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技術 半金属吸着材

出願人 三菱製紙株式会社
発明者 伊藤章
出願日 2008年1月17日 (12年3ヶ月経過) 出願番号 2008-007481
公開日 2009年7月30日 (10年9ヶ月経過) 公開番号 2009-165972
状態 未査定
技術分野 吸着による水処理 収着による水処理 固体収着剤及びろ過助剤
主要キーワード 半金属イオン 通液圧力 ゲルマニウム水溶液 キレート材 中性近傍 無機質多孔体 繊維分子中 樹脂多孔体
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課題

ホウ素等の半金属に対して優れた捕捉性能を有しており、簡単かつ安全な方法で安価に製造することが可能な半金属吸着材を提供する。

解決手段

支持体上に、アミノ基と下記一般式(1)で示される基を有することを特徴とする半金属吸着材。

化1

[式(1)中、Gはアルドン酸またはウロン酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。]

概要

背景

産業廃水には様々な有害イオンが含まれていることがあり、環境汚染防止の観点から、これらは廃水処理によって十分に除去される必要がある。また、河川水地下水中に含まれる様々な成分の中には人体に悪影響を及ぼすものがあり、河川水や地下水を利用するに当たっては十分に配慮しなければならない。この中で、ホウ素等の半金属は自然界に広く分布しているが、ホウ素は平成11年2月に新たに環境基準物質に指定されており、その有害性が注目されている。

従来、ホウ素等の半金属を含む水からこれらを除去するために、種々の方法が提案されてきた。無機系の材料を主体とした方法の一つである、多価陰イオン性物質希土類元素イオンを作用させて、ホウ素等の半金属を難溶性物質として沈殿分離させる方法(例えば、特許文献1参照)は、沈殿が容易であるものの、生成するスラッジからのホウ素等の分離除去が困難であり、後処理としてスラッジ全量の埋め立てに頼らざるを得ないという問題がある。これに対して、セリウム含水酸化物の表面を、多孔質高分子樹脂層でコートした吸着剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この吸着剤は、比較的効率良く吸着再生が可能であるが、セリウム自体を大量入手することが難しく、汎用的に用いるに際しての障害となっている。

有機系の材料を用いる代表的な方法である、ポリスチレン系樹脂母体を用いたN−メチルグルカミンキレート樹脂は古くから知られており、広く用いられている(例えば、特許文献3参照)。この樹脂の半金属への吸着部位は、樹脂外辺部と内部細孔部に分布しており、内部細孔部への半金属イオン再生剤拡散速度が遅いため、吸着処理速度や再生速度が遅いという問題がある。再生に関しては、単に時間がかかるだけでなく、大量の再生廃液が生じるという事態にも至っている。樹脂外辺部の比率を高めるために粒径を小さくすると、通液圧力が大きくなってしまう。また、使用不能となった際の焼却処分が困難であるという問題もある。これらのキレート樹脂の問題点を解消するものとして、合成樹脂基材とする繊維状またはシート状のキレート材が提案されている(例えば、特許文献4参照)。このキレート材の製造には、電離性放射線が必要となるため、この点を改良するために、反応性官能基を持つ繊維を基材として、特定構造キレートユニットを導入した繊維状キレート材(例えば、特許文献5参照)や、繊維分子中ポリエチレンイミンが導入された繊維状キレート材(例えば、特許文献6参照)も提案されている。しかしながら、特許文献5による方法では、繊維上の反応性官能基の反応性が低いため、大過剰のキレートユニットを用いて長時間にわたる加熱が必要となるという製造上の問題点があった。長時間にわたる加熱を行うと繊維の粉体化が避けられず、その結果、繊維の形状を生かしてシート状に加工しようとしても、歩留まりや強度の低下が起きるという問題も発生する。特許文献6による方法では、特許文献5と同様の製造上の問題があることに加えて、その実施例にも示されているように、ホウ素の吸着に関しては低いレベルにとどまるものであった。
特開2004−963号公報
特開2007−160271号公報
米国特許第2813838号明細書
特開2004−337749号公報
特許第3723225号公報
特開2001−123381号公報

