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技術 多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法

出願人 日油株式会社
発明者 田中晋脇田和晃円山圭一
出願日 2008年1月28日 (12年9ヶ月経過) 出願番号 2008-016139
公開日 2009年8月6日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-173609
状態 特許登録済
技術分野 フラン系化合物 糖類化合物 ピラン系化合物 医薬品製剤 化粧料 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 食品添加物グレード キシリトールモノ 塩基性フクシン 焼成活性化 カプリン酸メチル 脂肪酸化合物 合成直後 局所加熱
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

経時的な苦みの増加が抑えられ、色相が良好で、酸価の低い多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法を提供する。

解決手段

炭素原子数10〜22の脂肪酸と炭素原子数1〜3の一価アルコールとのエステル(成分A)、および炭素原子数4〜6のアルジトールもしくはその分子内縮合体(成分B)とを反応させることによって、多官能アルコール脂肪酸エステルを製造する。(1)アルデヒド含量50ppm以下の成分Bを50〜90重量%水溶液として成分Aと混合する。(2)成分Aと前記成分Bとを仕込んだ系内の水分を1.0%以下まで脱水する。(3)50〜90℃にて成分Aと成分Bとの合計重量に対して0.1〜1.0重量%の塩基性触媒を1〜30重量%の炭素数1〜3の1価アルコール溶液として添加する。(4)温度140〜190℃、窒素気流下において1〜20kPaにて反応を完結させる工程を有する。

概要

背景

糖アルコールは、アルドースケトースカルボニル基還元されて生成する糖の一種であり、アルジトールとも呼ばれる。甘味があるものが多く、小腸から体内への吸収が悪くカロリーになりにくいため低カロリー甘味料として用いられるものがあり、また口内細菌による酸への代謝がされにくいため虫歯になりにくい甘味料という効能がうたわれているものもある。例えば、アルジトールの1つであるソルビトールおよびその分子内縮合物であるソルビタン脂肪酸エステルであるソルビタン脂肪酸エステルについては、人体に対して安全性の高い界面活性剤であり、食品添加物化粧品医薬品の分野において乳化剤として広く用いられている。

特許文献1には、相溶剤として有機溶媒を使用し、糖アルコールと脂肪酸エステルとをエステル交換反応させることによって、多官能脂肪酸エステルを製造することが記載されている。また、特許文献2には、糖アルコールと脂肪酸エステルとを塩基性触媒の存在下で溶媒を用いずに反応させることによって、多官能脂肪酸エステルを製造することが記載されている。
特公昭36−19468号公報
特開昭49−35318号公報

多官能アルコール脂肪酸エステルは、HLBが低めで油性が高いため、単独で官能試験を行っても「苦み」を感じることはない。そのため、これまではソルビタン脂肪酸エステルの問題点として「苦み」は重要視されてこなかった。

一方、近々食品添加物として認可される予定ポリソルベート類(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)は、苦みのある物質であると広く認知されている。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシド付加重合反応させることで得られる。

しかし、苦みがあると食品添加物として使用するには不利となるので、本発明者は、特許文献3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの製造方法を開示した。ここでは、原料であるソルビタン脂肪酸エステルを複合金属酸化物精製処理し、次いでエチレンオキシドと重合反応させることで、ポリソルベートの苦みの低減に成功している。
特開2006−96705号公報

概要

経時的な苦みの増加が抑えられ、色相が良好で、酸価の低い多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法を提供する。炭素原子数10〜22の脂肪酸と炭素原子数1〜3の一価アルコールとのエステル(成分A)、および炭素原子数4〜6のアルジトールもしくはその分子内縮合体(成分B)とを反応させることによって、多官能アルコール脂肪酸エステルを製造する。(1)アルデヒド含量50ppm以下の成分Bを50〜90重量%水溶液として成分Aと混合する。(2)成分Aと前記成分Bとを仕込んだ系内の水分を1.0%以下まで脱水する。(3)50〜90℃にて成分Aと成分Bとの合計重量に対して0.1〜1.0重量%の塩基性触媒を1〜30重量%の炭素数1〜3の1価アルコール溶液として添加する。(4)温度140〜190℃、窒素気流下において1〜20kPaにて反応を完結させる工程を有する。 なし

