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技術 蒸気発生器の製造方法および固定治具

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 山崎正人香川崇長谷川剛久北村康輔辻本努
出願日 2008年1月18日 (12年5ヶ月経過) 出願番号 2008-009016
公開日 2009年7月30日 (10年10ヶ月経過) 公開番号 2009-168398
状態 特許登録済
技術分野 原子力プラント 蒸気発生一般 蒸気ボイラの細部 一般的な熱交換又は熱伝達装置の細部(3)
主要キーワード 流体励起振動 管支持板 複数整列 乾き蒸気 二次冷却水 一次冷却水 管群外筒 蒸気排出口
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年7月30日)のものです。
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図面 (18)

課題

止部材伝熱管との好適な間隔を得ると共に、振止部材を伝熱管に対して好適な位置で容易に保持すること。

解決手段

伝熱管5を水平に積層した間の所定位置に振止部材14を挿入する。次に、水平に積層された伝熱管5の間の所定位置に挿入した振止部材14の端部と、最も大きい径の外側の伝熱管5とを、仮止具により結束して振止部材14を伝熱管5に対して仮止めする。次に、全ての伝熱管5の積層および振止部材14の挿入および仮止めが終了した後、水平に積層された伝熱管5を縦に起こした形態に伝熱管5を90度回転させる。次に、伝熱管5を回転させた後、仮止具によって仮止めされている振止部材14の突出した端部を固定治具19により伝熱管5に対して固定する。次に、固定治具19により固定されている各振止部材14に対し、その端部の溶接部を相互に連結する態様で、伝熱管5に取り付けられる保持部材を該溶接部に溶接する。

概要

背景

蒸気発生器は、U字形状伝熱管複数整列されたものである。この蒸気発生器では、伝熱管内流体が流れる際のU字形状の円弧部での流体励起振動を防ぐため、振止部材が用いられている。振止部材は、円弧部において伝熱管の間に挿入されたほぼV字形状のものである。そして、十分な防振性能を得るため、ほぼV字形状の振止部材の内側に、さらにほぼV字形状の振止部材を挿入したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

このような振止部材は、水平に積層された伝熱管に対し、ほぼV字形状の屈曲部が伝熱管の間の所定位置に挿入され、かつ伝熱管の円弧部の外側にほぼV字形状の両端部が突出される。その後、振止部材は、それぞれの端部同士を連結する態様で保持部材溶接され、さらにその後、伝熱管における最外周とその内側との間に取付部が挿入され、該取付部の両端と保持部材とが溶接されて蒸気発生器に対して保持される。

特開昭61−291896号公報

概要

振止部材と伝熱管との好適な間隔を得ると共に、振止部材を伝熱管に対して好適な位置で容易に保持すること。伝熱管5を水平に積層した間の所定位置に振止部材14を挿入する。次に、水平に積層された伝熱管5の間の所定位置に挿入した振止部材14の端部と、最も大きい径の外側の伝熱管5とを、仮止具により結束して振止部材14を伝熱管5に対して仮止めする。次に、全ての伝熱管5の積層および振止部材14の挿入および仮止めが終了した後、水平に積層された伝熱管5を縦に起こした形態に伝熱管5を90度回転させる。次に、伝熱管5を回転させた後、仮止具によって仮止めされている振止部材14の突出した端部を固定治具19により伝熱管5に対して固定する。次に、固定治具19により固定されている各振止部材14に対し、その端部の溶接部を相互に連結する態様で、伝熱管5に取り付けられる保持部材を該溶接部に溶接する。

目的

本発明は上述した課題を解決するものであり、振止部材と伝熱管との好適な間隔を得ると共に、振止部材を伝熱管に対して好適な位置で容易に保持することのできる蒸気発生器の製造方法および固定治具を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

水平に積層された伝熱管の間の所定位置に振止部材を挿入し、かつ前記振止部材を前記伝熱管に対して仮止めする工程と、水平に積層された前記伝熱管を起こした形態に回転させる工程と、仮止めされている前記振止部材を固定治具により前記伝熱管に対して固定する工程と、前記固定治具にて固定されている各前記振止部材を相互に連結する態様で前記伝熱管に取り付けられる保持部材を前記振止部材に溶接する工程とを含むことを特徴とする蒸気発生器の製造方法。

