図面 (/)

技術 光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 安冨徹也岡田昇
出願日 2007年12月29日 (12年6ヶ月経過) 出願番号 2007-341512
公開日 2009年7月23日 (10年11ヶ月経過) 公開番号 2009-162960
状態 特許登録済
技術分野 光ファイバケーブル
主要キーワード 金属製線材 カール径 熱可塑性樹脂エラストマー 亜鉛メッキ鋼線 ポリリン酸化合物 熱収縮温度 最小曲げ半径 配線系ケーブル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年7月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

ケーブル終端シースを裂いて光ファイバ心線を取り出す際に、光ファイバ心線が好適にカールして作業効率が良好となる光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法を提供すること。

解決手段

本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方がケーブルの長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されているテープ状心線21を光ファイバ心線として用いているので、シース23を裂いて開放状態としてケーブル1からテープ状心線21を取り出した際には当該テープ状心線21がカールするので、小型化された成端箱にケーブル1の余長を問題なく収納でき、作業効率が良好となる。また、このようにテープ状心線21がカールするので、ケーブル1を成端する場合にも、従来からの融着もしくはメカニカルスプライス用の基材等を使用でき、コス対策にも優れる光ファイバケーブル1となる。

概要

背景

近年、光ファイバケーブルを用いた光加入者線路網の構築が急速に進んでおり、電柱
ら宅内へ光ファイバ配線する光ファイバケーブルとして、図9に断面図を示すような光ファイバケーブル9(光ファイバドロップケーブルとも呼ばれる。)が適用されている(例えば、特許文献1を参照。)。かかる光ファイバケーブル9は、光ファイバ心線21の両側にこの光ファイバ心線21と長手方向に平行に並んでテンションメンバ22が配置され、光ファイバ心線21及びテンションメンバ22を被覆するシース23と、を備えて構成される。また、光ファイバケーブル9には、必要に応じて、ケーブル9から光ファイバ心線21を取り出す際に、シース23を容易に引き裂くことができるように、ノッチ24が形成される。

特開2005−257752号公報

概要

ケーブルの終端でシースを裂いて光ファイバ心線を取り出す際に、光ファイバ心線が好適にカールして作業効率が良好となる光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法を提供すること。本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方がケーブルの長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されているテープ状心線21を光ファイバ心線として用いているので、シース23を裂いて開放状態としてケーブル1からテープ状心線21を取り出した際には当該テープ状心線21がカールするので、小型化された成端箱にケーブル1の余長を問題なく収納でき、作業効率が良好となる。また、このようにテープ状心線21がカールするので、ケーブル1を成端する場合にも、従来からの融着もしくはメカニカルスプライス用の基材等を使用でき、コス対策にも優れる光ファイバケーブル1となる。

目的

本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであり、ケーブルの終端でシースを裂いて光ファイバ心線(テープ状心線)を取り出す際に、光ファイバ心線が好適にカールして作業効率が良好となる光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光ファイバ単心線線状体を一体としたテープ状心線と、当該テープ状心線を被覆するシースと、を有する光ファイバケーブルにおいて、前記光ファイバ単心線と前記線状体のうちいずれか一方がケーブル長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されていることを特徴とする光ファイバケーブル。

請求項2

前記光ファイバ単心線と前記線状体のうち、引き伸ばされた方の実長が引き伸ばされない方の実長より短いことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。

請求項3

前記光ファイバ単心線と前記線状体の実長が、長い方の長さを100とした場合に、短い方の長さが98.0〜99.5であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブル。

請求項4

前記テープ状心線の両側あるいは片側に前記テープ状心線と長手方向に平行に並んでテンションメンバが配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光ファイバケーブル。

請求項5

請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造する方法であって、前記線状体が熱収縮性を備えた合成樹脂からなり、前記テープ状心線を前記シースで被覆するに際して、前記線状体が熱収縮するのに十分な温度のシースで被覆して、前記線状体を熱収縮させることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。

請求項6

請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造する方法であって、前記線状体が熱収縮性を備えた合成樹脂からなり、シースされたケーブルを前記線状体が熱収縮するのに十分な温度で加熱処理して、前記線状体を熱収縮させることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。

請求項7

請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造する方法であって、前記光ファイバ単心線と前記線状体を一体化させて前記テープ状心線とする工程と、当該テープ状心線にシースを被覆する工程を1ラインで行い、前記テープ状心線及び前記線状体のサプライ張力を異ならせて、前記光ファイバ単心線及び前記線状体を一体化させて前記テープ状心線とすることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。

請求項8

前記サプライ張力が、小さい方の張力を100とした場合に、大きい方の張力が600〜1050であることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバケーブルの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法に関する。さらに詳しくは、架空布設されている配線系ケーブルから一般住宅ビル等の加入者宅内への引き込みに用いられる光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、光ファイバケーブルを用いた光加入者線路網の構築が急速に進んでおり、電柱
ら宅内へ光ファイバ配線する光ファイバケーブルとして、図9に断面図を示すような光ファイバケーブル9(光ファイバドロップケーブルとも呼ばれる。)が適用されている(例えば、特許文献1を参照。)。かかる光ファイバケーブル9は、光ファイバ心線21の両側にこの光ファイバ心線21と長手方向に平行に並んでテンションメンバ22が配置され、光ファイバ心線21及びテンションメンバ22を被覆するシース23と、を備えて構成される。また、光ファイバケーブル9には、必要に応じて、ケーブル9から光ファイバ心線21を取り出す際に、シース23を容易に引き裂くことができるように、ノッチ24が形成される。

