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技術 制電性樹脂成形体及び制電性樹脂成形体の製造方法

出願人 三菱樹脂株式会社
発明者 宮川倫成山本頼安
出願日 2008年1月31日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2008-020624
公開日 2009年8月13日 (11年4ヶ月経過) 公開番号 2009-178957
状態 未査定
技術分野 積層体(2)
主要キーワード ダブル型 防止プレート 本成形体 フランネル 複合化フィルム シングル型 制電層 定電圧印加
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課題

アルコール類を含んだワイピングクロス制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、表面抵抗率、透明性が悪化しない制電性樹脂成形体を提供する。

解決手段

基材上に少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂成形体であって、前記制電層の主成分が、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体炭素繊維で構成されており、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を構成する塩化ビニルと酢酸ビニル質量比が、82/18〜99/1の範囲であることを特徴とする制電性樹脂成形体である。

概要

背景

従来、クリーンルーム等で使用する間仕切りパーティション、また装置の覗き窓のように透視が可能で塵埃嫌う用途においては、静電気を逃がして塵埃の付着を防止する透明な制電性樹脂板が使用されてきた。例えば、特許文献1には、プラスチック基板の表面に、制電層が設けられた透明帯防止プレートが開示されている。前記透明帯電防止プレートの制電層は、導電性粉末バインダー樹脂から構成されており、前記導電性粉末は、硫酸バリウム粒子酸化アンチモン含有酸化錫コーティングされた導電性粉末を使用していた。この透明帯電防止プレートは、前記導電性粉末が相互接触することにより導電性発現され、帯電防止効果を発現している。

しかし、前記導電性粉末を制電層に使用した場合、導電性粉末の形状より多量に添加しないと制電性が発現しない、折り曲げ加工をすると制電層にクラック入り制電層が白色化する、及び一定以上の厚みの制電層を形成しないと制電性が発現しないという問題があった。また、制電性を有する導電性粉末は、比較的高価であるという問題もあった。

そこで、従来使用されてきた導電材である導電性粉末を、カーボンナノチューブ等の炭素繊維に変えた制電性樹脂板が提案されている。例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂よりなる基板の少なくとも片面に、カーボンナノチューブを含んだ透明な熱可塑性樹脂よりなる制電層を有する制電性透明樹脂板が開示されている。また、前記制電性樹脂板のカーボンナノチューブは、一本ずつ分離した状態で、もしくは、複数本集まって束になったものが一束ずつ分離した状態で、制電層の熱可塑性樹脂中に分散して互いに接触している。

一方、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類を含んだワイピングクロス制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、制電性樹脂成形体の表面抵抗率が上がるために、制電性が落ちるという問題点があった。また、前記拭き取り洗浄した場合に、透明性も同時に悪化するという問題点もあった。

そこで、例えば特許文献3には、制電性樹脂成形体の制電層の外表面に樹脂層が積層されている制電性樹脂成形体により、前記拭き取り洗浄した場合の、制電性樹脂成形体の表面抵抗率が上がることおよび透明性の悪化を防ぐ技術が開示されている。
特開平7−310034号公報
特開2004—230690号公報
特開2007−130950号公報

概要

アルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、表面抵抗率、透明性が悪化しない制電性樹脂成形体を提供する。基材上に少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂成形体であって、前記制電層の主成分が、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と炭素繊維で構成されており、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を構成する塩化ビニルと酢酸ビニル質量比が、82/18〜99/1の範囲であることを特徴とする制電性樹脂成形体である。なし

目的

本発明の第一の目的は、上記問題点に鑑み、IPA等のアルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、表面抵抗率、透明性が悪化しない制電性樹脂成形体を提供ことにある。また、本発明の第二の目的は、該制電性樹脂成形体の製造法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基材上に少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂成形体であって、前記制電層の主成分が、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体炭素繊維で構成されており、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を構成する塩化ビニルと酢酸ビニル質量比が、82/18〜99/1の範囲であることを特徴とする制電性樹脂成形体。

請求項2

前記制電層は、前記制電層の全質量に対して、81〜98質量%の塩化ビニル−酢酸ビニル共重体と、2〜19質量%の炭素繊維とで構成していることを特徴とする請求項1に記載の制電性樹脂成形体。

