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技術 車体下部の補強構造

出願人 トヨタ車体株式会社トヨタ自動車株式会社
発明者 河野健司
出願日 2007年10月23日 (13年3ヶ月経過) 出願番号 2007-274863
公開日 2009年5月14日 (11年9ヶ月経過) 公開番号 2009-101825
状態 未査定
技術分野 車両用車体構造
主要キーワード ボルト締め連結 鈍角状 長手方向中間位置 剛性強化 オリフイス 部補強構造 伸縮変位 振動減衰作用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年5月14日)のものです。
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図面 (7)

課題

車体下部の捩じれ剛性強化し、かつ良好な乗り心地性能を発揮させること。

解決手段

車室フロアFの左右の両側縁に沿って設置されたロッカー3と、車室フロアFから延出する左右のサイドメンバ1,1の延出部1a,1a間に架設されたクロスメンバ2の車幅方向中央部とを、長手方向中間位置がほぼ水平に緩やかな鈍角状屈曲して同一方向へ向けて開いたほぼく字形をなす左右のブレース5a,5bで連結する。そして両ブレース5a,5bの長手方向中間の屈曲部51,51間にこれらを水平に方向に沿って連結するダンパー緩衝部材)6を架設し、両ブレース5a,5bとダンパー6との組み合わせにより車体の捩じれを抑制するとともに振動減衰させて良好な乗り心地を実現する。

概要

背景

自動車、例えば固定ルーフ部の無いオープンカーは車体の捩じれ剛性が充分とは言えず、車両走行時にサスペンションからの入力等で車体が捩じれ振動しやすいといった不具合がある。そこで従来のオープンカーでは、車室フロアの前部の左右両側位置と、車室フロアから前方へ延出する左右のフロントサイドメンバの延出部間を架け渡すクロスメンバ(フロントサスペンションクロスメンバ)とをブレースで連結することが行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。

図5、図6はこの種の補強構造の従来の代表例を示し、車両前後方向に平行に延びる左右のフロントサイドメンバ1,1は、前半が車室フロアFの前縁から前方のエンジンルーム側に延出され、延出部1a,1aは、車室フロアFの前縁からキックアップしつつ車室フロアFよりも一段高い位置に設けられる。そして両延出部1a,1aの下面間にはこれらよりも一段低い位置で車幅方向に延びるサスペンションクロスメンバ2が設けられている。

そして、上記サスペンションクロスメンバ2の車幅方向中央部と車室フロアF下面側の左右のフロントサイドメンバ1,1の基端部とを金属製の棒材またはパイプ材からなる左右一対のブレース5,5で水平方向かつ平面視ほぼV字形に連結することが行なわれている。図中3は、車室フロアFの左右両側のロッカーを表す。
これによれば、車両走行時にフロントサスペンションからの入力などにより左右のフロントサイドメンバ1,1の延出部1a,1aがこれらの車幅方向の中央位置Tを中心に上下逆方向に変位(矢印R)し、これに連動してサスペンションクロスメンバ2の中央部が車幅方向左右に揺動(矢印S)しようとするが、左右のブレース5,5を設けたことでクロスメンバ2の揺動が抑制され、これに伴いフロントサイドメンバ1,1の延出部1a,1aの上下逆方向の変位が抑えられ、車体の捩じれ振動が抑制される。

ところで、直線状の棒材やパイプ材からなるブレース5,5ではフロントサスペンションからの入力による衝撃がそのまま車室フロア側に伝わって、走行時に乗員にゴツゴツ感を与えるため、ブレースを若干細くするなどして突っ張り力が発揮される範囲で剛性を低くし、下記特許文献2に開示されたように、左右の各ブレースと平行に、ブレースの一方の端末のクロスメンバとの結合部、および他方の端末の車室フロア側との結合部間緩衝部材(減衰力発生手段)を設けることが提案されている。
また、ブレースと緩衝部材を併用して、車体の捩れに対する剛性強化乗り心地性能を向上する他の従来構造として、下記特許文献3に左右のブレースの車室フロア側への結合部間に、車幅方向に緩衝部材(車体用補強装置)を架設することが提案されている。
特開平5−116648号公報
国際公開第2005/077738号パンフレット
国際公開第2006/090586号パンフレット

