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技術 静電荷像現像用トナーの製造方法

出願人 三菱化学株式会社
発明者 安富史郎
出願日 2007年11月6日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-288497
公開日 2009年5月28日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2009-116016
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における現像剤
主要キーワード ファーネス法カーボンブラック 有機系媒体 充填容積 シリコンワックス 累積個数 電気伝導度測定 発生度合い 専用セル
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年5月28日)のものです。
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課題

軟凝集体を多く含むことから分級効率の悪い重合トナーを効率よく分級することができ、不要な微粉を除くことで白スジが発生しない静電荷像現像用トナーの製造方法を提供すること。

解決手段

湿式法により製造したトナー母粒子を分級する分級工程の後に、外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級前のトナー母粒子の体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径をAμmとしたときに、前記分級前のAμm以下の累積個数%をX、前記分級後のAμm以下の累積個数%をYとしたとき、その比(X/Y)が1.4以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。

概要

背景

近年、電子写真法に対する市場の要求が一層高まり、更なる高速度化、高解像度化が求められている。その中にあって、トナーに対してもより小粒径低温定着の要求が高まっている。

トナーの製造方法としては、従来は粉砕法、すなわち熱可塑性樹脂中に顔料等の着色剤及び帯電制御剤等の種々の添加剤溶融混合した後、粉砕分級工程を経てトナー母粒子を製造する方法が主流であった。しかしながら、粉砕法により製造したトナー母粒子を含有するトナー(以降、粉砕トナーという場合がある。)では高画質に有利な小粒径化限界があり、ワックス等の離形剤添加量樹脂設計にも制限が大きいことからこれまで以上の低温定着化も難しい。

そこで市場からの高度な要求に応えるべく、湿式法により製造したトナー母粒子を含有するトナー(以降、重合トナーという場合がある。)の開発が活発になされている。重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて小粒径化が容易であり、トナー母粒子のカプセル化による機能分離や形状制御のし易さ等から高画質化や低温定着に有利であると考えられる。

重合トナーの製造方法としては、一般に懸濁重合法や乳化重合凝集法エステル伸張重合等が知られている。

ところで、高度な印刷性能を獲得するために、トナーの粒度分布をより狭くする検討が、粉砕法や湿式法を問わず従来からなされてきた。粉砕法においては、粉砕工程の後に分級工程を経てから次工程に移ることが一般的であるが、重合トナーでは粒子を形成する段階(懸濁重合法では液滴形成及び重合を行う段階、乳化重合凝集法では樹脂微粒子等の凝集を行う段階、エステル伸張重合では液滴形成を行う段階)で粒度分布をより狭く調節することが可能であることから、工業的見地から一般に分級工程を省略するか、もしくは僅かに粗粉を除く工程を有するのみであった。

本来湿式法とは分級工程を省くことができ、粉砕法より少ない工程でトナーを製造することが可能である。実際、懸濁重合法や乳化重合凝集法やエステル伸張重合等において
も、粒子形成時に狭い粒度分布を獲得する検討は以前からなされており、その技術はある程度確立されたものと言える。

ところが、重合トナーの製造方法は、通常水媒体或いは有機系媒体中で粒子を形成し濾過等により固−液分離した後に洗浄乾燥工程を有するところ、乾燥後のトナー母粒子は完全に水分等を除くことは困難であるために、最終的に重合トナーはトナー母粒子同士が凝集した軟凝集体を含んでいる。そして、この軟凝集体を取り除くために粉砕トナーの製造方法で採用されている分級工程を採用しても、軟凝集物が供給口に詰まり作業性や歩留りの悪化を招くため、分級工程は積極的には採用されなかった。

そのため、重合トナーを分級して軟凝集体及び微粉を取り除くよりも、特許文献1及び2にあるように、湿式法において粒子径が決定される工程(懸濁重合法では重合工程や液滴形成工程、乳化重合凝集法では凝集工程、エステル伸張重合では液滴形成工程)において狭い粒度分布を得ようとする技術が一般的であった。

特開2005−077461号公報

しかしながら、近年の電子写真法への高度な要求、すなわち高画質や長寿命といった要求を満たそうとすると、これまでは十分にシャープな粒度分布だと考えられていたトナーでも、選択現像によりカートリッジ内に微粉が蓄積されてしまうため、例えば、かかる微粉が部材等に付着して白スジなどの画像欠陥を引き起こす。

一方で、湿式法で製造したトナーに外添剤を混合し分級して、更に外添剤を固着・付着させてトナー粒子を形成する方法も知られている。しかしながら、この方法によっても分級工程前にトナー凝集物解砕していないために、その後の分級工程によっても微粉の存在を除去しきれない。

国際公開第2004−88431号パンフレット

トナー中に特定粒径以下の微粉が存在すると、画質に大いなる悪影響を及ぼすこととなる。例えば、非磁性一成分現像方式にて多数枚の印字を行うと、トナー中に含まれる特定粒径以下の微粉が現像槽内に徐々に蓄積され、更に小粒径ゆえに凝集性が高いため、特定粒径以下の微粉が凝集体を形成し、帯電ブレード現像ローラーの間に噛み込むことでトナーの均一な層形成を妨げ、ベタ画像を印字した際に白スジとなって現れる。

概要

軟凝集体を多く含むことから分級効率の悪い重合トナーを効率よく分級することができ、不要な微粉を除くことで白スジが発生しない静電荷像現像用トナーの製造方法を提供すること。湿式法により製造したトナー母粒子を分級する分級工程の後に、外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級前のトナー母粒子の体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径をAμmとしたときに、前記分級前のAμm以下の累積個数%をX、前記分級後のAμm以下の累積個数%をYとしたとき、その比(X/Y)が1.4以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 なし

目的

更に、湿式法により製造したトナーとは本来狭い粒度分布を有するものであり、むしろ分級工程が省略可能なことを特徴とする製造手法であると言える。本発明は、既に十分狭いと考えられていた粒度分布を持ち、かつ軟凝集物を多く含んで分級効率の悪い湿式法により製造したトナーをあえて分級し、加えてこれまで問題にならなかった大きさの微粉を取り除くことで、予想を超える画質の向上を達成したものである。さらには湿式法により製造したトナーであっても作業性を低下させずに分級する方法をも提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

湿式法により製造したトナー母粒子分級する分級工程の後に、外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級前のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)の5/7倍に相当する粒径をAμmとしたときに、前記分級前のAμm以下の累積個数%をX、前記分級後のAμm以下の累積個数%をYとしたとき、X/Yが1.4以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項2

前記X/Yが1.75以上となることを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。

請求項3

分級工程の前に、解砕工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項4

解砕工程が、トナー母粒子に微粒子を混合する工程であることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項5