目的

本発明の課題は、経時的な苦みの増加が抑えられ、色相が良好で、酸価の低い多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

炭素原子数10〜22の脂肪酸と炭素原子数1〜3の一価アルコールとのエステル(成分A)を、炭素原子数4〜6のアルジトールもしくはその分子内縮合体(成分B)と反応させることによって、多官能アルコール脂肪酸エステルを製造する方法であって、(1)アルデヒド含量50ppm以下の前記成分Bを50〜90重量%水溶液として前記成分Aと混合する仕込み工程;(2)前記成分Aと前記成分Bとを仕込んだ系内の水分を1.0%以下まで脱水する脱水工程;(3)50〜90℃にて前記成分Aと前記成分Bとの合計重量に対して0.1〜1.0重量%の塩基性触媒を1〜30重量%の炭素数1〜3の1価アルコール溶液として添加する触媒添加工程;および(4)温度140〜190℃、窒素気流下において1〜20kPaにて反応を完結させる工程を有することを特徴とする、多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法

技術分野

0001

本発明は、経時的な苦みの増加が抑えられ、色相が良好であり、酸価が低減された多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法に関する。

背景技術

0002

糖アルコールは、アルドースケトースカルボニル基還元されて生成する糖の一種であり、アルジトールとも呼ばれる。甘味があるものが多く、小腸から体内への吸収が悪くカロリーになりにくいため低カロリー甘味料として用いられるものがあり、また口内細菌による酸への代謝がされにくいため虫歯になりにくい甘味料という効能がうたわれているものもある。例えば、アルジトールの1つであるソルビトールおよびその分子内縮合物であるソルビタン脂肪酸エステルであるソルビタン脂肪酸エステルについては、人体に対して安全性の高い界面活性剤であり、食品添加物化粧品医薬品の分野において乳化剤として広く用いられている。

0003

特許文献1には、相溶剤として有機溶媒を使用し、糖アルコールと脂肪酸エステルとをエステル交換反応させることによって、多官能脂肪酸エステルを製造することが記載されている。また、特許文献2には、糖アルコールと脂肪酸エステルとを塩基性触媒の存在下で溶媒を用いずに反応させることによって、多官能脂肪酸エステルを製造することが記載されている。
特公昭36−19468号公報
特開昭49−35318号公報

0004

多官能アルコール脂肪酸エステルは、HLBが低めで油性が高いため、単独で官能試験を行っても「苦み」を感じることはない。そのため、これまではソルビタン脂肪酸エステルの問題点として「苦み」は重要視されてこなかった。

0005

一方、近々食品添加物として認可される予定ポリソルベート類(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)は、苦みのある物質であると広く認知されている。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシド付加重合反応させることで得られる。

0006

しかし、苦みがあると食品添加物として使用するには不利となるので、本発明者は、特許文献3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの製造方法を開示した。ここでは、原料であるソルビタン脂肪酸エステルを複合金属酸化物精製処理し、次いでエチレンオキシドと重合反応させることで、ポリソルベートの苦みの低減に成功している。
特開2006−96705号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ソルビタン脂肪酸エステルは、食品添加物としてすでに使用されている。ソルビタン脂肪酸エステルは、単独では苦みを示さないが、実際の使用時には、HLBが高い成分などとの配合を行うため、この配合によって系全体に水溶性が付与されると「苦み」を生じることが明らかになってきた。例えば、ポリソルベート類とソルビタン脂肪酸エステルとの配合物は強い苦みがある。この苦みは、通常は、ポリソルベート類によるものと考えられてきた。

0008

しかし、特許文献3記載の方法によって、ポリソルベート類とソルビタン脂肪酸エステルとの配合物の苦みを精製処理で低減した場合にも、一定期間の保存後に強い苦みが発現してくることが判明した。この苦みはソルビタン脂肪酸エステルに起因しており、かつ、時間経過によって強まってくるものと考えられる。

