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技術 過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐藤正明
出願日 2007年11月6日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-288501
公開日 2009年5月28日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2009-114946
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 低大気圧 補正実施 総ガス量 乖離度合 標準大気圧 高地補正 ベース開度 ベース値
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図面 (8)

課題

制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度大気圧補正をより好適に行うことのできる過給機付きディーゼル機関スロットル制御装置を提供する。

解決手段

電子制御ユニット24は、大気圧センサ14により検出された大気圧に基づいてスロットル開度の大気圧補正値を算出するとともに、その算出された大気圧補正値に応じてスロットル開度の補正を実施する。ただし、こうした大気圧補正値に応じてスロットル開度の補正は、目標過給圧に対する実過給圧乖離度合が規定よりも大きいときにのみ行い、その乖離度合が規定よりも小さいときには同補正を禁止するようにした。

概要

背景

車載等のディーゼル機関では、基本的には、燃料噴射量の調整を通じて機関出力コントロールされているため、スロットル開度細密な制御は行われていなかった。しかしながら、近年には、排気再循環装置EGR装置)によって吸気中再循環される排気の量、いわゆるEGR量を細密に制御する必要から、例えば特許文献1に見られるように電子制御式スロットルバルブを備え、機関運転状態に応じてスロットル開度を細密にコントロールすることが行われるようになっている。

ところで、高地のような大気圧の低い状況でディーゼル機関が運転されるときには、外部より吸入される新気の量が減少するようになる。そのため、低大気圧下での新気吸入量の減少を補償する必要がある。特に上記のような排気再循環装置を備えたディーゼル機関では、低大気圧下の新気吸入量の減少により、EGR率シリンダ充填される総ガス量に占める再循環排気量(EGR量)の比率)が増大してしまい、燃焼状態が悪化してしまうため、上記のような低大気圧下での新気吸入量の減少の補償が重要となっている。そこで従来、車載等のディーゼル機関では、特許文献2に見られるように、低大気圧下での新気吸入量の減少を補償すべく、大気圧に応じたスロットル開度の補正、いわゆるスロットル開度の大気圧補正、いわゆる高地補正を行うことがなされている。

通常、こうした大気圧補正に係るスロットル開度の大気圧補正値は、図7に例示するような大気圧に基づく1次元算出マップより求められるようになっている。この算出マップは、大気圧のそれぞれの値(P0,P1,…,Pn)について適切な大気圧補正値の値(A0,A1,…,An)が記憶されたものとなっている。そして機関回転速度及び機関負荷に基づいて算出されたスロットル開度のベース値ベース開度)を、上記のような1次元の算出マップより求められた大気圧補正値にて補正することで、最終的なスロットル開度を設定するようにしている。
特開2002−327643号公報
特開平9−60559号公報

概要

制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことのできる過給機付きディーゼル機関スロットル制御装置を提供する。電子制御ユニット24は、大気圧センサ14により検出された大気圧に基づいてスロットル開度の大気圧補正値を算出するとともに、その算出された大気圧補正値に応じてスロットル開度の補正を実施する。ただし、こうした大気圧補正値に応じてスロットル開度の補正は、目標過給圧に対する実過給圧乖離度合が規定よりも大きいときにのみ行い、その乖離度合が規定よりも小さいときには同補正を禁止するようにした。

目的

本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことのできる過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

過給機付きディーゼル機関スロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、その算出された大気圧補正値に応じて前記スロットル開度の補正を実施する大気圧補正手段と、目標過給圧に対する実過給圧乖離度合が規定よりも小さいときには、前記大気圧補正手段による前記大気圧補正値に応じた前記スロットル開度の補正を制限する大気圧補正制限手段と、を備えることを特徴とする過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置

請求項2

過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、その算出された大気圧補正値に応じて前記スロットル開度の補正を実施する大気圧補正手段と、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも小さいときには、前記大気圧補正手段による前記大気圧補正値に応じた前記スロットル開度の補正を禁止する大気圧補正禁止手段と、を備えることを特徴とする過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

請求項3

過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、その算出された大気圧補正値に応じて前記スロットル開度の補正を実施する大気圧補正手段と、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも大きいときに限り、前記大気圧補正手段による前記大気圧補正値に応じた前記スロットル開度の補正を許可する大気圧補正許可手段と、を備えることを特徴とする過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

請求項4

過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて前記スロットル開度の過給圧補正値を算出する過給圧補正値算出手段と、前記大気圧補正値と前記過給圧補正値とを比較するとともに前記スロットル開度の補正の度合がより小さいものを選択してその選択された補正値による前記スロットル開度の補正を実施する選択補正手段と、を備えることを特徴とする過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

請求項5

当該過給機付きディーゼル機関には、吸気中排気再循環させる排気再循環装置が備えられてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

請求項6

当該過給機付きディーゼル機関には、NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒が設置され、空燃比リッチ化を通じた同排気浄化触媒の硫黄被毒回復制御が必要に応じて実施されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

