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技術 インクジェットプリンタ

出願人 理想科学工業株式会社
発明者 番匠利裕
出願日 2008年2月21日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2008-040246
公開日 2009年9月3日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-196208
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 下流タンク 上流タンク 右側区画 左側区画 インク循環式 温度下降 規定温度 インク分配器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年9月3日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

インク循環経路循環インクの温度に応じて、この循環インクの量を可変することで循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮する。

解決手段

インク吐出して印字するインクヘッドと、インクヘッドにインクを供給する上流タンク3と、インクヘッドから吐出されなかったインクが排出される下流タンクとを備え、インクヘッドと上流タンク3と下流タンクの間を流路接続してインクを循環するためのインク循環経路を形成しているインクジェットプリンタにおいて、インク循環経路を循環するインクの温度を常時検知する温度検知手段と、インク循環経路中に設けられ、温度検知手段により検知した循環インクの温度が規定温度となるように循環インクの温度を変更する温度変更手段と、上流タンク3に設けられ温度変更手段による循環インクの温度変更に応じて循環インクの量を変更するインク循環量変更手段30とを備える。

概要

背景

従来より、インクヘッドノズルからインク吐出して印刷用紙などの記録媒体印字するインクジェットプリンタには、インクの冷却やインク流路内ゴミを取り除くために、印字状態のときにインクを絶えず循環しているインク循環式のものがある。

インク循環式のインクジェットプリンタは、インクが循環するためのインク循環経路を備えており、インク循環経路中にはインクヘッドを介してその上流側と下流側にインクタンクが設けられている。また、インクタンク間にはインクを循環するために圧力を加えるポンプが設けられている。

また、インク循環式のインクジェットプリンタには、印字状態のときにインク循環経路を循環するインク(循環インク)の温度が印字に適した温度(規定温度)にあるか否かを常時検知している温度センサが設けられている。このとき、循環インクの温度が規定温度以下であるとインク粘度が上がりインク吐出不良が発生してしまう。逆に、循環インクの温度が規定温度以上であるとインク粘度が下がりノズルからの吐出量が増大し、印字画質が変化してしまう。

そのため、インクジェットプリンタを長時間使用しなかった場合などでインクの温度が低温のときには、印字可能状態にするためにインクを一定時間循環しながらインク循環経路中に設けられた加熱手段によって循環インクの温度を上昇させる必要がある(ウォームアップ)。また、長時間の連続印字などで循環インクが高温のときには、インク循環経路中に設けられた冷却手段によって循環インクの温度を下降させなければならない。

さらに、インク循環式のインクジェットプリンタに使用するインクヘッドをインク循環構造とすることでインクヘッドを冷却することができる。

例えば下記特許文献1に開示されるようなインク循環構造のインクヘッドは、その内部のインク供給口とインク排出口の間に圧電素子からなる複数の隔壁区画された複数の個別流路が設けられている。そして、インク供給口から供給されたインクは個別流路を流れ、その大半は個別流路中に設けられたノズルから吐出されるが、吐出されなかったインクはインク排出口から排出され、上述したインク循環経路を循環し、再びインクヘッドへと供給される。このインクヘッドによれば、長時間の連続印字により加熱したインクヘッドをインクヘッド内の循環インクが冷却するため、連続印字時間の延長が可能となる。
特開2006−88575号公報

概要

インク循環経路の循環インクの温度に応じて、この循環インクの量を可変することで循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮する。インクを吐出して印字するインクヘッドと、インクヘッドにインクを供給する上流タンク3と、インクヘッドから吐出されなかったインクが排出される下流タンクとを備え、インクヘッドと上流タンク3と下流タンクの間を流路接続してインクを循環するためのインク循環経路を形成しているインクジェットプリンタにおいて、インク循環経路を循環するインクの温度を常時検知する温度検知手段と、インク循環経路中に設けられ、温度検知手段により検知した循環インクの温度が規定温度となるように循環インクの温度を変更する温度変更手段と、上流タンク3に設けられ温度変更手段による循環インクの温度変更に応じて循環インクの量を変更するインク循環量変更手段30とを備える。

