御プログラムによる場合、高調波含有量のしきい値設定や、高調波含有量がしきい値を超過した場合の制御方法などの処理は制御プログラムで自由に設定できるので、誘導加熱装置が設置される電力系統や同一系統の高調波流出量の状況によって任意に設定することができる。

0023

また請求項2記載の高調波抑制装置によれば、しきい値の異なる複数の高調波比較手段を設け、更にしきい値の高い高調波比較手段に、前回の計測した高調波割合に基づいて、初期設定値または初期設定値より低い運転継続信号を出力する継続判定手段を接続することにより、段階的に制御して頻繁に出力が変化するのを防止して安定した運転を行なうことができる。

0024

また請求項3記載の高調波抑制装置によれば、電力変換装置により出力が制御される負荷が加熱装置またはモータにおいて、高調波の拡大を抑制することができる。更に請求項4記載の高調波抑制装置によれば、電力変換装置としてインバータまたはコンバータに適用することにより、高調波の拡大を抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下本発明の実施の一形態を図1および図2を参照して詳細に説明する。図1において誘導加熱装置は、電力系統からの電源1に高圧受電盤2が接続され、この高圧受電盤2に高調波フィルタ3が接続されている。更にこの高調波フィルタ3に変換装置用電圧器4を介して高周波インバータ5が接続され、これに接続した高周波整合装置6を介して加熱コイル7が接続され、これらは制御装置8により運転制御されるようになっている。

0026

前記高圧受電盤2の遮断機22にはこれと直列計器用変流器23が設けられ、パワーヒューズ21と遮断機22との間に計器用変圧器24が設けられている。この計器用変流器23と計器用変圧器24は、高調波計測器10に接続され、計器用変流器23からの電流信号(A)と計器用変圧器24からの電圧信号(B)とから、高調波計測器10で高調波含有量を測定して、この信号(C)を制御装置8に出力するようになっている。

0027

更に制御装置8には図2に示す高調波抑制装置が設けられている。この高調波抑制装置は前記高調波計測器10に高調波比較手段11が接続され、ここでしきい値が設定されている。高調波比較手段11は初期設定値制御手段12を介して運転継続手段13に接続されている。更に高調波比較手段11は高周波インバータ5へ出力を初期設定値より低下させる信号を出力する出力低下制御手段14を介して前記運転継続手段13に接続されている。この運転継続手段13は高調波計測器10に接続されて、高調波含有量の割合を常時計測して制御を繰り返して行なうようになっている。なお他の構成は図1に示すものと同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。

0028

上記構成の高調波抑制装置は、高調波計測器10で測定した高調波含有量の割合の信号(C)を高調波抑制装置の高調波比較手段11に出力して、ここで予め設定されているしきい値と比較し、しきい値以下の場合に初期設定値制御手段12から運転継続信号を運転継続手段13に出力して、初期設定値で高周波インバータ5を運転する。高調波含有量の割合の信号(C)がしきい値を超過した場合には、出力低下制御手段14に信号が出力され、ここで高周波インバータ5の出力を初期設定値より低下させた運転継続信号が運転継続手段13に出力され、加熱コイル7への出力を低下させるようになっている。

0029

例えば、高調波比較手段11で設定されたしきい値が4%の時、高調波計測器10で測定した高調波含有量の割合の信号(C)が3.8%であれば、高調波比較手段11から初期設定値制御手段12に信号が出力され、初期設定値で運転継続信号が運転継続手段13に出力される。高調波含有量の割合の信号(C)が4.2%であれば、高調波比較手段11から出力低下制御手段14に信号が出力され、ここで初期設定値より10%低下させた運転継続信号が運転継続手段13に出力され、高周波インバータ5の出力が低下する。

0030

したがって、高調波計測器10では、計器用変流器23からの電流信号(A)と計器用変圧器24からの電圧信号(B)とから、高調波計測器10で全体の高調波含有量を常時測定して、この信号(C)を高調波抑制装置で常時しきい値と比較して初期設定値で高周波インバータ5の運転を継続するか、出力を低下させて運転を継続するかを常時判定して、超過した場合に高周波インバータ5の出力を低下させて、高調波が更に拡大することを抑制し、高調波が流出して電力系統に接続された他の電気機器を停止させたり破損したりするのを防止できる。なお高調波フィルタ3では5次や7次の高調波の流出が抑制される。

0031

図2に示す高調波抑制装置は制御プログラムによって容易に制御することができるが、回路で構成しても良い。制御プログラムによる場合、高調波含有量のしきい値設定や、高調波含有量がしきい値を超過した場合の制御方法(何%出力を何分絞る) といった処理は制御プログラムで自由に設定できるので、誘導加熱装置が設置される電力系統や同一系統の高調波流出量の状況によって任意に設定することができる。

