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技術 燃料電池装置並びに起動判定装置及び起動判定方法

出願人 日産自動車株式会社
発明者 竹内和史櫛引圭子矢口竜也
出願日 2007年12月5日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-314897
公開日 2009年6月25日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2009-140706
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(システム) 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動 燃料電池(本体)
主要キーワード 保温特性 バッテリ電力量 起動エネルギ 関係線 投入エネルギ 電力調整器 出力エネルギ 販売地域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

従来技術に況してさらに精度よく燃費悪化を防止できる燃料電池装置並びに起動判定装置及び起動判定方法を提供する。

解決手段

発電を停止している燃料電池11の起動を制御する燃料電池装置であって、燃料電池の発電電力充電するバッテリ12の充電可能量を算出する充電可能量算出手段(S12)と、算出した充電可能量に基づいて、燃料電池に対して要求する出力エネルギを算出する要求出力エネルギ算出手段(S13)と、要求出力エネルギと、その要求出力エネルギを得るために発電停止中の燃料電池に投入するエネルギと、の比であるエネルギ効率を算出するエネルギ効率算出手段(S16)と、エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池を起動し、小さいときには燃料電池を起動しない起動制御手段(S17,S18)とを有することを特徴とする。

概要

背景

固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell(SOFC))を搭載する燃料電池車の研究が進められている。固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、現在一般的に車両への搭載が研究されている固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell(PEFC))に比べて発電効率が高いという特性がある。ところが固体酸化物形燃料電池(SOFC)の動作温度は500〜1000℃程度であり、常温〜100℃程度の固体高分子形燃料電池(PEFC)の動作温度と比較して極めて高温である。このため起動には、エネルギと時間を要する。起動に要するエネルギや時間が大きい場合に、一旦開始した起動動作起動完了前に停止しては、燃料電池発電しない。無駄なエネルギが消費されるだけであり、燃費が悪化する。

そこで特許文献1では、起動に要するエネルギが、燃費悪化に影響しないことを判定する基準値(予め設定された一定値)よりも小さいときにのみ燃料電池を起動することで、燃費悪化を防止している。
特許第3659204号公報

概要

従来技術に況してさらに精度よく燃費悪化を防止できる燃料電池装置並びに起動判定装置及び起動判定方法を提供する。発電を停止している燃料電池11の起動を制御する燃料電池装置であって、燃料電池の発電電力充電するバッテリ12の充電可能量を算出する充電可能量算出手段(S12)と、算出した充電可能量に基づいて、燃料電池に対して要求する出力エネルギを算出する要求出力エネルギ算出手段(S13)と、要求出力エネルギと、その要求出力エネルギを得るために発電停止中の燃料電池に投入するエネルギと、の比であるエネルギ効率を算出するエネルギ効率算出手段(S16)と、エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池を起動し、小さいときには燃料電池を起動しない起動制御手段(S17,S18)とを有することを特徴とする。

目的

このように本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、従来技術に況してさらに精度よく燃費悪化を防止できる燃料電池装置並びに起動判定装置及び起動判定方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

発電を停止している燃料電池起動を制御する燃料電池装置であって、燃料電池の発電電力充電するバッテリの充電可能量を算出する充電可能量算出手段と、算出した充電可能量に基づいて、燃料電池に対して要求する出力エネルギを算出する要求出力エネルギ算出手段と、前記要求出力エネルギと、その要求出力エネルギを得るために発電停止中の燃料電池に投入するエネルギと、の比であるエネルギ効率を算出するエネルギ効率算出手段と、前記エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池を起動し、小さいときには燃料電池を起動しない起動制御手段と、を有する燃料電池装置。

請求項2

前記投入エネルギは、発電停止中の燃料電池が起動完了までに要する起動エネルギと、前記要求出力エネルギを出力するために必要とする必要エネルギと、の和であり、前記基準値は、前記起動エネルギが小さいほど、要求出力エネルギが大きくても燃料電池を起動するような値に設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。

