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技術 ホウ素添加シリコンの製造方法

出願人 住友化学株式会社
発明者 恵智裕田渕宏
出願日 2008年2月15日 (13年9ヶ月経過) 出願番号 2008-034303
公開日 2009年8月27日 (12年2ヶ月経過) 公開番号 2009-190945
状態 特許登録済
技術分野 珪素及び珪素化合物 光起電力装置 光起電力装置
主要キーワード 水冷プレート アルミニウム融液 三層電解法 グロー放電質量分析法 酸洗温度 精製シリコン 偏析凝固 固体シリコン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年8月27日)のものです。
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図面 (4)

課題

ハロゲン化ケイ素金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、この還元シリコンから、経済的に、ホウ素添加シリコンを製造しうる方法を提供する。

解決手段

ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、得られた還元シリコンを加熱溶融し、ホウ素を添加した後、鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させることにより精製することを特徴とする。好ましくは、還元シリコンを酸洗したのちに、加熱溶融し、ホウ素を添加する。還元シリコンを減圧下に加熱溶融させたのちに、ホウ素を添加する。還元シリコンを加熱溶融した後に一方向に凝固させて精製し、その後に加熱溶融し、ホウ素を添加する。

概要

背景

シリコンホウ素が添加されたホウ素添加シリコンは、太陽電池原材料として有用である。かかるホウ素添加シリコンは、加熱溶融状態のシリコンにホウ素を添加することにより製造することができる。

一方、シリコンの製造方法として、ハロゲン化ケイ素金属アルミニウムにより還元する方法が知られている〔特許文献1:特開平2−64006号公報〕。かかる方法により得られる還元シリコンは、不純物として多くのアルミニウムが含まれていることから、通常は、得られた還元シリコンを加熱溶融し、鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させたのち、アルミニウムを比較的多く含む領域を除去する、いわゆる方向凝固法により精製してから用いられている。

しかし、方向凝固法により精製された後のシリコンにホウ素を添加するには、精製後のシリコンを再び加熱溶融する必要があり、不経済である。

特開平2−64006号公報

概要

ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、この還元シリコンから、経済的に、ホウ素添加シリコンを製造しうる方法を提供する。ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、得られた還元シリコンを加熱溶融し、ホウ素を添加した後、鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させることにより精製することを特徴とする。好ましくは、還元シリコンを酸洗したのちに、加熱溶融し、ホウ素を添加する。還元シリコンを減圧下に加熱溶融させたのちに、ホウ素を添加する。還元シリコンを加熱溶融した後に一方向に凝固させて精製し、その後に加熱溶融し、ホウ素を添加する。

目的

本発明は、ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、
得られた還元シリコンを加熱溶融し、ホウ素を添加した後、
鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させることにより精製することを特徴とするホウ素添加シリコンの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ハロゲン化ケイ素金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、得られた還元シリコンを加熱溶融し、ホウ素を添加した後、鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させることにより精製することを特徴とするホウ素添加シリコンの製造方法。

請求項2

前記還元シリコンを酸洗したのちに、加熱溶融し、ホウ素を添加する請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記還元シリコンを減圧下に加熱溶融させたのちに、ホウ素を添加する請求項1または請求項2に記載の製造方法。

請求項4

前記還元シリコンを加熱溶融した後に一方向に凝固させて精製し、その後に加熱溶融し、ホウ素を添加する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ホウ素添加シリコンの製造方法に関し、詳しくはハロゲン化ケイ素金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、この還元シリコンにホウ素を添加して、ホウ素添加シリコンを製造する方法に関する。

背景技術

0002

シリコンにホウ素が添加されたホウ素添加シリコンは、太陽電池原材料として有用である。かかるホウ素添加シリコンは、加熱溶融状態のシリコンにホウ素を添加することにより製造することができる。

0003

一方、シリコンの製造方法として、ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元する方法が知られている〔特許文献1:特開平2−64006号公報〕。かかる方法により得られる還元シリコンは、不純物として多くのアルミニウムが含まれていることから、通常は、得られた還元シリコンを加熱溶融し、鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させたのち、アルミニウムを比較的多く含む領域を除去する、いわゆる方向凝固法により精製してから用いられている。

