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技術 企業活動の有効性評価装置、企業活動の有効性評価方法、企業活動の有効性評価プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

出願人 末松千尋
発明者 末松千尋
出願日 2007年9月13日 (13年5ヶ月経過) 出願番号 2007-238586
公開日 2009年4月2日 (11年10ヶ月経過) 公開番号 2009-070193
状態 拒絶査定
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 削減コスト 作業改善 実証データ 資源コスト 背景条件 コスト指標 消費コスト 相互評価
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年4月2日)のものです。
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図面 (20)

課題

企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出する。

解決手段

企業活動の有効性評価装置10は、データ格納部12から、評価対象とするトランザクションデータインターフェイスの種類あるいはTEC分類に基づいて抽出するデータ取得部13と、取得されたトランザクションデータのアドホックインターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを、単位人件費および作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出部14と、算出されたアドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出部15とを備える。

概要

背景

企業の諸活動の有効性(効果)の分析は、社会進展が不確実な場合、極めて重要となる。ここで有効性とは、ある目的を実現したレベルのことをいう。売上を例えば2倍にする、企業ブランドを2倍に強化する、顧客満足度を2倍に上げる、などは有効性のレベル向上である。これに対して、効率性のレベルを上げるとは、ある目的(売上、企業ブランド、顧客満足度など)を実現するコストを、例えば半分にすることをいう。

高度成長期においては、活動の方向性既定であるため、活動が有効か否かを判断するよりも、効率性が重視されるべきである。しかし、市場飽和し低成長となった状況においては、何をするかの判断が重要であり、企業の諸活動の有効性について評価することが不可欠となる。

なお、従来、企業の諸活動を標準的に分類し、かつ客観的なデータを提供する手法は存在していない。諸活動を分析する指標としては、スコアリング指標、ABC(Activity Based Costing)、特許文献1、2などがあるが、どれも客観性と統一性(標準性)の両者を兼ね備えるには至っていない。財務会計は、世の中に無限に存在する物理的資源を客観的、統一的基準で評価する手法を与えた。それに相当する、無限の形態がある諸活動に対する手法、客観性と統一性の両者を兼ね備えた、諸活動の測定・分析手法は、本発明の発明者らによる非特許文献1、2、3により、初めて提起された(図2参照)。なお、非特許文献1、2、3には、時間測定と時間当たり人件費から、コストを客観的に算出する手法が示されている。図2は、企業活動評価基準に必要な2要素を示す説明図である。
特開2003−296557号公報(公開日:平成15年10月17日)
特表2006−508427号公報(公表日:平成18年3月9日)
、『オープンソースと次世代IT戦略』、2004年5月、日本経済新聞
末松千尋、経済(京都大学)第175巻第3号、2005年3月「モジュールインターフェース、あるいはネットワーク効用
Suematsu, C and M. Makabenta-Ikeda (2006), Interface from Transaction Cost Approach, Working Paper 84, Kyoto University Graduate School of Economics

概要

企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出する。企業活動の有効性評価装置10は、データ格納部12から、評価対象とするトランザクションデータインターフェイスの種類あるいはTEC分類に基づいて抽出するデータ取得部13と、取得されたトランザクションデータのアドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを、単位人件費および作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出部14と、算出されたアドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出部15とを備える。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出することができる企業活動の有効性評価装置、企業活動の有効性評価方法、企業活動の有効性評価プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

作業項目毎に、作業に使用されたアドホックインターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが少なくとも対応付けられたトランザクションデータを格納したデータ格納部から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出するデータ取得手段と、上記データ取得手段によって取得されたトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出手段と、上記中間データ算出手段によって算出された上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出手段と、を備えることを特徴とする企業活動の有効性評価装置

請求項2

上記データ取得手段、上記中間データ算出手段、上記指標算出手段を用いて、アドホック・インターフェースが固定インターフェースに置換された前後での指標を算出するとともに、該算出した指標を比較する指標比較手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の企業活動の有効性評価装置。

請求項3

企業活動の有効性評価装置による企業活動の有効性評価方法であって、作業項目毎に、作業に使用されたアドホック・インターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが少なくとも対応付けられたトランザクションデータを格納したデータ格納部から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出するデータ取得処理と、上記データ取得処理にて取得したトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出処理と、上記中間データ算出処理にて算出した上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出処理と、を含むことを特徴とする企業活動の有効性評価方法。

請求項4

請求項1または2に記載の企業活動の有効性評価装置としてコンピュータを機能させるための企業活動の有効性評価プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための企業活動の有効性評価プログラム。

請求項5

請求項4に記載の企業活動の有効性評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

0001

本発明は、企業の諸活動の有効性を評価する企業活動の有効性評価装置、企業活動の有効性評価方法、企業活動の有効性評価プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。

背景技術

0002

企業の諸活動の有効性(効果)の分析は、社会進展が不確実な場合、極めて重要となる。ここで有効性とは、ある目的を実現したレベルのことをいう。売上を例えば2倍にする、企業ブランドを2倍に強化する、顧客満足度を2倍に上げる、などは有効性のレベル向上である。これに対して、効率性のレベルを上げるとは、ある目的(売上、企業ブランド、顧客満足度など)を実現するコストを、例えば半分にすることをいう。

0003

高度成長期においては、活動の方向性既定であるため、活動が有効か否かを判断するよりも、効率性が重視されるべきである。しかし、市場飽和し低成長となった状況においては、何をするかの判断が重要であり、企業の諸活動の有効性について評価することが不可欠となる。

0004

なお、従来、企業の諸活動を標準的に分類し、かつ客観的なデータを提供する手法は存在していない。諸活動を分析する指標としては、スコアリング指標、ABC(Activity Based Costing)、特許文献1、2などがあるが、どれも客観性と統一性(標準性)の両者を兼ね備えるには至っていない。財務会計は、世の中に無限に存在する物理的資源を客観的、統一的基準で評価する手法を与えた。それに相当する、無限の形態がある諸活動に対する手法、客観性と統一性の両者を兼ね備えた、諸活動の測定・分析手法は、本発明の発明者らによる非特許文献1、2、3により、初めて提起された(図2参照)。なお、非特許文献1、2、3には、時間測定と時間当たり人件費から、コストを客観的に算出する手法が示されている。図2は、企業活動の評価基準に必要な2要素を示す説明図である。
特開2003−296557号公報(公開日:平成15年10月17日)
特表2006−508427号公報(公表日:平成18年3月9日)
、『オープンソースと次世代IT戦略』、2004年5月、日本経済新聞
末松千尋、経済(京都大学)第175巻第3号、2005年3月「モジュールインターフェース、あるいはネットワーク効用
Suematsu, C and M. Makabenta-Ikeda (2006), Interface from Transaction Cost Approach, Working Paper 84, Kyoto University Graduate School of Economics

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、企業の諸活動の有効性の評価を科学的に行う手法については、世界的にこれまで全く手付かずであり、例えば、経済学では全ての活動は最大の有効性を有していることを前提として議論が進められている(これをXエフィシエンシーと呼ぶ)。

0006

各企業においては、戦略、組織、決定、投資購買などの有効性を、改善のために独自個別に評価してきたのはもちろんであるが、多くは、売上と利益、場合によっては株価定量評価を中心に行い、実態としては、無数の種類の定性的評価を加えることで、それを行ってきた(定性評価でも、スコアリング手法のように、採点者採点を行うことにより見かけ上の定量データとする場合もある)。なぜならば、企業の諸活動は、売上と利益を増大させるだけではなく、市場開拓ブランド強化、社員スキル強化、顧客満足、地域貢献など、様々な軸により評価されているからである。

0007

例えば、情報システム導入の投資を行った場合、あるいは、ある戦略を実施した場合、企業は、その活動がどの程度、売上増大に寄与したか、コストを削減したか(利益を増大させたか)、顧客満足度を高めたか、社員のスキル向上に貢献したか、企業ブランドを高めたか、特定の機能(商品開発力、生産力など)の強化に寄与したか、などについて、総合包括的に評価し、感覚的に、その投資効果、すなわち有効性を判断している。

0008

ここで、企業活動の評価に科学性を持ち込もうとした代表的な手法として、バランススコアカードがあげられる。これは、企業、あるいは活動の評価の様々な軸を、「財務視点」「顧客の視点」「内部プロセスの視点」「学習と成長の視点」に四つに統合し、統一的に分析しようとするものである。しかし、この手法の問題は、有効性の評価において、やはり客観性がないこと、統一性がないことの二つである。この手法においても、スコアリングが用いられているため、各軸における評価が感覚的になり、さらに各軸の重み付けにおいても各担当者の感覚的主観により決定される。このため客観性が担保されない。そして、無数の定性的評価が加わると、全体の客観性が減少し、感覚的、場合によっては感情的にさえならざるをえない。

0009

さらに、企業においては、特殊要因に起因した評価軸がありえ、例えば、ある特定の製品競争力を強化したい、ある特定の顧客の売上を増大させたい、など、これらは無限に存在しうる。これらは、もちろん、全社の売上増大よりも優先されるケースがありうる。このような評価軸を全て包含することは不可能であり、ある企業にとって極めて重要な評価軸が欠落する可能性を否定できない。これはバランス・スコア・カードだけではない普遍的問題であるが、バランス・スコア・カードにおいては、ある企業の、ある時間の、ある特定の状況にカスタマイズした評価システムとしては機能させることで対応しているのである。つまり、企業の状況や外部の環境が変化したり、企業を超えて適用するなどには対応ができずに、統一性が担保されていない。

0010

その他にも、ビジネス・プロセス・ドキュメンテーションという手法が広く普及しつつあるが、これも各企業ごとにカスタマイズを行い、全活動を可視化するものであり、統一性にかける。そのため、特に多額の測定コストが必要となり、スナップショット(ある一時点でのデータ)としての利用しか使われていない。

0011

上記のような背景から、企業の諸活動を科学的に、すなわち、客観性と統一性をもって分析・評価する手法が強く求められている。

0012

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出することができる企業活動の有効性評価装置、企業活動の有効性評価方法、企業活動の有効性評価プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、本発明に係る企業活動の有効性評価装置は、作業項目毎に、作業に使用されたアドホック・インターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが少なくとも対応付けられたトランザクションデータを格納したデータ格納部から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出するデータ取得手段と、上記データ取得手段によって取得されたトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出手段と、上記中間データ算出手段によって算出された上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出手段と、を備えることを特徴としている。

0014

また、本発明に係る企業活動の有効性評価方法は、企業活動の有効性評価装置による企業活動の有効性評価方法であって、作業項目毎に、作業に使用されたアドホック・インターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが少なくとも対応付けられたトランザクションデータを格納したデータ格納部から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出するデータ取得処理と、上記データ取得処理にて取得したトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出処理と、上記中間データ算出処理にて算出した上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出処理と、を含むことを特徴としている。

0015

上記の構成によれば、インターフェイスの種類あるいはTEC分類に基づいて抽出したトランザクションデータを評価対象として、アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストをそれぞれ求め、それら用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する。

0016

ここで、上記インターフェースとは、業務のやり方仕様を意味し、固定インターフェースとアドホック・インターフェースの二つに分類される。そして、固定インターフェースとは、事前に業務のやり方や仕様が決定・固定される場合のことを指し、組織資産(制度、ルールマニュアル仕様書、プロセス、データベースなど)として位置づけられる。また、アドホック・インターフェースとは、事前には決定されておらず、主に上司が、その場で決定する。

0017

固定インターフェースは、組織の資産として形成され、複数回使用されることになる。それが的確に設計されれば、その初期コストは発生するものの、アドホック・インターフェースを複数回、削減することになるので、トータルとして作業コスト(トランザクション・コスト)は削減されることになる。すなわち、活動の有効性の増加は、アドホック・インターフェースを固定インターフェースへ置換(インターフェースの固定化、組織資産の導入)することにより、トランザクションを効率化した結果生じる作業量の増大によって判断でき、またそれでしか判断できない。

