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技術 真空断熱材および真空断熱材を壁に適用した建物

出願人 パナソニック株式会社
発明者 堀端文枝
出願日 2008年1月15日 (12年1ヶ月経過) 出願番号 2008-005357
公開日 2009年7月30日 (10年6ヶ月経過) 公開番号 2009-168091
状態 未査定
技術分野 建築環境 熱絶縁
主要キーワード 熱溶着樹脂 微細空間 気体吸着剤 成形強度 酸化カルシウム粒子 保冷ボックス 連続気泡体 ロールプレス後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年7月30日)のものです。
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図面 (8)

課題

伝熱面の平面性の高い薄型真空断熱材を提供する。

解決手段

少なくとも、相対する2つの伝熱面を有する板状の芯材4と、気体吸着する粒状の吸着物質と前記吸着物質の凝集を抑制する働きを有する流動改質剤とを略均一に分散させた混合物8、混合物8覆う通気性を有する包材6、芯材4包材6を覆うガスバリア性を有する外被材7を備え、外被材7部を減圧密封してなる真空断熱材1おいて、包材6芯材4の熱面と外被材7の間に配置されていることにより、薄型の真空断熱材1の平面性を確保できる。

概要

背景

近年、地球環境問題である温暖化対策として、家電製品設備機器並びに住宅などの建物省エネルギー化推進する動き活発となっており、薄型で優れた断熱効果を有する真空断熱材が求められている。

真空断熱材とは、グラスウールシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外被材で覆い、外被材の内部を減圧密封したものである。

また、真空断熱材は、その優れた断熱効果を長期にわたって維持する為に、真空断熱材へ浸入する水蒸気ガスを除去する水分吸着剤気体吸着剤が、芯材とともに減圧密封されている。

薄型の真空断熱材を得るためには、芯材はもちろんのこと、真空断熱材内に封入される水分吸着剤および気体吸着剤の薄型化が必須である。

真空断熱材に使用する水分吸着剤や気体吸着剤とは、通常、粒状の吸着物質通気性を有する包材内充填させたものである。このような吸着剤は、包材単位面積当たりにおける吸着物質の充填量を調整することによって薄型化が可能であるが、粒子の大きさや形状に起因する凹凸が真空断熱材の吸着剤配置部に発生する。

このような凹凸は鋭くっているため、粒子の突刺しにより、外被材が傷つく可能性が高い。また、包材内の吸着物質は、取り扱い時に吸着物質の自重のなどにより包材内部を移動する場合が考えられるが、このとき粒子同士の凝集および粒子の包材への付着により、包材内で吸着物質粒子の偏りが起こる。この現象は、吸着物質の粒子が微細であるほど顕著にみられ、吸着剤を均一な厚みに戻すことは容易でない。

これまでは、例えばグラスウールなどの繊維状物質からなる芯材の場合、芯材を厚さ方向に対して芯材を水平に分割し、その間に吸着剤を配置することで、吸着剤に起因する真空断熱材表面の凹凸を緩和する手段をとっていた。

しかしながら、真空断熱材の薄型化に伴って芯材も薄型化する為、芯材を分割することが困難となる。その他、発泡体粉末からなる芯材の場合に、芯材内に吸着剤を埋め込むという方法も考えられるが、吸着剤を埋め込んだ場所は、吸着剤の厚み分だけ断熱効果が低下してしまうという欠点がある。

芯材が薄型化すると、この部分的な断熱効果の低下が顕著になり、一様な断熱性能が得られない。よって、吸着剤は、芯材の伝熱面と外被材との間に配置する必要があるが、吸着剤と外被材が接触することから、吸着剤の凹凸がそのまま真空断熱材の表面に現れてしまうことになり、吸着剤の厚みや凹凸が薄型の真空断熱材の平面性へ及ぼす影響が大きくなる。

真空断熱材の伝熱面に凹凸が生じて平面性が損なわれると、真空断熱材と対象物との間に空間が発生するため断熱効果が著しく低下する。加えて、前述の通り、外被材が傷つきやすくなる。