技術分野

0001

本発明は、大気圧に応じたスロットル開度補正を行う過給機付きディーゼル機関スロットル制御装置に関するものである。

背景技術

0002

車載等のディーゼル機関では、基本的には、燃料噴射量の調整を通じて機関出力コントロールされているため、スロットル開度の細密な制御は行われていなかった。しかしながら、近年には、排気再循環装置EGR装置)によって吸気中再循環される排気の量、いわゆるEGR量を細密に制御する必要から、例えば特許文献1に見られるように電子制御式スロットルバルブを備え、機関運転状態に応じてスロットル開度を細密にコントロールすることが行われるようになっている。

0003

ところで、高地のような大気圧の低い状況でディーゼル機関が運転されるときには、外部より吸入される新気の量が減少するようになる。そのため、低大気圧下での新気吸入量の減少を補償する必要がある。特に上記のような排気再循環装置を備えたディーゼル機関では、低大気圧下の新気吸入量の減少により、EGR率シリンダ充填される総ガス量に占める再循環排気量(EGR量)の比率)が増大してしまい、燃焼状態が悪化してしまうため、上記のような低大気圧下での新気吸入量の減少の補償が重要となっている。そこで従来、車載等のディーゼル機関では、特許文献2に見られるように、低大気圧下での新気吸入量の減少を補償すべく、大気圧に応じたスロットル開度の補正、いわゆるスロットル開度の大気圧補正、いわゆる高地補正を行うことがなされている。

0004

通常、こうした大気圧補正に係るスロットル開度の大気圧補正値は、図7に例示するような大気圧に基づく1次元算出マップより求められるようになっている。この算出マップは、大気圧のそれぞれの値(P0,P1,…,Pn)について適切な大気圧補正値の値(A0,A1,…,An)が記憶されたものとなっている。そして機関回転速度及び機関負荷に基づいて算出されたスロットル開度のベース値ベース開度)を、上記のような1次元の算出マップより求められた大気圧補正値にて補正することで、最終的なスロットル開度を設定するようにしている。
特開2002−327643号公報
特開平9−60559号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記のようなスロットル開度の大気圧補正を行えば、低大気圧下における新気吸入量の減少を補償することができる。しかしながら、すべての機関運転条件において、大気圧に応じたスロットル開度の補正を一律の態様で行えば、以下のような不具合が生じてしまうことがある。

0006

まず高地におけるEGRエミッション)の制御性の悪化が挙げられる。機関運転条件によっては、標準大気圧下において、燃焼状態の悪化を回避可能限界付近にEGR率が設定されていることがある。こうした機関運転条件では、低大気圧下で新気吸入量が減少してEGR率が増大すると、直ちに燃焼状態が悪化してしまうようになる。そのため、上記のようなスロットル開度の大気圧補正は、こうしたEGR率に余裕の無い機関運転条件においても、燃焼状態の悪化を回避可能に行う必要がある。一方、機関運転条件によっては、標準大気圧下においてEGR率がある程度増大しても、燃焼状態が悪化しない程度にEGR率が設定されていることもある。このようなEGR率に余裕の有る機関運転条件において、そうした余裕の無い機関運転条件を想定したスロットル開度の大気圧補正を行なえば、過補正となって、排気再循環の実施によるエミッション性能向上効果が十分に得られなくなってしまうことがある。

0007

またスロットル開度の大気圧補正をすべての機関運転条件で一律の態様で行った場合には、高地における排気温度の制御性が悪化する懸念もある。機関運転条件によっては、標準大気圧下でのHC等の排出量が、そもそも許容限界に近い状態となっていることがある。このような機関運転条件では、低大気圧下で新気吸入量が減少して排気温度が上ると、HC等の排出量が直ちに許容限界を超えてしまうようになる。そのため、上記のようなスロットル開度の大気圧補正は、このようなHC等の排出量に余裕の無い機関運転条件においても、HC等の排出量が許容される範囲内に収まるように行う必要がある。一方、機関運転条件によっては、標準大気圧下でのHC等の排出量が十分に少なく、低大気圧下で新気吸入量が減少してHC等の排出量が多少増加しても、HC等の排出量を十分に許容される範囲内に留めることが可能となっていることがある。このようなHC等の排出量に余裕の有る機関運転条件において、そうした余裕の無い機関運転条件を想定したスロットル開度の大気圧補正を行えば、新気吸入量が増加し過ぎて排気温度が必要以上に低下してしまうことになり、排気浄化触媒昇温制御に支障を来すことがある。