概要

ホウ素等の半金属に対して優れた捕捉性能を有しており、簡単かつ安全な方法で安価に製造することが可能な半金属吸着材を提供する。支持体上に、アミノ基と下記一般式(1)で示される基を有することを特徴とする半金属吸着材。[式(1)中、Gはアルドン酸またはウロン酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。]なし

目的

本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、ホウ素等の半金属に対して高い捕捉性能を有しており、簡単な方法で製造することが可能で、吸着処理速度や再生速度の速い半金属吸着材を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アミノ基と下記一般式(1)で示される基を有する支持体からなる半金属吸着材。[式(1)中、Gはアルドン酸またはウロン酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。]

請求項2

支持体が天然繊維または再生繊維である請求項1記載の半金属吸着材。

請求項3

一般式(1)のGがグルコン酸からカルボキシル基を除いた残基である請求項1記載の半金属吸着材。

請求項4

半金属ホウ素である請求項1記載の半金属吸着材。

技術分野

0001

本発明は、半金属との錯体形成能を有する置換基を含有する半金属吸着材に関するものである。詳しくは、本発明は、ホウ素等の半金属の吸着能に優れ、これらを含む廃水中から、これらを吸着除去するための処理材等として好適に用いられる半金属吸着材に関するものである。

背景技術

0002

産業廃水には様々な有害イオンが含まれていることがあり、環境汚染防止の観点から、これらは廃水処理によって十分に除去される必要がある。また、河川水地下水中に含まれる様々な成分の中には人体に悪影響を及ぼすものがあり、河川水や地下水を利用するに当たっては十分に配慮しなければならない。この中で、ホウ素等の半金属は自然界に広く分布しているが、ホウ素は平成11年2月に新たに環境基準物質に指定されており、その有害性が注目されている。

0003

従来、ホウ素等の半金属を含む水からこれらを除去するために、種々の方法が提案されてきた。無機系の材料を主体とした方法の一つである、多価陰イオン性物質希土類元素イオンを作用させて、ホウ素等の半金属を難溶性物質として沈殿分離させる方法(例えば、特許文献1参照)は、沈殿が容易であるものの、生成するスラッジからのホウ素等の分離除去が困難であり、後処理としてスラッジ全量の埋め立てに頼らざるを得ないという問題がある。これに対して、セリウム含水酸化物の表面を、多孔質高分子樹脂層でコートした吸着剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この吸着剤は、比較的効率良く吸着再生が可能であるが、セリウム自体を大量入手することが難しく、汎用的に用いるに際しての障害となっている。

0004

有機系の材料を用いる代表的な方法である、ポリスチレン系樹脂母体を用いたN−メチルグルカミンキレート樹脂は古くから知られており、広く用いられている(例えば、特許文献3参照)。この樹脂の半金属への吸着部位は、樹脂外辺部と内部細孔部に分布しており、内部細孔部への半金属イオン再生剤拡散速度が遅いため、吸着処理速度や再生速度が遅いという問題がある。再生に関しては、単に時間がかかるだけでなく、大量の再生廃液が生じるという事態にも至っている。樹脂外辺部の比率を高めるために粒径を小さくすると、通液圧力が大きくなってしまう。また、使用不能となった際の焼却処分が困難であるという問題もある。これらのキレート樹脂の問題点を解消するものとして、合成樹脂基材とする繊維状またはシート状のキレート材が提案されている(例えば、特許文献4参照)。このキレート材の製造には、電離性放射線が必要となるため、この点を改良するために、反応性官能基を持つ繊維を基材として、特定構造キレートユニットを導入した繊維状キレート材(例えば、特許文献5参照)や、繊維分子中ポリエチレンイミンが導入された繊維状キレート材(例えば、特許文献6参照)も提案されている。しかしながら、特許文献5による方法では、繊維上の反応性官能基の反応性が低いため、大過剰のキレートユニットを用いて長時間にわたる加熱が必要となるという製造上の問題点があった。長時間にわたる加熱を行うと繊維の粉体化が避けられず、その結果、繊維の形状を生かしてシート状に加工しようとしても、歩留まりや強度の低下が起きるという問題も発生する。特許文献6による方法では、特許文献5と同様の製造上の問題があることに加えて、その実施例にも示されているように、ホウ素の吸着に関しては低いレベルにとどまるものであった。
特開2004−963号公報
特開2007−160271号公報
米国特許第2813838号明細書
特開2004−337749号公報
特許第3723225号公報
特開2001−123381号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、ホウ素等の半金属に対して高い捕捉性能を有しており、簡単な方法で製造することが可能で、吸着処理速度や再生速度の速い半金属吸着材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は上記課題を鋭意研究し、アミノ基と下記一般式(1)で示される基を有する支持体からなる半金属吸着材が、前記課題の解決に極めて有効なことを見出して本発明に到達した。また、支持体が天然繊維または再生繊維である半金属吸着材、一般式(1)のGがグルコン酸からカルボキシル基を除いた残基である半金属吸着材、半金属がホウ素である半金属吸着材を見出した。

