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技術 基板処理装置及び半導体装置の製造方法

出願人 株式会社日立国際電気
発明者 森田慎也尾崎貴志山本勇
出願日 2008年1月7日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2008-000317
公開日 2009年7月23日 (11年5ヶ月経過) 公開番号 2009-164327
状態 拒絶査定
技術分野 CVD 気相成長(金属層を除く)
主要キーワード 複合電界 減圧加熱炉 非定常作業 クロム酸化膜 金属汚染レベル 真空置換 処理室温度 軸芯線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年7月23日)のものです。
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図面 (9)

課題

各種反応性ガスに反応せず、金属の外方拡散遮断が可能な膜を金属部品の表面に形成する。

解決手段

処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品を具備する基板処理装置であって、前記処理室内に露出される金属部品の表面には、予め、電界複合研磨が施された後、大気圧未満の圧力下でベーキング処理がなされている。

概要

背景

従来、半導体装置の製造には基板を処理する処理室を備えた基板処理装置が用いられている。
この基板処理装置の処理室(反応室ともいう)は、耐熱性耐食性耐反応性のために石英又は炭化シリコン等の耐熱性ガラスで形成され、処理室との間で基板を搬入し、搬出するため炉口部のマニホールド等の金属部品が耐熱性、耐食性の高いステンレスやNiを30〜70%含有する合金、例えば、ハステロイ又はインコネルで構成されている。
しかし、マニホールド等、処理室に取り付けられる金属部品や処理室内に配置される金属部品の表面の少なくとも一部が、直接、処理室内に露出していると、基板処理の際の加熱により、金属部品内部の金属、特に、Fe(鉄)のアウトディフュージョンが発生し、発生したFeが基板の膜中に吸着される金属汚染が発生することがある。
このような金属成分は、基板処理装置を継続的に使用して反応室内でのウエハの熱処理を何度も繰り返すうちに熱処理時の熱影響によって枯れ始め、そのうちに1E10atms/cm2以下に低下することが分かっているが、基板処理装置の立ち上げ当初に、ウエハに対する金属汚染が1E10atms/cm2以上となってしまうことがある。

そこで、従来は、大気雰囲気中又は大気圧下、酸素を含む雰囲気中で、予め、金属部品を400℃以上で4時間加熱することで金属部品の表面に酸化膜を形成し、酸化膜によってFeのアウトディフュージョンを抑制することが試みられている(特許文献1)。
また、特許文献1の処理条件でステンレス又はハステロイからなる金属部品を加熱すると、金属部品の表面に酸化膜としてNiO膜が形成されることを確認している。
特開2003−282553号公報

しかし、測定技術の進歩とデバイス管理値の高純度化にともない、銅(Cu)による金属汚染の問題が指摘されている。

また、ステンレス、ハステロイ又はインコネル等、鉄を含有するCrリッチの金属で形成された金属部品の表面にNiO膜を形成した後、その上にSi3N4膜をコーティングしても基板処理の際に金属部品の内部に微量に含まれていたCuのアウトディフュージョンが発生し、拡散したCuが基板に吸着される金属汚染が発生してしまい、これにより、基板から形成される半導体装置の動作特性に不良が発生することがある。

特に、SiH2Cl2(ジクロルシランガスとNH3(アンモニア)ガスを用いたLPCVD法によるSiN膜成膜もしくは、SiH2Cl2(ジクロルシラン)ガスとN2O(二酸化窒素)ガスを用いたLP−CVD法によるSiO2膜の成膜では、装置の組立後、最初の立ち上げ時に、Cuを中心とした金属の汚染レベルが、直ぐに管理値以下に低下しないので、生産性の低下、品質不良等の要因として指摘されている。

そこで、本発明の目的は、各種の反応性ガスに反応せず且つCuを中心とした金属のアウトディフュージョンの遮断が可能な膜を金属部品の表面に形成した基板処理装置及びこの装置を用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法を提供することである。

概要

各種反応性ガスに反応せず、金属の外方拡散の遮断が可能な膜を金属部品の表面に形成する。処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品を具備する基板処理装置であって、前記処理室内に露出される金属部品の表面には、予め、電界複合研磨が施された後、大気圧未満の圧力下でベーキング処理がなされている。

目的

本発明の目的は、各種の反応性ガスに反応せず且つCuを中心とした金属のアウトディフュージョンの遮断が可能な膜を金属部品の表面に形成した基板処理装置及びこの装置を用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品具備する基板処理装置であって、前記処理室内に露出される金属部品の表面には、予め、電界複合研磨が施された後、大気圧未満の圧力下でベーキング処理がなされている基板処理装置。

請求項2

処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品の少なくとも前記処理室内に露出される金属表面に、予め、電界複合研磨が施された後に、大気圧未満の圧力でベーキング処理がなされている基板処理装置を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、前記処理室内に基板搬入する工程と、前記金属表面が前記処理室内に露出された状態で前記処理室内で前記基板を熱処理する工程と、前記処理室から前記基板を搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は基板処理装置及び基板処理装置による半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、金属汚染を抑制するための膜を設けた基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、半導体装置の製造には基板を処理する処理室を備えた基板処理装置が用いられている。
この基板処理装置の処理室(反応室ともいう)は、耐熱性耐食性耐反応性のために石英又は炭化シリコン等の耐熱性ガラスで形成され、処理室との間で基板を搬入し、搬出するため炉口部のマニホールド等の金属部品が耐熱性、耐食性の高いステンレスやNiを30〜70%含有する合金、例えば、ハステロイ又はインコネルで構成されている。
しかし、マニホールド等、処理室に取り付けられる金属部品や処理室内に配置される金属部品の表面の少なくとも一部が、直接、処理室内に露出していると、基板処理の際の加熱により、金属部品内部の金属、特に、Fe(鉄)のアウトディフュージョンが発生し、発生したFeが基板の膜中に吸着される金属汚染が発生することがある。
このような金属成分は、基板処理装置を継続的に使用して反応室内でのウエハの熱処理を何度も繰り返すうちに熱処理時の熱影響によって枯れ始め、そのうちに1E10atms/cm2以下に低下することが分かっているが、基板処理装置の立ち上げ当初に、ウエハに対する金属汚染が1E10atms/cm2以上となってしまうことがある。