0018

また、上記TEC分類は、業務の入力(コスト)だけではなく、出力(業務成果)についても同一分類が適用できる。

0019

それゆえ、上記の構成によれば、インターフェイスの種類あるいはTEC分類に基づいて抽出したトランザクションデータを評価対象として、アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出するため、企業内外のあらゆる対象間での比較が可能な指標を算出できる。したがって、企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出することができるという効果を奏する。

0020

本発明に係る企業活動の有効性評価装置は、さらに、上記データ取得手段、上記中間データ算出手段、上記指標算出手段を用いて、アドホック・インターフェースが固定インターフェースに置換された前後での指標を算出するとともに、該算出した指標を比較する指標比較手段を備えることを特徴としている。

0021

よって、さらに、上記の構成によれば、アドホック・インターフェースが固定インターフェースに置換された前後での指標を比較する。

0022

ここで、インターフェースの固定化、すなわち組織資産(制度、ルール、マニュアル、仕様書、プロセス、データベースなど)の形成がトランザクション・コスト削減における最も重要な施策である。すなわち、アドホック・インターフェースが固定インターフェースにより置換された時、コストの削減効果成立する。

0023

そこで、上記の構成によれば、固定インターフェースが導入される以前のトランザクションデータに基づく指標と、導入以後の同一のトランザクションデータに基づく指標とを算出して比較することにより、固定インターフェースの導入が、どの程度、トランザクション・コストの削減に寄与したかを評価することができる可能となる。

0024

なお、上記企業活動の有効性評価装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記企業活動の有効性評価装置をコンピュータにて実現させる企業活動の有効性評価装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。

発明の効果

0025

以上のように、本発明に係る企業活動の有効性評価装置は、作業項目毎に、作業に使用されたアドホック・インターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが少なくとも対応付けられたトランザクションデータを格納したデータ格納部から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出するデータ取得手段と、上記データ取得手段によって取得されたトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出手段と、上記中間データ算出手段によって算出された上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出手段と、を備える構成である。

0026

また、本発明に係る企業活動の有効性評価方法は、企業活動の有効性評価装置による企業活動の有効性評価方法であって、作業項目毎に、作業に使用されたアドホック・インターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが少なくとも対応付けられたトランザクションデータを格納したデータ格納部から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出するデータ取得処理と、上記データ取得処理にて取得したトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する中間データ算出処理と、上記中間データ算出処理にて算出した上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する指標算出処理と、を含む方法である。

0027

それゆえ、インターフェイスの種類あるいはTEC分類に基づいて抽出したトランザクションデータを評価対象として、アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出するため、企業内外のあらゆる対象間での比較が可能な指標を算出できる。したがって、企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出することができるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0028

〔A〕前提となる技術
まず最初に、本発明に係る企業活動の有効性評価方法の前提となる技術について説明する。

0029

(トランザクション・コスト分析
トランザクション・コストのTEC(Transaction Element Class)による分析は、作業の成果について、客観的、統一的に処理できる(つまり、有効性についての客観的、統一的評価の可能性のある)コスト分析の極めて優れた枠組である(非特許文献1、2、3)。それは以下のような特徴を有している。図3は、TEC分類の概要を示す説明図である。

0030

(1)トランザクション・コストの重要性が相対的に飛躍的に増大している。活動のコストは、従来、トランザクション・コストと生産コストに分類されてきたが、生産コストにおいてもトランザクション・コストは存在するので、非特許文献1、2、3においては、トランザクション・コストに対抗する概念として、執行コストが提起されている。

0031

ここで、トランザクション・コストとは、コスト要因のうち、業務仕様を決定する作業、すなわちコミュニケーションインタラクション上下関係を含む)、ミィーティングなど、社内外の経済取引に関わるコストである。これら作業は、知的財産やブランド、研究開発マーケティングサービスソリューションなど付加価値創造を決定する活動であり、IT化、プロセス化、標準化を決定する活動であり、戦略や組織を形成する活動であり、経営管理者が従事する活動であり、その重要性が増大している。

0032

これに対して、企業の諸活動のもう一方のコストである執行コストは、トランザクションにより決定された業務仕様に従って行なわれる活動である。IT化や低労賃化(中国やインドパートタイマーの利用など)が進み、その重要性は相対的に大きく低下している。

0033

また、上記活動コスト(トランザクション・コストと執行コスト)以外のコスト要因である資源コストについては、ソフト化サービス化、知財化の進展、複製コストの低下とともに、やはりその重要性が大きく低下している。

0034

全コストから、資源コストを分離し、その諸活動コストの中から、さらに執行コストを分離し、今後、相対的に重要となるトランザクション・コストのみに着目し、その詳細分析のための体系的分析・評価手法整備したものが非特許文献1、2、3である(図4参照)。図4は、コスト分析の新しい枠組みとしてのトランザクション・コストの説明図である。

0035

(2)トランザクションの分類基準であるTECは、三つの点から、極めて重要である。

0036

TECの一つ目の重要な点は、企業内外のあらゆる(国家、地域、企業、業界、業種などの)作業に共通する標準的分類枠組であることである。従前のコスト分析のための分類基準は、物理的資源の生産・供給活動(研究開発、製造、営業、サービスを含む)に着目したものであった。これには、二つの問題が存在していた。一つは、生産(あるいはサービス)の対象により、分類体系が異なり、標準化できなかったこと、もう一つは、間接部門など創造性が求められる活動については、物理的資源の生産の概念が適用できずに、分析できなかったことである。

0037

これに対して、トランザクション・コストの概念は、全く新しい枠組を提供し、従来の生産活動ではなく、トランザクション(コミュニケーションとインタラクション、ミィーティングなどを含む経済取引)に着目して、上記二つの問題を解決している。例えば、会議やメール、ディスカッションなど、作業時間数、付加価値ともに増大しているこれら作業項目について、従来は存在しなかった切り口で、比較分析をすることが可能となっている(図5参照)。図5は、コスト分析の新しい枠組みとしてのトランザクション・コストの説明図である。

0038

TECの二つ目の重要な点は、入力(コスト)だけではなく、出力(業務成果)についても同一分類が適用できることである。前述のように、トランザクションは業務仕様の決定のための活動であり、これらの活動自体が出力(業務成果)ともなっている。TECの全ての要素(図3に示す連絡先の探索、交信のためのルールの整備、製品に関する情報の収集、条件の交渉契約などの各要素)一つ一つが、全て完遂されて、トランザクションは完成すると同時に、これら一つ一つの出力(品質)が最終出力(品質)に影響する。例えば、「接続」において、最も適した相手を探索する作業の品質を高めれば、相手の適性(自社の製品へのニーズの強さと支払いの意欲能力、自社との連携における補完する能力など)を高め、それは最終品質を高めることになる。「情報交換」における情報収集の作業の品質を高めれば、市場ニーズや相手の問題点をより多く的確に把握することが可能となり、製品の品質を高めることになる。事後処理を増やせば、現トランザクションにおける問題点を分析し次のトランザクションの改善のための情報量が増え、顧客満足度が向上する、等などである。つまり、TECは一つ一つ、業務成果ともなっているのである。

0039

TECの三つ目の重要な点は、TECの要素一つ一つが、全て、情報化、プロセス化、標準化の対象となっており、それらは組織資産(制度、ルール、マニュアル、仕様書、プロセス、データベースなど)という観点からの分類基準にもなっていることである。通常、企業では、TECの要素は独立して、組織資産形成の対象として扱われている。

0040

このように、トランザクション、およびTECは、業務の入力と出力を標準的に分類したことにより、企業内外のあらゆる対象間の比較を可能とし、また、あらゆる対象間に共通した導入・運用手法による低コスト化を実現した、全く新しい分析枠組である。

0041

〔B〕前提となる技術の問題点
上記のように、上記のトランザクションおよびTEC分類の概念は、今後、重要となるトランザクション、あるいは諸活動、さらには組織資産を分析する枠組として極めて重要な枠組である。しかし、これまでは定義と体系化が不十分であったため、精確な測定・分析が行えず、企業活動の分析・評価の実用に耐えられるほどの測定精度、あるいはその構造自体を持たず、測定コストが膨大で実施は不可能、あるいは極めて困難であった。

0042

具体的には、これまでのトランザクションおよびTEC分類の概念は、以下のような課題を残している。

0043

(1)従来のコスト管理基準、特に財務会計との整合性を持たない
周知の通り、現状、あらゆる企業は、財務会計基準により、資源のコスト、および、集計値のみではあるが、諸活動のコストをも処理している。企業において、客観的なコスト・データとしてのトランザクション・コストを扱うためには、財務会計、特に資源コスト(物理資産、人的資源資金消耗品情報資産など)との整合性を確立する必要がある。

0044

なお、非特許文献1、2、3においては、トランザクション・コストが資源コスト以外のコストであることは、暗黙的に示されてはいるが、明示的な言及はなく、資源コストとトランザクション・コストの構造的な峻別方法についての記載はない。例えば、トランザクションを実行するためには、情報システムや運送システムなどのインフラ、消耗品、人的資源などの資源コストも必要になるが、それらを財務会計との重複計上を避ける処理方法が明示されていない。

0045

具体的には、非特許文献1、2、3には、以下のような重要な定義の欠落・欠陥があり、あるいはあいまい性が存在している。

0046

(a)業務成果(出力)としての、直接資源と間接資源のトランザクションの峻別がなされておらず、出力としての間接資源のトランザクションおよび執行に関して記述されていない。従って、出力としての間接資源のトランザクション・コストおよび執行コストが計測対象として抜け落ちている。

0047

同時に、業務成果については、直接資源(売上計上に関係する部品最終製品など)を出力する場合と、間接資源(人材や資金の調達、ITの開発など)を出力する場合とでは、財務会計上、処理は大きく異なるが、それら二つの峻別方法についても記載されていない。ここで、直接資源とは、企業が売上を計上するための製品やサービスを提供するための直接的な付加価値の流れにのった資源であり、材料や部品から最終製品までの資源である。また、間接資源とは、人材、資産(組織資産を含む)、資金、ブランド、間接業務サービス、情報などの資源である。通常、取引においては、直接資源の流れのみが着目されがちだが、間接資源の供給なしに事業を営むことはありえず、間接資源のトランザクションについても処理方法を規定する必要がある。

0048

(b)出力と同様に入力においても、直接資源については記載されているが、間接資源については記述されていない。従って、入力としての間接資源のトランザクション・コストおよび執行コストが計測対象として抜け落ちている。

0049

(c)執行において発生する資源のコストについては、暗黙的に示されているが、トランザクションにおいて必要とされる資源のコスト、例えば、トランザクションの実行に必要な、インフラ(トランザクションの基盤となるコンピュータ・ネットワークの構築など)やメディア郵便物通信料金など)のコスト、インフラの構築に必要な人的コスト、資産償却のコスト、それらを調達・制作する際のトランザクションおよび執行のコストが記述されていない。従って、トランザクションに必要な資源コスト全て、およびその開発や調達において発生するトランザクション・コストが計測対象として抜け落ちている。

0050

(d)入力としての間接資源に対する対価について記載されていない。従って、間接資源に対する対価およびそのトランザクションが計測対象として抜け落ちている。トランザクションを行うのに際して、Buyer(発注者)がSupplier(受注者)に対して、必要な間接資源(人、資産、資金、情報、その他サービスなど)を提供することは、少なくとも企業内においては極めて日常的なケースであるし、さらには最近の傾向として、それら資源に対して企業内であっても料金を課金するケースも普及している。

0051

以上のように、非特許文献1、2、3には、極めて一般的なトランザクションについて、その処理方法が記述されていないため、企業評価に必要な測定精度、あるいは構造自体を満足しているとは言えない。

0052

(2)活動の有効性評価ができない
活動の有効性や効果については、あらゆる領域でその分析が試みられてきているが、いまだ実現されていない。例えば、経済学においては、Xエフィシエンシー(X効率)と呼ばれ、あらゆる活動は、最大の有効性を実現していることが、分析の大前提となっている。

0053

非特許文献1、2、3においては、トランザクション・コストの削減についての議論がなされているが、トランザクションにおいて極めて重要な有効性(効果)についての測定・分析を行うことができない。特に、知財やブランド、研究開発、マーケティング、サービス、ソリューションなど付加価値を創造する活動、IT化、プロセス化、標準化を司る活動、戦略を形成するための活動、経営管理者が従事する活動であるトランザクションを扱うには、コスト削減の分析だけではなく、有効性評価がより重要であり、それなしには評価手法として実用的であるとはいえない。

