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課題

鉄スクラップ高炉溶銑とを併用して溶鋼を製造する際に、効率良く鉄スクラップを溶解して電力使用量を削減すると同時にスクラップから混入するCu等不純物の濃度を極力下げて、高炉転炉法で製造する高級鋼に匹敵する鋼の製造を可能とする、溶鋼の製造方法を提供すること。

解決手段

溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型予熱室と、を具備したアーク炉を用い、高炉溶銑を溶解室に直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップ及び高炉溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップを溶解して溶湯出湯し、次に、この溶湯の少なくとも一部を高炉溶銑と混合して脱硫した後、転炉で精錬して溶鋼を得ることを特徴とする溶鋼の製造方法を用いる。

概要

背景

製鋼用アーク炉では、アーク熱にて鉄スクラップ等の鉄源を加熱・溶解し、その後炉内で精錬して溶鋼を製造するが、多くの電力消費するため、溶解中にアーク炉溶解室から発生する高温排ガスを利用して鉄スクラップを予熱し、予熱した鉄スクラップを溶解することで電力使用量を削減する方法が多数提案されている。

その代表的なものが、本発明者らが先に提案した発明で、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型予熱室と、を具備したアーク炉を用い、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップをアークにて加熱して鉄スクラップを溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート分の溶湯が溜まった時点で、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で溶湯を出湯するアーク炉でのスクラップ溶解方法である(特許文献1参照。)。

一方、最近のアーク炉による製造品種の高級鋼化に伴い、鉄スクラップから混入するCu、Sn、Cr等の不純物希釈するために、溶銑を鉄スクラップと共に鉄源として使用する操業が開示されている。

例えば、本発明者らは先に、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、を具備したアーク炉での操業方法であって、高炉溶銑を溶解室に直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップ及び高炉溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップを溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まった時点で、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とするアーク炉操業方法を提案している(特許文献2参照。)。

さらに、本発明者らは、Cuを多量に含む使用済み自動車又は使用済み家電機器からシュレッダー処理を施さずに得られた廃車プレス屑又は廃家電屑を上記の特許文献1、2に記載のアーク炉と同様のアーク溶解炉で溶解して溶銑を製造し、溶解室内に所定量の溶銑が生成した時点で出湯した後、高炉溶銑と混ぜて(希釈して)その後転炉で精錬して溶鋼を製造することを特徴とする使用済み自動車又は使用済み家電機器のリサイクル処理方法を提案している(特許文献3参照。)。
特開平10−292990号公報
特開2000−17319号公報
特開2002−173716号公報

概要

鉄スクラップと高炉溶銑とを併用して溶鋼を製造する際に、効率良く鉄スクラップを溶解して電力使用量を削減すると同時にスクラップから混入するCu等不純物の濃度を極力下げて、高炉転炉法で製造する高級鋼に匹敵する鋼の製造を可能とする、溶鋼の製造方法を提供すること。溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、を具備したアーク炉を用い、高炉溶銑を溶解室に直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップ及び高炉溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップを溶解して溶湯を出湯し、次に、この溶湯の少なくとも一部を高炉溶銑と混合して脱硫した後、転炉で精錬して溶鋼を得ることを特徴とする溶鋼の製造方法を用いる。

目的

本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、鉄スクラップと高炉溶銑とを併用して溶鋼を製造する際に、効率良く鉄スクラップを溶解して電力使用量を削減すると同時にスクラップから混入するCu等不純物の濃度を極力下げて、高炉—転炉法で製造する高級鋼に匹敵する鋼の製造を可能とする、溶鋼の製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型予熱室と、を具備したアーク炉を用い、高炉溶銑を溶解室に直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップ及び高炉溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップを溶解して溶湯出湯し、次に、この溶湯の少なくとも一部を高炉溶銑と混合して脱硫した後、転炉精錬して溶鋼を得ることを特徴とする溶鋼の製造方法。

請求項2

溶解室内酸素を吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の溶鋼の製造方法。

請求項3

溶解室内に補助熱源として炭材を吹き込むことを特徴とする請求項2に記載の溶鋼の製造方法。

請求項4

アーク炉から出湯する溶湯の炭素濃度を2mass%以上とすることを特徴とする請求項3に記載の溶鋼の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄源として鉄スクラップ高炉溶銑とを併用して溶鋼を製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