請求項3

前記炭素繊維は、平均繊維径が0.7〜80nm、アスペクト比が100以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の制電性樹脂成形体。

請求項4

前記制電層を転写法により形成することを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれか1項に記載の制電性樹脂成形体の製造方法。

請求項5

前記制電層をコート法により形成することを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれか1項に記載の制電性樹脂成形体の製造方法。

請求項6

前記制電層を複合化により形成することを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれか1項に記載の制電性樹脂成形体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、制電性樹脂成形体、および該成形体の製造方法に関する。詳細には、制電性樹脂成形体の表面を布等で、複数回擦った後であっても制電性、透明性が劣化しない制電性樹脂成形体に関する。

背景技術

0002

従来、クリーンルーム等で使用する間仕切りパーティション、また装置の覗き窓のように透視が可能で塵埃嫌う用途においては、静電気を逃がして塵埃の付着を防止する透明な制電性樹脂板が使用されてきた。例えば、特許文献1には、プラスチック基板の表面に、制電層が設けられた透明帯防止プレートが開示されている。前記透明帯電防止プレートの制電層は、導電性粉末バインダー樹脂から構成されており、前記導電性粉末は、硫酸バリウム粒子酸化アンチモン含有酸化錫コーティングされた導電性粉末を使用していた。この透明帯電防止プレートは、前記導電性粉末が相互接触することにより導電性発現され、帯電防止効果を発現している。

0003

しかし、前記導電性粉末を制電層に使用した場合、導電性粉末の形状より多量に添加しないと制電性が発現しない、折り曲げ加工をすると制電層にクラック入り制電層が白色化する、及び一定以上の厚みの制電層を形成しないと制電性が発現しないという問題があった。また、制電性を有する導電性粉末は、比較的高価であるという問題もあった。

0004

そこで、従来使用されてきた導電材である導電性粉末を、カーボンナノチューブ等の炭素繊維に変えた制電性樹脂板が提案されている。例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂よりなる基板の少なくとも片面に、カーボンナノチューブを含んだ透明な熱可塑性樹脂よりなる制電層を有する制電性透明樹脂板が開示されている。また、前記制電性樹脂板のカーボンナノチューブは、一本ずつ分離した状態で、もしくは、複数本集まって束になったものが一束ずつ分離した状態で、制電層の熱可塑性樹脂中に分散して互いに接触している。

0005

一方、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、制電性樹脂成形体の表面抵抗率が上がるために、制電性が落ちるという問題点があった。また、前記拭き取り洗浄した場合に、透明性も同時に悪化するという問題点もあった。

0006

そこで、例えば特許文献3には、制電性樹脂成形体の制電層の外表面に樹脂層が積層されている制電性樹脂成形体により、前記拭き取り洗浄した場合の、制電性樹脂成形体の表面抵抗率が上がることおよび透明性の悪化を防ぐ技術が開示されている。
特開平7−310034号公報
特開2004—230690号公報
特開2007−130950号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記した制電性樹脂成形体の制電層の外表面に樹脂層が積層されている制電性樹脂成形体では、実質的に制電樹脂成形体の表面抵抗率の値が、不十分であるという問題点があった。また、制電性樹脂成形体の制電層の外表面に樹脂層を積層しない場合には、制電性樹脂成形体の表面抵抗率および透明性が悪化するという問題点があった。

0008

本発明の第一の目的は、上記問題点に鑑み、IPA等のアルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、表面抵抗率、透明性が悪化しない制電性樹脂成形体を提供ことにある。また、本発明の第二の目的は、該制電性樹脂成形体の製造法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

かかる第一の目的を解決する手段は、基材上に少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂成形体であって、前記制電層の主成分が、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体と炭素繊維で構成されており、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を構成する塩化ビニルと酢酸ビニル質量比が、82/18〜99/1の範囲であることを特徴とする制電性樹脂成形体である。

0010

また、前記第二の目的を解決する手段は、制電層をコート法により形成することを特徴とする制電性樹脂成形体の製造方法、および制電層を転写法により形成することを特徴とする制電性樹脂成形体の製造方法、および制電層を複合化により形成することを特徴とする制電性樹脂成形体の製造方法である。