0009

このため、多官能アルコール脂肪酸エステルの配合系内への添加量は、時間経過によって苦みを発現しないようにごく少量に抑えざるを得ず、乳化剤としての性能を十二分に発揮できないという難点がある。このため、食品添加物としての使用や、医薬品、口腔化粧品、口唇化粧品などへと用途を拡大する上で、非常に不利な要素となってきた。むろん、色相、酸価も低い値に抑制することも必須である。

0010

本発明の課題は、経時的な苦みの増加が抑えられ、色相が良好で、酸価の低い多官能アルコール脂肪酸エステルの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、炭素原子数10〜22の脂肪酸と炭素原子数1〜3の一価アルコールとのエステル(成分A)を、および炭素原子数4〜6のアルジトールもしくはその分子内縮合体(成分B)と反応させることによって、多官能アルコール脂肪酸エステルを製造する方法であって、
(1)アルデヒド含量50ppm以下の成分Bを50〜90重量%水溶液として成分Aと混合する仕込み工程;
(2)成分Aと前記成分Bとを仕込んだ系内の水分を1.0%以下まで脱水する脱水工程;
(3)50〜90℃にて成分Aと成分Bとの合計重量に対して0.1〜1.0重量%の塩基性触媒を1〜30重量%の炭素数1〜3の1価アルコール溶液として添加する触媒添加工程;および
(4)温度140〜190℃、窒素気流下において1〜20kPaにて反応を完結させる工程を有することを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明によって得られる多官能アルコール脂肪酸エステルは、HLBの高い物質と配合されたときに経時的な苦みの増加が抑えられ、色相も良好であり、酸価が低く抑えられる。従って、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品に好適に使用できるので、産業上きわめて有用である。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明について詳細に説明する。
成分Aは、炭素原子数10〜22、好ましくは炭素原子数12〜18の脂肪酸と、炭素原子数1〜3の1価アルコールとのエステルである。このエステルは、一種であってよく、二種以上の混合物であってよい。

0014

炭素原子数10〜22の脂肪酸は、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸とのいずれも含む。また、炭素原子数10〜22の脂肪酸は、天然のものでも合成のものでも良く、直鎖状のものでも分岐鎖状のものでも良い。具体的には、カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸アラキジン酸ベヘニン酸等が挙げられる。

0015

一方、炭素原子数1〜3の1価アルコールとしては、メタノールエタノール1−プロパノールn−プロパノール等が挙げられ、好ましくはメタノールおよびエタノール、より好ましくはメタノールである。

0016

成分Aの具体例は、カプリン酸メチルラウリン酸メチルミリスチン酸メチルパルミチン酸メチルステアリン酸メチルオレイン酸メチルリノール酸メチル、リノレン酸メチル、アラキジン酸メチル、ベヘニン酸メチルなどが挙げられ、これらの単独もしくは複数の組み合わせにより選択される。特に好ましくは、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、およびそれらの組み合わせである。

0017

成分Bは、炭素原子数4〜6のアルジトール、もしくは、炭素原子数4〜6のアルジトールの分子内縮合物である。具体的にはエリトリトールアラビトールキシリトールリビトール、ソルビトール、マンニトールガラクチトールおよびこれらの分子内縮合物が挙げられる。好ましくは、キシリトール、ソルビトールおよびそれらの分子内縮合物である。

0018

(1)仕込み工程
成分Bは、常温固体であるため、そのまま反応に供した場合には攪拌不十分により局所加熱を生じ、最終的に得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの色相が悪化し、経時的な苦みが強くなる。そのため、本発明における成分Bは、水溶液で反応に供することで、これらを抑制することができることを見いだした。

0019

成分Bの水溶液濃度は50〜90重量%である。これらは、市販のものを使用しても良いし、反応に供する前に水溶液を調製しても良い。

0020

成分Bのアルデヒド含量は50ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。アルデヒド含量が50ppmを超えると、得られる反応生成物の色相が悪くなり、経時的な苦みが強くなる。
成分Bのアルデヒド含量は、焼成活性化された複合金属酸化物による処理をすることで低減することができる。