0032

図3は本発明の異なる他の実施の形態を示すもので、この高調波抑制装置は高調波計測器10に第1の高調波比較手段11Aが接続され、ここで低いしきい値Aが設定されている。第1の高調波比較手段11Aは初期設定値制御手段12を介して運転継続手段13に接続され、計測された高調波含有量の割合がしきい値A未満の時に初期設定値制御手段12に信号が出力されるようになっている。更に第1の高調波比較手段11Aには、第2の高調波比較手段11Bが接続され、ここに前記しきい値Aより高いしきい値Bが設定されている。この第2の高調波比較手段11Bは出力低下制御手段14を介して運転継続手段13に接続されている。計測された高調波含有量の割合がしきい値Bを越える時に、第2の高調波比較手段11Bから出力低下制御手段14に信号が出力されるようになっている。

0033

更に、第2の高調波比較手段11Bには継続判定手段15が接続され、計測された高調波含有量の割合がしきい値B未満の時に継続判定手段15に信号が出力されるようになっている。

0034

継続判定手段15は、初期設定値制御手段12と出力低下制御手段14に接続され、この継続判定手段15では、計測された高調波含有量の割合が前回の判定で高く設定したしきい値Bをまだ超ええていないと判定された時には、初期設定値制御手段12に信号が出力されるようになっている。また計測された高調波含有量の割合が前回の判定で高く設定したしきい値Bを越えていたと判定された時には、出力低下制御手段14に信号が出力されるようになっている。なお運転継続手段13は高調波計測器10に接続されて、高調波含有量の割合を常時計測して制御を繰り返して行なうようになっている。

0035

上記構成の高調波抑制装置は、高調波計測器10で測定した高調波含有量の割合の信号(C)を第1の高調波比較手段11Aに出力して、ここで予め設定されているしきい値Aと比較し、しきい値Aが例えば2%の時、高調波計測器10で測定した高調波含有量の割合の信号(C)が1.8%であれば、初期設定値制御手段12に信号が出力され、ここから運転継続信号を運転継続手段13に出力して、初期設定値で高周波インバータ5の運転が継続される。

0036

高調波含有量の割合の信号(C)が4.2%であれば、第1の高調波比較手段11Aから第2の高調波比較手段11Bに信号が出力され、このしきい値B(4.0%)を超過したので、出力低下制御手段14に信号が出力され、ここで初期設定値より例えば10%低下させた運転継続信号が運転継続手段13に出力され、高周波インバータ5の出力が低下する。

0037

高調波含有量の割合の信号(C)が3.2%であれば、継続判定手段15に信号が出力され、前回の判定で高く設定したしきい値Bをまだ超過していないと判定された時には、初期設定値制御手段12に信号が出力されて初期設定値で高周波インバータ5の運転が継続される。また高調波含有量の割合が、前回の判定で高く設定したしきい値Bを超過していたと判定された時には、再び出力低下制御手段14に信号が出力され高周波インバータ5は出力が低下したまま運転が継続される。

0038

この状態を図4で説明すると、計測された高調波含有量の割合がしきい値Aを超過しても初期状態で運転し、しきい値A未満に下がっても初期状態で運転する。計測された高調波含有量の割合がしきい値Bを超過すると出力低下制御手段14により出力が低下した運転となる。この出力を低下させた状態で運転していて、高調波含有量の割合がしきい値B〜しきい値Aの間に下がっても、前回の判定で高く設定したしきい値Bを超過していたので、出力が低下したままの運転が継続される。この後、高調波含有量の割合がしきい値A未満に下がってきた時には、初期状態での運転に復帰する。

0039

つまり、しきい値Bを一旦超過してから下がってきた時に、直に初期状態での運転に復帰すようにすると、頻繁に切換動作が繰り返されるので、出力が低下したままの運転を継続することにより高周波インバータ5の出力が頻繁に変化するのを防止して安定した運転を行なうことができる。

0040

このように、しきい値の異なる第1、第2の高調波比較手段11A、11Bを設け、更に第2の高調波比較手段11Bに、初期設定値または初期設定値より低い運転継続信号を出力する継続判定手段15を接続することにより、段階的に制御して高周波インバータ5の出力が頻繁に変化するのを防止して安定した運転を行なうことができる。

0041

なお上記説明では負荷が加熱コイル7の場合について示したが、モータなど電力変換装置に接続した機器であれば他のものにも適用することができる。また上記説明では電力変換装置が高周波インバータ5の場合について示したが、コンバータでも良い。

図面の簡単な説明

0042

本発明の実施の一形態による高調波抑制装置を設けた誘導加熱装置の回路図である。
図1の制御装置に設けた高調波抑制装置の回路図である。
本発明の他の実施の形態による高調波抑制装置の回路図である。
図3の高調波抑制装置の動作を説明する説明図である。
従来の高調波フィルタを設けた誘導加熱装置の回路図である。

符号の説明

0043

1電源
2高圧受電盤
3高調波フィルタ
4変換装置用電圧器
5高周波インバータ
6高周波整合装置
7加熱コイル
8制御装置
9直流リアクトル
10高調波計測器
11高調波比較手段
11A 第1の高調波比較手段
11B 第2の高調波比較手段
12初期設定値制御手段
13運転継続手段
14出力低下制御手段
15継続判定手段
21パワーヒューズ
22遮断機
23計器用変流器
24計器用変圧器
31限流リアクトル
32直列リアクトル
33 高調波コンデンサ
51順変換器
52逆変換器
61高周波整合変圧器
62 力率調整コンデンサ

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