0054

このように、非特許文献1、2、3においても、有効性の概念自体が説明されておらず、有効性について明示的に定義する必要がある。

0055

(3)背景条件が共通化されていないため、測定者による測定条件の統一性が担保されない
(3−1)活動と成果の一意的関係が特定できないため、因果関係も特定できず、コスト削減効果、特に有効性の分析・評価ができない
活動のコスト削減効果や有効性向上の効果を分析・評価するためには、入力と出力の一意的な因果関係を特定する必要がある。活動の括りが大雑把であると、一つの活動(入力)として認識される複数の活動が、成果(出力)としての複数の効果をもたらすことになる。その因果関係を一意的に特定することができないために、評価が不可能、あるいは精度が極めて低くなる。つまり、多数の原単位のトランザクションから構成される「活動」を測定対象とすると、どの原単位の活動が、成果(コスト削減、有効性向上)に結びついたのかが特定できない。特に、有効性については、元来、一つの活動が、売上増大、流通における売上増大、企業ブランド向上、製品ブランド向上、顧客ローヤリティ向上、流通パートナーのローヤリティ向上、社員のスキル向上、社員の忠誠心の向上等など、極めて多岐にわたる効果をもたらす、という構造にあるため、その測定・分析が不可能であった。

0056

どの行為をトランザクションの原単位として同定するか、どのような要素の混在が一意的関係を阻害するかについては、「実行者」、「TEC」、「インターフェース」の三つの視点を考慮すべきである。

0057

(3−1−A)「実行者」
「実行者」の同定対象としては、企業、部門、グループ個人がある。これらが混在されたまま計測され比較されても、背景条件の異なるもの同士の比較となり、比較分析としての意味をなさない。図6は、トランザクションの複合構造の事例と細分化意義を示す説明図である。

0058

例えば、非特許文献1、2、3で扱われる「人事部員が新卒学生を採用する」というトランザクションを考えてみる(図6)。これは、表面上は、人事部員と新卒学生の間でトランザクションが行われたように見えるが、実際には「社長が人材調達を人事部長に指示する」「人事部長が部員に指示する」「社長と学生が基本労働契約書締結する」「社長が基本労働契約の締結を人事部に移管する」「人事部が社長に間接資源を調達・供給する」などの複数のレベルのトランザクションより構成されている。

0059

それらを個別に追跡し、同一条件他者事例と比較したり、それら個別の効率性や問題点を分析しなければ、解決すべき課題が特定されず、従って評価の意味も成立しない。また、部長が部員に対して指示を行い、部員が部長に業務を行うトランザクション(図6)では、部長と課長の間のトランザクションと、課長と部員に対するトランザクションに分解すべきである。そうでなければ、部員の業務貢献は明確にされないと同時に、課長の管理指導業務について、作業と成果についてどのような因果関係があったのかを追跡し分析することができない。

0060

このようなケースでは、企業間部門間、個人間のトランザクションが混在している。活動と成果の因果関係を一意的に把握するためには、これらを峻別し、トランザクションを原単位まで細分化して扱わなければならない。しかし、非特許文献1、2、3には、そのプロセスが示されていない。

0061

(3−1−B)「TEC」
「TEC」の混在の例としては、全く異なるトランザクション・エレメント業務であるにもかかわらず、「契約書を作成する」というように、一括して集計処理されてきていた。

0062

例えば、「契約書を作成する」という業務は、「作成に必要な知識を有するアドバイザー探す」「ヒアリング内容について、既製の帳票を利用する」「作成納期に関して、複数部門間で調整する」「複数の改訂版が混在し、業務に支障が発生したため対応処理する」「法務部員の業務に関して全社から意見聴取する」などの異なるTECが混在している。「営業をする」という業務では、「販売先となりうる企業リストを作成するために展示会を催す」「自社製品についてカタログで説明する」「把握した顧客のニーズに従い提案プレゼンを行う」「受注処理を行うためシステムにデータ入力する」「前回納品に問題がないかを確認する」などの業務の集合である。

0063

これらを同様の処理であるTEC分類で処理することにより、初めて、実態に合致した集計処理を行うことが可能となるが、その処理方法が非特許文献1、2、3においては記載されていない(図7参照)。図7は、TEC分類の意義の事例による説明図である。

0064

(3−1−C)「インターフェース」
「インターフェース」についても、従来は同様の混在があり、一意的関係の抽出を不可能とさせていた。ここで、インターフェースとは、業務のやり方や仕様を意味し、それは固定インターフェースとアドホック・インターフェースの二つに分類される。固定インターフェースとは、事前に業務のやり方や仕様が決定・固定されている場合のことを指す。一方、アドホック・インターフェースとは、事前には決定されておらず、主に上司が、その場で決定することを意味する。なお、上司、部下の役職による指示命令系統は、固定インターフェースである。

0065

図8は、固定インターフェースとアドホック・インターフェース分類の意義の事例による説明図である。インターフェースの混在の例として、同じ「契約書を作成する」という業務(図8)について考えてみると、これは「契約書の雛形を作成する」「既製雛形を利用し契約書を作成する」「契約内容についてヒアリングするための書式を利用する」「契約書作成マニュアルを利用する」という固定インターフェース関連の業務と、「上司から詳細な指示を受け、契約書を作成する」というアドホック・インターフェース関連の業務では効率が全く異なることがわかる。

0066

図8に示すように、固定インターフェースを作成する作業とアドホック・インターフェースを作成する作業、固定インターフェースを使用して行う作業と、固定インターフェースなしにアドホック・インターフェースのみにより行う作業では、その業務の入力と出力の背景条件が全く異なってくる。これらは峻別して、測定・分析・評価されることにより、始めて意味を持つことになるが、その処理方法が非特許文献1、2、3においては記載されていない。

0067

上記の「実行者」、「TEC」、「インターフェース」の三つのトランザクションの分類は、当然のことながら、組織の上位者において、より重要となる。「契約書を作成する」「営業する」「業務マニュアルを作成する」という項目よりも、他の部門とどのようにコミュニケーションをとり、どのように折衝し、どのように合意を形成したか、そしてどのような活動に最も時間を消費したか、あるいは部下に対して、どのように指導し、どのように評価し、どのように問題を解決したか、そしてどのような活動に最も時間を消費したか、あるいはどのような作業について組織資産化(プロセス化、システム化、マニュアル化など)を図り、それをどのように実現したか、それはどのような効果をもたらしたか、についての分析がなければ、組織の上位者の活動の多く、あるいはほとんどを占めるトランザクションの効率性、有効性を高めることはできない。

0068

(3−2)入れ子構造連結構造についての同定処理方法の記載がなく、一意的関係が特定できない
非特許文献3においては、トランザクションが入れ子構造にある、つまり、企業間のトランザクションは、部門のトランザクションを内包し、部門のトランザクションは個人のトランザクションを内包する、という指摘がなされており、トランザクションの実行者間に入れ子の関係があることについては言及されている。しかし、現実のトランザクションの連結構造は、“入れ子”で表現できるほど単純ではなく、様々な対象物間の関係が幾重にも錯綜している。

0069

例えば、「IT部員が営業部員のPCを修理する」ケースを考えてみる(図6)。これ
は、「社長とIT部門のトランザクション」、「IT部門長とIT部員のトランザクション」という入れ子構造も存在するが、その他にも、「社長から営業部門への間接資源(IT関連サービス)の提供」、「営業部門から社長への間接資源に対する料金の支払」、「営業部門長から営業部員への間接資源の提供」、「上記トランザクションの交換請求業務)に対する経理部門サービス業務の社長への提供」、「上記サービス業務の社長からIT、営業両部門への提供」というように、多くの原単位のトランザクションに分解されなければならない。

0070

効率化の結果として、それらトランザクションは省略されているように見えるが、実際には、その効率化の実現には、多大なコストがかけられている。現実に、関係者全員が、帳票のチェックには、何らかの形で係っている(つまりトランザクションに係っている)はずである。「営業部が受けたサービス」、「IT部が提供したサービス」、さらに「それらの部員レベルでのサービス」のトランザクションに分解し追跡することにより、効率化のレベルと今後の可能性、問題の有無などの分析が可能となる。

0071

しかし、非特許文献1、2、3においては、その同定の処理方法が記載されていない。

0072

(4)トランザクション分析において、その効率化を実現するために最も重要である、インターフェースの固定化(組織資産の形成)の効果評価について、その処理方法が記載されていない
インターフェースの固定化、すなわち組織資産(制度、ルール、マニュアル、仕様書、プロセス、データベースなど)の形成がトランザクション・コスト削減における最も重要な施策であり、非特許文献1、2、3により初めて提起されたものである。しかし、それを実際にどのように測定し、分析・評価するかのプロセスが提示されていない。アドホック・インターフェースが固定インターフェースにより置換された時、コストの削減効果が成立するが、具体的に、アドホック・インターフェースの計測方法、固定インターフェースの計測方法、その置換による効果の分析・評価方法が記載されていない。

0073

(5)企業の評価基準が記載されていない
企業の諸活動を統一的、客観的な基準で分析する枠組であれば、企業評価への適用が最も重要な応用手段となるが、その具体的なプロセスが記載されておらず、概念の有効な応用ができない。

0074

(6)膨大なデータ量の入力が必要であり、かつ、データ入力が困難であるため、測定コストが大きすぎ、実用に耐えられる手法ではない
TECの各項目は、従来の概念とは異なるため、通常、入力者がそれを即座に判断し、的確にデータを入力することは困難である。さらに、全てのトランザクションに関してデータ入力が求められるため、入力するデータ量は膨大であり、測定コストがその導入効果を超えて巨額となる。IT技術の進展により、データの入力と処理が抜本的に効率化されているとはいえ、いまだ、コスト測定・分析手法として実用的であるとはいえない。

0075

(7)人事考課に関する処理方法が記載されていない
トランザクションの測定・分析は、確かに、その効率化に寄与するものの、人事の適正な評価は常にインセンティブを与え、実効性を高める上で不可欠である。トランザクションに関する詳細なデータが収集されているにもかかわらず、それを人事考課に活用する処理プロセスが記載されていない。

0076

〔C〕本発明の特徴
これらに対して、本発明では以下のような新たな処理プロセスを導入し、課題の解決を行った。

0077

(1)資源コスト処理プロセスの明確化と財務会計処理プロセスとの整合性の確立
本発明においては、資源コストの定義を導入し、トランザクション・コストおよび執行コストの定義を修正再構成することにより、財務会計との整合性を確保し、コスト分析手法としての客観性を強化するとともに精度を向上させた。

0078

具体的には、まず、資産を含む物理的資源を、直接資源と間接資源との二つに分類し、間接資源のコストのみをトランザクション・コストに含め、直接資源のコストを除外した(図9)。なお、図9は、コストの構成要素を示す説明図である。

0079

ここで、直接資源とは、企業が売上を計上するための製品やサービスを提供するための直接的な付加価値の流れにのった資源であり、材料や部品から最終製品までの資源を含む。また、間接資源とは、人材、資産(組織資産を含む)、資金、ブランド、間接業務サービス、情報などに関する資源を含む。

0080

つまり、トランザクション・コストの定義を修正、明示化し、トランザクションの活動に必要な間接資源コストを特定し、その算入処理のプロセスを発明した。詳細には、トランザクション実行に必要な間接資源を特定、分類し、それらの算入処理方法(図10)を作成し、あらゆる間接資源コストの算入処理が行えるようにした。同様の処理方法にて、執行コストの活動自体に必要な間接資源コストも、執行コストに算入処理するプロセスを発明した。なお、図10は、間接資源コストの算出表を示す説明図である。

0081

(2)組織活動の有効性評価の指標の導入
企業の活動の評価においては、その有効性評価が極めて重要である。当然のことながら、有効性(効果)の客観的指標について、これまで多くの試みがなされてきている。しかし、そのどれもが目的を実現するに至っていないのは、有効性には無限の指標がありえ、それはだれがいつ、どのような状況で有効性を評価するかで異なってくるからである。