以上のことから、真空断熱材の薄型化には、吸着剤の薄型化および平坦化が課題であった。

この課題を解決するために、樹脂連続気泡発泡体と、熱プレスによって板状に成形したガス吸着剤とを積層した真空断熱材が報告されている(例えば、特許文献1参照)。

図7は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材の断面図である。この真空断熱材1は、樹脂連続気泡発泡体2と吸着物質3とを板状に成形するとともに、これらの樹脂連続気泡発泡体2と吸着物質3の複数を交互に積層したものである。これにより、樹脂連続発泡体や吸着剤のいずれが最外面に位置していても、これらが板状に形成されているため、真空断熱材の平面性が確保できるとされている。
特開平8−159373号公報

概要

伝熱面の平面性の高い薄型の真空断熱材を提供する。 少なくとも、相対する2つの伝熱面を有する板状の芯材4と、気体吸着する粒状の吸着物質と前記吸着物質の凝集を抑制する働きを有する流動改質剤とを略均一に分散させた混合物8、混合物8覆う通気性を有する包材6、芯材4包材6を覆うガスバリア性を有する外被材7を備え、外被材7部を減圧密封してなる真空断熱材1おいて、包材6芯材4の熱面と外被材7の間に配置されていることにより、薄型の真空断熱材1の平面性を確保できる。

目的

本発明では、上記従来の課題を解決するものであり、薄型かつ平面性の高い、吸着剤を用いた真空断熱材を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

少なくとも、相対する2つの伝熱面を有する板状の芯材と、気体吸着する粒状の吸着物質と前記吸着物質の凝集を抑制する働きを有する流動改質剤とを略均一に分散させた混合物と、前記混合物を覆う通気性を有する包材と、前記芯材と前記包材とを覆うガスバリア性を有する外被材とを備え、前記外被材内部を減圧密封してなる真空断熱材において、前記包材が前記芯材の伝熱面と前記外被材との間に配置されていることを特徴とする真空断熱材。

請求項2

吸着物質の粒子径が、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。

請求項3

吸着物質が、少なくとも酸化カルシウムまたはゼオライトを含む請求項1または請求項2に記載の真空断熱材。

請求項4

包材の最内層が、導電性を有していることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の真空断熱材。

請求項5

吸着物質と流動改質剤との混合物が、包材とともに平板状に圧縮成形されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の真空断熱材。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の真空断熱材を、壁に適用した建物

技術分野

0001

本発明は、真空断熱材に関するものである。

背景技術

0002

近年、地球環境問題である温暖化対策として、家電製品設備機器並びに住宅などの建物省エネルギー化推進する動き活発となっており、薄型で優れた断熱効果を有する真空断熱材が求められている。

0003

真空断熱材とは、グラスウールシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外被材で覆い、外被材の内部を減圧密封したものである。

0004

また、真空断熱材は、その優れた断熱効果を長期にわたって維持する為に、真空断熱材へ浸入する水蒸気ガスを除去する水分吸着剤気体吸着剤が、芯材とともに減圧密封されている。

0005

薄型の真空断熱材を得るためには、芯材はもちろんのこと、真空断熱材内に封入される水分吸着剤および気体吸着剤の薄型化が必須である。

0006

真空断熱材に使用する水分吸着剤や気体吸着剤とは、通常、粒状の吸着物質通気性を有する包材内充填させたものである。このような吸着剤は、包材単位面積当たりにおける吸着物質の充填量を調整することによって薄型化が可能であるが、粒子の大きさや形状に起因する凹凸が真空断熱材の吸着剤配置部に発生する。

0007

このような凹凸は鋭くっているため、粒子の突刺しにより、外被材が傷つく可能性が高い。また、包材内の吸着物質は、取り扱い時に吸着物質の自重のなどにより包材内部を移動する場合が考えられるが、このとき粒子同士の凝集および粒子の包材への付着により、包材内で吸着物質粒子の偏りが起こる。この現象は、吸着物質の粒子が微細であるほど顕著にみられ、吸着剤を均一な厚みに戻すことは容易でない。

0008

これまでは、例えばグラスウールなどの繊維状物質からなる芯材の場合、芯材を厚さ方向に対して芯材を水平に分割し、その間に吸着剤を配置することで、吸着剤に起因する真空断熱材表面の凹凸を緩和する手段をとっていた。

