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技術 ステンレス鋼製の加工品の表面硬化方法及び該方法の実施のための溶融塩

出願人 ドゥルフェリットゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング
発明者 ウルリヒバウディスミハエルメルツ
出願日 2008年10月30日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2008-279150
公開日 2009年5月21日 (11年7ヶ月経過) 公開番号 2009-108411
状態 特許登録済
技術分野 金属質材料の表面への固相拡散 熱処理 物品の熱処理
主要キーワード 熱化学的処理 部材表 反応性媒体 家屋構造 電気的被覆 合金マトリクス クロム含有率 船舶構造
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重要な関連分野

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課題

ステンレス鋼製の加工品硬化を可能にし、それと同時に該加工品の高い耐蝕性が得られる方法を提供する。

解決手段

ステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、該加工品を溶融塩中に浸し、そして該塩に24時間〜240時間にわたって晒すにあたって、前記溶融塩の温度が400℃未満であり、かつ前記溶融塩が以下の組成:60〜100質量%の酢酸カリウム、0〜100質量%の酢酸ナトリウム、0〜2質量%の金属塩を有することで解決される。

概要

背景

ステンレス鋼は、その優れた耐蝕性に基づき、化学的装置構造において、食品技術において、石油化学産業において、海洋領域において、船舶構造及び飛行機構造において、建造物において、家屋構造及び装置構造において、そして多くの他の産業分野で使用される。

鉄材料に少なくとも13質量%のクロム合金化されている場合に、耐蝕性のステンレス鋼と呼ばれる。大抵の場合に、例えば"Stahl Merkblatt 821 Edelstahl Rostfrei−Eigenschaften Informationsstelle Edelstahl,PF 102205,40013 Duesseldorf www.edelstahl−rostfrei.de"と"P.Guempelet al.Rostfreie Staehle,Expert Verlag,Band 349,Renningen Malmsheim 1998"において取り扱われているように、付加的になおもニッケルチタン及びモリブデン鉄合金中に含まれている。

典型的なオーステナイト系のステンレス鋼は、鋼1.4301又は鋼1.4571であり、それらは以下の組成を有する:
鋼1.4301: C0.05質量% Si0.5質量% Mn1.4質量% Cr18.5質量% Ni9.5質量%
鋼1.4571: C0.03質量% Si0.5質量% Mn1.7質量% Cr17.0質量% Ni11.2質量% Mo2.2質量% Ti0.1質量%
クロム含有率が13質量%未満であれば、その鋼は、一般には、"ステンレス鋼"と見なすには不十分な耐蝕性を有する。従って、鋼中の金属クロム含有率は、特に上述のP.Guempelによる出版物に挙げられているように、耐蝕性にとって重要な基準である。

鋼1.4301、鋼1.4441、鋼1.4541もしくは鋼1.4575などの殆どの慣例のステンレス鋼の大きな欠点は、これらが概ね軟質であるため、粉塵、砂などの硬質粒子により表面に引っ掻き傷がつきやすいことにある。いわゆるマルテンサイト系のステンレス鋼を除外して、殆どのステンレス鋼は、焼き鈍し及び焼き入れなどの物理的方法によって硬化することができない。低い表面硬さは、そのステンレス鋼の使用をしばしば妨げる。殆どのステンレス鋼の更なる欠点は、その激しい焼き付き傾向、すなわち2つの対抗する平滑面の付着に基づく表面の融着傾向である。

前記問題に対処するために、ステンレス鋼製の加工品熱化学的処理を行うことが知られている。この場合に、ガス中アンモニア雰囲気下)での、プラズマ中(窒素アルゴン下)での、もしくは溶融塩中溶融されたシアン酸塩)での窒化もしくは軟窒化によって、ステンレス鋼の表面は窒素富化され、その際、鉄窒化物クロム窒化物が形成する。その際に生ずる層は、材料内部から形成されるので、電気的層もしくは物理的層の場合とは異なって、外部から施与されていないため、極めて付着性に優れている。処理時間に応じて、5〜50μm厚の硬質層が形成される。ステンレス鋼上のかかる窒化もしくは軟窒化された層の硬さは、その際に生ずる鉄窒化物及びクロム窒化物の高い硬さのため、ビッカースによる硬さスケールで1000単位を超える値に達する。