発明の効果

0011

本発明によれば、バインダー樹脂として、一定の質量比で構成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用している為に、IPA等のアルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、表面抵抗率、透明性が悪化しない制電性樹脂成形体を提供することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、発明の実施形態の一例としての制電性樹脂成形体(以下「本成形体」という)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。

0013

本成形体は、基材と基材上に少なくとも1層の制電層を有する成形体である。ここで、本発明でいう「基材上に」とは、基材表面に、直に制電層を設ける場合、及び基材表面に単層または多層である他の層を設け、前記他の層上に制電層を設けることを意味するものである。

0014

また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意図と共に、「Xより大きくYよりも小さいことが好ましい」旨の意図も包含する。

0015

さらに、本発明において、「X/Y」とは、質量比がX対Yであることを意味する。

0016

尚、本発明で定義する「主に」および「主成分」とは、制電層全質量に対して、炭素繊維とバインダー樹脂の合計質量が制電層の50質量%以上のことを意味する。

0017

(成形体)
本成形体は、基材と少なくとも1層の制電層を有する成形体である。本発明で意味する成形体とは、形あるもの全てを意味し、例えば、板状、球状、棒状、三角錐三角柱円柱円錐等である。また、一般的な名称が無い形に関しても、本発明の成形体に含めることが可能である。

0018

(基材)
本成形体を構成する基材は、公知の基材として使用する材質のものを使用可能である。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂である。中でも、成形加工の点から熱可塑性樹脂を基材として使用することが好ましい。本成形体に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(PO)系樹脂またはポリオレフィン系エラストマー環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂APO)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)等のポリスチレン系樹脂またはスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)等の水素添加されたスチレン系エラストマーポリ塩化ビニルPVC)樹脂ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリメチルメタクリレートPMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエステル樹脂(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂ポリカーボネート(PC)樹脂、などが挙げられる。尚上記、基材に使用する熱可塑性樹脂は一種のみで使用することも可能だが、二種以上を混合して使用することも可能である。

0019

なかでも、透明性、耐久性に優れた、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエステル樹脂(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂が好ましい。

0020

尚、本成形体の基材には、難燃性、透明性、熱安定性等を考慮して様々な添加剤を含んだ基材も使用することが可能である。添加剤の具体例は、滑剤着色剤顔料難燃剤抗菌剤防カビ剤紫外線吸収剤光安定剤熱安定剤酸化防止剤可塑剤流動調整剤等である。

0021

熱硬化性樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ザイロック型エポキシ樹脂ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂脂肪族型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂変性フェノール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、やフェノキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いることも、2種類以上を混合して用いることもできる。

0022

本成形体の基材の厚みの下限値は、1mm以上、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、上限値は、20mm以下、好ましくは10mm以下さらに好ましくは、5mm以下の範囲である。基材の厚みが1mm以上であれば、基材の厚みが薄すぎて、制電性樹脂板の強度が弱くなるという問題が起こりにくくなる。また、基材の厚みが20mm以下であれば可視光線を透過でき、全光線透過率極端に低下することもなく、良好なヘーズ値が得られる。

0023

(制電層)
本成形体は、基材上に少なくとも1層の制電層を有する。制電層を有することによって成形体表面に静電気の帯電を軽減し、成形体表面に粉塵等が付着することを防ぐことが可能である。本成形体の制電層は、主にバインダー樹脂の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と導電材の炭素繊維から構成されている。ただし、本成形体の制電層に期待される物性を阻害しない範囲で他の添加物を加えても良い。他の添加物としては、例えば分散剤、可塑剤、滑剤、表面改質剤、安定剤等の添加剤が挙げられる。分散剤としては、具体的に酸性ポリマーアルキルアンモニウム塩溶液や3級アミン修飾アクリル共重合物ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合物などの高分子系分散剤カップリング剤等が使用される。

0024

本成形体の制電層は、公知の製造方法に製造することが可能である。例えば、本成形体の制電層は、予めバインダー樹脂と炭素繊維とを溶剤に溶かして導電性塗料作成し、該導電性塗料を基材、または剥離可能な基材フィルム転写フィルムという)に塗布することにより製造する。