0003

特開2005−257752号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、光ファイバドロップケーブルや光ファイバインドアケーブルでは、ケーブルの終端でシースを裂いて光ファイバ心線を取り出して、融着あるいはメカニカルスプライス等で成端した後に成端箱の中にケーブルの余長収納を行う必要がある。また、近年にあっては、光ファイバ心線も最小曲げ半径が30mmから15mm程度と小径曲げ対応となり、加えて、余長収納のための成端箱も小型化されている。

0005

一方、成端箱が小型化されると、光ファイバケーブルを成端箱のトレイ内に収納しづらくなるばかりでなく、同じ余長の光ファイバを収納する場合でも輪取り時のターンが増えてしまっていた。また、一般的なφ0.25mmの光ファイバ心線を何周も同一径に揃えて輪取りして成端箱に収納する行為は慣れていない作業者には難しいため、作業時間がかかってしまい効率が悪いという問題があった。

0006

本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであり、ケーブルの終端でシースを裂いて光ファイバ心線(テープ状心線)を取り出す際に、光ファイバ心線が好適にカールして作業効率が良好となる光ファイバケーブル及び当該光ファイバケーブルの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

前記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る光ファイバケーブルは、光ファイバ単心線線状体を一体としたテープ状心線と、当該テープ状心線を被覆するシースと、を有する光ファイバケーブルにおいて、前記光ファイバ単心線と前記線状体のうちいずれか一方がケーブルの長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されていることを特徴とする。

0008

本発明の請求項2に係る光ファイバケーブルは、前記した請求項1において、前記光ファイバ単心線と前記線状体のうち、引き伸ばされた方の実長が引き伸ばされない方の実長より短いことを特徴とする。

0009

本発明の請求項3に係る光ファイバケーブルは、前記した請求項1または請求項2において、前記光ファイバ単心線と前記線状体の実長が、長い方の長さを100とした場合に、短い方の長さが98.0〜99.5であることを特徴とする。

0010

本発明の請求項4に係る光ファイバケーブルは、前記した請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、前記テープ状心線の両側あるいは片側に前記テープ状心線と長手方向に平行に並んでテンションメンバが配設されていることを特徴とする。

0011

本発明の請求項5に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造する方法であって、前記線状体が熱収縮性を備えた合成樹脂からなり、前記テープ状心線を前記シースで被覆するに際して、前記線状体が熱収縮するのに十分な温度のシースで被覆して、前記線状体を熱収縮させることを特徴とする。

0012

本発明の請求項6に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造する方法であって、前記線状体が熱収縮性を備えた合成樹脂からなり、シースされたケーブルを前記線状体が熱収縮するのに十分な温度で加熱処理して、前記線状体を熱収縮させることを特徴とする。

0013

本発明の請求項7に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造する方法であって、前記光ファイバ単心線と前記線状体を一体化させて前記テープ状心線とする工程と、当該テープ状心線にシースを被覆する工程を1ラインで行い、前記テープ状心線及び前記線状体のサプライ張力を異ならせて、前記光ファイバ単心線及び前記線状体を一体化させて前記テープ状心線とすることを特徴とする。

0014

本発明の請求項8に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項7において、前記サプライ張力が、小さい方の張力を100とした場合に、大きい方の張力が600〜1050であることを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明の請求項1に係る光ファイバケーブルは、配設される光ファイバ心線を光ファイバ単心線と線状体を一体としたテープ状心線として、かかる光ファイバ単心線と線状体のうちいずれか一方がケーブルの長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されているので、成端等でシースを裂いて開放状態としてケーブルからテープ状心線(光ファイバ心線)を取り出した際に当該テープ状心線がカールするようになり、小型化された成端箱にケーブルの余長を問題なく収納することができ、作業効率が良好な光ファイバケーブルとなる。また、このようなケーブルからテープ状心線を取り出した際に、テープ状心線について光ファイバ単心線と線状体を分離すると、カールしていない光ファイバ単心線を取り出すことができるので、ケーブルを成端する場合にも、従来から用いられている融着もしくはメカニカルスプライス用の基材工具冶具等をそのまま使用でき、コス対策にも優れる光ファイバケーブルとなる。

0016

本発明の請求項2に係る光ファイバケーブルは、テープ状心線を構成する光ファイバ単心線及び線状体について、光ファイバ単心線と線状体の実長が異なり、引き伸ばされた方の実長が引き伸ばされない方の実長より短いようにしているので、光ファイバケーブルからテープ状心線(光ファイバ心線)を取り出した際には、当該テープ状心線が好適にカールするようになる。

0017

本発明の請求項3に係る光ファイバケーブルは、テープ状心線となる光ファイバ単心線と線状体の長さ(実長)の関係を特定の範囲としているので、ケーブルからテープ状心線(光ファイバ心線)を取り出した際に当該テープ状心線が確実にカールするようになる。また、長さの関係がかかる範囲であれば、短い方の長さが短いほどテープ状心線を取り出した際のカール径が小さく、長いほどカール径が大きくなる。このように光ファイバ単心線と線状体の長さの関係を調整することにより、成端箱等に合わせた所望のカール径とすることができることとなり、成端箱への収納等において取り扱いやすい光ファイバケーブルとなる。