0008

更にスロットル開度の大気圧補正をすべての機関運転条件で一律の態様で行った場合には、高地における空燃比の制御性の悪化を招くこともある。NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒を備えるディーゼル機関では、排気中の硫黄成分が排気浄化触媒に次第に堆積して、NOx成分浄化性能を低下させる、いわゆる硫黄被毒が発生する。そのため、こうしたディーゼル機関では、硫黄被毒の進行に応じて、燃焼される混合気の空燃比を一時的にリッチとして排気浄化触媒に堆積した硫黄成分を除去する硫黄被毒回復制御を実施する必要がある。一方、標準大気圧下においても、燃焼される混合気の空燃比には、機関運転条件によって違いがある。そして機関運転条件によっては、標準大気圧下での空燃比が、燃焼状態を良好に維持可能な空燃比の範囲のリッチ側の限界に近い値に設定されており、低大気圧下での新気吸入量の減少により、空燃比がリッチとなると、直ちに燃焼状態の悪化を招くことがある。そのため、上記のようなスロットル開度の大気圧補正は、こうした機関運転条件においても、燃焼状態を良好に維持可能な範囲に空燃比を維持可能なように行う必要がある。一方、機関運転条件によっては、標準大気圧下において、空燃比が比較的リーンな状態で運転が行われることがある。このような空燃比のリッチ化に余裕の有る機関運転条件において、そうした余裕の無い機関運転条件を想定したスロットル開度の大気圧補正を行えば、新気吸入量が増加し過ぎて空燃比が必要以上にリーンとなってしまうことがある。そしてそうした状態で上記のような硫黄被毒回復制御を実施しても、空燃比を十分にリッチとすることができず、硫黄被毒からの回復を良好に行うことができなくなってしまうことがある。

0009

以上のように、大気圧に応じたスロットル開度の補正を、すべての機関運転条件において一律の態様で行うようにすれば、上記のような種々の制御性の悪化を招いてしまう。もっとも、こうした問題は、大気圧だけでなく、過給圧などの他のパラメータも考慮して大気圧補正値を算出するようにすることで、その回避を可能とすることができるようにはなる。しかしながら、そうした場合には、大気圧補正値の算出を、2次元以上の算出マップを用いて行わなければならなくなり、そうした算出マップの作成に係る適合工数が増加してしまうようになる。また自ずと算出マップの容量は増加してしまい、制御装置の記憶容量の圧迫を招くことにもなる。

0010

本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことのできる過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、その算出された大気圧補正値に応じて前記スロットル開度の補正を実施する大気圧補正手段と、目標過給圧に対する実過給圧乖離度合が規定よりも小さいときには、前記大気圧補正手段による前記大気圧補正値に応じた前記スロットル開度の補正を制限する大気圧補正制限手段と、を備えることをその要旨としている。

0012

上記構成では、大気圧の検出結果に基づいてスロットル開度の大気圧補正値が算出され、その算出された大気圧補正値によるスロットル開度の補正が行われる。ただし、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも小さいときには、そうしたスロットル開度の大気圧補正が制限されるようになる。すなわち、上記乖離度合が小さいときには、大気圧に基づくスロットル開度の補正の度合が本来よりも小さくされたり、大気圧に基づくスロットル開度の補正が禁止されたりするようになる。そのため、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合を確認し、その乖離度合に応じて大気圧補正を制限するか否かを決定するという簡単なロジックの追加のみで、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになる。したがって、上記構成によれば、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことができるようになる。

0013

上記課題を解決するため、請求項2に記載の発明は、過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、その算出された大気圧補正値に応じて前記スロットル開度の補正を実施する大気圧補正手段と、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも小さいときには、前記大気圧補正手段による前記大気圧補正値に応じた前記スロットル開度の補正を禁止する大気圧補正禁止手段と、を備えることをその要旨としている。

0014

上記構成では、大気圧の検出結果に基づいてスロットル開度の大気圧補正値が算出され、その算出された大気圧補正値によるスロットル開度の補正が行われる。ただし、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも小さいときには、そうしたスロットル開度の大気圧補正が禁止されるようになる。そのため、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合を確認し、その乖離度合に応じて大気圧補正を禁止するか否かを決定するという簡単なロジックの追加のみで、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになる。したがって、上記構成によれば、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことができるようになる。

0015

上記課題を解決するため、請求項3に記載の発明では、過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、その算出された大気圧補正値に応じて前記スロットル開度の補正を実施する大気圧補正手段と、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも大きいときに限り、前記大気圧補正手段による前記大気圧補正値に応じた前記スロットル開度の補正を許可する大気圧補正許可手段と、を備えることをその要旨としている。

0016

上記構成では、大気圧の検出結果に基づいてスロットル開度の大気圧補正値が算出され、その算出された大気圧補正値によるスロットル開度の補正が行われる。ただし上記構成では、こうしたスロットル開度の大気圧補正は、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも大きいときに限って許可されるようになる。すなわち、上記構成では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも小さいときには、スロットル開度の大気圧補正が行なわれないようになる。そのため、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合を確認し、その乖離度合に応じて大気圧補正を許可するか否かを決定するという簡単なロジックの追加のみで、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになる。したがって、上記構成によれば、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことができるようになる。