0009

しかしながら、真空断熱材の薄型化に伴って芯材も薄型化する為、芯材を分割することが困難となる。その他、発泡体粉末からなる芯材の場合に、芯材内に吸着剤を埋め込むという方法も考えられるが、吸着剤を埋め込んだ場所は、吸着剤の厚み分だけ断熱効果が低下してしまうという欠点がある。

0010

芯材が薄型化すると、この部分的な断熱効果の低下が顕著になり、一様な断熱性能が得られない。よって、吸着剤は、芯材の伝熱面と外被材との間に配置する必要があるが、吸着剤と外被材が接触することから、吸着剤の凹凸がそのまま真空断熱材の表面に現れてしまうことになり、吸着剤の厚みや凹凸が薄型の真空断熱材の平面性へ及ぼす影響が大きくなる。

0011

真空断熱材の伝熱面に凹凸が生じて平面性が損なわれると、真空断熱材と対象物との間に空間が発生するため断熱効果が著しく低下する。加えて、前述の通り、外被材が傷つきやすくなる。

0012

以上のことから、真空断熱材の薄型化には、吸着剤の薄型化および平坦化が課題であった。

0013

この課題を解決するために、樹脂連続気泡発泡体と、熱プレスによって板状に成形したガス吸着剤とを積層した真空断熱材が報告されている(例えば、特許文献1参照)。

0014

図7は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材の断面図である。この真空断熱材1は、樹脂連続気泡発泡体2と吸着物質3とを板状に成形するとともに、これらの樹脂連続気泡発泡体2と吸着物質3の複数を交互に積層したものである。これにより、樹脂連続発泡体や吸着剤のいずれが最外面に位置していても、これらが板状に形成されているため、真空断熱材の平面性が確保できるとされている。
特開平8−159373号公報

発明が解決しようとする課題

0015

しかしながら、上記特許文献1の構成では、芯材の伝熱面の面積と同じ寸法の吸着剤を積層するため、真空断熱材の全体厚みに占める芯材の厚みが相対的に減少し、薄型の真空断熱材では、その断熱効果が著しく低下する。また、粉末の吸着剤を熱プレスしただけでは機械的強度飛躍的に改善しないため、芯材が冷蔵庫側壁程度の大きさになると、吸着剤の取り扱いの際に吸着剤自身の重みに耐えられず、吸着剤に割れ欠けが生じるため、取り扱いが困難である。この影響は、断熱効果の低下を抑制するために板状の吸着剤を薄くすると、より顕著になる。

0016

また、吸着剤が包材などを介さずに直接空気中のガス・水蒸気に曝されるため、生産現場における吸着剤の管理時や真空断熱材に封入する作業時に吸着剤の失活が起こる。

0017

さらに、吸着剤の面積が芯材の伝熱面の面積と等しく設計する必要があるため、芯材の伝熱面の面積に合わせて吸着剤を作製しなくてはならず、生産効率が悪い。

0018

また、成形した板状の吸着剤を使用すると、成形体の端部が外被材を傷つける可能性がある。

0019

本発明では、上記従来の課題を解決するものであり、薄型かつ平面性の高い、吸着剤を用いた真空断熱材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0020

上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、少なくとも、相対する2つの伝熱面を有する板状の芯材と、気体吸着する粒状の吸着物質と前記吸着物質の凝集を抑制する働きを有する流動改質剤とを略均一に分散させた混合物と、前記混合物を覆う通気性を有する包材と、前記芯材と前記包材とを覆うガスバリア性を有する外被材とを備え、前記外被材内部を減圧密封してなる真空断熱材において、前記包材が前記芯材の伝熱面と前記外被材との間に配置されているものである。

0021

まず、粒状の吸着物質と流動改質剤とを混合し、包材内に充填することによって、粒子径の小さい微細な吸着物質であっても、包材内での粒子同士の凝集および包材への付着が抑制される。