請求項2

積層された伝熱管の間の所定位置に振止部材を挿入して成る蒸気発生器を製造する際に用いられる固定治具であって、前記伝熱管の間の所定位置に前記振止部材が挿入された形態で前記伝熱管に固定される固定部と、前記固定部に取り付けられ、前記伝熱管の間から突出された前記振止部材の端部を挟持する挟持部とを備えたことを特徴とする固定治具。

請求項3

前記伝熱管は円弧部を有し、前記振止部材は前記伝熱管の円弧部に配置されるもので、前記固定部と前記挟持部とは、前記伝熱管の円弧部の円弧に合わせて相対的に回転可能に結合されていることを特徴とする請求項2に記載の固定治具。

請求項4

前記挟持部は、前記振止部材の端部を挟持する対向する一対の挟部を有し、一方の前記挟部が前記固定部に取り付けられ、他方の前記挟部が一方の前記挟部に対して着脱可能に設けられており、かつ他方の前記挟部が可撓性を有した連結部材により前記固定部もしくは一方の前記挟部に連結されていることを特徴とする請求項2または3に記載の固定治具。

技術分野

0001

本発明は、例えば、積層された伝熱管の間の所定位置に振止部材を挿入して成る蒸気発生器の製造方法、および蒸気発生器を製造する際に振止部材を固定するために用いられる固定治具に関するものである。

背景技術

0002

蒸気発生器は、U字形状の伝熱管が複数整列されたものである。この蒸気発生器では、伝熱管内流体が流れる際のU字形状の円弧部での流体励起振動を防ぐため、振止部材が用いられている。振止部材は、円弧部において伝熱管の間に挿入されたほぼV字形状のものである。そして、十分な防振性能を得るため、ほぼV字形状の振止部材の内側に、さらにほぼV字形状の振止部材を挿入したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

このような振止部材は、水平に積層された伝熱管に対し、ほぼV字形状の屈曲部が伝熱管の間の所定位置に挿入され、かつ伝熱管の円弧部の外側にほぼV字形状の両端部が突出される。その後、振止部材は、それぞれの端部同士を連結する態様で保持部材溶接され、さらにその後、伝熱管における最外周とその内側との間に取付部が挿入され、該取付部の両端と保持部材とが溶接されて蒸気発生器に対して保持される。

0004

特開昭61−291896号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、伝熱管は、その外径から熱交換するのに適した相互の間隔が求められる。そして、振止部材は、伝熱管との間に、各伝熱管相互の間隔から求められた極小の隙間を空けて設けられることが防振効果を得る上で好ましい。さらに、振止部材は、上述したように、防振性能を得る上で伝熱管の所定位置にほぼV字形状の屈曲部が配置される。

0006

しかしながら、水平に積層された伝熱管の間に挿入された振止部材に保持部材を溶接する蒸気発生器の製造方法では、以下の問題がある。

0007

伝熱管が水平に積層されたままの形態では、振止部材と伝熱管との間の隙間が伝熱管の自重により潰されて得ることができない。そこで、水平に積層された伝熱管を90度回転させて起こした形態として伝熱管の自重が振止部材に作用しないようにすれば振止部材と伝熱管との間に間隔が得られることになる。ところが、伝熱管を90度回転させた形態では、振止部材の位置が変化しやすくなり、伝熱管の所定位置に振止部材の屈曲部を配置させることができない。特に、特許文献1に示す振止部材の配置では、ほぼV字形状の振止部材の内側に、さらにほぼV字形状の振止部材を挿入した構成であるため、内側の振止部材の位置が変化しやすく問題が顕著にあらわれる。

0008

本発明は上述した課題を解決するものであり、振止部材と伝熱管との好適な間隔を得ると共に、振止部材を伝熱管に対して好適な位置で容易に保持することのできる蒸気発生器の製造方法および固定治具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述の目的を達成するために、本発明の蒸気発生器の製造方法では、水平に積層された伝熱管の間の所定位置に振止部材を挿入し、かつ前記振止部材を前記伝熱管に対して仮止めする工程と、水平に積層された前記伝熱管を起こした形態に回転させる工程と、仮止めされている前記振止部材を固定治具により前記伝熱管に対して固定する工程と、前記固定治具にて固定されている各前記振止部材を相互に連結する態様で前記伝熱管に取り付けられる保持部材を前記振止部材に溶接する工程とを含むことを特徴とする。