0003

そこで、従来は、大気雰囲気中又は大気圧下、酸素を含む雰囲気中で、予め、金属部品を400℃以上で4時間加熱することで金属部品の表面に酸化膜を形成し、酸化膜によってFeのアウトディフュージョンを抑制することが試みられている(特許文献1)。
また、特許文献1の処理条件でステンレス又はハステロイからなる金属部品を加熱すると、金属部品の表面に酸化膜としてNiO膜が形成されることを確認している。
特開2003−282553号公報

0004

しかし、測定技術の進歩とデバイス管理値の高純度化にともない、銅(Cu)による金属汚染の問題が指摘されている。

0005

また、ステンレス、ハステロイ又はインコネル等、鉄を含有するCrリッチの金属で形成された金属部品の表面にNiO膜を形成した後、その上にSi3N4膜をコーティングしても基板処理の際に金属部品の内部に微量に含まれていたCuのアウトディフュージョンが発生し、拡散したCuが基板に吸着される金属汚染が発生してしまい、これにより、基板から形成される半導体装置の動作特性に不良が発生することがある。

0006

特に、SiH2Cl2(ジクロルシランガスとNH3(アンモニア)ガスを用いたLPCVD法によるSiN膜成膜もしくは、SiH2Cl2(ジクロルシラン)ガスとN2O(二酸化窒素)ガスを用いたLP−CVD法によるSiO2膜の成膜では、装置の組立後、最初の立ち上げ時に、Cuを中心とした金属の汚染レベルが、直ぐに管理値以下に低下しないので、生産性の低下、品質不良等の要因として指摘されている。

0007

そこで、本発明の目的は、各種の反応性ガスに反応せず且つCuを中心とした金属のアウトディフュージョンの遮断が可能な膜を金属部品の表面に形成した基板処理装置及びこの装置を用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

前記目的を達成するため、本発明の好ましい態様は、処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品を具備する基板処理装置であって、前記処理室内に露出される金属部品の表面には、予め、電界複合研磨が施された後、大気圧未満の圧力下でベーキング処理がなされている基板処理装置を提供する。

0009

また、本発明の他の好ましい態様は、処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品の少なくとも前記処理室内に露出される金属表面に、予め、電界複合研磨が施された後に、大気圧未満の圧力でベーキング処理がなされている基板処理装置を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、前記処理室内に基板を搬入する工程と、前記処理室内で前記基板を熱処理する工程と、前記処理室から前記基板を搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法を提供する。

発明の効果

0010

本発明によれば、金属部品の少なくとも処理室に対する露出面に、反応性ガスとの反応性が低く且つCuのアウトディフュージョンを遮断する膜を形成できるので、基板処理の際の基板の金属汚染を防止し、金属汚染に起因する半導体装置の動作不良を防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る基板処理装置の処理炉概略構成を示す縦断面図、図2は基板処理装置の構成を示す分解斜視図である。

0012

図1及び図2に示すように、処理炉202には加熱手段としてヒータ206が設けられる。
前記ヒータ206は下部に開口する筒状に形成され、保持板としてのヒータベース251にブラケット206aを介して垂直に据え付けられている。
ヒータベース251にはヒータ206の開口部206bと同心に挿入口251aが設けられ、インナーチューブ204とアウターチューブ205とから構成されるプロセスチューブ203を挿入口251aからヒータ206内に挿入されるようになっている。
アウターチューブ205は、上端閉鎖され下方に開口するドーム状に形成されており、インナーチューブ204は両端に開口する筒状に形成されている。
そして、アウターチューブ205は、前記ヒータベース251の下面に取り付けられた金属製のマニホールド209に固定され、インナーチューブ204はマニホールド209に受座16を介して支持されている。

0013

図1及び図2を参照して前記基板処理装置について詳述すると、アウターチューブ205の下端部には真空フランジとして外フランジ205aが設けられており、インナーチューブ204の下端部には据え付けのための外フランジ204aが設けられている。
アウターチューブ205の内径はインナーチューブ204の外径よりも大きくなっている。
インナーチューブ204がアウターチューブ205により取り囲まれると、インナーチューブ204内は基板としてのウエハ200を処理するための処理室201となり、インナーチューブ204とアウターチューブ205との間が処理室201に基板処理ガスパージガスクリーニングガス等を排気するための筒状空間250となる。

0014

マニホールド209の本体は円筒状の筒体8によって構成されている。
筒体8の外周面には、マニホールド209をヒータベース251に取り付けるためのア
ーム部9が複数設けられ、筒体8の内周面にはリング状の受座16を介して前記インナーチューブ204を支持するための内フランジ10が設けられている。また、筒体8の外周面上部には、アウターチューブ205を支持するための外フランジ11が設けられている。
前記アーム部9は円周方向に間隔を隔てて設けられる。各アーム部9は筒体8の外側且つ水平に延びており、ヒータベース251に締結するためのボルト30が各アーム部9の先端部には設けられている。

0015

マニホールド209の外フランジ11にシール材としてのOリング220aを介してアウターチューブ205の外フランジ205aを着座させ、アウターチューブ205の外周面に金属製の固定リング252を嵌めこんでこの固定リング252のボルト締結部252aと外フランジ11のボルト締結部(図示せず)とをボルト(図示せず)により締結すると、アウターチューブ205の外フランジ11は、固定リング252とマニホールド209の外フランジ205aとに挟み込まれた状態で、マニホールド209に一体化する。
アウターチューブ205がヒータ206内に挿入された状態でヒータベース下面に設けられるブロック251bにマニホールド209のアーム部9をボルト30によって締結すると、アウターチューブ205がヒータ206と同心にヒータ206内に配置される。