請求項3

前記バッテリの消費速度を検出するバッテリ消費速度検出手段をさらに備え、前記基準値は、前記バッテリ消費速度が大きいほど小さく補正される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池装置。

請求項4

前記燃料電池が起動を完了するまでに要する時間を推定する起動時間推定手段をさらに備え、前記基準値は、前記推定された起動時間が大きいほど小さく補正される、ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の燃料電池装置。

請求項5

前記燃料電池は車両に搭載され、前記車両が長距離走行予定する長距離走行モードであるのか短距離走行を予定する短距離走行モードであるのかを判定する走行モード判定手段をさらに備え、前記基準値は、長距離走行モードのときには大きく補正され、短距離走行モードのときには小さく補正される、ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の燃料電池装置。

請求項6

前記起動制御手段は、燃料電池の起動エネルギが下限基準値よりも小さいときには、エネルギ効率の大小にかかわらず、燃料電池を起動する、ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料電池装置。

請求項7

前記起動制御手段は、前記バッテリの残量が下限基準値よりも小さいときには、エネルギ効率の大小にかかわらず、燃料電池を起動する、ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の燃料電池装置。

請求項8

前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池である、ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の燃料電池装置。

請求項9

発電を停止している燃料電池の起動を判定する燃料電池起動判定装置であって、燃料電池の発電電力を充電するバッテリの充電可能量を算出する充電可能量算出手段と、算出した充電可能量に基づいて、燃料電池に対して要求する出力エネルギを算出する要求出力エネルギ算出手段と、前記要求出力エネルギと、その要求出力エネルギを得るために発電停止中の燃料電池に投入するエネルギと、の比であるエネルギ効率を算出するエネルギ効率算出手段と、前記エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池の起動することを判定し、小さいときには燃料電池を起動しないことを判定する起動判定手段と、を有する燃料電池起動判定装置。

請求項10

発電を停止している燃料電池の起動を判定する燃料電池起動判定方法であって、燃料電池の発電電力を充電するバッテリの充電可能量を算出する充電可能量算出工程と、算出した充電可能量に基づいて、燃料電池に対して要求する出力エネルギを算出する要求出力エネルギ算出工程と、前記要求出力エネルギと、その要求出力エネルギを得るために発電停止中の燃料電池に投入するエネルギと、の比であるエネルギ効率を算出するエネルギ効率算出工程と、前記エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池の起動することを判定し、小さいときには燃料電池を起動しないことを判定する起動判定工程と、を有する燃料電池起動判定方法。

技術分野

0001

この発明は、燃料電池装置並びに起動判定装置及び起動判定方法に関する。

背景技術

0002

固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell(SOFC))を搭載する燃料電池車の研究が進められている。固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、現在一般的に車両への搭載が研究されている固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell(PEFC))に比べて発電効率が高いという特性がある。ところが固体酸化物形燃料電池(SOFC)の動作温度は500〜1000℃程度であり、常温〜100℃程度の固体高分子形燃料電池(PEFC)の動作温度と比較して極めて高温である。このため起動には、エネルギと時間を要する。起動に要するエネルギや時間が大きい場合に、一旦開始した起動動作起動完了前に停止しては、燃料電池発電しない。無駄なエネルギが消費されるだけであり、燃費が悪化する。

0003

そこで特許文献1では、起動に要するエネルギが、燃費悪化に影響しないことを判定する基準値(予め設定された一定値)よりも小さいときにのみ燃料電池を起動することで、燃費悪化を防止している。
特許第3659204号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このように上述の特許文献1によれば、起動動作にエネルギを無駄に消費してしまうことを防止して燃費の悪化を防止できた。しかしながらこの従来技術では、起動に要するエネルギを単に一定値と比較して起動の要否を判定するというものであった。本件発明者らは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を搭載する燃料電池車の研究を日夜進め、上述の従来技術に況してさらに精度を向上することで燃費悪化を防止できる技術を完成するに至った。