0021

成分Bのアルデヒド含量の測定方法は以下の通りで行うことができる。
(a)試料1gを共栓試験管採取し、フクシン亜硫酸溶液(注1)を加え密栓する。
(b)これを混合し、30分間室温にて放置する。
(c)この溶液について紫外可視分光光度計(日本分光(株)製 V−530)で波長562nm、セル幅10mmの吸光度を測定する。
(d)試料溶液のかわりに水1gを用いて同様に操作した空試験を行い、この時の吸光度を0(基準)とする。
(e)ホルムアルデヒド標準液(注2)を用いて同様の操作を行い、検量線を作成し、この検量線から試料中に含まれるアルデヒド含量を求める。

0022

(注1フクシン亜硫酸溶液の調製)
塩基性フクシン200mgを200mLメスフラスコ量し、温水120mLを加えて溶かし放冷する。これに無水亜硫酸ナトリウム2gを水20mLに溶解した溶液、及び塩酸2mLを加え、水で標線まで希釈する。使用前少なくとも1時間は放置し、色の消失を確認する。

0023

(注2ホルムアルデヒド標準液の調製)
濃度既知のホルムアルデヒドを使用し、検量線を作成するために1,10,50,100ppmの4点の溶液を調製する。

0024

本発明では、成分Bの糖アルコールの1モルに対して、成分Aの脂肪酸化合物は0.5〜4.0モル、好ましくは0.5〜3.5モルを使用する。0.5モルよりも低いと得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの性能が得られず、4.0モル以上では成分Bの糖アルコールとの反応が立体障害によって完結せず、成分Aの脂肪酸化合物の残存が多くなるためである。

0025

本発明の多官能アルコール脂肪酸エステルは、成分Aと成分Bに塩基性触媒を添加した後にエステル交換反応することで得られる。

0026

(2)脱水工程
成分Aおよび成分Bを混合後、攪拌しながら窒素気流下で系内温度を90〜110℃まで昇温し、常圧下で水が蒸発してこなくなるまで窒素気流下90〜110℃で撹拌を継続した後、窒素気流下で90〜110℃において4.00kPa以下で1〜2時間脱水を行うことで、反応開始時の水分含量を1.0重量%以下、好ましく0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下とする。

0027

水分含量が1.0重量%を超える場合、最終的に得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの酸価が5を超えることがある。

0028

(3)触媒添加工程
反応開始時の水分含量が1.0重量%以下であることを確認した後、反応系内を50〜60℃まで冷却を行い、塩基性触媒を添加し、同温にて反応系内に撹拌・分散させる。分散させるための撹拌時間は30分から1時間程度である。

0029

塩基性触媒は、成分Aと成分Bの合計重量に対して0.1〜1.0重量%。好ましくは0.1〜0.5重量%、より好ましくは0.1〜0.3重量%を添加する。

0030

塩基性触媒としては、具体的には水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウムナトリウムメトキシドナトリウムエトキシドカリウム−t−ブトキシド炭酸ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。

0031

塩基性触媒は、炭素数が1〜3である1価アルコールに溶解して使用する。1価アルコール溶液にせずに固体のままで塩基性触媒を添加した場合は、反応系内において局所的に反応が進行して着色が起こり、また最終的に得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの経時的な苦みが増加する。

0032

塩基性触媒を溶解するための1価アルコールは、具体的にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールであり、好ましくはメタノールである。塩基性触媒の1価アルコール溶解品は、市販のものを使用しても良いし、反応に供する前にアルコール溶液を調製しても良い。塩基性触媒の1価アルコール溶解品は、1〜30重量%、好ましくは10〜30重量%になるように調製したものを使用する。1重量%未満の場合は反応系内に添加される1価アルコールが多くなるため、この後の工程に時間を要することになるために好ましくない。30重量%を超えると、それ以上の濃度で塩基性触媒が1価アルコールに溶解しにくいので好ましくない。この場合の1価アルコールの水分は低い方が好ましく、市販の脱水品もしくは適当な脱水剤で脱水したものを使用することが好ましい。

