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技術 ファイバー状構造体およびその製造方法

出願人 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー国立研究開発法人科学技術振興機構
発明者 益田秀樹柳下崇藤村涼子
出願日 2008年2月1日 (12年9ヶ月経過) 出願番号 2008-022666
公開日 2009年8月13日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-179922
状態 特許登録済
技術分野 鉄化合物(I) 紡糸方法及び装置 不織物
主要キーワード 孔断面形状 地金部分 微小直径 ファイバー構造体 押し出し操作 ポーラスアルミナ膜 テクスチャリング処理 酸化鉄分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年8月13日)のものです。
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図面 (8)

課題

多孔体の細孔を介して微細でサイズの揃ったファイバー状構造体を煩雑な工程を経ることなく高スループットで作製可能な方法を提供する。

解決手段

固化可能な液体を多孔体の細孔を介して、それとはまじりあわないもう一方の溶液中に押し出し、これを固化することで、多孔体の細孔サイズに対応した微細な直径を有するファイバー状構造体を連続的に形成することを特徴とするファイバー状構造体の製造方法、およびその方法により製造されたファイバー状構造体。

概要

背景

直径がサブミクロンからナノメータースケールファイバー状構造体は、電子材料キャパシタリチウム電池用セパレーター、各種ナノフィルターなど様々な分野への応用が可能であることから、高スループットな作製手法の確立が求められている。これまでにも、ノズル基板間に電界印加し、高分子無機材料溶液噴出させることで微細ファイバーの作製が可能であるエレクトロスピニング法など、いくつかのナノファイバーの作製手法が提案されてきている(例えば、特許文献1)。

しかしながら、これらの手法では、使用材料や作製しようとするファイバーにより、印加電圧や最適なノズル径が非常に異なるなど、条件を最適化しないとファイバー状の構造体の作製を安定して行うことができず、形成されるファイバーの直径も作製条件に大きく依存することが知られている。そのため、これらの手法を用いて、ファイバー状構造体の作製を行うためには膨大な実験データの蓄積を行うことが必要となる。また、ノズル数を増やすなど、生産性の向上を目指した検討もなされているが、現状ではその高スループット化は十分ではない。また、エレクトロスピニング法では、直径が100nm以下であるナノファイバーの作製を行うことは容易ではなく、たとえ可能な場合においても、直径のばらつきを例えば20%以下に抑えることは難しい。さらには、作製原理の特性上、得られるファイバーの断面形状を制御することは困難である。

通常、合成繊維を作製する場合には、口金と呼ばれる複数のノズルから高分子溶液押し出すことで、ファイバー状の構造が形成される紡糸技術が用いられている。このような手法によれば、高スループットでファイバー状構造体の形成が可能であり、口金の形状を制御することで、形成されるファイバーの直径や、断面形状を比較的容易に制御することができるという特徴を有する。しかしながら、既存の口金作製技術では、微細なノズルを作製することは難しいため、直径がサブミクロンからナノメーターサイズのファイバー状構造体を得ることは難しい。
特開2007−303031号公報

概要

多孔体の細孔を介して微細でサイズの揃ったファイバー状構造体を煩雑な工程を経ることなく高スループットで作製可能な方法を提供する。固化可能な液体を多孔体の細孔を介して、それとはまじりあわないもう一方の溶液中に押し出し、これを固化することで、多孔体の細孔サイズに対応した微細な直径を有するファイバー状構造体を連続的に形成することを特徴とするファイバー状構造体の製造方法、およびその方法により製造されたファイバー状構造体。

目的

本発明の課題は、このような現状に鑑み、サブミクロンから数十ナノメーターサイズの平均直径を有する太さの揃ったファイバー状構造体を、煩雑な工程を経ることなく高スループットで製造する方法、およびその方法により製造されるファイバー状構造体を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

多孔体の細孔から固化可能な溶液を連続的に押し出すことにより、平均直径10nmから1μmのファイバー状構造体を形成することを特徴とする、ファイバー状構造体の製造方法。

