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技術 印刷機の制御装置及び制御方法

出願人 三菱重工印刷紙工機械株式会社
発明者 竹本衆一年藤孝英橋本俊一尾崎郁夫
出願日 2007年9月11日 (13年2ヶ月経過) 出願番号 2007-235346
公開日 2009年4月2日 (11年7ヶ月経過) 公開番号 2009-066807
状態 特許登録済
技術分野 印刷機の着肉、制御、洗浄
主要キーワード 強制機構 分割胴 供給量調整機構 予備供給 特記情報 タワーユニット インキノズル 面付け位置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年4月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

製版データ等の印刷データに含まれる画像データと実際の印刷絵柄との位置関係誤差がある場合であっても、印刷物品質の低下や損紙の増大を防止できるようにした、印刷機制御装置及び制御方法を提供する。

解決手段

印刷絵柄の画像データを含む印刷データを取得する印刷データ取得手段30と、印刷データ取得手段30により取得した印刷データに含まれる画像データの位置に関する補正情報を取得する補正情報取得手段41と、印刷データに含まれる画像データと補正情報とに基づいて、画像データを補正する画像データ補正手段42と、画像データ補正手段によって補正された画像データを含む印刷データに基づいて、印刷機を制御する印刷機制御手段43〜49とを有して構成する。

概要

背景

新聞印刷を行う新聞輪転機では、連続紙である印刷ウェブウェブ)の幅方向に4ページ分の絵柄がウェブの両面にそれぞれ印刷されるようになっている。
一方、新聞輪転機の版胴に装着される刷版新聞紙面2ページ分の寸法で作製されるのが一般的であり、新聞輪転機により新聞印刷を行う際には、図8に示すように、2枚の刷版102A,102Bをウェブの幅方向に所定の間隔Lをおいて並列するように版胴101に取り付けた状態で印刷を行うようになっている。

新聞輪転機等のオフセット印刷機に用いられる刷版は、例えばCTP(Computer-To-Plate)システムあるいはCTF(Computer-To-Film)システムにより作製(製版)されるのが一般的である。
例えば、CTPシステムの場合、印刷絵柄の画像データに基づいて、PS版直接印刷潜像が描き込まれることにより、製版データからそのまま刷版が製版されるようになっている。

このようなオフセット印刷機において、刷版を製版する際に用いられる製版データを取得し、取得した製版データに含まれる情報に基づいて印刷機インキ供給量自動調整断裁見当の自動調整あるいは簡易検版等の種々の制御を行う技術が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。製版データに基づいて印刷機を制御することで、損紙の低減や印刷品質の向上を図ることができる。

ところで、製版データに基づいて印刷機の制御を行う場合には、製版データに含まれる画像データの位置や縮尺などの位置情報座標情報)と印刷機により実際に印刷された印刷絵柄の位置情報とを一致させる必要がある。
即ち、画像データの位置及び縮尺と実際の印刷絵柄の位置及び縮尺が一致しない場合には、上述のインキ供給量や断裁位置見当合わせ等の制御の精度が低下してしまう。

例えば、製版データと実際に印刷された印刷用紙から得られる色調情報とに基づいてインキ供給量の自動調整を行う場合において、画像データの位置と実際の印刷絵柄の位置とが一致しなければ、実際の印刷絵柄とは異なる部分の色調を目標値としてインキ供給量を自動調整することになるため、実際に印刷される印刷絵柄の色調品質が低下してしまう。
そこで、例えば特許文献2の技術では、製版データに基づいて簡易検版を行う場合において、製版データの画像データを基準画像と、ラインセンサにより取得した実際の印刷用紙の画像情報被検査画像)とに基づいて、正規化相関法により基準画像と非検査画像とのx,y座標上の位置ずれ量を算出し、算出された位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて被検査画像の位置ずれを補正する技術が提案されている。
特許第3790490号公報
特開2007−8058号公報

概要

製版データ等の印刷データに含まれる画像データと実際の印刷絵柄との位置関係誤差がある場合であっても、印刷物の品質の低下や損紙の増大を防止できるようにした、印刷機の制御装置及び制御方法を提供する。印刷絵柄の画像データを含む印刷データを取得する印刷データ取得手段30と、印刷データ取得手段30により取得した印刷データに含まれる画像データの位置に関する補正情報を取得する補正情報取得手段41と、印刷データに含まれる画像データと補正情報とに基づいて、画像データを補正する画像データ補正手段42と、画像データ補正手段によって補正された画像データを含む印刷データに基づいて、印刷機を制御する印刷機制御手段43〜49とを有して構成する。

