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技術 表面加工処理装置又は成膜処理装置の異物検査・解析のためのデータ処理及び管理装置及び方法

出願人 ルネサスエレクトロニクス株式会社
発明者 杉本正明
出願日 2007年10月30日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-282014
公開日 2009年5月21日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2009-111165
状態 特許登録済
技術分野 半導体装置の製造処理一般
主要キーワード 規格線 堆積異物 関数近似式 累積処理量 階段ステップ 初期値問題 清掃直後 清掃品質
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

処理対象に付着する異物の付着原因に基づく対策管理を最適化する。

解決手段

表面加工装置又は成膜装置の処理中に基板に付着する異物数計測値と該装置清掃後累積処理量との関係を原因別に関数式モデル化する関数モデル化部2と、該モデル関数と計測値との比較によって該異物の付着原因を絞り込む比較判定部3を有するデータ処理及び管理装置1及びその方法である。

概要

背景

LSIやフラットパネルディスプレイ太陽電池の製造工程中に発生する粒子状異物は、歩留まりや装置の稼働率を低減させる原因である。異物は、しばしばウエハやガラス等の基板に付着して汚染するので、LSIやフラットパネルディスプレイや太陽電池の製造装置には高い清浄度が要求されている。

しかし、実際にはプラズマエッチング等の表面加工装置又はスパッタCVD等の成膜装置で発生する粒子状異物が多く、この異物が基板に付着して歩留まりを低下させる主要因と考えられている(非特許文献1、3)。また、異物自身が露光表面加工又は成膜の際にマスクの役目をすることがある。この結果、この異物が洗浄等によって基板から除去された後も、回路パタン崩れの原因となって歩留まりや品質を低下させることがある。

また、量産ラインでは、モニタ基板を用いてパーティクル数計数し、所定の規格値を越えると装置内部の清掃を行っているが、コストや時間及び装置生産性の面でデメリットが大きく、頻繁には実施できない。

基板表面を加工するドライエッチング装置は、基板の表面加工の過程において、堆積物が発生する処理装置である。処理対象である半導体ウエハは、搬送装置によって減圧容器搬入される。減圧容器には、ウエハを例えば静電気力等を用いて固定する仕組みがある。容器内は、排気装置と接続しており、排気装置によって大気圧よりも低い気圧に保たれる。容器は、ガス状成分導入装置からガスの導入を受け、反応エネルギー供給装置からエッチングに必要なエネルギーの供給を受けることにより、ウエハの表面を加工するドライエッチング反応容器として働く。

容器内でのウエハ表面加工の過程で発生する反応生成物は、一部が排気装置を通じて排出されたり、ウエハに付着して持ち出されたりするものの、残りがこの容器内に堆積する。通常、処理量に依存して反応容器内は汚れ、堆積物の量が増える。そのため、反応容器内を清掃し、堆積物を除去した後、処理を再開するという作業サイクルを繰り返す。

特許文献1では、フィードバック制御機構を用いて誤った計測データを判定、処理する方法が開示されている。

特許文献2では、堆積物の量とウエハに付着する異物数との間に比例関係成立しないが、堆積物がある限界値を越えると異物が多発しやすい傾向があるとの記載がある。

特許文献3では、パーティクルドライクリーニング後、成膜する際にエッチング残りのある領域から発生し、成膜の堆積厚が厚くなっていくほど指数関数的に増加する傾向があるとの記載がある。

特許文献4では、プロセスチャンバ内に堆積した不純物膜厚の変化を測定し、メンテナンス時期を把握することができるとの記載がある。

特表2005−535130号公報
国際公開第99/24640号パンフレット
特開平06−188223号公報
特開平11−176714号公報
プラズマエッチング装置パーティクル低減エッチング装置におけるパーティクルのモニタリング発塵の抑制」、クリーンテクノロジー、2006年2月号(守屋 剛、島田 学、奥山 喜久夫)
プラズマエッチングチャンバ内壁脱水による剥離パーティクルの低減」第63回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、26a−D−2(第63回 2002年(平成14年)9月)(伊奈津子他)
ターボ分子ポンプからの逆流パーティクル可視化チャンバー下流のパーティクルは本当に戻ってくるのか?」クリーンテクノロジー、2003年6月号(佐藤 信太郎、筑根 敦弘、後藤 剛)

概要

処理対象に付着する異物の付着原因に基づく対策管理を最適化する。表面加工装置又は成膜装置の処理中に基板に付着する異物数の計測値と該装置清掃後累積処理量との関係を原因別に関数式モデル化する関数モデル化部2と、該モデル関数と計測値との比較によって該異物の付着原因を絞り込む比較判定部3を有するデータ処理及び管理装置1及びその方法である。

目的

効果

実績

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請求項1

表面加工装置又は成膜装置の処理中に基板に付着する異物数計測値と該装置清掃後累積処理量との関係を原因別に関数式モデル化する関数モデル化部と、該モデル関数と計測値との比較によって該異物の付着原因を絞り込む比較判定部を有するデータ処理及び管理装置

請求項2

前記関数式は指数関数であり、前記比較判定部は、前記計測値を回帰解析して得られる回帰指数関数の初期値、傾き及び該指数関数の決定係数経験値と比較することによって、該異物の付着原因を絞り込むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項3

前記比較判定部は、表面加工装置又は成膜装置の清掃後単位面積当たりの累積表面加工深さ又は累積成膜高さに対する単位面積当たりの異物数増加量を回帰解析して得られる回帰指数関数の初期値と傾き及び該指数関数の決定係数を清掃サイクル毎に比較することによって、該装置の異常の有無及び清掃時期予測することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項4

前記比較判定部は、表面加工装置又は成膜装置の清掃後の単位面積当たりの累積表面加工深さ又は累積成膜高さに対する単位面積当たりの異物数と、隣接する他の装置の作業日時及び作業内容を比較することによって、該他の装置の該異物数への影響の有無を判断することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項5

前記比較判定部は、前記異物の形状及び組成物分析結果から前記異物の付着原因を絞り込むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項6

片対数座標系にデータ及び該データの関数近似線を装置の画面グラフ描画及び/又は出力する表示部を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項7