請求項2

多孔体の細孔から固化可能な溶液を連続的に押し出すことにより、平均直径10nmから500nmのファイバー状構造体を形成することを特徴とする、請求項1に記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項3

多孔体の細孔から固化可能な溶液を連続的に押し出すことにより、平均直径10nmから300nmのファイバー状構造体を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項4

多孔体の細孔から固化可能な溶液を連続的に押し出すことにより、平均直径10nmから100nmのファイバー状構造体を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項5

直径の相対標準偏差が30%以下のファイバー状構造体を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項6

直径の相対標準偏差が20%以下のファイバー状構造体を形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項7

直径の相対標準偏差が10%以下のファイバー状構造体を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項8

孔断面形状が制御された多孔体を用いることにより、形成されるファイバー状構造体の断面幾何学形状を制御することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項9

多孔体として陽極酸化ポーラスアルミナを用いることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項10

固化可能な溶液を、多孔体を介して硬化液中に押し出すことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項11

固化可能な溶液として光硬化性モノマーを用い、該モノマーを多孔体を介して該モノマーがまじりあわない溶液中に押し出しながら光照射を行い、ファイバー状構造体を重合固化しながら形成することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項12

多孔体を介して押し出すモノマーの粘度が5から20mPa・sであることを特徴とする、請求項11に記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項13

多孔体を介して押し出すモノマーと、モノマーが押し出される溶液の界面エネルギーが0.2から1.2 mN/mであることを特徴とする、請求項11または12に記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項14

固化可能な溶液としてナノ粒子が分散した溶液を用い、該溶液を多孔体を介して押し出すことを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のファイバー状構造体の製造方法。

請求項15

請求項1〜14のいずれかに記載の方法により製造されたファイバー状構造体。

技術分野

0001

本発明は、断面サイズの小さく均一なファイバー状構造体を煩雑な工程を経ることなく高スループットで連続的に効率よく製造する方法、およびその方法により製造されるファイバー状構造体に関する。

背景技術

0002

直径がサブミクロンからナノメータースケールファイバー状構造体は、電子材料キャパシタリチウム電池用セパレーター、各種ナノフィルターなど様々な分野への応用が可能であることから、高スループットな作製手法の確立が求められている。これまでにも、ノズル基板間に電界印加し、高分子無機材料溶液噴出させることで微細ファイバーの作製が可能であるエレクトロスピニング法など、いくつかのナノファイバーの作製手法が提案されてきている(例えば、特許文献1)。

0003

しかしながら、これらの手法では、使用材料や作製しようとするファイバーにより、印加電圧や最適なノズル径が非常に異なるなど、条件を最適化しないとファイバー状の構造体の作製を安定して行うことができず、形成されるファイバーの直径も作製条件に大きく依存することが知られている。そのため、これらの手法を用いて、ファイバー状構造体の作製を行うためには膨大な実験データの蓄積を行うことが必要となる。また、ノズル数を増やすなど、生産性の向上を目指した検討もなされているが、現状ではその高スループット化は十分ではない。また、エレクトロスピニング法では、直径が100nm以下であるナノファイバーの作製を行うことは容易ではなく、たとえ可能な場合においても、直径のばらつきを例えば20%以下に抑えることは難しい。さらには、作製原理の特性上、得られるファイバーの断面形状を制御することは困難である。

0004

通常、合成繊維を作製する場合には、口金と呼ばれる複数のノズルから高分子溶液押し出すことで、ファイバー状の構造が形成される紡糸技術が用いられている。このような手法によれば、高スループットでファイバー状構造体の形成が可能であり、口金の形状を制御することで、形成されるファイバーの直径や、断面形状を比較的容易に制御することができるという特徴を有する。しかしながら、既存の口金作製技術では、微細なノズルを作製することは難しいため、直径がサブミクロンからナノメーターサイズのファイバー状構造体を得ることは難しい。
特開2007−303031号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このように、従来のファイバー状構造体の作製法では、直径がサブミクロン以下、特に100nm以下で、サイズのばらつきが小さいファイバー状構造体を得ることが難しいという問題点があった。また、断面形状を制御した微細なファイバー形成が難しいなど、その形状制御性は不十分であった。