0007

0008

[式(1)中、Gはアルドン酸またはウロン酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。]

発明の効果

0009

本発明による半金属吸着材は、支持体上に、アミノ基とアルドン酸またはウロン酸からカルボキシ基を除いた残基を同時に保有することにより、半金属に対して高い捕捉性能を示す。また、本発明による半金属吸着材は、多価アミノ構造と、アルドン酸またはウロン酸の活性エステルラクトン体との反応という、簡単かつ安全な方法を用いて製造可能であり、特殊な反応設備、大過剰の薬品、長時間の加熱等は不要となる。そして、半金属への吸着部位が支持体表面に分布するため、吸着処理速度や再生速度の速い半金属吸着材となる。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明に係わる支持体としては、活性炭シリカゲルゼオライト等の無機質多孔体樹脂多孔体樹脂微粒子、繊維、繊維の集合体である織布や不織布等を挙げることができる。本発明による半金属吸着材は、半金属への吸着部位が支持体表面に分布しているので、吸着処理速度や再生速度が速いという利点がある。特に、半金属への吸着部位を表面に集中させることができる繊維を支持体とすることが好ましい。繊維の中で合成繊維は、多価アミノ構造を導入するための反応部位が少ないため、例えば放射線グラフト重合によってエポキシ基を導入するといった工夫が必要になる。放射線グラフト重合法としては、例えば、反応開始剤重合法または電離性放射線重合法を用いることができる。電離性放射線を用いる場合には、紫外線電子線、X線α線β線、またはγ線などを使用することができる。一方、天然繊維や再生繊維は、多数の水酸基やアミノ基を有しており、多価アミノ構造を容易に導入できるので好ましい。天然繊維、再生繊維の具体例としては、例えば、綿、等の植物繊維羊毛等の動物性繊維レーヨンキュプラリヨセル等の再生繊維を挙げることができる。これらの繊維の形状には格別の制限はなく、長繊維モノフィラメントマルチフィラメント短繊維紡績糸であっても構わない。さらに、これを織物状もしくは編物状に製織もしくは製編した布帛、あるいは不織布の形態であってもよい。2種以上の繊維を複合もしくは混紡した繊維や織・編物、不織布であってもよい。

0011

本発明でいう半金属とは、金属と非金属性質を兼ね備えている元素であって、例えばホウ素、ヒ素セレンゲルマニウム等が挙げられる。

0012

本発明の半金属吸着体は、支持体に多価アミノ構造を導入し、次いで一般式(1)で示される基を、多価アミノ構造によって導入されたアミノ基の数よりも少ない数導入することによって製造できる。あるいは、あらかじめ多価アミンに一般式(1)で示される基を、多価アミンのアミノ基数よりも少ない数導入しておき、次いでこのものを支持体に導入する方法によっても製造できる。支持体に導入された最終的なアミノ基の数と、一般式(1)で示される基の数の比率に関しては特に制限はないが、5:1から1:5が好ましく、2:1から1:2がより好ましい。

0013

支持体に導入される多価アミノ構造の原料としては、ジエチレントリアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミントリス(2−アミノエチルアミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミンポリアリルアミン等の多価アミンを挙げることができる。ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンの数平均分子量は、特に制限されるものではないが、反応性やコストの点から、500以上10,000,000以下が好ましく、より好ましくは500以上5,000,000以下である。

