図面 (/)

技術 原子炉用制御棒の製造方法および原子炉用制御棒

出願人 原子燃料工業株式会社日本ニュークローム株式会社ニッコーシ株式会社
発明者 林正之小濱正和億田英三橘邦雄大庭直幸井尻伸夫
出願日 2008年1月15日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2008-005476
公開日 2009年7月30日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2009-168555
状態 特許登録済
技術分野 原子炉燃料及び部品の製造 原子炉の制御
主要キーワード メッキコーティング 密着箇所 切断用カッター 面取り処理 非メッキ領域 開口部端面 クラスタ状 耐摩耗材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年7月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

被覆管あるいは端栓の全外周面に均一なメッキ層を確実に形成させ、被覆管と端栓とを溶接して原子炉用制御棒を製造する場合に溶接性が悪化することがなく、耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒の製造方法を提供する。

解決手段

原子炉用制御棒の被覆管とほぼ同じ外径を有する被覆管メッキ用治具、原子炉用制御棒の端栓とほぼ同じ外径を有する端栓メッキ用治具を、それぞれ、被覆管開口部端面、端栓の被覆管接合面に密着一体化させる一体化工程と、一体化された被覆管の被覆管メッキ用治具を上側にして、密着部がメッキ液液面より下になるようにメッキ液に浸漬してメッキ層を形成させ、一体化された端栓をメッキ液に浸漬してメッキ層を形成させるメッキ工程と、外周面にメッキ層が形成された被覆管、端栓を、各メッキ用治具と分離させる分離工程と、分離された被覆管と端栓とを突き合わせて溶接する溶接工程とを有する原子炉用制御棒の製造方法。

概要

背景

制御棒は、クラスタ状束ねられて上部支持構造物の中を通って燃料集合体の上方から吊り下げられている。通常は、原子炉の定格(100%)運転時には先端部(燃料集合体内へ挿入する際の先端、使用時は下側となる)を残して燃料集合体の上部に引き上げられた状態とされ、停止時には燃料集合体の制御棒案内管内に完全に挿入された状態とされる。

そして、燃料集合体の上部に引き上げられた状態では、先端部を除く制御棒の大部分は、燃料集合体の上部に位置する制御棒クラスタ案内管内に挿入された状態とされる。
しかしながら、この領域は、燃料集合体内を上向きに流れてきた冷却水が原子炉出口ノズルに流れ込む場所であるため、冷却水の流れの強さや方向が不規則かつ激しく変化しており、このため制御棒やその周囲にある制御棒クラスタ案内管等の部材も不規則かつ激しく振動している。

この結果、制御棒クラスタ案内管内に挿入された部分の制御棒は、そのままでは周囲の部材と相互に激しく擦れ合って、制御棒の被覆管が損傷するおそれがあるので、制御棒の被覆管の外周面には、クロムメッキ等の耐摩耗材によるコーティングが施されていた。

ところが、近年になってメッキする必要がないと思われていた制御棒の先端部にも燃料案内管との摩擦が原因と見られる摩耗が認められるようになった。

これに対して、制御棒の先端部の一定部分にメッキ等の耐摩耗性のコーティングを施すことが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に示された技術では、コーティングの範囲は、下部端栓溶接部近傍を除いた範囲に限られていた。これは、溶接部近傍にもメッキを行うと、溶接部分にまでメッキが施され、溶接に際して溶接部にコーティング材混入して、溶接性が悪化するという問題があったためである。

また、制御棒の被覆管にメッキを施す場合、被覆管の上端は、メッキ液の液面の上で、チャック等のつかみ治具把持された状態にあるため、上端部にはメッキが施されない領域が残され、また、メッキ液の液面付近では、メッキ中の電気分解により気泡が発生して液面が波打つため、メッキの不安定な領域が形成されることを避けることができなかった(以下、メッキが施されない領域およびメッキの不安定な領域を総称して、「非メッキ領域」と言う)。そして、このような非メッキ領域は、耐摩耗性の弱点となる。