0010

この蒸気発生器の製造方法は、水平に積層された伝熱管の間に振止部材を挿入することで、伝熱管の間の所定位置に振止部材を容易に配置できる。そして、水平に積層された伝熱管を起こした形態に回転させることで、振止部材に作用する伝熱管の自重を除き、振止部材と伝熱管との間に間隔を空かせることができる。なお、伝熱管を回転させるとき、振止部材を伝熱管に対して仮止めしてあるため、伝熱管に対する振止部材の位置は変化しない。そして、仮止めされている振止部材を固定治具により伝熱管に対して固定することで、振止部材と伝熱管との間の間隔を所定間隔として、この所定間隔を維持できる。そして、固定治具にて固定されている各振止部材を相互に連結する態様で前記伝熱管に取り付けられる保持部材を前記振止部材に溶接することで、振止部材を、伝熱管の間の所定位置で、かつ伝熱管との間隔を所定間隔とした形態で保持部材により保持できる。この結果、振止部材と伝熱管とを好適な間隔とし、かつ振止部材を伝熱管に対して好適な位置にて容易に保持できる。

0011

上述の目的を達成するために、本発明の固定治具では、積層された伝熱管の間の所定位置に振止部材を挿入して成る蒸気発生器を製造する際に用いられる固定治具であって、前記伝熱管の間の所定位置に前記振止部材が挿入された形態で前記伝熱管に固定される固定部と、前記固定部に取り付けられ、前記伝熱管の間から突出された前記振止部材の端部を挟持する挟持部とを備えたことを特徴とする。

0012

この固定治具によれば、振止部材の突出した端部が伝熱管に対して固定される。そして、伝熱管に固定された振止部材は、伝熱管の間の所定位置で、かつ伝熱管との間の間隔を所定間隔とされて配置される。この結果、振止部材と伝熱管とを好適な間隔とし、かつ振止部材を伝熱管に対して好適な位置にて容易に保持できる。

0013

また、本発明の固定治具では、前記伝熱管は円弧部を有し、前記振止部材は前記伝熱管の円弧部に配置されるもので、前記固定部と前記挟持部とは、前記伝熱管の円弧部の円弧に合わせて相対的に回転可能に結合されていることを特徴とする。

0014

この固定治具は、固定部と挟持部とが、相対的に回転可能に設けられているため、伝熱管の円弧部の円弧に合わせて固定部と挟持部とが相対的に回転して、振止部材を伝熱管に対して好適な位置にて保持できる。しかも、伝熱管の円弧部の円弧に対して振止部材の端部の突出する方向は変わるが、この変化に対応して固定部と挟持部とが相対的に回転するので、どの位置であっても振止部材を伝熱管に対して好適な位置にて保持できる。

0015

また、本発明の固定治具では、前記挟持部は、前記振止部材の端部を挟持する対向する一対の挟部を有し、一方の前記挟部が前記固定部に取り付けられ、他方の前記挟部が一方の前記挟部に対して着脱可能に設けられており、かつ他方の前記挟部が可撓性を有した連結部材により前記固定部もしくは一方の前記挟部に連結されていることを特徴とする。

0016

この固定治具は、振止部材の突出した端部を伝熱管に固定する際、他方の挟部を一方の挟部から分離しておけば、振止部材を挟持する作業が容易に行える。しかも、連結部材により他方の挟部が固定部もしくは一方の挟部に連結されているので、分離した他方の挟部を落としたり、紛失させたりする事態が防げるので作業性の向上が図れる。

発明の効果

0017

本発明によれば、振止部材と伝熱管とを好適な間隔とし、かつ振止部材を伝熱管に対して好適な位置にて容易に保持できる。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下に、本発明に係る蒸気発生器の製造方法および製造用固定治具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。

0019

図1は、本発明の実施例に係る蒸気発生器の概略図である。蒸気発生器1は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる。加圧水型原子炉は、原子炉冷却材および中性子減速材として軽水を使用している。加圧水型原子炉は、軽水を炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水としての一次冷却水を蒸気発生器1に送る。蒸気発生器1では、高温高圧の一次冷却水の熱を二次冷却水に伝え、二次冷却水に水蒸気を発生させる。そして、この水蒸気によりタービン発電機が回されて発電する。