0018

本発明の請求項4に係る光ファイバケーブルは、ケーブルの構成としてテープ状心線の両側あるいは片側にテープ状心線と長手方向に平行に並んでテンションメンバが配設されているので、前記の効果を奏する光ファイバドロップケーブルを好適に提供可能となる。

0019

本発明の請求項5に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造するにあたって、熱収縮性を備えた合成樹脂からなる線状体を用いて、テープ状心線をシースで被覆するに際して線状体が熱収縮するのに十分な温度が保持できるように当該シースの温度を調整しているので、シースを押出被覆する際に線状体にシースの熱が伝熱して熱収縮することにより、線状体が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている光ファイバケーブルを簡便に得ることができる。

0020

本発明の請求項6に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造するにあたって、熱収縮性を備えた合成樹脂からなる線状体を用いて、シースされたケーブルを線状体が熱収縮するのに十分な温度で加熱処理するようにしているので、線状体が効率よく熱収縮して引っ張られた状態となるため、線状体が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている光ファイバケーブルを簡便に得ることができる。

0021

本発明の請求項7に係る光ファイバケーブルの製造方法は、前記した請求項1に記載の光ファイバケーブルを製造するにあたって、光ファイバ単心線と線状体を一体化してテープ状心線(光ファイバ心線)として作製する工程と、かかるテープ状心線及びテンションメンバにシースを押出被覆する工程を1ライン(1工程)で実施するに際して、光ファイバ単心線及び線状体の2つの線材のサプライ張力を調整して、光ファイバ単心線及び線状体のうち一方の張力を他方の張力より大きくなるようにしている。これにより、張力の大きい方の線材は張力の小さい方の線材より長手方向に引っ張られ、引き伸ばされた状態でテープ状心線(光ファイバ心線)とされて光ファイバケーブルとなるため、光ファイバ単心線と線状体のうちいずれか一方が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている光ファイバケーブルを簡便に得ることができる。

0022

本発明の請求項8に係る光ファイバケーブルの製造方法は、請求項7に記載の光ファイバケーブルの製造方法を実施するに際して、光ファイバ単心線及び線状体のサプライ張力の関係について、小さい方の張力を100とした場合に、大きい方の張力を特定範囲となるようにしているので、光ファイバ単心線と線状体のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られた状態で一体化されているテープ状心線を備えた光ファイバケーブルを効率よくかつ確実に得られることになる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明の光ファイバケーブルの一態様について説明する。図1は、本発明の光ファイバケーブルの構成の一実施形態を示した断面図を示す。本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバ単心線211と線状体212が一体化されたテープ状心線21(光ファイバ心線21)と、テープ状心線21を被覆するシース23と、を基本構成として備えている。なお、図1では、かかるテープ状心線21の両側に、テンションメンバ22が、光ファイバ心線21と長手方向に平行に並んで配設され、また、光ファイバケーブル1の両脇にノッチ24を形成した態様を示している。本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバドロップケーブルや光ファイバインドアケーブルとも呼ばれる、終端でシース23を裂いて光ファイバ心線21を取り出して、融着あるいはメカニカルスプライス等で成端した後に、成端箱の中にケーブル1の余長収納を行う必要があるものである。

0024

本発明の光ファイバケーブル1に配設されるテープ状心線21(光ファイバ心線21)は、光ファイバ単心線211と、線状体212を一体として構成され、本発明にあっては、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている。

0025

図2は、図1の光ファイバケーブル1において、ケーブル端末の構成を示した概略図である。図2について、以下、テープ状心線21(光ファイバ心線21)を構成する光ファイバ単心線211と線状体212のうち、実長(引き伸ばされた状態から開放され、もとに戻った状態の長さ、あるいは、熱収縮した状態の長さ)が光ファイバ単心線211の実長より短い線状体212がケーブル1の長手方向(図2の矢印方向)に引き伸ばされた状態とした例を用いて説明する。図2に示した光ファイバケーブル1において、線状体212は引っ張られて、線状体212の実長より引き伸ばされた状態であるため、線状体212自体には縮もうとする力がはたらくが、光ファイバ単心線211とともに、被覆されるシース23に把持、固定されている。よって、線状体212はケーブル1の長手方向に引っ張られて、引き伸ばされた状態を維持し、図2に示すようにケーブル端末においては光ファイバ単心線211と線状体212の長さは揃って、また、ケーブル1全長においても、光ファイバ単心線211と線状体212の見た目の長さは等しくなっている。なお、線状体212と一体化される光ファイバ単心線211は、線状体212が引き伸ばされた状態である反動から、長手方向に圧縮され、縮められた状態となってバランスを保っている。

0026

一方、ケーブル1の口開け等でテープ状心線21(光ファイバ心線21)を被覆し、把持、固定するシース23を裂いてテープ状心線21を光ファイバケーブル1から取り出すと、テープ状心線21の緊張状態緩和された状態(開放状態)となる。かかる開放状態となると、長手方向に引っ張られて引き伸ばされていた線状体212が縮むことによって、線状体212と一体化されている光ファイバ単心線211を含むテープ状心線21がカールすることになる。図3は、図2の光ファイバケーブル1において、テープ状心線21がカールした状態を示す概略図である。このように、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引き伸ばされた状態(ここでは線状体212)で一体化されている一方、シース23を裂いてケーブル1からテープ状心線21を取り出した際には当該テープ状心線21がカールするようになり、小型化された成端箱にケーブルの余長を問題なく収納することができ、作業効率が良好な光ファイバケーブル1となる。