0022

また、吸着物質と流動改質剤との混合物が、包材内に略均一に分散されていることによって、混合物の粒子の偏りによる凹凸が発生しない。

0023

さらに、通気性を有する包材が吸着物質の形状を維持する役割、混合物が直接外被材に接触することを防止する役割、および吸着物質の吸湿速度もしくは気体吸着速度を調整する役割を果たす。加えて、上記の真空断熱材ならば、吸着剤と芯材の寸法を同一にする必要がない。

発明の効果

0024

本発明の真空断熱材は、薄型の吸着剤を作製、使用することにより、薄型の芯材であっても、高い平面性をもつことができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

請求項1に記載の真空断熱材の発明は、少なくとも、相対する2つの伝熱面を有する板状の芯材と、気体を吸着する粒状の吸着物質と前記吸着物質の凝集を抑制する働きを有する流動改質剤とを略均一に分散させた混合物と、前記混合物を覆う通気性を有する包材と、前記芯材と前記包材とを覆うガスバリア性を有する外被材とを備え、前記外被材内部を減圧密封してなる真空断熱材において、前記包材が前記芯材の伝熱面と前記外被材との間に配置されていることを特徴とする真空断熱材である。

0026

これにより、覆われた吸着物質が凝集し偏肉が発生したとしても、吸着物質とともに流動改質剤が混合されているので、混合物の流動性が向上し、包材内での吸着物質同士の凝集および包材への付着を抑制することでき、包材内の混合物を容易に略均一に分散させることができる。これにより、包材内の充填量を調節するだけで、薄型で平坦な吸着剤を作製することができる。

0027

加えて、芯材の伝熱面と外被材の間に配置できることにより、真空断熱材を吸着剤が配置された芯材の伝熱面を高温熱源側に設置すれば、吸着物質の吸着速度を向上させることができ、常に高い真空度を保つ断熱性能の高い真空断熱材を提供が可能となる。

0028

また、包材が吸着剤の取り扱いを容易にし、吸着剤の大きさが芯材の大きさに依らないため、生産効率を維持することができる。

0029

以上これらの効果により、吸着剤を用いた薄型かつ平滑な断熱性能の高い真空断熱材を提供することが可能となる。

0030

なお、流動改質剤の種類は特に指定するものではないが、珪藻土ベントナイトシリカゲル炭酸カルシウム炭酸マグネシウム微粉末シリカカーボンブラックなど、従来公知の流動改質剤が利用できる。

0031

なお、吸着物質と流動改質剤の混合比は、吸着物質および流動改質剤の種類および粒子径に応じて、十分な流動性が得られる混合比を適宜採用すればよいが、吸着物質の粒子表面の略全面を流動改質剤が被覆するために必要最小限の混合比を採用することが望ましい。略全面と記載したのは、吸着物質および流動改質剤の粒子径の関係により、完全に全面を覆うことができるとは限らないことによる。

0032

ここで、略均一とは、吸着物質と流動改質剤との混合物が、真空断熱材の平面性を損なわない程度に平坦にならされている状態を指す。

0033

また、伝熱面とは、板状の芯材で形成される平面のうち、最大の面積を有する面とその対向する面のことを指す。

0034

また、粒状の吸着物質とは、顆粒状や粒状もしくは粉末状の形状をした、水蒸気もしくは気体成分を吸着する性能を有した物質を指す。

0035

また、流動改質剤とは、粒子表面に付着することにより、分子間力静電気力液架橋力による粒子同士の凝集を抑制する材料を指す。

0036

また、吸着剤とは、水蒸気もしくは気体の吸着除去を目的とした、吸着物質を含む材料のことを指す。

0037

また、充填目付量とは、包材の単位面積当たりに充填される、吸着物質と流動改質剤との混合物の重量のことを指す。

0038

次に真空断熱材の構成材料について説明する。

0039

外被材に使用するラミネートフィルムは、最内層熱溶着層とし、中間層にはガスバリア層として金属箔あるいは金属蒸着層金属酸化物蒸着層を有し、最外層には表面保護層を設けたものが適用できる。

0040

なお、熱溶着層としては特に指定するものではないが、低密度ポリエチレンフィルム直鎖低密度ポリエチレンフィルム高密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムポリアクリロニトリルフィルム等の熱可塑性樹脂あるいはそれらの混合体が使用できる。