0025

(炭素繊維)
本成形体の制電層は、導電材として炭素繊維を含む。本成形体に含まれる炭素繊維の含有量の下限値は、2質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、上限値は19質量%以下、15質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下の範囲である。制電層中の炭素繊維の含有率が2質量%以上であれば、炭素繊維の量が十分であるために、炭素繊維が接触しにくく、制電性が発現しないという問題が発生しない。さらには、一定の距離を有する炭素繊維間で、π電子ジャンプして制電性を示すトンネル効果によるトンネル電流が発生しやすくなるため、表面抵抗率が小さくなり、塵埃が付着し難くなる。また、制電層中の炭素繊維の質量比が9質量%以下であれば、可視光線が透過し易く、全光線透過率が高くなり、ヘーズ値も低くなりやすい。尚、本発明の炭素繊維の質量比は、制電層の全質量比に対しての質量比である。

0026

本成形体で使用する炭素繊維の好ましい平均繊維径は、下限値が0.7nm以上、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上であり、上限値は80nm以下、好ましくは70nm以下、さらに好ましくは60nm以下が透明性、分散性の点から好ましい。平均繊維径が0.7nm以上であれば、繊維径が小さ過ぎてしまい飛散し衛生上の問題が発生することは無い。また、平均繊維径が80nm以下であれば、ヘーズ値が高くなるという問題が発生しない。尚、本平均繊維径は、繊維の断面を円相当径として計算した値である。尚、円相当径とは、粒子投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことをいう。

0027

本成形体で使用する炭素繊維のアスペクト比(繊維径と繊維長さの比)は、100以上、好ましくは200以上、更に好ましくは500以上が良い。アスペクト比が100以上であれば、炭素繊維どうしが接触し易く、十分な導電パスが形成される。尚、炭素繊維の形態を考慮すると、炭素繊維のアスペクト比が1,000,000以下であれば制電性が十分得られる。

0028

炭素繊維には、いわゆるカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーが含まれる。カーボンナノチューブは、炭素チューブ構造単一チューブであるシングル型、チューブ構造が二重のチューブであるダブル型、およびチューブ構造が三重以上となっているマルチ型構造のものを含む。またチューブの一方の端の口が閉じており、他方の口の端が開いているナノホーン型、一方の端の開口が他方の端の開口よりも大きいカップ型等の形態を有する炭素繊維を使用することも可能である。中でも、透明性、導電性の観点からマルチ型カーボンナノチューブが好ましく使用される。

0029

(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)
本成形体の制電層は、バインダー樹脂として、一定の質量比の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用する。バインダー樹脂として、一定の質量比の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用することによって、IPA等のアルコール類を含んだワイピングクロスで制電性樹脂成形体の表面を拭き取り洗浄した場合に、制電性樹脂成形体の表面抵抗率が上がることおよび透明性が悪化するということを防ぐことが可能である(耐拭き取り性向上)。すなわち、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を一定の質量比にすることにより、ガラス転移温度(Tg)を調節することが可能である。そして、バインダー樹脂の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度(Tg)を調節することにより、比較的低温での接着が可能となるので、制電層が強固に基材に接着することが可能となり、耐拭き取り性が向上する。

0030

また、本成形体の制電層が一定のガラス転移温度を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体で構成することにより、本成形体の基材が熱により反るという問題が発生せず、且つ本成形体の基材と制電層とが強固に接着することで、拭き取り洗浄しても成形体の基材と制電層との間で剥離することを防ぐことができる。

0031

本成形体の制電層に含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体内における塩化ビニルの質量比が、82以上、好ましくは85以上、さらに好ましくは87以上であり、上限値は99以下、好ましくは96以下、更に好ましくは95以下である。塩化ビニルの質量比が82以上であれば、酢酸ビニルの量が適量であるため、炭素繊維が分散にしくいという問題が発生しない。一方、塩化ビニルの質量比が99以下であれば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度が適温に調節されている為に、樹脂成形体にコート、転写、複合化する時に高温の環境が必要とならないために、作業性が良好で、樹脂成形体が変形しやすいという問題が生じない。例えば、転写法により制電層を基材に設置する場合に、制電層を基材に150℃以下で貼り付けることが出来れば、熱によって基材が反ってしまうという問題は発生しない。

