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技術 炭素繊維強化複合材料の製造方法

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 高橋真由美平脇聡志
出願日 2008年2月21日 (12年1ヶ月経過) 出願番号 2008-040575
公開日 2009年9月3日 (10年6ヶ月経過) 公開番号 2009-197143
状態 未査定
技術分野 強化プラスチック材料
主要キーワード パンコン ガスレギュレータ 共通条件 プラズマジェネレータ 車体ボディ 繊維積層 ノズル間距離 表面処理機
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この項目の情報は公開日時点(2009年9月3日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

本発明は、簡便な装置で製造することができる高強度の炭素繊維強化複合材料の製造技術を提供することを課題とする。

解決手段

炭素繊維11に樹脂17を含浸させることで炭素繊維強化複合材料20を得る炭素繊維強化複合材料20の製造方法において、樹脂17を含浸する前に不活性気体雰囲気下で炭素繊維11の表面に処理を施すことを特徴とする。

効果

不活性気体雰囲気下で炭素繊維の表面に処理を行う。炭素繊維の表面に処理を行うだけであり、複雑な装置が必要ない。即ち、簡便な装置のみで製造することができる。加えて、表面処理を行った炭素繊維を用いることにより、樹脂との接着性増し、高強度の炭素繊維強化複合材料を得ることができる。 即ち、高強度の炭素繊維強化複合材料を簡便な装置で製造することができる。

概要

背景

車体ボディ等に用いられる炭素繊維強化複合材料には、過酷な使用条件に耐え得るよう、高い強度が求められる。
炭素繊維強化複合材料の強度を高める手段の一つとして、炭素繊維強化複合材料に用いられる炭素繊維に対する樹脂接着力を強めることが知られている。

従来炭素繊維に対する樹脂の接着力を強める技術として、サイジング処理された炭素繊維束を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−146431公報(第2頁、第5頁、第13頁)

特許文献1の[請求項1]には、「アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタアクリル酸エステル単量体(a)単位を有する重合体(A)を含む強化繊維用サイジング剤。」と記載され、[請求項6]には、「請求項1〜5のいずれかに記載の強化繊維用サイジング剤によりサイジング処理された炭素繊維束。」と記載されている。

このような炭素繊維束は、特許文献1[0017]第3行〜第5行に記載の通り「強化繊維用サイジング剤によりサイジング処理された炭素繊維束は、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン樹脂との良好な界面接着性発現することができる。」という効果を奏する。

即ち、このような炭素繊維束を用いることにより、樹脂との接着性を良好にすることができる。樹脂との接着性を良好にすることにより、炭素繊維強化複合材料の強度を高めることができる。

ところで、特許文献1[0067]第2行〜第4行に、サイジング剤塗布方法として「水系サイジング剤溶液中にロールの一部を浸漬させ表面転写させた後、このロールに短繊維からなる炭素繊維束を接触させて水系サイジング剤溶液を付着させる」方法等が記載されている。

即ち、この方法により炭素繊維束を得るためには、サイジング剤を塗布するための複雑な装置が必要であり、多大な設備投資を要することとなる。

簡便な装置で製造することができる高強度の炭素繊維強化複合材料の提供が望まれる。

概要

本発明は、簡便な装置で製造することができる高強度の炭素繊維強化複合材料の製造技術を提供することを課題とする。炭素繊維11に樹脂17を含浸させることで炭素繊維強化複合材料20を得る炭素繊維強化複合材料20の製造方法において、樹脂17を含浸する前に不活性気体雰囲気下で炭素繊維11の表面に処理を施すことを特徴とする。不活性気体雰囲気下で炭素繊維の表面に処理を行う。炭素繊維の表面に処理を行うだけであり、複雑な装置が必要ない。即ち、簡便な装置のみで製造することができる。加えて、表面処理を行った炭素繊維を用いることにより、樹脂との接着性が増し、高強度の炭素繊維強化複合材料を得ることができる。 即ち、高強度の炭素繊維強化複合材料を簡便な装置で製造することができる。