0041

また、ガスバリア層としては、アルミニウム箔銅箔ステンレス箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムエチレンビニルアルコール共重合体フィルムアルミニウムや銅等の金属原子もしくはアルミナシリカ等の金属酸化物蒸着したフィルムや、金属原子や金属酸化物を蒸着した面にコーティング処理を施したフィルム等が使用できる。

0042

また、表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等従来公知の材料が使用できる。

0043

芯材は、その種類について特に指定するものではないが、気層比率90%前後の多孔体平板状に加工したものであり、ウレタンフォームスチレンフォームフェノールフォームなどの連続気泡体や、グラスウールやロックウールアルミナ繊維シリカアルミナ繊維などの繊維体パーライト湿式シリカ乾式シリカなどの粉体など、従来公知の芯材が利用できる。

0044

吸着剤は、真空包装直後に芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残存水分や、大気から真空断熱材内へ浸入する水蒸気や気体を吸着するために用いられる物質であり、水分吸着剤としては、酸化カルシウム酸化マグネシウム等の化学吸着剤や、ゼオライト、シリカゲル、アロフェン等の物理吸着剤が使用できる。

0045

吸着剤を覆う包材の種類については特に指定するものではないが、ポリプロピレンポリエチレンポリエチレンテレフタレート等の割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着された繊維体や、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂繊維ケミカルボンド方式サーマルボンド方式等従来公知の接合方式によって製造された不織布、またはガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織物微細孔を有する樹脂フィルムシートや紙、もしくはこれらの貼り合わせによって得られた積層体等の、ガス透過性および透湿性を有する従来公知の包材が使用できる。

0046

また、包材の形状については特に指定するものではないが、吸着したい水蒸気やガスの量または吸着剤に求める厚みに応じて、単包品連包品を適宜使用すれば良い。

0047

請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明において、吸着物質の粒子径が、0.5mm以下であることを特徴とするものであり、包材に充填されている混合物の最大粒子径を0.5mm以下とすることにより、包材を芯材の伝熱面と外被材の間に配置しても、真空断熱材の吸着剤配置部に粒子の大きさや形状に起因する凹凸が発生しないため、真空断熱材の伝熱面を平滑に保つことができる。また、吸着剤が外被材を傷つけることがない。

0048

請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、吸着物質が、少なくとも酸化カルシウムまたはゼオライトを含むものである。

0049

酸化カルシウムは、化学的に水分を吸着するため、水蒸気圧の極めて低い環境においても水分を吸着することができる。また、ゼオライトは物理的に水分を吸着するアルミナやシリカゲルと比較して、水蒸気圧の極めて低い環境において水分をより多く吸着することができる。これにより、真空断熱材作製時に残存する水分を吸着し、真空断熱材の初期熱伝導率を低減することが可能であり、また、水蒸気の侵入による熱伝導率経年劣化を抑制することが可能となる。

0050

請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または請求項3に記載の発明において、包材の最内層が、導電性を有していることを特徴としており、包材への吸着剤の付着が抑制されるため、真空断熱材の吸着剤配置部の平面性が確保できる。

0051

ここで、包材の最内層である熱溶着層として用いる導電性樹脂の種類は特に指定するものではないが、導電性直鎖上低密度ポリエチレンなど、従来公知の熱溶着層として使用される導電性樹脂が利用できる。

0052

請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、吸着物質と流動改質剤との混合物が、包材とともに平板状に圧縮成形されていることを特徴としている。

0053

包材に入った状態の粒子および粉末を平面性が高い板状に圧縮すると、混合物が略均一に分散した状態で成形することができ、略均一にならす作業が簡便化される。

0054

また、圧縮時に包材と粒子が密着し、粒子のみを圧縮した場合と比較して圧縮成形部の剛性が向上するため、取り扱いが容易となる。また、吸着剤が成形品であるため、取り扱い時に吸着剤粒子が包材内部で移動し偏よることを抑制し、容易に平面性の高い真空断熱材を提供することができる。また、吸着剤の成形部を覆っている包材が、成形品の端部から外被材を保護する役割を果たす。