微粒子がBET比表面積165m2/g以上600m2/g以下の微粒子であることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項6

トナー母粒子が乳化重合凝集法によって製造されたものである請求項1乃至5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項7

トナー母粒子が着色剤を含有し、該着色剤がマゼンタ系顔料である請求項1乃至6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項8

分級前のトナー母粒子の平均円形度が0.96未満であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項9

前記分級前のAμm以下を分級すると同時に、分級前のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)以上の粒子を分級することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電子写真法静電写真法などに用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、電子写真法に対する市場の要求が一層高まり、更なる高速度化、高解像度化が求められている。その中にあって、トナーに対してもより小粒径低温定着の要求が高まっている。

0003

トナーの製造方法としては、従来は粉砕法、すなわち熱可塑性樹脂中に顔料等の着色剤及び帯電制御剤等の種々の添加剤溶融混合した後、粉砕分級工程を経てトナー母粒子を製造する方法が主流であった。しかしながら、粉砕法により製造したトナー母粒子を含有するトナー(以降、粉砕トナーという場合がある。)では高画質に有利な小粒径化限界があり、ワックス等の離形剤添加量樹脂設計にも制限が大きいことからこれまで以上の低温定着化も難しい。

0004

そこで市場からの高度な要求に応えるべく、湿式法により製造したトナー母粒子を含有するトナー(以降、重合トナーという場合がある。)の開発が活発になされている。重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて小粒径化が容易であり、トナー母粒子のカプセル化による機能分離や形状制御のし易さ等から高画質化や低温定着に有利であると考えられる。

0005

重合トナーの製造方法としては、一般に懸濁重合法や乳化重合凝集法エステル伸張重合等が知られている。

0006

ところで、高度な印刷性能を獲得するために、トナーの粒度分布をより狭くする検討が、粉砕法や湿式法を問わず従来からなされてきた。粉砕法においては、粉砕工程の後に分級工程を経てから次工程に移ることが一般的であるが、重合トナーでは粒子を形成する段階(懸濁重合法では液滴形成及び重合を行う段階、乳化重合凝集法では樹脂微粒子等の凝集を行う段階、エステル伸張重合では液滴形成を行う段階)で粒度分布をより狭く調節することが可能であることから、工業的見地から一般に分級工程を省略するか、もしくは僅かに粗粉を除く工程を有するのみであった。

0007

本来湿式法とは分級工程を省くことができ、粉砕法より少ない工程でトナーを製造することが可能である。実際、懸濁重合法や乳化重合凝集法やエステル伸張重合等において
も、粒子形成時に狭い粒度分布を獲得する検討は以前からなされており、その技術はある程度確立されたものと言える。

0008

ところが、重合トナーの製造方法は、通常水媒体或いは有機系媒体中で粒子を形成し濾過等により固−液分離した後に洗浄乾燥工程を有するところ、乾燥後のトナー母粒子は完全に水分等を除くことは困難であるために、最終的に重合トナーはトナー母粒子同士が凝集した軟凝集体を含んでいる。そして、この軟凝集体を取り除くために粉砕トナーの製造方法で採用されている分級工程を採用しても、軟凝集物が供給口に詰まり作業性や歩留りの悪化を招くため、分級工程は積極的には採用されなかった。

0009

そのため、重合トナーを分級して軟凝集体及び微粉を取り除くよりも、特許文献1及び2にあるように、湿式法において粒子径が決定される工程(懸濁重合法では重合工程や液滴形成工程、乳化重合凝集法では凝集工程、エステル伸張重合では液滴形成工程)において狭い粒度分布を得ようとする技術が一般的であった。

0010

特開2005−077461号公報

0011

しかしながら、近年の電子写真法への高度な要求、すなわち高画質や長寿命といった要求を満たそうとすると、これまでは十分にシャープな粒度分布だと考えられていたトナーでも、選択現像によりカートリッジ内に微粉が蓄積されてしまうため、例えば、かかる微粉が部材等に付着して白スジなどの画像欠陥を引き起こす。

0012

一方で、湿式法で製造したトナーに外添剤を混合し分級して、更に外添剤を固着・付着させてトナー粒子を形成する方法も知られている。しかしながら、この方法によっても分級工程前にトナー凝集物解砕していないために、その後の分級工程によっても微粉の存在を除去しきれない。

0013

国際公開第2004−88431号パンフレット

0014

トナー中に特定粒径以下の微粉が存在すると、画質に大いなる悪影響を及ぼすこととなる。例えば、非磁性一成分現像方式にて多数枚の印字を行うと、トナー中に含まれる特定粒径以下の微粉が現像槽内に徐々に蓄積され、更に小粒径ゆえに凝集性が高いため、特定粒径以下の微粉が凝集体を形成し、帯電ブレード現像ローラーの間に噛み込むことでトナーの均一な層形成を妨げ、ベタ画像を印字した際に白スジとなって現れる。

発明が解決しようとする課題

0015

本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、ロングライフ連続印字を行っても白スジの発生しない湿式法により製造したトナー、即ち、微粉が少なく、且つ、十分に狭い粒度分布を有する湿式法により製造したトナーを製造する方法に関するものである。

0016

更に、湿式法により製造したトナーとは本来狭い粒度分布を有するものであり、むしろ分級工程が省略可能なことを特徴とする製造手法であると言える。本発明は、既に十分狭いと考えられていた粒度分布を持ち、かつ軟凝集物を多く含んで分級効率の悪い湿式法により製造したトナーをあえて分級し、加えてこれまで問題にならなかった大きさの微粉を取り除くことで、予想を超える画質の向上を達成したものである。さらには湿式法により製造したトナーであっても作業性を低下させずに分級する方法をも提供するものである。

課題を解決するための手段

0017

本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、分級工程を有する湿式法により製造したトナーの製造において、特定粒径以下の粒子を外添工程前に予め取り除くことでの予想を超える画質の改善を達成し、且つ湿式法により製造したトナーであっても作業性を低下させることなく分級可能となることを見出し、本発明に到達したものである。

0018

前記特定粒径以下の微粉とは、従来問題にされてきたそれと比べると比較的粒径の大きいものであり、本発明においては、分級工程前のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)の5/7倍に相当する粒径値以下の粒子である。

0019

本発明は、湿式法により製造したトナー母粒子を分級する分級工程の後に、外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級前のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)の5/7倍に相当する粒径をAμmとしたときに、前記分級前のAμm以下の累積個数%をX、前記分級後のAμm以下の累積個数%をYとしたとき、X/Yが1.4以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法、に存する。