0006

本発明の課題は、このような現状に鑑み、サブミクロンから数十ナノメーターサイズの平均直径を有する太さの揃ったファイバー状構造体を、煩雑な工程を経ることなく高スループットで製造する方法、およびその方法により製造されるファイバー状構造体を提供することにある。

0007

加えて、断面幾何学形状が制御されたナノファイバー構造体ナノ粒子を含むコンポジットファイバー構造体の作製を可能にするための製造方法、およびその方法により製造されるファイバー状構造体を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明は、均一な細孔径を有する多孔体の細孔を介して微細で均一なサイズのファイバー状の構造体を形成する手法について鋭意検討を行った結果完成されたものである。

0009

本発明に係るファイバー構造体の製造方法は、多孔体の細孔から固化可能な溶液を連続的に押し出すことにより、平均直径10nmから1μmのファイバー状構造体を形成することを特徴とする方法からなる。

0010

つまり、機械加工等では形成し得ない微細なサイズの細孔を有する多孔体を用い、その多孔体の細孔から、固化可能な溶液を連続的に押し出して、サブミクロンから数十ナノメーターサイズの平均直径を有する太さの揃ったファイバー状構造体を高スループットで製造する方法である。

0011

多孔体の細孔から固化可能な溶液を連続的に押し出すことにより形成されるファイバー状構造体の平均直径は、好ましくは、10nmから500nmであり、より好ましくは、10nmから300nmであり、さらに好ましくは、10nmから100nmである。本発明では、このような微小直径のファイバー状構造体を、煩雑な工程を経ることなくまた複雑な条件制御を行うことなく、単に押し出し操作のみで、容易に高スループットで製造できる。

0012

また、本発明においては、上記のような微小平均直径のファイバー状構造体を、直径のばらつきの小さい状態で形成することが可能である。とくに細孔のサイズが均一に制御された多孔体を用いを用いることにより、ファイバー状構造体の直径のばらつきを小さく抑えることが可能になる。すなわち、好ましくは、直径の相対標準偏差が30%以下のファイバー状構造体を形成することができる。この直径の相対標準偏差は、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。

0013

また、細孔断面形状が制御された多孔体を用いれば、形成されるファイバー状構造体の断面幾何学形状を制御することも可能である。

0014

本発明においては、上記のような多孔体として、特に陽極酸化ポーラスアルミナを用いることが好ましい。陽極酸化ポーラスアルミナは、陽極酸化条件等により容易に精度よく細孔のサイズが制御可能であり、例えば、細孔径が10nmから500nmの範囲で制御可能なポーラスアルミナの細孔を、ファイバー状構造体形成のための口金として利用することから得られるファイバーの平均直径は、10nmから600nmの範囲で制御することが可能である。また、ポーラスアルミナは、適切な条件下で作製を行えば、細孔径のばらつきを、例えば30%、さらには15%以下に抑えることが可能であることから、得られるファイバー状構造体の直径のばらつきもそれ以下に抑えることが可能であり、前述のような直径の相対標準偏差の達成が可能になる。また、本手法は、既存の合成繊維を作製する手法のように、口金細孔部分から連続的にファイバーの形成を行うことが可能であるため、従来より検討がなされてきた、ポーラスアルミナを鋳型とし、その細孔内に物質充填を行う手法で得られる鋳型の膜厚に対応した長さのファイバー状構造体を作製する手法とは異なり、用いるポーラスアルミナ膜の厚さよりも長いファイバー状構造体を連続的に得ることができる。さらには、作製条件を制御することによってポーラスアルミナの細孔断面形状は三角形四角形のように制御することが可能であるため、細孔断面形状を制御したポーラスアルミナの細孔を口金として利用することで、断面幾何学形状を制御したファイバー状構造体を得ることもできる。