0033

塩基性触媒の1価アルコール溶液を添加する際には系内温度を50〜90℃、好ましくは50〜70℃、より好ましくは50〜60℃にまで冷却してから行う。50℃未満であると、下層であるアルジトールの粘度が高くなりすぎて攪拌が困難になり、90℃を超えると、塩基性触媒を溶解した1価アルコールの沸点近くもしくは沸点を超えるため、突沸等の危険がある。

0034

塩基性触媒と同時に、系内の着色を抑える働きを期待するため、亜リン酸次亜リン酸またはそれらのアルカリ塩の1種以上を塩基性触媒の働きを阻害しない量、添加してもよい。好ましくは、亜リン酸や次亜リン酸ナトリウムである。

0035

(エステル交換反応)
塩基性触媒の1価アルコール溶液を添加した後、窒素気流下、常圧もしくは50kPa〜常圧にて系内温度を140〜190℃に到達するまで昇温させる。50kPa以下の圧力下で昇温を行った場合には、昇温時の反応初期には塩基性触媒を溶解した1価アルコールが多く存在していることや、反応進行に伴って低級アルコールが発生してくるため、突沸の危険があるために好ましくない。

0036

昇温後、系内温度140〜190℃、好ましくは160〜180℃にて窒素気流下において1kPa〜常圧、好ましくは10kPa〜常圧で反応させる。系内温度が140℃未満の場合、反応速度が非常に遅くなるため反応時間が多大に必要となって熱履歴が増加し、最終的に得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの苦みが増加するために好ましくない。190℃を超えると最終生成物の色相が悪化し、最終的に得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの苦みも増加するために好ましくない。

0037

(4)減圧下での反応完結
本発明のエステル交換反応は、初期は成分Aと成分Bが分層した状態のII相系のままであるが、反応の進行に伴い、生成した多官能アルコール脂肪酸エステルが相溶媒のような働きをするため、II相からI相へと変化する。

0038

反応系がII相からI相になったのを見極めた後、系内温度140〜190℃、好ましくは160〜180℃にて窒素気流下、1〜20kPa、好ましくは2〜15kPaにて反応を継続・完結させる。反応系内がII相からI相になった時点で、反応は全体の約8〜9割進行している状態であるが、残りの反応を完結させるためには、系内の反応速度を上昇させるために減圧度を高める必要がある。系内の圧力が20kPaを超える場合、反応速度の上昇が見込めずに反応完結までに時間を要するために熱履歴が増加し、最終的に得られる多官能アルコール脂肪酸エステルの苦みが増加する。

0039

エステル交換反応の終了後、塩基性触媒を失活させるため、リン酸、塩酸、硫酸などの鉱酸、あるいはギ酸酢酸カプロン酸乳酸などの短鎖脂肪族モノカルボン酸シュウ酸コハク酸リンゴ酸アジピン酸クエン酸などの多価カルボン酸安息香酸サリチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、フタル酸テレフタル酸イソフタル酸などの芳香族多価カルボン酸などで中和したり、塩析水洗を行ったり、合成吸着剤イオン交換樹脂で処理を行ったりできる。これらの処理は各操作を繰り返し行っても、異なる操作を重複して行ってもよい。さらに必要があれば、脱色処理、脱水脱溶剤、水蒸気脱臭活性炭で精製を行ったり、不要物があれば遠心分離やろ過で除去したりすることもできる。

0040

本発明では、多官能アルコール脂肪酸エステルの中和・精製後、経時的な劣化を防止するために、ソルビン酸ジブチルヒドロキシトルエンジブチルヒドロキシアニソール没食子酸プロピルクエン酸イソプロピルグアヤク酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、dl−α—トコフェロールなどの酸化防止剤を1種または2種以上添加することができる。

0041

本発明の多官能アルコール脂肪酸エステルは、経時的な苦みの増加、色相、酸価が従来品と比べて抑えられているため、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品用途などに好適に用いることができる。

0042

以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。それぞれの合成物に関して、物性値の測定および苦みの官能評価を行った。