目的

そこで本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、インク循環経路の循環インクの温度に応じて、この循環インクの量を可変することで循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮したインクジェットプリンタを提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

インク吐出して印字するインクヘッドと、前記インクヘッドにインクを供給する上流タンクと、前記インクヘッドから吐出されなかったインクが排出される下流タンクと、を備え、前記インクヘッドと前記上流タンクと前記下流タンクの間を流路接続してインクを循環するためのインク循環経路を形成しているインクジェットプリンタにおいて、前記インク循環経路を循環するインクの温度を常時検知する温度検知手段と、前記インク循環経路中に設けられ、前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度となるように該循環インクの温度を変更する温度変更手段と、前記上流タンク及び/又は前記下流タンクに設けられ、前記温度変更手段による前記循環インクの温度変更に応じて該循環インクの量を変更するインク循環量変更手段と、を具備することを特徴とするインクジェットプリンタ。

請求項2

前記インク循環量変更手段は、前記上流タンク及び/又は前記下流タンク内を回転することで二区画に分割する仕切り板と、該仕切り板を回転させる軸部と、を備え、前記仕切り板を所定角度回転させて前記上流タンク及び/又は前記下流タンク内を通過する前記循環インクの量を変更することを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。

請求項3

前記温度変更手段は加熱手段を備え、前記加熱手段が前記循環インクを加熱するときに、前記インク循環量変更手段によって前記循環インクの量を少なくすることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタ。

請求項4

前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度に達したときに、前記インク循環量変更手段は前記循環インクの量を元に戻すことを特徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタ。

請求項5

前記温度変更手段は冷却手段を備え、前記冷却手段が前記循環インクを冷却するときに、前記インク循環量変更手段によって前記循環インクの量を少なくすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のインクジェットプリンタ。

請求項6

前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度に達したときに、前記インク循環量変更手段は前記循環インクの量を元に戻すことを特徴とする請求項5記載のインクジェットプリンタ。

請求項7

前記インク循環経路のインク循環を停止する直前において、前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度以上の場合には、前記インク循環量変更手段は前記循環インクの量を少なくし、規定温度以下になるまで前記インク循環経路のインク循環を一定時間継続することを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載のインクジェットプリンタ。

技術分野

0001

本発明は、インクヘッドから循環インク吐出して印字するインク循環式インクジェットプリンタ係り、循環インクの量を可変することで該循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮する技術に関する。

背景技術

0002

従来より、インクヘッドのノズルからインクを吐出して印刷用紙などの記録媒体に印字するインクジェットプリンタには、インクの冷却やインク流路内ゴミを取り除くために、印字状態のときにインクを絶えず循環しているインク循環式のものがある。

0003

インク循環式のインクジェットプリンタは、インクが循環するためのインク循環経路を備えており、インク循環経路中にはインクヘッドを介してその上流側と下流側にインクタンクが設けられている。また、インクタンク間にはインクを循環するために圧力を加えるポンプが設けられている。

0004

また、インク循環式のインクジェットプリンタには、印字状態のときにインク循環経路を循環するインク(循環インク)の温度が印字に適した温度(規定温度)にあるか否かを常時検知している温度センサが設けられている。このとき、循環インクの温度が規定温度以下であるとインク粘度が上がりインク吐出不良が発生してしまう。逆に、循環インクの温度が規定温度以上であるとインク粘度が下がりノズルからの吐出量が増大し、印字画質が変化してしまう。

0005

そのため、インクジェットプリンタを長時間使用しなかった場合などでインクの温度が低温のときには、印字可能状態にするためにインクを一定時間循環しながらインク循環経路中に設けられた加熱手段によって循環インクの温度を上昇させる必要がある(ウォームアップ)。また、長時間の連続印字などで循環インクが高温のときには、インク循環経路中に設けられた冷却手段によって循環インクの温度を下降させなければならない。