0027

図4は、図2の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ単心線211と線状体212を分離した状態を示した概略図、図5は、図2の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ単心線211を取り出した状態を示した概略図である。一般に、光ファイバドロップケーブル等の光ファイバケーブル1は、光ファイバ単心線211を成端するときは、図4に示すように、テープ状心線21(光ファイバ心線21)について光ファイバ単心線211と線状体212を分離した後、図5に示すように、光ファイバ単心線211を取り出すようにする一方、不要な線状体212を取り除く必要がある。本発明の光ファイバケーブル1から光ファイバ心線21を取り出した際には、前記した図3に示すように、テープ状心線21がカールするが、光ファイバ単心線211と線状体212を分離すると光ファイバ単心線211は直線状に出てくることとなり、従来から用いられている融着もしくはメカニカルスプライス用の基材、工具、冶具等をそのまま使用できる。

0028

なお、本発明の光ファイバケーブル1のように、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られ、引き伸ばされた状態で一体化されている場合にあっては、シース23を裂いてテープ状心線21を開放状態として、光ファイバケーブル1から取り出してテープ状心線21を光ファイバ単心線211と線状体212に分離した状態では、テープ状心線21(光ファイバ心線21)を構成する光ファイバ単心線211と線状体212の長さが異なることになる(前記したように線状体212が引き伸ばされた状態とした場合にあっては、線状体212の実長は光ファイバ単心線211の実長より短く、両者を分離した状態(図4)では線状体212が収縮して、線状体212が光ファイバ単心線211より短くなり端末の長さが揃わなくなる。)。

0029

テープ状心線21を構成する光ファイバ単心線211と線状体212は、両者の実長が異なるようにして、主として、引き伸ばされた方の実長は、引き伸ばされない方の実長より短くなればよいが、光ファイバ単心線211と線状体212の長さ(実長)の関係は、光ファイバ単心線211と線状体212のうち長い方の長さを100とした場合、短い方の長さを98.0〜99.5とすることが好ましい。両者の長さの関係がかかる範囲であれば、ケーブル1からテープ状心線21を取り出した際に、当該光ファイバ心線21が確実にカールするようになり、また、かかる範囲であれば、短い方の長さが短いほど光ファイバ心線21を取り出した際のカール径が小さくなり、長いほどカール径が大きくなる。このように光ファイバ単心線211と線状体212の長さの関係の調整によりカール径を調整することができるため、成端箱等に合わせた所望のカール径とすることが可能となり、成端箱への収納等の際にも取り扱いやすくなる。

0030

テープ状心線21(光ファイバ心線21)を構成する光ファイバ単心線211としては、従来公知の光ファイバ単心線211を使用すればよく、例えば、石英ガラス光ファイバの外周に、紫外線硬化樹脂熱硬化樹脂を被覆したものを使用することができる。また、光ファイバ単心線211の外径については、求められる特性等により適宜決定することができるが、概ねφ0.25〜0.90mm程度としておけばよい。

0031

線状体212としては、その材料等に特に制限はなく、例えば、前記した光ファイバ単心線211と同様な材料からなる線材や、金属線等を使用することができる。また、後記するように、ケーブル1に対して熱処理を施し、線状体212を熱収縮させて当該線状体212が長手方向に引き伸ばされた状態(線状体212が縮もうとしている状態)として、線状体212が光ファイバ単心線211より短くするようにしてケーブル1を製造する場合にあっては、線状体212が熱収縮性を備えた合成樹脂、例えば、ナイロン6・10、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12等のナイロンフィラメントや、ポリエステルテレフタレート、ポリエステルナフタレートポリブチルテレフタレート等を使用することができる。

0032

また、線状体212として熱収縮性を備えた合成樹脂を使用する場合にあっては、熱収縮率を0.5〜2.0%とすることが好ましい。なお、線状体212の外径は、光ファイバ単心線211の外径に対して、概ね80〜120%としておけばよく、光ファイバ単心線211と略同じ外径とすることが好ましい。

0033

光ファイバ単心線211と線状体212は、例えば、紫外線硬化性樹脂熱硬化性樹脂、等により一体化されてテープ状心線21(光ファイバ心線21)とすればよい。ここで、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート等が、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂等を使用することができる。

0034

図1に示した態様の光ファイバケーブル1を構成するテンションメンバ22について、使用可能なテンションメンバ22としては、亜鉛メッキ鋼線等の鋼線、鋼撚り線等の金属製線材や、ガラス繊維樹脂有機)繊維を含む繊維強化プラスチックFRP)等の非金属製線材からなる非導電性の材料から構成することができる。また、テンションメンバ22の外径については、概ねφ0.3〜0.8mm程度としておけばよく、φ0.4〜0.5mmとすることが好ましい。

0035

本発明の光ファイバケーブル1において、前記した図1に示すように断面視が矩形状や楕円形状のものを採用する場合にあっては、短径(短辺)を概ね1.0〜3.0mm、長径(長辺)を概ね2.0〜6.0mm程度とすればよい。