目的

本発明は、簡便な装置で製造することができる高強度の炭素繊維強化複合材料の製造技術を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

炭素繊維樹脂含浸させることで炭素繊維強化複合材料を得る炭素繊維強化複合材料の製造方法において、前記樹脂を含浸する前に不活性気体雰囲気下で前記炭素繊維の表面に処理を施すことを特徴とする炭素繊維強化複合材料の製造方法。

請求項2

前記処理は、プラズマ処理であることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維強化複合材料の製造方法。

請求項3

前記不活性気体は、窒素であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の炭素繊維強化複合材料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、炭素繊維樹脂含浸させることで炭素繊維強化複合材料を得る炭素繊維強化複合材料の製造方法に関する。

背景技術

0002

車体ボディ等に用いられる炭素繊維強化複合材料には、過酷な使用条件に耐え得るよう、高い強度が求められる。
炭素繊維強化複合材料の強度を高める手段の一つとして、炭素繊維強化複合材料に用いられる炭素繊維に対する樹脂の接着力を強めることが知られている。

0003

従来炭素繊維に対する樹脂の接着力を強める技術として、サイジング処理された炭素繊維束を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−146431公報(第2頁、第5頁、第13頁)

0004

特許文献1の[請求項1]には、「アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が2級炭素原子または3級炭素原子に結合した(メタアクリル酸エステル単量体(a)単位を有する重合体(A)を含む強化繊維用サイジング剤。」と記載され、[請求項6]には、「請求項1〜5のいずれかに記載の強化繊維用サイジング剤によりサイジング処理された炭素繊維束。」と記載されている。

0005

このような炭素繊維束は、特許文献1[0017]第3行〜第5行に記載の通り「強化繊維用サイジング剤によりサイジング処理された炭素繊維束は、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン樹脂との良好な界面接着性発現することができる。」という効果を奏する。

0006

即ち、このような炭素繊維束を用いることにより、樹脂との接着性を良好にすることができる。樹脂との接着性を良好にすることにより、炭素繊維強化複合材料の強度を高めることができる。

0007

ところで、特許文献1[0067]第2行〜第4行に、サイジング剤塗布方法として「水系サイジング剤溶液中にロールの一部を浸漬させ表面転写させた後、このロールに短繊維からなる炭素繊維束を接触させて水系サイジング剤溶液を付着させる」方法等が記載されている。

0008

即ち、この方法により炭素繊維束を得るためには、サイジング剤を塗布するための複雑な装置が必要であり、多大な設備投資を要することとなる。

0009

簡便な装置で製造することができる高強度の炭素繊維強化複合材料の提供が望まれる。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、簡便な装置で製造することができる高強度の炭素繊維強化複合材料の製造技術を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

請求項1に係る発明は、炭素繊維樹脂に樹脂を含浸させることで炭素繊維強化複合材料を得る炭素繊維強化複合材料の製造方法において、
前記樹脂を含浸する前に不活性気体雰囲気下で前記炭素繊維の表面に処理を施すことを特徴とする。

0012

請求項2に係る発明では、処理は、プラズマ処理であることを特徴とする。

0013

請求項3に係る発明では、不活性気体は、窒素であることを特徴とする。

発明の効果

0014

請求項1に係る発明では、不活性気体雰囲気下で炭素繊維の表面に処理を行う。炭素繊維の表面に処理を行うだけであり、複雑な装置が必要ない。即ち、簡便な装置のみで製造することができる。加えて、表面処理を行った炭素繊維を用いることにより、樹脂との接着性が増し、高強度の炭素繊維強化複合材料を得ることができる。
即ち、高強度の炭素繊維強化複合材料を簡便な装置で製造することができる。

0015

請求項2に係る発明では、プラズマ処理を行う。プラズマ処理は短時間で容易に行うことができ、廃棄化学薬品等も発生しない。廃棄化学薬品等が発生しないため、これらを処理するコストがかからず、低コストで炭素繊維強化複合材料を提供することができる。