0005

このように本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、従来技術に況してさらに精度よく燃費悪化を防止できる燃料電池装置並びに起動判定装置及び起動判定方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。

0007

本発明は、発電を停止している燃料電池(11)の起動を制御する燃料電池装置であって、燃料電池の発電電力充電するバッテリ(12)の充電可能量を算出する充電可能量算出手段(S12)と、算出した充電可能量に基づいて、燃料電池に対して要求する出力エネルギを算出する要求出力エネルギ算出手段(S13)と、前記要求出力エネルギと、その要求出力エネルギを得るために発電停止中の燃料電池に投入するエネルギと、の比であるエネルギ効率を算出するエネルギ効率算出手段(S16)と、前記エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池を起動し、小さいときには燃料電池を起動しない起動制御手段(S17,S18)とを有することを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、エネルギ効率が基準値よりも大きいときには燃料電池を起動し、小さいときには燃料電池を起動しないようにしたので、起動エネルギを無駄に浪費してロスしてしまうことを防止でき、燃費が悪化してしまうことを回避できるのである。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用する燃料電池車の基本的な機能ブロックを説明する図である。

0010

燃料電池車1は、燃料電池装置10での発電電力によってモータ30を駆動する。燃料電池装置10は、燃料電池11と、バッテリ12と、コントローラ13と、を含む。

0011

燃料電池11は、本実施形態では、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell(SOFC))を例示する。しかしながら必ずしも固体酸化物形燃料電池(SOFC)に限定されるわけではない。なお固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、上述のように、現在一般的に車両への搭載が研究されている固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell(PEFC))に比べて発電効率が高いが、起動にエネルギと時間を要する、という特性がある。

0012

バッテリ12は、燃料電池11の発電電力を、電力調整器20を介して充電する。バッテリ12は、放電電力を、電力調整器20を介してモータ30に供給してモータ30を駆動する。バッテリ12は、モータ30の回生電力を、電力調整器20を介して充電する。

0013

コントローラ13は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ13を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。コントローラ13は、一機能として燃料電池11の起動を制御する。具体的な内容は後述する。

0014

以下ではコントローラ13の具体的な制御ロジックについて図2に示すフローチャートに沿って説明する。コントローラ13は燃料電池の停止中に図2に示した処理を実行する。

0015

テップS11において、コントローラ13は、バッテリの充電状態(State Of Charge;SOC)を検出する。なお検出方法としては、たとえば電流に基づく方法など公知の方法によればよい。

0016

ステップS12において、コントローラ13は、検出したバッテリ充電状態(SOC)に基づいてバッテリの充電可能量を算出する。簡易的には現在のバッテリ充電状態(SOC)と満充電との差をとればよい。またバッテリ充電状態(SOC)とバッテリ充電可能量との関係を予め求めておいたマップなどに基づいて算出してもよい。

0017

ステップS13において、コントローラ13は、算出したバッテリ充電可能量に基づいて燃料電池に要求する出力エネルギE1を算出する。簡易的には、算出したバッテリ充電可能量に所定の係数を乗じて求めればよい。

0018

ステップS14において、コントローラ13は、要求出力エネルギE1を得るために必要なエネルギE2を算出する。具体的にはたとえば熱効率等を考慮して、要求出力エネルギE1に所定の係数を乗じて求めればよい。なおこの所定の係数は1よりも大きい。

0019

ステップS15において、コントローラ13は、停止している燃料電池を起動するために必要な起動エネルギE3を算出する。上述のように固体酸化物形燃料電池(SOFC)の動作温度は500〜1000℃程度と高温であり、この動作温度に達するまでに大きな起動エネルギを要する。そこで本ステップではこの起動エネルギE3を算出する。具体的にはたとえば、燃料電池の現在の温度と動作温度との差に基づいて算出すればよい。

0020

ステップS16において、コントローラ13は、次式(1)に基づいてエネルギ効率ηを算出する。

0021

0022

ステップS17において、コントローラ13は、算出したエネルギ効率ηが基準値η0よりも大きいか否かを判定する。なお基準値η0については後述する。エネルギ効率ηが基準値η0よりも小さいときはそのまま処理を抜け、大きければステップS18へ処理を移行する。

