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技術 トナー

出願人 花王株式会社
発明者 栄田朗宏芦沢健
出願日 2007年11月7日 (13年0ヶ月経過) 出願番号 2007-289917
公開日 2009年5月28日 (11年5ヶ月経過) 公開番号 2009-116102
状態 拒絶査定
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における現像剤
主要キーワード 加熱媒体温度 ロール隙間 加圧器 加圧操作 真空反応 環状縮合物 総電気量 冷却媒体温度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年5月28日)のものです。
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課題

フェノール類アルデヒド類縮重合体からなる負帯電性荷電制御剤を用いた場合であっても、低温定着性及びベタ追従性に優れ、帯電性をさらに向上させるトナーを提供すること。

解決手段

少なくとも結着樹脂、及び負帯電性荷電制御剤として、特定のフェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を含有するトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物芳香族カルボン酸化合物縮重合物であるポリエステル(A)と、脂肪族ジオール脂肪族ジカルボン酸化合物との縮重合物であるポリエステル(B)を含有し、該ポリエステル(B)の結着樹脂における含有量が3〜40重量%である、トナー。

概要

背景

トナー電荷を付与するために荷電制御剤が用いられるが、なかでも、カラートナーに適用可能な無色、白色あるいは淡色の負帯電性荷電制御剤として、フェノール類アルデヒド類からの縮重合反応により得られた縮重合体が挙げられる。しかしながら、前記縮重合体を用いたトナーは、帯電性について十分ではなく更なる向上が望まれている。

これに対して、例えば、特許文献1には、帯電立ち上がり性が良好で十分な帯電性を付与可能な荷電制御剤として、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基オルト位置換基のないp−アルキルフェノール、p−アラルキルフェノールp−フェニルフェノールp−ヒドロキシ安息香酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種のフェノール化合物と、2つ以上のフェノール性水酸基を持ち、その水酸基のオルト位に置換基のないビスフェノール類トリスフェノール類テトラキスフェノール類からなる群より選択された少なくとも1種のフェノール化合物とからなり、前記フェノール類中における前記フェノール化合物の含有量が1〜30モル%である、負電荷制御剤が開示されている。

また、特許文献2には、非常にすばやく適正な帯電量を有することを課題として、p−フェニルフェノールあるいはその誘導体を少なくとも1種以上含むフェノール成分あるいはその誘導体成分と、ホルムアルデヒドあるいはアルデヒドとの環状縮合物を含有するトナーが開示されている。

一方、特定のポリエステルを用いる技術として、特許文献3には、非晶質ポリエステルを含有する2種以上のポリエステルを溶融混練し、その溶融混練物に特定の温度、時間で加熱処理を行うことにより、低温定着性粉砕性及び保存性が改良されたトナーの製造方法が開示されている。
特許第3772910号公報
特開平10−104881号公報
特開2005−308995号公報

概要

フェノール類とアルデヒド類の縮重合体からなる負帯電性荷電制御剤を用いた場合であっても、低温定着性及びベタ追従性に優れ、帯電性をさらに向上させるトナーを提供すること。少なくとも結着樹脂、及び負帯電性荷電制御剤として、特定のフェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を含有するトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物芳香族カルボン酸化合物縮重合物であるポリエステル(A)と、脂肪族ジオール脂肪族ジカルボン酸化合物との縮重合物であるポリエステル(B)を含有し、該ポリエステル(B)の結着樹脂における含有量が3〜40重量%である、トナー。なし

目的

本発明の課題は、フェノール類とアルデヒド類の縮重合体からなる負帯電性荷電制御剤を用いた場合であっても、低温定着性及びベタ追従性に優れ、帯電性をさらに向上させるトナーを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも結着樹脂、及び負帯電性荷電制御剤として、フェノール類アルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を含有し、前記フェノール類が、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基オルト位には置換基のないp−アルキルフェノール(a)と、2つのフェノール性水酸基を持ち、各水酸基のオルト位には置換基のないビスフェノール化合物(b)を含有し、該ビスフェノール化合物(b)の前記フェノール類における含有量が1〜30モル%であり、前記アルデヒド類が、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドから選ばれる少なくとも1種であるトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を90〜100モル%含有するアルコール成分と、芳香族カルボン酸化合物を75〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル(A)と、α,ω−直鎖アルカンジオールを90〜100モル%含有するアルコール成分と、脂肪族ジカルボン酸化合物を90〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル(B)を含有し、該ポリエステル(B)の結着樹脂における含有量が3〜40重量%である、トナー。