0016

請求項3に係る発明では、窒素雰囲気下で処理を行う。窒素雰囲気下で処理を行うことにより、熱等による炭素繊維の損傷を防ぐことができる。炭素繊維の損傷を防ぐことにより、更に高強度の炭素繊維強化複合材料を製造することができる。
加えて、窒素ガス入手容易であり、安価である。

発明を実施するための最良の形態

0017

本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る炭素繊維強化複合材料の準備工程から含浸工程までを説明する図であり、まず、(a)に示すように炭素繊維11を準備し、次に(b)に示すようにプラズマ処理等を行うための表面処理装置12に、準備した炭素繊維11を配置する。

0018

表面処理装置12は、不活性気体が充填されているボンベ13と、気体の圧力を整えるガスレギュレータ14とを備える。そして、表面処理装置12でプラズマ処理を施すことで、炭素繊維11の表面を活性化する。

0019

このとき、表面処理装置12内を、窒素、ヘリウムネオンアルゴンクリプトンキセノン等の不活性気体により不活性気体雰囲気にした上で、炭素繊維11の表面を処理する。

0020

窒素雰囲気下で処理を行う場合には、熱等による炭素繊維の損傷を防ぐことができる。炭素繊維の損傷を防ぐことにより、更に高強度の炭素繊維強化複合材料を製造することができる。

0021

また、表面処理装置12により行う表面処理は、プラズマ処理が望ましい。表面処理にプラズマ処理を用いた場合には、廃棄化学薬品等が発生しないため、これらを処理するコストがかからず、低コストで炭素繊維強化複合材料を提供することができる。

0022

しかし、表面処理にはプラズマ処理の他、コロナ放電処理大気圧グロー放電火炎処理紫外線処理又は電子線処理等を用いることができ、炭素繊維の表面を活性化できるものであれば、これらの処理方法に限られるものではない。

0023

次に(c)に示すように作業台15上に、例えば4枚の炭素繊維11を井桁上に重ねて積層させ、(d)に示すように、この積層された炭素繊維11に例えばローラ16により樹脂17を含浸させ、含浸体18を得る。

0024

図2は本発明に係る炭素繊維強化複合材料の硬化工程から完成までを説明する図であり、(a)に示すように、含浸体18を例えばオートクレーブ19を用いて硬化させる。含浸体18を硬化させることにより、(b)に示すように炭素繊維強化複合材料20は製造される。
硬化方法は、樹脂の特性や炭素繊維強化複合材料の用途によって他の方法を用いることもできる。即ち、オートクレーブによる硬化に限られない。

0025

炭素繊維の表面に処理を行うだけであり、複雑な装置が必要ない。即ち、簡便な装置のみで製造することができる。加えて、表面処理を行った炭素繊維を用いることにより、樹脂との接着性が増し、高強度の炭素繊維強化複合材料を得ることができる。
即ち、高強度の炭素繊維強化複合材料を簡便な装置で製造することができる。

0026

図3は本発明に係る炭素繊維強化複合材料の別実施例を説明する図であり、図1に示されるような1方向性の炭素繊維11に代え、織物状に形成された炭素繊維(以下、織物状炭素繊維)22を用いることもできる。

0027

実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
炭素繊維強化複合材料について、JIS K 7073に準拠し、引張り試験を行った。条件は以下の通り。

0028

共通条件
樹脂:不飽和ポリエステル樹脂ジャパンコンポジット(株)製プロミネート)
樹脂含浸量:1400g/m2
硬化方法:オートクレーブ法
温度:140°C
硬化時間:2時間

0029

テストピース:200mm×25mm×1.8mmの大きさにダイヤモンドカッター切り出す。
引張り試験機インストロン製5882
試験速度:2mm/分
チャック間長さ:100mm

0030

○比較例1の条件
炭素繊維:東邦テナックス(株)製HTA−12K−E30
炭素繊維の形状:1方向性
繊維積層構成:入力方向の軸に対して、0°、90°の順に4層積
目付け:各層200g/m2