0023

ステップS18において、コントローラ13は、燃料電池の起動運転を開始する。

0024

図3は、エネルギ効率基準値η0について説明する図である。

0025

図3のように、縦軸にバッテリの充電可能量をとり、横軸に燃料電池の起動エネルギをとると、エネルギ効率が一定のラインは、右下がりに直線になる。

0026

基準値η0よりもエネルギ効率ηが小さい状態とは、基準値η0よりも右上側にエネルギ効率ηが存在している状態である。たとえばバッテリの充電可能量が一定でも起動エネルギが大きい場合や、起動エネルギが一定でもバッテリの充電可能量が大きい場合である。このような場合に燃料電池を起動しては、起動エネルギが大きいために起動完了できない可能性がある。また十分な発電ができない可能性がある。このようにエネルギ効率が悪い。そこで図3に示すように、エネルギ効率一定ラインよりも、エネルギ効率ηが右上側に存在するときには、燃料電池を起動せず、左下側に存在するときに燃料電池を起動するようにしたのである。

0027

このようにすることで起動エネルギを無駄に浪費してロスしてしまうことを防止でき、燃費が悪化してしまうことを回避できるのである。

0028

(第2実施形態)
図4は、本発明による燃料電池装置の第2実施形態について説明する図である。

0029

なお以下では前述と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。

0030

エネルギ効率の判定基準値が同じであっても、バッテリの消費速度が異なる場合には、図4に示すように、燃料電池の起動判断後から車両が停止する間(燃料電池の起動中に車両が停止する場合も含む)に消費されるバッテリ電力量が異なると予測される。実際に燃料電池がバッテリへ充電することが可能な電力量は起動判断時の充電可能量ではなく、起動完了時の充電可能量である。上述のように、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、起動に時間を要する。このためバッテリの特性バラツキや経時的な劣化などによってバッテリ消費速度が大きい場合には、起動完了時の充電可能量が大きくなっている可能性がある。したがってバッテリの消費速度に応じて、燃料電池に保証される予定発電量期待値が異なることから、その期待値を判定基準値に盛り込むとよい。

0031

またバッテリの消費速度が大きい場合には、燃料電池起動判断後にバッテリの残量が急速に低下して、極端ケースでは車両が走行不能になるという可能性も考えられる。このような場合には、エネルギ効率の確保も重要であるが、さらに車両が停止するリスクを回避するように早めに起動判断することが望ましい。逆にバッテリ消費速度が小さい場合には、燃料電池起動中にバッテリ残量が空になって車両が停止する可能性が低いので、車両が停止するリスクを低め、エネルギ効率の確保に重点をおいて起動判定することが望ましい。したがってエネルギ効率が同じ場合であっても、バッテリ消費速度が異なる場合には、上述したような車両停止のリスクを考慮した判定基準値を設定することが望ましい。

0032

このような考えに鑑み、バッテリ消費速度が基準速度に対して大きい場合には、補正係数掛けて、エネルギ効率の判定基準値を小さく補正することで、燃料電池を起動しやすくするとよい。一方、バッテリ消費速度が基準速度に対して小さい場合には、補正係数を掛けて、エネルギ効率の判定基準値を大きく補正することで、燃料電池が起動し難くなりエネルギ効率が高まるようにするとよい。このように起動することで、燃料電池車両のエネルギ効率を確保しながら、車両の走行状態に即して起動を判定できる。また、エネルギ効率を優先したがために車両が停止するというリスクを回避できる。

0033

以下では図5に示したフローチャートに沿って具体的な制御内容について説明する。なお図2のフローチャートと同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略した。