発明の効果

0020

本発明によれば、微粉の少ないトナーが高効率で得られ、これを用いてロングライフの連続印字を行っても現像槽内における微粉の蓄積が抑えられることから、それらの軟凝集体によって発生するベタ画像の白スジが発生せず、良好な画像特性を獲得することが可能となる。更に、予想を超える画質の向上を達成したものである。さらには重合トナーであっても作業性を低下させずに分級することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。

0022

本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、湿式法により製造したトナー母粒子を分級する分級工程の後に、外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級前のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)の5/7倍に相当する粒径をAμmとしたときに、前記分級前のAμm以下の累積個数%をX、前記分級後のAμm以下の累積個数%をYとしたとき、X/Yが1.4以上であることを特徴とするものである。

0023

本発明のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)、分級前のAμm以下の累積個数%(X)及び分級後のAμm以下の累積個数%(Y)については、ベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm、以下マルチサイザーと略す)を用い、分散媒には同社アイトンIIを用い分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
尚、上記XとYの値を導くAの値については、上記測定装置において相当する規定のチャンネルの値を採用する。

0024

本発明は、湿式法により製造したトナー母粒子を分級する分級工程の後に、外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級前のトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)の5/7倍に相当する粒径をAμmとしたときに、前記分級前のAμm以下の累積個数%をX、前記分級後のAμm以下の累積個数%をYとしたとき、X/Yが1.4以上であり、好ましくは1.75以上である。分級前後の微粉量比X/Yが上記未満であると、連続実写において白スジが発生しやすくなる。一方で、分級前後の微粉量比X/Yが大きいほど、すなわち分級により微粉をカットするほど白スジが発生しなくなる傾向がある。

0025

本発明は、湿式法により製造したトナー母粒子から特定粒径以下の微粉を除くために、外添工程前に分級工程を有する。分級には慣性分級方式、遠心力分級方式などの公知の方法を用いることができ特に限定されるものではないが、分級効率の観点から慣性分級方式を採用するのが好ましい。慣性分級方式を有する分級機としては、日鉄鉱業社製エルボウジェット等が挙げられる。

0026

乾燥後のトナー母粒子は普通、軟凝集体を含むため、そのまま分級を行っても供給口に凝集物が詰まり、作業性の悪化を招くことがあるため、注意が必要である。従って、湿式法により製造したトナーを分級する際には、乾燥工程後に軟凝集体を予め解す、解砕工程を経てから分級工程を行うことが好ましい。解砕工程を経ることでトナーの微粉が凝集した凝集物を解すことができ、続く分級工程によって最終製品から微粉を除去することが容易となる。

0027

トナー母粒子の解砕工程としては如何なる方法を用いても良いが、解砕と同時にある程度の流動性を付与できることから、少量の微粒子と混合してシェアをかける工程を有することが好ましい。微粒子とは体積平均粒径がトナー母粒子の体積平均粒径(Dv)より小さい粒子である。重合トナー母粒子は液架橋により軟凝集体を含んでいるのが普通であり、トナー母粒子そのままの状態では取り扱いが難しい。本発明のように、少量の微粒子と混合してシェアをかける工程を施すと、攪拌による粒子の解砕効果があるだけでなく、解砕後のトナー粒子の表面に微量の微粒子を有することから、別法にて単に解砕した粒子と比べて流動性が良好であり、分級が効率良く行える。
ここで用いられる微粒子の種類及び添加部数については特に限定はなく、適当と判断されるものを適当な添加量で使用すればよい。具体的には、後述する外添工程にて用いられる種々の粒子を使用するのがよいが、特にトナーへの高流動性付与の観点から、前記微粒子のBET比表面積は、下限値として好ましくは165m2/g以上、より好ましくは25
0m2/g以上、更に好ましくは280m2/g以上であり、上限値として好ましくは600m2/g以下、より好ましくは400m2/g以下、更に好ましくは350m2/g以下である。また、微粒子としては、金属微粒子が好ましく、中でも2酸化ケイ素が好ましい。更に、微粒子の表面を疎水化処理してもよい。前記疎水化処理としては、シリコーンオイル処理ヘキサメチルジシラザン処理等の公知の物を用いて行うことができる。また、前記微粒子は必要に応じて複数種を組み合わせて用いてもよく、その際は互いに粒径の異なる微粒子を組み合わせることが好ましい。
さらに、少量の微粒子と混合してシェアをかける工程の後に等を用いることにより解砕効果が得られるので好ましい。加え、少量の微粒子と混合してシェアをかける工程等により生じた粗粉を除くこともできる。

0028

さらに本発明においては、トナー母粒子100重量部に対し、微粒子を0.05〜5重量部の範囲で付着させてなることが好ましく、2〜3.5重量部が特に好ましく、2.5〜3重量部が更に好ましい。混合する工程についても特に限定はなく、後述する通常の外添工程で使用される種々の混合機を使用することができる。具体的にはヘンシェルミキサーV型ブレンダーレディミキサー、Q−ミキサー等の混合機を用いることができる。

0029

本発明は、分級工程後のトナー母粒子の表面に、シリカ微粒子等の外添剤を固着又は付着させる外添工程を有する。本発明に用いる外添剤としては特に限定はないが、流動性、帯電性等の観点から、適当と判断されるものを適宜使用すればよい。具体的には、例えば、二酸化ケイ素酸化アルミニウム酸化チタン酸化亜鉛酸化錫チタン酸バリウムチタン酸ストロンチウム等の無機粒子ステアリン酸亜鉛ステアリン酸カルシウム等の有機酸塩粒子;メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子スチレンメタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子等の有機樹脂粒子;が挙げられる。これらのうち、特に表面を疎水化処理した酸化ケイ素が、トナーへの高帯電性・高流動性付与の観点から好ましい。ここでの疎水化処理としては、シリコーンオイル処理、ヘキサメチルジシラザン処理等の公知の物を用いる事ができる。また、外添剤は必要に応じて複数種を組み合わせて用いてもよく、その際は互いに粒径の異なる外添剤を組み合わせることが好ましい。さらに本発明においては、トナー母粒子100重量部に対し、外添剤を0.05〜5重量部の範囲で付着させてなることが好ましく、2〜3.5重量部が特に好ましく、2.5〜3重量部が更に好ましい。

0030

本発明において、トナー粒子の表面に、前記シリカ微粒子を配合、付着する方法は特に限定はなく、一般にトナーの製造に用いられる混合機を使用することができる。具体的には、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、レディゲミキサー、Q−ミキサー等の混合機により均一に攪拌、混合することによりなされる。

0031

本発明においては、湿式法で製造したトナー母粒子を使用するものであれば特に限定されるものではない。例えば、湿式法としては、懸濁重合法や乳化重合凝集法やエステル伸長重合が挙げられるが、以下の点で乳化重合凝集法が好ましい。