0017

上記課題を解決するため、請求項4に記載の発明は、過給機付きディーゼル機関のスロットル開度を制御する装置であって、検出された大気圧に基づいて前記スロットル開度の大気圧補正値を算出する大気圧補正値算出手段と、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて前記スロットル開度の過給圧補正値を算出する過給圧補正値算出手段と、前記大気圧補正値と前記過給圧補正値とを比較するとともに前記スロットル開度の補正の度合がより小さいものを選択してその選択された補正値による前記スロットル開度の補正を実施する選択補正手段と、を備えることをその要旨としている。

0018

上記構成では、大気圧の検出結果に基づいてスロットル開度の大気圧補正値が算出され、また目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいてスロットル開度の過給圧補正値が算出されるようになる。そして、それら2つの補正値のうち、よりスロットル開度の補正の度合がより小さい方の補正値のみを用いてスロットル開度の補正が行われるようになる。そのため、過給圧補正値によるスロットル開度の補正の度合がより小さいときには、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づくスロットル開度の補正のみが行われ、大気圧に基づくスロットル開度の補正は行われないようになる。係る構成では、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づき過給圧補正値を算出し、その過給圧補正値と大気圧補正値とを比較して、いずれの補正値を用いてスロットル開度の補正を行うかを決定するという簡単なロジックの追加のみで、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになる。したがって、上記構成によれば、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことができるようになる。

0019

請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置において、当該過給機付きディーゼル機関には、吸気中に排気を再循環させる排気再循環装置が備えられてなることをその要旨としている。

0020

排気再循環装置を備えるディーゼル機関では、必要以上に大気圧補正が行われてEGR率が過剰に低減されてしまうと、エミッションの悪化を招くことがある。そのため、不必要なスロットル開度の大気圧補正を好適に抑制可能な本発明のスロットル制御装置は、こうした排気再循環装置を備えた過給機付きディーゼル機関への適用が特に好適なものとなっている。

0021

請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置において、当該過給機付きディーゼル機関には、NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒が設置され、空燃比のリッチ化を通じた同排気浄化触媒の硫黄被毒回復制御が必要に応じて実施されてなることをその要旨としている。

0022

上記のような排気浄化触媒の硫黄被毒回復制御を実施するディーゼル機関では、必要以上に大気圧補正が行われて空燃比が不必要にリーンとされてしまうと、空燃比をリッチ化して行われる硫黄被毒回復制御を適切に行うことができなくなってしまう。そのため、不必要なスロットル開度の大気圧補正を好適に抑制可能な本発明のスロットル制御装置は、こうした硫黄被毒回復制御を実施する過給機付きディーゼル機関への適用が特に好適なものともなっている。

発明を実施するための最良の形態

0023

(第1の実施の形態)
以下、本発明の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置を具体化した第1の実施の形態を、図1図4を参照して詳細に説明する。

0024

図1に、本実施の形態の適用される過給機付きディーゼル機関の構成を示す。同図に示すように、過給機付きディーゼル機関は、吸気通路10、燃焼室11及び排気通路12を備えて構成されている。

0025

吸気通路10には、その上流側から順に、吸入された新気を浄化するエアクリーナ13、大気圧を検出する大気圧センサ14、排気によりタービンを回転させることでコンプレッサ稼働させ、過給を行うターボチャージャ15が配設されている。またターボチャージャ15の下流には、そのターボチャージャ15での断熱圧縮により加熱した新気を冷却するインタークーラ16が設置され、更にその下流側には、吸気通路10を流れる新気の流量を調整するスロットルバルブ17が配設されている。また吸気通路10のスロットルバルブ17の下流側には、ターボチャージャ15にて過給された新気の圧力、すなわち過給圧を検出する過給圧センサ18が設置されている。

0026

こうした吸気通路10を通じて吸入された空気は、燃焼室11に導入される。燃焼室11の上部には、燃料噴射弁19が設置され、この燃料噴射弁19より噴射された燃料が燃焼室11内で燃焼されるようになっている。こうした燃焼室11での燃焼により発生した排気は、排気通路12に排出される。排気通路12に排出された排気は、ターボチャージャ15のタービンホイールに吹き付けられ、NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒20にて浄化された後、外部に排出されるようになっている。

0027

一方、この過給機付きディーゼル機関には、吸気中に排気を再循環させるための排気再循環(EGR)装置が設けられている。この排気再循環装置は、排気通路12と吸気通路10とを連通するEGR通路21、再循環される排気を冷却するEGRクーラ22及び排気の再循環を選択的に禁止/許容するEGRバルブ23を備えて構成されている。こうした排気再循環装置を通じて吸気中に再循環される排気の量、すなわちEGR量は、スロットルバルブ17の開度制御を通じてコントロールされる。すなわち、スロットルバルブ17の開度を小さくして新気の吸入量を減らせば、その分、EGR量が増加し、逆にスロットルバルブ17の開度を大きくして新気の吸入量を増やせば、その分、EGR量が減少するようになる。