前記表示部は、前記グラフに前記関数近似線の関数近似式及び前記関数近似式の確かさを表す決定係数を併記することを特徴とする、請求項6に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項8

前記表示部は、前記グラフに隣接装置の作業日時及び作業内容を併記することを特徴とする、請求項6又は7に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項9

前記表示部は、前記比較判定部が比較判定した結果を表示及び/又は出力することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項10

前記比較判定部は、規格中心線となる前記関数近似式に関し、レベル高低に関する公差と、傾きの大小に関する公差の少なくとも2種類の公差を定めることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項11

前記比較判定部は、規格中心線となる前記関数近似式が逓減型及び逓増型合成関数の場合、逓減型及び逓増型の各々の前記関数近似式に関し、レベルの高低に関する前記公差と、傾きの大小に関する前記公差の少なくとも2種類ずつ、計4種類以上の公差を定めることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一に記載のデータ処理及び管理装置。

請求項12

表面加工装置又は成膜装置の処理中に基板に付着する異物数の計測値と該装置清掃後の累積処理量との関係を原因別に関数式でモデル化する工程と、該モデル関数と計測値との比較によって該異物の付着原因を絞り込む工程とを含む、データ処理及び管理方法

請求項13

前記関数式は指数関数であり、前記原因を絞り込む工程は前記計測値を回帰解析して得られる回帰指数関数の初期値、傾き及び該指数関数の決定係数を経験値と比較することによって、該異物の付着原因を絞り込むことを含む、請求項12に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項14

前記原因を絞り込む工程は表面加工装置又は成膜装置の清掃後の単位面積当たりの累積表面加工深さ又は累積成膜高さに対する単位面積当たりの異物数増加量を回帰解析して得られる回帰指数関数の初期値と傾き及び該指数関数の決定係数を清掃サイクル毎に比較することによって、該装置の異常の有無及び清掃時期を予測することを含む、請求項12に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項15

前記原因を絞り込む工程は表面加工装置又は成膜装置の清掃後の単位面積当たりの累積表面加工深さ又は累積成膜高さに対する単位面積当たりの異物数と、隣接する他の装置の作業日時及び作業内容を比較することによって、該他の装置の該異物数への影響の有無を判断することを含む、請求項12に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項16

前記原因を絞り込む工程は前記異物の形状及び組成物の分析結果から前記異物の付着原因を絞り込むことを含む、請求項12に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項17

片対数座標系にデータ及び該データの関数近似線を装置の画面にグラフ描画及び/又は外部に出力する工程を含む、請求項12〜16のいずれか一に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項18

前記描画及び/又は出力する工程は前記グラフに前記関数近似線の関数近似式と、該関数近似式の確かさを表す決定係数を併記することを含む、請求項17に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項19

前記描画及び/又は出力する工程は前記グラフに隣接装置の作業日時及び作業内容を併記することを含む、請求項17又は18に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項20

前記描画及び/又は出力する工程は比較した結果を表示及び/又は出力することを含む、請求項17〜19のいずれか一に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項21

前記原因を絞り込む工程は規格中心線となる前記関数近似式に関し、レベルの高低に関する公差と、傾きの大小に関する公差の少なくとも2種類の公差を定めることを含む、請求項18〜20のいずれか一に記載のデータ処理及び管理方法。

請求項22

前記原因を絞り込む工程は規格中心線となる前記関数近似式が逓減型及び逓増型の合成関数の場合、逓減型及び逓増型の各々の前記関数近似式に関し、レベルの高低に関する前記公差と、傾きの大小に関する前記公差の少なくとも2種類ずつ、計4種類以上の公差を定めることを含む、請求項18〜20のいずれか一に記載のデータ処理及び管理方法。

技術分野

0001

本発明は、表面加工処理装置又は成膜処理装置異物検査解析のためのデータ処理及び管理装置及び方法に関する。

背景技術

0002

LSIやフラットパネルディスプレイ太陽電池の製造工程中に発生する粒子状異物は、歩留まりや装置の稼働率を低減させる原因である。異物は、しばしばウエハやガラス等の基板に付着して汚染するので、LSIやフラットパネルディスプレイや太陽電池の製造装置には高い清浄度が要求されている。

0003

しかし、実際にはプラズマエッチング等の表面加工装置又はスパッタCVD等の成膜装置で発生する粒子状異物が多く、この異物が基板に付着して歩留まりを低下させる主要因と考えられている(非特許文献1、3)。また、異物自身が露光表面加工又は成膜の際にマスクの役目をすることがある。この結果、この異物が洗浄等によって基板から除去された後も、回路パタン崩れの原因となって歩留まりや品質を低下させることがある。

0004

また、量産ラインでは、モニタ基板を用いてパーティクル数計数し、所定の規格値を越えると装置内部の清掃を行っているが、コストや時間及び装置生産性の面でデメリットが大きく、頻繁には実施できない。

0005

基板表面を加工するドライエッチング装置は、基板の表面加工の過程において、堆積物が発生する処理装置である。処理対象である半導体ウエハは、搬送装置によって減圧容器搬入される。減圧容器には、ウエハを例えば静電気力等を用いて固定する仕組みがある。容器内は、排気装置と接続しており、排気装置によって大気圧よりも低い気圧に保たれる。容器は、ガス状成分導入装置からガスの導入を受け、反応エネルギー供給装置からエッチングに必要なエネルギーの供給を受けることにより、ウエハの表面を加工するドライエッチング反応容器として働く。

0006

容器内でのウエハ表面加工の過程で発生する反応生成物は、一部が排気装置を通じて排出されたり、ウエハに付着して持ち出されたりするものの、残りがこの容器内に堆積する。通常、処理量に依存して反応容器内は汚れ、堆積物の量が増える。そのため、反応容器内を清掃し、堆積物を除去した後、処理を再開するという作業サイクルを繰り返す。