請求項2

p−アルキルフェノール(a)が下記式(i)で表される化合物であり、ビスフェノール化合物(b)が下記式(ii)で表される化合物である請求項1記載のトナー。(式中、X1 及びX3 は、それぞれ独立して水素原子ハロゲン、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X2 は炭素数1〜12のアルキル基を示す)(式中、X4、X5、X6 及びX7 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X8 は炭素数1〜5のアルキレン基を示す)

請求項3

フェノール類とアルデヒド類の縮重合反応の原料モル比(フェノール類/アルデヒド類)が、1/0.5〜1/5である請求項1又は2記載のトナー。

請求項4

ポリエステル(B)における、α,ω−直鎖アルカンジオールが1,4-ブタンジオール及び/又は1,6-ヘキサンジオールであり、脂肪族ジカルボン酸化合物がフマル酸である請求項1〜3いずれか記載のトナー。

請求項5

160℃における貯蔵弾性率が1.0×103〜1.0×104(Pa)である請求項1〜4いずれか記載のトナー。

技術分野

0001

本発明は、電子写真法静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像現像に用いられるトナーに関する。

背景技術

0002

トナーに電荷を付与するために荷電制御剤が用いられるが、なかでも、カラートナーに適用可能な無色、白色あるいは淡色の負帯電性荷電制御剤として、フェノール類アルデヒド類からの縮重合反応により得られた縮重合体が挙げられる。しかしながら、前記縮重合体を用いたトナーは、帯電性について十分ではなく更なる向上が望まれている。

0003

これに対して、例えば、特許文献1には、帯電立ち上がり性が良好で十分な帯電性を付与可能な荷電制御剤として、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基オルト位置換基のないp−アルキルフェノール、p−アラルキルフェノールp−フェニルフェノールp−ヒドロキシ安息香酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種のフェノール化合物と、2つ以上のフェノール性水酸基を持ち、その水酸基のオルト位に置換基のないビスフェノール類トリスフェノール類テトラキスフェノール類からなる群より選択された少なくとも1種のフェノール化合物とからなり、前記フェノール類中における前記フェノール化合物の含有量が1〜30モル%である、負電荷制御剤が開示されている。

0004

また、特許文献2には、非常にすばやく適正な帯電量を有することを課題として、p−フェニルフェノールあるいはその誘導体を少なくとも1種以上含むフェノール成分あるいはその誘導体成分と、ホルムアルデヒドあるいはアルデヒドとの環状縮合物を含有するトナーが開示されている。

0005

一方、特定のポリエステルを用いる技術として、特許文献3には、非晶質ポリエステルを含有する2種以上のポリエステルを溶融混練し、その溶融混練物に特定の温度、時間で加熱処理を行うことにより、低温定着性粉砕性及び保存性が改良されたトナーの製造方法が開示されている。
特許第3772910号公報
特開平10−104881号公報
特開2005−308995号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、フェノール類とアルデヒド類の縮重合体からなる負帯電性荷電制御剤をトナーに含有させると、トナーの粘度が上昇して低温定着性が悪化する傾向にある。

0007

本発明の課題は、フェノール類とアルデヒド類の縮重合体からなる負帯電性荷電制御剤を用いた場合であっても、低温定着性及びベタ追従性に優れ、帯電性をさらに向上させるトナーを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決する為に検討を重ねた結果、特定のフェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を負帯電性荷電制御剤として用いた場合に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物芳香族カルボン酸化合物縮重合物である結晶性の低いポリエステル(以下、ポリエステル(A)という)に、通常は帯電性が劣ると言われる結晶性の高いポリエステルとして、脂肪族ジオール脂肪族ジカルボン酸化合物との縮重合物であるポリエステル(以下、ポリエステル(B)という)を特定量併用することで、ポリエステル(B)を併用しない場合に比較して低温定着性(低温オフセット性)が向上するだけでなく、トナーの帯電量も向上することを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