0028

こうした過給機付きディーゼル機関の運転に係る各種の制御は、電子制御ユニット24により行われるようになっている。電子制御ユニット24は、機関制御に係る各種の演算処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、制御用プログラムやデータの記憶されたリードオンリーメモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)及び外部との信号の入出力を行う入出力ポート(I/O)を備えて構成されている。

0029

こうした電子制御ユニット24の入力ポートには、上述の大気圧センサ14や過給圧センサ18に加え、機関回転速度を検出するNEセンサ25やアクセル操作量を検出するアクセルセンサ26等の機関運転状況を検出する各種のセンサが接続されている。電子制御ユニット24は、これらセンサの検出結果より現状の機関運転状態を把握し、燃料噴射弁19の燃料噴射制御、スロットルバルブ17やEGRバルブ23の開度制御などを実行する。

0030

また本実施の形態の適用されるディーゼル機関では、電子制御ユニット24は、必要に応じて排気浄化触媒20の硫黄被毒回復制御を実行するようにしている。すなわち、電子制御ユニット24は、排気浄化触媒20の硫黄被毒の進行状況監視し、硫黄被毒がある程度に進むと、燃料噴射量の増量することで燃焼される混合気の空燃比を一時的にリッチとするようにしている。そしてこの空燃比のリッチ化を通じて、排気浄化触媒20に大量の未燃燃料成分を供給し、その温度(触媒昇温)を上昇させることで、排気浄化触媒20に堆積した硫黄成分を除去するようにしている。

0031

以下、こうした本実施の形態における過給機付きディーゼル機関のスロットル開度制御の詳細について説明する。
電子制御ユニット24は、以下の態様でスロットルバルブ17の開度指令値を算出し、その算出された開度指令値に応じてスロットルバルブ17を制御する。なお、ここでのスロットルバルブ17の開度指令値は、全開時を「0%」、全閉時を「100%」とするスロットルバルブ17の閉じ率として設定されるようになっている。したがって、開度指令値の値が小さくなる程、スロットルバルブ17の開度は大きくされ、開度指令値の値が大きくなる程、スロットルバルブ17の開度は小さくされるようになっている。

0032

さて、電子制御ユニット24は、上記開度指令値の算出に際してまず、ベース開度指令値を算出する。このベース開度指令値の算出は、電子制御ユニット24のROMに予め記憶された機関回転速度と機関負荷とに基づく2次元の算出マップを用いて行われる。なお、ここでは機関負荷の指標値として燃料噴射量を用いるようにしている。図2は、こうしたベース開度指令値の算出マップの一例における、機関回転速度及び燃料噴射量とベース開度指令値との関係を示したものである。同図に示されるように、ベース開度指令値は、基本的には、燃料噴射量が多いほど、或いは機関回転速度が高いほど、その値が小さく設定されるようになっている。

0033

こうしてベース開度指令値を算出した後、電子制御ユニット24は、大気圧センサ14により検出された大気圧に基づいて、大気圧補正値を算出する。ここでの大気圧補正値の算出は、電子制御ユニット24のROMに予め記憶された、大気圧に基づく1次元の算出マップを用いて行われる。こうして算出される大気圧補正値は、「0」以上、「1」以下の値に設定され、基本的には、大気圧が低いほど、その値が小さくされるようになっている。図3は、こうした大気圧補正値の算出マップの一例における、大気圧と大気圧補正値との関係を表形式で示したものである。同図に示されるように、大気圧補正値は、海抜「0m」における標準的な大気圧(101.3MPa)、或いはそれ以上の大気圧では、その値が「1」に設定される。一方、高地のような低大気圧下では、大気圧補正値の値は「1」よりも小さい値に設定されるようになっている。

0034

そして電子制御ユニット24は、こうして算出された大気圧補正値を上記ベース開度指令値に乗算することで、スロットル開度の大気圧補正を行うようにしている。このときの最終的なスロットルバルブ17の開度指令値は、大気圧補正値とベース開度指令値との乗算値に設定されることになる。そのため、大気圧補正値の値が「1」よりも小さい値に設定されているときには、大気圧補正後のスロットルバルブ17の開度指令値は、ベース開度指令値よりも小さくされる、すなわち、このときのスロットルバルブ17は、ベース開度指令値により指示される開度よりも大きい開度に制御されるようになる。

0035

さて上述したように、こうしたスロットル開度の大気圧補正を、すべての機関運転条件において一律の態様で行えば、高地におけるEGR(エミッション)や排気温度、空燃比の制御性が悪化してしまうようになる。そこで本実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合に応じて、こうしたスロットル開度の大気圧補正を禁止するか、許可するかを決定するようにしている。なお、目標過給圧とは、現在の機関運転条件における過給圧の目標値であり、機関回転速度及びアクセル操作量に基づいて算出されるものとなっている。また実過給圧とは、過給圧センサ18により検出された実際の過給圧である。またここでは、目標過給圧に対する実過給圧の比を、上記乖離度合の指標値として用いるようにしている。そして、その比が規定の補正実施判定値以上であれば、スロットル開度の大気圧補正を許可し、同比が補正実施判定値未満であれば、スロットル開度の大気圧補正を禁止するようにしている。したがって、ディーゼル機関の高負荷高回転運転時のように、過給を十分に行うことのできる状況では、スロットル開度の大気圧補正は禁止されるようになる。そして低負荷低回転運転時のように、本来必要とされるターボチャージャ15による過給を十分に行うことのできない状況でのみ、スロットル開度の大気圧補正が許可されるようになる。