0032

湿式法でのトナー母粒子の製造方法の中でも乳化重合凝集法は比較的狭い粒度分布を獲得しやすいが、そのように元々狭い粒度分布の粒子をわざわざ分級することは、品質の向上が期待できたとしても、製造コストが嵩むため実用的ではないと考えられていた。更に乳化重合凝集法は、一次粒子を凝集させ凝集粒子を形成するという製造工程の特徴から得られるトナーのBET比表面積が他の湿式法により得られるトナーよりも大きくなる傾向に
ある。従って、水などの揮発し難い液体による液架橋の影響を受け易く、乾燥後の粒子に含まれる凝集体が分級機の供給口に詰まり、作業効率が極めて悪いこともあり、通常は外添工程の前に分級工程を有することはなかった。ところが、乳化重合凝集法にて製造されたトナー母粒子を特定条件下で分級してすることで予想を超える画質の向上が実現できたのである。

0033

また、本発明はモノクロトナーフルカラートナー、1成分現像剤、2成分現像剤の何れの静電荷像現像用トナーの製造方法に用いても有効であるが、トナーへのストレスが強い1成分系が特に好ましい。また、用いる顔料についても特に制限はなく公知のものが使用でき、中でも耐光性に留意して選択するのが好ましい。湿式法によりトナー母粒子を製造する場合、顔料は分散液として用いる。この際、顔料の分散液の粘度が高いと得られるトナー母粒子の粒径分布を制御することが難しく、結果として流動性が低下する。
例えば、耐光性を示すキナクリドンマゼンタトナーの顔料として採用したときは、発色性が低いために通常用いる部数より多く添加する必要があるのだが、この顔料部数の高い分散液は粘度が高いために得られるトナー母粒子の粒径分布がブロードになりやすい。従って、キナクリドンをマゼンタトナーの顔料として採用したトナーは白スジが発生しやすい。すなわち、本発明はこのようなキナクリドンをマゼンタトナーの顔料として採用した場合により顕著な効果を発揮する。

0034

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であってこれらの具体的内容に限定はされるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。

0035

トナーに使用されるバインダー樹脂としては公知の種々のものが使用できるが、本発明では重合法にて粒子を得るので、重合性二重結合を有する重合性モノマーが重合したものが好ましい。

0036

バインダー樹脂の製造に用いられる原料の重合性モノマーとしては特に限定はないが、具体的には例えば、スチレン;p−メチルスチレンα−メチルスチレンクロロスチレンジクロロスチレン等のスチレン誘導体;(メタアクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド;N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体塩化ビニル酢酸ビニル等のビニル化合物無水マレイン酸アクリロニトリルプロピレンブタジエン等のアルケン化合物等が好ましい。ここで、「(メタ)アクリル」等の記載は、「アクリル」及び/又は「メタアクリル」を意味し以下同様である。また以下、スチレン及び/又はスチレン誘導体を、単に「スチレン(誘導体)」と略記する。

0037

このうち、(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が好ましく、アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。これら重合性モノマーは、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。

0038

バインダー樹脂としては、上記重合性モノマーの(共)重合体が好ましいが、スチレン(誘導体)及び(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体、スチレン(誘導体)、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸を含む共重合体等が特に好ましい。

0039

更に、重合性モノマーとして、架橋をさせるために、多官能性モノマーを使用することもできる。多官能性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼンヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類ジアリルフタレート等が好ましいものとして挙げられる。また、架橋をさせるための重合性モノマーとしては、反応性基ペンダントに有する重合性モノマー、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチロール(メタ)アクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。これらは、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。

0040

中でも、バインダー樹脂を良好に架橋させるためには、ラジカル重合性二官能性モノマーが好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が特に好ましい。

0041

ここで樹脂について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する)で測定した数平均分子量は特に限定はないが、好ましくは2000以上、より好ましくは2500以上、更に好ましくは3000以上であり、上限は、好ましくは5万以下、より好ましくは4万以下、更に好ましくは3.5万以下であることが望ましい。また、GPCで求めた重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは3万以上、更に好ましくは5万以上であり、上限は、好ましくは20万以下、より好ましくは12万以下、更に好ましくは8万以下であることが望ましい。スチレン系樹脂の数平均分子量、重量平均分子量が前記範囲にある場合、トナーの耐久性保存性定着性等が良好となるため好ましい。

0042

樹脂のガラス転移点(以下、「Tg」と略記する)は特に限定はないが、30℃以上であることが好ましく、40℃以上であることが特に好ましい。また上限は、80℃以下であることが好ましく、70℃以下が特に好ましい。Tgが低すぎると、トナーの保存安定性が損なわれる場合があり、一方、Tgが高すぎるとトナーの定着性が著しく悪くなる場合がある。

0043

樹脂の軟化点(以下、「Sp」と略記する)は特に限定はないが、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。また上限は、160℃以下であることが好ましく、150℃以下が特に好ましい。Spが低すぎると、トナーが定着プロセス熱ローラー等に融着し、いわゆるオフセットの問題が発生する場合がある。一方、Spが高すぎるとトナーの定着性が著しく悪くなる場合がある。

0044

使用される着色剤としては特に限定はなく、トナーに適した公知の種々のものが使用でき、例えば、ファーネスブラックランプブラック等のカーボンブラック類ベンジジンイエローベンジジンオレンジキノリンイエロー、アシッドグリーンアルカリブルーローダミンマゼンタマカライトグリーンヒドロキシアントラキノンフタロシアニン系染顔料、キナクリドン系染顔料、ジオキサン系染顔料、アニリン黒、アゾ系染顔料、ナフトキノン系染顔料、インジゴ系染顔料、ニグロシン系染顔料、フタロシアニン系染顔料、ポリメチン系染顔料、ジ及びトリアリールメタン系染顔料等の合成染顔料等が挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。

0045

本発明のトナーをフルカラー用トナーとして用いる場合は、特に制限はなく公知のものが使用でき、例えば、イエロー用としてアゾ系顔料不溶性モノアゾ系、不溶性ジスアゾ系、縮合アゾ系等)、多環式顔料イソインドリン系、イソインドリノン系、スレン系、キノフタロン系等)等が挙げられ、マゼンタ用としてアゾ系顔料(アゾレーキ系、不溶性モノアゾ系、不溶性ジスアゾ系、縮合アゾ系等)、多環式顔料(キナクリドン系顔料ペリレン顔料等)等が挙げられ、シアン用としてフタロシアニン顔料、スレン系顔料等が挙げられる。着色剤の組合せは色相等を案して適宜選べばよいが、中でも、イエロー着色剤としてはC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種が、マゼンタ着色剤としてはC.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド122から選ばれる少なくとも1種が、シアン着色剤としてはC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3から選ばれる少なくとも1種が、それぞれ好適である。尚、ブラック着色剤としてはファーネス法カーボンブラックが好ましい。前記着色剤は、揮発性不純物を極力含まないものを使用することが好ましい。
特に限定されないが、マゼンタ用としては、多環式顔料が好ましく、さらにキナクリドン系顔料が好ましい。