0082

例えば、「営業をする」という行動は、売上を増やすという効果に加えて、「顧客を満足させる」「営業員のスキルを強化する」「営業員の満足度を高める」「製品力を強化する(市場の情報を収集する)」など様々な効果の軸が存在し、それらは状況によって、そしてだれが評価するかによって、大きく異なってくる。評価者自身の価値や価値観が変化し、評価軸が変わるケースももちろんありうる。評価の軸は無数にある上に、評価者、あるいは評価者自身の環境により、その重み付けが異なり、統一的、客観的な有効性の評価軸はありえなかったのである。これに対して、トランザクション・コストでは、有効性の統一的、客観的評価を可能とした。

0083

執行コストや生産コスト、資源コストなど、トランザクション・コスト以外のあらゆるコストは、これらがいくら削減されても、有効性の向上(売上増大、企業ブランド向上、製品ブランド向上、顧客ローヤリティ向上、流通パートナーのローヤリティ向上、社員のスキルの向上、社員の忠誠心の向上など)にはつながらない。効率が高まる結果として、有効性は同一のまま生産量や制作量が増大するだけである。

0084

しかし、トランザクション・コストは、インターフェース(業務仕様)を決定する作業であり、この作業における効率化がなされると、労働時間が一定であることを前提に、作業量が増大するため、その効果が増大する。例えば、売上増大の活動量が増えれば、それだけ売上は増大し、製品開発力強化の活動量が増えれば、製品開発力はそれだけ強化される。つまり、効率化される作業量を(1−t)とすれば、作業量の増大量、すなわち、有効性増加率はe=(1−t)/tとなる(図11)。なお、図11は、トランザクション・コスト削減による有効性の向上を示す説明図である。

0085

上記前提は、現実からほとんど乖離しておらず、少なくとも、従来、客観性と統一性を兼ね備えた定量分析が全くできなかった有効性解析に対して、画期的な革新をもたらした指標であるということができる。

0086

なお、従来、有効性が評価できなかった理由には、出力としての成果の有効性が無限の種類あるのと同時に、入力としての活動にも、無限の種類があることもあげられる。入力と出力の因果関係を一意的に抽出できないために、有効性の算出ができないということだが、これについては、次に説明する。

0087

また、トランザクション・コスト削減効果(すなわち有効性向上)の手段として、組織資産の導入(インターフェースの固定化)によるトランザクション・コスト削減(すなわち有効性向上)については後述する。

0088

(3)トランザクションの原単位の同定処理プロセスの導入
活動と成果の一意的因果関係を特定し、コスト削減効果、有効性の分析・評価を行うために、入力と出力の関係が一意的になるまで、すなわち、因果関係の錯綜が排除できるまで、入力と出力を細分化する処理プロセスを導入した。

0089

活動(入力)には無限の種類があり、また成果の有効性(出力)にも無限の種類がある。これらの因果関係を一意的に抽出するには、原単位の的確な同定が必要となる。TEC分類は、入力と出力を統一の基準で評価できる。具体的には、(A)資源の流れによる対象物分類、(B)入れ子の連結構造の処理、(C)近親距離による分解処理、(D)作業相手とBuyer/Supplierの峻別処理、の四つの分解処理プロセスを導入した。

0090

(3−A)資源の流れによる対象物分類
前述の「IT部員が営業部員のPCを修理する」ケースでは、「社長とIT部門のトランザクション」、「IT部門長とIT部員のトランザクション」という入れ子構造も存在するが、その他にも、「社長から営業部門への間接資源(IT関連サービス)の提供」、「営業部門から社長への間接資源に対する料金の支払」、「上記トランザクションの交換(請求業務)に対する経理部門のサービス業務の社長への提供」、「上記サービス業務の社長からIT、営業両部門への提供」というように、背景には複数の資源交換のトランザクションが発生している。特に、間接資源の提供およびその対価の支払というトランザクションは、資産やサービスの使用に対して課金される傾向が強まっているものの、その多くは無意識のままにコストや有効性の管理が等閑にされたままで放置されている。

0091

これに対して、資源の流れの方向性と対象物を図12のように、業務成果の納入については、下流方向の成果資源と、上流方向のコンペンセーション、必要資源の供給については、上流方向の直接資源/間接資源、下流方向の料金に大別し、さらにそれを網羅的に分類規定し、個別に処理できるプロセスを導入した。なお、図12は、資源の流れと対象物の分類を示す説明図である。

0092

(3−B)入れ子の連結構造の処理
上記の資源の流れと対象物により、入れ子の連結構造は異なる。それを二つの基本構造集約させることにより、構造の記述を行った(図13図14)。なお、図13は、組織内の入れ子連結構造の説明図であり、業務成果が直接資源である場合を示す。図14は、組織内の入れ子連結構造の説明図であり、業務成果が間接資源である場合を示す。

0093

(3−C)近親距離による分解処理
前述の「IT部員が営業部員のPCを修理する」ケースでは、表面的には、IT部員と営業部員のトランザクションであるが、その背景には、複数のトランザクションが潜在していることを指摘した。これを分解するために「近親距離」の概念を導入し、それに従って、トランザクションが成立していると規定し、分解する基準とした。すなわち、上記ケースでは、直接の上司−部下の関係を近親距離と規定し、そこでのトランザクションが原単位として成立すると定義し(部員と部長の間では、トランザクションは成立しない)、それを組織外における通常の市場取引においても適用可能とするために、Buyer/Supplierと定義した。

0094

例えば、図6の事例に示した「部長が部員に指示を与える」というトランザクションでは、本来は、「部長が課長に指示する」と「課長が部員に指示する」の二つの近親距離のトランザクションに峻別してとらえることになる。それにより、部長−課長間、課長−部員間で存在すべき指示、評価、考課が省略されているのは、効率化によるものか、怠慢によるものかが追跡可能となる。これにより、部長−課長間のトランザクションが、過去の組織資産の投資により効率化された程度を知ることができ、またその逆として、部長−課長間の指示、報告、評価の活動がないことが認識可能となり、組織機能不全現象を把握できるようになる。

0095

(3−D)「作業」における作業相手と「トランザクション」におけるBuyer/Supplierの峻別処理
上記ケースでは、IT部員と営業部員の表面的なトランザクションが発生しており、(3−C)においては、これを分析対象としての近親距離に分解したものを原単位として扱うことを規定した。しかし、IT部員と営業部員の表面的なトランザクションも、測定、分析、評価の対象としては重要であり、そのコスト削減、有効性向上の余地は大きい。従って、実際に発生しているものを「作業」、その相手を「作業相手」と定義し、近親距離のBuyer/Supplier間にて発生する「トランザクション」と峻別して扱う処理プロセスを規定した(図15)。なお、図15は、Buyer/Supplierと作業相手の峻別の例を示す説明図である。

0096

(4)インターフェースの固定化(組織資産の形成)の効果評価について、その処理方法を規定
インターフェースとは、業務のやり方や仕様を意味し、それには固定インターフェースとアドホック・インターフェースの二つに分類される。

0097

固定インターフェースとは、事前に業務のやり方や仕様が決定・固定される場合のことを指し、組織資産(制度、ルール、マニュアル、仕様書、プロセス、データベースなど)として位置づけられる。アドホック・インターフェースとは、事前には決定されておらず、主に上司が、その場で決定することを意味する。なお、上司、部下の役職による指示命令の関係は、固定インターフェースである。

0098

固定されたインターフェースは、組織の資産として形成され、複数回使用されることになる。それが的確に設計されれば、その初期コストは発生するものの、アドホック・インターフェースを複数回、削減することになるので、トータルとして作業コスト(トランザクション・コスト)は削減されることになる。

0099

ここで、固定インターフェースの開発、運用、改善、普及、教育周知徹底などに必要とされた全コストを集計することにより、固定インターフェースの(間接資源コストを含む)全コストを把握することが可能である。具体的には、トランザクションを行う際に、ある固定インターフェースが使用された場合は、それをカウントし、使用回数を計測することにより、その固定インターフェースの単位コストを把握することができる。また、固定インターフェースが導入される以前のトランザクション・コストと、導入以後の同一のトランザクション・コストを測定し比較することにより、固定インターフェースの導入が、どの程度、トランザクション・コストの削減に寄与したかを把握することができる。

0100

つまり、これらから、固定インターフェースの導入・維持の全コスト、固定インターフェースの使用一回当たりの単位コスト、固定インターフェースの導入により削減されたトランザクション・コスト、およびこれらの比較により、インターフェースの固定化による投資効果を測定することができる。さらに、固定インターフェースを完成させた時点で、使用想定回数登録させ、実測回数と比較することにより、それが計画通りに使用されたか、つまり設計の的確性について評価することが可能となる。

0101

なお、これまでに提起された全枠組を抽出する作業過程の一つとして、TEC分類の抽出過程については、非特許文献1に詳しいが、あらゆるトランザクションの形態を分析し、共通項目を抽出する作業を試行錯誤で繰り返すことにより実現されるものである。

0102

社会におけるトランザクションの種類は、国家、地域、業種、業態、企業、企業内外、営利/非営利などで無数に存在するため、それらの項目すべてに共通する項目を、帰納的に抽出する試行錯誤を無限に繰り返すことにより、行われる。

0103

過去の試みの例として、例えば、情報システム技術は、その構造から、多くのトランザクションに普遍的に適用できる合理化機能を提供することを目指すものであり、トランザクションを標準化する様々な試みが歴史的に行われてきているものの、あらゆるトランザクションに共通する枠組を抽出するには至っていない。現在までに継続されているプロジェクトの事例として、ebXMLがある。これはあらゆるトランザクションを実行する際の実装技術の枠組として、UN/CEFACT(United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business)とOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)が標準化を行っているものである。

0104

情報システムにより、あらゆるトランザクションを置換させようとする実装技術なので、単なるコスト分析よりも精緻な構造が必要とはなるが、それを案しても、あまりに複雑な構造となっており、コスト評価モデルとして実用的に援用できるとはいえない。これまでに本発明において提起された全枠組の抽出過程は、TEC分類の抽出過程と同様に、あらゆるトランザクションの形態を分析し、共通項目を抽出する作業を試行錯誤で無限に繰り返すことにより実現されたものである。

0105

(5)企業活動の有効性の評価
(5−1)企業活動の有効性の評価基準を規定
企業の諸活動の有効性を統一的、客観的な基準で分析する枠組として、以下の通り、規定した(図16)。図16は、企業活動の有効性の各指標とその算出方法を示す説明図である。

0106

(A)トランザクション・コストの絶対額(年、半期、月など)
各企業の単位期間(年、半期、月など)におけるトランザクション・コストを総計する。トランザクションとは、業務仕様を決定する作業であるが、その活動の絶対量は、企業の創造的活動の量に等しく、これを比較することは、企業活動の有効な出力の評価として重要である。

0107

派生指標:・直接資源と間接資源別の絶対額
・TEC分類別の絶対額
・執行コスト、資源コストとの比率
・上記全ての部門間、企業間、業種間などの比較。

0108

具体的には、トランザクション・コストの絶対額(年、半期、月など)は、次の数式(1)で算出することができる。

0109

0110

(B)トランザクション・コストにおける組織資産化の進展度
トランザクション・コストの総計を、固定インターフェース(組織資産)によるトランザクションと、アドホック・インターフェースによるトランザクションに峻別し、その比率を算出する。活動の有効性向上(トランザクションの効率化)は、組織資産化(インターフェースの固定化)のみにより実現されるので、固定インターフェースの比率は、トランザクションの効率性および活動の有効性の絶対指標として重要である。

0111

派生指標:・直接資源と間接資源別の依存度
・TEC分類別の依存度
・上記全ての部門間、企業間、業種間などの比較。

0112

具体的には、トランザクション・コストにおける組織資産化の進展度は、次の数式(2)で算出することができる。

0113

0114

(C)組織資産の絶対投資額
企業の活動の有効性向上の源泉である組織資産に対する投資額を総計する。累積額と単位期間における投資額の二つの絶対量がある。有効性向上に対する意欲と実績を見ることが可能である。