概要

車体下部の捩じれ剛性を強化し、かつ良好な乗り心地性能を発揮させること。車室フロアFの左右の両側縁に沿って設置されたロッカー3と、車室フロアFから延出する左右のサイドメンバ1,1の延出部1a,1a間に架設されたクロスメンバ2の車幅方向中央部とを、長手方向中間位置がほぼ水平に緩やかな鈍角状屈曲して同一方向へ向けて開いたほぼく字形をなす左右のブレース5a,5bで連結する。そして両ブレース5a,5bの長手方向中間の屈曲部51,51間にこれらを水平に方向に沿って連結するダンパー(緩衝部材)6を架設し、両ブレース5a,5bとダンパー6との組み合わせにより車体の捩じれを抑制するとともに振動を減衰させて良好な乗り心地を実現する。

目的

しかしながら、特許文献2、3に記載の構造では、左右のフロントサイドメンバの上下の変位量に対して、緩衝部材を架設したブレースの両端間の距離、左右のブレースの車室フロア側との結合部間の距離の変化量が小さく、これらの小さい変化を緩衝部材で抑制することは困難で、車体の捩じれに対する剛性の強化と、良好な乗り心地性能の向上とを両立することが難しいといった問題があった。小さい変化量に対して感度よく作用する専用の緩衝部材を用いることも考えられるが、この種の緩衝部材は高価なものとなり、実用的とは言えないし、またフロントサイドメンバの変位量に対して伸縮量の変化が小さい部材に緩衝部材を設けて、これによりフロントサイドメンバの変位を抑制することは効果的な方法とは言えない。
そこで本発明は、車体の捩じれに対する剛性を確保でき、かつ良好な乗り心地性能を発揮させることができる車体下部の補強構造を提供することを課題としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

自動車車室フロアの端部から延出して車室フロアよりも一段高く形成された左右のサイドメンバの延出部を、これら延出部よりも一段低い位置でサスペンションクロスメンバにより車幅方向につなぎ、該サスペンションクロスメンバの車幅方向中央部と、車室フロア下面側の左右両側位置とを左右一対ブレースでほぼ水平にかつ平面視ほぼV字形に連結した車体下部の補強構造において、上記両ブレースを、その長手方向中間位置でほぼ水平に緩やかな鈍角状屈曲して同一方向へ向けて開き形状をなすほぼく字形に形成し、上記両ブレースの基端をそれぞれ車室フロアの左右の両側縁に沿って設置されたロッカーに連結し、先端を上記クロスメンバの中央部に連結し、上記両ブレースの中間の屈曲部間に緩衝部材を水平方向に架設したことを特徴とする車体下部の補強構造。

請求項2

請求項1に記載の車体下部の補強構造において、上記左右のロッカーの前端付近と、左右のフロントサイドメンバの車室フロアから前方へ延出する延出部間に架設されたフロントサスペンションクロスメンバの車幅方向中央部とを、上記ブレースで連結した車体下部の補強構造。

請求項3

請求項1に記載の車体下部の補強構造において、上記左右のロッカーの後端付近と、左右のリヤサイドメンバの車室フロアから後方へ延出する延出部間に架設されたリヤサスペンションクロスメンバの車幅方向中央部とを、上記ブレースで連結した車体下部の補強構造。

請求項4

請求項1ないし3に記載の車体下部の補強構造において、上記左右のブレースは屈曲部の屈曲角度を、平面視で1度ないし10度の範囲に設定した車体下部の補強構造。

請求項5

請求項1ないし4に記載の車体下部の補強構造において、上記緩衝部材として液圧式ダンパー装置で構成した車体下部の補強構造。

技術分野

0001

本発明は自動車車体下部の補強構造、特に車体の捩じれ剛性強化する補強構造に関する。

背景技術

0002

自動車、例えば固定ルーフ部の無いオープンカーは車体の捩じれ剛性が充分とは言えず、車両走行時にサスペンションからの入力等で車体が捩じれ振動しやすいといった不具合がある。そこで従来のオープンカーでは、車室フロアの前部の左右両側位置と、車室フロアから前方へ延出する左右のフロントサイドメンバの延出部間を架け渡すクロスメンバ(フロントサスペンションクロスメンバ)とをブレースで連結することが行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。

0003

図5図6はこの種の補強構造の従来の代表例を示し、車両前後方向に平行に延びる左右のフロントサイドメンバ1,1は、前半が車室フロアFの前縁から前方のエンジンルーム側に延出され、延出部1a,1aは、車室フロアFの前縁からキックアップしつつ車室フロアFよりも一段高い位置に設けられる。そして両延出部1a,1aの下面間にはこれらよりも一段低い位置で車幅方向に延びるサスペンションクロスメンバ2が設けられている。

