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技術 車載モータコア用鋼板

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 藤田耕一郎花澤和浩
出願日 2007年10月22日 (12年5ヶ月経過) 出願番号 2007-273707
公開日 2009年5月14日 (10年10ヶ月経過) 公開番号 2009-102682
状態 拒絶査定
技術分野 電磁鋼板の製造 軟質磁性材料
主要キーワード 調整圧延 コア用材料 車載モータ 打抜き後 相当材 温度バラツキ 低減対策 低鉄損特性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年5月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

鋼板薄肉化やSiの添加、打抜き後焼鈍処理などモータコア製造コスト上昇を招くことなく、鉄損を効果的に改善することができる車載モータコア用鋼板を提供する。

解決手段

C:0.005mass%以下、Si:0.05mass%未満、Mn:0.1〜0.5mass%、Cr:0.02〜0.20mass%、P:0.1mass%以下、S:0.01mass%以下、Sol. Al:0.004mass%以下、N:0.005mass%以下およびO:0.02mass%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物成分組成とし、さらに平均結晶粒径を40μm以上であり、かつ板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50を13W/kg以下とする。

概要

背景

近年、燃費の改善や快適性の向上といった観点から、自動車電装化が進んでおり、自動車一台あたり50〜100個ものモータが搭載されている。このうち、ワイパーパワーウインドウ用などの小型モータは、小型・軽量化の他に低コスト化が重要である。このため、駆動周波数が高くない場合には、モータのコア用材料として、JIS G 3141に規定されるSPCCなどの冷延鋼板(以下、SPCCという)が用いられている。このSPCCは、飽和磁束密度が高いという利点を有する一方で鉄損が高いため、鉄損特性が要求される場合には、板厚の薄い鋼板を用いた低鉄損化が図られている。すなわち鉄損には、ヒステリシス損渦電流損がある。板厚を薄くすること(薄肉化)により、このうちの渦電流損を低減することができる。しかしながら、薄肉化は、鋼板の製造コストを上昇させるだけでなく、コアの製造コストをも上昇させる。これは、同じ高さのコアを製造する際、薄肉の鋼板を用いる場合には、鋼板の使用枚数が増加することにより、鋼板の打抜き回数積層回数が増加するためである。このため、車載モータコア用鋼板としては板厚がより厚い、具体的には、現在0.6mmで使用されている場合には、0.8mm以上にまで厚肉化できる鋼板が望まれている。

なお、SPCCについて低鉄損化を図るには、鋼板の結晶粒の粗大化と打抜き後加工歪みを低減する方法も有効である。セミプロセス電磁鋼板の製造方法にならい、SPCCを打抜き後に焼鈍することにより低鉄損化を図る方法であるが、焼鈍処理を行うため、モータコアの製造コストの上昇を招く。

また、鉄損低減対策として、特許文献1および2で示されるようなSiを添加した無方向性電磁鋼板を利用する方法がある。Siの添加は、ヒステリシス損と渦電流損の両方を低減するものである。しかしながら、Siの添加によって鋼板の製造コストそのものが上昇するのに加え、鋼板の高硬度化による打抜きコストの上昇も招くため、その採用は限られている。
特許第3500009号公報
特開2003-113452号公報

さらに、鉄損の低い鋼板を製造できる方法として、特許文献3の方法も知られている。しかしこの方法では、熱間圧延での仕上圧延完了温度を900℃以上と高温とした上で、700〜850℃の高温で巻き取る必要があるため、温度確保が難しく、また厚いスケールの生成などに起因して表面性状が悪くなりやすく、生産性が悪い。さらに冷間圧延後の連続焼鈍において、一定温度まで冷却制御により徐冷する必要があるため、連続焼鈍ライン通板速度が制限され、この点でも生産性が低下する。このため、特許文献3の方法でも製造コストの上昇が避けられなかった。
特開平8-295935号公報

概要

鋼板の薄肉化やSiの添加、打抜き後の焼鈍処理などモータコアの製造コスト上昇を招くことなく、鉄損を効果的に改善することができる車載モータコア用鋼板を提供する。C:0.005mass%以下、Si:0.05mass%未満、Mn:0.1〜0.5mass%、Cr:0.02〜0.20mass%、P:0.1mass%以下、S:0.01mass%以下、Sol. Al:0.004mass%以下、N:0.005mass%以下およびO:0.02mass%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物成分組成とし、さらに平均結晶粒径を40μm以上であり、かつ板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50を13W/kg以下とする。