即ち、本発明は、少なくとも結着樹脂、及び負帯電性荷電制御剤として、フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を含有し、前記フェノール類が、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基のオルト位には置換基のないp−アルキルフェノール(a)と、2つのフェノール性水酸基を持ち、各水酸基のオルト位には置換基のないビスフェノール化合物(b)を含有し、該ビスフェノール化合物(b)の前記フェノール類における含有量が1〜30モル%であり、前記アルデヒド類が、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドから選ばれる少なくとも1種であるトナーであって、
前記結着樹脂が少なくとも、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を90〜100モル%含有するアルコール成分と、芳香族カルボン酸化合物を75〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル(A)と、
α,ω−直鎖アルカンジオールを90〜100モル%含有するアルコール成分と、脂肪族ジカルボン酸化合物を90〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル(B)を含有し、該ポリエステル(B)の結着樹脂における含有量が3〜40重量%である、トナー、に関する。

発明の効果

0010

本発明のトナーは、フェノール類とアルデヒド類の縮重合体からなる負帯電性荷電制御剤を含有するものであるが、低温定着性に優れ、帯電性もさらに向上することができるという優れた効果を奏するものである。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、及び負帯電性荷電制御剤として、特定のフェノール類と特定のアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を含有するトナーであって、前記結着樹脂が、結晶性の低いポリエステルに、特定のモノマーにより構成される結晶性の高いポリエステルを特定量含有することに大きな特徴を有する。

0012

トナーがフェノール類とアルデヒド類との縮重合体を含有すると、トナーの帯電性は向上するものの、粘度が上昇して低温定着性が悪化する傾向にある。そこで、粘性が低く低温定着性に有効な結着樹脂としてポリエステル、なかでも、結晶性の高いポリエステルを使用したとしても、結晶性の高いポリエステルは帯電性に劣ることから、低温定着性と帯電性を両立することは困難である。

0013

しかしながら、本発明のトナーは、負帯電性荷電制御剤として、特定のフェノール類と、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドから選ばれるアルデヒド類との縮重合体を含有し、結着樹脂として、芳香族モノマーにより構成される結晶性の低いポリエステルに、さらに、脂肪族モノマーにより構成される結晶性の高いポリエステルを特定量含有させたものである。詳細な理由は不明なるも、その機構として芳香環主骨格とする荷電制御剤と芳香環を有する結着樹脂成分に加えて、融点以上で急激に粘度が低くなる、分子的にコンパクトな脂肪族のモノマー成分を主構成要素とする結晶性の高い樹脂成分を特定量含有することで、荷電制御剤と結着樹脂全体との親和性が向上すると共に、熱圧力定着時のトナーの溶融性が向上するものと考えられる。その結果、荷電制御剤の分散性が良好となることから、帯電性及びベタ追従性が向上し、かつ、低温定着性にも優れることになると推定される。

0014

本発明における結着樹脂は、少なくとも、結晶性の低いポリエステル(以下、ポリエステル(A)という)及び結晶性の高いポリエステル(以下、ポリエステル(B)という)を含有する。

0015

樹脂の結晶性は、軟化点示差走査熱量計による吸熱最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で定義される結晶性指数によって表わされ、一般にこの値が1.5を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満の時は結晶性が低く非晶部分が多い。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。本発明において、「結晶性の高いポリエステル」とは、結晶性指数が0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.2であるポリエステルをいい、「結晶性の低いポリエステル」とは、結晶性指数が1.5より大きいか、0.6未満、好ましくは1.5より大きい樹脂をいう。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。

0016

結晶性の低いポリエステル(A)は、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%含有するアルコール成分と、芳香族カルボン酸化合物を75〜100モル%、好ましくは85〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。

0017

ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、トナーの帯電性と耐久性の観点から、式(I):

0018

0019

(式中、R1Oはオキシアルキレン基であり、R1 はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイド付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が含有されていることが好ましい。

0020

式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。

0021

式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールネオペンチルグリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。