0004

そして、上記サスペンションクロスメンバ2の車幅方向中央部と車室フロアF下面側の左右のフロントサイドメンバ1,1の基端部とを金属製の棒材またはパイプ材からなる左右一対のブレース5,5で水平方向かつ平面視ほぼV字形に連結することが行なわれている。図中3は、車室フロアFの左右両側のロッカーを表す。
これによれば、車両走行時にフロントサスペンションからの入力などにより左右のフロントサイドメンバ1,1の延出部1a,1aがこれらの車幅方向の中央位置Tを中心に上下逆方向に変位(矢印R)し、これに連動してサスペンションクロスメンバ2の中央部が車幅方向左右に揺動(矢印S)しようとするが、左右のブレース5,5を設けたことでクロスメンバ2の揺動が抑制され、これに伴いフロントサイドメンバ1,1の延出部1a,1aの上下逆方向の変位が抑えられ、車体の捩じれ振動が抑制される。

0005

ところで、直線状の棒材やパイプ材からなるブレース5,5ではフロントサスペンションからの入力による衝撃がそのまま車室フロア側に伝わって、走行時に乗員にゴツゴツ感を与えるため、ブレースを若干細くするなどして突っ張り力が発揮される範囲で剛性を低くし、下記特許文献2に開示されたように、左右の各ブレースと平行に、ブレースの一方の端末のクロスメンバとの結合部、および他方の端末の車室フロア側との結合部間緩衝部材(減衰力発生手段)を設けることが提案されている。
また、ブレースと緩衝部材を併用して、車体の捩れに対する剛性強化乗り心地性能を向上する他の従来構造として、下記特許文献3に左右のブレースの車室フロア側への結合部間に、車幅方向に緩衝部材(車体用補強装置)を架設することが提案されている。
特開平5−116648号公報
国際公開第2005/077738号パンフレット
国際公開第2006/090586号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献2、3に記載の構造では、左右のフロントサイドメンバの上下の変位量に対して、緩衝部材を架設したブレースの両端間の距離、左右のブレースの車室フロア側との結合部間の距離の変化量が小さく、これらの小さい変化を緩衝部材で抑制することは困難で、車体の捩じれに対する剛性の強化と、良好な乗り心地性能の向上とを両立することが難しいといった問題があった。小さい変化量に対して感度よく作用する専用の緩衝部材を用いることも考えられるが、この種の緩衝部材は高価なものとなり、実用的とは言えないし、またフロントサイドメンバの変位量に対して伸縮量の変化が小さい部材に緩衝部材を設けて、これによりフロントサイドメンバの変位を抑制することは効果的な方法とは言えない。
そこで本発明は、車体の捩じれに対する剛性を確保でき、かつ良好な乗り心地性能を発揮させることができる車体下部の補強構造を提供することを課題としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、自動車の車室フロアの端部から延出して車室フロアよりも一段高く形成された左右のサイドメンバの延出部を、これら延出部よりも一段低い位置でサスペンションクロスメンバにより車幅方向につなぎ、該サスペンションクロスメンバの車幅方向中央部と、車室フロア下面側の左右両側位置とを左右一対のブレースでほぼ水平にかつ平面視ほぼV字形に連結した車体下部の補強構造において、上記両ブレースを、その長手方向中間位置でほぼ水平に緩やかな鈍角状屈曲して同一方向へ向けて開き形状をなすほぼく字形に形成する。上記両ブレースの基端をそれぞれ車室フロアの左右の両側縁に沿って設置されたロッカーに連結し、先端を上記クロスメンバの中央部に連結し、上記両ブレースの中間の屈曲部間に緩衝部材を水平方向に架設する(請求項1)。
左右のブレースをく字形に形成して直線状のブレースに比べて曲げ剛性を低くしたから、その分サイドメンバへの入力による車体の捩れに対する剛性は若干低くなるが、入力時の衝撃は緩和され、かつ両ブレース間に緩衝部材を設けたから衝撃による振動は減衰され良好な乗り心地が確保される。そしてこの場合、両ブレースを同方向に屈曲するく字形として対向させたから、サイドメンバが上下に変位したとき、両ブレースの長さ方向の伸縮量やクロスメンバの左右の揺動変位量よりも左右のブレースの屈曲部間の間隔の変化が大きく現れるから、両屈曲部間に緩衝部材を架設することで、両ブレースの動きは効果的に減衰され、これによりクロスメンバおよびサイドメンバの振動も減衰される。