0007

特許文献1では、フィードバック制御機構を用いて誤った計測データを判定、処理する方法が開示されている。

0008

特許文献2では、堆積物の量とウエハに付着する異物数との間に比例関係成立しないが、堆積物がある限界値を越えると異物が多発しやすい傾向があるとの記載がある。

0009

特許文献3では、パーティクルドライクリーニング後、成膜する際にエッチング残りのある領域から発生し、成膜の堆積厚が厚くなっていくほど指数関数的に増加する傾向があるとの記載がある。

0010

特許文献4では、プロセスチャンバ内に堆積した不純物膜厚の変化を測定し、メンテナンス時期を把握することができるとの記載がある。

0011

特表2005−535130号公報
国際公開第99/24640号パンフレット
特開平06−188223号公報
特開平11−176714号公報
プラズマエッチング装置パーティクル低減エッチング装置におけるパーティクルのモニタリング発塵の抑制」、クリーンテクノロジー、2006年2月号(守屋 剛、島田 学、奥山 喜久夫)
プラズマエッチングチャンバ内壁脱水による剥離パーティクルの低減」第63回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、26a−D−2(第63回 2002年(平成14年)9月)(伊奈津子他)
ターボ分子ポンプからの逆流パーティクル可視化チャンバー下流のパーティクルは本当に戻ってくるのか?」クリーンテクノロジー、2003年6月号(佐藤 信太郎、筑根 敦弘、後藤 剛)

発明が解決しようとする課題

0012

以下の分析は、本発明によって与えられる。特許文献1に記載された方法は統計的データを用いるものではあるが、測定値妥当性を判断するにとどまる。

0013

特許文献2には、堆積物がある限界値を越えると異物が多発しやすい傾向があるとの記載があるが、本発明者は異なる関係を得た。また、特許文献3には、パーティクルは成膜の堆積厚が厚くなっていくほど指数関数的に増加する傾向があると記載されているが、その根拠は明確ではない。

0014

特許文献4では、チャンバ内の不純物膜厚を連続的に測定し、それが事前に定めた設定値に達した時点で洗浄するとしているが、設定値に到達する時点の予測方法は、測定値と設定値とを比較するとのみ記載されている。

0015

これらの文献によっても解決されない問題点の1つは、減圧下の容器内に処理対象及びガス状成分を導いて両者を反応させるエッチャ等の表面加工装置やCVD等の成膜装置において、処理対象である基板あるいは加工品表面にしばしば異物が付着して品質及び歩留まりを低下させるが、付着する異物数を事前に予測できないことである。

0016

また他の問題点は、ドライエッチャ等の表面加工やCVD等の成膜装置に代表される処理装置を構成する減圧容器、排気装置、ガス状成分導入装置、反応エネルギー供給装置及び処理対象搬送装置を清掃しないまま使用し続けると、処理対象の品質及び歩留まりを著しく低下させるために定期的に清掃する必要があるが、その真空処理装置内の清掃時期を最適化できないことである。

0017

かくて従来法においては、処理対象に付着する異物の付着原因の解明とその対策管理を最適化することはできないという問題がある。

課題を解決するための手段

0018

本発明の第1の視点において、本発明に係るデータ処理及び管理装置は、表面加工装置又は成膜装置の処理中に基板に付着する異物数の計測値と該装置清掃後累積処理量との関係を原因別に関数式モデル化する関数モデル化部と、該モデル関数と計測値との比較によって該異物の付着原因を絞り込む比較判定部を有することを特徴とする。データ処理及び管理装置は、他の装置の一部(ユニット)として組み込まれている場合も含む。

0019

すなわち、基板に付着する異物数の計測値を本装置に入力することにより、基板に付着する異物の付着原因をいくつかの可能性の中から順次絞り込むことができる。

0020

本発明の第2の視点において、本発明に係るデータ処理及び管理方法は、表面加工装置又は成膜装置の処理中に基板に付着する異物数の計測値と該装置清掃後の累積処理量との関係を原因別に関数式でモデル化する工程と、該モデル関数と計測値との比較によって該異物の付着原因を絞り込む工程を含むことを特徴とする。

0021

この方法により、基板に付着する異物の付着原因をいくつかの可能性の中から順次絞り込むことができる。

発明の効果

0022

本発明に係る装置又は方法により、基板に付着する異物の付着原因をいくつかの可能性の中から順次絞り込むことができる。それに基づき、付着異物の対策管理を最適化することによって、処理対象の品質及び歩留まりを大きく改善することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

図1に本発明にかかるデータ処理及び管理装置1の一つの実施形態を示す。データ処理及び管理装置1は、測定データ4から回帰関数式にモデル化する関数モデル化部2、及び得られたモデル化関数の妥当性を過去のデータ5とともに比較検討し、必要に応じ他の分析結果を参照して異物の付着原因を絞り込む比較判定部3を含み、表示(出力)部6を通じてモデル化関数や比較判定結果を表示(及び/又は出力)する。

0024

またデータ処理及び管理装置1は、図2に示すように関数モデル化部2及び比較判定部3の他、モデル化関数や比較判定結果を表示及び/又は出力する表示(出力)部6、測定データ4を入力する測定データ入力部7及び比較のための過去のデータ5を保存するデータ記憶部8を含むこともできる。

0025

図3は、図1又は図2に示すデータ処理及び管理装置が行う手順の具体例を示したものである。

0026

図3の手順11は、図1又は図2に示す関数モデル化部が行う手順の内容の一例である。堆積物が発生する処理装置において、この装置の処理量に応じて異物がこの装置内に堆積し続けた後、剥離して処理対象表面に付着する汚染現象数学的な関数でモデル化できる。具体的にドライエッチャと呼ばれる表面加工装置において説明すると、ウエハと呼ばれる半導体基板ドライエッチングする過程でこの基板表面に付着する異物数をY、この装置の清掃の都度初期化する累積処理量をTとして数学的にモデル化する。通常は、
Y=Yo×EXP[K×T]
という指数関数でモデル近似できるので、この式と実際の計測値とを比較する。ただし、YoはT=0の時の初期値で正の定数、EXP[ ]は自然対数の底eのべき乗、KはT対Yの片対数グラフ描画時における指数関数の傾きを表し、かつ正の定数とする。