0036

テープ状心線21及びテンションメンバ22を被覆するシース23を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン直鎖状低密度ポリエチレンエチレンα−オレフィン共重合体ポリプロピレンプロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等のポリオレフィン系樹脂アイオノマーポリアミドポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレンポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂熱可塑性樹脂エラストマーや、スチレンブタジエンゴムブタジエンゴムイソプレンゴムアクリロニトリルブタジエンゴムエチレンプロピレンゴムエチレンプロピレンターポリマーブチルゴムアクリルゴムシリコーンゴム等の合成ゴムが挙げられる。また、前記した熱可塑性樹脂等を不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体変性した酸変性物等を用いることができる。また、これらの合成樹脂は、その1種類を単独で使用してもよく、また、これらの2種類以上を組み合わせて樹脂組成物として使用するようにしてもよい。

0037

なお、本発明の光ファイバケーブル1におけるシース23を構成する樹脂ないし樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、前記した以外の各種の樹脂成分や各種の添加剤を必要に応じて適宜添加することができる。添加剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム等の金属水和物等からなる難燃剤滑剤改質剤酸化防止剤光安定剤プロセスオイルシリコンオイル紫外線吸収剤カーボンブラック分散剤顔料染料ブロッキング防止剤架橋剤、架橋助剤等が挙げられ、また、用途によっては、従来から慣用されている赤リンポリリン酸化合物ヒドロキシ錫酸亜鉛錫酸亜鉛ほう酸亜鉛炭酸カルシウムハイドロタルサイト酸化アンチモン等の難燃助剤を添加してもよい。

0038

図1に示した構成の本発明の光ファイバケーブル1の両脇に形成されるノッチ24は、光ファイバケーブル1からテープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出す際に、シース23を容易に引き裂くことができるようにするために配設されている。かかるノッチ24は、光ファイバケーブル1の長手方向に亘って連続的に形成されていてもよく、また、長手方向に亘って間欠的に形成されるようにしてもよい。ノッチ24の形状は三角形状、半円状、鋭利刃傷形状等の任意の形状にすることができ、また、ノッチ24の深さについては、光ファイバケーブル1のサイズ等により適宜決定すればよいが、概ね0.3〜0.6mm程度としておけばよい。

0039

図6は、本発明の光ファイバケーブル1に支持部3を配設した態様を示した断面図である。本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られた状態で一体化されているテープ状心線21(光ファイバ心線21)と、当該テープ状心線21を被覆するシース23とを有する限り、前記した態様(図6においては、支持部3に対して本体部2と呼ぶ。)としてもよいが、当該本体部2の他に、支持部3を配設するようにしてもよい。支持部3に配設される支持線32としては、亜鉛メッキ鋼線等、鋼撚り線等の金属製の線材を使用することができる。また、支持線32の外径については、光ファイバケーブル1ないし支持部3のサイズや、求められる強度等により適宜決定すればよいが、概ねφ1.0〜2.6mm程度としておけばよい。

0040

支持部3は、連結部4により本体部2と連結されることになる。当該支持部3については、外径を2.0〜4.0mm程度とするのが一般的であり、本発明の光ファイバケーブル1についても、これらの寸法に準じて形成するようにすればよい。また、連結部4は、幅を0.2〜0.5mm、高さを0.1〜2.0mm程度としておけばよい。

0041

テープ状心線21(光ファイバ心線21)を構成する光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られ、引き伸ばされた状態となる本発明の光ファイバケーブル1を製造するには、あらかじめ光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られ、引き伸ばされた状態で一体化されているテープ状心線21を作製し、かかるテープ状心線21やテンションメンバ22等に、シース23を構成する樹脂ないし樹脂組成物を、従来公知の押出成形法、例えば、タンデム押出法コモン押出法を用いて押出被覆することにより簡便に製造することができる。

0042

また、線状体212として熱収縮性を有する合成樹脂を使用する場合には、光ファイバ単心線211と線状体212を一体化してテープ状心線21(光ファイバ心線21)とした後、当該テープ状心線21とテンションメンバ22等に対して合成樹脂等からなる溶融状態のシース23を押出被覆して光ファイバケーブル1を製造する際のシース23の温度を、線状体212が熱収縮するのに十分な温度(例えば、線状体212を構成する材料の熱収縮温度〜200℃)とすればよい。また、シース23を押出後の冷却水槽までの距離や冷却水槽の水温製造線速から冷却速度を適宜調整してもよい。このようにすれば、シース23を押出被覆する際に線状体212にシースの熱が伝熱して線状体212が熱収縮するが、線状体212は光ファイバ単心線211とともに、被覆されるシース23に把持、固定されているため、線状体212はケーブル1の長手方向に引き伸ばされた状態を維持する。よって、線状体212が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている光ファイバケーブル1を簡便に得ることができる。

0043

さらに、線状体212として熱収縮性を有する合成樹脂を使用する場合には、シース23を押出被覆してケーブル1を製造した後、ケーブル1を線状体212が熱収縮するのに十分な温度で加熱処理することにより、線状体212が熱収縮して、長手方向に引っ張られ、引き伸ばされた状態となる。加熱処理温度としては、線状体212を構成する材料の熱収縮温度により適宜決定すればよく、概ね50〜100℃、好ましくは60〜90℃程度とすればよい。また、処理時間としては、例えば、10〜300分程度とすればよい。一方、前記したと同様に、線状体212は光ファイバ単心線211とともに、被覆されるシース23に把持されているため、線状体212はケーブル1の長手方向に引き伸ばされた状態を維持することとなるため、線状体212が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている光ファイバケーブル1を簡便に得ることができる。なお、加熱処理の手段としては、例えば、線状体212を熱収縮するのに十分な温度(雰囲気温度)に調整された恒温槽内において適当な処理時間で保管するようにすればよい。