0014

支持体にこれらの多価アミノ構造を導入する方法としては、まず支持体に親電子基を導入し、次いで多価アミンを反応させる方法がある。親電子基としてはハロゲン原子やエポキシ基があり、これらは、支持体上の水酸基やアミノ基にエピクロロヒドリンエピブロモドリン、クロロアセチルクロリドエチレングリコールジグリシジルエーテル等を反応させることにより導入される。反応の溶媒としては水やメタノールエタノール等の低級アルコールが用いられ、必要に応じて水酸化ナトリウム等の塩基が併用される。親電子基に多価アミンを反応させるにあたっては、水、低級アルコール、ジメチルスルホキシドジメチルホルムアミドといった溶媒が用いられる。多価アミンをあらかじめチオグリコール酸や3−メルカプトプロピオン酸等と反応させて、より反応性の高い化合物誘導体化してから、親電子基と反応させても良い。この方法を採用する際には、多価アミンのアミノ基の一つがこれらの酸のアミドとなることで、アミノ基の数が一つ減少することに注意払う必要がある。支持体に多価アミノ構造を導入する別の方法としては、支持体に親電子基を持つモノマーグラフト重合させて親電子基を導入し、次いで多価アミンを反応させる方法もある。親電子基を持つモノマーとしては例えば、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピルメタクリレートグリシジルアクリレートグリシジルメタクリレート等がある。

0015

一般式(1)のGは、アルドン酸またはウロン酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。アルドン酸は、アルドース主鎖末端ホルミル基がカルボキシル基に酸化された化合物であり、具体的には、グルコン酸、ガラクトン酸マンノン酸等を挙げることができる。ウロン酸は、単糖の主鎖末端の第一級水酸基がカルボキシル基に酸化された化合物であり、具体的には、グルクロン酸ガラクツロン酸マンヌロン酸等を挙げることができる。これらの中でGとしては、グルコン酸からカルボキシル基を除いた基が好ましい。一般式(1)のGは炭素鎖上に隣接する複数の水酸基を有しており、半金属と錯体を形成することは従来から知られていた。本発明者は、アミノ基をGと共存させることにより、半金属との錯体形成能が大幅に向上することを見いだし、本発明に至ったものである。

0016

多価アミノ構造を導入した支持体に、一般式(1)のGを導入する方法としては、アルドン酸またはウロン酸の活性エステルを反応させる方法がある。活性エステルとしては、フェニルエステルペンタクロロフェニルエステル、p−ニトロフェニルエステル等が挙げられ、反応溶媒としてはジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドが用いられる。多価アミノ構造を導入した支持体に、一般式(1)のGを導入する別の方法として、アルドン酸またはウロン酸のラクトン体を反応させる方法がある。反応溶媒としては、低級アルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が用いられる。このラクトン体を反応させる方法は、反応副生成物がないことや、原料のラクトン体が安定かつ入手容易という点から好ましい。

0017

あらかじめ多価アミンに一般式(1)で示される基を、多価アミンのアミノ基数よりも少ない数導入しておき、次いでこのものを支持体に導入する方法においては、多価アミンをアルドン酸またはウロン酸の活性エステルやラクトン体とあらかじめ反応させる方法が用いられる。この反応の生成物を、すでに述べた方法によって親電子基を導入した支持体と反応させる。この方法においても、多価アミンをチオグリコール酸や3−メルカプトプロピオン酸等と反応させて、より反応性の高い化合物に誘導体化しても良い。

0018

本発明による半金属吸着材は、半金属に対して大きな吸着容量を有しており、例えば半金属を含有する廃水処理用の吸着材として好適に用いられる。廃水処理における具体的な適用形態としては、半金属吸着材を0.03〜3mm程度の長さに切断し、処理廃液に添加、攪拌濾過処理を行うという簡単な方法がある。また、同様に切断した半金属吸着材をカラム等に充填して、処理廃液を通過させるという方法もある。とりわけ、本半金属吸着材に対してシート化成形加工を行い、フィルター状濾過材として用いる方法は、取り扱いが容易になることから好ましい。