0027

図3の手順12は、図1又は図2に示す表示(出力)部が行う手順の一例である。実際の測定データTとYとの関係を指数関数で近似し、近似式による片対数座標での近似線を測定データとともに片対数グラフとして装置の画面上に表示、及び/又は外部に出力する。

0028

手順13は、図1又は図2に示す比較判定部が行う手順の一例であり、近似式の確からしさを表わす決定係数(Rの2乗値)を求めて大小関係を比較する。近似できる場合はさらに他の分析結果も参照することにより、異物付着原因を絞り込むことができる。これを各清掃間隔ごとに繰り返す。

0029

手順14は、図1又は図2に示す比較判定部が行う手順の一例であり、累積処理量Tと作業日時Dを関連付けることにより、異物数Yの規格上限値Ycを指数関数に代入することによって累積処理量Tc及び装置清掃時期Dcを予測し、また異物数Yの最小値Ywoを指数関数に代入することによって過去の装置清掃時期Doをさかのぼることもできる。

0030

手順15は、図2に示すデータ記憶部と表示(出力)部が行う手順の一例であり、データ記憶部にTとYの関係データを順次記録保管していき、直近の又は過去の関係データと比較することにより、比較判定部が行う清掃結果の可否や装置の異常の判断、装置寿命の予測、関連する装置間の相互影響隣接装置の作業日時や作業内容等の情報を表示、出力することができる。

0031

また逆に、上記モデル関数で近似できないデータが得られた場合は、何らかの異常又は異なる事象が原因となっていることが推定できる。この場合は異なる事象のモデル関数を用いて近似できるか否かを検討し、その原因又は異常事象の特定を行うことができる。

0032

図13〜17に、このような評価フローの例を示す。図13は、処理ウエハ量が所定の数以降のデータを用いたウエハ汚染傾向識別基本フロー図である。まず、処理後に付着した異物の数と、累積処理量を求める(ステップS101)。次にこれらのデータから回帰近似式を求める(S102)。この時、データは装置毎に過去の実績より定められる値(LT)以降のデータを用いる。そして近似式が作成可能か否かを判断し(S103)、YESであればS104に進み、NOであれば装置の異常と判断される。S104では、近似式が指数関数で近似できるか否かを判断し、YESであれば主汚染源は堆積物の剥離であると判断され、同一チャンバの過去のデータと比較照合(S105)し、再現性があるか否かを判断する(S106)。再現性があれば(YESであれば)チャンバは安定状態であると判断され、結果をデータベースに記録(S107)して終了する。再現性がなければ装置の異常と判断される。S104でNOであれば、装置の異常と判断され、特殊条件下における堆積物剥離パーティクル汚染識別フロー図18)に進む。

0033

図14は、処理ウエハ量が所定の数以前のデータを用いたウエハ汚染傾向識別基本フロー図である。図13と同様、まず、処理後に付着した異物の数と、累積処理量を求める(ステップS201)。次にこれらのデータから回帰近似式を求める(S202)。ただし図13と異なり、データは装置毎に過去の実績より定められる値(LT)以前のデータを用いる。以降は図13と同様、近似式が作成可能か否かを判断し(S203)、YESであればS204に進み、NOであれば装置の異常と判断される。S204では、近似式が指数関数で近似できるか否かを判断し、YESであれば主汚染源は堆積物の剥離であると判断され、同一チャンバの過去のデータと比較照合(S205)し、再現性があるか否かを判断する(S206)。再現性があれば(YESであれば)チャンバは安定状態であると判断され、結果をデータベースに記録(S207)して終了する。再現性がなければ装置の異常と判断される。S204でNOであれば装置の異常と判断され、この場合は堆積物剥離以外の汚染識別フロー(図15)に進む。

0034

図15は、図14のフローの結果、堆積物剥離以外の汚染が考えられる場合の汚染識別フロー図である。最初に、LT以前の計測値群が負の指数を持つ指数関数で近似できるか否かを判断(S301)し、NOの場合は装置の異常と判断し、腐食反跳以外の汚染原因が考えられるので、図16の識別フローに進む。YESの場合は、さらにパーティクルの形状及び材料(組成)分析を行い(S302)、ハロゲン化金属を含むか否かを判断する(S303)。ここでYESであれば、主汚染源は腐食であると判断され、同一チャンバの過去のデータと照合し(S304)、再現性があるか否か判断される(S305)。その結果再現性があればパージ(乾燥)条件が不適切であると判断され、結果をデータベースに記録(S306)して終了となる。再現性がない場合はパージ(乾燥)不足と判断される。

0035

ステップS303でNOの場合は、主汚染源は反跳の可能性があると判断されるので、同一チャンバの過去データと照合し(S307)、再現性があるか否か判断される(S308)。再現性があれば反跳対策が不十分と判断されるので何らかの対策をとるとともに、結果をデータベースに記録(S309)して終了となる。再現性がない場合は清掃不足と判断される。

0036

図16は、図15のフローの結果、腐食や反跳以外の汚染原因が考えられた場合の汚染識別フロー図である。まずLT以前の計測値群がF=F0で近似できるか否かを判断し(S401)、NOの場合は摺動、持込、異常放電等の可能性があるので図17のフローに進む。YESの場合は、さらにパーティクルの形状及び材料(組成)分析を行い(S402)、形状の多くが塊形(点対称)又は結晶形軸対称)かつ材料が反応生成物であるか否かを判断(S403)する。その結果、NOであれば装置の異常と判断し、YESであれば主汚染源は浮遊であると判断されるので、同一チャンバの過去のデータと照合し(S404)、再現性があるか否かを判断する(S405)。その結果、NOであればエッチングトラブルと判断され、YESであればエッチング条件不適切と判断され、結果をデータベースに記録(S406)して終了となる。

0037

図17は、図16のフローの結果、摺動、持込、異常放電等の可能性が考えられた場合の汚染識別フロー図である。まずパーティクルの形状及び材料(組成)分析を行い(S501)、摩耗粉か否かを判断する(S502)。YESであれば主汚染源は摺動であると判断され、同一チャンバの過去のデータと照合し(S503)、再現性があるか否かを判断する(S504)。再現性がなければ装置の異常と判断され、再現性があれば装置の組み立てミスと判断されるので、結果をデータベースに記録(S505)して終了となる。ステップS502の結果がNOであれば、さらにパーティクルが球状の金属又はシリコンかを判断し(S506)、YESであれば主汚染源は異常放電と判断され、NOであれば主汚染源は持込の可能性があると判断される。