0022

芳香族カルボン酸化合物としては、フタル酸イソフタル酸テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸ピロメリット酸等の3価以上の芳香族カルボン酸化合物、これらの酸の無水物、及びこれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等のカルボン酸化合物が挙げられる。これらのなかでは、トナーの環境安定性及び耐久性の観点から、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。なお、上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。

0023

芳香族カルボン酸化合物以外のカルボン酸成分としては、シュウ酸マロン酸マレイン酸フマル酸シトラコン酸イタコン酸グルタコン酸、コハク酸アジピン酸、これらの酸の無水物、及びこれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等のカルボン酸化合物が挙げられる。

0024

なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整や耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。

0025

ポリエステル(A)におけるアルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度で行うことができるが、本発明の効果がより顕著に奏される観点から、エステル化触媒、例えば、オクチル酸錫の存在下で行うことが好ましい。

0026

エステル化触媒の反応系における存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部が好ましく、0.1〜0.8重量部がより好ましい。

0027

ポリエステル(A)の軟化点は、トナーの定着性の観点から、好ましくは70〜140℃であり、より好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは85〜135℃である。ガラス転移点は、40〜70℃が好ましく、55〜70℃がより好ましく、酸価は、5〜25mgKOH/gが好ましく、5〜15mgKOH/gがより好ましい。本明細書において、軟化点、ガラス転移点及び酸価は、後述の実施例に記載の方法により測定される。

0028

結晶性の高いポリエステル(B)は、α,ω−直鎖アルカンジオールを90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%含有するアルコール成分と、脂肪族ジカルボン酸化合物を90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。

0029

α,ω−直鎖アルカンジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられ、なかでも1,4-ブタンジオール、及び1,6-ヘキサンジオールが好ましい。

0030

脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中ではフマル酸が好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。

0031

なお、本発明の結晶性の高いポリエステルにおける脂肪族ジカルボン酸化合物とα,ω−直鎖アルカンジオールのモル比(脂肪族ジカルボン酸化合物/α,ω−直鎖アルカンジオール)は、製造安定性の観点から、さらにα,ω−直鎖アルカンジオールが多い場合には、真空反応時に蒸発により樹脂の分子量を容易に調整できる観点から、0.9以上1.0未満が好ましく、0.95以上1.0未満がより好ましい。

0032

ポリエステル(B)におけるアルコール成分とカルボン酸成分は、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃の温度で反応させること等により縮重合させることができる。具体的には、樹脂の強度を上げるために全単量体一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させる等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。なお、本発明における結晶性の高いポリエステルを得るにはより高分子量化することが好ましく、反応液粘度が高くなるまで反応させるのがより好ましい。高分子量化した結晶性の高いポリエステルを得るためには、前記のように脂肪族ジカルボン酸化合物とα,ω−直鎖アルカンジオールのモル比を調整したり、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択すればよい。なお、高出力のモーターを用いて、高分子量化した結晶性の高いポリエステルを製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。

0033

ポリエステル(B)の数平均分子量は、低すぎるとトナーの保存性に、高すぎるとトナーの生産性にそれぞれ悪影響を及ぼすため、好ましくは5,000〜10,000、より好ましくは6,000〜9,000である。本明細書において、樹脂の平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。

0034

また、トナーの耐久性の観点から、ポリエステル(B)は高分子量成分をある程度含有しているのが好ましいことから、ポリエステル(B)の重量平均分子量は、好ましくは40,000〜100,000、より好ましくは45,000〜70,000である。

0035

ポリエステル(B)の吸熱の最高ピーク温度は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、100〜140℃、好ましくは100〜130℃、より好ましくは100〜120℃である。本明細書において、吸熱の最高ピーク温度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。

0036

ポリエステル(B)の融点は、トナーの低温定着性の観点から、100〜140℃が好ましく、100〜130℃がより好ましく、100〜120℃がさらに好ましい。本明細書において、融点は、後述の実施例に記載の方法により測定される。

0037

ポリエステル(A)の含有量は、負帯電性荷電制御剤であるフェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体の結着樹脂中の分散性の観点から、結着樹脂中、60〜97重量%が好ましく、65〜95重量%がより好ましく、75〜90重量%がさらに好ましい。