0020

蒸気発生器1は、上下方向に延在され、かつ密閉された中空円筒形状を成し、上半部に対して下半部が若干小径とされた胴部2を有している。胴部2の下半部内には、該胴部2の内壁面と所定間隔をもって配置された円筒形状を成す管群外筒3が設けられている。この管群外筒3は、その下端部が、胴部2の下半部内の下方に配置された管板4まで延設されている。管群外筒3内には、逆U字形状をなす複数の伝熱管5からなる伝熱管群51が設けられている。各伝熱管5は、U字形状の円弧部を上方に向けて配置され、下方に向く端部が管板4に支持されると共に、中間部が複数の管支持板6により支持されている。管支持板6には、多数の貫通孔(図示せず)が形成されており、この貫通孔内に各伝熱管5が非接触状態で貫通されている。

0021

胴部2の下端部には、水室7が設けられている。水室7は、内部が隔壁8により入室71と出室72とに区画されている。入室71には、各伝熱管5の一端部が連通され、出室72には、各伝熱管5の他端部が連通されている。また、入室71には、胴部2の外部に通じる入口ノズル711が形成され、出室72には、胴部2の外部に通じる出口ノズル721が形成されている。そして、入口ノズル711には、加圧水型原子炉から一次冷却水が送られる冷却水配管(図示せず)が連結される一方、出口ノズル721には、熱交換された後の一次冷却水を加圧水型原子炉に送る冷却水配管(図示せず)が連結される。

0022

胴部2の上半部には、給水を蒸気熱水とに分離する気水分離器9、および分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器10が設けられている。気水分離器9と伝熱管群51との間には、外部から胴部2内に二次冷却水の給水を行う給水管11が挿入されている。さらに、胴部2の上端部には、蒸気排出口12が形成されている。また、胴部2の下半部内には、給水管11からこの胴部2内に給水された二次冷却水を、胴部2と管群外筒3との間を流下させて管板4にて折り返えさせ、伝熱管群51に沿って上昇させる給水路13が設けられている。なお、蒸気排出口12には、タービンに蒸気を送る冷却水配管(図示せず)が連結され、給水管11には、タービンで使用された蒸気が復水器(図示せず)で冷却された二次冷却水を供給するための冷却水配管(図示せず)が連結される。

0023

このような蒸気発生器1では、加圧水型原子炉で加熱された一次冷却水は、入室71に送られ、多数の伝熱管5内を通って循環して出室72に至る。一方、復水器で冷却された二次冷却水は、給水管11に送られ、胴部2内の給水路13を通って伝熱管群51に沿って上昇する。このとき、胴部2内で、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われる。そして、冷やされた一次冷却水は出室72から加圧水型原子炉に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部2内を上昇し、気水分離器9で蒸気と熱水とに分離される。そして、分離された蒸気は、湿分分離器10で湿分を除去されてからタービンに送られる。

0024

このように構成された蒸気発生器1において、一次冷却水が各伝熱管5内を通過する際、逆U字形状の円弧部にて流体励起振動が発生する。そこで、伝熱管5の円弧部には、振止部材が設けられている。図2は、伝熱管群の平面視概略図、図3は、図2のA−A断面図である。

0025

伝熱管群51の上端部には、上述したように伝熱管5の逆U字形状の円弧部が配置されている。図3に示すように伝熱管5は、外側(上側)に向けて円弧部の径が大きなものを配列し、かつ該配列したものを重ねつつ径を変えることで、伝熱管群51の上端部を半球形状に形成している。そして、振止部材14は、重ねられた伝熱管5の列の間に挿入されている。振止部材14は、矩形断面を成し、ほぼV字形状に形成され、重ねられた各伝熱管の列における同径の部位(所定位置)に屈曲部が配置され、かつ、最も大きい径の伝熱管5の円弧部の外側に両端部が突出されている。このため、振止部材14の端部は、伝熱管群51の円弧に沿って一列に並んで配置される。また、振止部材14は、大きいほぼV字形状のものの内側に小さいV字形状のものが配置されて対を成し、この対が伝熱管5の半円部分に3つ配置されている。さらに、振止部材14は、重ねられた伝熱管5の列の間に挿入されている部分が、振動を抑止するのに好ましい材料(例えば、SUS405)で形成されている。また、伝熱管5の円弧部の外側に突出されている両端部には、溶接に好適な材料(例えば、インコネル690)で形成された溶接部15が設けられている。