0006

さらに、インク循環式のインクジェットプリンタに使用するインクヘッドをインク循環構造とすることでインクヘッドを冷却することができる。

0007

例えば下記特許文献1に開示されるようなインク循環構造のインクヘッドは、その内部のインク供給口とインク排出口の間に圧電素子からなる複数の隔壁区画された複数の個別流路が設けられている。そして、インク供給口から供給されたインクは個別流路を流れ、その大半は個別流路中に設けられたノズルから吐出されるが、吐出されなかったインクはインク排出口から排出され、上述したインク循環経路を循環し、再びインクヘッドへと供給される。このインクヘッドによれば、長時間の連続印字により加熱したインクヘッドをインクヘッド内の循環インクが冷却するため、連続印字時間の延長が可能となる。
特開2006−88575号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところが、上述したようなインク循環式のインクジェットプリンタがウォームアップ時などに循環インクの温度を規定温度まで上昇させるためには、循環インクの量が多いほど時間がかかるという問題がある。例えば、循環インクの量が1.0[L]、インク比熱が3.0[J/g*K]、1.0[g/cm3 ]である場合、循環インクの熱容量が1500[J/K]となり、出力200ワットヒータを使用しても5℃上昇させるために5〜6分の時間が必要となる。また、温度上昇にかかる時間を短縮するためにヒータの出力を上げると、消費電力が大きくなってしまう。

0009

また、上記特許文献1に開示されるようなインク循環構造のインクヘッドを使用することでインクヘッドの温度上昇は抑えられるが、インクヘッドの熱によって温度上昇したインクがインク循環経路を循環するため、循環インクの温度が上昇してしまう。なお、循環インクの温度を規定温度まで下降させるためには、温度を上昇させるときと同様に時間が必要となる。

0010

そこで本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、インク循環経路の循環インクの温度に応じて、この循環インクの量を可変することで循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮したインクジェットプリンタを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0011

次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のインクジェットプリンタは、インクを吐出して印字するインクヘッド2と、
前記インクヘッド2にインクを供給する上流タンク3と、
前記インクヘッド2から吐出されなかったインクが排出される下流タンク4と、を備え、
前記インクヘッド2と前記上流タンク3と前記下流タンク4の間を流路接続してインクを循環するためのインク循環経路を形成しているインクジェットプリンタにおいて、
前記インク循環経路を循環するインクの温度を常時検知する温度検知手段と、
前記インク循環経路中に設けられ、前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度となるように該循環インクの温度を変更する温度変更手段20と、
前記上流タンク3及び/又は前記下流タンク4に設けられ、前記温度変更手段20による前記循環インクの温度変更に応じて該循環インクの量を変更するインク循環量変更手段30と、
具備することを特徴としている。

0012

このような構成によれば、インク循環経路の循環インクが規定温度以上又は以下のときに、温度変更手段20が規定温度になるように循環インクの温度変更(上昇又は下降)を開始する。これに応じて、インク循環量変更手段30が循環インクの量を変更する(例えば少なくする)ことで温度変更手段20による効率的な温度変更が可能となる。

0013

請求項2記載のインクジェットプリンタは、前記インク循環量変更手段30は、前記上流タンク3及び/又は前記下流タンク4内を回転することで二区画に分割する仕切り板31と、該仕切り板31を回転させる軸部32と、を備え、
前記仕切り板31を所定角度回転させて前記上流タンク3及び/又は前記下流タンク4内を通過する前記循環インクの量を変更することを特徴としている。

0014

このような構成によれば、上流タンク3及び下流タンク4のうちの少なくとも一方の内部を仕切り板31によって二区画に分割することで、タンク3(4)内の循環インクの占有容積を可変し、タンク3(4)内を通過する循環インクの量を変更する。つまり、タンクタンク3(4)内の一方の区画はインク循環経路に含まれるが、他方の区画はインク循環経路から除外され、除外された区画に滞留しているインクは一時的に循環インクに含まれなくなる。

0015

請求項3記載のインクジェットプリンタは、前記温度変更手段20は加熱手段20aを備え、
前記加熱手段20aが前記循環インクを加熱するときに、前記インク循環量変更手段30によって前記循環インクの量を少なくすることを特徴としている。