0038

ポリエステル(B)の含有量は、負帯電性荷電制御剤であるフェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体の結着樹脂中の分散性の観点から、結着樹脂中、3〜40重量%であり、5〜35重量%が好ましく、10〜25重量%がより好ましい。3重量%未満ではトナーの貯蔵弾性率及びトナーの帯電量が低下する傾向があり、40重量%を超えるとトナーの帯電量が低下する傾向がある。

0039

トナー中のポリエステル(A)とポリエステル(B)の含有重量比(A/B)は、60/40〜97/3が好ましく、65/35〜95/5がより好ましく、75/25〜90/10がさらに好ましい。

0040

なお、本発明において、ポリエステル(A)は、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタンエポキシ等によりグラフト化ブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。

0041

本発明におけるトナーには、ポリエステル(A)及びポリエステル(B)以外に、他の結着樹脂が本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有されていてもよい。他の結着樹脂としては、ビニル系樹脂エポキシ樹脂ポリカーボネートポリウレタン等のポリエステル以外の結着樹脂等が挙げられる。ポリエステル(A)及びポリエステル(B)の総含有量は、特に限定されないが、低温定着性の観点から、結着樹脂中、95重量%以上が好ましく、99重量%以上がより好ましい。

0042

本発明における負帯電性荷電制御剤は、フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体を含有する。

0043

フェノール類としては、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基のオルト位に置換基のないp−アルキルフェノール(a)と、2つのフェノール性水酸基を持ち、各水酸基のオルト位に置換基のないビスフェノール化合物(b)を含有する原料を用いる。なお、「置換基のない」とは、水酸基が結合している炭素の両隣の炭素は、水酸基が結合している炭素と共に芳香環を形成している他の炭素と結合する以外は、水素原子とのみ結合していることを示す。フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により、該フェノール類のフェノール性水酸基に隣接する炭素にアルデヒド類が付加し、フェノール類とアルデヒド類が交互に連なった縮重合体を形成すると考えられる。この縮重合体は、電荷保持に優れるフェノールが連なった構造を有しているので、優れた帯電性が得られると推定される。

0044

p−アルキルフェノール(a)としては、式(i):

0045

0046

(式中、X1 及びX3 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X2 は炭素数1〜12、好ましくは4〜8のアルキル基を示す)
で表されるp−アルキルフェノールが含有されていることが好ましい。

0047

式(i)で表されるp−アルキルフェノールとしては、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−t−ドデシルフェノール等が挙げられる。

0048

ビスフェノール化合物(b)としては、式(ii):

0049

0050

(式中、X4、X5、X6 及びX7 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X8 は炭素数1〜5、好ましくは炭素数3のアルキレン基を示す)
で表されるビスフェノール化合物が含有されていることが好ましい。

0051

式(ii)で表されるビスフェノール化合物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAが挙げられる。

0052

アルデヒド類としては、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドから選ばれる少なくとも1種を用いる。

0053

p−アルキルフェノール(a)の含有量は、トナーの帯電性の観点から、フェノール類中、70〜99モル%が好ましく、80〜98モル%がより好ましい。

0054

ビスフェノール化合物(b)の含有量は、ポリエステル中の分散性の観点から、フェノール類中、1〜30モル%であり、2〜20モル%が好ましい。

0055

p−アルキルフェノール(a)とビスフェノール化合物(b)のモル比(a/b)は、99/1〜70/30が好ましく、98/2〜80/20がより好ましい。

0056

フェノール類とアルデヒド類の縮重合反応の原料モル比(フェノール類/アルデヒド類)は、1/0.5〜1/5が好ましく、1/1.0〜1/2がより好ましい。

0057

フェノール類とアルデヒド類の縮重合反応方法としては、例えば、キシレン等の有機溶媒中にフェノール類とアルデヒド類とを添加し、アルカリ金属アルカリ土類金属水酸化物などの強塩基化合物の存在下、80℃〜溶媒の沸点の温度で水を留去しながら3〜20時間反応させ、その後、アルコール等の貧溶媒を用いて再結晶する方法や、有機溶媒を減圧乾燥した後、メタノールエタノールイソプロパノールなどのアルコールで洗浄する方法が挙げられる。なお、強塩基化合物としては、水酸化ナトリウム水酸化ルビジウム水酸化カリウムなどが好ましく使用できる。