0115

派生指標:・直接資源と間接資源別の絶対投資額
・TEC分類別の絶対投資額
・上記全ての部門間、企業間、業種間などの比較。

0116

具体的には、組織資産の絶対投資額は、次の数式(3)で算出することができる。

0117

0118

(D)組織資産の投資効率
組織資産の投資による有効性向上(コスト削減額)の比率を絶対量として算出する。組織資産導入前後のトランザクション当たりのコスト削減値と投資額を比較して、その投資効率を見ることは、企業の組織資産形成能力を見る上で重要である。

0119

派生指標:・直接資源と間接資源別の投資効率
・TEC分類別の投資効率
・組織資産別の投資効率
・上記全ての部門間、企業間、業種間などの比較。

0120

具体的には、組織資産の投資効率に関連する指標は、次の数式(4)〜(8)で算出することができる。

0121

0122

0123

0124

(5−2)組織資産(固定インターフェース)の効果
組織資産とは、業務プロセス経営システム、マニュアル、指針、制度、情報システムなどのように、事前に固定化されたインターフェースである。この効果は、図17に示すように、工場ラインを自動化するように、初期コストは発生するが、追加の変動コストが削減されることである。なお、図17は、組織資産(インターフェースの固定化)の効果の説明図である。

0125

インターフェースを固定化しなければ、アドホック・インターフェースにより、毎回、多額の変動コストが発生する。想定使用回数だけ固定インターフェースが使用されれば、トータルとしてのコストは、アドホック・インターフェースでのコストを下回ることになる(図17では5回目)。ただし、インターフェースの固定化(業務プロセス、経営システム、マニュアルなどの設計の仕方)が不的確であれば、コスト削減量が小さく、コストの総計額が投資しない場合を下回らず、投資としては失敗だったということになる。

0126

インターフェースの固定化が的確に行われるためには、どのようなアドホック・インターフェースがどれくらい発生するかを把握し、それを置換する固定インターフェースの設計が必要になる。アドホック・インターフェースにおいて不確定性(形態が定まらない)、不確実性予想外の形態が発生する)が高い場合は、使用回数が想定回数に達せず、採算に合わないということになりがちである。なお、現実には、固定インターフェースには、初期コストだけではなく、メンテナンス、改善などの追加コストが発生することになり、それもコスト総計に加える必要がある。

0127

(5−3)企業活動の有効性の判定に当たっての注意事項
(5−3−1)有効性判定問題
通常の概念の有効性の基準は企業ごとにより異なり、有効性の絶対値に対する客観的統一的な尺度は存在しえない。したがって、従来、感覚的判断により行われてきた。

0128

企業においては、売上と利益、場合によっては株価の定量評価を中心に、さらに無数の種類の定性的評価を加えて、有効性評価を行ってきている。なお、定性評価でも、スコアリング手法のように、採点者が採点を行うことにより見かけ上の定量データとする場合もある。

0129

これは、企業の活動は、売上と利益を増大させるだけではなく、市場開拓、ブランド強化、社員のスキル強化、顧客満足、地域貢献など、様々な軸により評価されているからである。例えば、情報システム導入の投資を行った場合、あるいはある戦略を実施した際には、各企業は、その活動がどの程度、売上増大に寄与したか、コストを削減したか(利益を増大させたか)、顧客満足度を高めたか、社員のスキル向上に貢献したか、企業ブランドを高めたか、特定の機能(商品開発力、生産力など)の強化に寄与したか、などについて、総合的包括的に評価し、感覚的に、その投資効果、すなわち有効性を判断している。

0130

さらに、企業においては、特殊要因に起因した評価軸がありえ、例えば、ある特定の製品の競争力を強化したい、ある特定の顧客の売上を増大させたい、ある特定の社員を育成したいなど、これらは無限に存在しうるし、さらにこれらが、全社の売上増大といった一般的名目標よりも優先されるケースもありうる。

0131

しかし、このような評価軸を全て包含することは不可能であり、ある企業にとって極めて重要な評価軸が欠落する可能性を否定できない。たとえ、全ての評価軸を包含する枠組が可能であったとしても、その評価軸の重み付けについては、主観以外にありえず、評価を客観的統一的に行うことは不可能である。

0132

ここで、企業活動の評価に客観性統一性を持ち込もうとした代表的な手法としてバランス・スコア・カードがあげられる。これは、企業、あるいは活動の評価の様々な軸を、「財務の視点」「顧客の視点」「内部プロセスの視点」「学習と成長の視点」に四つに統合し、統一的に分析しようとするものである。この技術の問題は、有効性の評価において、やはり客観性がないこと、統一性がないことの二つである。同手法においてもスコアリングが用いられているため、各軸における評価が感覚的になること、さらに各軸の重み付けにおいても各担当者の感覚的主観により決定される。このため客観性が担保されない。無数の定性的評価が加わると、全体の客観性が減少し、感覚的、場合によっては感情的にさえならざるをえないのである。さらに、企業においては、特殊要因に起因した評価軸がありえ、例えば、ある特定の製品の競争力を強化したい、ある特定の顧客の売上を増大させたい、など、これらは無限に存在しうる。これらは、もちろん、全社の売上増大よりも優先されるケースがありうる。このような評価軸を全て包含することは不可能であり、ある企業にとって極めて重要な評価軸が欠落する可能性を否定できない。バランス・スコア・カードにおいては、ある企業の、ある時間の、ある特定の状況にカスタマイズした評価システムとしては機能するが、企業の状況や外部の環境が変化したり、企業を超えて適用するなどには対応ができずに、統一性がないのである。

0133

(5−3−2)
活動の有効性の増加は、トランザクションの作業量の効率化による作業量の増大で判断でき、またそれでしか判断できない。客観的統一的な判定としては、組織単位としての有効性のみ判断が可能であるが、何について有効かは判断できないので、してはならないのである。

0134

トランザクションとは、業務の仕様を決定する作業であり、その作業量を増やすほど、質は高まることになる。例えば、「接続」において、最も適した相手を探索する時間を増やせば、相手の適性(自社の製品へのニーズの強さと支払いの意欲と能力、自社との連携における補完する能力など)を高めることになり、「情報交換」における情報収集の作業量を増やせば、市場ニーズや相手の問題点をより多く的確に把握することが可能となり、事後処理を増やせば、現トランザクションにおける問題点を分析し次のトランザクションの改善のための情報量が増える、等などである。

0135

ここで、作業量とは、「作業時間×効率性」である。トランザクションの作業量を増やすためには、資源量一定を前提に、(a)トランザクション量自体の増大と、(b)効率化による増大の二つがある。なお、有効性は資源量に相関するため、有効性とは、資源量一定を前提とした比較でなければ当然意味がない。すなわち、資源量増大によるトランザクション量の増大は排除する。これにより、大企業中小企業の資源の絶対量の違いを超えて、比較が可能となる。

0136

本発明は、資源量一定の前提のもとに、(b)の効率化について、測定するものであり、活動の有効性の客観的統一的な判定を目的とするものである。

0137

(5−3−3)
活動の有効性の増加は、組織的活動(組織資産の導入)によるトランザクションの効率化でのみ実現される。個人による効率化は無視すべきである。

0138

個人の活動としてのトランザクションの効率化作業を無視すべき、あるいは無視できるのは以下の理由からである。

0139

(a)社員(末端の個人)での効率化努力について
・個人での効率化作業も、通常は必ず何らかの固定インターフェース(組織的基準(価値観も含む))に基づき行われる
・ある作業を削除あるいは廃止する個人の判断が、組織として適格か否かの判断はできない(削減、廃止の対象となる作業が有効か否かの判断は、上記「有効性判定問題」にて説明したように「有効性が判定できない」理由からできない。本発明においては、一貫して、作業の削減、廃止は、その有効性が判定できない以上、活動の有効性とは無関係であるとの論理を貫いていることに留意していただきたい)
・個人での効率化努力は、組織的対応に比較して無視できる程度に小さい
・個人は廃止の意欲や能力を持たない(これが組織的管理の存在理由である)。

0140

(b)上司個人の蓄積ノウハウによる管理としての効率化作業について
・通常は、上司が何らかの基準を適用している(その開示がないのは企業利益に反する行為であるため、評価に値しない)
・上記と同様の理由で、作業の削減、廃止は有効性には無関係である
・他の部署への再現性がなく、また、個人の移動とともに遺失するノウハウであり、影響力が小さい。

0141

(6)データ入力支援機能の実装
本実施の形態に係る企業活動の有効性評価装置10(詳細は実施例にて詳述)は、以下のようなデータ入力支援機能を備えている。図18は、データ入力処理フローチャートである。図19は、入力・蓄積データの構成を示す説明図である。企業活動の有効性評価装置10では、図18に示すフローに従って、図19に示すデータを登録するようになっている。ただし、本発明において、データ入力支援機能は補助的な機能であって、必須ではなく、図18に示すフローはこれら補助的な機能を適宜選択しながら実行可能である。

0142

(6−1)データ・チェック
トランザクション(入力者)双方から入力されたデータの照合により、入力データ精度信頼性)を検証する技術を開発した。必ず双方向から入力されるという特徴を持つトランザクション・データについて、双方のデータを照合することにより、そのデータ入力の精度(信頼性)を検証する。これにより、膨大なデータ入力作業量を、データ・チェックの観点から大幅に削減させることが可能となる。

0143

なお、従来は、社員が自らの諸活動データを入力するシステムは普及しているが、それらはどれも生産コストの観点からのもの、つまり自身の活動としての分類によりデータを収集していたものであり、その精度を双方向からのデータ照合により検証することは不可能である。

0144

処理手順
テップ1:同一のトランザクションにおいて、複数の入力者間で、入力データであるトランザクション・データの内容を比較・照合し、異なっているデータ項目のみを「要確認データ」としてデータベースに蓄積する。その際の「要確認データ」として指定する条件は、例えば、「相互にトランザクションの相手として登録されている」「日付が同じである」「双方の開始時刻が1時間以内の差に収まる」の三つである。

0145

ステップ2:要確認データについて、入力者に送信し、入力ミスについて確認する。誤入力であった場合には、修正処理としてデータの変更を行うと同時に「誤入力データ」として、データベースに蓄積する。

0146

ステップ3:特定期間(1ヶ月、1年など)における「要確認データ」「誤入力データ」を集計し、入力者ごと、トランザクション属性項目ごとに、その数と時間を表示する。各入力者入力作業の信頼性について評価する判断材料とする。

0147

ステップ4:全入力者間(あるいは一部)の組合せにおける、誤入力データを含まない要確認データの数と時間を集計し、降順属性別の数と時間を提示する。入力者間のデータ入力の認識の違いを抽出する際の判断材料とする。例えば、あるトランザクションについて、上司は教育として認識しているが、部下は業務として認識している場合に、上司と部下との認識の違いを検出できる。トランザクションの認識が異なれば、成果の達成度も低下するため、認識の違いを調整することにより、組織の生産性向上に寄与させることを目的とする。

0148

(6−2)データ共有
必ず双方向で入力が行われるトランザクションのデータ入力において、一方が入力したデータを、もう一方が再利用する技術を開発した。トランザクション・データの入力においては、取引(トランザクション)する双方(あるいは全員)がデータを入力することになるが、一方が入力したデータを、もう一方が、その整合性の確認のもとに再利用させる。

0149

処理手順:
ステップ1:トランザクションが、入力者A、B、C、Dにより行われた場合を想定する。入力者Aが最初に、このトランザクションのデータ入力を行った場合、そしてその後に、同一トランザクションのデータ入力を入力者Bが行おうとした時、入力者Aの入力したデータ、すなわち、そのトランザクションの業務内容、そのトランザクションに携わった者(入力者B、C、D)、開始・終了時間、その他トランザクション属性データ(製品、顧客、プロジェクトなど)に関して入力されたデータを、入力者がAであることと同時に、入力者Bに表示する。

0150

ステップ2:入力者Bはその表示されたデータについて確認し、訂正が必要であると判断すれば訂正し、訂正が必要ないと判断すればそのまま、確認の処理を行う。入力者Aに訂正を要請することが必要な場合には、その旨のメッセージを送信する。