そこで、この問題を解決するために、所望長さよりも長い被覆管を用意し、その外周面をメッキした後に、所望長さに切断する方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献2の方法によれば、被覆管の一部に非メッキ領域が形成されても、非メッキ領域は所望の長さの被覆管となる箇所から外れているため、非メッキ領域を切り離すことにより、非メッキ領域のない所望長さの被覆管を取得することができる。
しかしながら、切断する際の衝撃によっては、被覆管の管端となる切断部のメッキ層剥離するというおそれがあり、また被覆管を不要に長く製造する必要があり、材料が無駄になることや製造上の問題があった。
特開平11−153685号公報
特開2001−66391号公報

概要

被覆管あるいは端栓の全外周面に均一なメッキ層を確実に形成させ、被覆管と端栓とを溶接して原子炉用制御棒を製造する場合に溶接性が悪化することがなく、耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒の製造方法を提供する。原子炉用制御棒の被覆管とほぼ同じ外径を有する被覆管メッキ用治具、原子炉用制御棒の端栓とほぼ同じ外径を有する端栓メッキ用治具を、それぞれ、被覆管開口部端面、端栓の被覆管接合面に密着一体化させる一体化工程と、一体化された被覆管の被覆管メッキ用治具を上側にして、密着部がメッキ液液面より下になるようにメッキ液に浸漬してメッキ層を形成させ、一体化された端栓をメッキ液に浸漬してメッキ層を形成させるメッキ工程と、外周面にメッキ層が形成された被覆管、端栓を、各メッキ用治具と分離させる分離工程と、分離された被覆管と端栓とを突き合わせて溶接する溶接工程とを有する原子炉用制御棒の製造方法。

目的

そこで、本発明は、被覆管あるいは端栓の全外周面に均一なメッキ層を確実に形成させると共に、被覆管と端栓とを溶接して原子炉用制御棒を製造する場合に溶接性が悪化することがなく、耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒を得ることができる原子炉用制御棒の製造方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

原子炉用制御棒被覆管とほぼ同じ外径を有する被覆管メッキ用治具、および、原子炉用制御棒の端栓とほぼ同じ外径を有する端栓メッキ用治具を、それぞれ、前記被覆管の開口部の端面、および、前記端栓の被覆管との接合面に密着させて一体化させる一体化工程と、前記被覆管メッキ用治具と一体化された被覆管を、前記被覆管メッキ用治具を上側にして、前記被覆管メッキ用治具と前記被覆管との密着部が、メッキ液液面より下になるようにメッキ液に浸漬してメッキ層を形成させ、前記端栓メッキ用治具と一体化された端栓を、前記メッキ液に浸漬してメッキ層を形成させるメッキ工程と、外周面にメッキ層が形成された前記被覆管、および、前記端栓を、前記各メッキ用治具と分離させる分離工程と、前記分離工程で得られた被覆管と端栓とを突き合わせて溶接する溶接工程とを有していることを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。

請求項2

前記被覆管メッキ用治具と前記被覆管、あるいは、前記端栓メッキ用治具と前記端栓が、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒の製造方法。

請求項3

前記被覆管および前記端栓の材料が、オーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉用制御棒の製造方法。

請求項4

前記メッキ層の厚みが、7.5〜15μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒の製造方法。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒の製造方法により製造されたことを特徴とする原子炉用制御棒。

技術分野

0001

本発明は、加圧水型原子炉等で燃料燃焼核分裂の進行)を制御するために使用される原子炉用制御棒の製造方法および原子炉用制御棒に関する。

背景技術

0002

制御棒は、クラスタ状束ねられて上部支持構造物の中を通って燃料集合体の上方から吊り下げられている。通常は、原子炉の定格(100%)運転時には先端部(燃料集合体内へ挿入する際の先端、使用時は下側となる)を残して燃料集合体の上部に引き上げられた状態とされ、停止時には燃料集合体の制御棒案内管内に完全に挿入された状態とされる。

0003

そして、燃料集合体の上部に引き上げられた状態では、先端部を除く制御棒の大部分は、燃料集合体の上部に位置する制御棒クラスタ案内管内に挿入された状態とされる。
しかしながら、この領域は、燃料集合体内を上向きに流れてきた冷却水が原子炉出口ノズルに流れ込む場所であるため、冷却水の流れの強さや方向が不規則かつ激しく変化しており、このため制御棒やその周囲にある制御棒クラスタ案内管等の部材も不規則かつ激しく振動している。