製鋼用アーク炉では、アーク熱にて鉄スクラップ等の鉄源を加熱・溶解し、その後炉内で精錬して溶鋼を製造するが、多くの電力消費するため、溶解中にアーク炉溶解室から発生する高温排ガスを利用して鉄スクラップを予熱し、予熱した鉄スクラップを溶解することで電力使用量を削減する方法が多数提案されている。

0003

その代表的なものが、本発明者らが先に提案した発明で、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型予熱室と、を具備したアーク炉を用い、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップをアークにて加熱して鉄スクラップを溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート分の溶湯が溜まった時点で、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で溶湯を出湯するアーク炉でのスクラップ溶解方法である(特許文献1参照。)。

0004

一方、最近のアーク炉による製造品種の高級鋼化に伴い、鉄スクラップから混入するCu、Sn、Cr等の不純物希釈するために、溶銑を鉄スクラップと共に鉄源として使用する操業が開示されている。

0005

例えば、本発明者らは先に、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、を具備したアーク炉での操業方法であって、高炉溶銑を溶解室に直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップ及び高炉溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップを溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まった時点で、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とするアーク炉操業方法を提案している(特許文献2参照。)。

0006

さらに、本発明者らは、Cuを多量に含む使用済み自動車又は使用済み家電機器からシュレッダー処理を施さずに得られた廃車プレス屑又は廃家電屑を上記の特許文献1、2に記載のアーク炉と同様のアーク溶解炉で溶解して溶銑を製造し、溶解室内に所定量の溶銑が生成した時点で出湯した後、高炉溶銑と混ぜて(希釈して)その後転炉で精錬して溶鋼を製造することを特徴とする使用済み自動車又は使用済み家電機器のリサイクル処理方法を提案している(特許文献3参照。)。
特開平10−292990号公報
特開2000−17319号公報
特開2002−173716号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記の特許文献2に記載の技術により、スクラップを予熱して効率よくアーク溶解すると同時に、50%程度の高炉溶銑を混合して用いることにより、鉄スクラップから混入するCu、Sn等の不純物濃度を希釈できるが、これでも高炉転炉法で製造される鋼の不純物濃度にはほど遠く、薄板等の高級鋼種には適用できない。例えばCu濃度が0.2mass%程度の溶鋼は製造できるが、0.05mass%以下とするのは困難である。これは、高炉溶銑のCu濃度は0.01〜0.02mass%程度であるが、スクラップ中のCu濃度は0.4mass%程度であり、スクラップと溶銑の配合比率が1:1でCu濃度は約0.2mass%となるためである。

0008

一方、特許文献3に記載の技術によりスクラップを溶解して、溶銑を電気炉で製造し、高炉溶銑と混合することでCuを希釈することができる(例えば、電気炉溶銑1に対し高炉溶銑4の割合で混ぜると、0.05mass%のCu濃度となる)。しかし、炭素(C)濃度が0.1〜0.5mass%の鋼組成のスクラップを、電気炉でコークス炭材を添加しながら溶解し、C濃度およそ4mass%の溶銑を製造するのには、コークス塊溶湯中投入して溶湯中に浸炭させる方法では非常に時間がかかり、通常の1ヒート分の溶鋼量の溶製時間(およそ40分から1時間以内)内では不可能である。また、浸炭を早くする目的で1〜2mm以下の粒径微細コークス粉を溶湯中に吹き込む方法があるが、この方法ではコークス粉が溶湯中に歩留まらず、飛散してしまうことが問題である。尚、上記の「1ヒート分の溶鋼量」とは、取鍋等の溶鋼保持搬送容器の1つの容器に収容される溶鋼量である。

0009

本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、鉄スクラップと高炉溶銑とを併用して溶鋼を製造する際に、効率良く鉄スクラップを溶解して電力使用量を削減すると同時にスクラップから混入するCu等不純物の濃度を極力下げて、高炉—転炉法で製造する高級鋼に匹敵する鋼の製造を可能とする、溶鋼の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
第1の発明による溶鋼の製造方法は、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、を具備したアーク炉を用い、高炉溶銑を溶解室に直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄スクラップ及び高炉溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップを溶解して溶湯を出湯し、次に、この溶湯の少なくとも一部を高炉溶銑と混合して脱硫した後、転炉で精錬して溶鋼を得ることを特徴とする溶鋼の製造方法。
第2の発明による溶鋼の製造方法は、第1の発明において、溶解室内に酸素を吹き込むことを特徴とするものである。
第3の発明による溶鋼の製造方法は、第2の発明において、溶解室内に補助熱源として炭材を吹き込むことを特徴とするものである。
第4の発明による溶鋼の製造方法は、第3の発明を行う際に、アーク炉から出湯する溶湯の炭素濃度を2mass%以上とすることを特徴とするものである。