0055

請求項6に記載の建物の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の真空断熱材を、壁に適用した建物である。

0056

ポリウレタンポリスチレンなどの発泡断熱材複層する際、平面性の高い真空断熱材を使用することにより、発泡断熱材の流動性を損なわないため、発泡断熱材の未充填部が形成されにくく、断熱効果の高い建物を提供することができる。

0057

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。

0058

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図であり、図2は、図1における真空断熱材を構成している吸着物質3と流動改質剤5との混合物8の拡大模式図である。

0059

図1において、真空断熱材1は、グラスウールからなる板状の芯材4を、通気性を有する包材6に覆われた、粒度分布0.5mm以下の酸化カルシウム粒子からなる吸着物質3と同じく粒度分布0.5mm以下の微粉末シリカからなる流動改質剤5との混合物8とともにガスバリア性を有するラミネートフィルムからなる外被材7で覆い、外被材7の内部を減圧密封したものである。

0060

以上のように構成された真空断熱材について、以下その動作、作用を説明する。

0061

まず、板状の芯材4は、真空断熱材1の骨材として微細空間を形成する役割を果たし、真空排気後の真空断熱材1の断熱部を形成するものである。

0062

吸着物質3は、ガス透過性および水蒸気透過性を有する包材6内に収容されており、真空包装直後に芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残存水分や、真空断熱材内へ浸入する水蒸気や気体を吸着除去する役割を果たすものである。

0063

流動改質剤5は、吸着物質3とともに包材6内に収容されており、吸着物質3の凝集を抑制し、吸着物質3が包材6内において、容易に略均一に分散させる役割を果たしている。

0064

外被材7は、熱可塑性樹脂や金属箔やプラスチックフィルム等をラミネート加工することでバリア性を付与したものであり、真空断熱材内部に空気や水分の浸入を抑制する役割を果たすものである。

0065

包材6は、芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残存水分や大気から真空断熱材内へ浸入する水蒸気や気体を吸着物質3が吸着する速度を一定に保つ役割と吸着物質3の取り扱いを容易にする役割とを果たすものである。

0066

以上のように、本実施の形態においては吸着剤と流動改質剤とが混合されていることにより、包材内部における吸着剤の流動性が向上し、包材内部において、吸着剤を容易に略均一に分散させることができる。このことにより、吸着剤の粒子の偏りが抑制されるため、真空断熱材の平面性が確保できる。

0067

(実施例1)
粒度分布が0.5mm以下である酸化カルシウムとともに、凝集粒子径が5μm〜50μmである微粉末シリカを混合し、撥水処理された耐水和紙およびポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる包材内へ収容することで吸着剤を得た。

0068

このとき、包材への混合物の充填量は、混合物が包材内で略均一に分散した場合に、包材を含めた混合物の厚みが1.5mmとなるようにした。この吸着剤を平坦にならして、グラスウールからなる厚み5mmの芯材とともに、芯材の伝熱面と接触した状態であらかじめ外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。

0069

この真空断熱材における吸着剤配置部の厚みをMitutoyo製デジマチクインジケータID−Cで測定したところ、芯材部の厚み4.8mmに対して、6.3±0.1mmであった。

0070

この真空断熱材をクリアランス4.0mmに設定したローラーを用いて、速度およそ300mm/秒でロールプレスを付与したが、外被材に破れは発生しなかった。また、ロールプレス後に真空断熱材を解体し、外被材の傷をサンコウ電子ピンホール探知器TRS−110で調査したところ、外被材の傷つきは見られなかった。

0071

(比較例1)
粒度分布が0.5mm〜0.7mmである酸化カルシウムとともに、凝集粒子径が5μm〜50μmである微粉末シリカを4wt%混合し、撥水処理された耐水和紙およびポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる包材内へ収容することで吸着剤を得た。

0072

このとき、包材への混合物の充填量は、混合物が包材内で略均一に分散した場合に、包材を含めた混合物の厚みが1.5mmとなるようにした。この吸着剤を平坦にならして、グラスウールからなる厚み5mmの芯材とともに、芯材の伝熱面と接触した状態であらかじめ外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。