0015

ファイバー状構造体の形成には、たとえば、硬化液と反応し固化するような溶液をポーラスアルミナ膜を介して硬化液中に押し出す手法を用いることができる。また、固化可能な溶液として光硬化性モノマーを用い、該モノマーを多孔体を介して該モノマーがまじりあわない溶液中に押し出しながら光照射を行い、ファイバー状構造体を重合固化しながら形成することもできる(例えば、光硬化性モノマー溶液をポーラスアルミナを介して水相中に押しだす際に、膜面に光照射を行い重合させながらモノマーを押し出す手法)。

0016

このとき押し出すモノマー溶液の粘度は、5から20mPa・sの範囲であることが望ましい。さらに、モノマー溶液とモノマーが押し出される溶液(例えば、水相)との界面エネルギーは0.2から1.2 mN/mの範囲であることが望ましい。このような条件により、円滑に安定して所望の押し出しを行うことができる。

0017

また、本発明方法では、固化可能な溶液としてナノ粒子が分散した溶液を用い、該溶液を多孔体を介して押し出すことこともできる。多孔体の細孔から押し出される溶液中にナノ粒子が分散されているので、得られるファイバー状構造体はナノ粒子を含むコンポジットファイバー状構造体となり、容易にサイズの揃ったコンポジットファイバー構造体を得ることが可能になる。

0018

本発明に係るファイバー構造体は、上記のような方法により製造されたものからなり、所望の微小サイズでかつサイズの揃ったファイバー構造体が高スループットで得られることになる。

発明の効果

0019

このように本発明によれば、微小直径でサイズの揃ったファイバー状構造体を、煩雑な工程を経ることなくまた複雑な条件制御を行うことなく、単に押し出し操作のみで、容易に高スループットで製造できる。また、微小直径でありながら、断面幾何学形状が制御されたナノファイバー構造体やナノ粒子を含むコンポジットファイバー構造体の作製も可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面も参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係るファイバー状構造体の製造方法の基本形態例を示している。多孔体として例えば陽極酸化ポーラスアルミナ1を使用し、その細孔2から固化可能な溶液3を、連続相4中に連続的に押し出すことにより、平均直径10nmから1μmのファイバー状構造体5を形成する。微細な細孔2を容易に制御、形成可能な陽極酸化ポーラスアルミナ1を口金として用いることで、サイズの揃ったファイバー状構造体5を連続的に形成することが可能である。

0021

図2には、硬化液6中に固化可能な溶液3を押し出すことによりファイバー状構造体5が形成されるプロセスを示す。

0022

図3には、光硬化性のモノマー7を水相8中に押し出しながら、膜面に光照射9を行ってポリマーファイバー状構造体10を作製する方法を示す。

0023

図4には、ナノ粒子11が分散した溶液12を、陽極酸化ポーラスアルミナ1の細孔2から連続相13中に押し出し、ナノ粒子11を含む複合構造のコンポジットファイバー状構造体14を作製する方法を示す。

0024

以下、実施例により更に本発明を詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。

0025

実施例1〔ポリビニルファイバーの作製〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期突起規則的に配列した構造を持つSiC製モールド押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で90分間陽極酸化を行った。その後、地金部分ヨウ飽和メタノール溶液中で溶解除去し、ポーラスアルミナの細孔底部をアルゴンイオンミリング装置を用いて除去することによりスルーホールメンブレンを得た。得られたスルーホールメンブレンを、シリンジの先端にエポキシ樹脂を用いて貼り付け、ファイバー状構造体作製のための口金とした。