0034

ステップS21において、コントローラ13は、バッテリの消費速度を算出する。たとえば、ステップS11で検出したバッテリ充電状態(SOC)に基づいてバッテリの消費速度を算出する。なおその他にも車速アクセルペダル踏力といった車両の走行状態を反映する情報から、バッテリの消費速度を推定してもよい。またライトエアコンなどの車両の補機類のON/OFFの情報も利用してもよい。さらにはその補機類が必然的に必要になる外部環境の情報、即ちライトであれば時刻や周囲の明るさを情報として利用してもよい。またエアコンであれば外気温などの情報を利用してもよい。

0035

ステップS22において、コントローラ13は、算出したバッテリ消費速度に基づいて基準値η0を補正する。

0036

本実施形態によれば、バッテリ消費速度が大きくバッテリ切れリスクが高いほど基準値η0が小さくなるように補正することで、図6に示したようにエネルギ効率が一定のラインが修正され、燃料電池が起動しやすくなる。これにより運転状態(バッテリの消費速度)に応じた一層精緻な判定によって燃料電池の起動/停止を制御できる。したがって、本実施形態によれば、起動エネルギの無駄な浪費をさらに防止でき、燃費悪化の回避精度が一層向上するのである。

0037

(第3実施形態)
図7は、本発明による燃料電池装置の第3実施形態について説明する図である。

0038

第2実施形態のバッテリ消費速度の場合と同様の考えで、エネルギ効率の判定基準値が同じであっても、燃料電池の起動時間が異なる場合には、図7に示すように、燃料電池の起動判断後から車両が停止する間(燃料電池の起動中に車両が停止する場合も含む)に消費されるバッテリ電力量が異なると予測され、また車両が停止するリスクが異なる。したがって燃料電池起動完了時間が基準時間に対して大きい場合には、補正係数を掛けて、エネルギ効率の判定基準値を小さく補正することで、燃料電池を起動しやすくするとよい。一方、燃料電池起動完了時間が基準時間に対して小さい場合には、補正係数を掛けて、エネルギ効率の判定基準値を大きく補正することで、燃料電池が起動し難くなりエネルギ効率が高まるようにするとよい。このように起動することで、燃料電池車両のエネルギ効率を確保しながら、車両の走行状態に即した起動判定を行うことができる。また、エネルギ効率を優先したがために車両が停止するというリスクを回避できる。

0039

以下では図8に示したフローチャートに沿って具体的な制御内容について説明する。

0040

ステップS31において、コントローラ13は、燃料電池の起動に要する時間を推定する。たとえば、燃料電池の温度、燃料電池が前回停止してからの時間、外気温などの情報を用いて推定することができる。燃料電池の温度を用いる場合には、起動完了温度との差分に応じて起動時間が必要であることから、起動時間を推定する。また、燃料電池が前回停止してからの時間は、燃料電池の保温特性に基づいて、現在の時間における燃料電池の温度を推定することができ、燃料電池の温度を直接検出した場合と同様に、起動完了温度との差分に応じた起動時間を推定することができる。また、外気温は燃料電池を起動する際に、燃料電池の温度上昇速度に影響を与える要因として考慮し、起動時間の推定を行うことができる。同様に燃料電池の保温特性にも影響を与える要因として考慮し、起動時間を推定することができる。

0041

ステップS32において、コントローラ13は、推定した起動時間に基づいて基準値η0を補正する。

0042

本実施形態によれば、燃料電池の推定起動時間が長く、バッテリ切れリスクが高いほど基準値η0が小さくなるように補正することで、図9に示したようにエネルギ効率が一定のラインが修正され、燃料電池が起動しやすくなる。これにより運転状態(燃料電池の起動時間)に応じた一層精緻な判定によって燃料電池の起動/停止を制御できる。したがって、本実施形態によれば、起動エネルギの無駄な浪費をさらに防止でき、燃費悪化の回避精度が一層向上するのである。

0043

(第4実施形態)
図10は、本発明による燃料電池装置の第4実施形態の制御内容を示すフローチャートである。

0044

上述のように、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、起動に時間を要する。このためたとえば短距離だけ走行して停止するような運転モードでは、一旦起動運転を開始した後、起動を完了する前に停止してしまう可能性がある。そこで走行モードを考慮して基準値η0を補正するとよい。