0016

図3はマニホールド209にインナーチューブ204を支持するための構造を示す平面図である。図2図3に示すように受座16はリング状に形成されている。
受座16は、インナーチューブ204を載置した状態で前記マニホールド209の筒体8に挿入される。
筒体8の内フランジ10には、円周方向に間隔を隔てて円弧状に切欠部10aが設けられ、受座16の外周面部には、切欠部10aと同じピッチで切欠部10aよりも小さい相似形部20が設けられている。
各駒部20をそれぞれ内フランジ10の切欠部10aに下方側から臨ませた状態で受座16を上方に押し上げると各駒部20は各切欠部10aを通過し、受座16は内フランジ10の挿入孔10bを通過する。
駒部20が各切欠部10aを通過し、受座16が挿入孔10bを通過した時点で受座16を筒体8の軸心線回りに切欠部10a間の1/2ピッチ分、回転させると、各駒部20がそれぞれ隣接する切欠部10a,10a間の内フランジ10上に配置される。
その後、受座16を下方に下げると、各駒部20がそれぞれ内フランジ10に載置される。これにより、内フランジ10に受座16を支持でき、受座16を介してインナーチューブ204を内フランジ10に支持させることができる。

0017

図2に示すように、受座16をマニホールド209に固定するための金属製のシールリング22は、受座16と略同径のリング状に形成されており、マニホールド209の内フランジ10を厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)を通じてボルト(図示せず)により受座16に締結することが可能である。
従って、受座16にインナーチューブ204を支持した状態で受座16をマニホールド209の内フランジ10に支持した後に、シールリング22を受座16にボルトにより締結すると、インナーチューブ204の脱落が防止される。
また、この逆の手順とすると、ヒータ206内からインナーチューブ204を取り出すことができる。

0018

ヒータ206内に、インナーチューブ204及びアウターチューブ205からなるプロセスチューブ203を組み込んだ後は、図1に示すように、マニホールド209の下部開口を気密に閉塞する炉口蓋体としてのシールキャップ219がマニホールド209の下方に配置される。
このシールキャップ219は耐熱性、耐腐食性の高い金属で構成されており、プロセス
チューブ203の下方に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115により支持される。
回転機構254の回転軸255は金属製であり、シールキャップ219の軸芯線に沿ってシールキャップ219を貫通してボート217にフランジ255aを介して連結される。
回転機構254の回転駆動力により回転軸255が回転すると、ボート217がインナーチューブ204の軸芯線回りに回転する。すなわち、回転軸255は、ボート217を回転させることで基板としてのウエハ200を回転させる。
また、ボートエレベータ115によるボート217の昇降により、ボート217が処理室201に搬入又は搬出される。

0019

前記シールキャップ219の上面には、シールキャップ219とマニホールド209下部の外フランジ(真空フランジ)との間をシールするシール材としてOリング220bが設けられており、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209下部の外フランジ12に垂直方向下側から密着される。
回転機構254及びボートエレベータ115には、駆動制御部237が電気的に接続されており、所望の回転、昇降動作をするように所望のタイミングにて制御される。

0020

前記筒体8の内フランジ10より下方側にはノズル230が取り付けられ、ノズル230にはガス供給管232が接続される。
ガス供給管232のノズル230との接続側と反対側である上流側には、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ)241を介して図示しない処理ガス供給源不活性ガス供給源が接続される。
MFC241には、ガス流量制御部235が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成される。

0021

また、前記筒体8の内フランジ10より上方側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられる。
排気管231は、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に位置するように配置されており、前記筒状空間250に連通している。
排気管231のマニホールド209との接続側と反対側である下流側には、圧力検出器としての圧力センサ245及び圧力調整装置242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成される。
圧力調整装置242及び圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されており、圧力制御部236は、圧力センサ245により検出された圧力に基づいて圧力調整装置242により処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御する。

0022

基板保持具としてのボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持させるように構成されている。
なお、ボート217の下部には、断熱のため、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置される。
このため、ヒータ206からの熱を断熱板216により遮断され、ヒータ206によるマニホールド209側の加熱が防止される。

0023

プロセスチューブ203内には、温度検出器として温度センサ263が設置される。ヒ
ータ206と温度センサ263とに温度を電気的に制御するための温度制御部238が接続される。
温度制御部238は、温度センサ263により検出された温度情報に基づいてヒータ206への通電具合を調整することにより処理室201内の温度が所望の温度分布となるよう所望のタイミングにて制御するように構成される。

0024

ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238は、操作部、入出力部を構成しており、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続される。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、主制御部239はコントローラ240として構成される。

0025

前記マニホールド209、受座16、シールリング22、シールキャップ219、回転軸255、フランジ255a等の処理室201に露出する金属部品(以下、総称して金属部品という)は、耐熱性、耐食性が必要とされるため、Niを30〜70%及びCrを10〜40%を含むニッケルクロム系合金(鉄・ニッケルクロム合金)、例えば、Feリッチなステンレス又はFeよりもNiがリッチなハステロイ、好ましくは、ハステロイC−22材(Ni 56%,Cr 22%,Fe 3%等)又はインコネル(Ni61%,Cr 21.5%,Fe 2.5%等)等の合金によって構成される。
これらの金属部品の処理室201に対する少なくとも露出面には、処理室内雰囲気から遮断するためのCr2O3膜、SiOCr膜等の酸化クロムの膜乃至層(以下、酸化クロム膜という)が覆うように形成される。

0026

前記酸化クロム膜乃至層(以下、総称して、酸化クロム膜という)は、NiO膜と比べて拡散速度が遅く、また、高温下でも、金属部品に微量に含まれているCuのブロック効果が大きいので、金属部品の少なくとも処理室201に対する露出面が酸化クロム層により覆われると、Cuを中心とした金属のアウトディフュージョンが抑制され、原子レベルでの金属汚染が抑制される。また、酸化クロム膜は、NiO膜と比べて反応しにくく、腐食性ガス腐食性副生成物に対する耐腐食性が高いので、処理室内雰囲気に含まれる反応性ガスと反応して腐食した後、剥離又は亀裂により落下してしまうことによってウエハ200の成膜が汚染される虞も減少する。
前記金属部品の表面を被覆する酸化クロム膜は、膜厚が10〜20nmとなると、装置の立ち上げの際に1E10atms/cm2以上の金属汚染が発生することがあり、50nμ以上とするとこのような問題が発生しない。従って、Cr2O3膜(クロム酸化膜)の厚みを、50nm以上、好ましくは、50〜120nmとして、LP−CVD法による成膜を可能にすると短時間で金属汚染を抑制するためのCr2O3膜を成膜することができる。