0016

このような構成によれば、加熱手段20aが加熱する循環インクの量が少ないため、規定温度以下(低温)の循環インクの温度を可及的速やかに規定温度にすることができる。

0017

請求項4記載のインクジェットプリンタは、前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度に達したときに、前記インク循環量変更手段30は前記循環インクの量を元に戻すことを特徴としている。

0018

このような構成によれば、規定温度に達した後の循環インクの温度変化率を少なくすることができる。

0019

請求項5記載のインクジェットプリンタは、前記温度変更手段20は冷却手段20bを備え、
前記冷却手段20bが前記循環インクを冷却するときに、前記インク循環量変更手段30によって前記循環インクの量を少なくすることを特徴としている。

0020

このような構成によれば、冷却手段20bが冷却する循環インクの量が少ないため、規定温度以上(高温)の循環インクの温度を可及的速やかに規定温度にすることができる。

0021

請求項6記載のインクジェットプリンタは、前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度に達したときに、前記インク循環量変更手段30は前記循環インクの量を元に戻すことを特徴としている。

0022

このような構成によれば、上記同様に規定温度に達した後の循環インクの温度変化率を少なくすることができる。

0023

請求項7記載のインクジェットプリンタは、前記インク循環経路のインク循環を停止する直前において、前記温度検知手段により検知した前記循環インクの温度が規定温度以上の場合には、前記インク循環量変更手段30は前記循環インクの量を少なくし、規定温度以下になるまで前記インク循環経路のインク循環を一定時間継続することを特徴としている。

0024

このような構成によれば、インク循環量変更手段30によって循環インクの量が少なくなることで、循環インクの温度は下降し易くなる。そして、インク循環停止の前に循環インクの温度を下げておくことで、インク循環停止中のインクの変質を抑えることが可能となる。

発明の効果

0025

本発明によるインクジェットプリンタによれば、インク循環経路の循環インクが規定温度以上又は以下のときに、温度変更手段が規定温度になるように循環インクの温度変更(上昇又は下降)を開始する。これに応じて、インク循環量変更手段が循環インクの量を変更する(例えば少なくする)ことで温度変更手段による効率的な温度変更が可能となる。この結果、循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮することができ、消費電力を低減することができる。

0026

また、上流タンク及び下流タンクのうちの少なくとも一方の内部を二区画に分割してタンク内の循環インクの占有容積を可変し、タンク内を通過する循環インクの量を変更することで、例えば、循環インクの量を減少させた場合には温度変更にかかる時間が短縮するようになり、循環インクの量を増大させた場合には温度保持時間が延長するようになる。

0027

さらに、加熱手段によって循環インクを加熱するときに循環インクの量を少なくすることにより、規定温度以下(低温)の循環インクの温度を可及的速やかに規定温度にすることができる。この結果、上記効果と同様に、循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮することができる。

0028

また、冷却手段によって循環インクを冷却するときに循環インクの量を少なくすることにより、規定温度以上(高温)の循環インクの温度を可及的速やかに規定温度にすることができる。この結果、上記効果と同様に、循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮することができる。

0029

さらに、循環インクの温度が規定温度に達したときに循環インクの量を少なくすることにより、規定温度に達した後の循環インクの温度変化率を少なくすることができる。

0030

また、インク循環量変更手段によって循環インクの量が少なくなることで、循環インクの温度は下降し易くなる。そして、インク循環を停止する前に循環インクの温度を下げておくことで、インク循環停止中のインクの変質を抑えることができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明によるインクジェットプリンタの一実施の形態の流路構成を示す説明図、図2(a)〜(c)は同実施の形態が備えるインク循環量変更手段による循環インクの量の変更過程を示す説明図である。