0044

なお、本発明の光ファイバケーブル1は、前記した方法に加えて、製造時の光ファイバ単心線211と線状体212のサプライ時の張力(サプライ張力)を調整することにより簡便に得ることができる。

0045

本発明の光ファイバケーブル1を製造する方法の一例を、図7及び図8を用いて説明する。ここで、図7は、本発明の光ファイバケーブル1を製造するライン(光ファイバケーブル製造ライン6)の一態様を示した概略図であり、図8は、図7において、張力調整部62aの一態様を示した概略図である。

0046

図7に示す光ファイバケーブル製造ライン6にあっては、光ファイバ単心線211と線状体212を一体化してテープ状心線21(光ファイバ心線21)として作製する工程と、当該テープ状心線21及びテンションメンバ22に、樹脂ないし樹脂組成物からなるシース23を押出被覆する工程を1ライン(1工程)で行うものである。

0047

具体的には、サプライ611,612から送り出される光ファイバ単心線211及び線状体212について、サプライ張力を張力調整部62a、62bで調整しながら、紫外線硬化樹脂塗布部63を通過させることにより紫外線硬化樹脂を塗布し、その後紫外線照射部64を通過させることにより当該紫外線硬化樹脂を硬化させ、光ファイバ単心線211と線状体212を一体化させたテープ状心線21(光ファイバ心線21)となる。そして、このテープ状心線21と、サプライ613,614から送り出されるテンションメンバ22を、テープ状心線21の両側にテンションメンバ22がテープ状心線21と長手方向に平行に並ぶように配置し、テープ状心線21及びテンションメンバ22に押出部65から合成樹脂ないし合成樹脂組成物からなるシース23を押出被覆して、冷却部66で冷却した後、巻取部67で巻き取られることになる。

0048

ここで、張力調整部62a,62bにあっては、光ファイバ単心線211及び線状体212の2つの線材のサプライ張力が調整される。かかるサプライ張力を調整して、光ファイバ単心線211及び線状体212のうち一方の張力を他方の張力より大きいようにすれば、張力の大きい方の線材は張力の小さい方の線材より長手方向に引っ張られた状態で、引き伸ばされたテープ状心線21(光ファイバ心線21)とされ、光ファイバケーブル1となる。長手方向に引き伸ばされた線材(光ファイバ単心線211または線状体212)は、被覆されるシース23に把持されているため、当該線材はケーブル1の長手方向に引き伸ばされた状態を維持することとなるため、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されている光ファイバケーブル1を簡便に得ることができる。

0049

サプライ張力の大きさは、光ファイバ単心線211及び線状体212とも、概ね50g〜1600g程度とすればよく、引き伸ばそうとする線材の張力を600〜1600g、引き伸ばそうとしない線材の張力を50〜200gとすればよい。また、光ファイバ単心線211及び線状体212のサプライ張力の関係は、これらのうち小さい方の張力を100とした場合に、大きい方の張力を600〜1050とすることが好ましい。両者のサプライ張力の関係をかかる範囲とすることにより、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られた状態で一体化され、光ファイバ単心線211と線状体212の長さが異なる光ファイバケーブル1が効率よくかつ確実に得られることになる。サプライ張力の関係は、小さい方の張力を100とした場合に、大きい方の張力を800〜1050とすることが特に好ましい。

0050

光ファイバ単心線211を例に挙げて、張力調整部62aの一態様を説明する。図8は、図7において、張力調整部62aの一態様を示した概略図である。図8に示す張力調整部62aにあっては、光ファイバ単心線211は張力調整部62aに配設される滑車621,622,623のうち、2つの滑車621,622を通過することになり、また、動滑車622には定滑車623を介して荷重かけられている。図8の構成では、光ファイバ単心線211には荷重624の1/2の張力がかかることになり、この荷重624の大きさを、光ファイバ単心線211が通過する張力調整部62aと、線状体212が通過する張力調整部62b(図7参照)で、一方のサプライ張力が他方より大きくなるように適宜調整することにより、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られ、引き伸ばされた状態で一体化され、光ファイバ単心線211と線状体212の長さが異なる光ファイバケーブル1が得られることになる。

0051

以上説明したように、本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバ単心線211と線状体212が一体化されてなるテープ状心線21(光ファイバ心線21)について、当該光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引き伸ばされた状態で一体化されているので、ケーブル1からテープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際に当該テープ状心線21がカールするようになり、小型化された成端箱にケーブル1の余長を問題なく収納することができ、作業効率が良好となる。また、このようにケーブル1からテープ状心線21を取り出した際に当該テープ状心線21がカールするので、ケーブル1を成端する場合にも、従来から用いられている融着もしくはメカニカルスプライス用の基材、工具、冶具等をそのまま使用でき、コスト対策にも優れる。

0052

なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる
範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。ま
た、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達
成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実
施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本
発明に含まれるものである。