0038

図18は、図13のフローの結果、特殊条件下における堆積物剥離パーティクル汚染が考えられた場合の汚染識別フロー図である。この場合は、LT以降の計測値群は直近清掃前サイクルの指数関数から外挿可能か否かを判断する(S601)。YESの場合は、装置の清掃が不十分であると判断されるので、同一チャンバの過去のデータと照合し(S602)、再現性があるか否かを判断する(S603)。再現性がなければ清掃作業ミスと判断され、再現性があれば清掃作業マニュアル不適切と判断されるので、結果をデータベースに記録(S604)して終了となる。ステップS601でNOの場合は、次にLT以降の計測値群が隣接チャンバ清掃の前後で大きく変化するか否かを判断し(S605)、YESであればチャンバ間相互汚染と判断され、NOの場合は装置の異常と判断される。

0039

本発明は上記のような方法、装置の一部又は全部を用いて、種々の形態で適用できる。以下に非限定的な実施例を用いて説明する。

0040

(実施例1)
図4図6にドライエッチングにおける半導体基板表面の異物汚染傾向を調査した結果を示す。異物数Yは、例えば米国KLA−TENCOR社製の検査装置によってエッチング後に検出される基板上異物群からエッチング前検出済みの基板上異物群を除外した値を用いた。この時、異物の形状分布による影響を除くため、一定範囲より大きい異物や小さい異物は計数対象としない。

0041

図4は、異物数Yをエッチングした基板の順番に並べてプロットしたグラフである。累積エッチング量に対し、異物数Yのデータ取得間隔が一定でない場合、グラフの横軸座標はこのエッチング量に比例しないため、異物数の累積エッチング量依存を解析することが困難である。他の例として、横軸を製造ロット縦軸をこのロットにおける異物数とするグラフでも、ロット毎にしばしば異なる装置を用いる等により装置毎の累積処理量とデータ間隔が比例しない場合、同様の困難がある。

0042

図5は、図4のデータに関し、横軸を処理量(装置清掃後からの累積エッチング量)に置き換えたグラフである。清掃間隔3サイクル分のデータを重ねたものだが、いずれも装置清掃の都度、異物数が減少し、ほぼ初期化されていることが判る。しかし、異物の増加速度はサイクル毎に異なり、再現性の有無の評価は困難である。

0043

処理量Tは、エッチング量に相当するが、エッチング条件が一定であれば、原材料である基板の枚数エッチングガスの量を用いても良いし、エッチング反応に必要なエネルギーを与える電磁波の印加時間や基板の加熱時間でも良い。また、一定期間におけるエッチング量が一定であれば、時間や日数を用いても良い。

0044

図6は、図5のデータを片対数座標系に描画したものである。サイクル毎に初期値Yoが異なるものの、傾きKは高い再現性を示していることが近似式及び回帰分析の決定係数(Rの2乗値)の値から判る。なお、決定係数のとりうる範囲は0から1の間であり、1に近いほど近似精度が高いことを意味する。

0045

この調査の結果、エッチング処理によって半導体基板表面に付着する異物数Yは、装置清掃後の累積エッチング量Tに対し、Y=Yo×EXP[K×T]の指数関数モデルで近似できること、及び初期値Yoが清掃の都度バラつくことを確認できた。

0046

なお、微分積分の数学分野において、Yの増加する速度(dY/dT)がY自身に比例する現象は、
dY/dT=K×Y
(1/Y)dY=K×dT
lnY=K×T+C
Y=Yo×EXP[K×T]
という微分方程式初期値問題として広く知られている。但し、dYは微小な時間dTにおけるYの変化量、K,Cは定数、YoはT=0におけるYの初期値、EXP[ ]は自然対数の底eのべき乗である。

0047

堆積物が発生する処理装置の汚染現象がこの方程式で近似できることは図6で明らかであるため、この汚染現象を以下のモデルで説明できる。

0048

まず、この装置における処理中に発生した微小異物容器内壁に付着、堆積する。次に、処理量に応じて容器内壁に堆積する微小異物も増加してゆく。容器内壁と垂直の方向に堆積する微小異物数に比例して剥離異物も増えると考えると、剥離異物の増加速度は微小異物数に比例する。また、この容器を清掃することにより、堆積膜が除去されるため、装置清掃後しばらくは処理対象への付着異物数が少ない。

0049

この仮説は、処理対象の異物付着量Yと処理量Tとの関係が一次微分方程式に従うこと、及びYの値が装置清掃後に初期化されることを説明できる。なお、以下の考察から、異物が堆積剥離によるものか否かを検証できる。

0050

例えば、微小異物間の結合強度に較べて容器内壁と微小異物間の結合強度が著しく小さい場合、微小異物は堆積できないため、大きな剥離異物は発生しない。また、微小異物間の結合強度に較べて容器内壁と微小異物間の結合強度が著しく大きい場合、剥離できないため、剥離異物は発生しない。また、微小異物間の結合強度自体が小さい場合、大きな剥離異物は発生しない。

0051

つまり、堆積剥離の発生は微小異物及び装置部品材質の組み合わせに依存するため、異物の剥離場所を推定することができる。また、微小異物同士が空中で結合及び成長する場合は塊形または結晶形の外観を示し、容器内壁表面で結合及び堆積する場合は鱗片形もしくは不定形の外観を示すことが多いため、処理対象表面の異物群から堆積剥離由来の異物を識別できる。

0052

(実施例2)
本発明の第2の実施例を、例えばCVD(chemical vapor deposition、蒸着)と呼ばれる成膜装置において説明する。この装置を構成する減圧容器、排気装置、ガス状成分導入装置、反応エネルギー供給装置及び処理対象搬送装置において、ドライエッチングは処理対象の表面をエッチングし、CVDは処理対象の表面に蒸着膜を堆積及び成長させる点が大きく異なっている。