0004

この結果、制御棒クラスタ案内管内に挿入された部分の制御棒は、そのままでは周囲の部材と相互に激しく擦れ合って、制御棒の被覆管が損傷するおそれがあるので、制御棒の被覆管の外周面には、クロムメッキ等の耐摩耗材によるコーティングが施されていた。

0005

ところが、近年になってメッキする必要がないと思われていた制御棒の先端部にも燃料の案内管との摩擦が原因と見られる摩耗が認められるようになった。

0006

これに対して、制御棒の先端部の一定部分にメッキ等の耐摩耗性のコーティングを施すことが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に示された技術では、コーティングの範囲は、下部端栓溶接部近傍を除いた範囲に限られていた。これは、溶接部近傍にもメッキを行うと、溶接部分にまでメッキが施され、溶接に際して溶接部にコーティング材混入して、溶接性が悪化するという問題があったためである。

0007

また、制御棒の被覆管にメッキを施す場合、被覆管の上端は、メッキ液の液面の上で、チャック等のつかみ治具把持された状態にあるため、上端部にはメッキが施されない領域が残され、また、メッキ液の液面付近では、メッキ中の電気分解により気泡が発生して液面が波打つため、メッキの不安定な領域が形成されることを避けることができなかった(以下、メッキが施されない領域およびメッキの不安定な領域を総称して、「非メッキ領域」と言う)。そして、このような非メッキ領域は、耐摩耗性の弱点となる。

0008

そこで、この問題を解決するために、所望長さよりも長い被覆管を用意し、その外周面をメッキした後に、所望長さに切断する方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献2の方法によれば、被覆管の一部に非メッキ領域が形成されても、非メッキ領域は所望の長さの被覆管となる箇所から外れているため、非メッキ領域を切り離すことにより、非メッキ領域のない所望長さの被覆管を取得することができる。
しかしながら、切断する際の衝撃によっては、被覆管の管端となる切断部のメッキ層剥離するというおそれがあり、また被覆管を不要に長く製造する必要があり、材料が無駄になることや製造上の問題があった。
特開平11−153685号公報
特開2001−66391号公報

発明が解決しようとする課題

0009

そこで、本発明は、被覆管あるいは端栓の全外周面に均一なメッキ層を確実に形成させると共に、被覆管と端栓とを溶接して原子炉用制御棒を製造する場合に溶接性が悪化することがなく、耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒を得ることができる原子炉用制御棒の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、被覆管や端栓の外周面に、メッキによるコーティングを施す際に、特定のメッキ用治具を用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、発明を完成するに至った。

0011

すなわち、本発明は、その請求項1において、
原子炉用制御棒の被覆管とほぼ同じ外径を有する被覆管メッキ用治具、および、原子炉用制御棒の端栓とほぼ同じ外径を有する端栓メッキ用治具を、それぞれ、前記被覆管の開口部の端面、および、前記端栓の被覆管との接合面に密着させて一体化させる一体化工程と、
前記被覆管メッキ用治具と一体化された被覆管を、前記被覆管メッキ用治具を上側にして、前記被覆管メッキ用治具と前記被覆管との密着部が、メッキ液液面より下になるようにメッキ液に浸漬してメッキ層を形成させ、前記端栓メッキ用治具と一体化された端栓を、前記メッキ液に浸漬してメッキ層を形成させるメッキ工程と、
外周面にメッキ層が形成された前記被覆管、および、前記端栓を、前記各メッキ用治具と分離させる分離工程と、
前記分離工程で得られた被覆管と端栓とを突き合わせて溶接する溶接工程と
を有していることを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法を提供する。

0012

本請求項の発明においては、被覆管とほぼ同じ外径を有する被覆管メッキ用治具を被覆管の開口端部の端面に密着させて被覆管と一体化させる、および端栓とほぼ同じ外径を有する端栓メッキ用治具を端栓の被覆管接合面に密着させて端栓と一体化させ、被覆管メッキ用治具と一体化された被覆管を、被覆管メッキ用治具を上側にして、被覆管メッキ用治具と被覆管との密着部が、メッキ液液面より下になるようにメッキ液に浸漬して、外周面にメッキ層を形成させ、また、端栓メッキ用治具と一体化された端栓を、メッキ液に浸漬して外周面にメッキ層を形成させるため、被覆管および端栓の全外周面をメッキ液中に浸漬させることができ、被覆管あるいは端栓の全外周面に均一なメッキ層を確実に形成することができる。