0058

本発明におけるトナーには、フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体以外に、他の負帯電性荷電制御剤が本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有されていてもよい。他の負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料銅フタロシアニン染料サリチル酸アルキル誘導体金属錯体ベンジル酸ホウ素錯体等が挙げられる。フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体の含有量は、特に限定されないが、負帯電性荷電制御剤中、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。

0059

フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜4重量部がより好ましい。

0060

本発明のトナーには、さらに、着色剤離型剤磁性粉流動性向上剤導電性調整剤、体質顔料繊維状物質等の補強充填剤酸化防止剤老化防止剤クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。

0061

着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、カーボンブラッククロムイエロー、ハンザイエローベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジバルカンオレンジウオッチヤングレッドパーマネントレッドブリリアカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッドピラゾロンレッドリソールレッドローダミンBレーキレーキレッドCベンガルアニリンブルーウルトラマリンブルーカルコオイルブルーメチレンブルークロライドフタロシアニンブルーフタロシアニングリーンマラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系チアジン系、チアゾール系等の各種染料を1種又は2種以上を併せて使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。

0062

離型剤としては、ポリエチレンポリプロピレンポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類シリコーン類オレイン酸アミドエルカ酸アミドリシノール酸アミドステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類カルナバロウワックスライスワックスキャンデリラワックス、木ロウホホバ油等の植物系ワックスミツロウ等の動物系ワックスモンタンワックスオゾケライトセレシンパラフィンラックスマイクロクリスタリンワックスフィッシャートロプシュワックス等の鉱物石油系ワックス等が挙げられる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。離型剤のトナー中の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、2〜10重量部が好ましく、3〜7重量部がより好ましい。

0063

本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や添加剤の分散性の観点から、結着樹脂及び負帯電性荷電制御剤を含むトナー原料を、連続式オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる粉砕トナーが好ましい。

0064

トナー原料の混合は、結着樹脂等の全ての原料を一度に混合する方法であっても、分割して混合する方法であってもよい。

0065

トナー原料の混合に用いられる混合機としては、ヘンシェルミキサースーパーミキサー等が挙げられるが、分散性の観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。

0066

トナー原料の溶融混練では、ロールの軸方向に沿って設けられた供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いることにより、混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、着色剤や離型剤を効率よく高分散させることができる。

0067

トナー原料の混合物は、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。

0068

連続式オープンロール型混練機とは、溶融混練部がオープン型であるものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、連続式オープンロール型混練機としては、少なくとも2本のロール、好ましくは、周速度の異なる2本のロール、即ち、周速度の高い高回転側ロールと周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機であることが望ましい。本発明においては、分散性の観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが望ましい。

0069

ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。

0070

高回転側ロールの原料投入側端部温度は100〜160℃が好ましく、低回転側ロールの原料投入側端部温度は35〜100℃が好ましい。

0071

高回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、混練物のロールからの脱離防止の観点から、20〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましく、35〜45℃であることがさらに好ましい。低回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、ポリエステル(A)、ポリエステル(B)及び負帯電性荷電制御剤の混練性の観点から、0〜30℃であることが好ましく、0〜15℃であることがより好ましく、0〜5℃であることがさらに好ましい。

0072

高回転側ロールの周速度は、2〜100m/minであることが好ましい。低回転側ロールの周速度は1〜90m/minが好ましく、2〜60m/minがより好ましく、2〜50m/minがさらに好ましい。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。

0073

2本のロールは並行に配置されていてもよいが、より混練シェアを緩やかにして樹脂の分子切断等を防止させる観点から、混練物排出口側端部のロール隙間は、供給口側端部のロール間隙よりも広くなるように配置されていることが好ましく、具体的には、混練物供給口側端部のロール隙間は、0.05〜2mmが好ましく、0.05〜1mmがより好ましく、0.05〜0.8mmがさらに好ましく、混練物排出口側端部のロール隙間は、0.1〜2mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましく、0.5〜1mmがさらに好ましい。