0036

図4は、上記態様でのスロットル開度の大気圧補正を行うための「スロットル開度補正ルーチン」のフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、上記のようなベース開度指令値の算出に続いて電子制御ユニット24により実行されるようになっている。

0037

さて本ルーチンが開始されると、電子制御ユニット24はまずステップS10にて、大気圧の検出を、より具体的には、大気圧センサ14の検出信号の読み込みを行う。そして電子制御ユニット24は、続くステップS20において、その検出された大気圧に基づいて、図3に例示したような算出マップを用いて、大気圧補正値を算出する。

0038

こうした大気圧補正値の算出後、電子制御ユニット24はステップS30において、目標過給圧に対する実過給圧の比が規定の補正実施判定値以上であるか否かを確認する。そして電子制御ユニット24は、上記比が補正実施判定値以上であれば(S30:YES)、ステップS40において、スロットル開度の大気圧補正を実施する。すなわち、このときの電子制御ユニット24は、ベース開度指令値に大気圧補正値を乗算した値を最終的なスロットルバルブ17の開度指令値として設定する。一方、上記比が補正実施判定値未満であれば(S30:NO)、電子制御ユニット24は、スロットル開度の大気圧補正を行わずにそのまま今回の本ルーチンの処理を終了する。すなわち、このときの電子制御ユニット24は、ベース開度指令値をそのまま、最終的なスロットルバルブ17の開度指令値に設定する。

0039

なお、こうした本実施の形態では、こうしたスロットル開度補正ルーチンのステップS20の処理が、上記「大気圧補正値算出手段」の行う処理に相当する。またそのステップS40の処理が、上記「大気圧補正手段」の行う処理に相当する。そしてそのステップS30の処理が、上記「大気圧補正制限手段」、「大気圧補正禁止手段」、及び「大気圧補正許可手段」の行う処理に相当するものとなっている。

0040

以上説明した本実施の形態の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置によれば、次の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、大気圧の検出結果に基づいてスロットル開度の大気圧補正値が算出され、その算出された大気圧補正値によるスロットル開度の補正を行うようにしている。ただし、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも小さいときには、そうしたスロットル開度の大気圧補正を制限する、具体的には大気圧補正を禁止するようにしている。換言すれば、本実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が規定よりも大きいときに限って、スロットル開度の大気圧補正を許可するようにしている。そのため、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合を確認し、その乖離度合に応じて大気圧補正を制限(禁止)するか許可するかを決定するという簡単なロジックの追加のみで、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになる。したがって、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことができるようになる。

0041

(2)本実施の形態では、スロットル開度の補正用の算出マップとしては、大気圧に基づく1次元の算出マップのみを備えるだけでありながらも、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになっている。そのため、算出マップの作成に係る適合工数を少なく抑えることができ、算出マップの記憶のために必要とされる制御装置の記憶容量も少なく抑えることができる。

0042

(3)本実施の形態は、排気再循環装置を備える過給機付きディーゼル機関に、本発明を適用したものとなっている。排気再循環装置を備えるディーゼル機関では、必要以上に大気圧補正が行われてEGR率が過剰に低減されてしまうと、エミッションの悪化を招くことがある。その点、本実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が小さいときの不必要なスロットル開度の大気圧補正が禁止されるため、上記のようなエミッションの悪化を好適に回避することができるようになる。

0043

(4)本実施の形態は、NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒20が設置され、空燃比のリッチ化を通じた同排気浄化触媒20の硫黄被毒回復制御が必要に応じて実施される過給機付きディーゼル機関に、本発明を適用したものとなっている。排気浄化触媒20の硫黄被毒回復制御を実施するディーゼル機関では、必要以上に大気圧補正が行われて空燃比が不必要にリーンとされてしまうと、空燃比をリッチ化して行われる硫黄被毒回復制御を適切に行うことができなくなってしまう。その点、本実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合が小さいときの不必要なスロットル開度の大気圧補正が禁止される。そのため、大気圧補正の結果として硫黄被毒回復制御が適切に行うことができなくなるという事態の発生を好適に回避することができるようになる。

0044

(第2の実の施形態)
続いて、本発明の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置を具体化した第2の実施の形態を、図5及び図6を併せ参照して、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。なお本実施の形態において第1の実施の形態と共通する要素については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