0032

本成形体の制電層に含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体内における酢酸ビニルの質量比の下限値は、1以上、好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上であり、上限値は、18以下、好ましくは15以下、さらに好ましくは13以下である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体内における酢酸ビニルの質量比が18以下、好ましくは15以下であれば、カーボンナノチューブが上手く分散する。又、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体内における酢酸ビニルの質量比が、1以上であれば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度が適温に調節されている為に、樹脂成形体にコート、転写、複合化する時に高温の環境が必要とならないために、作業性が良好で、樹脂成形体が変形しやすいという問題が生じない。

0033

本成形体の制電層を形成する導電性塗料に含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量の下限値は、制電層の全質量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.20質量%以上、さらに好ましくは0.30質量%以上であり、上限値は2.0質量%以下、好ましくは1.5質量%、更に好ましくは1.2質量%である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が0.05質量%以上であれば、塗料中バインダー樹脂量が十分であるため、塗料乾燥後の透明制電層の強度が十分であり、樹脂成形体との密着性にも良好である。一方塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が2.0質量%以下であれば、塗料中のバインダー樹脂量が適量であるため、導電性が発現する。

0034

本成形体の制電層の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量の下限値は、制電層の全質量に対して、81質量%以上、好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは 質量90%以上であり、上限値は98質量%以下、好ましくは97質量%、更に好ましくは96質量%である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の含有量が81質量%以上であれば、樹脂基材と制電層が剥離するという問題が生じない。

0035

本成形体の制電層の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度の下限値は、50℃以上、好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、上限値は、85℃以下、好ましくは83℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度が50℃以上であれば、拭き取り洗浄しても成形体の基材と制電層との間で剥離するという問題点が発生せずに制電層を形成することが可能である。また塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度が85℃以下であれば、成形体基材のソリという問題点が発生せずに制電層を形成することが可能である。

0036

また、本成形体で使用する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体には、必要に応じて、側鎖に官能基を含む他の成分を共重合してもよい。官能基としては、例えば、カルボキシル基酸無水物基水酸基エポキシ基アミド基、などが挙げられる。

0037

(透明性)
本成形体は、透明性に優れている。以下に記載するJISL0849に準じて行なった耐拭き取り性試験後の、JISK7105に準じて測定した全光線透過率が、58%以上、好ましくは60%以上、さらには62%以上が良い。又以下に記載するJISL0849に準じて行なった耐拭き取り性試験後のJISK7105に準じて測定したヘーズ値は、5%以下、好ましくは4%以下、更に好ましくは3.5%以下が良い。全光線透過率が58%以上及びへーズ値が5%以下であれば、本成形体をクリーンルームのパーティションや試験装置の覗き窓に使用した場合、透視が良好であり、視認性に優る。

0038

本発明の成形体は、耐拭き取り性試験後にも、透明性が劣化しない。すなわち、以下に示す対拭き取り性試験後に、本成形体の全光線透過率の減少値が、1.0%以下、好ましくは0.5%以下、さらにこのましくは0.3%以下であることをいう。対拭き取り性試験後に、全光線透過率の減少値が1.0%以下であれば、本成形体をパーティション等に使用した場合に、拭き取り洗浄を行なうことが可能であり、パーティション対面の視認性も損ねることは無い。

0039

さらに、耐拭き取り性試験後に、本成形体のへーズ値の増加値が、1.0%以下、好ましくは0.5%以下、さらにこのましくは0.3%以下であることをいう。対拭き取り性試験後に、全光線透過率の増加値が1.0%以下であれば、本成形体をパーティション等に使用した場合に、拭き取り洗浄を行なうことが可能であり、パーティション対面の視認性も損ねることは無い。

0040

(制電性)
本成形体の、耐拭き取り性試験後のJISK6911に準じて測定した表面抵抗率は、1010Ω/□以下、好ましくは109Ω/□以下が良い。表面抵抗率が1010Ω/□以下であれば適度な制電性が発揮され、制電性樹脂板に塵埃が付着し難くなる。

0041

本成形体は、耐拭き取り性試験後に、本成形体の表面抵抗率の増加する値が、104Ω/□以下、好ましくは103Ω/□以下である。耐拭き取り性試験後に、本成形体の表面抵抗率の増加する値が、104Ω/□以下であれば、本成形体をパーティション等に使用した場合に、拭き取り洗浄を行なうことが可能である。