0053

CVD装置における半導体基板表面の異物汚染傾向を調査した結果を図7に示す。異物数は、例えば米国KLA−TENCOR社製の検査装置によってCVD後に検出される基板上異物群からCVD前に検出済みの基板上異物群を除外した値を用いる。この時、異物の形状分布による影響を除くため、一定範囲より大きい異物や小さい異物は計数対象としない。

0054

図7は、異物数に関し、CVD処理した基板のデータを処理日時順に並べてプロットした片対数グラフである。CVD装置では、通常、反応容器をその場で清掃する代わりに清浄品と交換する。このグラフでは、複数の交換サイクル(10回以上)分のデータを順次並べており、交換毎の初期化をしていない。

0055

このグラフで注目すべきは、多くの交換サイクルにおいて異物数が100個未満でありながら、しばしば突発的に100個を上回る異物数のデータが現れる点である。

0056

この突発データ群を異物数が100個未満のデータ群と異なるグループと見なした結果、この突発グループにおける異物数Ywと日時Dとの関係は、
Yw=Ywo×EXP[G×D]
の指数関数モデルで近似できることが判った。ただし、Ywoは初期値で正の定数、EXP[ ]は自然対数の底eのべき乗、GはD対Ywの片対数グラフ描画時における指数関数の傾きを表し、かつ正の定数とする。

0057

この指数関数モデルは、ドライエッチングと同様、堆積物剥離の現象に関係すると考える。しかも、通常のCVDでのデータ群とは異なる突発データ群であることから、この現象は、CVD反応容器の周囲に長期間堆積し続けた異物が突発的な物理的衝撃等によって剥離し、反応容器内に流入して半導体基板表面に付着したと考える。反応容器の交換によってこの異物数Ywが初期化されないことも、剥離現象が反応容器の周囲で発生していることを示唆する。

0058

この指数関数の初期値Ywoに1又は10未満の数値を代入した時の日時DoとこのCVD装置のメンテナンス履歴を比較した結果、この期間に構成部品の交換を確認した。この部品交換間隔は、反応容器の交換間隔の10倍以上であることから、この部品からの剥離異物が原因と推定できる。

0059

このように本発明は、処理量と異物数の関係を指数関数で近似できる場合、真空処理装置の反応容器内だけでなく、この反応容器に接続する部材の内壁での堆積物剥離現象をも識別する働きを有する。

0060

(実施例3)
本発明の第3の実施例を、例えば、堆積物が発生する処理装置において、処理開始前に排出されるべきだった成分が残留してしまい、処理開始後、経時的に排出される過程でこの成分に起因する汚染現象が発生する場合について説明する。

0061

例えば、ドライエッチング等の表面加工装置では、この装置の清掃過程減圧容器内に残留した水分がフッ素原子を含むガスとこの容器内のアルミナ及びアルミ表面との化学反応を促進し、フッ化アルミ等を主成分とする異物が発生することが知られている(非特許文献2)。

0062

また、アルミナ及びアルミ表面が水及び塩化物イオンによって腐食され、水酸化アルミニウムを主成分とする反応生成物が発生することも化学教科書・参考書又はアルミ電界コンデンサ製法に関する公開資料で知られている。

0063

また、減圧容器内壁に吸着した水分は排気装置によって外部に排出されるが、水分が排出される速さは、残留水分量に比例することが真空工学に関する教科書・参考書で知られている。

0064

つまり、減圧容器清掃後の残留水分量yが排気装置によって排出され、減少する速度dy/dtは、y自身に比例する微分方程式
dy/dt=−ky
で表すことができる。但し、tは排気時間、kは正の定数を表す。

0065

残留水分の介在によって発生し、基板に付着する腐食起因異物量Zが残留水分量yに比例し、かつ表面加工装置清掃後の累積排気量t及び累積表面加工量Tが比例すると考えると、腐食起因異物による汚染現象も微分方程式の初期値問題でモデル化できる。

0066

腐食起因異物モデルは、堆積物剥離異物モデルと較べ、指数関数が減少曲線(EXP[ ]内のTの係数が負)である点が異なる。このため、このモデルは、装置清掃後、処理量に応じて異物数が指数関数的に急激に減少する特徴を示す。
dZ/dT=−H×Z
(1/Z)dZ=−H×dT
lnZ=−H×T+C
Z=Zo×EXP[−H×T]
但し、ZoはZの初期値、Hは正の定数を表す。

0067

表面加工又は成膜処理の過程で水分が発生しない処理装置の場合、この装置が充分乾燥していれば、腐食起因異物は発生しない。言い換えれば、基板表面異物数の処理量依存グラフが、装置清掃後から指数関数的に減少する特徴を示す場合、この装置清掃後の残留水分排出が不十分だった可能性を示唆する。この異物の成分分析の結果、腐食起因成分が主であれば、腐食汚染の確証となる。

0068

(実施例4)
本発明の第4の実施例を、例えば、堆積物が発生する処理装置において、処理開始前に排出されるべきだった成分が残留してしまい、処理開始後、経時的に排出される過程でこの成分に起因する汚染現象が発生する実施例3とは別の場合について説明する。

0069

例えば、表面加工装置及び成膜装置において、減圧容器の排気装置から減圧容器に向かって異物が逆流する事例が知られている(非特許文献3)。この異物の多くは、装置清掃時に一旦除去された異物が減圧容器から排気装置の吸い込み口に至る空間に再堆積したものであり、排気粘性流によって容易に移動する特徴を示す。この再堆積物は、先に説明した堆積物と較べ、壁面への密着力を無視できる点で大きく異なる。

0070

ターボ分子ポンプ等の排気装置に吸い込まれる再堆積物は、このポンプ内の回転翼衝突することによって一部が減圧容器内に逆流し、基板表面に付着する。

0071

異物が逆流する排気口の断面を仮想的な壁面と考え、この異物をこの壁面からの脱離物と見なせば、この仮想面を逆流する再堆積異物数の減少速度は、残存する再堆積異物数に比例すると考える。つまり、逆流異物に関しても、残留水分の場合と同様、微分方程式の初期値問題としてモデル化できる。