0045

具体的には、たとえば長距離走行モードと判定される場合には、補正係数を掛けて、エネルギ効率の判定基準値を小さく補正することで、燃料電池を起動しやすくするとよい。すなわち、長距離走行モードが選択されているということは、バッテリへの充電可能量で燃料電池に保証される発電量に加え、車両の走行により燃料電池に要求される発電量が大きいことが期待される。また、燃料電池起動判断および起動完了直後に車両が停止する可能性も低いからである。

0046

逆に短距離走行モードと判定される場合には、車両の走行により燃料電池に要求される発電量が小さいと考えられる。また、燃料電池起動判断および起動完了直後に車両が停止する可能性も高い。そこで短距離走行モードの場合には、補正係数を掛けて、エネルギ効率の判定基準値を大きく補正することで、燃料電池が起動し難くなりエネルギ効率が高まるようにするとよい。

0047

この他、街乗り走行モード(停車発進頻度が高い)など、車両の走行状態を予測して、すなわち燃料電池起動後に燃料電池に要求される発電量の大きさに対する期待値と、燃料電池起動判断後および起動完了直後に車両が停止する可能性を考慮して、エネルギ効率の判定基準値を補正する補正係数を設定することができる。このように起動することで、燃料電池のバッテリへの充電と車両が走行する場合を合わせた、一連の車両の使用環境において最もエネルギ効率が高くなるように燃料電池の起動を制御できる。

0048

以下では図10に示したフローチャートに沿って具体的な制御内容について説明する。

0049

ステップS41において、コントローラ13は、走行モードを推定する。具体的にはたとえば、カーナビ目的地設定情報及びルート情報道路混雑状況などに基づいて推定することができる。また、定期的な車両の走行パターンが決まっている場合には、その走行パターンに基づいて走行モードを判定することができる。また、これまでの車両の走行履歴に基づく学習機能により、車両の走行モードを推定してもよい。

0050

ステップS42において、コントローラ13は、推定した走行モードに基づいて基準値η0を補正する。

0051

本実施形態によれば、長距離走行モードのようにバッテリ切れリスクが高いほど基準値η0が小さくなるように補正することで、図11に示したようにエネルギ効率が一定のラインが修正され、燃料電池が起動しやすくなる。これにより走行モード(長距離走行モード/短距離走行モード)に応じた一層精緻な判定によって燃料電池の起動/停止を制御できる。したがって、本実施形態によれば、起動エネルギの無駄な浪費をさらに防止でき、燃費悪化の回避精度が一層向上するのである。

0052

(第5実施形態)
図12は、本発明による燃料電池装置の第5実施形態について説明する図である。

0053

本実施形態では、起動エネルギの下限値を設定し、この起動エネルギ下限値よりも起動エネルギが小さければ、燃料電池を必ず起動するようにした。このようにした理由は以下である。すなわち固体酸化物形燃料電池(SOFC)のように高温作動で起動時間も長い燃料電池において、起動エネルギが小さいときに、一旦停止し再度起動することで起動エネルギをロスしても、エネルギ効率に与える影響は軽微である。

0054

また図12の領域Aはバッテリ充電可能量が大きい、すなわちバッテリ残量が小さい領域であり、車両の走行中の運転状態の変動によってはバッテリが無くなる心配がある。また多くの補機類から電力要求があった場合に、バッテリだけでは対応できず、たとえばエアコンが効かないなどの状況になりうる。したがってこのようなときには、エネルギ効率の判定結果によらず燃料電池を起動することが望ましいと考えられる。