0032

この実施の形態のインクジェットプリンタは、インクヘッドの特にノズル付近でインクが固まらないように印字中にインクを絶えず循環しているインク循環式のインクジェットプリンタである。
図1において、1は交換可能なインクカートリッジ、2はインクを吐出して印刷用紙などの記録媒体に画像を印字するインクヘッド、3は上流タンク、4は下流タンクであり、これらの間はインク流路5a〜5dによって流路接続されている。また、この流路構成では、インクカートリッジ1からのインクは、まず最初に下流タンク4に供給され、次に下流タンク4から上流タンク3に供給され、次に上流タンク3からインクヘッド2に供給され、インクヘッド2から下流タンク4に排出され、下流タンク4から再び上流タンク3に供給されるようになる。さらに、インクヘッド2、上流タンク3、下流タンク4の間でインクを循環するためのインク循環経路を形成している。

0033

図1に示すように、インクカートリッジ1の上部には大気開放チューブ6aが設けられている。大気開放チューブ6aはエアフィルタ7を介して大気に通じ、インクカートリッジ1内を大気開放している。また、インクカートリッジ1の下部にはインク流路5aが設けられている。インク流路5aは下流タンク4に通じており、インクカートリッジ1と下流タンク4の間を流路接続している。このインク流路5aの途中にはインク供給時に開放制御するためのインク供給弁電磁弁)8が設けられている。

0034

インクヘッド2は、本実施の形態では複数(4つ)設けられている。各インクヘッド2はインク分配器9によって並列に接続されている。さらに、インク分配器9にはインク流路5b,5cが設けられ、各インク流路5b,5cは上流タンク3と下流タンク4に通じ、インク分配器9と上流タンク3、インク分配器9と下流タンク4をそれぞれ流路接続している。上流タンク3から供給されたインクはインク分配器9で各インクヘッド2に分配供給され、また、各インクヘッド2内はインク循環構造となっており、各インクヘッド2から吐出されなかったインクはインク分配器9から下流タンク4へと排出される。

0035

上流タンク3の上部には大気開放チューブ6bが設けられている。大気開放チューブ6bはエアフィルタ7を介して大気に通じ、タンク3内を大気開放している。大気開放チューブ6bの途中には開閉制御するための電磁弁10が設けられている。さらに、上流タンク3にはタンク3内のインク液面の高さを検知するための液面センサ11が設けられている。また、上流タンク3内には、図示しない温度検知手段としてのサーミスタ(温度センサ)が設けられている。温度センサが検知した循環インクの温度(検知信号)は図示しない制御手段へと出力される。なお、温度センサはインクヘッドに設けられていてもよい。さらに、上流タンク3内には、後述するインク循環量変更手段が設けられている。

0036

なお、図1の流路構成では、上流タンク3は、インク循環時には大気開放チューブ6bの電磁弁10を開いて大気開放しており、上流タンク3内のインク液面とインクヘッド2の図示しないノズル面の高さの差(水頭差)によりインクヘッド2にインクを供給することができる。

0037

下流タンク4の上部には大気開放チューブ6cが設けられている。大気開放チューブ6cはエアフィルタ7を介して大気に通じ、タンク4内を大気開放している。大気開放チューブ6cの途中には開閉制御するための電磁弁12が設けられている。また、下流タンク4にはタンク4内のインク液面の高さを検知するための液面センサ13が設けられている。

0038

上流タンク3と下流タンク4の間はインク流路5dによって流路接続されており、このインク流路5dの途中にはポンプPが設けられている。なお、図1の流路構成では、下流タンク4は、インク循環時には大気開放チューブ6cの電磁弁12を閉じてタンク4内を密閉しており、ポンプPが負圧を発生することでインク循環を可能にしている。なお、図1の流路構成では、上流タンク3を大気開放し、下流タンク4を密閉してポンプPにより負圧を発生させることでインク循環経路にインクを循環しているが、インク循環はこれに限らず、例えば両方のタンク3,4を大気開放して各タンク3,4のインク液面とインクヘッド2のノズル面の水頭差によるインク循環なども可能であり、各電磁弁10,12を開閉して適宜選択することができる。