目的

本発明は、上記の実情に鑑み開発されたもので、打抜き後の焼鈍処理やSiの添加などモータコアの製造コスト上昇を招くことなく、鉄損を効果的に改善して、従来使用されていたSPCCに比べ、より厚肉化しても、同等以上の鉄損を確保できる車載モータコア用鋼板、例えば、板厚:0.6mmのSPCCと同等以上の特性を、板厚:0.8mmとしても確保できる車載モータコア用鋼板を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

C:0.005mass%以下、Si:0.05mass%未満、Mn:0.1〜0.5mass%、Cr:0.02〜0.20mass%P:0.1mass%以下、S:0.01mass%以下、sol. Al:0.004mass%以下、N:0.005mass%以下およびO:0.02mass%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物成分組成になり、平均結晶粒径が40μm以上であり、かつ板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50が13W/kg以下であることを特徴とする車載モータコア用鋼板

技術分野

0001

本発明は、自動車ワイパーパワーウインドウなどに用いる小型モータコア材料として好適な車載モータコア用鋼板に関し、Siの添加や板厚薄肉化、打抜き後焼鈍処理など、モータコア製造コストの上昇を招く手段によらずに鉄損を改善しようとするものである。

背景技術

0002

近年、燃費の改善や快適性の向上といった観点から、自動車の電装化が進んでおり、自動車一台あたり50〜100個ものモータが搭載されている。このうち、ワイパーやパワーウインドウ用などの小型モータは、小型・軽量化の他に低コスト化が重要である。このため、駆動周波数が高くない場合には、モータのコア用材料として、JIS G 3141に規定されるSPCCなどの冷延鋼板(以下、SPCCという)が用いられている。このSPCCは、飽和磁束密度が高いという利点を有する一方で鉄損が高いため、鉄損特性が要求される場合には、板厚の薄い鋼板を用いた低鉄損化が図られている。すなわち鉄損には、ヒステリシス損渦電流損がある。板厚を薄くすること(薄肉化)により、このうちの渦電流損を低減することができる。しかしながら、薄肉化は、鋼板の製造コストを上昇させるだけでなく、コアの製造コストをも上昇させる。これは、同じ高さのコアを製造する際、薄肉の鋼板を用いる場合には、鋼板の使用枚数が増加することにより、鋼板の打抜き回数積層回数が増加するためである。このため、車載モータコア用鋼板としては板厚がより厚い、具体的には、現在0.6mmで使用されている場合には、0.8mm以上にまで厚肉化できる鋼板が望まれている。

0003

なお、SPCCについて低鉄損化を図るには、鋼板の結晶粒の粗大化と打抜き後の加工歪みを低減する方法も有効である。セミプロセス電磁鋼板の製造方法にならい、SPCCを打抜き後に焼鈍することにより低鉄損化を図る方法であるが、焼鈍処理を行うため、モータコアの製造コストの上昇を招く。

0004

また、鉄損低減対策として、特許文献1および2で示されるようなSiを添加した無方向性電磁鋼板を利用する方法がある。Siの添加は、ヒステリシス損と渦電流損の両方を低減するものである。しかしながら、Siの添加によって鋼板の製造コストそのものが上昇するのに加え、鋼板の高硬度化による打抜きコストの上昇も招くため、その採用は限られている。
特許第3500009号公報
特開2003-113452号公報

0005

さらに、鉄損の低い鋼板を製造できる方法として、特許文献3の方法も知られている。しかしこの方法では、熱間圧延での仕上圧延完了温度を900℃以上と高温とした上で、700〜850℃の高温で巻き取る必要があるため、温度確保が難しく、また厚いスケールの生成などに起因して表面性状が悪くなりやすく、生産性が悪い。さらに冷間圧延後の連続焼鈍において、一定温度まで冷却制御により徐冷する必要があるため、連続焼鈍ライン通板速度が制限され、この点でも生産性が低下する。このため、特許文献3の方法でも製造コストの上昇が避けられなかった。
特開平8-295935号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記の実情に鑑み開発されたもので、打抜き後の焼鈍処理やSiの添加などモータコアの製造コスト上昇を招くことなく、鉄損を効果的に改善して、従来使用されていたSPCCに比べ、より厚肉化しても、同等以上の鉄損を確保できる車載モータコア用鋼板、例えば、板厚:0.6mmのSPCCと同等以上の特性を、板厚:0.8mmとしても確保できる車載モータコア用鋼板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決すべく、発明者らは鋭意研究を重ね、sol.Al、NおよびOを低減したCが0.005%以下の極低炭素鋼に、Crを適量含有させ、平均結晶粒径を40μm以上とすることにより、鉄損を効果的に低減できることを見出した。