0026

振止部材14の溶接部15には、図2および図3に示すように保持部材16が溶接されている。保持部材16は、伝熱管群51の半球状の外周に沿って取り付けられた棒状のもので、最外周の伝熱管5とその内側の伝熱管5との間に挿入された略コ字形状の取付部17の両端に溶接されることで伝熱管群51に取り付けられている。このように、振止部材14が、伝熱管5の間の所定位置に挿入された形態で前記伝熱管群51に配設されている。

0027

上述した蒸気発生器1を製造するにあたり、伝熱管群51に振止部材14を配設するには、図4に示すように、伝熱管5を水平に積層し、その間の所定位置に振止部材14を挿入する。そして、水平に積層された伝熱管5の間の所定位置に挿入した振止部材14の端部と、最も大きい径の外側の伝熱管5とを、たとえば結束バンドなどの仮止具18によって結束することで、振止部材14を伝熱管5(伝熱管群51)に対して仮止めする。そして、全ての伝熱管5の積層および振止部材14の挿入および仮止めが終了した後、水平に積層された伝熱管5を縦に起こした形態に、図3に示す中心線Sを中心に伝熱管群51を90度回転させる。そして、図5に示すように、伝熱管群51を回転させた後、仮止具18によって仮止めされている振止部材14の突出した端部を固定治具19により伝熱管5に対して固定し、伝熱管5と振止部材14との間隔を所定間隔(例えば、0.03mm)に維持する。その後、固定治具19により固定されている各振止部材14の一列に並ぶ溶接部15を相互に連結する態様で、保持部材16を該溶接部15に溶接する。さらにその後、伝熱管5(伝熱管群51)における最外周とその内側との間に取付部17を挿入し、該取付部17の両端と保持部材16とを溶接する。

0028

なお、振止部材14を固定治具19により伝熱管5に対して固定する場合、振止部材14の一方の端部のみ固定すれば良い。そして、固定治具19により振止部材14を伝熱管5に固定した後、溶接部15に保持部材16を溶接する場合、固定治具19で固定されていない振止部材14の他方の端部の相互間にスペーサ(図示せず)を介在させ、かつクランプ(図示せず)により相互の振止部材14の他方の端部の溶接部15を挟んで、伝熱管5と振止部材14との所定間隔を維持する。その後、固定治具19で固定されていない振止部材14の他方の端部の溶接部15に保持部材16を溶接する。さらにその後、固定治具19を外し、一方の端部も同様にスペーサおよびクランプを用いて伝熱管5と振止部材14との所定間隔を維持しつつ、その溶接部15に保持部材16を溶接する。

0029

このような蒸気発生器1の製造方法によれば、水平に積層された伝熱管5の間に振止部材14を挿入することで、伝熱管5の間の所定位置に振止部材14を容易に配置できる。そして、水平に積層された伝熱管5を縦に起こした形態に伝熱管群51を90度回転させることで、振止部材14に作用する伝熱管5の自重を除き、振止部材14と伝熱管5との間に間隔を空かせることができる。なお、伝熱管群51を回転させるとき、仮止具18により振止部材14を伝熱管5に対して仮止めしてあるため、伝熱管5に対する振止部材14の位置は変化しない。そして、仮止具18によって仮止めされている振止部材14を固定治具19により伝熱管5に対して固定することで、振止部材14と伝熱管5との間の間隔を所定間隔(例えば、0.03mm)として、この所定間隔を維持できる。そして、固定治具19により固定されている各振止部材14の一列に並ぶ溶接部15を相互に連結する態様で保持部材16を該溶接部15に溶接し、その後、伝熱管5における最外周とその内側との間に取付部17を挿入し、該取付部17の両端と保持部材16とを溶接することで、振止部材14を、伝熱管5の間の所定位置で、かつ伝熱管5との間隔を所定間隔とした形態で保持部材16により保持できる。この結果、振止部材14と伝熱管5とを好適な間隔とし、かつ振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて容易に保持できる。