0004

しかし、方向凝固法により精製された後のシリコンにホウ素を添加するには、精製後のシリコンを再び加熱溶融する必要があり、不経済である。

0005

特開平2−64006号公報

発明が解決しようとする課題

0006

そこで本発明者は、ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、この還元シリコンから、経済的に、ホウ素添加シリコンを製造しうる方法を開発するべく鋭意検討した結果、加熱溶融したシリコンにホウ素を添加したのち一方向に凝固させても、添加されたホウ素が凝固後のシリコン中に均一に分布していること、このため、還元シリコンを加熱溶融したのちにホウ素を添加し、一方向に凝固させて精製することにより、ホウ素添加シリコンを製造できることを見出し、本発明に至った。

課題を解決するための手段

0007

すなわち本発明は、ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得、
得られた還元シリコンを加熱溶融し、ホウ素を添加した後、
鋳型内で温度勾配を一方向に設けた状態で凝固させることにより精製することを特徴とするホウ素添加シリコンの製造方法を提供するものである。

発明の効果

0008

本発明の製造方法によれば、還元シリコンを加熱溶融し、ホウ素を添加してから一方向に凝固させて精製するので、還元シリコンをそのまま一方向に凝固させて精製したのちのシリコンを再度加熱溶融してホウ素を添加する方法と比べて、再度、加熱溶融させる必要がなく、経済的にホウ素添加シリコンを製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明の製造方法では、先ずハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元して還元シリコンを得る。

0010

ハロゲン化ケイ素としては、例えば式(I)
SiHnX4-n ・・・(I)
〔式中、nは0〜3の整数を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕
で示される化合物が挙げられる。

0011

式(I)においてXで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子が挙げられ、かかるハロゲン化ケイ素化合物(I)としては、例えば四フッ化ケイ素、三フッ化ケイ素、二フッ化ケイ素、一フッ化ケイ素、四塩化ケイ素三塩化ケイ素、二塩化ケイ素、一塩化ケイ素、四臭化ケイ素、三臭化ケイ素、二臭化ケイ素、一臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、三ヨウ化ケイ素、二ヨウ化ケイ素、一ヨウ化ケイ素などが挙げられる。

0012

ハロゲン化ケイ素(I)は、純度99.99質量%以上、さらには99.9999質量%以上、特には99.99999質量%以上であることが、純度の高いホウ素添加シリコンが得られる点で、好ましい。得られた固体シリコンを太陽電池の原料として使用する場合などには、リン含有量の少ないハロゲン化ケイ素(I)、具体的にはリンの含有量が0.5ppm以下、さらには0.3ppm以下、特には0.1ppm以下のものが好ましく用いられる。

0013

金属アルミニウムとしては、普通アルミニウムとして市販されている電解還元アルミニウムや、電解還元アルミニウムを偏析凝固法、三層電解法などの方法によって精製して得られる高純度アルミニウムなどが用いられ、不純物による汚染の少ない固体シリコンが得られる点で、純度99.9質量%以上、さらには99.95質量%以上の高純度アルミニウムが好ましく用いられる。ここで、金属アルミニウムの純度は、金属アルミニウム100質量%から、鉄、銅、ガリウムチタンニッケルナトリウムマグネシウムおよび亜鉛の合計含有量を差引いて求められる純度であり、これらの元素の合計含有量は、グロー放電質量分析法により測定される。金属アルミニウムとして、比較的低い含有量でシリコンを含む金属アルミニウムも用いることができる。

0014

ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元するには、例えばハロゲン化ケイ素を加熱溶融状態の金属アルミニウム中に吹き込めばよい。

0015

図1に示すように、ハロゲン化ケイ素(1)は通常、ガス状であるので、吹込パイプ(2)を通じ、気体状態で金属アルミニウム(3)中に吹き込まれる。吹込パイプ(2)として通常は、加熱溶融状態の金属アルミニウム(3)に対して不活性で、耐熱性のものが使用され、具体的には黒鉛などの炭素炭化ケイ素炭化窒素アルミナ酸化アルミニウム)、石英などのシリカ酸化ケイ素)などで構成されたものが使用される。