0008

すなわち、本発明は、
C:0.005mass%以下、
Si:0.05mass%未満、
Mn:0.1〜0.5mass%、
Cr:0.02〜0.20mass%
P:0.1mass%以下、
S:0.01mass%以下、
sol. Al:0.004mass%以下、
N:0.005mass%以下および
O:0.02mass%以下
を含み、残部はFeおよび不可避的不純物成分組成になり、平均結晶粒径が40μm以上であり、かつ板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50が13W/kg以下であることを特徴とする車載モータコア用鋼板である。

発明の効果

0009

本発明によれば、鋼板の薄肉化やSiの添加、打抜き後の焼鈍処理など、モータコアの製造コストの上昇を招く不利なしに、低鉄損の車載モータコア用鋼板を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼板の成分範囲を上記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.005mass%以下
Cは、炭化物を形成して磁気特性劣化させる元素であるため、その上限を0.005mass%とする。より好適には、0.004mass%以下である。

0011

Si:0.05mass%未満
Siは、脱酸剤として有効なだけでなく、渦電流損失を低減させる有用元素であるが、含有量が0.05mass%以上となると表面性状の劣化を招く。それ故、Si量は0.05mass%未満に限定した。

0012

Mn:0.1〜0.5mass%
Mnは、硫化物を形成して熱間脆性を改善する元素であり、そのためには0.1mass%以上の添加を必要とする。一方、0.5mass%を超えて添加しても効果は飽和し、コストアップを招くだけなので、上限は0.5mass%とする。

0013

Cr:0.02〜0.20mass%
本発明では、このCrが重要であり、Cr添加によって酸化物形態制御を図ることができる。
本発明のような、C、SiおよびAlなどの脱酸元素を上記のように限定した鋼では、酸化物の生成量は少ないとはいえ、幾分は残っており、微細な酸化物を形成して粒成長性阻害する。本発明では、かような鋼材にCrを含有させることによって、酸化物の粗大化を図る。具体的には、例えば0.5μm程度であった酸化物が1μm程度にまで粗大化するように、結晶粒の成長性を向上させるのである。このためには少なくとも0.02mass%のCr添加が必要である。一方、過度の添加は、炭窒化物の形成により磁気特性を劣化させるため、その上限を0.20mass%とする。より好適には、0.02〜0.08mass%の範囲である。

0014

P:0.1mass%以下
Pは、固溶強化元素として有効であるが、0.1mass%を超えて含有すると粒界に偏析して粒成長性を阻害するため、その上限を0.1mass%とする。より好ましくは、0.02mass%以下である。

0015

S:0.01mass%以下
Sは、硫化物を形成して磁気特性を劣化させる元素であり、極力低減することが好ましいが、0.01mass%までは許容できるため、その上限を0.01mass%とする。

0016

sol. Al:0.004mass%以下
sol. Alは、微細なAlNを形成することによって結晶粒の成長を阻害し、著しく鉄損を劣化させる。従って、極力低減させることが好ましいが、0.004mass%までは許容できる。より好適には、0.002mass%以下である。

0017

N:0.005mass%以下
Nは、少ないほど望ましく、特に0.005mass%を超えて含有すると、AlNを形成して結晶粒の成長を阻害し鉄損を劣化させるため、その上限を0.005mass%とする。より好適には0.003mass%以下である。

0018

O:0.02mass%以下
Oは、介在物を生成させて磁気特性および加工性を劣化させるため、少ないほど好ましく、その上限を0.02mass%とする。ただし、過度の低減は固溶Alや固溶Siの増加を招くため、その下限は0.003mass%とすることが好ましい。

0019

本発明の鋼板において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものでない。

0020

次に、平均結晶粒径、板厚および板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50の限定理由について、後述する実施例1をもとに作成した図1を用いて説明する。ここに図1は、平均結晶粒径と板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50との関係を示したものであり、併せてSPCC相当材の板厚:0.6mm(表2−No.6)および0.8mm(表2−No.7)における鉄損W15/50も示してある。

0021

板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50:13W/kg以下
本発明の鋼板では、上記したように、SPCCよりも低い鉄損値を実現して、SPCCに比べ厚肉化を達成する。例えば板厚:0.8mmにおいて、鉄損W15/50:13W/kg以下を達成して、板厚:0.6mmのSPCCと同等以上の鉄損を確保する。このことから、板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50の上限を13W/kgとした。
なお、上述したように鉄損W15/50は板厚の影響を大きく受けるため、鉄損W15/50の範囲を限定するにあたっては、板厚:0.8mmにおける代表値とした。