0151

ステップ3:ステップ2のデータを入力者Bの入力したトランザクション・データとして蓄積する。これにより、入力者Bの入力作業は大幅に低減されることになる。

0152

ステップ4:上記ステップ1〜3は、同一のトランザクションに携わった入力者C、Dについても同様の処理を行うものとする。会議などで、同一のトランザクションに携わった者の数がいくら多くとも、同様の処理が可能である。

0153

(6−3)自動計測自動推定処理データの使用
様々なセンサー技術やセマンティック解析技術発展により、入力者が手作業でデータを入力することなしに、自動生成されたデータを活用する技術を開発した。例えば、トランザクションの相手をデータ入力する際に、全個人が信号(音波、光、電磁波など)の発信機受信機を保持することにより、そのデータをトランザクション・デ−タとして利用することが可能である。

0154

個人Aと個人Bが会議、ミーティングなどで接触している時間を、全個人が保持する発信機と受信機を使用し、その接触時間や接触パターンを測定、解析し、トランザクションにおける作業時間、トランザクション相手、作業内容などのデータとして利用する。あるいは、会議室資料室など特定の場所に受信機を設置、その近辺に存在する個人を認識、その滞在時間を測定し、会議の参加者や資料の使用者と時間数をトランザクション・データとして利用する。会議室以外にも、作業机、コンピュータなど、必要な場所に受信機を設置することにより、トランザクションのデータとして利用することができる。コンピュータの場合は、ログオンしている時間の計測や、コンピュータ上の資源にアクセスしている時間の計測も可能である。

0155

これにより、データ入力作業が大幅に効率化される。また、メール、メーリング・リスト、コンピュータ上で作成した資料をセマンティック解析することにより、その入力者、作業相手、Buyer/Supplier、作業項目、TEC分類、その他管理分類(製品、最終顧客、プロジェクトなど)を自動推定し、そのデータを活用する。その他、グループウェア・ソフト、スケジュール管理ソフトなど様々なソフトウェアに蓄積されているデータを、直接、あるいはセマンティック解析後に、それらのデータを使用することができる。上記は、事前登録、発生都度入力により、データベースに蓄積し、パターン検索により入力データを再使用し、同一のデータ入力を省略させることでも可能である(図18図19参照)。

0156

(6−4)TEC自動翻訳
TEC分類は、通常の業務分類とは異なるため、入力者にとって判断に時間とコストが発生する。これを回避するために、作業者、作業相手などのデータが存在することを前提に、通常の業務内容の入力データからセマンティック解析することにより、TEC分類を自動翻訳処理することが可能である。これは、事前登録、発生都度入力により、データベースに蓄積し、パターン検索により、同一パターンのデータ入力を省略させることでも可能である(図18参照)。

0157

(7)人事考課の処理プロセスの導入
トランザクションの測定・分析は、確かに、その効率化に寄与するものの、人事の適正な評価は常に社員にインセンティブを与え、実効性を高めることになる。的確に細分化されたトランザクションの追跡と収集は、行動評価・改善に役立つが、それと併行して、人事考課にも応用することが可能である。コスト算出システムにより、トランザクションを原単位で個別に追跡、評価し、データを蓄積、分析することが可能となったことを利用し、トランザクションの成果を原単位で個別に評価、それを集計し、人事考課に活用する技術を開発した。

0158

ここで、一般論として人事考課については、業績を詳細に測定、評価する方向に加速している。業績や活動の相互評価という視点からは、360度評価と呼ばれる、上司、部下や同僚などが年に1〜2回、人事考課を相互に行う手法が普及している。しかしながら、従来の360度評価においては、評価を主観的、感覚的、包括的に行う総合評価であり、個別の成果や行動に関するデータ、あるいはその集計に基づいて評価するものではない。このため、客観的事例を提示することができず、改善の具体的な指示が出せないばかりか、評価結果について双方が感情的となり、業績評価システム自体の運営を困難なものとしてきていた。

0159

これに対して、一意的関係性が特定できるレベルへ細分化されたトランザクションのデータを蓄積している場合には、図20に示すように、客観的、具体的事例の提示が可能となる。なお、図20は、人事評価におけるトランザクション細分化の意義の事例による説明図である。

0160

通常の人事評価においても、細分化や事実記述は可能であるが、あらゆる事実を記録する、統計をとるなどの客観性は担保できない。細分化により、問題の抽出が具体的に行われるので、解決しやすい。また、客観的な事実がない状態での評価は、感情的軋轢に発展しやすく、職場人間関係崩壊することも多々発生している。客観的なデータにより、人事評価における冷静、論理的な議論が可能となる。

0161

さらに、従来の評価手法では、悪い評価と良い評価、極端に悪いケースと極端によいケースの混在と相殺の結果としての総合評価であるので、当事者が問題の所在がどこにあるのかを把握できない、評価者の違いによる違いを認識できず、改善策を抽出することができないという問題があった。

0162

これに対して、細分化されたデータによって、全ての個別の評価の提示が可能となるため、状況による違い、評価者の違いを認識することが可能となる。

0163

処理手順:
ステップ1:トランザクションに関して入力するデータ項目に、トランザクション相手の評価を加え、データ入力する。これは肯定的評価否定的評価を同一の軸で、例えば10段階で評価してもよいし、また肯定的評価と否定的評価を分けて、前者については「感謝ポイント」、後者については「クレーム・ポイント」などと表現してもよい。また、肯定的評価、あるいは否定的評価のどちらかのみを扱ってもよい。評価対象については、相手の成果の、品質、量、対応時間などの細分化を行ってもよい。

0164

ステップ2:特定期間(1ヶ月、1年など)における上記評価ポイントを、被評価者個人別に集計し平均値を算出し、他者に対する貢献度について評価する材料とする。これは人事考課における重要な判断材料となりうる。

0165

ステップ3:一つのトランザクション当たりで、最も高い感謝ポイント(あるいは高い評価ポイント)を獲得したトランザクションについて、それを特定できる属性データ(時間、製品、顧客など)とともに、降順に、被評価者別にデータを提供し、どのようなトランザクションが他者から感謝(あるいは高評価)されたか、自身の判断材料とする。これを人事考課に使用してもよい。

0166

ステップ4:ステップ3と全く同一の処理を、クレーム・ポイント(あるいは低い評価ポイント)について行い、どのようなトランザクションが、クレーム(あるいは低評価)を受けたか、自身の判断材料とする。これを人事考課に使用してもよい。

0167

ステップ5:ある被評価者に対する評価ポイントを評価者別に集計し、被評価者に提示する。どの評価者から高い評価を受け、どの評価者から低い評価を受けたかについて、被評価者が自身でトランザクション改善の材料とする。これを被評価者の人事考課に使用してもよい。

0168

ステップ6:ステップ5の被評価者別の、評価ポイントを集計、平均し、その平均値と各評価者の評価ポイントを比較する。評価者の評価が平均とどのように遊離しているかを見て、被評価者の評価の信頼性や能力について判断する材料とする。

0169

(8)固定インターフェースの有効性や貢献度の評価
上記(7)の技術の援用により、組織資産(IT、マニュアル、指針、制度、物流システムなど)の利用の際に、全使用者がその効果を評価するデータを入力、それを集計することにより、当該資産の有効性およびその設計開発者の貢献度を評価することを可能とする。

0170

処理手順:
ステップ1:トランザクション・データの入力において、固定インターフェース(企業における資産で、IT、マニュアル、指針、制度、物流システムなどの固定インターフェース)の使用についてデータを入力する(使用回数の計測)際、その固定インターフェースの有効性に関する評価を入力項目として加え、データ入力する。これは肯定的評価と否定的評価を同一の軸で、例えば10段階で評価してもよいし、また肯定的評価と否定的評価を分けて、前者については「感謝ポイント」、後者については「クレーム・ポイント」などとしてもよい。また、肯定的評価、あるいは否定的評価のどちらかのみを扱ってもよい。

0171

ステップ2:特定期間(1ヶ月、1年など)における上記評価ポイントを、固定インターフェース別に集計し平均値を算出し、固定インターフェース各々の機能の満足度について評価する材料とする。これを固定インターフェースの開発、運用、改善に係った者に対して提示し、今後の作業の改善のための判断材料としてもよい。

0172

ステップ3:ある固定インターフェースに対する評価ポイントを評価者別に集計する。どの評価者から高い評価を受け、どの評価者から低い評価を受けたかについて、固定インターフェースの開発、運用、改善に係った者が自身の作業改善の材料とするとともに、固定インターフェースの開発、運用、改善に係った者の、それらの時間数とともに表示し、人事評価者が彼らの人事考課の材料としてもよい。

0173

ステップ4:ステップ3の固定インターフェース別の、評価ポイントを集計し平均値を算出し、その平均値と各評価者の評価ポイントを比較する。評価者の評価の信頼性や能力について判断する材料とする。

0174

(9)製品の精確な利益率の算出プロセス
本発明により、絶対額が急速に増大しており、相対的に重要性が増大している間接資源関連のコストを網羅的に把握し、全製品、全プロジェクトに精確に按分し、製品やプロジェクトの精確な利益率を算出することが可能となる。

0175

間接資源関連のコストには、以下の3種類がある。

0176

(a)資源コスト:資材、材料、部品、外注など(コストの算出方法は図10
(b)トランザクション・コスト(固定インターフェース関連コスト+アドホック・インターフェース関連コスト):間接資源の仕様策定のコスト
(c)執行コスト:間接資源のインターフェースに従った製造・制作のコスト
これらをすべて追跡、算出し、その精確な按分が可能となる。

0177

従来、上記間接資源コストについては、無視されるか、一括定率按分処理近似値を求めてきていたが、本技術により、上記全ての間接資源について、精確に算出し、精確な按分を行うことが可能となる(図10に詳細を説明)。特に、組織資産(制度、規定、ビジ
ネス・プロセス、経営システム、ITなど)は、重要性が増大する企業の資産であるにもかかわらず、その把握と分析が不可能であった。このため、実際には貢献度の大きい組織資産関連の業績が評価されず、結果として業績評価全体の精度を低下させ、不公平感を払拭することができなかった。なお、情報や物理的資産のコスト把握については、従来の手法でも可能ではあったが、本手法の採用により、追加コストなしに測定・分析が可能となった。

0178

〔D〕本発明による効果
(1)組織活動のコスト削減効果、有効性向上の評価(事例として図21図22参照)
(a)コミュニケーション(担当者探索、コミュニケーション基盤/ツールの整備、情報伝達、調整、交渉、合意、契約、決済、搬送事務、指導、評価、作業改善、問題解決など)のコスト削減、有効性向上
(b)部下指導・管理のコスト削減、有効性向上(コミュニケーション基盤/ツールの整備、情報伝達、指導、考課、作業改善、問題解決など)
(c)会議、電話、メール、メーリング・リスト、その他メディア使用(郵便ファックスなど)のコスト削減、有効性向上
(d)インタラクション(情報提供、情報交換、情報蓄積、情報探索、情報共有、情報使用、および上記の評価、改善など)
(e)上記の企業間、部門間、個人間、業種間、国家間、地域間の比較。

0179

図21図22は、出力例を示す説明図である。図21からは、新任課長は、部下への指導時間が十分でなく、特に評価面談に時間がかけられていないことが分かる。また、図22からは、まず、部門Bのみ生産性が高く、「説明+交換」のコストが低いことが分かり、次に、「説明+交換」の作業をさらに細分化すると、仕様調査と交渉の作業コストが圧倒的に低いことが分かり、最後に、その背景には、他部門がこれらの作業を同一の担当者に行わせているのに対して、部門Bでは仕様調査を新人に、交渉はベテランに行わせていることが分かった。