0074

ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型凸凹型等のいずれであってもよいが、混練シェアを高めるために、各ロールの表面には複数の螺旋状の溝が刻んであることが好ましい。

0075

本発明のトナーは、上記に従って溶融混練後、冷却、粉砕分級して製造することができる。さらに、必要に応じて外添剤により表面処理する工程を経て得ることもできる。表面処理は、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤をヘンシェルミキサー等の混合機によりトナー表面に外添する方法が好ましい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子酸化チタン微粒子アルミナ微粒子酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートシリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。

0076

本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、画質及び帯電性の観点から、2〜15μmが好ましく、2〜10μmがより好ましく、2.5〜7μmがさらに好ましく、2.5〜6μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。

0077

本発明のトナーにおいて、低温定着性の観点から、フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体はトナー中での分散が良いことが好ましい。該分散性の指標としては、トナーの貯蔵弾性率を用いることができ、フェノール類とアルデヒド類との縮重合反応により得られた縮重合体の分散が良いトナーは、悪いトナーよりも貯蔵弾性率が低い傾向にある。本発明のトナーの160℃における貯蔵弾性率(Pa)は、低温定着性の観点から、1.0×103〜1.0×104Paが好ましく、2.0×103〜8.0×103Paがより好ましい。なお、本明細書において、貯蔵弾性率は、後述の実施例に記載の方法により測定される。

0078

本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。

0079

〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。

0080

〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテル混合溶媒から、アセトントルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。

0081

〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度及び融点〕
示差走査熱量計(ティーエイインスツルメントジャパン社製、Q-100)を用いて、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後昇温速度50℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。

0082

〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後昇温速度50℃/分で測定する。吸熱の最高ピーク温度と軟化点との差が20℃以内のときは、吸熱の最高ピーク温度以下のベースライン延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点として読み取る。吸熱の最高ピーク温度と軟化点との差が20℃を超えるときは、吸熱の最高ピーク温度より低い温度で観測されるピークの温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点として読み取る。

0083

〔樹脂の平均分子量〕
以下の方法により得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を示すチャートから、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように樹脂をクロロホルム中に溶解する。次いで、この溶液ポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業社製、FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
下記の測定装置分析カラムを用い、溶解液としてクロロホルムを毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類単分散ポリスチレン標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)

0084

〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
本明細書において、トナーの体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になるトナーの粒径を意味する。
測定機コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプバージョン1.19(ベックマンコールター社製)
電解液アイトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。

0085

〔トナーの帯電量〕
Q/Mメーター付属セルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製線径:0.035mm)に通して、トナーのみを90秒間吸引する。そのとき発生したキャリア上の電圧変化モニターし、〔90秒後の総電気量(μC)〕/〔吸引されたトナーの重量(g)〕の値を帯電量(μC/g)として算出する。

0086

〔トナーの貯蔵弾性率〕
粘弾性測定装置(レオメーター)RDA-III型(レオメトリックス社製)により、下記測定治具の中に試料を入れ、下記条件で弾性率の温度依存性を測定する。
測定治具:Parallel Plate
Radius:12.5mm
測定試料の調製:トナー 1gを加圧器(直径25mm)に投入し、表面をならした後、加圧して得られた直径25mm、厚さ1〜2mmの円盤状成形物を測定試料として調製する。なお、加圧操作は、40MPaで10秒間の加圧を2回行い、2回目の加圧は試料を反転して行う。
<測定条件>
テストモード:動的粘弾特性分析
掃引形式:温度-ステップ
歪み:2%
測定温度:60℃から160℃まで昇温
周波数:19.2rad/sec
ステップサイズ:1℃
ソークタイム:30sec
自動テンション

0087

樹脂製造例1
表1に示す原料モノマー及びオクチル酸錫20g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.2重量部)を窒素導入管脱水管攪拌器及び熱電対装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、220℃で8時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに210℃で軟化点が112℃に達するまで反応させて、樹脂(ポリエステルa)を得た。