0011

上記の発明において、アーク炉からの溶湯の出湯は、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で行うことが好ましい。

0012

本発明においては、高炉溶銑をアーク炉の溶解室へ直接装入して使用する。そのため、溶銑の有する潜熱及び顕熱により鉄スクラップは昇温され、鉄スクラップを少ない電力使用量で迅速に溶解することが可能となる。又、高炉溶銑は炭素を約4mass%含有しているので、溶解室内に酸素を吹き込み、溶銑中炭素を酸素で燃焼させることで、炭素の燃焼熱電力エネルギー代替になると同時に、発生する高温のCOガスシャフト内の鉄スクラップを予熱するので、電力原単位の低減と溶解の迅速性とが一層促進される。更に、溶解室内に炭材を吹き込み、炭材を酸素により燃焼させることで、炭材は溶銑中炭素と同一の作用効果を発揮して電力原単位の低減に寄与する。と同時に溶銑中のC量の減少を防止する。また、アーク炉から出湯される溶湯は、例えば50mass%分の高炉溶銑を投入して溶解した場合、およそ0.2mass%のCuの溶銑となるので、これをさらに高炉溶銑(Cu濃度:0.01〜0.02mass%)と1:4程度の割合で混合すると0.05mass%以下のCu濃度の溶銑が得られ、薄板用の鋼種にも適用できる。また、転炉で精錬する前に脱硫工程を経由するので、炭材を補助的に吹きこむ場合に炭材から混入するSも低減することができる。

0013

尚、アーク炉から出湯される溶湯のCu濃度が最初から低くなるように、アーク炉内に装入する高炉溶銑の割合を高めることも考えられそうであるが(例えば、アーク炉内でスクラップ1:高炉溶銑9の割合で溶解)、そのような操業ではスクラップの処理効率が著しく低下する。

0014

また、アーク炉から出湯する溶湯のC濃度を2mass%以上に保つことにより、高炉溶銑と混ぜる時の発塵の問題がなくなる。C濃度が2mass%未満であると(例えばC濃度1.0mass%以下)高炉溶銑鉄と混ぜる際に、高炉溶銑中のCとアーク炉からの溶湯中の酸素の反応によりC−O反応がおこり、これにより、発塵し、環境上の問題になる。それゆえ、アーク炉から出湯する溶湯のC濃度を2mass%以上とすることが好ましい。

0015

アーク炉から出湯する溶湯のC濃度を2mass%以上とするためには、アーク炉内に吹き込む炭材と酸素の量は酸素1Nm3に対し炭材(C分として)1kg以上が必要である。これにより、酸素を吹き込んでも、高炉溶銑中のCの低減が防止でき、スクラップと高炉溶銑を1:1の割合で混合した場合に最終的に得られる溶湯のC%はおよそ2mass%以上を得ることができる。

0016

尚、本発明で用いる「1ヒート分の溶鋼」とは、連続鋳造等の鋳造作業に用いる取鍋等の溶鋼保持搬送容器の1つの容器に収容される溶鋼量であり、これは鋳造作業を実施する建物クレーン等の吊り上げ荷重から決まる量である。又、本発明で使用する高炉溶銑は、高炉や溶融還元炉で製造されるものを言う。

発明の効果

0017

本発明によれば、鉄スクラップと高炉溶銑とを併用して溶鋼を製造する際に、効率良く鉄スクラップを溶解して電力使用量を削減できると共に、溶鋼の不純物濃度を下げることができる。

0018

これにより、鉄スクラップを用いて高炉—転炉法で製造する高級鋼に匹敵する鋼が製造できる。

発明を実施するための最良の形態

0019

本発明を図面に基づき説明する。図1及び図2は、本発明の実施に用いるアーク炉の一実施形態である。図1及び図2は、アーク炉設備の縦断面概略図であり、図1は溶解途中の状態を示す図であり、図2は溶解室への溶銑装入時を示す図である。図3は、図1、2に示すアーク炉を用いた本発明の一実施形態の説明図である。