0031

○比較例2の条件
炭素繊維:東邦テナックス(株)製HTA−12K−E30
炭素繊維の形状:1方向性
表面処理機プラズマリート社製FG1005(プラズマジェネレータ
不活性気体:無し(大気中)
表面処理速度:5m/分
炭素繊維−ノズル間距離:150mm

0032

繊維積層構成:0°、90°の順に4層積層
目付け:各層200g/m2

0033

○実施例1の条件
炭素繊維:東邦テナックス(株)製HTA−12K−E30
炭素繊維の形状:1方向性
表面処理機:プラズマリート社製FG1005(プラズマジェネレータ)
不活性気体:窒素
不活性気体濃度:99.9%
表面処理速度:5m/分
炭素繊維−ノズル間距離:150mm

0034

繊維積層構成:0°、90°の順に4層積層
目付け:各層200g/m2

0035

○実施例2の条件
炭素繊維:東邦テナックス(株)製HTA−3K−E30
炭素繊維の形状:織物状
表面処理機:プラズマリート社製FG1005(プラズマジェネレータ)
不活性気体:窒素
不活性気体濃度:99.9%
表面処理速度:5m/分
炭素繊維−ノズル間距離:150mm

0036

繊維積層構成:8層積層
目付け:各層200g/m2

0037

以上の条件の下で行った実験の結果を次に説明する。

0038

0039

1方向性の炭素繊維に大気中でプラズマ処理を施した比較例2では、比較例1の引張り強さを1.0とした場合の引張り強さが0.892であった。即ち、処理を行わなかった比較例1に比べ10.8%強度が減少した。

0040

1方向性の炭素繊維に窒素雰囲気下でプラズマ処理を施した実施例1では、比較例1の引張り強さを1.0とした場合の引張り強さが1.183であった。即ち、処理を行わなかった比較例1に比べ18.3%強度が増した。

0041

織物状の炭素繊維に窒素雰囲気下でプラズマ処理を施した実施例2では、比較例1の引張り強さを1.0とした場合の引張り強さが1.091であった。即ち、処理を行わなかった比較例1に比べ9.1%強度が増した。
以上のような結果になった理由について次図で説明する。

0042

図5は実験結果の理由を説明する図である。(a)に示されるのは比較例2で用いられた炭素繊維11である。大気中でプラズマ処理された炭素繊維11は、外側の破線24で示される太さであったものが、大気中の酸素等と結合することにより細くなったり、一部は消滅した。表面に活性化された活性部25を有するものの、炭素繊維11自体が細くなることにより、引張り強さが減少したものと考えられる。

0043

(b)に示されるのは実施例1で用いられた炭素繊維11である。実施例1では窒素雰囲気下でプラズマ処理を行った。窒素は高温であっても炭素と反応しないため、炭素繊維11が細くなることはなかった。
加えて、活性部25は樹脂との接着性を高める働きをする。炭素繊維11の太さが変わることなく樹脂との接着性が高まることにより、実施例1では引張り強さが増したものと考えられる。

0044

(c)に示されるのは実施例2で用いられた織物状炭素繊維22である。織物状炭素繊維22には、繊維と繊維が交差する交差部26が存在する。交差部26の表面は、処理によって活性化することができない。交差部26は活性部25に比べ樹脂と接合する力が弱いため、実施例2では交差部26が存在する分、実施例1に比べ引張り強さが弱くなったものと考えられる。

0045

尚、図2に示した炭素繊維強化複合材料20の用途によっては、含浸体18を2枚以上積層させ、この積層させた含浸体18を硬化させることもできる。

0046

本発明の炭素繊維強化複合材料は、車体ボディに好適である。

図面の簡単な説明

0047

本発明に係る炭素繊維強化複合材料の準備工程から含浸工程までを説明する図である。
本発明に係る炭素繊維強化複合材料の硬化工程から完成までを説明する図である。
本発明に係る炭素繊維強化複合材料の別実施例を説明する図である。
実験結果の理由を説明する図である。

符号の説明

0048

11…炭素繊維、12…表面処理装置、17…樹脂、20…炭素繊維強化複合材料、22…織物状炭素繊維。

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