0046

トナー粒子には、ワックスを含有させることも好ましい。ワックスはトナー用途に通常使用されているものであれば特に限定されず、具体的には、低分子量ポリエチレン低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックスパラフィンワックスアルキル基を有するシリコンワックスステアリン酸等の高級脂肪酸エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコールベヘン酸ベヘニルモンタン酸エステルステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類水添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックスグリセリンペンタエリスリトール等の多価アルコール長鎖脂肪酸より得られるエステル類又は部分エステル類;オレイン酸アミドステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド低分子量ポリエステル等が好ましい。本発明に特に好適なワックスとしては、エステル系ワックス、パラフィンワックス、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、アルキル基を有するシリコーンワックスから選択することにより好適に使用できる。また、ワックスは、DSCによる吸熱ピークを50〜100℃に少なくとも1つ有することが定着性の点から好ましい。

0047

更に、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤が含有されていてもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用され、例えば、正荷電性帯電制御剤としては、ニグロシン系染料四級アンモニウム塩トリアミノトリフェニルメタン系化合物イミダゾール系化合物ポリアミン樹脂等が好ましく、負荷電性帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe、B等の原子を含有するアゾ錯化合物染料アルキルサリチル酸錯化合物、カリックスアレン化合物等が好ましい。フルカラートナーでは、トナーとしての色調障害を回避するために、帯電制御剤の色調は無色ないしは、淡色のものを選択する必要があり、その用途のためには、上記のうちでも正荷電性帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩、イミダゾール系化合物であるのが好ましく、負荷電性帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe、B等の原子を含有するアルキルサリチル酸錯化合物、カリックスアレン化合物が好ましい。また、これらの混合物であってもよい。帯電制御剤の添加量は、バインダー樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部の範囲が好ましい。

0048

更に、トナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等の改質のために公知の各種内添剤、例えば、シリコンオイルシリコンワニス等を含有させることもできる。

0049

本発明のトナー母粒子は湿式法で得られるものであるが、その中でも重合法、例えば乳化重合凝集法や懸濁重合法が好ましい。中でも、得られるトナー母粒子の粒径分布、円形度の制御の容易さの観点から、更には樹脂被覆させたトナー母粒子を得やすいという観点から、乳化重合凝集法によりトナー母粒子を製造することが好ましい。

0050

乳化重合凝集法としては従来公知の方法を使用できる。すなわち、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中芯用樹脂微粒子を構成する重合性モノマーを乳化させ、攪拌下に重合性モノマーを重合させて、まず芯用樹脂微粒子のエマルジョンを製造し、次いで、得られた芯用樹脂微粒子エマルジョンに着色剤、及び、必要に応じて帯電制御剤等を添加して、芯用樹脂微粒子を凝集させて一次粒子の凝集体となし(以下、「凝集工程」ということがある)、その後、要すれば加熱融着させて(以下、「融着工程」ということがある)、芯粒子とする。

0051

ここで、ワックスを乳化重合時にシードとして添加することによって芯用樹脂微粒子の中に含有させたり、芯用樹脂微粒子の凝集時にワックス微粒子を配合して共凝集させたり、それらを組み合わせて配合させすることも好ましい。中でも、ワックスを実質的に全て、乳化重合時にシードとして添加することが特に好ましい。具体的には、まずワックスを重合核となるシードとして水系媒体に分散させ、次いで重合性モノマーを滴下導入して、バインダー樹脂の芯用樹脂微粒子を製造する方法が好適である。この方法においては、ワックスを凝集前の各粒子単位に内包させることが可能となるため、つづく凝集工程、融着工程を経た後のトナー表面からの漏洩、それに伴うトナー樹脂同士の結着、融着等を防止することが可能となり好ましい。また、ワックス乳化重合時にシードとして添加することにより、ワックスがトナー中に微細かつ均一に分散されるため、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。

0052

本発明のトナーの芯粒子を懸濁重合法で製造する場合も、従来公知の方法に従って製造することができる。すなわち、通常は、水系媒体中に後記のバインダー樹脂を構成する重合性モノマー、重合開始剤、着色剤、要すればワックス、帯電制御剤、内添剤等の各成分を、ディスパーザー等の分散機を用いて適当な粒径に懸濁分散させた後、該重合性モノマーを重合させることにより得ることができる。

0053

得られた粒子については、必要に応じて芯粒子を殻剤樹脂微粒子コーティングすることが好ましい。殻となる殻剤樹脂微粒子の原料や製造方法は特に限定はないが、上記した樹脂微粒子と同様の原料や製造方法を使用して製造することが好ましい。すなわち、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に、殻剤樹脂微粒子を構成する重合性モノマーを乳化させ、攪拌下に重合性モノマーを重合させて、殻剤樹脂微粒子を製造し、それを用いることが好ましい。

0054

芯粒子に殻剤樹脂微粒子を被覆する方法は特に限定はないが、重合法で得られた芯粒子を水中に分散させた状態で、殻を構成するための殻剤樹脂微粒子分散液を前記の芯粒子と混合し、芯粒子の表面を殻剤樹脂微粒子で被覆し、更に、加熱することにより、芯粒子に殻が被覆された構成のトナー母粒子を製造することが好ましい。

0055

本発明におけるトナー母粒子の製造方法は、重合法であれば特に限定はないが、好ましくは乳化重合凝集法である。すなわち、水系媒体中で重合性モノマーを重合して芯用樹脂微粒子分散液を生成し、これと着色剤分散液、要すればワックス分散液等とをヘテロ凝集し、芯粒子として形成した後に、殻剤樹脂微粒子を芯粒子の表面へ被覆せしめ、次いで、加温等の温度制御により凝集物を融着してトナー母粒子として構成するものである。

0056

また、別の態様は、同じく乳化重合凝集法を用いて製造するものであるが、まず、水系媒体中で重合性モノマーを重合して芯用樹脂微粒子分散液を生成し、これと着色剤分散液、要すればワックス分散液等とをヘテロ凝集し、ここにおいて、加温等の温度制御により凝集物を融着せしめ、その後に、殻剤樹脂微粒子を融着後の芯粒子の表面へ被覆せしめ、次いで加温等の温度制御により芯粒子と殻剤樹脂微粒子とを融着させてトナー母粒子として構成するものである。