0039

また、インク流路5dの途中には、循環インクの温度を変更する温度変更手段20が設けられている。温度変更手段20は、加熱手段としてのヒータ20aと、冷却手段としての冷却ファン20bとを備え、循環インクの温度が規定温度(15〜40℃)以上又は以下のときに循環インクを加熱又は冷却して循環インクの温度を規定温度に保持するものである。

0040

さらに、上流タンク3及び/又は下流タンク4(本実施の形態では、大気開放された上流タンク3)内に設けられている前述したインク循環量変更手段30は、循環インクの量を変更するものである。図2に示すように、インク循環量変更手段30は、略矩形の仕切り板31と、この仕切り板31を回転させる軸部32とを備えている。仕切り板31には、例えばプラスチックなどのように熱伝導率が低く、熱容量が小さい材質のものが採用されている。また、仕切り板31を中空構造とすることで更に熱伝導率を低くすることができる。軸部32は図示しない駆動手段(モータなど)に接続されている。駆動手段は前記制御手段により温度センサからの検知信号に応じて駆動制御されている。なお、上流タンク3は大気開放しているため、タンク3内で仕切り板31が回転してもインク循環経路内の圧力が変化することはない。

0041

ここから、図2を参照して循環インクの温度に応じて循環インクの量を変更する過程を説明する。

0042

図2(a)に示すように、循環インクの量を通常量にしたい場合には、インク循環量変更手段30の仕切り板31は、上流タンク3の供給口からタンク3内に流れ込んでくる循環インクの流れ方向に沿って配置されている。このとき、上流タンク3内の循環インクは、仕切り板31の一端部とタンク3の内壁との間を通過してタンク3の排出口からインク流路5b(図1参照)に排出されるようになる。

0043

次に、図2(b)に示すように、循環インクの量を通常量よりやや少なく(通常量の約3/4に)したい場合には、インク循環量変更手段30の仕切り板31は、上流タンク3の供給口からタンク3内に流れ込んでくる循環インクに対して斜めになるように回転して配置されている。このとき、上流タンク3内には循環インクの大半が仕切り板31に遮られて図中右側の区画に流れ込み、タンク3の排出口からインク流路5bに排出されるようになる。また、残りの循環インクは、仕切り板31の一端部とタンク3の内壁の隙間から図中左側の区画に流れ込む。そして、この循環インクは左側区画でほとんど滞留し、僅かに仕切り板31の他端部とタンク3の内壁の隙間から流れ出して右側区画の循環インクと合流し、排出口からインク流路5bに排出されるようになる。

0044

次に、図2(c)に示すように、循環インクの量を通常量の約半分にしたい場合、インク循環量変更手段30の仕切り板31は、上流タンク3の供給口からタンク3内に流れ込んでくる循環インクを遮るように回転して配置されている。このとき、上流タンク3内には循環インクが図中右側の区画にだけ流れ込み、タンク3の排出口からインク流路5bに排出されるようになる。なお、上流タンク3の図中左側の区画にはインクが滞留しており、この左側区画のインクは循環インクに含まれなくなる。

0045

以上説明した過程によって、上流タンク3内でインク循環量変更手段30の仕切り板31を回転して循環インク量を変更することができる。なお、循環インクの量を通常量に復帰させるときには、上記過程を逆から行えばよい。また、図2では、循環インクを段階的に少なくする過程を説明したが、例えば、図2(a)から(c)又は(c)から(a)の状態へ直ちに移行するようにしてもよい。

0046

上述した実施の形態において、例えばウォームアップ時に低温のインクを規定温度になるように温度上昇させるときには、インク循環経路のインク循環を開始するとともに、ヒータ20aによって循環インクの加熱を開始する。これに応じて、インク循環量変更手段30によって循環インクの量を少なくする。そして、温度センサが循環インクの温度が規定温度に達したことを検知したらヒータ20aによる加熱を終了し、これに応じて、インク循環量変更手段30が循環インクの量を通常量に戻すことにより、規定温度に達した循環インクの温度下降を抑えることができる。