0013

しかも、被覆管と端栓とを溶接するときの接合面となる被覆管の開口端部の端面と端栓の被覆管との接合面とは、被覆管メッキ用治具あるいは端栓メッキ用治具によりマスキングされて、メッキ層が形成されるのを防いでいる。このように、被覆管の開口端部の端面と端栓の被覆管との接合面にメッキ層が形成されていないため、分離された被覆管と端栓とを突き合わせて溶接して原子炉用制御棒を製造する工程において、溶接性が悪化することがなく、また溶接部のわずかな領域を除いて、実質的に全外周面にメッキが施された原子炉用制御棒を製造することが可能であるため、溶接部分も含めて耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒を提供することができる。

0014

また、特許文献2のように被覆管を切断する必要がないので、材料の無駄を防止でき、製造コストが安価になる。
なお、ここで、各メッキ用治具の外径が、それぞれ、被覆管あるいは端栓の外径とほぼ等しいとは、被覆管あるいは端栓の外径の±10%程度の公差でほぼ等しいことを意味している。

0015

メッキ用治具としては、後述する実施形態に示すように、被覆管の外径とほぼ等しい外径を有する本体部および被覆管の内径とほぼ等しい外径を有する挿入部から成るものを例示することができるが、上述のようにメッキ時に被覆管あるいは端栓と一体化して被覆管あるいは端栓を保持し、被覆管あるいは端栓の全外周面にメッキ層を形成することができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。

0016

なお、外周面にメッキ層が形成された被覆管あるいは端栓を、各メッキ用治具と分離する方法としては、通常の金属部材切断用カッター等を用いる方法をあげることができる。
なお、分離する際に微小なメッキ層の剥離が生じる恐れがあるため、図2図3に示すように、各メッキ用治具の被覆管または端栓と接する箇所に、予め面取りを施しておくことが好ましい。面取りを施すことにより、各メッキ用治具と被覆管または端栓とが接する箇所ではメッキ厚が薄くなるため、わずかな力を加えただけで容易にメッキ用治具と分離することができる。

0017

請求項2に記載の発明は、
前記被覆管メッキ用治具と前記被覆管、あるいは、前記端栓メッキ用治具と前記端栓が、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒の製造方法である。

0018

本請求項の発明においては、被覆管メッキ用治具と被覆管、あるいは、端栓メッキ用治具と端栓が、同一材料で形成されているため、各メッキ用治具と被覆管または端栓とが接する箇所でメッキ面乱れを生じることがなく、均一なメッキ層を形成させることができる。

0019

請求項3に記載の発明は、
前記被覆管および前記端栓の材料が、オーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉用制御棒の製造方法である。

0020

本請求項の発明は、被覆管および端栓の材料を、オーステナイト系ステンレス鋼としたため、原子炉用制御棒の耐摩耗性のコーティング材として一般的に好ましく適用されるクロムメッキによるコーティングを行った場合、被覆管と端栓とを、溶接性を悪化させることなく溶接することができる。即ち、被覆管および端栓の材料自体に、予め、クロムが含有されているため、各々メッキコーティングされた被覆管と端栓とを溶接して制御棒とする際に、クロムメッキからのクロムが、溶接ビード部に混入しても、その悪影響を少なくすることができ、溶接性を悪化させることがない。

0021

請求項4に記載の発明は、
前記メッキ層の厚みが、7.5〜15μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒の製造方法である。

0022

メッキ層の厚みが厚くなり過ぎると、メッキ用治具の取り外しが困難になるため、メッキ層の厚みは、15μm以下であることが好ましい。
一方、優れた耐摩耗性を発揮させるためには、メッキ層には一定以上の厚みが必要であり、メッキ層の厚みとしては、7.5μm以上であることが好ましい。

0023

請求項5に記載の発明は、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒の製造方法により製造されたことを特徴とする原子炉用制御棒である。