0042

(溶剤)
導電性塗料に含まれる溶剤の含有量の質量比は、導電性塗料の質量を100%とした場合に、下限値は97.0質量%以上、好ましくは98.0質量%以上、さらに好ましくは98.5質量%以上であり、上限値は99.9質量%以下、好ましくは99.8質量%以下、更に好ましくは99.7質量%以下である。溶剤の含有量が、97.0質量%以上では、溶剤量が適量なため、塗料乾燥後の溶剤が揮発した制電層が厚くならず、透明性が良好である。一方、溶剤の含有量が99.9質量%を以下であれば、塗料乾燥後の溶剤が揮発した制電層が薄くならず、制電層の強度、耐薬品性が良好である。

0043

溶剤の種類は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を溶解させる溶剤であれば特に制限は無いが、トルエンキシレントリメチルベンゼンなどの芳香族溶剤テトラヒドロフラン、1,4ジオキサンメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルタシェリーブチルエーテルシクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶剤アセトン、メチル−エチルケトン、メチル−イソブチルケトン、ジイソブチルケトンシクロヘキサノン、などのケトン系溶剤酢酸エチル酢酸ブチル酢酸イソブチル酢酸イソアミルエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などである。又前記した溶剤を2種以上混合して使用しても良い。

0044

これらの溶剤の中では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の溶解性が良く、炭素繊維の分散性も良好で、残留溶剤として残存しにくい、テトラヒドロフランやシクロヘキサノンの使用が好ましい。特に比較的低沸点のテトラヒドロフランと比較的高沸点のシクロヘキサノンを2種類組み合わせた溶剤が、塗料乾燥後の制電層の厚みぶれが少なく好ましい。

0045

本発明の導電性塗料を制電層として樹脂成形体に付設し、本成形体を得る方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
1.予め、転写フィルム上に導電性塗料を塗布し、乾燥後、転写フィルム上に制電層を形成した後、転写フィルムの制電層面と樹脂成形体とを向かい合わせ、熱融着等で貼り合わせ制電層を樹脂成形体に接着させ、その後、転写フィルムを剥離する製造方法(転写法)。
2.導電性塗料を直接基材に塗布する製造方法(コート法)。
3.予め、樹脂成形体と接着可能な基材フィルム(「複合化フィルム」という)上に導電性塗料を塗布し、乾燥後、複合化フィルムの制電層が無い面と樹脂成形体とを熱接着プライマー等を用い貼り合わせる製造方法(複合化法)。

0046

本発明の導電性塗料を、樹脂成形体や剥離可能な基材フィルム及び樹脂成形体と接着可能な基材フィルム上に塗布する方法としては、吹き付け塗装、浸漬コーティングスピンコーティングナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティングダイコーティングディピングコート、スクリーン印刷インクジェット印刷パッド印刷、他の種類の印刷、またはロールコーティングなど、他の公知の方法で適用することができる。中でも、薄膜塗布が精度良く行えるグラビアコーティング、スピンコーティング、ダイコーティングが好ましい。

0047

転写フィルムとしては、公知の各種フィルムを用いることができる。例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂トリアセチルセルロースセロハンポリアミド樹脂芳香族ポリアミド樹脂ポリイミド樹脂ポリエーテルイミド樹脂ポリフェニレンスルフィド樹脂ポリスルホン樹脂ポリエーテルスルホン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリエチレン樹脂ポリスチレン樹脂等のフィルムが挙げられ、必要に応じて、これらのフィルム表面をシリコーンアルキド樹脂ポリウレタン系樹脂フッ素系樹脂等で離型処理しても良い。なかでも、アルキド樹脂で離型処理されたポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムが、剥離容易性などの点から好ましい。

0048

複合化フィルムとしては、公知の各種フィルムを用いることができる。例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルが含まれる共重合体樹脂、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等のフィルムが挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルが含まれる共重合体樹脂が適度な剛性があり、取り扱いやすい。

0049

さらに、転写した際の制電層と樹脂成形体もしくは、複合化フィルムと樹脂成形体との接着性が良くない場合は、ポリアクリル接着樹脂又はポリウレタン系接着樹脂またはエポキシ系接着樹脂、紫外線硬化樹脂などの接着層が適宜用いても良い。

0050

以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
評価方法
1.表面抵抗率測定
本成形体の表面抵抗率はJIS K6911に準じて、以下のように行った。
(1)測定装置
ハイレスターUPMCPHT450型 (三菱化学社製)
(2)測定方式
定電圧印加方式
(3)印加電圧
1000V