0073

この真空断熱材における吸着剤配置部の厚みをMitutoyo製デジマチックインジケータID−Cで測定したところ、芯材部の厚み4.8mmに対して、6.4±0.1mmであった。

0074

この真空断熱材をクリアランス4.0mmに設定したローラーを用いて、速度およそ300mm/秒でロールプレスを付与したが、外被材に破れは発生しなかった。また、ロールプレス後に真空断熱材を解体し、外被材の傷をサンコウ電子製ピンホール探知器TRS−110で調査したところ、外被材の傷つきが確認された。

0075

(比較例2)
粒度分布が0.7mm〜1.0mmである酸化カルシウムとともに、凝集粒子径が5μm〜50μmである微粉末シリカを4wt%混合し、撥水処理された耐水和紙およびポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる包材内へ収容することで吸着剤を得た。

0076

このとき、包材への混合物の充填量は、混合物が包材内で略均一に分散した場合に、包材を含めた混合物の厚みが1.5mmとなるようにした。この吸着剤を平坦にならして、グラスウールからなる厚み5mmの芯材とともに、芯材の伝熱面と接触した状態であらかじめ外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。

0077

この真空断熱材における吸着剤配置部の厚みをMitutoyo製デジマチックインジケータID−Cで測定したところ、芯材部の厚み4.8mmに対して、6.5〜9mmであった。この真空断熱材をクリアランス4.0mmに設定したローラーを用いて、速度およそ300mm/秒でロールプレスを付与したところ、外被材に破れが発生した。

0078

(比較例3)
粒度分布が0.5mm以下である酸化カルシウムのみを撥水処理された耐水和紙およびポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる繊維層の3層構成からなる包装材内へ収容することで吸着剤を得た。

0079

このとき、包材への混合物の充填量は、混合物が包材内で略均一に分散した場合に、包材を含めた混合物の厚みが1.5mmとなるようにした。この吸着剤を平坦にならして、グラスウールからなる厚み5mmの芯材とともに、芯材の伝熱面と接触した状態であらかじめ外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。

0080

この真空断熱材における吸着剤配置部の厚みをMitutoyo製デジマチックインジケータID−Cで測定したところ、芯材部の厚み4.8mmに対して、5.3〜10mmであった。この真空断熱材をクリアランス4.0mmに設定したローラーを用いて、速度およそ300mm/秒でロールプレスを付与したが、外被材に破れは発生しなかった。また、ロールプレス後に真空断熱材を解体し、外被材の傷をサンコウ電子製ピンホール探知器TRS−110で調査したところ、外被材の傷つきはみられなかった。

0081

以上、実施例1および比較例1〜3の条件と結果を(表1)に示す。(表1)の結果より、最大粒子径が0.5mm以下の、吸着物質と流動改質剤との混合物を用いることによって、吸着剤による凹凸を抑制することができ、なおかつ、混合物を包材に収納したために、吸着剤を芯材と外被材の間に配置し、さらにロールプレス工程を付与しても、外被材の破れおよび傷つきを防止することができることから、平面性の高い薄型の真空断熱材が実現できる。

0082

0083

(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図であり、図4は、図2における真空断熱材を構成している包材6および吸着物質3と流動改質剤5との混合物8の拡大図である。

0084

図3において、真空断熱材1は、グラスウールからなる板状の芯材4を、通気性を有する包材6に覆われた、最大粒子径が0.5mm以下の酸化カルシウムの粒子からなる吸着物質3とともにガスバリア性を有するラミネートフィルムからなる外被材7で覆い、外被材7の内部を減圧密封したものである。なお、包材6内には、吸着物質3とともに、微粉末シリカからなる流動改質剤5が混合されている。さらに、包材6の最内層には、導電性樹脂9を使用している。

0085

以下、本発明の実施の形態2における真空断熱材について、その動作、作用を説明するが、実施の形態1と同一構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

0086

導電性樹脂9は、通常、熱溶着樹脂として使用される低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン等に導電性の機能を付与したものであり、混合物8と包材6との静電気力による付着を抑制する役割を果たすものである。