0030

なお、伝熱管5を水平に積層する工程は、円弧部の径が大きなものが外側に向けて配列された伝熱管5の列を構成し、この伝熱管5の列を水平にして積み重ねることである。また、水平に積層された伝熱管5を起こした形態にする工程は、水平にして積み重ねられた伝熱管5の列が鉛直な形態で水平に並ぶように向きを変えることである。この場合、上述したように図3に示す中心線Sを中心に伝熱管群51を90度回転させることが好ましいが、その中心は中心線Sに平行するものであればよい。また、その回転は、振止部材14に作用する伝熱管5の自重が除けられるように90度に近ければよい。

0031

以下、固定治具の詳細について説明する。図6は、固定治具の側面視構成図、図7は、固定治具の平面視構成図、図8は、固定治具の正面視構成図、図9は、固定治具の使用状態の側面視構成図、図10は、固定治具の使用状態の平面視構成図、図11は、固定治具の使用状態の正面視構成図である。

0032

固定治具19は、固定部20と挟持部21とを備えている。固定部20は、伝熱管5に固定されるものである。固定部20は、伝熱管5の断面円形状の外周面の一部に沿って形成され、かつ伝熱管5の相反する外周面にそれぞれ当接する当接面201aが形成され、該当接面201aが互いに対向する一対のハンド201を有している。各ハンド201は、可撓性を有する各アーム202を介して固定部20のベース203に一体に形成され、各アーム202の撓みにより相互に近接・離隔するように設けられている。各アーム202には、固定ボルト204が挿通されている。そして、固定ボルト204を締めることで各ハンド201が相互に近接する。一方、固定ボルト204を緩めることで各ハンド201が相互に離隔する。なお、一対のハンド201、アーム202および固定ボルト204は、固定される伝熱管5の延在方向に沿い、ベース203に2つ設けられている。

0033

挟持部21は、伝熱管5の間から突出された振止部材14の端部を挟持するものである。挟持部21は、振止部材14の矩形断面の角部を含む外周面の一部に沿って形成され、かつ振止部材14の相反する外周面にそれぞれ当接する当接面211aが形成され、該当接面211aが互いに対向する一対の挟部211を有している。各挟部211は、それぞれ別体で形成され、相互に近接・離隔するように調整ボルト212により連結されている。すなわち、調整ボルト212を締めることで各挟部211が相互に近接する。一方、調整ボルト212を緩めることで各挟部211が相互に離隔する。また、調整ボルト212をさらに緩めることで各挟部211が相互に分離する。すなわち、各挟部211は着脱可能に設けられている。この挟持部21は、一方の挟部211が、固定部20のベース203に対し、回転軸213を介して取り付けられている。回転軸213は、その軸心が、固定部20が固定される伝熱管5に直交して配置されている(図9図11参照)。このため、固定部20と挟持部21とが、回転軸213の軸心を中心として相対的に回転可能に設けられている。さらに、挟持部21は、他方の挟部211が、固定部20(もしくは一方の挟部211)に対して可撓性を有したワイヤなどの連結部材22により連結されている。なお、図6図11に示す挟持部21は、対をなす当接面211aが、固定部20が固定される伝熱管5を中心にして2つ並設されている(図10および図11参照)。

0034

この固定治具19は、上述した蒸気発生器1の製造方法で、仮止具18によって仮止めされている振止部材14の突出した端部を固定治具19により伝熱管5に対して固定する工程で用いられる。具体的に固定治具19により振止部材14の突出した端部を伝熱管5に対して固定する手順は、まず、挟持部21の一方の挟部211と他方の挟部211とを分離した形態とし、固定部20の各ハンド201の当接面201aの間で、伝熱管5を掴むように固定ボルト204を締めて固定部20を伝熱管5にセットする。このとき、固定部20が伝熱管5に沿ってスライド移動できる程度に固定ボルト204を締める。また、他方の挟部211は連結部材22によって固定部20側に繋がっている。次に、固定部20をスライド移動させて一方の挟部211の当接面211aを振止部材14に当接させると共に、他方の挟部211を一方の挟部211に着ける。そして、調整ボルト212を締めて各挟部211で振止部材14を挟持する。次に、固定ボルト204を締めて固定部20を伝熱管5に固定する。