0180

(2)組織資産(制度、規定、ビジネス・プロセス、経営システム、ITなどの固定インターフェース)の評価(事例として図23参照)
(a)組織資産構築(インターフェースの固定化)に要した全コスト
(b)組織資産構築(インターフェースの固定化)による組織活動のコスト削減効果および有効性向上の評価
(c)上記からの組織資産(インターフェース固定化)の投資効率
(d)有効性の想定値実績値の比較に組織資産開発能力(設計・開発・運営能力)の評価
(e)上記からの組織資産の累積額(企業の組織資産の評価)と、組織資産開発能力の評価(この二つは、企業価値評価の新基準となる)
(f)上記の企業間、部門間、個人間、業種間、国家間、地域間の比較。

0181

図23は、出力例を示す説明図である。図23からは、標準化作業に時間を費やしているシステムは、システム使用率が向上することが分かる。

0182

(3)客観的人事評価および具体的教育指導
一意的関係性が特定できるレベルへ細分化されたトランザクションのデータを蓄積していることを利用して、具体的事例の提示、統計データの使用など客観性が担保できる人事評価および指導が可能となる。客観的なデータにより、人事評価における冷静、論理的な議論が可能となる。従来の評価手法での問題である、悪い評価と良い評価、悪いケースとよいケースの混在と相殺の結果としての総合評価でないので、当事者が問題の所在がどこにあるのかを把握でき、評価者の違いによる違いを認識でき、改善策を抽出することが容易となる。

0183

(4)組織活動の有効性向上の評価、その他効果
従来、全くデータ取得の対象となってこなかったトランザクション(コミュニケーションとインタラクション、ミィーティングなど)のデータを蓄積し、可視化することの具体的効用としては、以下のようなものがある。

0184

(a)経営者の指示命令の支援
経営管理者の管理業務支援
社外取締役など外部アドバイザーの有効活用
遠隔地、社外勤務メンバーの行動把握・管理。

0185

(b)経営実態の可視化の推進
適正な評価/インセンティブ・システム
コンプライアンス(J−SOX(いわゆる「日本版SOX法」)など)の確認・実証データ
社員個人々々の気づきの促進。

0186

(c)イノベーションと企業成長の促進(定型処理非定型処理相乗効果的進展)
定型処理化(効率化)の確実な促進
コラボレーションカルチャー(社内外の他人への配慮)の醸成。

0187

(d)活動データの情報共有・伝達
オープンな社風の企業の競争基盤強化
社内人間関係の円滑化とベクトル合わせ
情報共有(部門内、部門間)による部門間の壁の排除、協調的な企業文化を形成
教育システム(特にベンチャー企業)、事業継承の支援。

0188

(e)業務効率システム効率の測定と改善
ホワイトカラーの生産性向上
事務部門の改善の効果測定およびバックオフィスの貢献の明示化
会議、電話などのコミュニケーションの効率化促進
IT投資効果、プロセス投資効果、企業の効率性の測定。

0189

(5)製品の精確な利益率の算出
本発明により、急速に増大しており、相対的に重要性が増大している間接資源のコストを網羅的に把握し、精確なコストの算出と按分が可能となる。

0190

(6)まとめ
以上のように、本発明により、企業の価値を、物理的資源による基準ではなく、諸活動の効率性、有効性から評価することが可能となる。それは以下の四つの指標により判断される。

0191

(a)トランザクション・コストの絶対額(年、半期、月など):業務仕様を決定する作業の絶対量
(b)トランザクション・コストにおける組織資産への依存度:トランザクションの効率性の指標(絶対量)
(c)組織資産の絶対投資額:組織資産の絶対量
(d)組織資産の有効性:投資に対するコスト削減、有効性向上の比率(絶対量)。

0192

なお、本発明の前提であるTEC分類の特徴は、従来、存在しなかった、人間の諸活動の処理機能にある。例えば、情報技術上の交換においては、「接続」「情報交換」の後に、即座に「交換」が行われる。しかし人間にはあいまい処理をする能力が備わっているからこそ、トランザクションの多くはあいまいなままに行われる。それを処理するために、あいまい性を「交換」の前後において排除する必要がある。それが「交換」の前に行われる、あいまい部分に関する「交渉/合意」であり、「交換」の後に行われる、あいまい性に起因する問題についての「事後処理」である。このように分類することにより、人間の諸活動を標準的に分類することが初めて可能となった。

0193

本実施の形態では、データ入力は、「基本情報入力」と「使用間接資源情報入力」の二つから成立する(図24)。図24は、データ処理のフローチャートである。

0194

基本情報入力においては、入力者名、作業項目、作業時間(開始時間、終了時間)、成果資源の適用分類(間接資源か直接資源か。直接資源の場合は、その管理分類基準としての製品、顧客、プロジェクト等も)について選択項目の中から選択して入力する。

0195

入力されたこれらのデータから、データ自動算出処理により、入力者の部門、役職、単位人件費、および作業項目のTEC、作業相手、Buyer/Supplierのデータが自動入力される。

0196

以上の手動および自動により入力されたデータから、コスト指標、すなわち消費コストおよびコスト削減額と有効性向上に関する、次のような指標が計算されグラフの形態にて出力される。すなわち、入力者別、属性別(部門、役職、企業など)、TEC別、適用分類別、作業相手別、Buyer/Supplier別、トランザクション・コスト/執行コスト/資源コスト別であり、さらに、これらの中から任意の二つが選ばれ、二軸マトリックスとしての指標が計算されグラフの形態にて出力される。ただし、資源コストについては、財務会計データからの引用が必要となる。なお、成果資源が間接資源の場合は、成果資源完成時に、その想定使用回数が入力される。

0197

ここで、間接資源とは、人材、資産(組織資産を含む)、資金、ブランド、間接業務サービス、情報などの資源である(図10参照)。これに対して、直接資源とは、企業が売上を計上するための製品やサービスを提供するための直接的な付加価値の流れにのった資源であり、材料や部品から最終製品までの資源である。

0198

使用間接資源情報入力においては、使用した間接資源項目を選択して入力する。このデータからのデータ自動算出処理により、使用された間接資源のコストが算出され、使用回数がカウントされる。間接資源のコスト算出に当たっては、課金料金の規定がある場合はその料金を使用し、ない場合はコスト算入規定(図10)を適用し算出する。

0199

これらのデータと、既に入力されている間接資源の想定使用回数とから、間接資源のコストと効果に関する、次のような指標が計算されグラフの形態にて出力される。すなわち、間接資源別の消費コストおよび削減コスト額、有効性向上率、各間接資源別の「消費コストvs.間接資源使用頻度(これは時系列により表示される)」、各間接資源の計画達成率(使用回数/想定使用回数)である。なお、間接資源別の消費コストは、上記コスト指標別でも算出される。

0200

また、ある製品(あるいはプロジェクト)の全ての間接資源コストを集計、その使用に従って精確に按分することにより、その完全な利益率を算出することが可能となる。

0201

従来から物理的資産など物理的間接資源の分析・評価は可能であったが、相対的に重要性が増している組織資産の評価ができなかったため、これまで間接資源全体の投資効果の統一的分析・評価および完全な利益率算出を行うことはできなかった。本発明においては、組織資産の分析・評価手法のプロセスを確立したこと、その間接資源分析・評価(財務会計)との統一性を確立など、上述した「〔C〕本発明の特徴」の導入により、これらが可能となった。

0202

また、そのコスト効果から、間接資源全般の分析・評価の動機付けが与えられる。したがって、本項の説明において、「間接資源」を「組織資産」と読み替え、本発明における組織資産の測定・分析手法を適用すれば、上記指標を組織資源にのみ適用するものとして利用でき、また企業活動の有効性評価の各指標を算出できる。

0203

本発明の一実施例について図1等に基づいて説明すれば、以下のとおりである。

0204

図1は、本実施例に係る企業活動の有効性評価装置10の構成の概略を示す機能ブロック図である。企業活動の有効性評価装置10は、上記の「〔C〕本発明の特徴」「〔D〕本発明による効果」に説明した本発明に特徴的な機能を実装した装置である。

0205

図1に示すように、企業活動の有効性評価装置10は、入力部11、データ格納部12、データ取得部(データ取得手段)13、中間データ算出部(中間データ算出手段)14、指標算出部(指標算出手段)15、指標比較部(指標比較手段)16、出力部17を備えて構成されている。

0206

記入力部11は、キーボードマウス等を介してユーザの操作入力を取得し、所定の形式に整形して、上記データ格納部12にデータを登録する。また、上記入力部11は、ユーザによる指標の算出の指示を取得する。なお、詳細には、上記入力部11は、図18に示すフローに従って、図19に示すデータを登録するようになっている。

0207

上記データ格納部12には、トランザクションデータ12a(図19)、補助データ12bが格納されている。トランザクションデータ12aには、少なくとも、作業項目毎に、作業に使用されたアドホック・インターフェースおよび固定インターフェースと、TEC(Transaction Element Class)分類と、作業に従事した作業者の単位人件費と、作業に要した作業時間とが対応付けられて登録されている。また、補助データ12bとは、データの入力、中間データや指標の算出に使用するパラメータ等が登録されている。なお、データ格納部12は、図1に示すように企業活動の有効性評価装置10の内部に設けられていてもよいし、企業活動の有効性評価装置10から読み書き可能に外部に設けられていてもよい。

0208

上記データ取得部13は、上記データ格納部12から、評価対象とするトランザクションデータを上記インターフェイスの種類あるいは上記TEC分類に基づいて抽出する。

0209

上記中間データ算出部14は、上記データ取得部13によって取得されたトランザクションデータの上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを、上記単位人件費および上記作業時間、ならびに、あらかじめ設定されている上記固定インターフェースを使用する使用コストを用いて、それぞれ算出する。具体的には、上記中間データ算出部14は、後述するように、例えば、FTCf、ATCf、FDCf、N、Yr、Mfを算出する。なお、上記中間データ算出部14は、算出した中間データをファイルに書き出して、次回参照できるように補助データ12bとして保存しておいてもよい。

0210

上記指標算出部15は、上記中間データ算出部14によって算出された上記アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび上記固定インターフェースを使用した作業コストを用いて、トランザクションの有効性を評価するための指標を算出する。具体的には、上記指標算出部15は、例えば、数式(1)〜(8)に従って、(A)トランザクション・コストの絶対額(年、半期、月など)、(B)トランザクション・コストにおける組織資産化の進展度、(C)組織資産の絶対投資額、(D)組織資産の投資効率を算出する(図16)。なお、上記指標算出部15が算出する指標は、上記のものに限定されず、アドホック・インターフェースを使用した作業コストおよび固定インターフェースを使用した作業コストを用いた、トランザクションの有効性を評価するための指標であれば、適宜選択できる。

0211

上記指標比較部16は、上記データ取得部13、上記中間データ算出部14、上記指標算出部15を用いて、アドホック・インターフェースが固定インターフェースに置換された前後での指標を算出するとともに、該算出した指標を比較する。

0212

上記出力部12は、上記指標算出部15や上記指標比較部16で算出した指標等を表示装置印刷装置を介してユーザに提示する。なお、これらの装置は、企業活動の有効性評価装置10の内部に設けられていてもよいし、外部に設けられていてもよい。

0213

次に、企業活動の有効性評価装置10の動作について説明する。

0214

まず、図19に示すように、上記入力部11は、データ入力者図18一般ユーザシステム管理者)から、自分の氏名(Da1)、相手の氏名(Da2)、作業項目(Da3)、間接資源(Da4)、成果資源適用分類(Da5)、開始・終了時刻(Da6)の入力を取得する。

0215

間接資源(Da4)は、間接資源が使用された時のみ登録する。また、間接資源には、間接資源使用回数(Db7)を登録する。さらに、成果資源で間接資源の場合には、成果資源に想定使用回数(Db5)を対応付けて登録する。

0216

ここで、上記入力部11は、入力された自分の氏名、相手の氏名に基づいて、企業・部署(Db1)、役職(Db2)、単位人件費(Db3)を取得し、登録する。自分の氏名、相手の氏名と、企業・部署、役職、単位人件費との対応は、事前に登録されているため、自動処理できる。

0217

また、上記入力部11は、作業項目に基づいて、成果資源および必要資源(Db4)、TEC分類(Db6)を取得し、登録する。作業項目と、成果資源および必要資源、TEC分類との対応は、セマンティックによる自動類推図18のSu4)を用いてもよいし、事前に登録しておいてもよく、いずれにしても自動処理できる。もちろん、例えば、システム管理者が、手動で分類し、登録してもよい(図18のSm2)。