0087

以上のように、本実施の形態においては包材の最内層に導電性樹脂が使用されていることにより、包材と吸着剤の付着を抑制することができる。このことにより、吸着剤の粒子の偏りが抑制されるため、容易に真空断熱材の平面性が確保される。

0088

(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における真空断熱材の断面図である。

0089

図5において、真空断熱材1は、グラスウールからなる板状の芯材4を、通気性を有する包材6に覆われた、最大粒子径が0.5mm以下の酸化カルシウムの粒子からなる吸着物質3とともにガスバリア性を有するラミネートフィルムからなる外被材7で覆い、外被材7の内部を減圧密封したものである。なお、包材内4には、吸着物質3とともに、微粉末シリカからなる流動改質剤5が混合されている。さらに、吸着物質3は包材6に覆われた状態で圧縮成形され、圧縮成形体10を形成している。

0090

以下、本発明の実施の形態4における真空断熱材について、その動作、作用を説明するが、実施の形態1と同一構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

0091

圧縮成形体10は、最大粒子径が0.5mm以下の粒子からなる混合物8を、包材6に覆われた状態のまま、圧縮成形したものであり、混合物8の包材6内部での粒子の移動を制限し、取り扱いを容易にする役割を果たしている。

0092

また、包材6は、芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残存水分や大気から真空断熱材内へ浸入する水蒸気や気体を吸着物質3が吸着する速度を一定に保つ役割を果たすだけでなく、圧縮成形体10の成形体強度を維持する役割も果たす。

0093

以上のように、本実施の形態においては、吸着剤が包材に覆われた状態で圧縮成形されていることにより、吸着剤の粒子の偏りが抑制されるため、真空断熱材の平面性が確保できる。さらに、成形強度の高い吸着剤の成形体を得ることができるため、取り扱いが容易となる。

0094

(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における建物の壁の断面図である。

0095

図6において、建物11の壁12は、真空断熱材1を配置し構成されている。建物11の壁12は屋外側より外装材13、断熱ボード15、柱16、真空断熱材1、そして内装材17の順で構成されている。断熱ボード15は、真空断熱材1の周囲に発泡断熱材を充填させたもので、これにより外張り断熱構造を形成している。なお、壁12はこの構成だけに限定されるものでない。

0096

以上のように構成された壁を有する建物について、以下その動作、作用を説明する。

0097

外装材13は、壁12の外殻を形成することで壁12の強度を保つ役割を果たしている。断熱ボード15は、外装材13と柱16との間に充填され、壁の断熱材として、高い断熱効果を付与する役割を果たすものである。

0098

柱16は、建物11の骨組みとして作用するとともに、断熱ボード15と内装材17とともに、真空断熱材1を配置する空間を形成する役割を果たしている。内装材17は、物11の壁12の内壁を形成し、壁12の強度を保つ役割を果たしている。

0099

以上のように構成された建物の壁に本発明の真空断熱材を適用することにより、真空断熱材の吸着剤適用部の平面性が確保されていることから、ウレタンフォームやポリスチレンフォームなどの発泡樹脂の流動性を損なわないため、断熱ボード内の未充填部が形成されにくく、断熱効果の高い建物を提供することができる。さらに、断熱性能に優れた真空断熱材を適用しているので、断熱効果が高い壁を有する建物を提供することが可能となっている。

0100

本発明にかかる真空断熱材および真空断熱材を用いた建物は、真空断熱材に使用する吸着剤が薄型で平坦であるために真空断熱材の伝熱面における平面性が高く、冷蔵庫用断熱材自動販売機建造物用断熱材、自動車用断熱材保冷ボックスなどにも適用できる。

図面の簡単な説明

0101

本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図
同実施の形態の真空断熱材を構成する吸着剤と流動改質剤との混合物の拡大模式図
本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図
同実施の形態の真空断熱材を構成する混合物および包材の拡大図
本発明の実施の形態3における真空断熱材の断面図
本発明の実施の形態4における建物の要部断面図
従来の真空断熱材の断面図

符号の説明

0102

1真空断熱材
3吸着物質
4芯材
5流動改質剤
6包材
7外被材
8 混合物
9導電性樹脂
10圧縮成形体
11建物
12 壁

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