0020

図1及び図2において、アーク炉1は溶解室2と予熱室3とを具備し、内部を耐火物構築され、底部に炉底電極6を備えた溶解室2の上部には、シャフト型の予熱室3と水冷構造炉壁4とが配置され、この予熱室3で覆われない炉壁4の上部開口部は、開閉自在な水冷構造の炉蓋5で覆われている。この炉蓋5を貫通して、溶解室2内へ上下移動可能な黒鉛製の上部電極7が設けられ、直流式のアーク炉1の基部が構成されている。炉底電極6と上部電極7とは直流電源(図示せず)に連結し、炉底電極6と上部電極7との間でアーク19を発生させる。

0021

予熱室3の上方には、走行台車24に吊り下げられた底開き型の供給用バケット13が設けられ、この供給用バケット13から、予熱室3の上部に設けた開閉自在な供給口20を介して鉄スクラップ15が予熱室3内に装入される。そして、予熱室3の上端に設けられたダクト21は集塵機(図示せず)に連結し、溶解室2で発生する高温の排ガスは、予熱室3及びダクト21を順に通って吸引され、予熱室3内の鉄スクラップ15は予熱される。そして、予熱された鉄スクラップ15は、溶解室2内で溶解される鉄スクラップ15の量に見合って、溶解室2内に自由落下し、溶解室2へ装入される。

0022

炉蓋5を貫通して、溶解室2内を上下移動可能な酸素吹き込みランス8と炭材吹き込みランス9とが設けられ、酸素吹き込みランス8からは酸素が溶解室2内に吹き込まれ、炭材吹き込みランス9からは空気や窒素等を搬送用ガスとしてコークス、チャー石炭木炭黒鉛等の炭材が溶解室2内に吹き込まれる。又、溶解室2の予熱室3を設置した部位の反対側には、その炉底に、扉22で出口側押さえ付けられて内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出鋼口11と、その側壁に、扉23で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出滓口12とが設けられている。この出鋼口11の鉛直上方に対応する部位の炉蓋5には、バーナー10が取り付けられている。バーナー10は、重油灯油微粉炭プロパンガス天然ガス等の化石燃料を、空気又は酸素若しくは酸素富化空気により溶解室2内で燃焼させる。バーナー10は必要に応じて取り付けることができる。

0023

溶解室2の上方にはクレーン(図示せず)が設置されており、上部電極7、酸素吹き込みランス8、炭材吹き込みランス9、及びバーナー10が予め取り外された炉蓋5を開放して、クレーンにて搬送された供給用取鍋14aから溶銑16を溶解室2内に装入する構造になっている。

0024

この直流式のアーク炉1における操業は、先ず、供給用バケット13より予熱室3内に鉄スクラップ15を装入する。予熱室3内に装入された鉄スクラップ15は、溶解室2内にも装入され、やがて予熱室3内を充填する。次いで、図2に示すように、炉蓋5を開放して高炉溶銑16を収容する供給用取鍋14aをクレーンにて溶解室2の直上に搬送し、供給用取鍋14aから溶解室2内に溶銑16を装入する。装入完了後、炉蓋5を閉め、上部電極7を溶解室2内に下降させる。又、生石灰蛍石等のフラックスを炉壁4に設けた供給口(図示せず)から溶解室2内に装入する。尚、溶解室2内へ鉄スクラップ15を均一に装入するため、炉蓋5を開けた状態で、予熱室3と反対側の溶解室2内に鉄スクラップ15を装入することもできる。

0025

次いで、炉底電極6と上部電極7との間に直流電流給電しつつ上部電極7を昇降させ、高炉溶銑16と上部電極7との間、又は、装入された鉄スクラップ15と上部電極7との間でアーク19を発生させ、アーク熱により鉄スクラップ15を溶解する。同時に、フラックスを溶解して溶融スラグ18を生成させる。溶融スラグ18は、生成される溶湯17を保温する。溶融スラグ18の量が多すぎる場合には、操業中でも出滓口12から、排滓することができる。