0008

上記左右のロッカーの前端付近と、左右のフロントサイドメンバの車室フロアから前方へ延出する延出部間に架設されたフロントサスペンションクロスメンバの車幅方向中央部とを、上記ブレースで連結する(請求項2)。
上記左右のロッカーの後端付近と、左右のリヤサイドメンバの車室フロアから後方へ延出する延出部間に架設されたリヤサスペンションクロスメンバの車幅方向中央部とを、上記ブレースで連結する(請求項3)。
本発明は車体のフロント側およびリヤ側補強に適用され得る。

0009

上記左右のブレースは屈曲部の屈曲角度を、平面視で1度ないし10度の範囲に設定する(請求項4)。
両ブレースの屈曲角度は、これが大きすぎるとブレースの曲げ剛性が低くなり、車体の捩れ防止効果が発揮されない。逆に、これが小さくブレースが直線に近づきすぎると衝撃が大きくなる。屈曲角度は平面視で1度ないし10度の範囲内とするのが適当である。

0010

上記緩衝部材として液圧式ダンパー装置で構成する(請求項5)。
緩衝部材として液圧式ダンパー装置を好適に用いることができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明を適用して車体前側の下部を好適に補強する実施形態を説明する。図1図2に示すように、車体前側の下部には左右両側に前後方向に、延びる一対のフロントサイドメンバ1,1がほぼ平行に設けてある。左右のフロントサイドメンバ1,1の基端部1c,1cは、車室フロアFの下面にこれに沿って結合され、車室フロアFの前端からエンジンルーム側へ延出する演出部1a,1aはその後端を傾斜部1b,1bを介して基端部1c,1cに至り、延出部1a,1aは車室フロアFよりも一段高い位置となっている。

0012

左右のフロントサイドメンバ1,1には延出部1a,1aには傾斜部1b,1bとの境の下方位置に、車幅方向にフロントサスペンションクロスメンバ(以下、単にフロントクロスメンバという)2が架設してある。フロントクロスメンバ2は、中央に開口部を有する略枠状に形成してある。

0013

フロントクロスメンバ2は、左右両端の前部25を左右のフロントサイドメンバ1,1の延出部1a,1aの下面後端にボルト締め固定し、左右両端の後部26を左右の傾斜部1b,1bの下面中間位置にボルト締め固定してある。フロントクロスメンバ2は、その下面の高さ位置がフロントサイドメンバ1,1の基端部1c,1cとほぼ同じか若干低い位置に配設してある。

0014

車室フロアFの左右の両側縁にはこれらに沿ってロッカー3,3が設けてある。左右のロッカー3,3はフロントサイドメンバ1,1の基端部1c,1cとほぼ同じ高さ位置に設置され、前端がそれぞれ車室フロアFの左右の前縁に沿って車幅方向に延びるフロアクロスメンバ40,40により左右のフロントサイドメンバ1,1の基端部1c,1cの前端と連結してある。また左右のロッカー3,3の中間位置には、車室フロアFの上面に沿って車幅方向にこれらを架けわたすフロアクロスメンバ4が設置してあり、フロアクロスメンバ4が左右のフロントサイドメンバ1,1の基端部1cと交差するように設けてある。図2のDは車室フロアFの前縁から起立するダッシュパネルを示す。

0015

左右のロッカー3,3とフロントクロスメンバ2の幅方向中央部とは、左右一対のブレース5a,5bでV字形に連結してある。左右のブレース5a,5bは、金属製の丸パイプ材からなり、長手方向の中間部が緩やかな鈍角状にほぼ水平方向に屈曲して横方向へ向けて開き形状をなすほぼく字形に形成してある。ブレース5a,5bの中間の屈曲部51,51はその屈曲角度が約3度に設定してある。ブレース5a,5bの基端50,50および先端52,52はパイプ材を上下に押し潰して平板状にし、ボルト貫通孔を設けた取付部が形成してある。

0016

左右のブレース5a,5bは屈曲部51,51の屈曲方向を同一として、各基端50,50の取付部をそれぞれ左右のロッカー3,3の前端寄りの下面に重ね合わせてボルト締め連結してあり、両者5a,5bの各先端52,52の取付部を上下に重ね合わせてフロントクロスメンバ2の車幅方向中央部の前部下面にボルト締めして連結してある。尚、左右のブレース5a,5bの先端52,52はフロントクロスメンバ2の車幅方向中央部付近に車幅方向に隣り合わせて連結してもよい。