0027

前記金属部品の少なくとも処理室201に対する金属部品の露出面(表面)に前記酸化クロム膜を形成する新規な方法としては、大気圧未満の圧力下で金属部品の露出面にベーキングを施すことによって、金属部品の露出面にCr2O3膜を形成する新規な不動膜の形成方法がある。
この方法において、Cr2O3膜等のクロム酸化膜は次のようにして形成されるものと考えられている。
(1)金属部品を大気圧未満でベーキングすると、高温真空雰囲気下で、FeO膜がない綺麗な前記金属部品の表面では金属原子マイグレーション(移動)が活発になる。
(2)続いて、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等のそれぞれの原子が自身の拡散速度の違いから移動・凝集し、金属部品の表面にCrが集まってくる。
(3)金属部品の表面に析出したCr表面と大気中の酸素(O2)や水分(H2O)とが反応して最終的にCr2O3膜が形成される。
比較のため、大気圧下で金属部品の露出面にベーキングを施すと、ベーキングの温度を
どのようにしても金属部品の露出面にNiO膜が薄く形成されてしまう。
また、表面にNiO膜が固定された金属部品では、ベーキング処理を施してもNiO膜が邪魔となって金属部品の表面にクロム酸化膜としてCr2O3膜を形成することはできない。
また、処理室201内の圧力を大気圧未満としてもベーキング処理の温度が200℃未満では、Cr2O3膜を形成することは困難である。
従って、金属部品の露出面に酸化クロム膜としてCr2O3膜を形成するには、ベーキング処理の際に、処理室201内圧力を大気圧未満とし、処理室201の雰囲気の温度を、金属部品の表面温度が少なくとも200℃以上、好ましくは300〜600℃となる温度にする必要がある。

0028

しかし、このような新規な方法でも50nm以上の厚みの酸化クロム膜が金属部品の表面に形成されるまでの時間は40hと長くなり、時間がかかり過ぎるという問題がある。
また、ベーキングの際の雰囲気によっては、金属部品の表面に耐食性の低いNiOやFeOも析出してしまい、耐腐食性が低下してしまうことがある。

0029

そこで、本発明者等は、前記した不動膜の形成方法(比較例ともいう)において、予め、金属部品の表面に電界複合研磨によりCr膜を形成し、その後、大気圧未満の圧力下でこの金属部品の表面をベーキングすることによって、酸化クロム膜の厚膜化と、酸化クロム膜の形成速度について種々検討を行った。
ここで、電界複合研磨とは、金属表面を酸又はアルカリ溶液中電気化学的に陽極溶解することにより、光沢のあるCr膜を形成する表面加工方法の一つである。

0030

図4Ni合金(Ni 50〜65%、Cr 20〜22.5%を含有する)から成る金属部品(試料1)の表面に電界複合研磨によりCr膜を形成した後、金属部品のCr膜上にベーキングにより酸化クロム膜を形成した場合の炉内圧力依存性、すなわち、炉内圧力の違いによる酸化クロム膜の形成スピードの違いを表す。
図示されるように、ベーキングの温度を520℃、炉内に導入するガスの導入量を0.5L(リットル)として、次の場合の酸化クロムの形成速度を検討した。
(1)炉内(反応炉内をいう)圧力が8×104Pa、炉内に導入する導入するガス種がO2の場合(以下、O2/8×104Paの場合という)
(2)炉内圧力が30Pa、炉内に導入する導入するガス種がO2の場合(以下、O2/30Paの場合という)
(3)炉内圧力が30Pa、炉内に導入する導入するガス種がN2の場合(以下、N2/30Paの場合という)
(4)炉内圧力が大気圧(1×105Pa)、炉内に導入する導入するガス種がO2の場合(以下、大気/大気圧の場合という)
検討の結果、炉内圧力(処理室内圧力)が減圧の場合、厚み70nm(炉内圧力が大気圧の場合は厚み20nm)の酸化クロム膜(Cr2O3膜)が金属部品の露出面に形成されるまでの反応時間、すなわち、Cr酸化速度(膜厚÷(ベーキング時間+真空置換時間))は、
N2/30Paの場合は2.7nm/h、O2/30Paの場合は3.5nm/h、
O2/8×104Paの場合は4.0nm/h、大気/大気圧の場合は0.8nm/hとなった。なお、ここでいう真空置換は、炉内を真空引きした後に、ベーキング用ガスを炉内に流入し、ベーキング開始状態とすることをいい、真空置換時間とは、上記真空引き開始からベーキング開始状態になるまでの時間をいう。
これにより、Cr酸化速度は、大気/大気圧の場合、N2/30Paの場合、O2/30Paの場合、O2/8×104Paの場合の順に速くなることがわかった。
しかし、炉内圧力が大気圧に近づくと、金属部品の表面にCr2O3だけでなく、FeOやNiOが形成されてしまい、この場合に、FeOやNiOによって耐腐食性が低下し
てしまう問題がある。なお、大気/大気圧の場合は、20時間のベーキングでNiO層が10μm表面に形成されることがわかっている。
従って、電界複合研磨によりCr層を形成した後、ベーキングによりCr2O3膜(酸化クロム膜)を形成するときは、ベーキングの際の圧力を、大気圧未満、好ましくは、1500Pa以下、より好ましくは、30Pa以下とするとよい。

0031

また、電界複合研磨を用いると、電界研磨後、その表面を物理研磨する方法と比べて、工数が削減され、Crの形成時間が短縮される他、Crがより多く表面に析出するという利点がある。なお、電界研磨とは、例えば、電気化学的な研磨技術であり、電界複合研磨とは、例えば、電気化学的な研磨と、研磨材による物理的研磨複合して同時に行う研磨技術のことである。