0016

加熱溶融状態の金属アルミニウム(3)を保持する容器(4)として通常は、加熱溶融状態の金属アルミニウム、ハロゲン化ケイ素(1)およびシリコンに対して不活性で、耐熱性のものが使用され、具体的には黒鉛などの炭素、炭化ケイ素、炭化窒素、アルミナ(酸化アルミニウム)、石英などのシリカ(酸化ケイ素)などで構成されたものが使用される。

0017

ハロゲン化ケイ素(1)を加熱溶融状態の金属アルミニウム(3)中に吹き込むことにより、ハロゲン化ケイ素(1)が金属アルミニウム(3)によってシリコンに還元されるとともに、生成したシリコンが金属アルミニウムに溶解して、シリコンを含むアルミニウム融液(3)を得ることができる。

0018

アルミニウム融液(2)におけるシリコン含有量は、ハロゲン化ケイ素(1)の吹込み量により調整することができる。

0019

ハロゲン化ケイ素を吹き込んだ後のアルミニウム融液(2)を冷却することにより、これに溶解したシリコンが、還元シリコン(5)として晶出する。晶出した還元シリコン(5)を冷却後の固形物から切り出すことにより、目的の還元シリコン(5)を得ることができる。

0020

このようにして得られる還元シリコン(5)の純度は、通常99.9質量%以上、好ましくは99.99質量%以上であり、アルミニウム含有量は、シリコンに対する原子数比で1100ppma(原子数基準の百万分率)以下、さらには12ppma以下、特には10ppma以下であることが、好ましい。ホウ素の含有量は、シリコンに対する原子数比で0.3ppma以下が好ましく、さらには0.03ppma以下が好ましい。炭素の含有量は、17ppma以下、さらには2ppma以下が好ましい。このような純度の還元シリコン(5)は、例えば小さな冷却速度でアルミニウム融液(2)を冷却することにより、得ることができる。

0021

次いで、得られた還元シリコン(5)を加熱溶融するが、還元シリコン(5)の表面には、比較的多くの金属アルミニウム分が付着していることがある。また、用いたハロゲン化ケイ素や金属アルミニウムの純度などによっては、得られた還元シリコン(5)に比較的多くの不純物が含まれることもある。このような場合には、還元シリコンを酸洗してから、加熱溶融することが、アルミニウムなどの不純物を除去することができる点で、好ましい。

0022

還元シリコンの酸洗は、例えば還元シリコンを酸に浸漬することにより行うことができる。酸洗に用いる酸としては、例えば濃硝酸濃塩酸王水などが挙げられる。酸洗温度は通常20℃〜90℃である。酸洗時間は通常5時間〜24時間、好ましくは12時間以下である。

0023

還元シリコンの加熱溶融は大気圧下で行ってもよいが、減圧下に加熱溶融することが、揮発性不純物元素揮発させて除去しうる点で、好ましい。減圧下に加熱溶融する際の圧力(絶対圧)は、通常400Pa以下であり、好ましくは0.5Pa以下である。

0024

還元シリコンを加熱溶融する際の加熱温度は、還元シリコンの溶融温度以上であり、通常は1410℃〜1600℃である。

0025

また、還元シリコン(5)を方向凝固法により精製してから、加熱溶融してもよい。

0026

加熱溶融された還元シリコン(5)に添加されるホウ素の添加量は、還元シリコンに含まれるホウ素の含有量や、目的とするホウ素添加シリコンのホウ素含有量に応じて適宜選択されるが、例えば太陽電池の原材料として用いる場合はシリコン元素に対する原子数比で示される百万分率(ppma)で、通常0.03ppma〜2ppma、好ましくは0.1ppma〜0.6ppmaである。

0027

図2に示すように、本発明の製造方法では、ホウ素を添加した後の加熱溶融状態にある還元シリコン(5)を、いわゆる方向凝固法により、鋳型(6)内で、温度勾配(T)を一方向に設けた状態で凝固させる。

0028

冷却は、還元シリコン融液(5)に温度勾配(T)を一方向に設けた状態で行われる。温度勾配(T)は一方向に設けられていればよく、水平方向に設けられていて低温側(51)と高温側(52)とが同じ高さとなっていてもよいし、重力方向に設けられていて低温側(51)が上になり高温側(52)が下になるように設けられてもよいが、通常は、図2に示すように、低温側(51)が下になり、高温側(52)が上になるように温度勾配(T)が重力方向に設けられる。温度勾配(T)は、過大な設備を要せず、実用的である点で、通常は0.2℃/mm〜2.5℃/mm、好ましくは0.5℃/mm〜1.5℃/mmである。