ステンレス鋼上のかかる窒化もしくは軟窒化された層の実際の使用上の問題は、これらの層は確かに硬質ではあるものの、耐蝕性を失うことにある。その理由は、窒化もしくは軟窒化の際に580℃付近の範囲にある比較的高い処理温度である。前記温度では、内部に拡散する元素である窒素及び炭素は、クロムとともに、安定なクロム窒化物(CrN)あるいはクロム炭化物(Cr7C3)を部材表面の領域内に形成する。このように、耐蝕性に不可欠な遊離のクロムは、ステンレス鋼マトリクスから、その表面下の約50μmの深さまで取り除かれ、そしてクロム窒化物もしくはクロム炭化物に変換される。その部材表面は、鉄窒化物及びクロム窒化物の形成に基づき確かに硬質であるが、腐蝕を受けやすい。使用に際して、かかる層は、腐蝕のため、素早く摩滅あるいは消磨される。

この問題を解消するために、以下の方法様式が存在する。

ステンレス鋼上の表面硬さを、電気的被覆、例えばニッケルメッキによって、又は物理的被覆、例えばPV被覆物理蒸着)によって向上できることは知られている。しかしながら、その際に、その鋼表面上には異種物質が適用される。摩滅性もしくは腐蝕性媒体と接触する表面は、もはや鋼表面自体ではない。そのため、付着性と耐蝕性の問題が生ずる。従って、この方法は、ステンレス鋼の硬さと摩滅挙動の改善のためにはあまり普及していない。

硬質で同時に耐蝕性の層は、ステンレス鋼に対するいわゆるKolsterise処理(Kolsterisieren)によって熱化学的に作製することができる。この方法は、例えば"Kolsterisieren−korrosionsfestes Oberflaechenhaerten von austenitischem rostfreiem Stahl−Informationsblatt der Bodycote Hardiff bv,Parimariboweg 45,NL−7333 Apeldoorn,info@hardiff.de"に挙げられている。しかしながら、前記方法の条件は、特許文献にも、一般に入手できる学術文献にも記載されていない。こうして処理された部材は、10〜35μm厚の硬質な耐摩耗性の層を有し、該層は母材の耐蝕性を維持したままにする。Kolsterise処理された部材は400℃を超える温度で加熱してはならない。そうでなければ、その耐蝕性は失われる。

例えば"H.−J.Spies et al.Mat.−Wiss.u.Werkstofftechnik 30(1999)457−464"及び"Y.Sun,T.Bell et al.The Response of Austenitic Stainless Steel to Low Temp.Plasma Nitriding"に記載されるプラズマ窒化によるか、又は例えば"D.Guenther,F.Hofftnann,M.Jung,P.Mayr:Oberflaechenhaertung von austenitischen Staehlen unter Beibehaltung der Korrosionsbestaendigkeit Haerterei−Techn.Mitt.56(2001)74−83"に記載されている低温での低圧浸炭によって、ステンレス鋼製の部材表面中に窒素及び/又は炭素の過飽和固溶体を作製でき、該表面は所望の特性を、すなわち耐蝕性を変化させずにより高い硬さを有する。

しかしながら両方の方法は、高い設備費用と高い投資費用及びエネルギー費用を必要とし、プラントの取り扱いのためには、特別な教育を受けているだけでなく、大抵は学問的訓練をうけた人物が必要となる。
Stahl Merkblatt 821 Edelstahl Rostfrei−Eigenschaften Informationsstelle Edelstahl,PF 102205,40013 Duesseldorf www.edelstahl−rostfrei.de
P.Guempelet al.Rostfreie Staehle,Expert Verlag,Band 349,Renningen Malmsheim 1998
Kolsterisieren−korrosionsfestes Oberflaechenhaerten von austenitischem rostfreiem Stahl−Informationsblatt der Bodycote Hardiff bv,Parimariboweg 45,NL−7333 Apeldoorn,info@hardiff.de
H.−J.Spies et al.Mat.−Wiss.u.Werkstofftechnik 30(1999)457−464
Y.Sun,T.Bell et al.The Response of Austenitic Stainless Steel to Low Temp.Plasma Nitriding
D.Guenther,F.Hofftnann,M.Jung,P.Mayr:Oberflaechenhaertung von austenitischen Staehlen unter Beibehaltung der Korrosionsbestaendigkeit Haerterei−Techn.Mitt.56(2001)74−83