0032

図5は、同じく、Ni合金(Ni 50〜65%、Cr 20〜22.5%を含有する)から成る金属部品(試料1)の表面に前記電界複合研磨によりCr膜を形成した後、この金属部品のCr膜の上にベーキングにより酸化クロム膜を形成した場合の導入ガス依存性、すなわち、炉内への導入ガスの違いによるCr2O3膜の形成スピードの違いを表す。
ここでは、ベーキングの温度を520℃、炉内圧力を30paとして次の場合の酸化速度を検討した。
(1)大気(クリーンルーム内雰囲気)を1.0L/minの流量で炉内に導入した場合(以下、大気 1.0Lの場合という)
(2)大気(クリーンルーム内雰囲気)を0.5L/minの流量で炉内に導入した場合(以下、大気 0.5Lの場合という)
(3)O2ガスを0.5L/minの流量で炉内に導入した場合(以下、O2 0.5Lの場合という)
(4)N2ガスを0.5L/minの流量で炉内に導入した場合(以下、N2 0.5Lの場合という)
金属部品の露出面に厚み70nmのCr2O3膜(酸化クロム膜)が形成されるまでのCr酸化速度(膜厚÷(ベーキング時間+真空置換時間))を比較すると、Cr酸化速度は、N2 0.5Lの場合、O2 0.5Lの場合、大気 0.5Lの場合、大気 1.0Lの場合の順に速くなった。
従って、電界複合研磨によりCr層を形成した後、ベーキングによりCr2O3膜(酸化クロム膜)を形成するときは、導入ガスとしてN2ガスを炉内に導入してもよいが、好ましくはO2ガス、より好ましくは大気を炉内に導入するとよい。なお、大気を利用する場合は、N2ガス等のガスを用いる必要がなく低コストで済むため、コスト面からも好ましい。
なお、Cr酸化速度が速くなるとベーキング時間が短縮される。図5から分かるとおり、大気を用いる場合、16hで80nm以上は確実にCr2O3膜を形成することができる。

0033

図6は、SUS316Lから成るステンレス製の金属部品(試料2)の表面に前記電界複合研磨によりCr膜を形成した後、ベーキングの温度520℃、ベーキング時間を20時間とし、導入ガスの種別と炉内圧力とを変えて金属部品のCr膜の上にベーキングにより酸化クロム膜を形成する場合の導入ガスの違いによるFeO、NiOの抑制効果の違いを表す。

0034

図6[1]はN2/30Paの場合、図6[2]は大気/大気圧の場合、図6[3]はO2/30Paの場合を示す。
縦軸は金属の原子量(Atomic Concentration)(単位[%])を示し、横軸は表面からの深さ(Depth)(単位[mm])を示す。
金属部品がステンレス製の場合は、図6[1]、[2]に示すように、導入ガスがN2もしくは大気の場合、すなわち、N2/30Paの場合(図6[1])、大気/大気圧の場合には、Fe(FeOx等)、すなわち、FeOが金属表面に析出し、成長する。
また、図6[3]に示すように、O2/30Paの場合は、Fe(FeOx等)、すなわち、FeO及びNi(NiOx)等、すなわち、NiOの金属表面への析出が抑制される。
なお、ステンレス材は、Ni合金と比べて加工性がよく、コストが安いので、コストダウンを図ることができる。
従って、電界複合研磨によりCr層を形成した後、ベーキングによりCr2O3膜(酸化クロム膜)を形成するときは、炉内への導入ガスはO2ガスとするとよい。また、加工性やコスト面から考えると、金属部品はステンレス製とするとよい。

0035

図7は電界複合研磨もしくは電界研磨により、前記試料1(Ni合金)、前記試料2(ステンレス製の金属部品)の表面に、厚み5nmのCr層を形成した後、大気圧、真空の雰囲気中でのベーキングにより各Cr膜の上に酸化クロム膜を形成した場合のCr2O3膜の厚みとベーキング条件との関係を示す。なお、電界複合研磨によるCr層の表面粗さRmaxは、それぞれ0.4nmとしたが0.4nm以下であってもよい。

0036

図7から次のことが分かる。
(1)ベーキングの際の炉内温度を400℃一定、ベーキングの処理時間を2時間とすると、ベーキングのマイグレーションによる酸化クロムの膜厚は10〜15nmとなり、膜厚50nm以上の条件を満すことができない(図3、No.5,No.6)。
(2)ベーキングの温度を400℃とし、ベーキングの処理時間を(1)の10倍の20時間としても、酸化クロムの膜厚は15〜20nmと薄く、膜厚50nmの条件を満たすことができない(図3、No.3,No.4,No10)。
(3)処理時間を20時間とし、ベーキングの温度を520℃とし、炉内への導入ガスを、酸素ガス、大気(クリーンルーム内雰囲気)又は、N2ガスとすると、表面に電界複合研磨が施されている際には、いずれの場合でも膜厚が50〜100nmの酸化クロム膜が形成され、膜厚50nmの条件を満たすことができた(No.1,No.2,No.8,No9)。
なお、表面に電界研磨を施した場合には、表面へのCrの析出量が少なすぎるため、炉内圧力が真空(30Pa)で、N2ガスを導入すると、酸化クロム膜が10nmと薄くなる(No.7)。
(4)炉内の温度520℃、炉内圧力を真空(30Pa)として、O2ガス、大気(クリーンルーム内雰囲気)、N2ガスを炉内に導入した場合、酸化クロム膜の膜厚は、O2ガスや大気を導入する場合の方が、N2ガスを導入する場合と比べて厚くなる。
(5)試料1に比べ試料2(SUS316L)の方がFeを多く含有しているため、FeOが析出されやすい。
(6)試料2の場合、ベーキングの際の炉内温度を520℃、ベーキングの時間を20時間としてN2ガスを導入すると、酸化クロム膜の膜厚が90nmと厚くなったが、NiO、FeOも金属表面に析出してしまうので、耐腐食性が低下するという問題がある。
(1)〜(6)から、電界複合研磨をすることが有効であることがわかり、さらに、ベーキングの際の温度は、520℃、好ましくは500〜600℃(酸化膜中の酸素が拡散供給される温度帯推定される)、炉内圧力は、好ましくは、30Pa以下とするとよいことがわかる。
ベーキングの際に炉内に導入するガスは、大気もしくはO2ガス、大気(クリーンルーム内雰囲気)、のN2ガスのいずれでもよいが、好ましくは、大気もしくはO2ガスとするとよい。