0035

このような蒸気発生器1の製造用の固定治具19は、図9図11に示すように、振止部材14の突出した端部が伝熱管5に対して固定される。この固定治具19は、挟持部21の対をなす当接面211aが、固定部20が固定される伝熱管5を中心にして2つ並設されている。このため、1つの伝熱管5に対して2つの振止部材14が固定される。そして、伝熱管5に固定された振止部材14は、伝熱管5の間の所定位置で、かつ伝熱管5との間の間隔を所定間隔(例えば、0.03mm)とされて配置される。この結果、水平に積層された伝熱管5を縦に起こした形態に伝熱管群51を90度回転させた形態で、振止部材14と伝熱管5とを好適な間隔とし、かつ振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて容易に保持できる。

0036

また、固定治具19は、挟持部21の対をなす当接面211aが、固定部20が固定される伝熱管5を中心にして2つ並設されているから、1つの伝熱管5に対して振止部材14の2つの端部をまとめて固定でき、固定治具19の使用個数を減らせる。

0037

また、固定治具19は、固定部20と挟持部21とが、回転軸213の軸心を中心として相対的に回転可能に設けられているため、図9に示すように伝熱管5の円弧部の円弧に合わせて固定部20と挟持部21とが相対的に回転して、振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて保持できる。しかも、伝熱管5の円弧部の円弧に対して振止部材14の端部の突出する方向は変わるが、この変化に対応して固定部20と挟持部21とが相対的に回転するので、どの位置であっても振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて保持できる。

0038

また、固定治具19は、挟持部21の各挟部211が着脱可能に設けられ、他方の挟部211が、固定部20(もしくは一方の挟部211)に対して可撓性を有したワイヤなどの連結部材22により連結されている。このため、固定治具19により振止部材14の突出した端部を伝熱管5に固定する際、他方の挟部211を一方の挟部211から分離しておけば、振止部材14を挟持する作業が容易に行え、かつ分離した他方の挟部211を落としたり、紛失させたりする事態が防げるので作業性の向上が図れる。

0039

以下、他の固定治具の詳細について説明する。図12は、他の固定治具の側面視構成図、図13は、他の固定治具の平面視構成図、図14は、他の固定治具の正面視構成図、図15は、他の固定治具の使用状態の側面視構成図、図16は、他の固定治具の使用状態の平面視構成図、図17は、他の固定治具の使用状態の正面視構成図である。

0040

この他の固定治具19’は、固定部20と挟持部21とを備えている。固定部20は、伝熱管5に固定されるものである。固定部20は、伝熱管5の断面円形状の外周面の一部に沿って形成され、かつ伝熱管5の相反する外周面にそれぞれ当接する当接面201aが形成され、該当接面201aが互いに対向する一対のハンド201を有している。各ハンド201は、可撓性を有する各アーム202を介して固定部20のベース203に一体に形成され、各アーム202の撓みにより相互に近接・離隔するように設けられている。各アーム202には、固定ボルト204が挿通されている。そして、固定ボルト204を締めることで各ハンド201が相互に近接する。一方、固定ボルト204を緩めることで各ハンド201が相互に離隔する。なお、一対のハンド201、アーム202および固定ボルト204は、固定される伝熱管5の延在方向に沿い、ベース203に2つ設けられている。

0041

挟持部21は、伝熱管5の間から突出された振止部材14の端部を挟持するものである。挟持部21は、振止部材14の矩形断面の角部を含む外周面の一部に沿って形成され、かつ振止部材14の相反する外周面にそれぞれ当接する当接面211aが形成され、該当接面211aが互いに対向する一対の挟部211を有している。各挟部211は、それぞれ別体で形成され、相互に近接・離隔するように調整ボルト212により連結されている。すなわち、調整ボルト212を締めることで各挟部211が相互に近接する。一方、調整ボルト212を緩めることで各挟部211が相互に離隔する。また、調整ボルト212をさらに緩めることで各挟部211が相互に分離するように、各挟部211を着脱可能に構成してもよい。この挟持部21は、一方の挟部211が、固定部20のベース203に対し、回転軸213を介して取り付けられている。回転軸213は、その軸心が、固定部20が固定される伝熱管5に直交して配置されている(図15図17参照)。このため、固定部20と挟持部21とが、回転軸213の軸心を中心として相対的に回転可能に設けられている。なお、挟持部21の各挟部211を着脱可能に構成した場合、図6で示す固定治具19と同様に、他方の挟部211が、固定部20(もしくは一方の挟部211)に対して可撓性を有したワイヤなどの連結部材22により連結される。