0043

(実施例1:キシリトールモノステアレートの合成)
撹拌翼温度センサー窒素ガス導入口真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.2ppmであるキシリトールの60重量%水溶液507gとステアリン酸メチル715gを仕込み、窒素気流下100℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.15%となった。そこに10重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を10.2g、次亜リン酸ナトリウム0.10gを添加し、窒素気流下180℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下180℃、常圧で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下180℃にて4.00kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィーTLC)でステアリン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、26.7kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してキシリトールモノステアレートを得た。

0044

[薄相クロマトグラフィー測定条件
TLCプレートメルク社製シリカゲル60
展開溶媒クロロホルムn−ブタノール=97/3(v/v)
希釈溶媒; クロロホルム
希釈濃度;試料(ソルビタン脂肪酸エステル)溶液=1w/v%
標準脂肪酸メチル)溶液=0.1w/v%
スポット量; 1μL
発色溶液;リン酸・硫酸銅水溶液硫酸銅五水和物156g、85重量%リン酸水溶液135gを1Lメスフラスコに秤量し、標線まで希釈する)
発色方法; リン酸・硫酸銅水溶液を塗布し、乾燥後170℃の恒温槽で15分間加熱する。

0045

(実施例2:ソルビトールモノパルミテートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が3.8ppmであるソルビトールの80重量%水溶液455gとパルミチン酸メチル648gを仕込み、窒素気流下90℃にて常圧で2時間、さらに6.67kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.2%となった。そこに20重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を15.2g、次亜リン酸ナトリウム0.30gを添加し、窒素気流下160℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下160℃、常圧で反応を行い、7時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下160℃にて4.00kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でパルミチン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、26.7kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビトールモノパルミテートを得た。

0046

(実施例3:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、常圧で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて2.67kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0047

(実施例4:ソルビタンモノステアレートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.0ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとステアリン酸メチル715gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに2.67kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.15%となった。そして、28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を5.6g、次亜リン酸ナトリウム0.16g添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、66.7kPaで反応を行い、7時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて4.00kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でステアリン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノステアレートを得た。

0048

(比較例1:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.2ppmであるソルビタン328gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、常圧で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて2.67kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0049

(比較例2:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が75.0ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、常圧で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて2.67kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0050

(比較例3:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに66.7kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が2.5%となった。そこにメタノールで28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、常圧で反応を行い、14時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて2.67kPa前後でさらに4時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0051

(比較例4:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこにナトリウムメトキシドを2.1g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、常圧で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて2.67kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了と判断した。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0052

(比較例5:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下170℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下170℃、常圧で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下170℃にて2.67kPa前後でさらに8時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0053

(比較例6:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下120℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下120℃、常圧で反応を行い、20時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下120℃にて2.67kPa前後でさらに6時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0054

(比較例7:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに28重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を7.4g、次亜リン酸ナトリウム0.21gを添加し、窒素気流下220℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下220℃、常圧で反応を行い、4時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下220℃にて2.67kPa前後でさらに1時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0055

(比較例8:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469g、オレイン酸677g、炭酸ナトリウム2.4gおよび亜リン酸1.2gを仕込み、系内を窒素で30分間置換した。窒素気流下で145℃まで昇温し、窒素気流下145℃で常圧にて3時間脱水を行った後、さらに235℃まで昇温し、窒素気流下235℃で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下235℃にて常圧でさらに2時間反応を行い、酸価が6.0であることを確認、さらに1時間反応しても酸価がこれ以上低下しないということを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0056

(比較例9:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.5ppmであるソルビタンの70重量%水溶液469g、オレイン酸677g、炭酸ナトリウム2.4gおよび亜リン酸1.2gを仕込み、系内を窒素で30分間置換した。窒素気流下で145℃まで昇温し、窒素気流下145℃で常圧にて3時間脱水を行った後、さらに235℃まで昇温し、窒素気流下235℃で反応を行い、6時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下235℃にて常圧でさらに2時間反応を行い、酸価が6.0であることを確認、さらに1時間反応しても酸価がこれ以上低下しないということを確認して反応終了とした。冷却後、25gの水およびキョーワード2000(協和化学工業株式会社製、酸化マグネシウム60重量%、酸化アルミニウム30重量%、複合金属酸化物の含有量90重量%、乾燥減量は0.8重量%)を10g添加し、窒素気流下80℃で常圧にて1時間処理後、窒素気流下100℃で6.67kPa以下にて水分を除去し、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0057