概要

ステンレス鋼製の加工品の硬化を可能にし、それと同時に該加工品の高い耐蝕性が得られる方法を提供する。ステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、該加工品を溶融塩中に浸し、そして該塩に24時間〜240時間にわたって晒すにあたって、前記溶融塩の温度が400℃未満であり、かつ前記溶融塩が以下の組成:60〜100質量%の酢酸カリウム、0〜100質量%の酢酸ナトリウム、0〜2質量%の金属塩を有することで解決される。

目的

本発明の課題は、ステンレス鋼製の加工品の硬化を可能にし、それと同時に該加工品の高い耐蝕性が得られる方法を提供することである。

効果

実績

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牽制数
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請求項1

ステンレス鋼製の加工品表面硬化のための方法において、該加工品を溶融塩中に浸し、そして該塩に24時間〜240時間にわたって晒し、その際、前記溶融塩の温度が400℃未満であり、かつ前記溶融塩が以下の組成酢酸カリウム60〜100質量%酢酸ナトリウム0〜100質量%金属塩0〜2質量%を有することを特徴とする方法。

請求項2

請求項1に記載の方法において、溶融塩の温度が330℃〜380℃の範囲であることを特徴とする方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の方法において、使用される金属塩が、以下のカチオン:Li+、Na+、K+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ti3+/4+、V2+/3+/4+/5+、Cr2+/3+、Mn2+/4+、Fe2+/3+、Co2+/3+、Ni2+/3+、Cu+/2+、Zn2+、Mo4+/5+/6+、Ru2+/3+、Rh1+/3+、Pd2+、W6+、Os4+、Ir+/4+の少なくとも1つからなることを特徴とする方法。

請求項4

請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法において、使用される金属塩が、以下のアニオン:F-、Cl-、Br-、I-、O2-、CH3COO-、C2O42-、CN-、NCO-の少なくとも1つからなることを特徴とする方法。

請求項5

請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、溶融塩を空気のもとで取り扱うことを特徴とする方法。

請求項6

請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、溶融塩を保護ガス雰囲気中で取り扱うことを特徴とする方法。

請求項7

請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、溶融塩に空気もしくは保護ガス導通させることを特徴とする方法。

請求項8

請求項6又は7に記載の方法において、保護ガスとして、N2、Ar、CO及び/又はCO2を使用することを特徴とする方法。

請求項9

請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法において、溶融塩を炭素含有粉末もしくは造粒物で覆うことを特徴とする方法。

請求項10

請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法において、溶融塩を動かすことを特徴とする方法。

請求項11

請求項10に記載の方法において、溶融塩を撹拌もしくは循環させることを特徴とする方法。

請求項12

請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法の実施のための溶融塩であって、以下の組成:酢酸カリウム60〜100質量%酢酸ナトリウム0〜100質量%金属塩0〜2質量%を有することを特徴とする溶融塩。

技術分野

0001

本発明は、ステンレス鋼製の加工品表面硬化方法並びに該方法の実施のための溶融塩に関する。

背景技術

0002

ステンレス鋼は、その優れた耐蝕性に基づき、化学的装置構造において、食品技術において、石油化学産業において、海洋領域において、船舶構造及び飛行機構造において、建造物において、家屋構造及び装置構造において、そして多くの他の産業分野で使用される。

0003

鉄材料に少なくとも13質量%のクロム合金化されている場合に、耐蝕性のステンレス鋼と呼ばれる。大抵の場合に、例えば"Stahl Merkblatt 821 Edelstahl Rostfrei−Eigenschaften Informationsstelle Edelstahl,PF 102205,40013 Duesseldorf www.edelstahl−rostfrei.de"と"P.Guempelet al.Rostfreie Staehle,Expert Verlag,Band 349,Renningen Malmsheim 1998"において取り扱われているように、付加的になおもニッケルチタン及びモリブデン鉄合金中に含まれている。