0072

基板表面異物数の処理量依存グラフが、装置清掃後から指数関数的に減少する特徴を示す場合、この装置清掃後の残留水分排出が不十分か、あるいは排気装置からの逆流異物である可能性を示唆する。この異物に腐食起因成分が含まれていなければ、腐食起因異物でないことの確証となり、結果として排気装置からの逆流異物の可能性が高まる。

0073

(実施例5)
本発明の第5の実施例として、異物の成分を識別せずに基板表面異物数の処理量依存グラフを作成すると、腐食起因異物又は排気装置からの逆流異物による逓減型モデルと堆積物剥離異物による逓増型モデルの競合を示す場合を検討する。このグラフにおいて堆積物剥離異物モデルのみと仮定して近似関数を求めると、指数関数の傾きが小さめに出てしまう問題点がある。

0074

この場合、逓減型指数関数及び逓増型指数関数の合成関数を仮定し、構成要素の逓減型及び逓増型の各近似関数を求める。

0075

例えば、逓増型に関し、装置清掃後の異物数の実力値Yo=5個、規格値LMT=70個に対して15個のマージンを持つ技術目標値Ns=55個を超えるまでに基板Xs=5000枚処理したい場合、逓増型のモデル式Y=Yo×EXP[K×X]から、
Ns=Yo×EXP[K×Xs]
K={ln(Ns/Yo)}/Xs={ln(55/5)}/5000≒4.7958 ×10−4
となり、逓増型のパーティクル数は、
Y=5EXP[(4.7958×10−4)X]
の傾向を示す。

0076

また、逓減型に関し、逓増型の傾向を考慮し、基板500枚処理後の異物数が逓減型と逓増型を加えても10個程度に抑制したい場合、Zo=50(=Ns−Yo)を用いた合成グラフ、
N=Y+Z=Yo×EXP[K×X]+Zo×EXP[−H×X]
=5EXP[(4.7958×10−4)(500)]+50EXP[−500H] =10
より、H≒5.2373×10−3が求まる。よって、この時の逓減型異物数は、
Z≦50EXP[(−5.2373×10−3)X]
の傾向を示す。

0077

よって、逓減型及び逓増型が混在した場合の異物数の傾向は、
N=Y+Z=5EXP[(4.7958×10−4)X]+50EXP[(−5.23 73×10−3)X]
で表すことができる(図8)。このグラフは、装置清掃品質残留成分排出条件、装置異常等の評価に有効と考える。

0078

(実施例6)
本発明の第6の実施例に関し、処理装置が複数の減圧容器を備える場合に関して説明する。例えば、複数の減圧容器の内、2個の処理容器A,B及び1個の転送容器Tを備える処理装置において、処理対象搬送装置を経由した基板は、転送容器Tを経由して処理容器A又はBに搬入され、処理後、転送容器Tを経由して処理対象搬送装置に搬出される。この転送容器Tと処理容器A,B及び処理対象搬送装置の間は、ゲートバルブによって開閉され、内圧を制御できる。

0079

この構成は、市販のドライエッチング装置及びCVD装置で一般的なものである。この構成の利点として、一方の処理容器を停止して容器内を清掃する場合でも、他方の処理容器を用いて処理を継続できる点が知られている。

0080

しかし、この運用方法を選択した場合の問題点として、この容器間相互汚染の危険がある。例えば、清掃するために一方の処理容器を開放した場合でも、他方の処理容器で使用中の転送容器Tは開放できない。このため、処理容器に較べて転送容器Tの清掃頻度が少なくなる。また、ゲートバルブに関しても、処理容器に面していない側面及び転送容器T側の清掃頻度が低くなる。閉じた状態のゲートバルブ周辺は清掃しにくいため、この領域に堆積物が蓄積しやすい。

0081

また、このゲートバルブを開閉する際、処理容器と転送容器Tの気圧差を適切に調整しないと、処理容器内の異物や残留ガスが転送容器Tに入り込むことによって、後続の基板が汚染される。残留ガスの種類及び転送容器内の部材の組み合わせによっては転送容器Tの中で腐食が発生し、腐食起因異物が基板表面に付着する。両処理容器を同時に使用する場合、処理対象である基板はA,B交互に処理されることが多い。

0082

この容器間相互汚染が発生すると、基板上異物数の処理量依存グラフに特徴的な変化が発生する。すなわち、一方の処理容器、例えば処理容器Aを清掃後、処理容器Aにおけるこのグラフは指数関数近似で増えるが、通常よりも初期値が大きくなる。やがて処理容器Bを清掃後、通常値に戻るという傾向を示す。

0083

これは、両処理容器の清掃時期が異なる場合、一方の処理容器Aの清掃直後は、他方の処理容器Bの汚れがより多い時期のため、転送容器Tは処理容器Bの汚れの影響を強く受けるからである。このため、この転送容器Tを経由して処理容器Aに搬入される基板も、処理容器Bの汚れの影響を受けてしまう。この影響は、処理容器Bが清掃されるまで指数関数的に強まる(図9)。

0084

故に、複数の処理容器を備える処理装置において、一方の処理容器における基板上異物数の清掃後累積処理量依存グラフと他方の処理容器の清掃時期とを関連付けることにより、処理容器間の相互汚染の有無を検出できる。

0085

(実施例7)
実施例5に関連し、逓増型である堆積物剥離現象の再現性を調べる目的で、清掃後の累積処理量が一定値に達する以前の計測値を逓増型の指数関数近似に用いるデータから除外する場合について説明する。

0086

堆積物剥離現象は、処理の過程で堆積物が発生する装置において定常的に発生するが、逓減型の腐食や排気装置からの逆流は管理が不十分の場合にのみ発生する突発的なものと考える。

0087

逓減型モデルと逓増型モデルの合成グラフは、下向きに凸の曲線となる(図8)。グラフの最小値の右側にマージンを持った処理量、例えば図8におけるX=1000をXthとし、Xth以上における計測値を逓増型モデルの近似関数算出に用いることにより、腐食や排気装置からの逆流等、逓減型トラブル発生の有無に影響を受けずに処理装置の実力値傾向管理が可能となる。