(比較例10:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた3000mLの四ッ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド1200gを仕込み、アルデヒド価が4.2ppmであるソルビタン328gを添加して完全溶解させた後、オレイン酸メチル710g、炭酸カリウムを2.1gを添加、攪拌しながら窒素気流下90℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下90℃、20.0kPaで反応を行い、18時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下90℃にて15.0kPa前後でさらに10時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。減圧下にN,N−ジメチルホルムアミドの大部分を留去した後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0058

(比較例11:ソルビタンモノオレエートの合成)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、アルデヒド価が4.2ppmであるソルビタン328gとオレイン酸メチル710gを仕込み、窒素気流下110℃にて常圧で2時間、さらに4.00kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.1%となった。そこに炭酸カリウムを2.1gを添加し、窒素気流下180℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下180℃、20.0kPaで反応を行い、10時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下180℃にて15.0kPa前後でさらに6時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でオレイン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、13.3kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビタンモノオレエートを得た。

0059

上記の実施例と比較例で得られた合成物に関し、基準油脂分析試験法に記載されている「酸価」「色相(APHA)」を測定した。また、「苦み」については、合成直後および6ヶ月経過後のものについて、以下の手順に従って官能評価を行った。

0060

得られた合成物を各5.0g精秤し、そこに食品添加物グレードプロピレングリコールを5.0gずつ添加、ガラス棒で均一になるまで攪拌した。得られたそれぞれの混合物について、0.3gを直接の上に乗せて約10秒間味わったときの「苦み」の感じ方をパネラー10名によって下記の5段階で評価し、その平均値を採用した。パネラー10名がそれぞれの混合物に対し、5段階評価を行った平均値が1以上3.0未満の場合、苦みが少なく口に含む用途に適していると評価した(表1、表2において「○」と表示した)。一方、3.0以上の場合、苦みがあり口に含む用途に適さないと評価した(表1、表2において「×」と表示した)。

0061

なお、この試験に用いた食品添加物グレードのプロピレングリコールは、直接舌の上に乗せて味わったときに「苦み」を全く感じないことを確認してから使用した。

0062

1 :苦みがほとんどない
2 : 若干苦みが残る
3 : 多少苦みが残る
4 : やや強い苦みが残る
5 : 強烈な苦みが残る

0063

実施例、比較例で得られた合成物およびその評価について表1、表2で示した。「判定」の項は、「苦み」の評価が合成直後および6ヶ月後で両方とも「○」であり、「色相」がガードナーで「3以下」、「酸価」が「5以下」を全て満たす場合に「○」、そうでない場合には「×」とした。

0064

0065

0066

*1:
エステル交換:糖アルコールと脂肪酸メチルを反応させる方法
酸法; 糖アルコールに脂肪酸を反応させる方法
*2触媒; 比較例12、13は炭酸ナトリウム、それ以外はナトリウムメトキシド
*3 触媒量 ;低級アルコール溶液の場合でも、添加した塩基性触媒の量を記載
*4反応温度; 糖アルコールと脂肪酸メチルもしくは脂肪酸を反応させる温度

0067

実施例1〜4ではいずれも良好な結果が得られた。
比較例1〜7、10、11では、本発明の製造条件から外れており、キョーワードで生成物を精製しているが、いずれも6カ月経過後に苦みが生じていた。特に、比較例1、4では、初期は苦みがないが、経時により苦みが生じていることがわかった。

0068

比較例8、9では、直酸法でソルビタンモノオレエートを合成しており、キョーワードで精製している。これは特許文献3記載の製造方法と同様である。しかし、この場合にも、6カ月経過後には苦みが生じていた。特に、比較例9では、初期には苦みがなかったが、経時により苦みが増加している。

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