0029

温度勾配(T)は、例えばヒーター(7)を備え、下側が大気開放された炉(8)内で、ヒーター(7)により鋳型(6)の上方を加熱しつつ、炉(8)の下で鋳型の下方を冷却する方法により、設けることができる。鋳型(8)の下方を冷却するには、空冷する方法でもよいが、温度勾配(T)によっては、例えば炉(8)の下側に水冷プレート(9)を設け、この水冷プレート(9)により除熱して冷却してもよい。

0030

還元シリコン(5)は通常、例えば、これを収容した鋳型(6)を下方向に移動させ、下から炉(8)の外に導くことにより、冷却することができる。このようにして還元シリコン(5)を冷却することにより、還元シリコン(5)は低温側(51)から固相(54)を形成しながら凝固し、シリコン方向凝固物となる。

0031

冷却により低温側(51)から形成される固相(54)と、高温側(52)で未だ凝固していない液相(55)との界面(56)の移動速度として表わされる凝固速度(R)は通常、0.05mm/分〜2mm/分、好ましくは0.5mm/分〜1.2mm/分である。凝固速度(R)は、例えば鋳型(6)を炉(8)の外に移動させる際の鋳型(6)の移動速度によって調整することができる。

0032

このようにして還元シリコン(5)は低温側(51)から徐々に凝固するが、凝固の過程での凝固率(Y)は、用いた還元シリコン(5)のうち、固相(54)となったものの割合(%)で示される。

0033

このようにして還元シリコン(5)を冷却することにより凝固させる過程で、還元シリコン(5)に含まれるアルミニウムなどの不純物は、高温側(52)に偏析して移動する。このため、凝固後のシリコン方向凝固物(10)は、温度勾配(T)の低温側(51)から高温側(52)に向けて一方向に不純物含有量(C)が増加したものとなる。

0034

その一方で、ホウ素は高温側(52)に偏析することがほとんどなく、還元シリコン(5)の固相(55)および液相(54)にほぼ一定濃度で分布する。

0035

図3に示すように、得られた凝固物(10)のうち、冷却過程で温度勾配(T)の低温側(51)であった領域が不純物含有量の少ない精製シリコン領域(10A)となり、高温側(52)であった領域は、偏析した不純物を多く含む粗シリコン領域(10B)となっている。このようなシリコン方向凝固物(10)のうち、粗シリコン領域(10B)を切除することにより、精製シリコン領域(10A)として、目的のホウ素添加シリコン(11)を得ることができる。粗シリコン領域(10B)を切断する方法は特に限定されるものではなく、例えばダイヤモンドカッターなどを用いる通常の方法により切断して、粗シリコン(12)として、粗シリコン領域(10B)を切除すればよい。

0036

得られたホウ素添加シリコン(11)は、例えば太陽電池の原材料として有用である。

0037

以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。

0038

実施例1
図1に示すように、四塩化ケイ素ガス(1)を、吹込みパイプ(2)から、1020℃で加熱溶融状態にある金属アルミニウム(3)中に吹き込むことにより還元したのち、金属アルミニウム(3)を冷却し、晶出したシリコンを切り出して還元シリコン(5)を得た。この還元シリコン(5)のアルミニウム含有量を誘導結合プラズマ質量分析法(ICP質量分析法)により定量したところ、シリコン元素に対する原子数比で1100ppmaであった。

0039

この還元シリコンを80℃で8時間、濃塩酸〔36%塩酸〕に浸漬して酸洗を行った。酸洗後の還元シリコン中のアルミニウム、リンおよびホウ素の含有量をICP質量分析法により定量したところ、ケイ素元素に対する原子数比でアルミニウム含有量は10.3ppma、リン含有量は0.1ppma、ホウ素含有量は0.03ppma(検出下限)未満であった。