0017

左右のブレース5a,5bの両屈曲部51,51間には車幅方行ほぼ水平に緩衝部材たるダンパー6が架設してある。ダンパー6は周知の液圧式ダンパーで、シリンダ61と、シリンダ61に対して伸縮作動可能に組み付けたピストンロッド62とで構成してある。シリンダ61内はその一端から摺動自在に嵌入したピストンロッド62のピストンにより第1油室と第2油室との2室に仕切られ、上記両油室にはオイル充填してある。上記ピストンには第1油室と第2油室との間をオイルが行き来可能な複数のオリフイス小穴)が設けてあり、ダンパー6はピストンロッドの移動で各オリフイスをオイルが流通し、オイルの流動抵抗によりピストンロッドの移動を減衰させるものである。

0018

ダンパー6は、シリンダ61の他端に設けたリング状の取付部を支軸により一方のブレース5aの屈曲部51に揺動自在に連結し、ピストンロッド62の端末の取付部を他方のブレース5bの屈曲部51に揺動自在に連結して両ブレース5a,5b間に架け渡してある。

0019

車両走行時、フロントサスペンション等からの入力により左右のフロントサイドメンバ1,1の延出部1a,1aが、上下逆相に変位して捩じれ振動が発生することとなる。これに連動してフロントクロスメンバ2の中央部が車幅方向左右に揺動変位しようとするが、ブレース5a,5bによりフロントクロスメンバ2とともにフロントサイドメンバ1,1にも変位抑制力が作用する。この場合、本実施形態では両ブレース5a,5bを緩やかにく字形に屈曲する形状とし、長手方向に伸縮性をもたせたから、直線状のブレースに比べてサスペンション等からの入力時に僅かに捩れ振動の発生を許容するが衝撃は緩和される。

0020

図3はフロントサイドメンバの変位に伴うフロントクロスメンバ2の中央部およびブレース5a,5bの動きを示すものである。フロントクロスメンバ2の中央部が白矢印方向(右方向)へ変位すると、一方(左側)のブレース5aはその基端50とロッカー3との結合部と、先端52とフロントクロスメンバ2との結合部との距離が広がり、これに伴って長手方向に引っ張られて伸び、屈曲部51が車外側(左側)へ変位する。これに対して他方(右側)のブレース5bはその基端50とロッカー3との結合部と、先端52とフロントクロスメンバ2との結合部との距離が狭まり、長手方向に圧縮されて屈曲部51は更に屈曲して車外側(右側)へ変位する。よって両ブレース5a,5bの屈曲部51,51間の距離は広がる。

0021

逆にフロントクロスメンバ2の中央部が黒矢印方向(左方向)へ変位すると、一方のブレース5aは圧縮され屈曲部51は車内側(右側)へ変位する。他方のブレース5bは伸長され屈曲部51は車内側(左側)へ変位する。よって両ブレース5a,5bの屈曲部51,51間の距離は狭くなる。そして屈曲部51,51間の距離の変化量はフロントクロスメンバ2の中央部の変位量やブレース5a,5b伸縮量よりも大きく現れる。

0022

しかして本実施形態では、伸縮変位が大きく現れる両ブレース5a,5bの屈曲部51,51間にダンパー6を架設したから、ダンパー6の振動減衰作用が有効に発揮され、その振動減衰作用はブレース5a,5bおよびフロントクロスメンバ2を介してフロントサイドメンバ1,1に作用し、フロントサイドメンバ1,1の上下動による車体の捩れ振動が減衰され、これにより乗員の良好な乗り心地が確保される。
本実施形態では変位による伸縮量が増幅される場所でダンパー6を設置するから、特別に感度のよい精密なダンパーを用いなくてすむ。かつダンパーは1本でよいから経済的である。

0023

左右のブレース5a,5bの屈曲角度は、これが大きすぎるとブレース5a,5bの曲げ剛性が不足してブレース5a,5bを設置した本来の目的である車体の捩れ振動抑制効果が発揮されない。一方、屈曲角度が小さすぎて直線に近づくと、ブレース5a,5bの突っ張り力が強くなって入力時の衝撃が大きくなる。屈曲角度は平面視で1度ないし10度(屈曲内角179度ないし170度)の範囲で、フロントサイドメンバ1,1およびフロントクロスメンバ2を主体とする車体前部の全体剛性およびブレース5a,5bの太さや材質に応じて設定される。
またブレース5a,5bの屈曲方向は、図例の方向にかぎらず、両ブレース5a,5bが同一方向の開き形状であれば左右いずれの方向でも良い。