0057

殻剤樹脂微粒子の原料となる重合性モノマーとしては、前記した芯粒子のバインダー樹脂の原料となるものが、同様に好適に用いられる。また、殻剤樹脂微粒子のバインダー樹脂としては、芯粒子のバインダー樹脂として好ましいものが同様に好ましく使用できる。芯用樹脂微粒子と殻剤樹脂微粒子とは、重合性モノマーが異なっていてもよいし、重合性モノマーは共通していて、組成比率において、互いの組成比率の範囲が異なっていてもよい。

0058

本発明のトナーにおける殻剤樹脂微粒子のバインダー樹脂のGPCで求めた数平均分子量は特に限定はないが、好ましくは2000以上、より好ましくは2500以上、更に好ましくは3000以上であり、好ましくは5万以下、より好ましくは4万以下、更に好ましくは3.5万以下であることが望ましい。また、GPCで求めた重量平均分子量が、好ましくは1万以上、より好ましくは3万以上、更に好ましくは5万以上であり、好ましくは20万以下、より好ましくは12万以下、更に好ましくは8万以下であることが望ましい。数平均分子量、重量平均分子量が前記範囲にある場合、トナーの耐久性、保存性、定着性等が良好となるため好ましい。

0059

更に、本発明における殻剤樹脂微粒子のGPCにおけるピーク分子量のうち少なくとも1つが、好ましくは3000以上、より好ましくは1万以上、更に好ましくは3万以上であり、好ましくは10万以下、より好ましくは7万以下、更に好ましくは6万以下に存在することが好ましい。ピーク分子量が前記範囲にある場合、トナーの耐久性、保存性、定着性が良好となる。ここで、前記ピーク分子量とは、ポリスチレン換算した値を用いるものとし、測定に際しては溶媒不溶の成分を除くものとする。

0060

殻剤樹脂微粒子のバインダー樹脂のガラス転移点(以下、「Tg」と略記する)は、65℃以上であることが好ましく。70℃以上が特に好ましく、75℃以上が更に好ましい。また、上限は、100℃以下が好ましく、90℃以下が特に好ましく、85℃以下が更に好ましい。65℃未満だと、耐熱性悪化による保存安定性の低下等を招く場合がある。一方、Tgが高すぎると、低温側の定着温度域が狭まるために、特に高速印刷した場合に定着不良を起こしてしまう場合がある。

0061

樹脂微粒子のバインダー樹脂のTgは、芯粒子のバインダー樹脂のTgよりも、5℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上高いことが、耐ブロッキング性、保存安定性、耐久性等の点で好ましい。

0062

樹脂微粒子のバインダー樹脂の軟化点(以下、「Sp」と略記する)は特に限定はないが、芯粒子の場合と同様に、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。また上限は、160℃以下であることが好ましく、150℃以下が特に好ましい。Spが低すぎると、トナーが定着プロセスで熱ローラー等に融着し、いわゆるオフセットの問題が発生する場合がある。一方、Spが高すぎるとトナーの定着性が著しく悪くなる場合がある。

0063

また、殻剤樹脂微粒子にはワックスを含有させることにより、芯粒子の構成、組成等を調整して低温定着性を向上させても、高温耐オフセット性、耐ブロッキング性等を悪化させないトナーを提供することができるため好ましい。ワックスを含有させる方法は、乳化重合凝集法の芯粒子生成のための芯用樹脂微粒子の製造において記載したものと同様の方法が、同様の理由で好ましい。殻剤樹脂微粒子にワックスを含有させた場合でも、上記Tgは、殻剤樹脂微粒子のバインダー樹脂部分のみのTgを意味する。

0064

殻剤樹脂微粒子にワックスが含有される場合、そのワックスとしては、上記芯粒子に含有されるワックスと同様のものが好ましく用いられる。また、殻剤樹脂微粒子に帯電制御剤を含有させることも好ましい。更に、トナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等の改質のために公知の各種内添剤等を含有させることもできる。

0065

殻剤樹脂微粒子の体積平均粒径は特に限定はないが、好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上であり、また上限は、好ましくは400nm以下、特に好ましくは300nm以下、更に好ましくは250nm以下であることが望ましい。粒径が前記範囲未満では、トナーへの樹脂微粒子付着工程で、樹脂微粒子のみの凝集が起こりやすいため、樹脂を均一にトナー表面に付着させることが困難になる場合があり、前記超過範囲では、殻剤樹脂微粒子のTgは高いため、定着性に悪影響が出る場合がある。

0066

芯用樹脂微粒子と殻剤樹脂微粒子との配合量の質量比率は、99:1〜60:40の範囲が好ましく、更に好ましくは95:5〜90:10である。

0067

芯粒子と殻剤樹脂微粒子を融着させて安定化させるために、加熱を行うことが好ましい(以下、この工程を「融着工程」と略記する)。融着工程の温度は、芯粒子のバインダー樹脂のTgと殻剤樹脂微粒子のバインダー樹脂のTgのうち高い方のTg以上が好ましく、高い方のTgより5℃以上高い温度が特に好ましい。また上限は、該Tgより80℃高い温度以下の温度が好ましく、50℃高い温度以下の温度が特に好ましい。加熱時間は特に限定はないが、1〜6時間とするのが好ましい。

0068

このような加熱処理により融着一体化がなされ、芯粒子に殻剤樹脂微粒子層が被覆されたトナー母粒子が得られ、粒子形状も球形に近いものとなる。芯粒子を乳化重合凝集法で得た場合には、芯粒子製造の段階で芯用樹脂微粒子を融着させるために加熱を行ってもよいが、芯粒子に殻剤樹脂微粒子を付着させた後に、凝集体における芯用樹脂微粒子やその他の一次粒子同士の融着一体化も同時に行いながら、芯粒子に殻剤樹脂微粒子層を被覆させることも好ましい。

0069

芯粒子に、殻剤樹脂微粒子を被覆させる前に、予め芯粒子を融着させておくこともできる。この場合も、芯粒子に殻剤樹脂微粒子を被覆した後に、再度融着工程を経ることが好ましい。予め芯粒子を融着させておくと、芯粒子の円形度が高まるため、殻剤樹脂微粒子を芯粒子に均一に被覆することができるため、耐ブロッキング性、定着性等が良好になるので好ましい。

0070

こうして得られたトナー母粒子の体積平均粒径は特に限定はないが、3〜15μmが好ましく、4〜10μmの範囲であることが特に好ましく、5〜9μmの範囲であることが更に好ましい。

0071

本発明におけるトナー母粒子の平均円形度は特に限定はないが、好ましくは0.9以上、特に好ましくは0.92以上、より好ましくは0.94以上であり、上限は、好ましくは0.99以下、特に好ましくは0.98以下、より好ましくは0.97以下である。乳化重合凝集法においては、トナー粒子の平均円形度は、前記の融着工程における温度及び加熱時間により制御することができる。