0022

平均結晶粒径:40μm以上
図1より、本発明が目的とする鉄損W15/50の低減は、平均結晶粒径:40μm以上のときに認められるため、下限値を40μmとした。すなわち平均結晶粒径:40μm以上とすることで、板厚:0.8mmにおいても板厚:0.6mmのSPCC相当材以上の鉄損特性を達成することができる。

0023

なお、本発明の車載モータコア用鋼板の板厚は、概ね0.5〜1.6mmである。板厚が0.5mm未満の場合、鋼板そのものの製造コストのみならず、打抜き回数および積層回数の増加により、モータコアの製造コストが増加するため好ましくない。一方、1.6mmを超えるとモータコア用鋼板としての所望の鉄損を得ることが困難となるため好ましくない。

0024

次に、本発明の鋼板の好適製造方法について説明する。
上記した好適成分組成に調整した鋼片を、1000〜1180℃に加熱したのち、700℃以上900℃未満の仕上げ温度で熱間圧延し、560℃以上700℃未満の温度で巻き取る。鋼の加熱温度が高すぎるとMnSなどが固溶して熱延板に微細析出し、焼鈍時の粒成長性を阻害するため好ましくない。熱延板の結晶粒径を粗大にするために、仕上げ温度は、二相域またはα単相域とし、560℃以上の高温で巻き取ることが望ましい。なお、巻取温度は、高すぎると温度バラツキによる特性値バラツキが生じやすく、また表面性状も悪化しやすいので、700℃未満とすることが好ましい。ついで、得られた熱延板を酸洗後、80%以下の圧延率で冷間圧延を行う。冷間圧延率が80%を超える場合、焼鈍後の結晶粒径が粗大化し難いため、冷間圧延率は80%以下とすることが望ましい。さらに、冷間圧延した鋼板を再結晶温度以上の温度(好ましくは750℃以上)で焼鈍することによって、平均結晶粒径が40μm以上の鋼板を得ることができる。

0025

焼鈍後の鋼板は、ハンドリング性を向上させるために通常調質圧延が施される。調質圧延の伸び率(以下、調質圧延率という)の好適範囲は、0.1〜4%である。車載モータコア用鋼板は、積層して使用されるため、平坦性の確保が必要であることから、調質圧延率の下限は0.1%とすることが好ましい。一方、4%を超える調質圧延率は、圧延機への負荷が高く、メンテナンス費用などのコスト高を招くため、上限は4%とすることが望ましい。また、モータコアにシャフト圧入する工程などで鋼板の強度が要求される場合には、調質圧延率を1〜4%とすることによって、低鉄損特性と強度のバランスに優れた車載モータコア鋼板を得ることができる。なお、理由は不明であるが、調質圧延率:1%未満で鉄損が改善される。

0026

表1の鋼種aに示す成分組成からなる鋼(適合鋼)を、1150℃で1時間加熱後、仕上げ温度830℃で熱間圧延したのち、600℃まで空冷し、600℃、1時間の条件で巻き取り相当の熱処理を施したのちに炉冷して板厚:2.3mmの熱延板とした。ついで酸洗後、65%の圧下率で冷間圧延して板厚:0.8mmの冷延板とした後、700、750、800および850℃で1分の焼鈍を施し、その後、調質圧延率:0.8%で調質圧延して車載モータコア用の鋼板を製作した。また、比較鋼として、Crを含有しない表1の鋼種bを、鋼種aと同様の条件で冷間圧延まで行い、800℃で1分の焼鈍を施し、その後、鋼種aと同様に調質圧延を行った。
さらに、従来材としてSPCC相当材を次の要領で準備した。表1に示す従来鋼である鋼種cに示す成分組成からなる鋼片を、1200℃で1時間加熱後、仕上げ温度890℃で熱間圧延したのち、600℃まで空冷し、600℃、1時間の巻き取りを行ったのちに炉冷して板厚:2.3mmの熱延板とした。この熱延板を、板厚:0.8mmおよび0.6mmに冷間圧延した後、再結晶温度以上である750℃、1分の焼鈍を施し、調質圧延率:0.8%で調質圧延した。

0027

0028

かくして得られた鋼板の平均結晶粒径、板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50および機械的性質調査した。平均結晶粒径は、JIS G 0552で規定される切断法により測定した。板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50は、25cmエプスタイン試験片を、鋼板圧延長手方向および圧延直角方向からそれぞれ4枚づつ採取して測定を行い、合計8枚の平均値で評価した。機械的性質は、JIS5号試験片を鋼板の圧延長手方向に沿って採取し、引張試験を行って求めた。
結果を表2に示す。なお、表中のNo.1〜5について、平均結晶粒径と板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50の関係でまとめたものが前掲した図1である。なお、図中には、SPCC相当材の板厚:0.6mm(表2−No.6)および0.8mm(表2−No.7)における鉄損W15/50も示してある。