0019

廃水処理時には、本発明の半金属吸着体と半金属との錯体形成特性に応じて、廃水のpHを調整する必要がある。半金属を吸着させた後の再生作業も、その特性に応じて実施する必要がある。本発明の半金属吸着材を用いてホウ素を吸着する場合には、ホウ素含有廃水のpHを中性近傍に調整するのが望ましい。また、ホウ素を吸着させた後の吸着材は、希硫酸などの酸を接触させることにより、吸着されたホウ素を容易に溶離させることができ、次いで水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液で再生することにより繰り返し使用することができる。

0020

以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の部数百分率質量基準である。

0021

実施例1
広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)10gを水1リットルに懸濁させ、硫酸第一鉄アンモニウム・6水和物0.4gを加えて、室温で30分攪拌した。濾過水洗後、メタクリル酸グリシジル12.0g、ノニオン系界面活性剤0.6g、二酸化チオ尿素0.5g、蒸留水400mlを加えて、窒素雰囲気下に置き、60℃に加温して、過酸化水素1.4gを滴下した。同温にてさらに3時間攪拌した後、濾過し、蒸留水0.4リットル、メタノール0.2リットルにて洗浄した。得られたグラフト化物の収量は20.6gであった。ジエチレントリアミン0.82g(8mmol)とチオグリコール酸メチル0.84g(8mmol)を75℃の湯浴にて1時間加熱し、次いで上記のグラフト化物1.00gとメタノール20mlを加えて、3時間還流させた。生成物を濾取し、蒸留水100mlと攪拌洗浄、濾取、乾燥した。このものに、グルコノ−1,5−ラクトン1.42g(8mmol)とメタノール20mlを加え、4時間還流させた。生成物を濾取し、蒸留水200mlと攪拌洗浄、濾取、乾燥して、半金属吸着材1を1.72g得た。0.3gの半金属吸着材1を、5mmol/リットルのホウ酸水溶液50mlに添加し、20℃で5時間攪拌した後、溶液中に残存するホウ素を誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により定量した。その結果、半金属吸着材1のホウ素吸着能は、半金属吸着材1gあたり0.9mmolであることがわかった。

0022

実施例2
ジエチレントリアミン0.82g(8mmol)とチオグリコール酸メチル0.84g(8mmol)を75℃の湯浴にて1時間加熱し、次いでグルコノ−1,5−ラクトン1.42g(8mmol)とメタノール8mlを加えて2時間還流させた。ここへさらに、実施例1のグラフト化物1.00gとメタノール12mlを加えて、4時間還流した。生成物を濾取し、蒸留水200mlと攪拌洗浄、濾取、乾燥して、半金属吸着材2を1.74g得た。実施例1と同様にして求めたホウ素吸着能は、半金属吸着材1gあたり0.9mmolであった。

0023

実施例3
ジエチレントリアミン0.82gを、トリエチレンテトラミン1.17g(8mmol)に代えた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材3を1.64g得た。この半金属吸着材3のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.8mmolであることがわかった。

0024

実施例4
ジエチレントリアミン0.82gを、ポリエチレンイミン(製品名:Lupasol FG、BASF社製)2.0gに代えた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材4を1.54g得た。この半金属吸着材4のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.7mmolであることがわかった。

0025

実施例5
グルコノ−1,5−ラクトン1.42gを、グルクロノ−6,3−ラクトン1.41g(8mmol)に代えた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材5を1.70g得た。この半金属吸着材5のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.8mmolであることがわかった。

0026

実施例6
実施例1と同様にしてメタクリル酸グリシジルをグラフト重合させたレーヨンを合成し、このもの1.0gをグラフト化物1.0gの代わりに用いた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材6を1.68g得た。この半金属吸着材6のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.9mmolであることがわかった。

0027

実施例7
繊維径50μm、目付200g/m2のポリエチレン製不織布を10cm×10cm(2.0g)の大きさに切り取って基材とし、これに加速した電子線を、常温、窒素雰囲気下で100kGyとなるよう照射した。次いで、照射不織布を、30質量%のメタクリル酸グリシジルのメタノール溶液浸すことによってグラフト重合させた。収量は4.8gであった。このもの1.0gをグラフト化物1.0gの代わりに用いた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材7を1.54g得た。この半金属吸着材7のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.8mmolであることがわかった。