0088

樹脂製造例2
表1に示す原料モノマー及びターシャブチルカテコール(TBC)5.5g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.05重量部)を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。さらに、8.3kPaにて所望の分子量の樹脂が得られるまで反応させて、樹脂(ポリエステルb)を得た。

0089

0090

負帯電性荷電制御剤の製造例1
p−t−ブチルフェノール0.225mol、p−t−オクチルフェノール0.225mol、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン0.032mol、パラホルムアルデヒド18.5g(ホルムアルデヒドとして0.6mol)、及び5N水酸化カリウム水溶液3gを用いて、300mLのキシレン中で120℃で水を留去しながら還流反応を8時間行った。反応溶液を、メタノールを用いて再結晶を行い、ろ過し、ろ過物をさらにメタノールで洗浄し得られた固体を乾燥して負帯電性荷電制御剤aを得た。なお、p−アルキルフェノール(a)及びビスフェノール化合物(b)のフェノール類における含有量はそれぞれ93モル%及び7モル%(モル比(a/b)で93/7)、フェノール類とアルデヒド類のモル比は1/1.2である。

0091

実施例1〜3及び比較例1〜3
表2に示す量のポリエステルa、ポリエステルb、負帯電性荷電制御剤a、カルナバワックスカルナウバワックスC1」(加洋行社製)3重量部及び着色剤「ECB-301」(フタロシアニンブルー15:3,大日精化社製)4.5重量部を、予めヘンシェルミキサーを用いて混合後、以下に示す条件で溶融混練した。

0092

オープンロール型混練機ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:140cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度9m/min、低回転側ロール(バックロール)周速度6m/min、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。

0093

上記で得られた溶融混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機及び気流分級機(IDS:日本ニューマチック社製)にて粉砕、分級を行い、体積中位粒径(D50)5.5μmの実施例1〜3及び比較例1〜3のトナーを得た。

0094

試験例1〔低温オフセット発生温度
非磁性一成分現像装置「MicroLine 5400」(データ社製)に各実施例及び各比較例のトナーを実装し、トナー付着量を0.50mg/cm2に調整して、Xerox L紙(A4)に未定着画像(3cm×8cm)を得た。得られた未定着画像を「MicroLine 3050」(沖データ社製)の定着機を改良した外部定着機にて、定着ロールの温度を130℃から5℃ずつ上昇させながら、100mm/secの定着速度定着させた。その際、低温側でオフセットによる紙面汚染が観察される最高温度を低温オフセット発生温度とした。結果を表2に示す。

0095

試験例2〔ベタ追従性〕
非磁性一成分現像装置「MicroLine 5400」(沖データ社製)に各実施例及び各比較例のトナーを実装し、トナーを実装した装置を25℃/50%RH環境下に12時間放置したあとで、印字率100%の画像を100枚印字した。得られた画像のうち、10枚目、50枚目、100枚目の画像を目視で観察し、以下の評価基準に従って、ベタ追従性を評価した。結果を表2に示す。

0096

〔ベタ追従性の評価基準〕
A:100枚目までカスレが発生していない
B:50枚目までカスレが発生しておらず、100枚目でカスレが見られる
C:10枚目までカスレが発生しておらず、50枚目でカスレが見られる
D:10枚目でカスレが見られる

0097

0098

比較例1〜3のトナーと対比して、実施例1〜3のトナーは帯電量が高く、かつ低温オフセットの発生温度も低く、帯電性及び低温定着性に優れていることが分かる。一方、結晶性の高いポリエステルbの含有量が2重量部である比較例2のトナーと、結晶性の高いポリエステルbを含有しない比較例1のトナーとを比較すると、貯蔵弾性率は大きく変化しないものの比較例2のトナーの帯電量が大幅に増加していることから、帯電性に劣ると言われるポリエステルbと負帯電性荷電制御剤aとの相乗効果により、帯電性が向上するものと推察される。なお、比較例3のトナーのように、結晶性の高いポリエステルbの含有量が50重量部にもなると、ポリエステルbの帯電性に影響されて、帯電性向上効果は小さくなると考えられる。

0099

本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

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