0004

典型的なオーステナイト系のステンレス鋼は、鋼1.4301又は鋼1.4571であり、それらは以下の組成を有する:
鋼1.4301: C0.05質量% Si0.5質量% Mn1.4質量% Cr18.5質量% Ni9.5質量%
鋼1.4571: C0.03質量% Si0.5質量% Mn1.7質量% Cr17.0質量% Ni11.2質量% Mo2.2質量% Ti0.1質量%
クロム含有率が13質量%未満であれば、その鋼は、一般には、"ステンレス鋼"と見なすには不十分な耐蝕性を有する。従って、鋼中の金属クロム含有率は、特に上述のP.Guempelによる出版物に挙げられているように、耐蝕性にとって重要な基準である。

0005

鋼1.4301、鋼1.4441、鋼1.4541もしくは鋼1.4575などの殆どの慣例のステンレス鋼の大きな欠点は、これらが概ね軟質であるため、粉塵、砂などの硬質粒子により表面に引っ掻き傷がつきやすいことにある。いわゆるマルテンサイト系のステンレス鋼を除外して、殆どのステンレス鋼は、焼き鈍し及び焼き入れなどの物理的方法によって硬化することができない。低い表面硬さは、そのステンレス鋼の使用をしばしば妨げる。殆どのステンレス鋼の更なる欠点は、その激しい焼き付き傾向、すなわち2つの対抗する平滑面の付着に基づく表面の融着傾向である。

0006

前記問題に対処するために、ステンレス鋼製の加工品の熱化学的処理を行うことが知られている。この場合に、ガス中アンモニア雰囲気下)での、プラズマ中(窒素アルゴン下)での、もしくは溶融塩中溶融されたシアン酸塩)での窒化もしくは軟窒化によって、ステンレス鋼の表面は窒素富化され、その際、鉄窒化物クロム窒化物が形成する。その際に生ずる層は、材料内部から形成されるので、電気的層もしくは物理的層の場合とは異なって、外部から施与されていないため、極めて付着性に優れている。処理時間に応じて、5〜50μm厚の硬質層が形成される。ステンレス鋼上のかかる窒化もしくは軟窒化された層の硬さは、その際に生ずる鉄窒化物及びクロム窒化物の高い硬さのため、ビッカースによる硬さスケールで1000単位を超える値に達する。

0007

ステンレス鋼上のかかる窒化もしくは軟窒化された層の実際の使用上の問題は、これらの層は確かに硬質ではあるものの、耐蝕性を失うことにある。その理由は、窒化もしくは軟窒化の際に580℃付近の範囲にある比較的高い処理温度である。前記温度では、内部に拡散する元素である窒素及び炭素は、クロムとともに、安定なクロム窒化物(CrN)あるいはクロム炭化物(Cr7C3)を部材表面の領域内に形成する。このように、耐蝕性に不可欠な遊離のクロムは、ステンレス鋼マトリクスから、その表面下の約50μmの深さまで取り除かれ、そしてクロム窒化物もしくはクロム炭化物に変換される。その部材表面は、鉄窒化物及びクロム窒化物の形成に基づき確かに硬質であるが、腐蝕を受けやすい。使用に際して、かかる層は、腐蝕のため、素早く摩滅あるいは消磨される。

0008

この問題を解消するために、以下の方法様式が存在する。

0009

ステンレス鋼上の表面硬さを、電気的被覆、例えばニッケルメッキによって、又は物理的被覆、例えばPV被覆物理蒸着)によって向上できることは知られている。しかしながら、その際に、その鋼表面上には異種物質が適用される。摩滅性もしくは腐蝕性媒体と接触する表面は、もはや鋼表面自体ではない。そのため、付着性と耐蝕性の問題が生ずる。従って、この方法は、ステンレス鋼の硬さと摩滅挙動の改善のためにはあまり普及していない。

0010

硬質で同時に耐蝕性の層は、ステンレス鋼に対するいわゆるKolsterise処理(Kolsterisieren)によって熱化学的に作製することができる。この方法は、例えば"Kolsterisieren−korrosionsfestes Oberflaechenhaerten von austenitischem rostfreiem Stahl−Informationsblatt der Bodycote Hardiff bv,Parimariboweg 45,NL−7333 Apeldoorn,info@hardiff.de"に挙げられている。しかしながら、前記方法の条件は、特許文献にも、一般に入手できる学術文献にも記載されていない。こうして処理された部材は、10〜35μm厚の硬質な耐摩耗性の層を有し、該層は母材の耐蝕性を維持したままにする。Kolsterise処理された部材は400℃を超える温度で加熱してはならない。そうでなければ、その耐蝕性は失われる。