0024

本実施形態によれば、ブレース5a,5bを設けることで車体の捩れ振動を抑制しつつ、ブレース5a,5bをく字形の屈曲形状とし、屈曲部51,51間にダンパー6を架設したことでフロントサイドメンバ1,1への入力時の衝撃を緩和するとともに振動を減衰させることで乗員の乗り心地を良好にすることができる。

0025

上述の実施形態では車体の前側下部を補強したが、本発明は車体の後側下部の補強にも適用され得る。以下、図4に基づいて本発明を用いた車体後側下部を補強する実施形態を説明する。尚、本実施形態の基本構造は先の実施形態のそれとほぼ同じで、同一部材は同一符号で表しそれらの詳細説明は省略する。

0026

左右のロッカー3,3の後端にはそれぞれ、これらの車内側面から後方へ延びる左右のリヤサイドメンバ7,7が連結してある。左右のリヤサイドメンバ7,7は、ロッカー3,3後端の連結部から斜めに後方かつ車内側へ向かう傾斜部7bと、その後端から屈曲して後方へ延びる延出部7a,7aとを備えている。またリヤサイドメンバ7,7はロッカー3,3後端の連結部から後端にかけて、上方へキックアップするアーチ状に形成してある。

0027

左右のリヤサイドメンバ7,7間には枠状のリヤサスペンションクロスメンバ(以下、単にリヤクロスメンバという)8が設けてある。リヤクロスメンバ8の左右両端の前部および後部はそれぞれ左右のリヤサイドメンバ7,7の傾斜部7b,7bの下面および延出部7a,7aの下面にボルト締め固定してある。リヤクロスメンバ8の後枠部82は下面がロッカー3の下面とほぼ同じ高さ位置に配設してある。

0028

左右のロッカー3,3の後端とリヤクロスメンバ8の車幅方向中央部の後縁側とが、水平に同一方向へほぼく字形に屈曲した左右のブレース5a,5bにより平面視、ほぼV字形に連結してある。両ブレース5a,5bは基端50,50をそれぞれ左右のロッカー3,3の後端下面にボルト締めして連結してあり、各先端52,52の取付部をそれぞれリヤクロスメンバ8の下面の車幅方向中央部付近に隣り合わせてボルト締めして連結してある。

0029

そして、左右のブレース5a,5bの中間の屈曲部51,51間には、車幅方向にほぼ水平にダンパー6が架設してある。
本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果が得られ、ブレース5a,5bとダンパー6の組み合わせにより車体の捩じれ振動の抑制と、良好な乗り心地性能を両立させることができる。

0030

尚、上述の複数の実施形態はいずれも例示であって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は上述の実施形態を様々に変形、変更したものも含まれる。例えば、上述の実施形態ではいずれも、ブレースにより車室フロア側と、フロントまたはリヤのサスペンションクロスメンバとを連結したが、サスペンションクロスメンバに限らず、他の目的でフロントまたはリヤサイドメンバ間に架設したクロスメンバを用いてもよい。ブレースはパイプ材に限らず棒材としてもよい。またダンパーは液圧式のものに限らず、粘弾性ゴムを2枚の金属板で挟み込み、一方の金属板の端末を一方のブレースの屈曲部に連結するとともに、他方の金属板の端末を他方のブレースの屈曲部に連結する構造としてもよい。

図面の簡単な説明

0031

本発明の補強構造を車体の前側の下部に適用した実施形態を示す概略平面図である。
上記実施形態の概略側面図である。
フロントサスペンションクロスメンバの中央部の変位と左右のブレースの屈曲部の移動の関係を示す図である。
本発明の補強構造を車体の後側の下部に適用した実施形態を示す概略平面図である。
従来の車体の下部補強構造を示す概略平面図である。
上記従来構造の概略正面図で、フロントサイドメンバとフロントサスペンションクロスメンバの変位の関係を示すものである。

符号の説明

0032

F車室フロア
1フロントサイドメンバ(サイドメンバ)
1a延出部
2フロントサスペンションクロスメンバ(クロスメンバ)
3ロッカー
5a,5bブレース
51屈曲部
50基端
52 先端
6ダンパー(緩衝部材)
7リヤサイドメンバ(サイドメンバ)
7a 延出部
8リヤサスペンションクロスメンバ(クロスメンバ)

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