0051

2.全光線透過率・ヘーズ値測定
本成形体の全光線透過率・ヘーズ値は、JIS K7105に準じて、以下のように行った。
(1)反射透過率計
色彩技術研究所 HR−100

0052

3.耐拭き取り性評価
本成形体の耐拭き取り性は、以下の方法により評価した。
JIS L 0849に従い、ネル布にイソプロピルアルコール(100%)1ccを染み込ませて、下記の条件で、耐拭き取り性を評価する。
(1)ネル布:コットンフランネル(100%)
(2)試験荷重:250g
(3)耐摩耗性試験機(摩擦堅牢度RT-200 (大栄科学精器製作所製)
(4)拭き取り回数:500回
(5)上記条件で拭き取り試験を実施後、制電性樹脂成形体の透明性、ヘーズ表面抵抗値を測定する。

0053

4.炭素繊維分散性評価
本成形体に使用する導電性塗料内の炭素繊維の分散性に関しては、以下の方法で評価した。
実施例、比較例の本成形体を作成する場合に使用するそれぞれの導電性塗料中の炭素繊維
を、ビーズ衝突法にて分散させ、分散後直ぐに、透明ガラス製容器に前記塗料を入れ、静
置して沈殿物が無いか観察を行ない、分散性の評価を行なった。

0054

(実施例1)
(導電性塗料及び転写フィルムの作製)
THF(テトラヒドロフラン)溶剤に、バインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(新第一塩ビ社製 C−150S酢酸ビニル含有量11質量%)と炭素繊維(CNT社製繊維径10〜40nm、アスペクト比125〜2,000)を、固形分濃度が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体1.5質量%、炭素繊維0.1質量%となるように溶解させた塗料を作製した。作製した塗料50ccに対し、ガラスビーズ(直径0.8mm)を50cc添加し、PAINT SHAKER(東洋精機製作所製)を使用し、2時間撹拌後、ガラスビーズをメッシュにて濾過し、導電性塗料1を作製した。得られた導電性塗料1の、炭素繊維の分散性は良好であった。

0055

上記導電性塗料1を離型性のあるポリエステルフィルム(パナック社製TP—02、離型層アルキド樹脂、厚み50μm、全光線透過率90.0%、ヘーズ6.5%)に、厚みが0.1μmとなるようバーコータを用いて塗布し、100℃、1分で乾燥させ、制電層が設けられた転写フィルムを得た。

0056

(制電性樹脂成形体の作成)
前記転写フィルムを、厚み5.0mm、全光線透過率84.0%、ヘーズ値1.8%、表面抵抗率2.2×1015Ω/□の塩化ビニル樹脂基板(三菱樹脂社製、ヒシプレート)の両面に設置し、温度150℃のゴムロール2本の間に、圧力0.2MPa、スピード0.25m/分で通過させ、その後、制電層と転写フィルムの界面で剥離して、実施例1の制電性樹脂成形体を作製した。実施例1のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0057

(実施例2)
前記導電性塗料1を、厚み5.0mm、全光線透過率84.0%、ヘーズ値1.8%、表面抵抗率2.2×1015Ω/□の塩化ビニル樹脂基板(三菱樹脂社製、ヒシプレート)の片面に、厚みが0.1μmとなるようバーコータを用いて塗布し、100℃、1分で乾燥させ、更に他方の面にも同様な方法で塗布、乾燥させて、実施例2の制電性樹脂成形体を作製した。作製した実施例2の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0058

(実施例3)
前記導電性塗料1を、塩化ビニル樹脂シート(厚み0.1mm、全光線透過率90.0%、ヘーズ値0.9%、表面抵抗率2.2×1015Ω/□、三菱樹脂社製、ビニホイル
C−7902)に、厚みが0.1μmとなるようにバーコータを用いて塗布し複合体を作製した。尚、塗料組成物乾燥条件は、温度は100℃、時間は1分間である。
前記複合体を、厚み5.0mm、全光線透過率84.0%、ヘーズ値1.8%、表面抵抗率2.2×1015Ω/□の塩化ビニル樹脂基板(三菱樹脂社製、ヒシプレート)の両面に、塩化ビニルシート面が塩化ビニル樹脂基板と向き合うように設置し、温度100℃、時間10分、圧力1.96MPaで熱プレスし、実施例3の制電性樹脂成形体を作製した。作製した実施例3の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0059