0037

次に、前記金属部材の露出面に対する、Cr2O3膜(酸化クロム膜)の形成方法の一
例として基板処理装置を組み立てた後、金属部品の少なくとも処理室201に露出される露出面に、予め、電界複合研磨により、Cr膜を形成した後、ベーキングにより処理室201に対する金属部品の少なくとも露出面に形成する方法について説明するが、この酸化クロム膜は、基板処理装置に組み込まれる前の部品段階で金属部品の表面に形成してもよいし、基板処理装置の組立て後に形成してもよい。この場合、搬送や取り扱いの段階での汚染を考慮すると、基板処理装置として完成した段階で形成するとよい。
基板処理装置の組立て後、ベーキングの温度帯が300℃を越え、ベーキングの熱でOリング等が劣化してしまう虞がある場合は、基板処理装置として組み立てる前の部品段階で形成するとよい。
特に、マニホールド209、回転軸225、シールキャップ219は、Oリング220a、220bに隣接しているため、予め、部品段階で形成するとよい。

0038

金属部品の表面に酸化クロム膜を形成する方法には、次の第1、第2の方法がある。

0039

<第1の方法>
第1の方法では、まず、炉内、すなわち、処理室201内に少なくとも一部が露出される金属部品の少なくとも前記処理室201内に露出される表面(以下、金属部品の露出面という)に予め電界複合研磨を施し、電界複合研磨により、金属部品の少なくとも露出面に、例えば、5nmのCr層又はCr化合物層を形成する。
この場合、Cr層又はCr化合物層の厚みは、1〜3nm以上とするとよい。
また、Cr層又はCr化合物層の表面粗さRaは400nμ前後、又はそれ以下とするとよい。前処理として電界複合研磨を施すと、鋳造時等材料の表面に形成されているFeO膜やNiO膜が除去されるので、Cr2O3膜等の酸化クロム膜の形成が良好になる。
次に、処理室201からボート217が取り除かれ処理室201に清浄な大気(クリーンルーム内雰囲気)が充填されている状態で処理室201を閉鎖し、真空排気装置246の排気により処理室201内雰囲気を排気する。処理室201内の圧力は、1E−6〜1500Pa未満、すなわち、好ましくは1500Pa以下、より好ましくは30Pa以下とし、最下限は、真空ポンプの排気性能限界、例えば、0.1Paとするとよい。
真空排気装置246の排気により処理室内圧力を1500Pa以下の圧力に保持しながら処理室201にクリーンルーム内雰囲気(大気)を導入すると共に、前記ヒータ206の加熱によって、処理室201内に少なくとも表面の一部が露出されている金属部品(前記マニホールド209、固定リング252、シールリング22、シールキャップ219、回転軸255とそのフランジ255a等)の露出面を500〜600℃、例えば、520℃以上に加熱するベーキングを少なくとも16時間以上(例えば、20時間)行う。
これにより、短時間で厚み50nm以上のCr2O3膜が形成される。
この方法では、導入ガスに大気を用いるので、生産コスト面が安価になる。

0040

この方法において、Cr2O3膜は、次のようにして形成されるものと考えられる。
まず、金属部品の処理室201に表面の一部が露出される金属部品の表面にCr膜が形成される。このCr膜は酸素との反応によりCr2O3膜を形成する。
Cr膜の形成後、炉内、すなわち、処理室201内を大気圧未満の大気雰囲気、O2雰囲気又はN2ガス雰囲気とし、ヒータ206により炉内を500〜600℃に昇温する。
高温真空雰囲気下では、FeO膜がない綺麗な金属部品の表面側では金属原子のマイグレーション(移動)が活発になる。
そして、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等のそれぞれの原子が自身の拡散速度の違いから移動・凝集し、金属部品のCr膜の表面にCrが集まって来る。
その後、Cr膜及びCr膜の表面に析出したCrの表面と、処理室201内の酸素(O2)や水分(H2O)との反応によって、金属部品の表面に、酸化膜としてCr2O3膜が形成される。

0041

[第2の方法]
第2の方法では、第1の方法と同じように、まず、金属部品の少なくとも露出面にCr層又はCr化合物層を形成する。
次に、処理室201を閉鎖し、真空排気装置246による処理室201内の雰囲気の排気と不活性ガス、例えば、N2ガスを供給しながら前記真空排気装置246により処理室201内を排気することにより、処理室201内大気圧未満、好ましくは、1500Pa以下、より好ましくは、30pa以下の圧力のN2ガス雰囲気とする。
その後、ヒータ206の加熱により処理室201内の雰囲気の温度を少なくとも金属部品の表面が500〜600℃、例えば、520℃に加熱するベーキングを連続して少なくとも16時間以上(例えば20時間)実施する。
次に、処理室201内の温度を500〜600℃、例えば、520℃に保持し、処理室201の圧力を1500Pa以下、好ましくは、30Pa以下に保持しながら処理室201に大気(クリーンルーム内雰囲気)導入する酸化処理を5〜10時間行い、前記金属部品の表面に析出したCr及びCr層のCrと酸素とを反応させて、金属部品の表面に、Cr2O3膜を形成する。

0042

Cr2O3膜によりCu、Feを中心とした金属の析出がCr2O3膜によってブロックされるので、ウエハの金属汚染が防止される。また、第1の方法と同様に、導入ガスとして大気を用いると、O2ガス、N2ガスを導入する場合と比べて生産コストが安価になる。また、ベーキング前にN2ガス雰囲気としておくと金属部材の表面がN2ガス清浄に保持されるという利点もある。