0218

また、成果資源適用分類(Da5)に基づいて、間接資源(Da51)、直接資源(Da52)を登録する。間接資源の場合には、固定インターフェースの認識番号f等を間接資源登録(Db8)に登録する。また、直接資源の場合には、製品(Da53)、顧客(Da54)、プロジェクト(Da55)、その他自分の企業独自の管理分類(Da56)を登録する。

0219

なお、データ入力においては、受発信機による個人間のミーティング、システム使用回数の自動計測などのようなデータを活用してもよい。

0220

図25は、作業項目からTEC分類の自動類推の例を示す説明図である。企業活動の有効性評価装置10のデータ格納部12には、例えば補助データ12bとして、あらかじめ鍵構文が登録されており、上記入力部11は、登録されている鍵構文を含む作業項目に、その鍵構文と関係付けられているTEC分類に割り振る。例えば、図25に示すように、作業項目に「納入する商品の顧客の要望を聞く」と入力された場合、事前に登録されている鍵構文を検索し、「顧客の要望を聞く」という鍵構文が発見されるため、それに対応付けれている「情報交換−製品」を付与すべきTEC分類として決定する。

0221

また、上記入力部11は、トランザクションの原単位への分解も自動類推によって行う。具体的には、例えば、図15に示した「A部門の部員が、B部門の部長に作業を提供した作業」の場合、A部門の部員がデータを入力する際には、本人として「A部門の部員」、相手として「B部門の部長」が、他のデータとともに入力される。このとき、企業活動の有効性評価装置10は、入力されたデータから、「A部門の部員」→「A部門の課長」(トランザクション(1))、「A部門の課長」→「A部門の部長」(トランザクション(2))、「A部門の部長」→「社長」(トランザクション(3))、「社長」→「B部門の部長」(トランザクション(4))の4つの原単位のトランザクションに分解して、登録する。

0222

このように、企業活動の有効性評価装置10は、ユーザによって入力された作業が複数の原単位のトランザクションに分解できる場合、複数に分解した原単位のトランザクションを登録する。なお、トランザクションの分解の仕方(パターン)は、入力された部署や役職の情報に基づいて決定できるように、あらかじめ登録されているものとする。また、分解によって生成したトランザクションのデータは、ユーザ(上記の例であれば「A部門の部員」)が入力したデータに基づいて作成してもよいし、生成されたトランザクションの当事者(「A部門の課長」、「A部門の部長」、「社長」)に入力させるようにしてもよい。

0223

なお、本実施の形態では、付与するTEC分類の決定、および、トランザクションの原単位への分解を、自動類推によって行う場合について説明したが、これに限定されず、同様の結果が得られれば、任意のアルゴリズムを採用できる。

0224

次に、図26図29を参照して、中間データの算出について説明する。図26は、中間データ(FTCf、ATCf、FDCf)の詳細を示す説明である。図27は、FTCfおよびATCfの算出アルゴリズムを示すフローチャートである。図28は、FDCfの算出アルゴリズムを示すフローチャートである。図29は、N、Yr、Mfの算出アルゴリズムを示すフローチャートである。

0225

上記中間データ算出部14は、図26図27に示す手順によって、固定インターフェースが使われたトランザクションコスト(FTCf;fは固定インターフェースに一意に付与された認識番号)および、固定インターフェースが使わないで、アドホック・インターフェースで実行されたトランザクションコスト(ATCf)を算出する。

0226

具体的には、まず、FTCfは、図27のフローチャートに示されるように、登録されている「間接資源」が固定インターフェースを使っていれば(S31でYES)、その固定インターフェース(FIFf)を特定し(S32)、その固定インターフェースコストを補助データ12bから参照して、作業時間と人件費より作業コストを算出する(S33)。それとともに、その他の間接資源が使用されていれば(S34でYES)、間接資源の算出表(図10)に従って、間接資源使用コストを算出する(S35)。そして、これらを合計して、固定インターフェースが使われたトランザクションコスト(FTCf)を得る(S36)。

0227

一方、ATCfは、登録されている「間接資源」が固定インターフェースを使っていれば(S31でNO)、アドホック・インターフェースコストを補助データ12bから参照して、作業時間と人件費より作業コストを算出する(S37)。それとともに、その他の間接資源が使用されていれば(S38でYES)、間接資源の算出表(図10)に従って、間接資源使用コストを算出する(S39)。そして、これらを合計して、固定インターフェースが使わないで、アドホック・インターフェースで実行されたトランザクションコスト(ATCf)を得る(S36)。

0228

また、FDCfは、図28のフローチャートに示されるように、登録されている「成果/必要資源項目」の「成果資源」が「間接資源」であり、登録されている「間接資源」が「組織資源」であれば(S51で「間接資源」、かつ、S52で「組織資源」)、その固定インターフェース(FIFf)を特定し(S53)、その固定インターフェースコストを補助データ12bから参照して、作業時間と人件費より作業コストを算出する(S54)。それとともに、その他の間接資源が使用されていれば(S55でYES)、間接資源の算出表(図10)に従って、間接資源使用コストを算出する(S36)。そして、これらを合計して、固定インターフェースを成果として出力するために消費したコスト(FDCf)を得る(S57)。なお、ステップS51で「間接資源」でない場合、あるいは、ステップS52で「組織資源」でない場合には、FDCf算出の処理は終了する。

0229

また、N、Yr、Mは、図29のフローチャートに示されるように、登録されている「想定使用回数」から、N、Yrを取得し(S61)、間接資源使用回数からMを取得する(S62)。

0230

ここで、図30図32を用いて、具体的な事例を説明する。図30は、本発明の事例の入力データを示す説明図である。図31は、図30の事例に基づく算出結果を示す説明図である。図32は、図30の事例に基づいて算出したトランザクションにおける組織資産化の進展度のグラフである。

0231

ここでは、「設計基準」の固定化にともなう「組織資産化の進展度」を計算する場合について説明する。図31に示されているように、「設計部設計1課」において、固定インターフェース「設計基準」が使用されるのは第4日以降である。そこで、第4日以降に「設計基準」が使用されたトランザクションについて、「組織資産化の進展度」を計算すると、0.58(=58%)となる。なお、「組織資産化の進展度」以外の指標についても、図31に示したとおりである。

0232

そして、図32に示すように、上記のように算出した「組織資産化の進展度」のグラフを、「設計部設計2課」「設計部設計3課」「設計部設計4課」のグラフとともに表示すると、「組織資産化の進展度」を他の課と比較することができる。なお、図32に示した「設計部設計2課」「設計部設計3課」「設計部設計4課」のグラフは、「設計部設計1課」と同様のデータに基づいて、同様の計算によって得たものである。

0233

このように、使用された固定インターフェイスの種類に基づいて抽出したトランザクションデータを基に、指標を算出することができる。これにより、指標を固定インターフェイス間で比較することができるため、活動の有効性の評価を的確に行うことが可能となる。

0234

さらに、図33は、図30の事例に基づいて算出したトランザクションにおける組織資産化の進展度であって、TEC分類が「情報交換」のグラフである。また、図34は、図30の事例に基づいて算出したトランザクションにおける組織資産化の進展度であって、TEC分類が「交渉合意」のグラフである。なお、図33中、「設計部設計1課」のTEC分類が「情報交換」の「組織資産化の進展度」は、4/(4+2)=0.66(=66%)である。また、図34中、「設計部設計1課」のTEC分類が「交渉合意」の「組織資産化の進展度」は、1.5/(1.5+2)=0.43(=43%)である。

0235

図33図34に示すように、「組織資産化の進展度」をTEC分類別に算出することができる。これにより、指標をTEC分類間で比較することができるため、活動の有効性の評価を的確に行うことが可能となる。

0236

最後に、企業活動の有効性評価装置10の各ブロック、特に入力部11、データ取得部13、中間データ算出部14、指標算出部15、指標比較部16は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。

0237

すなわち、企業活動の有効性評価装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである企業活動の有効性評価装置10の制御プログラムのプログラムコード実行形式プログラム中間コードプログラムソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記企業活動の有効性評価装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。

0238

上記記録媒体としては、例えば、磁気テープカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標ディスクハードディスク等の磁気ディスクCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカードメモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROMEPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。

0239

また、企業活動の有効性評価装置10を通信ネットワーク接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネットイントラネットエキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網仮想専用網(virtual private network)、電話回線網移動体通信網衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送ケーブルTV回線電話線ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線HDR携帯電話網衛星回線地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。

0240

本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0241

本発明によれば、企業の諸活動の有効性を客観性と統一性をもって評価可能な指標を算出することができるため、企業において活動の効率化の参考にしたり、活動の効率を企業間で比較したりできるため、企業の分析の用途に広く適用できる。

図面の簡単な説明

0242

本発明の一実施例に係る企業活動の有効性評価装置の構成の概略を示す機能ブロック図である。
本発明と従来技術との関係を示すものであり、企業活動の評価基準に必要な2要素を示す説明図である。
本発明の前提となる技術を示すものであり、TEC分類の概要を示す説明図である。
本発明の前提となる技術を示すものであり、コスト分析の新しい枠組みとしてのトランザクション・コストの説明図である。
本発明の前提となる技術を示すものであり、コスト分析の新しい枠組みとしてのトランザクション・コストの説明図である。
本発明の前提となる技術を示すものであり、トランザクションの複合構造の事例と細分化の意義を示す説明図である。
本発明の前提となる技術を示すものであり、TEC分類の意義の事例による説明図である。
本発明の前提となる技術を示すものであり、固定インターフェースとアドホック・インターフェース分類の意義の事例による説明図である。
本発明を示すものであり、コストの構成要素を示す説明図である。
本発明を示すものであり、間接資源コストの算出表を示す説明図である。
本発明を示すものであり、トランザクション・コスト削減による有効性の向上を示す説明図である。
本発明を示すものであり、資源の流れと対象物の分類を示す説明図である。
本発明を示すものであり、組織内の入れ子連結構造の説明図であり、業務成果が直接資源である場合を示す。
本発明を示すものであり、組織内の入れ子連結構造の説明図であり、業務成果が間接資源である場合を示す。
本発明を示すものであり、Buyer/Supplierと作業相手の峻別の例を示す説明図である。
本発明を示すものであり、企業活動の有効性の各指標とその算出方法を示す説明図である。
本発明を示すものであり、組織資産(インターフェースの固定化)の効果の説明図である。
本発明を示すものであり、データ入力処理のフローを示すフローチャートである。
本発明を示すものであり、入力・蓄積データの構成を示す説明図である。
本発明を示すものであり、人事評価におけるトランザクション細分化の意義の事例による説明図である。
本発明を示すものであり、出力例を示す説明図である。
本発明を示すものであり、出力例を示す説明図である。
本発明を示すものであり、出力例を示す説明図である。
本発明を示すものであり、データ処理のフローを示すフローチャートである。
本発明を示すものであり、作業項目からTEC分類の自動類推の例を示す説明図である。
本発明を示すものであり、中間データ(FTCf、ATCf、FDCf)の詳細を示す説明である。
本発明を示すものであり、FTCfおよびATCfの算出アルゴリズムを示すフローチャートである。
本発明を示すものであり、FDCfの算出アルゴリズムを示すフローチャートである。
本発明を示すものであり、N、Yr、Mfの算出アルゴリズムを示すフローチャートである。
本発明の事例の入力データを示す説明図である。
図30の事例に基づく算出結果を示す説明図である。
図30の事例に基づいて算出したトランザクションにおける組織資産化の進展度のグラフである。
図30の事例に基づいて算出したトランザクションにおける組織資産化の進展度(TEC分類が「情報交換」)のグラフである。
図30の事例に基づいて算出したトランザクションにおける組織資産化の進展度(TEC分類が「交渉合意」)のグラフである。

符号の説明

0243

10企業活動の有効性評価装置
12データ格納部
13データ取得部(データ取得手段)
14 中間データ算出部(中間データ算出手段)
15指標算出部(指標算出手段)
16 指標比較部(指標比較手段)

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