0028

実施例8
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン12.1g、シリカゲル(製品名:ワコーゲルB−0、和光純薬工業社製)20g、メタノール70ml、および水1.7mlの混合物に1規定塩酸1.0mlを加え、2時間加熱還流した。次いでディーンシュタークトラップを取り付けて、メタノールを約半量留去した。残渣にトルエン50mlを加え再度留去し、この操作を二度繰り返した。残渣を濾過、乾燥して、固形物24gを得た。このシリカゲル1.0gを、グラフト化物1.0gの代わりに用いた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材8を1.42g得た。この半金属吸着材8のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.5mmolであることがわかった。

0029

(比較例1)
ジエチレントリアミン0.82gを、エチレンジアミン0.48g(8mmol)に代えた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材を1.44g得た。この吸着材においては、エチレンジアミン(8mmol)の二つのアミノ基はチオグリコール酸メチル(8mmol)とグルコノ−1,5−ラクトン(8mmol)との反応によってアミド基に変換されている。この半金属吸着材のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.15mmolであることがわかった。

0030

(比較例2)
ジエチレントリアミン0.82gを、抱水ヒドラジン0.40g(8mmol)に代えた以外は実施例2と同様に操作して、半金属吸着材を1.24g得た。この吸着材においては、ヒドラジン(8mmol)の二つの窒素原子はチオグリコール酸メチル(8mmol)とグルコノ−1,5−ラクトン(8mmol)との反応によってアミド基に変換されている。この半金属吸着材のホウ素吸着能を、実施例1と同様にして求めたところ、半金属吸着材1gあたり0.05mmolであることがわかった。

0031

実施例1〜8から明らかなように、本発明の半金属吸着材は簡単な方法で製造することができる。またそのホウ素吸着能は、比較例1、2の結果と比べれば明らかなように、極めて高いものであることが分かる。

0032

支持体として天然繊維と再生繊維を用いた実施例2および6では、合成繊維を用いた実施例7やシリカゲルを用いた実施例8と比較して、ホウ素吸着能が高い半金属吸着材が得られた。また、Gがグルコン酸からカルボキシル基を除いた構造である実施例2では、Gがグルクロン酸からカルボキシル基を除いた構造である実施例5と比較して、ホウ素吸着能が高い半金属吸着材が得られた。

0033

実施例9
0.3gの実施例2で得られた半金属吸着材2を、2mmol/リットルのゲルマニウム水溶液二酸化ゲルマニウムを水酸化ナトリウム水溶液で溶解後、塩酸中和したもの)50mlに添加し、20℃で5時間攪拌した後、溶液中に残存するゲルマニウムを定量することにより、半金属吸着材2のゲルマニウム吸着能を調べた。その結果、半金属吸着材2のゲルマニウム吸着能は半金属吸着材2の1gあたり0.6mmolであることがわかった。実施例2と実施例9の結果から、本発明の半金属吸着材は、ゲルマニウム吸着能よりもホウ素吸着能が優れていることが確認された。

0034

実施例10
1gの実施例1で得た半金属吸着材1を、5mmol/リットルのホウ酸水溶液500mlに添加し、20℃で攪拌しつつ、20分おきにその一部を取り出して溶液中に残存するホウ素を定量した。その結果、1時間で一定値になり、平衡に達していることが分かった。その時点の残存ホウ素濃度から換算すると、半金属吸着材1のホウ素吸着能は半金属吸着材1gあたりおよそ0.9mmolであった。

0035

(比較例3)
半金属吸着材1をホウ酸イオン除去用キレート樹脂(製品名:ダイヤイオンCRB03、三菱化学社製)1gに代えた以外は実施例10と同様にして、ホウ素吸着能の測定を行った。その結果、測定値が一定値になるまでに5時間を必要とした。この時点の残存ホウ素濃度から換算すると、このキレート樹脂のホウ素吸着能は1gあたりおよそ0.9mmolであった。

0036

実施例10と比較例3の結果から、本発明の半金属吸着材は、ホウ酸イオン除去用キレート樹脂に比べて吸着処理速度が速く、短時間に飽和吸着状態に到達することが確認された。

0037

本発明による半金属吸着材は、工場排水ごみ焼却洗煙排水地熱発電排水等の産業廃水や、河川、地下水中に含まれる、人体に悪影響を及ぼす半金属、とりわけホウ素の除去処理利用可能である。

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