0043

なお、第1及び第2の方法において、処理室201に導入ガスとして大気(クリーンルーム内雰囲気)を導入し、16時間以上、ベーキングすると、厚みが80nm以上のCr2O3膜が短時間で形成される。大気を導入すると、生産コスト面が安価となる利点がある。
また、前記の第1の方法の説明では、処理室201に導入ガスとして大気を説明したが、処理室201に導入ガスとして酸素ガスを導入してもよい。
この場合、Cr2O3膜の生成速度は大気を導入する場合と比べて遅くなるが、金属部品の表面へのFeO、NiOの析出を抑制することができる。
また、前記の第1の方法の説明では、処理室201に導入ガスとして大気を説明したが、処理室201に導入ガスとしてN2ガスを導入してもよい。N2ガスを炉内に導入する場合、Cr2O3膜の生成速度は、大気やO2ガスを導入する場合と比べて遅くなってしまうが、電界複合研磨により、ベーキングの前に、金属部品の表面に、予め、Cr膜を形成しておくので、大気圧未満でベーキングによりCr2O3膜を形成する場合と比べてCr2O3膜の生成速度は速くなる。

0044

また、前記金属部品の部品段階で、減圧加熱炉(図示せず)に前記金属部品を配置し、前記第1、第2の方法により、前記金属部品の表面にCr2O3膜を形成してもよい。
また、第1、第2の方法において、ベーキング前の前処理として、前記金属部品の表面に電界複合研磨による研磨を行うことが好ましい。金属部品の表面に前処理として研磨を施すと、材料鋳造時の表面に形成されるFeO膜やNiO膜が除去されるので、Cr2O3膜の形成が良好になる。
図8(a)は従来の基板処理装置(ベーキング無し)の金属汚染濃度の測定結果を示し、図8(b)は、複合電界研磨後処理室温度:520℃、処理室圧力:30Pa、導入ガス:大気(ドライエア露点温度−40℃))、ベーキング処理時間:16hのベーキング処理条件で処理室201の金属部品の露出面に膜厚50nmのCr2O3膜を形成した基板処理装置(ベーキング有り)の金属汚染の測定結果を示す。
金属汚染の測定は、N2シーケンスで処理したウエハを用い、測定にはICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いた。また、測定箇所は、処理室201に挿入された
ボートの上方側領域と下方側領域とした。また、金属汚染は、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Znについて測定した。なお、N2シーケンスとは、処理室201に成膜ガスを供給するのに代えてN2ガスを供給するための弁を開として処理室201にN2ガスを導入しながら処理室を排気することにより処理室201内でウエハを処理するシーケンスをいう。金属汚染の測定を、N2シーケンスで処理したウエハを用いると、正確な測定値が得られる。
図8(a)に示すように、従来の基板処理装置の場合は、処理室201内のボートの上方領域においてNaの濃度及びKの濃度、Cuの濃度が管理値1.00E+10atoms/cm2を越えてしまい、また、ボートの下方領域において、Mg濃度Fe濃度、Cuの濃度が管理値1.00E+10atoms/cm2を越えてしまうが、本発明の実施の形態に係る基板処理装置では、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Znのいずれも管理値1.00E+10atoms/cm2未満となった。
これにより、処理室201の金属部品の露出面が厚み50nm以上のCr2O3膜で覆うと、基板処理の立ち上げ直後のCuやFeを中心とした金属汚染が1.00E+10atoms/cm2未満に抑制できることが実証された。

0045

次に処理炉202を用いた半導体デバイスの製造工程の一工程としてウエハ200上に薄膜を形成する方法について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は前記コントローラ240によって制御されるものとする。

0046

複数枚のウエハ(基板)200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図1に示されるように、複数枚のウエハ200を保持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201に搬入(ボートローディング)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる(基板搬入工程)。

0047

処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づき圧力調整装置242が、フィードバック制御される。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ206によって加熱される。
この際、処理室201内が所望の温度分布となるように温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。
なお、処理炉202に対するマニホールド209、固定リング252、シールリング22、シールキャップ219、回転軸255と及びそのフランジの処理室201に対する露出面は、前記したように、酸化クロム膜、例えば、Cr2O3膜によって覆われており、Cuを中心とする金属のアウトディフュージョンは発生しない。このため、ウエハ(ダミー)200を用いた基板処理を数回乃至数十回繰り返すだけで、立ち上げ当初の基板処理系内のCuの値を所定の管理値よりも充分に低下させることができる。

0048

処理室201の温度、圧力が基板処理に適した温度、圧力に調節され、この状態が保持された状態で処理ガス供給源から基板処理ガスが供給される。基板処理ガスは、MFC241にて所望の流量となるように制御され、ガス供給管232を流通してノズル230から処理室201内に導入される。
処理室201に導入する基板処理ガスは、マニホールド209、固定リング252、シールリング22、シールキャップ219、回転軸255と及びそのフランジ255a等の処理室201に対する露出面を覆っているCr2O3膜に接触するが、Cr2O3膜は、反応性ガスとは非反応であるので、反応によって剥離せず、また、亀裂も発生しない。
基板処理ガスが処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250に基板処理済みガスとして流出して排気管231から排気される。
基板処理ガスは処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触する。
この際、熱CVD反応によってウエハ200の表面上iに薄膜が堆積デポジション)する(基板の熱処理工程)。

0049

予め設定された処理時間が経過すると、不活性ガス供給源から不活性ガスが供給され、処理室201内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。

0050

その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されると共に、処理済みのウエハ200がボート217に保持された状態でマニホールド209の下端からプロセスチューブ203の外部に搬出(ボートアンローディング)される(基板搬出工程)。その後、処理済みのウエハ200はボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。

0051

なお、一例まで、本実施の形態の処理炉にてウエハ200を処理する際の処理条件としては、例えば、SiN膜の成膜においては、処理温度600〜800℃、処理圧力30〜500Pa、ガス種、ガス供給流量(SiH2Cl2ガス:20〜50sccm、NH3ガス:180〜200sccm)が例示され、それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでウエハ200に処理がなされる。