0026

通電後、酸素吹き込みランス8及び炭材吹き込みランス9の溶解室2内への挿入が可能となったら、図1に示すように、酸素吹き込みランス8及び炭材吹き込みランス9から、酸素及び炭材を溶解室2内の溶銑16又は溶融スラグ18中に吹き込むことが好ましい。

0027

溶銑16中の炭素は酸素と反応して脱炭され、反応生成物のCOガスが溶融スラグ18をフォーミングさせ、アーク19が溶融スラグ18に包まれるので、アーク19の着熱効率が上昇する。又、大量に発生する高温のCOガスと、このCOガスが燃焼して生成するCO2ガスとが、予熱室3内の鉄スクラップ15を効率良く予熱する。酸素吹き込み量は、溶解開始から出湯までの間に溶解室2内で滞留する溶湯17のトン当たり15Nm3(以下、「Nm3/t」と記載する。)以上とすることが好ましい。

0028

溶解室2内に吹き込まれ、溶湯17中に溶解した炭材又は溶融スラグ18中に懸濁した炭材は、酸素と反応して燃焼熱を発生し、補助熱源として作用して電力使用量を節約すると同時に、溶銑16中にもともと存在していた炭素と同様、アーク19の着熱効率を上昇させると共に、鉄スクラップ15の予熱効率を向上させる。この炭材の吹き込み量は、酸素吹き込み量に対応して決められる。即ち、吹き込まれる炭材の炭素量が、吹き込まれる酸素の化学等量に等しいまたはそれ以上の炭材を吹き込むこととすることが好ましい。吹き込まれる炭材が少なくて酸素吹き込み量に比べて少ないと、例えば高炉溶銑とスクラップの比率が1:1の場合、溶湯17の最終C濃度が2mass%以下になることとなり、好ましくない。

0029

又、溶解室2内の鉄スクラップ15の溶解に伴い、予熱室3内の鉄スクラップ15は溶解室2内で溶解された量に見合って溶解室2内に自由落下して減少するので、この減少分を補うために供給用バケット13から予熱室3へ鉄スクラップ15を装入する。この鉄スクラップ15の予熱室3内への装入は、鉄スクラップ15が予熱室3と溶解室2とに連続して存在する状態を保つように、連続的又は断続的に行う。その際に、予熱室3と溶解室2とに連続して存在する鉄スクラップ15の量を、1回の出湯量の鉄スクラップ15の50mass%以上とすることが好ましい。

0030

このようにして鉄スクラップ15及び溶銑16を加熱して鉄スクラップ15を溶解し、溶解室2内に溶湯17を溜めると共に、溶湯17の炭素濃度を測定し、必要により炭材吹き込みランス9からの炭材吹き込み量とを調整して溶湯17の炭素濃度を2%以上に調整する。次いで、傾動装置(図示せず)により溶解室2を傾動して出湯口11から溶湯保持搬送容器30(図3)に溶湯17を出湯する。この場合、溶湯17中に鉄スクラップ15が埋没して共存しているので、溶湯温度は1400℃程度になり、大きな溶湯過熱度を得ることができない。そのため、出湯口11の閉塞等の溶湯温度の低下に伴うトラブルを防止するため、出湯時にバーナー10で溶湯17を加熱することが好ましい。

0031

出湯後、図3に示すように、高炉溶銑の入っている31で、高炉溶銑と1:4程度(アーク炉の溶湯1:高炉溶銑4)となるようアーク炉からの溶湯を混ぜ、その後、鍋31において溶湯の脱硫を行う脱硫工程を経て、転炉32で脱炭処理を行い、溶鋼を得る。

0032

一方アーク炉1は、溶湯17を出湯し、更に溶融スラグ18を排滓した後、溶解室2を傾動装置にて水平に戻し、出湯口11及び出滓口12内に詰め砂又はマッド材を充填し、次いで、高炉溶銑16を溶解室2へ再度装入して操業を継続する。次回の加熱(ヒート)は予熱された鉄スクラップ15で溶解を開始することができる。