0088

また、Xth未満における計測値に上限値を設定することにより、この上限値を超えた場合に逓減型トラブルが発生したと判定する傾向管理も可能となる。

0089

(実施例8)
第8の実施例として、異物解析戦略について説明する。従来は、付着異物数が管理値を越えた基板を対象に異物解析を行っていた。安定した工程においては、この異物の多くは堆積物剥離起因である。仮に管理値を200個とした場合、この異物群の形状及び成分を詳細に調査することは、多くの手間を要するにも関わらず、この異物群の多くが堆積物剥離起因であることを再確認するだけの無駄な作業となる。むしろ、装置清掃後早期の異物群を詳細に調査する方が良い。

0090

仮に、装置清掃後早期に限定した管理値を20個とした場合、この異物群の形状及び成分を詳細に調査することは、少ない手間に関わらず、この異物群の多くが堆積物剥離起因以外である可能性が高い(図10)。

0091

(実施例9)
実施例9として、異物数の管理規格について説明する。従来、規格線水平線(傾きゼロ)とする前提の計測値管理を行った場合、規格線の傾きに関する公差は不要であった。このため、従来の管理システムにおいては、通常、計測値のレベル高低に関する公差のみを指定していた。

0092

本発明は、指数関数で増加する計測値の管理に用いる規格線は、片対数座標系にグラフ描画する際、少なくとも初期値のレベルの高低に関する公差α及び以降の計測値の傾きの大小に関する公差βを用いる(図11)。
規格中心:Y=Yo×EXP[K×T]
規格上限:Ymax=(Yo+αupper)×EXP[(K+βupper)×T]
規格下限:Ymin=(Yo−αlower)×EXP[(K−βlower)×T]
つまり、本発明は、Yoのレベルの高低に関する公差αに加え、Kの傾きの大小に関する公差βを用いた台形規格範囲内に計測値が分布するか否かを管理する。αupper,αlowerはレベル公差αの、βupper,βlowerは傾き公差βの各々上限側及び下限側の幅を表す。また、規格中心線となる関数近似式が逓減型及び逓増型の合成関数の場合、逓減型及び逓増型の各々の関数近似式に関し、レベルの高低に関する前記公差と、傾きの大小に関する前記公差の少なくとも2種類ずつ、計4種類以上の公差を用いる。

0093

(実施例10)
実施例9の他の変形例として、階段ステップ状管理規格線について説明する。指数関数で増加する計測値の管理に用いる規格線は、片対数座標系上に描画する際、少なくとも初期値のレベルの高低に関する公差α及び以降の計測値の傾きの大小に関する公差βを用いるが、管理を簡便にする目的でこの規格線を有限個の階段状に分割したステップ状規格線をグラフ描画する装置及び方法である(図12)。

0094

(実施例11)
実施例5の他の変形例として、異物数の管理規格について説明する。実施例9と同様、指数関数で減少する低減型異物数の傾向を管理する場合も、
規格中心:Z=Zo×EXP[−H×T]
規格上限:Zmax=(Zo+γupper)×EXP[−(H+δupper)×T ]
規格下限:Zmin=(Zo−γlower)×EXP[−(H−δlower)×T ]
つまり、本発明は、Zoのレベルの高低に関する公差γに加え、Hの傾きの大小に関する公差δを用いた台形の規格範囲内に計測値が分布するか否かを管理する。γupper,γlowerはレベル公差γの、δupper,δlowerは傾き公差δの各々上限側及び下限側の幅を表す。よって、逓減型及び逓増型が混在した場合の異物数の傾向は、
N=Y+Z
に関し、公差α、β、γ、δを用いた規格範囲内に計測値が分布するか否かを管理する。

0095

(実施例12)
実施例12として、計測値群から導く近似式の確かさを判定するため、Rの2乗値に最小値R2minを定める(但し、0<R2min≦R2≦1)。この近似式のRの2乗値がこの最小値より小さい場合、この計測値群中に異常値を含むと判定し、このRの2乗値がこの最小値以上になるまでこの計測値群中の各計測値の取捨選択を繰り返してこの異常値をこの計測値群中から除く。

0096

以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。

図面の簡単な説明

0097

本発明に係るデータ処理及び管理装置の一実施形態である。
本発明に係るデータ処理及び管理装置の他の実施形態である。
本発明に係るデータ処理及び管理手順の具体例である。
異物数Yをエッチングした基板の計測順に並べてプロットしたグラフである。
図4のデータを、横軸を処理量(装置清掃後からの累積エッチング量)に置き換えたグラフである。
図5のデータを片対数座標系に描画したものである。
異物数に関し、CVD処理した基板のデータを処理日時順に並べてプロットした片対数グラフである。
逓減型(Z)、堆積型(Y)、及び両者の合成関数(N)の一例を示す片対数グラフである。
基板付着異物数の処理量依存と処理容器間相互汚染の関係の一例を示すグラフである。
装置清掃後の累積処理量と基板付着異物数との関係及び異物内訳の一例を示す図である。
装置清掃後の累積処理量と基板付着異物数との関係における規格の上限及び下限の一例を示すグラフである。
装置清掃後の累積処理量と基板付着異物数との関係におけるステップ状規格範囲を示す一例である。
処理ウエハ量が所定の数以降のデータを用いたウエハ汚染傾向識別基本フロー図である。
処理ウエハ量が所定の数以前のデータを用いたウエハ汚染傾向識別基本フロー図である。
図14のフローの結果、堆積物剥離以外の汚染が考えられる場合の汚染識別フロー図である。
図15のフローの結果、腐食や反跳以外の汚染が考えられた場合の汚染識別フロー図である。
図16のフローの結果、摺動、持込、異常放電等の可能性が考えられた場合の汚染識別フロー図である。
図13のフローの結果、特殊条件下における堆積物剥離パーティクル汚染が考えられた場合の汚染識別フロー図である。

符号の説明

0098

1データ処理及び管理装置
2関数モデル化部
3比較判定部
4 測定データ
5 過去のデータ
6 表示(出力)部
7 測定データ入力部
8データ記憶部
11〜15 本発明に係る手順の具体例である。
T処理量
異物個数
Yw突発的な異物数

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