0011

例えば"H.−J.Spies et al.Mat.−Wiss.u.Werkstofftechnik 30(1999)457−464"及び"Y.Sun,T.Bell et al.The Response of Austenitic Stainless Steel to Low Temp.Plasma Nitriding"に記載されるプラズマ窒化によるか、又は例えば"D.Guenther,F.Hofftnann,M.Jung,P.Mayr:Oberflaechenhaertung von austenitischen Staehlen unter Beibehaltung der Korrosionsbestaendigkeit Haerterei−Techn.Mitt.56(2001)74−83"に記載されている低温での低圧浸炭によって、ステンレス鋼製の部材表面中に窒素及び/又は炭素の過飽和固溶体を作製でき、該表面は所望の特性を、すなわち耐蝕性を変化させずにより高い硬さを有する。

0012

しかしながら両方の方法は、高い設備費用と高い投資費用及びエネルギー費用を必要とし、プラントの取り扱いのためには、特別な教育を受けているだけでなく、大抵は学問的訓練をうけた人物が必要となる。
Stahl Merkblatt 821 Edelstahl Rostfrei−Eigenschaften Informationsstelle Edelstahl,PF 102205,40013 Duesseldorf www.edelstahl−rostfrei.de
P.Guempelet al.Rostfreie Staehle,Expert Verlag,Band 349,Renningen Malmsheim 1998
Kolsterisieren−korrosionsfestes Oberflaechenhaerten von austenitischem rostfreiem Stahl−Informationsblatt der Bodycote Hardiff bv,Parimariboweg 45,NL−7333 Apeldoorn,info@hardiff.de
H.−J.Spies et al.Mat.−Wiss.u.Werkstofftechnik 30(1999)457−464
Y.Sun,T.Bell et al.The Response of Austenitic Stainless Steel to Low Temp.Plasma Nitriding
D.Guenther,F.Hofftnann,M.Jung,P.Mayr:Oberflaechenhaertung von austenitischen Staehlen unter Beibehaltung der Korrosionsbestaendigkeit Haerterei−Techn.Mitt.56(2001)74−83

発明が解決しようとする課題

0013

本発明の課題は、ステンレス鋼製の加工品の硬化を可能にし、それと同時に該加工品の高い耐蝕性が得られる方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

前記課題は、ステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、該加工品を溶融塩中に浸し、そして該塩に24時間〜240時間にわたって晒し、その際、前記溶融塩の温度が400℃未満であり、かつ前記溶融塩が以下の組成:60〜100質量%の酢酸カリウム、0〜100質量%の酢酸ナトリウム、0〜2質量%の金属塩を有することを特徴とする方法並びに前記ステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法の実施のための溶融塩であって、以下の組成:60〜100質量%の酢酸カリウム、0〜100質量%の酢酸ナトリウム、0〜2質量%の金属塩を有することを特徴とする溶融塩によって解決された。

0015

発明の好ましい実施態様及び目的にかなった実施態様は、以下のとおりである:
前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩の温度が330℃〜380℃の範囲であることを特徴とする方法。

0016

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、使用される金属塩が、以下のカチオン:Li+、Na+、K+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ti3+/4+、V2+/3+/4+/5+、Cr2+/3+、Mn2+/4+、Fe2+/3+、Co2+/3+、Ni2+/3+、Cu+/2+、Zn2+、Mo4+/5+/6+、Ru2+/3+、Rh1+/3+、Pd2+、W6+、Os4+、Ir+/4+の少なくとも1つからなることを特徴とする方法。

0017

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、使用される金属塩が、以下のアニオン:F-、Cl-、Br-、I-、O2-、CH3COO-、C2O42-、CN-、NCO-の少なくとも1つからなることを特徴とする方法。

0018

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩を空気のもとで取り扱うことを特徴とする方法。

0019

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩を保護ガス雰囲気中で取り扱うことを特徴とする方法。

0020

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩に空気もしくは保護ガス導通させることを特徴とする方法。

0021

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、保護ガスとして、N2、Ar、CO及び/又はCO2を使用することを特徴とする方法。

0022

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩を炭素含有粉末もしくは造粒物で覆うことを特徴とする方法。