0026

得られたポーラスアルミナ膜を介して(ポーラスアルミナ膜の細孔から)、10wt%のポリビニルアルコール溶液重合度2000)を5wt%の硫酸マグネシウムと30wt%の硫酸ナトリウムを含む水溶液中に押し出すことにより、ファイバー状構造体を形成した。図5に本実施例で得られたポリビニルアルコールのファイバー状構造体を、ポーラスアルミナ膜の裏面側(押し出される側)から電子顕微鏡により観察した結果を示す。

0027

実施例2〔光硬化性モノマーを用いたポリマーファイバーの作製〕
実施例1と同様の方法で作製したポーラスアルミナを口金として、光硬化性モノマーとオレイン酸トルエンを5:5:1の容量比で混ぜた溶液を界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム)を0.3wt%溶解した水溶液中に押し出した。この際、紫外光を膜面に照射することで、モノマーの重合を行った。図6に本実施例で得られたポリマーファイバー構造体の電子顕微鏡による観察結果を示す。

0028

膜厚が15μmであるポーラスアルミナ膜を用いた検討において、長さが30μmのファイバー状構造体も得られていることが観察された。図7は、得られたファイバー状構造体のサイズのばらつきを測定した結果であるが、本実施例で得られたポリマーファイバーは太さが揃っており、平均直径は180nm、直径のばらつきを示す相対標準偏差の値は、7.1%であることが確認された。

0029

実施例3〔平均直径100nm以下のポリマーファイバーの形成直径制御
純度99.99%のアルミニウム板表面に、200 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.05 Mの濃度に調整したシュウ酸水溶液中で、浴温0℃において直流80Vの条件下で90分間陽極酸化を行った。得られたポーラスアルミナは、10wt%のリン酸水溶液、浴温30℃中に浸漬し、孔径拡大処理を施した。その後、地金部分をヨウ素飽和メタノール溶液中で溶解除去し、ポーラスアルミナの細孔底部をアルゴンイオンミリング装置を用いて除去することによりスルーホールメンブレンを得た。得られたスルーホールメンブレンを、シリンジの先端にエポキシ樹脂を用いて貼り付け、ファイバー状構造体作製のための口金とした。

0030

このポーラスアルミナを介して、実施例2と同様の方法により、ポリマーファイバーの形成を行った。細孔径100nmのポーラスアルミナを用いてファイバー状構造体の作製を行った結果、平均直径は99.6nnmのポリマーファイバーを得ることが可能であった。

0031

実施例4〔酸化鉄微粒子複合ポリマーファイバーの作製〕
実施例2と同様の方法で作製したポーラスアルミナを口金とし、光硬化性モノマーとオレイン酸と酸化鉄分トルエン溶液を5:5:1の容量比で混ぜた溶液を界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)を0.3wt%溶解した水溶液中に押し出した。この際、紫外光を膜面に照射することで、モノマーの重合を行いコンポジットポリマーファイバー構造体を作製できた。

0032

本発明は、サブミクロンから数十ナノメーターサイズの微細な直径で太さの揃ったファイバー状構造体の高スループットでの製造に適用でき、ナノ粒子を含むコンポジットファイバー構造体の製造にも適用できる。

図面の簡単な説明

0033

本発明に係るファイバー状構造体の製造方法の基本形態例を示す概略断面図である。
硬化液中に溶液を押し出すファイバー状構造体の製造方法の例を示す概略断面図である。
光硬化性モノマーを用いたファイバー状構造体の製造方法の例を示す概略断面図である。
ナノ粒子を複合したコンポジットファイバー状構造体の製造方法の例を示す概略断面図である。
実施例1で得られたファイバー状構造体の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。
実施例2で得られたファイバー状構造体の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。
実施例2で得られたファイバー状構造体のサイズ分布図である。

符号の説明

0034

1多孔体としての陽極酸化ポーラスアルミナ
2 細孔
3固化可能な溶液
4連続相
5ファイバー状構造体
6硬化液
7光硬化性のモノマー
8水相
9光照射
10ポリマーファイバー状構造体
11ナノ粒子
12 溶液
13 連続相
14コンポジットファイバー状構造体

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