0045

第1の実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合に応じて大気圧補正値に応じたスロットル開度の補正を制限(禁止)するか否かを決定するようにしていた。そしてこれにより、十分な過給が行われてスロットル開度の大気圧補正が不要なときには、大気圧補正を禁止するようにしていた。一方、本実施の形態では、次の態様で、不必要なスロットル開度の大気圧補正を回避するようにしている。すなわち、本実施の形態では、スロットル開度の補正値として、上述の大気圧補正値に加えて更に、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づき算出される過給圧補正値を求めるようにしている。そして、大気圧補正値と過給圧補正値とを比較するとともにスロットル開度の補正の度合がより小さいものを選択して、その選択された補正値によるスロットル開度の補正を実施するようにしている。

0046

こうした本実施の形態での過給圧補正値の算出は、図5に例示されるような目標過給圧と実過給圧との偏差[kPa]に基づく、1次元の算出マップを用いて行われる。過給圧補正値は、「0」以上、「1」以下の値に設定される。そして実過給圧が目標過給圧と一致するとき、すなわちそれらの偏差が「0」のときには、過給圧補正値の値は「1」に設定され、それらの偏差が大きくなるほど、過給圧補正値の値は小さく設定されるようになっている。

0047

こうした過給圧補正値によるスロットル開度の補正、すなわちスロットル開度の過給圧補正は、上述したスロットルバルブ17のベース開度指令値に過給圧補正値を乗算することで行われる。したがって、目標過給圧に対する実過給圧の偏差が大きく、過給圧補正値が「1」よりも小さい値に設定されているときには、過給圧補正後の最終的なスロットルバルブ17の開度指令値は、ベース開度指令値よりも小さくされる。すなわち、このときのスロットルバルブ17は、ベース開度指令値により指示される開度よりも大きい開度に制御されるようになる。

0048

なお上述の態様で設定される大気圧補正値及び過給圧補正値は、それら補正値の値が小さいときほど、その補正値によるスロットル開度の補正の度合が大きくなるようになっている。したがって、それら大気圧補正値と過給圧補正値とのうち、より大きい値に設定されている補正値が、スロットル開度の補正の度合がより小さい補正値となるようになっている。

0049

図6は、上記態様でのスロットル開度の補正を行うための「スロットル開度補正ルーチン」のフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、上記のようなベース開度指令値の算出に続いて電子制御ユニット24により実行されるようになっている。

0050

さて本ルーチンが開始されると、電子制御ユニット24はまずステップS100にて、大気圧の検出を、より具体的には、大気圧センサ14の検出信号の読み込みを行う。そして電子制御ユニット24は、続くステップS110において、その検出された大気圧に基づいて、図3に例示したような算出マップを用いて、大気圧補正値を算出する。

0051

続いて電子制御ユニット24は、ステップS120において、過給圧偏差、すなわち目標過給圧に対する実過給圧の偏差を算出する。そして電子制御ユニット24は続くステップS130において、その算出された偏差に基づいて、図5に例示したような算出マップを用いて過給圧補正値を算出する。

0052

こうして大気圧補正値及び過給圧補正値を算出した後、電子制御ユニット24はステップS140において、両補正値を比較し、いずれの補正値がより大きいかを、すなわちいずれの補正値がスロットル開度の補正の度合がより小さいかを確認する。ここで電子制御ユニット24は、過給圧補正値の方がより大きい値に設定されていれば(S140:YES)、ステップS150において過給圧補正のみを実施して本ルーチンの処理を一旦終了する。すなわち、このときの電子制御ユニット24は、ベース開度指令値に過給圧補正値を乗算した値を最終的なスロットルバルブ17の開度指令値として設定する。一方、大気圧補正値の方がより大きい値に設定されていれば(S140:NO)、電子制御ユニット24はステップS160において大気圧補正のみを実施して本ルーチンの処理を一旦終了する。すなわち、このときの電子制御ユニット24は、ベース開度指令値に大気圧補正値を乗算した値を最終的なスロットルバルブ17の開度指令値として設定する。

0053

なお、こうした本実施の形態では、こうしたスロットル開度補正ルーチンのステップS110の処理が、上記「大気圧補正値算出手段」の行う処理に相当する。またそのステップS130の処理が、上記「過給圧補正値算出手段」の行う処理に相当する。更にそのステップS140〜S160の処理が、上記「選択補正手段」の行う処理に相当するものとなっている。

0054

以上説明した本実施の形態の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置によれば、上記(3)及び(4)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(5)本実施の形態では、大気圧の検出結果に基づいてスロットル開度の大気圧補正値を算出し、また目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいてスロットル開度の過給圧補正値を算出するようにしている。そして、それら2つの補正値のうち、よりスロットル開度の補正の度合が小さい補正値のみを用いてスロットル開度の補正を行うようにしている。そのため、過給圧補正値によるスロットル開度の補正の度合がより小さいときには、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づくスロットル開度の補正のみが行われ、大気圧に基づくスロットル開度の補正は行われないようになる。こうした本実施の形態では、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づき過給圧補正値を算出し、その過給圧補正値と大気圧補正値とを比較して、その比較結果に応じて、いずれの補正値を用いてスロットル開度の補正を行うかを決定するという簡単なロジックの追加のみで、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになる。したがって、制御構造の複雑化を抑えながらも、スロットル開度の大気圧補正をより好適に行うことができるようになる。