0023

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩を動かすことを特徴とする方法。

0024

前記のステンレス鋼製の加工品の表面硬化のための方法において、溶融塩を撹拌もしくは循環させることを特徴とする方法。

0025

本発明による方法は、ステンレス鋼製の加工品の表面硬化のために用いられる。加工品は、溶融塩中に浸漬され、そして該塩に24時間〜240時間にわたって晒される。溶融塩の温度は、400℃未満である。溶融塩は、以下の組成を有する:
酢酸カリウム60〜100質量%
酢酸ナトリウム0〜100質量%
金属塩0〜2質量%
本発明による方法では、加工品の処理温度、すなわち本発明により使用される溶融塩の温度は、420℃〜440℃の範囲にあるクロム炭化物の形成温度より低いので、鋼マトリックス内の炭化物、すなわちステンレス鋼の格子構造の形成は回避される。

0026

クロム炭化物の形成が十分に回避されるので、すなわちは、ステンレス鋼製加工品の耐蝕性に不可欠な遊離のクロムは、該加工品の表面領域から排除されない。従って、該加工品は、硬質で、摩耗を抑制し、かつ滑りやすい表面を有すると同時に、高い耐蝕性を有する。

0027

前記の好ましい作用効果の達成に必須のことは、拡散可能な炭素を遊離できる成分と、その拡散可能な炭素の遊離を低温でもたらす好適な活性化剤とを含有する本発明による溶融塩の使用である。

0028

活性の炭素放出物質酢酸塩もしくは中間物質として形成する炭化物)の濃度は、本発明による溶融塩中では、ガス雰囲気もしくはプラズマ中の相応物質アンモニアメタン炭素酸化物)の濃度と比較して非常に高い。溶融塩中での加工品の比較的長い処理時間は、炭素の拡散速度が温度の関数であり、450℃未満の温度で大きく低下することに基づいている。クロム炭化物形成の回避に必要な低い温度の場合に、24〜240時間の長い拡散時間を使用せねばならない。しかしながら、その結果としての長い処理時間は重要ではない。それというのも、ステンレス鋼、特にオーステナイト系のステンレス鋼もしくはいわゆる二相ステンレス鋼フェライト系−オーステナイト系の鋼)は、そのように長い熱処理時間に対して非常に耐久性である、すなわち前記ステンレス鋼は、それ以外の機械的特性もしくは組織を変更しないに等しいからである。

0029

ステンレス鋼は、例えば"Stahl Merkblatt 821 Edelstahl Rostfrei−Eigenschaften Informationsstelle Edelstahl,PF 102204,40013 Duesseldorf www.edelstahl−rostfrei.de"と"P.Guempelet al.Rostfreie Staehle,Expert Verlag,Band 349,Renningen Malmsheim 1998"に記載されるように、大抵は、オーステナイト系の鋼の形で存在する、すなわち鉄マトリクスは、オーステナイト系の構造、つまり面心立方格子を有する。

0030

この格子内に、炭素などの非金属元素固溶体で存在することができる。炭素をオーステナイト系のステンレス鋼の表面中に導入し、そこで飽和又はそれどころか過飽和の固溶体で保持することに成功したため、2つの効果が生じる:
(a)炭素はクロム炭化物の形成温度(420〜440℃)未満で内部拡散された場合には、クロムの炭化物を形成しない。そのため、合金マトリクスは、拡散層の範囲でクロム除去されないので、ステンレス鋼の耐蝕性は保たれたままとなる。

0031

(b)内部拡散した元素は、オーステナイト系格子を拡大させ、そして拡散領域の範囲内に強い圧縮応力をもたらす。それは他方で、相当の硬さ増大をもたらす。学術文献において、拡張オーステナイト又はいわゆるS相と言われ、それはビッカース硬度計で1000までの硬さをとりうる。そのことは、"Y.Sun,T.Bell et al.The Response of Austenitic Stainless Steel to Low Temp.Plasma Nitriding"に挙げられている。

0032

本発明では、これらの考察は、溶融塩を反応性媒体及び熱伝導体(Waermeuebertraeger)として使用して活用される。

0033

基礎溶融物としては、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム及び金属塩からなる塩混合物が用いられる。各場合において400℃未満であり、従ってクロム炭化物の形成温度未満であって、好ましくは320℃〜380℃の範囲の規定の温度での硬化時間を通じて、酢酸塩は分解し、遊離の炭素を形成する。添加された金属塩は、同様に酢酸塩の金属炭化物への触媒的分解をもたらすことがあり、その金属炭化物は再び現存温度で分解して、"原子"炭素をステンレス鋼に与える。