0040

図2に示す炉(8)の鋳型(6)に、酸洗後の還元シリコン(5)を投入し、1510℃に加熱して溶融させ、この状態で、1Pa(絶対圧)の減圧下に12時間保持した。その後、還元シリコン(5)の加熱溶融状態を保ったまま、炉(8)内にアルゴンガスを導入して大気圧とし、ケイ素元素に対する原子数比で0.3ppmaとなるようにホウ素を添加した。次いで、温度勾配(T)1℃/mm、凝固速度(R)0.4mm/分の条件で鋳型(6)を移動させる方向凝固法により、還元シリコン(5)を一方向に凝固させて、シリコン方向凝固物(10)を得た。得られたシリコン方向凝固物(10)のうち、凝固の過程における凝固率(Y)が20%、50%および70%であったときの液相(54)と固相(55)との界面(56)に相当する部分を切り出し、それぞれの部分のアルミニウム、リンおよびホウ素の含有量をICP質量分析法により定量したところ、以下のとおりであった。

0041

─────────────────────────
凝固率アルミニウムリンホウ素
(%) (ppma) (ppma) (ppma)
─────────────────────────
20 0.05 0.03 0.22
50 0.07 0.05 0.23
70 0.14 0.06 0.25
─────────────────────────

0042

凝固過程における凝固率(Y)が70%であったときの界面(56)に相当する部分で、得られたシリコン方向凝固物(10)を切断して粗シリコン領域(10B)を切除することで、精製シリコン領域(10A)として、目的のホウ素添加シリコン(11)を得ることができる。

0043

実施例2
図2に示す炉(8)の鋳型(6)に実施例1と同様にして得た還元シリコン(5)を投入し、1540℃に加熱して溶融させ、温度勾配(T)1℃/mm、凝固速度(R)0.2mm/分の条件で鋳型(6)を移動させる方向凝固法により、還元シリコン(5)を一方向に凝固させて、シリコン方向凝固物(10)を得、得られた方向凝固物(10)のうち、凝固の過程における凝固率(Y)が70%であったときの界面(56)に相当する部分で粗シリコン領域(10B)を切除して、還元シリコン(5)を精製した。精製シリコン領域(10A)として得られた精製後の還元シリコン(5)中のアルミニウム、ホウ素およびリンの含有量をICP質量分析法により定量したところ、アルミニウム含有量は6.2ppma、リン含有量は0.08ppma、ホウ素含有量は0.03ppma(検出下限)未満であった。

0044

図2に示す炉(8)の鋳型(6)に、上記で精製した後の還元シリコン(5)を投入し、1540℃に加熱して溶融させ、ケイ素元素に対する原子数比で0.3ppmaとなるようにホウ素を添加した。次いで温度勾配(T)1℃/mm、凝固速度(R)0.2mm/分の条件で鋳型(6)を移動させる方向凝固法により、還元シリコン(5)を一方向に凝固させて、シリコン方向凝固物(10)を得た。得られたシリコン方向凝固物(10)のうち、凝固の過程における凝固率(Y)が20%、50%および70%であったときの界面(56)に相当する部分を切り出し、それぞれの部分のアルミニウム、リンおよびホウ素の含有量をICP質量分析法により定量したところ、以下のとおりであった。

0045

─────────────────────────
凝固率アルミニウムリンホウ素
(%) (ppma) (ppma) (ppma)
─────────────────────────
20 0.05 0.03 0.22
50 0.08 0.04 0.23
70 0.16 0.06 0.25
─────────────────────────

0046

凝固過程における凝固率(Y)が70%であったときの界面(56)に相当する部分で、得られたシリコン方向凝固物(10)を切断して粗シリコン領域(10B)を切除することで、精製シリコン領域(10A)として、目的のホウ素添加シリコン(11)を得ることができる。

図面の簡単な説明

0047

ハロゲン化ケイ素を金属アルミニウムにより還元する工程を示す概略図である。
還元シリコンを方向凝固法により凝固させる工程を示す概略図である。
方向凝固法により得られたシリコン方向凝固物からホウ素添加シリコンを得る工程を示す模式図である。

符号の説明

0048

1:ハロゲン化ケイ素
2:吹込パイプ
3:金属アルミニウム(アルミニウム融液)
4:容器
5:還元シリコン51:低温側 51:高温側
6:鋳型
7:ヒーター
8:炉
9:水冷プレート
10:シリコン方向凝固物10A:精製シリコン領域 10B:粗シリコン領域
11:ホウ素添加シリコン
12:粗シリコン
T:温度勾配

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