0024

本請求項の発明においては、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の原子炉用制御棒の製造方法により製造された原子炉用制御棒であるため、溶接性が良く、かつ耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒を提供することができる。
即ち、被覆管と端栓との密着箇所には、メッキ層が形成されていないため、溶接性が悪化することがなく、溶接部のわずかな領域を除いて、実質的に全外周面がメッキ層に覆われた原子炉用制御棒とすることができ、耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒となる。

発明の効果

0025

本発明においては、被覆管および端栓の全外周面に均一なメッキ層を確実に形成させることができる。また、被覆管と端栓とを溶接して原子炉用制御棒を製造する場合に溶接性が悪化することがなく、耐摩耗性に優れた原子炉用制御棒を製造することができる。
さらに、材料費節減することができ、製造費が安価になる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明をその最良の実施の形態につき、具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。

0027

最初に、メッキコーティングの施された被覆管の製造方法について、図1図2を用いて説明する。本実施の形態における被覆管1の製造方法は、被覆管メッキ用治具3を用いる点に特徴があり、一体化工程、メッキ工程および分離工程からなる。
なお、図1は、本発明に係る原子炉用制御棒の被覆管における一体化工程を示す概略的説明図であり、図2は、被覆管におけるメッキ工程を示す概略的説明図である。
図1図2において、1は被覆管であり、3は被覆管メッキ用治具である。被覆管メッキ用治具3は、挿入部3aと本体部3bとからなる。そして、4はメッキ層である。

0028

被覆管メッキ用治具3は、挿入部3aと本体部3bとからなる。挿入部3aの外径は、精密な機械加工で被覆管1の内径よりも僅かに小さいか、あるいは事実上同一とされ、被覆管メッキ用治具3の挿入部3aを被覆管1の管端内に挿入したときには挿入部3aと被覆管1の管端とが嵌合される。
被覆管メッキ用治具3の挿入部3aの先端には小さな丸味が形成されて被覆管1内に挿入し易くなっている。被覆管メッキ用治具3の本体部3bの外径は、被覆管1の外径と同寸法に形成され、挿入部3aを被覆管1に挿入したときに被覆管1の外周面と被覆管メッキ用治具3の外周面とは面一となる。被覆管メッキ用治具3は、被覆管1と同一材料であるクロムを含有するオーステナイト系ステンレス鋼で形成されている。
なお、図1図2においては、挿入部3aがよく分かるように、便宜上、被覆管1の内壁と離れた状態で示してある。

0029

一体化工程では、一端に上部端栓(図示せず)が溶接して取り付けられた被覆管1の他端に被覆管メッキ用治具3を取り付ける。被覆管メッキ用治具3の挿入部3aを被覆管1の管端内に完全に挿入し、被覆管1の開口端部の端面と被覆管メッキ用治具3の本体部3bの端面とを突き合わして両端面を密着させることにより、被覆管1と被覆管メッキ用治具3とを一体化させる。

0030

メッキ工程では、被覆管1を上下反転させて被覆管メッキ用治具3を上側に位置させ、被覆管メッキ用治具3の上部と被覆管1の下部とで支えた状態で、被覆管1の全部および被覆管メッキ用治具3の一部をメッキ槽(図示せず)内のメッキ液(図示せず)に浸漬して、メッキを行う。被覆管メッキ用治具3の一部を浸漬するのは、被覆管1の一部に非メッキ領域ができるのを防止するためである。被覆管と被覆管メッキ用治具との両端面は密着されているため、両端面にメッキ液が入ることがなく、両端面はメッキが施されない。
メッキ層4の厚みが7.5〜15μmとなった時点でメッキを完了し、メッキ液から引き上げる。メッキ液から引き上げられた被覆管1の全外周面およびメッキ用治具3の本体部3bの一部の外周面には、図2に示すように、メッキ層4が形成されている。

0031

分離工程では、被覆管1の全外周面およびメッキ用治具3の本体部3bの一部の外周面に形成されたメッキ層4と共に、金属部材切断用カッターを用いて、被覆管1からメッキ用治具3を取り外す。この時、メッキ用治具3の被覆管1と接する箇所には、予め面取りが施されているため、容易に取り外しができる。以上により、全外周面にメッキ層4が形成された被覆管1を取得することができる。