0072

平均円形度については、トナー粒子が完全な球形の場合1となり、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さくなる。平均円形度が前記範囲未満では、転写効率が悪くドット再現性が低下する場合がある。一方、前記範囲超過では、PCドラム上に残った未転写トナーブレードで完全に掻き取られずに画像欠陥を発生させる場合がある。

0073

得られた粒子は、公知の方法にて固液分離し、粒子を回収し、必要に応じて洗浄、乾燥することで目的とするトナー母粒子を得ることができる。

0074

本発明のトナーは、黒色トナーカラートナー、フルカラートナーの何れに用いることもできるが、カラートナー又はフルカラートナーとして用いると本発明の効果をより顕著に発現することができる。

0075

また、本発明のトナーは、二成分系現像方式又は非磁性一成分系現像方式等の何れの方式にも用いられる。二成分系現像方式に用いる場合、キャリアとしては、鉄粉マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質又はそれらの表面に樹脂コーティングを施したものを用いることができる。

0076

本発明のトナーは、上記したように、長期間使用したときのトナーの劣化が激しい非磁性一成分系現像方式用に用いられることが好ましい。この場合、帯電ブレード等の帯電部材としては、SUS等公知のものが使用できる。

0077

以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、「部」とあるのは、特に断りのない限り「重量部」を意味し、「%」とあるのは、特に断りのない限り「質量%」を意味する。

0078

各粒子径及び円形度及び、電気伝導度熱特性、BET比表面積は次のように測定した。
体積平均径測定(MV)>
ミクロン未満の体積平均径(MV)を有す粒子の体積平均径(MV)は、日機装株式会社製型式Microtrac Nanotarc150(以下ナノトラックと略す)を用いて同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2.-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒に用い、溶媒屈折率:1.333、測定時間:100秒、測定回数:1回で、ワックス分散液及び重合体一次粒子分散液については、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04の条件で、着色剤分散液については、透過性:吸収、形状:非球形、密度:1.0の条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定した。
<平均円形度測定>
平均円形度は、分散質を分散媒(アイソトンII:ベックマンコールター社製)に5720〜7140個/μlとなるように分散させ、フロー粒子分析装置FPIA2100:シスメックス社製)を用いて、HPF分析量0.35μl、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定した。
電気伝導度測定
電気伝導度の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて行った。
<熱特性>
セイコーインスツルメンツ(株)社製 型式:SSC5200を用い、同社の取り扱い説明書
に記載された方法で10℃から110℃まで10℃/minの速度で昇温させた際の吸熱曲線より、
融点融解熱量融解ピーク半値幅を測定し、続いて110℃から10℃まで10℃/minの速度
で降温させた際の発熱曲線より、結晶化温度結晶化ピーク半値幅を測定した。
<BET比表面積>
BET比表面積は株式会社マウンテック社製 Macsorb model−1201を
使用し、液体窒素を用いる1点法によって測定した。具体的には以下の通りである。
まずガラス製の専用セルに測定サンプルを0.3〜0.4g程度充填する(以下、サンプル充填量をA(g)とする)。次いで、セル測定器本体にセットし、窒素雰囲気下で200℃、20分の乾燥脱気を行った後、セルを室温まで冷却する。その後、セルを液体窒素で冷却しつつ、セル内に測定ガス第一級窒素30%・ヘリウム70%混合ガス)を流量25mL/minで流し、測定ガスのサンプルへの吸着量(V cm3)を測定する。サンプルの総表面積をS(m2)とすると、求めるBET比表面積(m2/g)は以下の計算式によって算出できる。
(BET比表面積)=S/A={K・(1−P/P0)・V}/A
K:ガス定数(本測定においては、4.29)
P/P0:吸着ガス相対圧力であり、混合比の97%(本測定においては、0.29)

0079

(実施例1)
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、表面張力23.5mN/m、熱特性:融点82℃、融解熱量220J/g、融解ピーク半値幅8.2℃、結晶化温度66℃、結晶化ピーク半値幅13.0℃)27部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A、以下20%DBS水溶液と略す)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製マークII fモデル)を用い10分間攪拌した。次い
でこの分散液を90℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均粒径(MV)が250nmになるまで分散してワックス・長鎖重合性単量体分散液A1(エマルション固形分濃度=30.2%)を作製した。

0080

<シリコーンワックス分散液A2の調製>
アルキル変性シリコーンワックス(熱特性:融点77℃、融解熱量97J/g、融解ピーク半値幅10.9℃、結晶化温度61℃、結晶化ピーク半値幅17.0℃)27部、20%DBS水溶液1.9部、脱塩水71.1部を3Lのステンレス容器に入れ90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製マークII fモデル)で10分間攪拌した。次いでこの分散液を99℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて45MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで測定しながら体積平均粒径(MV)が240nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液A2(エマルション固形分濃度=27.4%)を作製した。

0081

<重合体一次粒子分散液A1の調製>
攪拌装置(3枚)、加熱冷却装置濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器内容積21リットル内径250mm、高さ420mm)にワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6重量部、脱塩水259部を仕込み攪拌しながら、窒素気流下で90℃に昇温した。

0082

その後、攪拌を続けたまま下記のモノマー類乳化剤水溶液の混合物を重合開始から5時間かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を滴下開始した時間を重合開始とし、下記の開始剤水溶液を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から下記の追加開始剤水溶液を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。

0083

[モノマー類]
スチレン76.8部
アクリル酸ブチル23.2部
アクリル酸1.5部
テトラクロロブロモメタン1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート0.7部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液1.0部
脱塩水67.1部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部

0084

重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A1を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は280nmであり、固形分濃度は21.1重量%であった。

0085

<重合体一次粒子分散液A2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21リットル、内径250mm、高さ420mm)にシリコーンワックス分散液A2 23.6重量部、20%DBS水溶液1.5重量部、脱塩水324部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。
その5分後、下記のモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を重合開始(8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した時から5分後)から5時間かけて、下記の開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、更に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。

0086

[モノマー類]
スチレン92.5部
アクリル酸ブチル7.5部
アクリル酸1.5部
テトラクロロブロモメタン0.6部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液1.5部
脱塩水66.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液18.9部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液18.9部

0087

重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A2を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は290nmであり、固形分濃度は19.0重量%であった。

0088

<着色剤分散液Aの調製>
攪拌機プロペラ翼)を備えた内容積300Lの容器に、ジメチルキナクリドン顔料Pigment Red122(大日精化社製)20部、20%DBS水溶液1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)6部、電気伝導度が2μS/cmのイオン交換水73部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。