0055

そこで本実施形態では、起動エネルギの下限値を設定し、この起動エネルギ下限値よりも起動エネルギが小さければ、燃料電池を必ず起動するようにしたのである。

0056

このようにすることで、走行中にバッテリ切れとなるリスクを一層確実に回避できるのである。

0057

なお起動エネルギの下限値は、上述のように車両のエネルギ効率に大きな影響を与えない範囲で設定する。これは、車両の性格(車格ターゲットユーザ販売地域)により、適宜設定することができる。また、車両の性格に応じて、燃料電池システムの構成、例えば燃料電池の最高出力とバッテリの最高出力の比が設計されることから、燃料電池システムの構成に合わせて、適宜設定することができる。

0058

また、予め設定した起動エネルギの下限値に基づいて燃料電池の起動を判断する場合に、それまでの走行履歴に基づいて起動エネルギの下限値を補正してもよい。

0059

以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。

0060

たとえば、バッテリ残量の下限値を設定し、このバッテリ残量下限値をバッテリ残量が下回る場合には、燃料電池を必ず起動するようにしてもよい。このようにすれば、走行中にバッテリ切れとなるリスクを一層確実に回避できるのである。

0061

なおバッテリ残量の下限値は、起動エネルギの下限値の設定と同様に車両のエネルギ効率に大きな影響を与えない範囲で車両の性格や燃料電池システムの構成によって適宜設定する。たとえばバッテリサイズが大きくバッテリが車両の走行のメイン電源であり、燃料電池はバッテリの補助電源として使用するEV走行メインの車両では、燃料電池が発電したとしても燃料電池単独で車両の走行に必要な電力を供給することはできない。このような車両では、バッテリが走行に必要不可欠である。そこでこのような車両では、バッテリ残量の下限値を高めに設定しておけばよい。

0062

また、図示したエネルギ効率の判定値は、バッテリの充電可能量と燃料電池の起動エネルギが直線である関係線を用いているが、特に直線である必要はなく、曲線であってもよいし、それらの組合せであってもよい。

0063

さらに上記説明においては、燃料電池として固体酸化物形燃料電池(SOFC)を例示して説明したが、それに限らず、高温作動で起動時間の長い燃料電池に特に好適である。

図面の簡単な説明

0064

本発明を適用する燃料電池車の基本的な機能ブロックを説明する図である。
本発明による燃料電池装置の第1実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
エネルギ効率基準値η0について説明する図である。
本発明による燃料電池装置の第2実施形態について説明する図である。
本発明による燃料電池装置の第2実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
第2実施形態によって補正前後のエネルギ効率一定ラインを示す図である。
本発明による燃料電池装置の第3実施形態について説明する図である。
本発明による燃料電池装置の第3実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
第3実施形態によって補正前後のエネルギ効率一定ラインを示す図である。
本発明による燃料電池装置の第4実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
第4実施形態によって補正前後のエネルギ効率一定ラインを示す図である。
本発明による燃料電池装置の第5実施形態について説明する図である。

符号の説明

0065

10燃料電池装置
11燃料電池
12バッテリ
13コントローラ
ステップS12充電可能量算出手段
ステップS13要求出力エネルギ算出手段
ステップS16エネルギ効率算出手段
ステップS17,S18起動制御手段

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  • THK株式会社の「 回転電機及びこの回転電機を用いたインホイールモータ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】回転電機の小型化を図ると共に、応答性が良く、高エネルギー効率の固定子移動を可能とし、軸受などの構成部品の早期損傷を抑えることができる回転電機を提供する。【解決手段】電機子コイルを有する固定子と... 詳細

  • トヨタ自動車株式会社の「 ハイブリッド車両およびハイブリッド車両の制御方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】モータジェネレータと、過給機を有するエンジンとを備えるハイブリッド車両において、エミッションの悪化を抑制しつつ、ドライバビリティの悪化を抑制する。【解決手段】車両は、モータジェネレータと、過給... 詳細

  • 三菱自動車工業株式会社の「 電動車両」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】冷媒の状態に応じて、機器の作動不良を抑制できる電動車両を提供する。【解決手段】電動車両1は、回転電機4と、供給路7と、ポンプ8と、加熱部9と、を備える。回転電機4は、車両1に搭載される。供給路... 詳細

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