0033

このようにして、鉄スクラップ15と高炉溶銑16とを加熱・溶解することで、溶銑16の有する潜熱及び顕熱により鉄スクラップ15が昇温されることに加えて、操業の最初のヒートで溶解する鉄スクラップ15は予熱されないが、その後のヒートで溶解される鉄スクラップ15は全て予熱されて予熱効率の極めて高い状態で操業可能となることにより、生産性の向上と電力原単位の低減とが可能になる。また、アーク炉出湯後の溶湯は、さらに高炉溶銑と混合するので、スクラップ中のCu濃度が高くても、高炉溶銑による希釈効果により、Cu濃度0.05mass%以下の高級鋼の製造にも用いることができる。また、この際に、アーク炉から出湯される溶湯のC濃度を2mass%以上に保つことで、アーク炉から出湯される溶湯と高炉溶銑とを混ぜる場合の発塵の問題も避けることができる。

0034

尚、上記説明では、高炉溶銑16を溶解開始前に溶解室2内に装入しているが、高炉溶銑16の溶解室2への装入時期は上記に限るものではなく、溶解途中であっても良い。又、溶銑16の装入方法も上記に限るものではなく、炉壁4を貫通するを設けて樋から装入しても良い。樋にて装入すれば炉蓋5を開閉する必要がなく、生産性の向上及び電力原単位の低減が更に達成される。又、上記説明では、アーク炉1が直流式の場合について説明したが、交流式アーク炉を用いる場合であっても全く支障なく本発明を適用することができる。

0035

図1に示す直流式アーク炉を用いた場合の本発明の実施例を以下に説明する。アーク炉は、溶解室が炉径7.2m、高さ4m、予熱室が幅3m、長さ5m、高さ7m、炉容量が180トンである。先ず、予熱室に約70トンの常温の鉄スクラップを装入し、次いで、溶解室に約70トンの溶銑(炭素濃度;4.5mass%)と、30トンの常温の鉄スクラップとを装入して直径30インチの黒鉛製上部電極を用い、最大750V、130KAの電源容量により溶解を開始した。又、通電直後、生石灰と蛍石とを添加すると共に、酸素吹き込みランスから酸素を1800Nm3/hr、炭材吹き込みランスからコークスを36kg/minとして溶解室内に吹き込んだ。生石灰及び蛍石は加熱されて溶融スラグとなり、そして、酸素とコークスの吹き込みにより、溶融スラグはフォーミングして上部電極の先端は溶融スラグ中に埋没した。この時の電圧を550Vに設定した。なお、スクラップの溶解に対しては酸素吹き込み量は15Nm3/t、及びコークス吹き込み量は18kg/tの条件で、電力の使用量は130kWh/tであった。

0036

その後、予熱室内の鉄スクラップが溶解につれて下降したら、供給用バケットにて鉄スクラップを予熱室に装入し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の高さに保持しながら溶解を続け、そして、溶解室内に140トン以上の溶湯が生成した時点で、140トンの溶湯を取鍋に出湯した。出湯時、重油バーナーにより溶湯を加熱した。出湯時の溶湯の炭素濃度は2.3mass%で、溶湯温度は1420℃であった。また、Cu濃度は0.18mass%であった。出湯後、70トンの高炉溶銑を溶解室に再度装入し、次いで、酸素とコークスの吹き込みを再開し、再び溶湯量が140トン以上になったら140トン出湯することを繰り返し実施した。

0037

一方出湯後の溶湯(炭素濃度は2.3mass%で、Cu濃度は0.18mass%)の半分約70トンを230トンの高炉溶銑に混ぜ、トータル300トンにしにて脱硫し、その後転炉で脱炭し、1620℃に昇温した後、溶鋼を出鋼して連続鋳造機により鋳造した。この時の鋼はCu濃度が0.5mass%であった。アーク炉から取鍋に出湯した溶湯の、残りの半分約70トンも同様に処理して鋳造した。

図面の簡単な説明

0038

本発明の実施に用いるアーク炉の一実施形態であり、アーク炉設備の縦断面概略図である。
本発明の実施に用いるアーク炉の一実施形態であり、アーク炉設備の縦断面概略図である。
本発明の一実施形態の説明図。

符号の説明

0039

1アーク炉
2溶解室
3予熱室
4炉壁
5炉蓋
6炉底電極
7 上部電極
8酸素吹き込みランス
9炭材吹き込みランス
10バーナー
11 出鋼口
12出滓口
13 供給用バケット
14a、b 供給用取鍋
15鉄スクラップ
16溶銑
17溶湯
18溶融スラグ
19アーク
20 供給口
21ダクト
22 扉
23 扉
24走行台車
30 溶湯保持搬送容器
31鍋
32 転炉

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