0032

次に、メッキコーティングの施された下部端栓の製造方法について、図3を用いて説明する。この製造方法には下部端栓2用の端栓メッキ用治具5が用いられ、被覆管の場合と同じく、一体化工程、メッキ工程および分離工程からなる。
なお、図3は、本発明に係る原子炉用制御棒の端栓におけるメッキ工程を示す概略的説明図である。
図3において、2は端栓であり、5は端栓メッキ用治具である。端栓2は、挿入部2aと本体部2bとからなる。そして、4はメッキ層である。

0033

端栓メッキ用治具5は、円筒状に形成され、内径は、精密な機械加工で下部端栓2の挿入部2aの外径よりも僅かに大きいか、あるいは事実上同一とされ、下部端栓2の挿入部2aを端栓メッキ用治具5内に挿入したときに挿入部2aと端栓メッキ用治具5の管端とが嵌合されるようになっている。
端栓メッキ用治具5の外径は、下部端栓2の外径(最大の外径)と同寸法に形成され、下部端栓2の挿入部2aを端栓メッキ用治具5に挿入したときに下部端栓2の外周面と端栓メッキ用治具5の外周面とが面一となる。端栓メッキ用治具5は、下部端栓2と同一材料であるクロムを含有するオーステナイト系ステンレス鋼で形成されている。
なお、図3においては、下部端栓2の挿入部2aがよく分かるように、便宜上、端栓メッキ用治具5の内壁と離れた状態で示してある。

0034

下部端栓2の製造方法の手順については、前記の被覆管1の製造方法と同様に手順で行われる。一体化工程では、下部端栓2の挿入部2aを端栓メッキ用治具5内に完全に挿入し、下部端栓2の本体部2bの端面と端栓メッキ用治具5の端面とを突き合わして密着させることにより、下部端栓2と端栓メッキ用治具5とを一体化する。

0035

メッキ工程では、一体化された下部端栓2と端栓メッキ用治具5とを上下から押さえながら、全体をメッキ槽内のメッキ液に浸漬して、メッキを行う。
メッキ層4の厚みが7.5〜15μmとなった時点でメッキを完了し、メッキ液から引き上げる。メッキ液から引き上げられた下部端栓2およびメッキ用治具5の全外周面には、図3に示すように、メッキ層4が形成されている。

0036

分離工程では、下部端栓2およびメッキ用治具5の全外周面に形成されたメッキ層4と共に、金属部材切断用カッターを用いて、下部端栓2からメッキ用治具5を取り外す。この時、メッキ用治具5の端栓と接する箇所には、予め面取り処理が施されているため、容易に取り外しができる。以上により、全外周面にメッキ層4が形成された下部端栓2を取得することができる。

0037

上記の各製造方法により取得された被覆管1および下部端栓2を溶接することにより原子炉用制御棒とすることができる。
具体的には、図4に示すように、下部端栓2の挿入部2aを、被覆管1の管端に完全に挿入し、下部端栓2の本体部2bの端面と被覆管1の端面を突き合わせ、密着させる。なお、図4においては、突き合わせの状況がよく分かるように、便宜上、下部端栓2の本体部2bの端面と被覆管1の端面との密着部を、離れた状態で示してある。また同様に、挿入、密着された下部端栓2の挿入部2aと被覆管1の内壁とを、離れた状態で示してある。

0038

次いで、下部端栓2と被覆管1の突き合わせ個所周方向TIG溶接して被覆管1を密封する。溶接ビード部や溶接により生じたバリ等は、研磨で取り去って表面を平坦かつ溶接個所の外径を非溶接部の外径以下にする。これにより緊急時の炉心挿入の際に、溶接箇所がスムーズな挿入の阻害となることがなくなる。

図面の簡単な説明

0039

本発明に係る原子炉用制御棒の被覆管における一体化工程を示す概略的説明図である。
本発明に係る原子炉用制御棒の被覆管におけるメッキ工程を示す概略的説明図である。
本発明に係る原子炉用制御棒の端栓におけるメッキ工程を示す概略的説明図である。
本発明に係る原子炉用制御棒における溶接前における概略的説明図である。

符号の説明

0040

1被覆管
2 下部端栓
2a 下部端栓の挿入部
2b 下部端栓の本体部
3被覆管メッキ用治具
3a 被覆管メッキ用治具の挿入部
3b 被覆管メッキ用治具の本体部
4メッキ層
5 端栓メッキ用治具

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