0047

また、長時間の連続印字などで高温になった循環インクを規定温度になるように温度下降させるときには、冷却ファン20bによって循環インクの冷却を開始し、これに応じて、インク循環量変更手段30によって循環インクの量を少なくする。そして、温度センサが循環インクの温度が規定温度に達したことを検知したら冷却ファン20bによる冷却を終了し、これに応じて、インク循環量変更手段30が循環インクの量を通常量に戻すことにより、規定温度に達した循環インクの温度上昇を抑えることができる。

0048

さらに、インク循環経路のインク循環を停止する直前において、温度センサが循環インクの温度が規定温度以上であることを検知した場合には、インク循環量変更手段30によって循環インクの量を少なくし、この状態のままインク循環を一定時間継続して循環インクの温度を下げる。これにより、インク循環停止中のインクの変質を抑えることができる。

0049

上述した実施の形態によれば、インク循環経路の循環インクが規定温度(15〜40℃)以上又は以下のときに、温度変更手段20(ヒータ20a又は冷却ファン20b)が規定温度になるように循環インクの温度変更(上昇又は下降)を開始する。これに応じて、インク循環量変更手段30が循環インクの量を少なくすることで温度変更手段20による効率的な温度変更が可能となる。この結果、循環インクの温度を規定温度にするために要する時間を短縮することができ、消費電力を低減することができる。

0050

また、ヒータ20aによって循環インクを加熱するときに循環インクの量を少なくすることにより、規定温度(15℃)以下の循環インクの温度を可及的速やかに規定温度にすることができる。この結果、循環インクの温度上昇するために要する時間を短縮することができる。

0051

さらに、冷却ファン20bによって循環インクを冷却するときに循環インクの量を少なくすることにより、規定温度(40℃)以上の循環インクの温度を可及的速やかに規定温度にすることができる。この結果、循環インクの温度下降するために要する時間を短縮することができる。

0052

また、循環インクの温度が規定温度(15〜40℃)に達したときに循環インクの量を少なくすることにより、規定温度に達した後の循環インクの温度変化率を少なくすることができる。

0053

なお、上述した実施の形態では、上流タンク3に温度センサ及びインク循環量変更手段30が設けられた構成としているが、これらが下流タンク4にも設けられた構成としてもよい。これにより、下流タンク4内を大気開放した流路構成であっても循環インクの量を変更可能となる。また、上流タンク3及び下流タンク4にインク循環量変更手段30が設けられることで、少なくできる循環インクの量は上述した実施の形態の2倍となり、上述した実施の形態よりも更に効率的な温度変更が可能となり、循環インクの温度を規定温度にするための時間をより短縮することができる。

図面の簡単な説明

0054

本発明によるインクジェットプリンタの一実施の形態の流路構成を示す説明図である。
(a)〜(c)同実施の形態が備えるインク循環量変更手段による循環インクの量の変更過程を示す説明図である。

符号の説明

0055

2…インクヘッド
3…上流タンク
4…下流タンク
20…温度変更手段
20a…加熱手段(ヒータ)
20b…冷却手段(冷却ファン)
30…インク循環量変更手段
31…仕切り板
32…軸部

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    【課題】複数の画像形成装置で共通の記録媒体にそれぞれ画像を形成し、複数の画像の間の位置合わせを容易に行うことができる画像形成方法を提供する。【解決手段】共通の記録媒体に、第1の画像形成装置による第1画... 詳細

  • 理想科学工業株式会社の「 画像形成装置」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】用紙の先端汚れを防止する。【解決手段】搬送経路に沿ってプラテンプレート27上を摺動する搬送ベルト21にエア吸引により用紙を吸着して搬送する吸引搬送部3と、吸引搬送部3を制御する制御部5とを備え... 詳細

  • 大日本塗料株式会社の「 水系白色インク、インクセット及び印刷方法」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】印刷スジ現象及び液寄り現象の発生を抑制することが可能な水系白色インクを提供する。【解決手段】少なくとも水、顔料、水溶性有機溶剤および樹脂を含有するインクジェット印刷用水系白色インクであって、前... 詳細

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