0053

例えば、前記した図1では、本発明の光ファイバケーブル1の構成として、テープ状心線21の両側にテンションメンバ22を配設した態様を例として示したが、テンションメンバ22の配設は必須ではなく、光ファイバ単心線211と線状体212のうちいずれか一方が長手方向に引っ張られた状態で一体化されているテープ状心線21(光ファイバ心線21)と、かかるテープ状心線21を被覆するシース23と、を有する光ファイバケーブル1であれば、その構成は任意に決定することができる。

0054

なお、光ファイバケーブル1にテンションメンバ22を配設する場合にあっては、図1図2及び図6に示すような、テープ状心線21(光ファイバ心線21)の両側に配設された態様には限定されず、例えば、テンションメンバ22は、テープ状心線21の片側に配設するようにしてもよい。

0055

また、前記した実施形態にあっては、図1等では、光ファイバケーブル1にノッチ24を形成した光ファイバケーブル1を示したが、ケーブル1にはノッチ24を形成しないようにしてもよい。

0056

また、図7の製造ラインにおいて、光ファイバ単心線211及び線状体212の張力を調整する張力調整部62a,62bの構成について図8を例に挙げて説明したが、張力調整部62a,62bの構成や機構については図8の構成には限定されず、任意の構成を採用することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範
囲で他の構造等としてもよい。

0057

以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例等に何ら制約されるものではない。

0058

[実施例1ないし実施例3及び比較例1]
φ0.25mmの光ファイバ単心線211と、熱収縮率を表1に示すφ0.25mmのナイロン6・10のモノフィラメントからなる線状体212に紫外線硬化樹脂を被覆して、サイズが0.27mm×0.6mmのテープ状心線21(光ファイバ心線21)とした。このテープ状心線21を挟むようにして2本のテンションメンバ22を並べ、シース23を構成する合成樹脂としてノンハロゲン難燃ポリオレフィンを用いて、押出成形法により、図1に示す構成の光ファイバケーブル1を製造した。

0059

なお、線状体212であるナイロン6・10のモノフィラメントは、単体で70℃×30分(ないしそれ以上)保持する加熱処理を施した場合に表1に示す熱収縮率(比較例1については熱収縮率=0)となるように、あらかじめ製造時の延伸条件を調整して得られたものである。また、当該線状体212の仕様以外の光ファイバケーブル1の仕様は下記の通りである。

0060

(光ファイバケーブル1の仕様)
シース材料:ノンハロゲン難燃ポリオレフィン
テープ状心線21 :φ0.125mmの石英系ガラスの外周に紫外線硬化型樹脂被覆を有するφ0.25mm光ファイバ単心線211とφ0.25mmのナイロン6・10のモノフィラメントからなる線状体212を紫外線硬化樹脂で被覆して、0.27mm×0.6mmとしたテープ状心線を1枚
テンションメンバ22:亜鉛メッキ鋼線(外径φ0.4mm)
ケーブル1の短径:2.0mm
ケーブル1の長径:3.1mm
ノッチ24の深さ :0.4mm

0061

次に、得られた光ファイバケーブル1を500mの長さで束取り後、雰囲気温度70℃に調整された恒温槽内に3時間入れて加熱処理した。この結果、実施例1ないし実施例3のケーブル1内部の線状体212は熱収縮し、ケーブル1内部でケーブル1の長手方向に引っ張られ、引き伸ばされる(縮もうとする)状態となった。なお、熱収縮後の線状体212の長さ(実長)は、光ファイバ単心線211の長さ(光ファイバ単心線211は熱収縮しないので、光ファイバ単心線211の長さは実長と等しい。実施例4ないし実施例6、比較例2の光ファイバ単心線211についても同じ。)に対して表1に示す長さの関係となるまで収縮した。一方、比較例1の光ファイバケーブルは、線状体212が収縮しないので、光ファイバ単心線211と線状体212の長さ(実長)は等しいものである。

0062

そして、3時間の加熱処理後恒温槽から取り出したケーブル1に対して、ノッチ24をきっかけにシース23を裂いて、ケーブル1内部のテープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際の当該光ファイバ心線21のカールの有無、及びカールした際の直径(カール径)を測定し、比較・評価した。結果も併せて表1に示す。

0063

(線状体の熱収縮率及び測定結果

0064

表1に示すように、線状体212が熱収縮して、ケーブル1内部でケーブル1の長手方向に引き伸ばされた状態となっている(熱収縮後の線状体212の実長は光ファイバ単心線211の実長より短い)実施例1、実施例2及び実施例3の光ファイバケーブル1は、シース23を裂いて開放状態とし、ケーブル1内部のテープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際にテープ状心線21は図3に示すようにカールした。ケーブル1内部のテープ状心線21を取り出した際に当該テープ状心線21がカールした状態となることにより、小型化された成端箱にケーブル1の余長を問題なく収納することができ、作業効率が良好な光ファイバケーブル1となる。また、成端に際しても、従来から用いられている融着もしくはメカニカルスプライス用の基材等をそのまま使用できることになる。

0065

これに対して、線状体212の熱収縮がなく、ケーブル1内部で長手方向に引き伸ばされることもなく、光ファイバ単心線211と線状体212の長さ(実長)が等しい比較例1の光ファイバケーブルは、テープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際にも当該テープ状心線21はカールしなかった。