(実施例4)
バインダー樹脂を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(新第一塩ビ社製 C−150ML酢酸ビニル含有量15質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、導電性塗料2を作製した。得られた導電性塗料は、炭素繊維の分散性は良好であった。また、実施例1と同様の方法で、転写フィルムを得て、実施例4の制電性樹脂成形体を得た。実施例4のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0060

(実施例5)
前記導電性塗料2を、実施例2と同様の方法で、実施例5の制電性樹脂成形体を作成した。作製した実施例5の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0061

(実施例6)
前記導電性塗料2を、実施例3と同様の方法で、実施例6の制電性樹脂成形体を作成した。作製した実施例6の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0062

(実施例7)
バインダー樹脂を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(新第一塩ビ社製 C8J酢酸ビニル含有量5質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、導電性塗料3を作製した。得られた導電性塗料3は、炭素繊維の分散性は良好であった。

0063

(実施例8)
前記導電性塗料3を、実施例2と同様の方法で、実施例8の制電性樹脂成形体を作成した。作製した実施例8の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0064

(実施例9)
前記導電性塗料3を、実施例3と同様の方法で、実施例9の制電性樹脂成形体を作成した。作製した実施例9の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0065

(比較例1)
バインダー樹脂を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量20質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、導電性塗料4を作製した。得られた導電性塗料2は、炭素繊維の沈殿物が見られ、分散性は良くなかった。また、実施例1と同様の方法で、転写フィルムを得て、比較例1の制電性樹脂成形体を得た。比較例1のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0066

(比較例2)
前記導電性塗料4を、実施例2と同様の方法で、比較例2の制電性樹脂成形体を作成した。作製した比較例2の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0067

(比較例3)
前記導電性塗料4を、実施例3と同様の方法で、比較例3の制電性樹脂成形体を作成した。作製した比較例3の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0068

(比較例4)
バインダー樹脂を塩化ビニル(株式会社カネカ製S−1008)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、導電性塗料5を作製した。得られた導電性塗料5は、炭素繊維の分散性は良好であった。
(比較例5)
前記導電性塗料5を、実施例2と同様の方法で、比較例5の制電性樹脂成形体を作成した。作製した比較例5の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0069

(比較例6)
前記導電性塗料5を、実施例3と同様の方法で、比較例6の制電性樹脂成形体を作成した。作製した比較例6の制電性樹脂成形体のヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率、耐拭き取り性の評価を表1に示した。

0070

0071

表1より、実施例1〜9の制電性樹脂積層体は、バインダー樹脂に所定範囲の塩化ビニルと酢酸ビニルの質量比で構成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用している為に、500回の耐拭き取り実験を行なった後でも、ヘーズ値、全光線透過率、表面透過率の低下が少なく、良好な評価結果を得た。また、実施例1〜3および実施例7〜9で作成した導電性塗料のCNT分散性は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体内の塩化ビニルの質量比が適当であった為に良好であった。実施例4〜6で作成した導電性塗料のCNTの分散性は、24時間以内であれば良好であったので、本成形体を作成する上で問題が無かった。一方、比較例1〜3の制電性樹脂積層体は、バインダー樹脂に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体においての酢酸ビニルの質量の割合が多いために、500回の耐拭き取り試験を行なった後に、ヘーズ値、全光線透過率、表面透過率の悪化が見られた。また、比較例4〜6の制電性樹脂積層体は、バインダー樹脂に塩化ビニル樹脂を使用しているために、500回の耐拭き取り試験を行なった後に、ヘーズ値、全光線透過率、表面抵抗率の悪化が見られた。

0072

上述したように、本発明の導電性塗料並びに本発明の導電性塗料を樹脂成形体にコート、転写、複合化してなる制電性成形体は、透視性制電特性に優れた導電性塗料並びに制電性成形体であり、特に、クリーンルームのパーティション、半導体液晶製造に用いるキャリアーボックス製造装置外板、製造装置の覗き窓のように塵埃を嫌う用途に好適に利用できる。

0073

以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う制電性樹脂成形体および該成形体の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。

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