0034

本発明は、高い設備費用及びエネルギー費用を避け、能力の低い人物にも容易に実行可能な簡単な方法様式を用いる。

0035

更に本発明によって、ステンレス鋼の焼き付けの傾向、すなわち低温融着の傾向と、従ってまた粘着摩耗が実質的に低減される。ステンレス鋼の表面の硬さは、200〜300のビッカース硬さから1000の値のビッカース硬さにまで高まり、それにより高い引掻強さが生ずる。

0036

本発明による溶融塩中に含まれる金属塩は、好ましくは請求項3及び4に挙げられるカチオン及びアニオンを有する。

0037

本発明の特に費用的に好ましくかつ単純な実施態様においては、該溶融塩は空気のもとで取り扱われる。しかしながら、その際に不利なことは、空気接触によって、酸化プロセスによる溶融塩中の酢酸塩の分解が促進され、それにより溶融塩中での加工品の処理に際して能率が低下することである。

0038

この欠点は、溶融塩を保護ガス雰囲気下で取り扱うことによって回避することができる。その際、保護ガスとしては、N2、Ar、CO、CO2もしくは前記ガスの混合物を使用することができる。この場合に、酢酸塩は、熱の影響に基づいて分解するだけで、もはや付加的に酸化プロセスによっては分解しない。すなわち酢酸塩の分解速度は大きく低減されている。

0039

保護ガス雰囲気の調節は、大きな設備費用を要する。それというのも、溶融塩はレトルト内貯蔵せねばならず、その中に保護ガスを導入せねばならず、その際、保護ガスのかき混ぜを、毎回レトルト開放した後に繰り返さねばならないからである。

0040

酢酸塩の分解は、保護ガスを溶融塩中に導入することによって、すなわち導通させることによって、少ない設備費用で低減させることもできる。それによって、同時に溶融塩の循環が生じ、このことが溶融塩中での塩の一様な分布に導く。一般に、循環は、溶融塩中への空気の導通によっても行うことができる。

0041

選択的に、溶融塩を、例えば撹拌もしくは循環によって機械的に動かすこともできる。

0042

本発明を、以下に実施の形態と図面をもとに詳説する。

0043

以下の実施例は、同一の加工品、すなわち材料X5 Cr Ni Mo 17−12−2からなるボルトを、本発明による溶融塩の2種の異なる別形で処理した結果を示している。

0044

実施例1
120gの酢酸カリウムと0.2gのNiCl2からなる混合物を、坩堝内で溶融させ、そして380℃で53.5時間にわたってボルト(材質:X5 Cr Ni Mo 17−12−2)を浸漬する。その処理後に、ボルトを水中で焼き入れする。それにより、11μm〜13μmの層厚が形成する。図2によるGDOS分析は、この層中での炭素の明らかな(16%までの)増大を示している(図2は、加工品の表面からの距離に依存した質量%での炭素含有率を示している)。図1は、加工品(ボルト)のこの層の範囲での切断横断面を示している。

0045

実施例2
120gの酢酸カリウムと0.2gのNiCl2からなる混合物を、坩堝内で溶融させ、そして380℃で100時間にわたってボルト(材質:X5 Cr Ni Mo 17−12−2)を浸漬する。その処理後に、ボルトを水中で焼き入れする。それにより、17μm〜21μmの層厚が形成する。図4は、ここでは、加工品の表面からの距離に依存する質量%での加工品中のFe、C、Crの濃度を示している。図4から明白なように、ここでも該層内の炭素の明らかな増大が得られ、その際、該層内ではCr、Feの割合は低減されている。図3は、加工品(ボルト)のこの層の範囲での切断横断面を示している。

図面の簡単な説明

0046

図1は、第一の溶融塩で処理された加工品の切断横断面を示している。
図2は、図1による加工品の表面領域内炭素濃度位置依存性推移を示している。
図3は、第二の溶融塩で処理された加工品の切断横断面を示している。
図4は、図3による加工品の表面領域内のFe、Cr、Cの濃度の位置依存性の推移を示している。

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