0055

(6)本実施の形態では、スロットル開度の補正用の算出マップとしては、大気圧に基づく1次元の算出マップと、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づく1次元の算出マップとのいずれも1次元の2つの算出マップを備えるだけでありながらも、不必要なスロットル開度の大気圧補正を抑制することができるようになっている。そのため、算出マップの作成に係る適合工数を少なく抑えることができ、算出マップの記憶のために必要とされる制御装置の記憶容量も少なく抑えることができる。

0056

なお、以上説明した各実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1の実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の比が規定の補正実施判定値未満のときには、大気圧補正を完全に禁止するようにしていたが、補正を禁止する代りに、スロットル開度の大気圧補正の度合を本来よりも小さくするように大気圧補正の制限を行うようにしても良い。こうした場合にも、不必要な大気圧補正をある程度に抑制することが可能である。

0057

・第1の実施の形態では、目標過給圧に対する実過給圧の乖離度合の指標値として目標過給圧に対する実過給圧の比を用いるようにしていたが、そうした指標値として目標過給圧に対する実過給圧の偏差を用いるようにしても良い。

0058

・上記各実施の形態では、ベース開度指令値に補正値(大気圧補正値、過給圧補正値)を乗算することで、スロットル開度の補正を行うようにしていたが、ベース開度指令値に補正値を加減算することで、同様の補正を行うようにすることもできる。そうした場合には、大気圧補正値と過給圧補正値との2つの補正値のうち、その絶対値がより小さい値に設定されているものが、スロットル開度の補正の度合がより小さい補正値となることがある。

0059

・上記各実施の形態では、排気再循環装置を備える過給機付きディーゼル機関に本発明を適用した場合を説明したが、排気再循環装置を備えていない過給機付きディーゼル機関にも本発明は適用することができる。そうしたディーゼル機関においても、本来不要な大気圧補正が行われることで、高地における排気温度や空燃比の制御性が悪化するという不具合が生じるようになる。そして本発明の適用によりそれらの不具合を抑制することができるようになる。

0060

・上記各実施の形態では、NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒20が設置され、必要に応じてその硫黄被毒回復制御が実施される過給機付きディーゼル機関に本発明を適用した場合を説明したが、硫黄被毒回復制御を実施しない過給機付きディーゼル機関にも本発明は適用することができる。そうしたディーゼル機関においても、本来不要な大気圧補正が行われると、高地におけるエミッションや排気温度の制御性が悪化するという不具合が生じるようになる。そして本発明の適用によりそれらの不具合を抑制することができるようになる。

0061

・上記各実施の形態では、ターボチャージャ15を過給機として備えるディーゼル機関に本発明を適用した場合を説明したが、スーパーチャージャ等の他のタイプの過給機を備えるディーゼル機関にも、本発明は同様に適用することができる。

0062

次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記大気圧補正値算出手段は、前記大気圧が低いときほど、前記スロットル開度がより大きくされるように前記大気圧補正値を算出する請求項1〜5のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

0063

(ロ)前記過給圧補正値算出手段は、前記目標過給圧と前記実過給圧との偏差が大きいとき程、前記スロットル開度がより大きくされるように前記過給圧補正値を算出する請求項1〜5及び上記(イ)のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

0064

(ハ)前記スロットル開度は、機関回転速度及び機関負荷に基づいて算出されたベース開度に、必要に応じて補正を行うことで設定されてなる請求項1〜5及び上記(イ)、(ロ)のいずれか1項に記載の過給機付きディーゼル機関のスロットル制御装置。

図面の簡単な説明

0065

本発明の第1実施形態についてその全体構成を模式的に示す略図。
同実施形態に採用されるベース開度算出マップの一例について同算出マップにおける機関回転速度及び燃料噴射量とベース開度との関係を示すグラフ
同実施形態に採用される大気圧補正値算出マップの一例についてそのデータ構造を表形式で示した図。
同実施形態に適用されるスロットル開度補正ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
本発明の第2実施形態に採用される過給圧補正値算出マップの一例についてそのデータ構造を表形式で示した図。
同実施形態に適用されるスロットル開度補正ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
従来のディーゼル機関のスロットル制御装置に採用される大気圧補正値算出マップの一例についてそのデータ構造を表形式で示した図。

符号の説明

0066

10…吸気通路、11…燃焼室、12…排気通路、13…エアクリーナ、14…大気圧センサ、15…ターボチャージャ、16…インタークーラ、17…過給圧センサ、18…スロットルバルブ、19…燃料噴射弁、20…排気浄化触媒、21…EGR通路、22…EGRクーラ、23…EGRバルブ、24…電子制御ユニット、25…NEセンサ、26…アクセルセンサ。

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