0042

この固定治具19’は、上述した蒸気発生器1の製造方法で、仮止具18によって仮止めされている振止部材14の突出した端部を固定治具19’により伝熱管5に対して固定する工程で用いられる。具体的に固定治具19’により振止部材14の突出した端部を伝熱管5に対して固定する手順は、まず、挟持部21の一方の挟部211と他方の挟部211とを離隔した形態とし、これらの間に振止部材14の端部を差し込むと共に、固定部20の各ハンド201の当接面201aの間で、伝熱管5を掴むように固定ボルト204を締めて固定部20を伝熱管5にセットする。このとき、固定部20が伝熱管5に沿ってスライド移動できる程度に固定ボルト204を締める。次に、調整ボルト212を締めて各挟部211で振止部材14を挟持する。このとき、固定部20が伝熱管5に沿ってスライド移動する。次に、固定ボルト204を締めて固定部20を伝熱管5に固定する。

0043

このような蒸気発生器1の製造用の固定治具19’は、図15図17に示すように、振止部材14の突出した端部が伝熱管5に対して固定される。そして、伝熱管5に固定された振止部材14は、伝熱管5の間の所定位置で、かつ伝熱管5との間の間隔を所定間隔(例えば、0.03mm)とされて配置される。この結果、水平に積層された伝熱管5を縦に起こした形態に伝熱管群51を90度回転させた形態で、振止部材14と伝熱管5とを好適な間隔とし、かつ振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて容易に保持できる。

0044

また、固定治具19’は、固定部20と挟持部21とが、回転軸213の軸心を中心として相対的に回転可能に設けられているため、図15に示すように伝熱管5の円弧部の円弧に合わせて固定部20と挟持部21とが相対的に回転して、振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて保持できる。しかも、伝熱管5の円弧部の円弧に対して振止部材14の端部の突出する方向は変わるが、この変化に対応して固定部20と挟持部21とが相対的に回転するので、どの位置であっても振止部材14を伝熱管5に対して好適な位置にて保持できる。

0045

また、固定治具19’は、挟持部21の各挟部211が着脱可能に設けられ、他方の挟部211が、固定部20(もしくは一方の挟部211)に対して可撓性を有したワイヤなどの連結部材22により連結されている構成としてもよい。この場合、固定治具19’により振止部材14の突出した端部を伝熱管5に固定する際、他方の挟部211を一方の挟部211から分離しておけば、振止部材14を挟持する作業が容易に行え、かつ分離した他方の挟部211を落としたり、紛失させたりする事態が防げるので作業性の向上が図れる。

0046

以上のように、本発明に係る蒸気発生器の製造方法および固定治具は、振止部材と伝熱管との好適な間隔を得ると共に、振止部材を伝熱管に対して好適な位置で容易に保持することに適している。

図面の簡単な説明

0047

本発明の実施例に係る蒸気発生器の概略図である。
伝熱管群の平面視概略図である。
図2のA−A断面図である。
蒸気発生器の製造方法を示す工程図である。
蒸気発生器の製造方法を示す工程図である。
固定治具の側面視構成図である。
固定治具の平面視構成図である。
固定治具の正面視構成図である。
固定治具の使用状態の側面視構成図である。
固定治具の使用状態の平面視構成図である。
固定治具の使用状態の正面視構成図である。
他の固定治具の側面視構成図である。
他の固定治具の平面視構成図である。
他の固定治具の正面視構成図である。
他の固定治具の使用状態の側面視構成図である。
他の固定治具の使用状態の平面視構成図である。
他の固定治具の使用状態の正面視構成図である。

符号の説明

0048

1蒸気発生器
5伝熱管
51伝熱管群
14 振止部材
15溶接部
16保持部材
18 仮止具
19,19’固定治具
20 固定部
201ハンド
201a 当接面
202アーム
203ベース
204固定ボルト
21 挟持部
211 挟部
211a 当接面
212調整ボルト
213回転軸
22 連結部材

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