0052

(実施形態の効果)
基板処理装置の装置立ち上げから量産に至るまで、従来は、3週間〜4週間かかっていたが、本実施形態に係る基板処理装置によれば、装置立ち上げ時の金属汚染の管理値が、規定された管理値を以下となるので、立ち上げから量産に至るまでの期間を大幅に短縮することができる。また、従来の基板処理装置と比較して金属汚染のレベルの低い装置として運用することができる。さらに、メンテナンスなどの非定常作業後の金属汚染レベルも低減することができる。
[付記]
以下、本実施形態に係る基板処理装置及び半導体装置製造の態様を付記する。
<第1の態様>
第1の態様は、処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品を具備する基板処理装置であって、前記処理室内に露出される金属部品の表面には、予め、電界複合研磨が施された後、大気圧未満の圧力下でベーキング処理されてなる基板処理装置を提供する。ここで、基板処理装置における金属部品としては、例えば、マニホールド、固定リング、シールリング、シールキャップ、回転軸と及びそのフランジが該当する。金属部材の少なくとも処理室内に対する露出面に酸化クロム膜(Cr2O3膜)が形成されると、酸化クロム膜は、金属部品に含まれているCuやFeを中心とする金属のアウトディフュージョンをブロックするので、半導体装置製造時の金属汚染が防止される。

0053

<第2の態様>
第2の態様は、処理室内に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品の少なくとも前記処理室内に露出される金属表面に、予め、電界複合研磨が施された後に、大気圧未満の圧力でベーキング処理がなされている基板処理装置を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、前記処理室内に基板を搬入する工程と、前記金属表面が前記処理室内に露出された状態で前記処理室内で前記基板を熱処理する工程と、前記処理室から前記基板を搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法を提供する。
このような半導体装置の製造方法によれば、Cuを中心とした金属の汚染が防止され、半導体装置の動作不良が防止される。

0054

<第3の態様>
第3の態様は、処理室内に一部の金属が露出される金属部品の少なくとも前記処理室に露出される金属表面に、予め、電界複合研磨を施した後に前記金属表面に大気圧未満の圧力でベーキング処理する酸化不動体膜の形成方法を提供する。

0055

<第4の態様>
第4の態様は、前記金属部品の含有成分は、少なくとも鉄分よりもニッケル成分が多く含有されている実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。

0056

<第5の態様>
第5の態様は、前記金属部品は、30〜70%のニッケルを含有する実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。

0057

<第6の態様>
第6の態様は、前記電界複合研磨は、金属表面にクロム層もしくはクロム化合物層を形成させる研磨である実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。
金属部材の少なくとも処理室に露出される表面にクロム層もしくはクロム化合物層が予め、形成されているので、ベーキングのみによって金属部材の表面にCrを析出させ、酸素との反応によって酸化クロム膜を形成する方法と比べて、必要な厚みの酸化クロム膜を短時間で形成することが可能になる。

0058

<第7の態様>
第7の態様は、前記大気圧未満の圧力は、1500Pa以下の減圧である実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。
炉内圧力が大気圧に近づくと、金属部品の表面にCr2O3だけでなく、FeOやNiOが析出しやすくなり、FeOやNiOによって耐腐食性が低下してしまうが、1500Pa以下とするとFeOやNiOの析出が抑制される。

0059

<第8の態様>
第8の態様は、前記ベーキング処理により、50nm以上の酸化クロム膜が形成されてなる請求項1記載の基板処理装置を提供するものである。
酸化クロム膜の厚みを50nm以上とすると、装置の立ち上げ直後でも金属汚染を1E10atms/cm2以下にすることができる。

0060

<第9の態様>
第9の態様は、処理室に少なくとも一部の金属表面が露出される金属部品を具備する基板処理装置であって、前記金属部品の少なくとも前記処理室に露出される表面には、50nm以上の酸化クロム膜が形成されてなる基板処理装置を提供する。

0061

<第10の態様>
第10の態様は、前記ベーキング処理は、窒素雰囲気下で処理される実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。このようにすると、金属部材の金属表面を清浄な状態に保持できる。

0062

<第11の態様>
第11の態様は、前記ベーキング処理は、酸素雰囲気下で処理される実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。
このようにすると、前記金属部品の金属表面にNiO膜が形成されず、酸化クロム膜が形成される。また、酸化クロム膜の生成速度が向上する。

0063

<第12の態様>
第12の態様は、前記ベーキング処理は、大気雰囲気下で処理される基板処理装置を提供する。このようにすると、酸化クロム膜の生成速度が向上する。

0064

<第13の態様>
前記ベーキング処理は、520℃以上の温度で、16時間以上前記金属部品を加熱する処理である実施の態様1記載の基板処理装置を提供する。
520℃以上の温度で、16時間以上前記金属部品を加熱すると、酸化クロム膜の厚みを50nm以上とすることができる。

図面の簡単な説明

0065

本発明の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の概略構成を示す縦断面図である。
基板処理装置の構成を示す分解斜視図である。
マニホールドにインナーチューブを支持するための構造を示す平面図である。
Ni合金から成る金属部品の表面に電界複合研磨によりCr膜を形成した後、金属部品のCr膜上にベーキングにより酸化クロム膜を形成した場合の炉内圧力依存性、すなわち、炉内圧力の違いによる酸化クロム膜の形成スピードの違いを表す図である。
同じく、Ni合金から成る金属部品(試料1)の表面に前記電界複合研磨によりCr膜を形成した後、この金属部品のCr膜の上にベーキングにより酸化クロム膜を形成した場合の導入ガス依存性、すなわち、炉内への導入ガスの違いによるCr2O3膜の形成スピードの違いを表す図である。
ステンレス製の金属部品の表面に前記電界複合研磨によりCr膜を形成した後、その後、導入ガスの種別を変えて金属部品のCr膜の上にベーキングにより酸化クロム膜を形成する場合の導入ガスの違いによるFeO、NiOの抑制効果の違いを表す図である。
電界複合研磨により、金属部材の表面に、Cr層を形成した後、大気圧、真空の雰囲気中でのベーキングにより各Cr膜の上に酸化クロム膜を形成した場合のCr2O3膜の厚みとベーキング条件との関係を示す図である。
ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)より処理室に搬入されたボートの上方領域と下方領域での金属汚染の測定結果を示す図である。

符号の説明

0066

22シールリング
115ボートエレベータ
201処理室
209マニホールド
219シールキャップ
252固定リング
254回転機構
255回転軸
255a フランジ

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