0066

[実施例4ないし実施例6及び比較例2]
線状体212として前記した光ファイバ単心線211と同仕様の光ファイバ単心線(すなわち、光ファイバ単心線211と線状体212が2本の光ファイバ単心線)を用いた。また、ケーブル1を製造する際には、図7にあるライン6を用いて、テープ状心線21(光ファイバ心線21)の製造と、当該テープ状心線21及びテンションメンバ22に対するシース23の押出被覆を1つの工程(ライン)で行い、製造時の2本の光ファイバ単心線211の張力を表2のようにした。なお、表2に示すように、2本の光ファイバ単心線211(便宜上、「光ファイバ単心線211」と「光ファイバ単心線(線状体212)」とする。)について張力の差があるものを実施例4、実施例5及び実施例6とし、両者の張力が等しいものを比較例1とした。

0067

光ファイバケーブル1の製造は、2本の光ファイバ単心線の張力を表2の関係とした状態で、図7に従い、光ファイバ単心線211、光ファイバ単心線(線状体212)を送り出して紫外線硬化樹脂で被覆し、0.27mm×0.6mmとしたテープ状心線21(光ファイバ心線21)とした後、このテープ状心線21を挟むようにして2本のテンションメンバ22を並べ、シース23を構成する合成樹脂としてノンハロゲン難燃ポリオレフィンを用いて、押出成形法により、図1に示す構成の光ファイバケーブル1を製造するようにした。なお、光ファイバケーブル1について、テープ状心線21以外の仕様は、実施例1と同様である。

0068

そして、得られたケーブル1に対して、実施例1等と同様、ノッチ24をきっかけにシース23を裂いて、ケーブル1内部のテープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際の当該テープ状心線21のカールの有無、及びカール径を測定し、比較・評価した。結果も併せて表2に示す。なお、表2中、「光ファイバ単心線(線状体212)の長さ」とは、実長を示す。

0069

(サプライ張力及び測定結果)

0070

表2に示すように、2本の光ファイバ単心線211の張力が異なり、張力が大きい方の光ファイバ単心線(線状体212)がケーブル1内部でケーブル1の長手方向に引き伸ばされた状態となり、光ファイバ単心線(線状体212)の長さ(実長)が張力の小さい光ファイバ単心線211の長さ(実長)より短い実施例4、実施例5及び実施例6の光ファイバケーブル1は、シース23を裂いて、ケーブル1内部のテープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際に当該テープ状心線21は図3に示すようにカールした。実施例1ないし実施例3の光ファイバケーブルと同様、ケーブル1内部のテープ状心線21を取り出した際に当該テープ状心線21がカールした状態となることにより、小型化された成端箱にケーブル1の余長を問題なく収納することができ、作業効率が良好となる。また、成端に際しても、実施例1等の光ファイバケーブル1と同様、従来から用いられている融着もしくはメカニカルスプライス用の基材等をそのまま使用できることになる。

0071

これに対して、2本の光ファイバ単心線211の張力が等しく、ケーブル1内部でケーブル1の長手方向に引き伸ばされることもなく、2本の光ファイバ単心線211の長さ(実長)が等しい比較例2の光ファイバケーブルは、テープ状心線21(光ファイバ心線21)を取り出した際にテープ状心線21はカールしなかった。

図面の簡単な説明

0072

本発明の光ファイバケーブルの構成の一実施形態を示した断面図である。
図1の光ファイバケーブルにおいて、ケーブル端末の構成を示した概略図である。
図2の光ファイバケーブルにおいて、テープ状心線がカールした状態を示す概略図である。
図2の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ単心線と線状体を分離した状態を示した概略図である。
図2の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバ単心線を取り出した状態を示した概略図である。
図1の光ファイバケーブルにおいて、支持部を配設した態様を示した断面図である。
本発明の光ファイバケーブルを製造するラインの一態様を示した概略図である。
図7において、張力調整部の一態様を示した概略図である。
従来の光ファイバケーブルの構成を示した断面図である。

符号の説明

0073

1光ファイバケーブル
2 本体部
21テープ状心線(光ファイバ心線)
211光ファイバ単心線
212線状体
22テンションメンバ
23シース
24ノッチ
3 支持部
32支持線
4 連結部
6 光ファイバケーブル製造ライン
611,612,613,614サプライ
62a,62b張力調整部
621,623滑車(定滑車)
622 滑車(動滑車)
624荷重
63紫外線硬化樹脂塗布部
64紫外線照射部
65押出部
66 冷却部
67巻取部
9 従来の光ファイバケーブル

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 古河電気工業株式会社の「 ケーブル」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】 製造性に優れ、軟化温度が高く、高い耐環境温度を有するケーブルを提供する。【解決手段】 メタリックケーブル30aは、主に、内部側から順に、複数の被覆導線31と押さえ巻きテープ37とラミネー... 詳細

  • 住友電気工業株式会社の「 光ファイバケーブルの製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】従来に比べて光ファイバ心線の残留歪みの制御範囲が広く、制御しやすい光ファイバケーブルの製造方法を提供する。【解決手段】光ファイバ心線(光ファイバテープ心線10で例示)と、光ファイバ心線を収納す... 詳細

  • 株式会社フジクラの「 光ファイバケーブル」が 公開されました。( 2020/04/23)

    【課題】撚り戻りを抑制した光ファイバケーブルを提供する。【解決手段】光ファイバケーブル100は、複数の光ファイバ1をそれぞれ有する複数の光ファイバユニット10と、光ファイバユニット10を包む押さえ巻き... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