0089

ナノトラックで測定したプレミックス後の分散液中キナクリドン顔料の体積平均粒径(MV)は40μmであった。上記プレミックス液原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、分散を行った。なお、ステータの内径はφ75mm、セパレータの径がφ60mm、セパレータとディスク間の間隔は15mmとし、分散用メディアとして直径が300μmのジルコニアビーズ真密度6.0g/cm3)を用いた。ステータの有効内容積は0.5リットルであり、メデイアの充填容積は0.35リットルとしたので、メディア充填率は70%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が11m/sec)として、供給口より前記プレミックススラリを無脈定量ポンプにより供給速度50リットル/hrで連続的に供給し、排出口より連続的に排出する事により黒色着色剤分散体Aを得た。着色剤分散体Aをナノトラックで測定した体積平均粒径(MV)は250nmであり、固形分濃度は25.6重量%であった。

0090

<母粒子Aの製造>
重合体一次粒子分散液A1固形分として95部
重合体一次粒子分散液A2 固形分として5部
着色剤微粒子分散液A着色剤固形分として6部
20%DBS水溶液固形分として0.1部
上記の各成分を用いて、以下の手順により母粒子を製造した。

0091

攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器容積12リットル、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温12℃で5分間均一に混合した。続いて内温12℃で攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5%水溶液をFeSO4・7H2Oとし
て0.52部を5分かけて添加してから着色剤微粒子分散液Aを5分かけて添加し、内温12℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5%硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後75分かけて内温53℃に昇温して、更に170分かけて56℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定したところ6.3μmであった。その後、重合体一次粒子分散液A
2を3分かけて添加してそのまま60分保持し、続いて20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加してから30分かけて90℃に昇温して60分保持した。

0092

その後20分かけて30℃まで冷却して得られたスラリーを抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)のろ紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgを加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。
その後、再度5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をし、再度ろ紙上に残った固形物を、攪拌機(プロペラ翼)を備え電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgの入った内容積10Lの容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ30分間攪拌したままとした。この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は2μS/cmとなった。

0093

ここで得られたケーキをステンレス製バッドに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、母粒子Aを得た。母粒子Aの体積平均粒径は6.88μmであり、母粒子Aの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は15.21%であった。また、平均円形度は0.945であった。
現像用トナーAの製造>

0094

三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、母粒子A(100部)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積300m2/gのシリカ微粒子0.2部を添加し、撹拌混合して、さらに篩別する事により解砕品Aを得た。解砕品Aの体積平均粒径は6.93μmであり、解砕品Aの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は15.43%であった。

0095

日鉄鉱業社製エルボウジェットを使用して解砕品Aを分級し、分級品Aを得た。なお、この時解砕品Aの流動性に問題はなく、エルボウジェットの供給口が閉塞するようなこともなかった。分級品Aの体積平均粒径は7.16μmであり、分級品Aの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は7.45%であった。

0096

三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、分級品A(100部)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積50m2/gのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積300m2/gのシリカ微粒子2.0部とを添加し、攪拌・混合して、さらに篩別する事により現像用トナーAを得た。

0097

(実施例2)
<現像用トナーBの製造>

0098

日鉄鉱業社製エルボウジェットを使用して母粒子Aを分級し、分級品Bを得た。なお、この時エルボウジェットの供給口に凝集した母粒子がしばしば閉塞し、作業効率が悪かった。分級品Bの体積平均粒径は7.17μmであり、分級品Bの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は8.67%であった。

0099

三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、分級品B(100部)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積50m2/gのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積300m2/gのシリカ微粒子2.0部とを添加し、攪拌・混合して、さらに篩別する事により現像用トナーBを得た。

0100

(実施例3)
<現像用トナーCの製造>

0101

日鉄鉱業社製エルボウジェットを使用して解砕品Aを分級し、分級品Cを得た。なお、この時解砕品Aの流動性に問題はなく、エルボウジェットの供給口が閉塞するようなこともなかった。分級品Cの体積平均粒径は7.05μmであり、分級品Cの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は10.87%であった。

0102

三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、分級品C(100部)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積50m2/gのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積300m2/gのシリカ微粒子2.0部とを添加し、攪拌・混合して、さらに篩別する事により現像用トナーCを得た。

0103

(比較例1)
<現像用トナーDの製造>

0104

三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、母粒子A(100部)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積50m2/gのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積300m2/gのシリカ微粒子2.0部とを添加し、攪拌・混合して、さらに篩に通す事により現像用トナーDを得た。

0105

(参考例1)
<現像用トナーEの製造>

0106

三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、母粒子A(100部)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積50m2/gのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理されたBET比表面積300m2/gのシリカ微粒子2.0部とを添加し、攪拌・混合して、さらに篩別する事により外添品Eを得た。外添品Eの体積平均粒径は6.99μmであり、外添品Eの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は15.14%であった。

0107

日鉄鉱業社製エルボウジェットを使用して外添品Eを分級し、現像用トナーEを得た。なお、この時外添品Eの流動性に問題はなく、エルボウジェットの供給口が閉塞するようなこともなかった。現像用トナーEの体積平均粒径は7.23μmであり、現像用トナーEの体積平均粒径の5/7倍に相当する粒径以下の個数%は7.43%であった。
<印字試験

0108

得られたトナーを、印刷速度200mm/s、非磁性一成分で現像ゴムローラー金属ブレード帯電ローラーPCR)で帯電する有機感光体ベルト転写熱定着方式を用いたベルト定着機を搭載したフルカラープリンターにて印字試験を行った。該プリンター現像槽にそれぞれトナーを充填し、25%印字率チャートの連続印字を20,000枚行った後にベタ画像を印刷し、白スジの発生度合いを評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎ : OK(白スジ発生なし)
○ : OK(白スジ許容レベル
△ : 白スジ微発生
× : 白スジ発生

0109

結果を下に示した。
なお、分級の作業性について判定基準は以下の通りとした。
○ :エルボウジェット供給口に詰まり発生なし
× : エルボウジェット供給口に詰まり発生あり

0110

0111

これより明らかなように、外添工程前の分級処理によって特定粒子径以下の微粉が除かれているものは白スジの発生がほとんどなく良好な印字性能を示した(実施例1〜3)。中でも、分級前に解砕工程を経たものは分級の作業性も良好であった(実施例1、3)。それに対して、分級を行っていないものについては白スジの発生が見られた(比較例1)。また、乾燥工程後すぐに外添工程を経てから分級処理を行ったものについても印字試験で白スジの発生が確認された(参考例1)。これについては、分級を行った際に母粒子から外添剤が脱離し、系外へ排出されたことでトナーの流動性が悪化して凝集性が増したためと考えられる。

0112

本発明のトナー製造法によればシャープな粒度分布を有する重合トナーを効率よく得ることができ、ロングライフの連続印字を行っても白スジが発生しないので、電子写真方式複写機、プリンター等に広く利用できるものである。

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