0029

0030

表2に示したとおり、No.3および4の発明例のように、平均結晶粒径を40μm以上にすることにより、板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50を13W/kg以下まで低減することができる。この点、同一鋼種でも平均結晶粒径が本発明の下限に満たなかったNo.1、2の比較例は、満足できる鉄損値を得ることができなかった。また、Crを含有しない鋼種bを用いたNo.5では、発明例No.3と同じ製造条件でも結晶粒の粗大化を十分に達成することができず、満足できる鉄損値を得ることができなかった。また、図1より、板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50:13W/kg以下を達成した本発明の車載モータコア用鋼板は、従来から用いられているSPCC相当材の板厚:0.6mmにおける鉄損W15/50:13.7W/kgよりも鉄損特性が向上している。つまり、本発明により、低鉄損化が達成されるため、従来材であるSPCCに対し厚肉化を達成できることを意味している。

0031

表3の鋼種d、eおよびfに示す成分組成からなる鋼片を、1150℃で1時間加熱後、仕上げ温度830℃で熱間圧延したのち、600℃まで空冷し、600℃、1時間の条件で巻き取り相当の熱処理を施したのちに炉冷して板厚:2.3mmの熱延板とした。ついで酸洗後、65%の圧下率で冷間圧延して板厚:0.8mmの冷延板とし、850℃、1分の焼鈍を施した後、調質圧延して車載モータコア用鋼板を製作した。なお、鋼種dについては、調質圧延率を0.5〜4%の範囲で変化させた。鋼種eおよびfについては、調質圧延率を1.0%とした。
また、比較例として、Crの含有量が0.20mass%を超える鋼種g、sol.Alの含有量が多い鋼種h、Cおよびsol.Alの含有量が多い鋼種iについて同様の方法で鋼板を製作した。なお、鋼種g〜iについては、1.0%の調質圧延を施した。

0032

0033

かくして得られた鋼板の平均結晶粒径、鉄損W15/50および機械的性質を調査した。平均結晶粒径は、JIS G 0552で規定される切断法により測定した。鉄損は、25cmエプスタイン試験片を、鋼板の圧延長手方向および圧延直角方向からそれぞれ4枚づつ採取して測定を行い、合計8枚の平均値で評価した。機械的性質は、JIS5号試験片を鋼板の圧延長手方向に沿って採取し、引張試験を行って求めた。また、調質圧延後における鋼板の形状についても評価を行った。なお、形状とは平坦度のことであり、JIS G 3141の平坦度Aを満足する場合に、形状良好(○)とした。
結果を表4に示す。なお、表中のNo.8〜11について、調質圧延率と板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50との関係をまとめたものが図2である。参考までに、調質圧延前の鋼板(調質圧延率:0%)についても、鉄損W15/50を調査し、図2に併せて示した。なお、該調質圧延前の鋼板は、形状は良好ではなかった。

0034

0035

表4に示したとおり、No.8〜13の発明例はいずれも、平均結晶粒径:40μm以上、かつ板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50:13W/kg以下の優れた特性を示す。
これに対し、No.15および16の比較例では、再結晶温度以上である850℃で焼鈍を施しても平均結晶粒径が30μm未満であり、板厚:0.08mmにおける鉄損W15/50も15W/kgを超えている。また、No.14のCrが0.20mass%を超えて含まれる比較例は、結晶粒成長性に劣り、鉄損値が13W/kgを超えるという結果となり、Crの含有量の上限が0.20mass%である必要性が確認できた。
次に、機械的性質については、調質圧延率を大きくすると鋼板の降伏点は上昇した。ここで、車載モータコアでは、シャフトを圧入して固定する際の、圧入工程での作業性向上や圧入後のシャフトとの固縛性向上のため、車載モータコア用鋼板に所定の降伏点が要求される場合がある。しかしながら、図2に示したように、調質圧延率が1%を超えると板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50が劣化する傾向にあるため、要求される降伏点に応じて調質圧延率を適宜選択すればよい。また、一般的に調質圧延率を上げると鉄損は劣化するといわれてきたが、本実施例では、理由は不明であるが、調質圧延率が1%未満においては、調整圧延率を上げると鉄損が低減されることが確認された。

図面の簡単な説明

0036

平均結晶粒径と板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50との関係を示すグラフである。
調質圧延率と板厚:0.8mmにおける鉄損W15/50との関係を示すグラフである。

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