目的

今後、高付加価値な印刷物を提供するための一つの手段として、上述のような特殊な印刷手法に対する需要が増大することが考えられる。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、製版データ等の印刷データに含まれる画像データと実際の印刷絵柄との位置関係に誤差がある場合であっても、印刷物の品質の低下や損紙の増大を防止できるようにした、印刷機の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

版胴刷版を装着して印刷を行う印刷機制御装置であって、印刷絵柄の画像データを含む印刷データを取得する印刷データ取得手段と、上記印刷データ取得手段により取得した上記印刷データに含まれる上記画像データの位置に関する補正情報を取得する補正情報取得手段と、上記印刷データに含まれる上記画像データと上記補正情報とに基づいて、上記画像データを補正する画像データ補正手段と、上記画像データ補正手段によって補正された画像データを含む上記印刷データに基づいて、上記印刷機を制御する印刷機制御手段と、を有していることを特徴とする、印刷機の制御装置。

請求項2

上記補正情報は、上記版胴の軸方向に対応する画像データの位置補正情報を含むことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の制御装置。

請求項3

上記刷版が上記版胴に対して装着される上記版胴の軸方向の位置と予め設定された基準位置との変位量を検出する刷版装着位置検出センサを有し、上記補正情報は、刷版装着位置検出センサにより検出された上記変位量を含むことを特徴とする、請求項2記載の印刷機の制御装置。

請求項4

上記補正情報は、上記画像データの縮尺補正情報を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項5

上記印刷機は、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する色調センサと、上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量調整手段と、をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記色調センサの検出結果と上記補正された画像データとに基づいて上記インキ供給量調整手段を制御するインキ供給量制御手段を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項6

上記印刷機は、上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量調整手段をさらに有し、上記印刷制御手段は、印刷開始に先立ち、上記画像データ補正手段により補正された画像データに基づいて、上記インキ供給量調整手段から供給されるインキの供給量プリセットするインキ供給量プリセット手段を有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項7

上記印刷機は、上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量調整手段をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記画像データ補正手段により補正された画像データに基づいて、上記版胴に予め供給するインキ量を算出するインキ予備供給量算出手段と、印刷開始に先立ち、該インキ供給量調整手段は上記インキ予備供給量設定手段により設定されたインキ量だけ上記版胴にインキを予備供給するインキ予備供給量制御手段とを有していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項8

上記印刷機により印刷された印刷用紙の断裁見当マークを検出するマーク検出センサと、上記マーク検出センサの検出情報と上記印刷用紙の走行速度とに応じたタイミングで上記印刷用紙を幅方向断裁する断裁胴と、上記補正された画像データに基づいて上記マーク検出センサの検出範囲を調整する検出範囲調整手段と、をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記マーク検出センサにより検出された上記断裁見当マークの検出タイミングと上記印刷用紙の走行速度とに基づいて上記印刷用紙の搬送経路の長さを調整する搬送経路調整手段を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項9

上記印刷機は、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する色調センサと、上記版胴に供給する湿し水の量を調整する湿し水供給量調整手段と、をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記色調センサの検出結果と上記補正された画像データとに基づいて上記湿し水供給量調整手段を制御する湿し水供給量制御手段を有していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項10

上記印刷機は、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する色調センサをさらに有し、上記印刷制御手段は、上記色調センサの検出結果と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴に装着された刷版の誤りを検出する簡易検版手段を有していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷機の制御装置。

請求項11

版胴に刷版を装着して印刷を行う印刷機の制御方法であって、印刷絵柄の画像データを含む印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、上記印刷データ取得ステップにおいて取得した上記印刷データに含まれる上記画像データの位置に関する補正情報を取得する補正情報取得ステップと、上記印刷データに含まれる上記画像データと上記補正情報とに基づいて、上記画像データを補正する画像データ補正ステップと、上記画像データ補正ステップにおいて補正された画像データを含む上記印刷データに基づいて、上記印刷機を制御する印刷機制御ステップと、からなることを特徴とする、印刷機の制御方法。

請求項12

上記補正情報は、上記版胴の軸方向に対応する画像データの位置補正情報を含むことを特徴とする、請求項11記載の印刷機の制御方法。

請求項13

上記刷版が上記版胴に対して装着される上記版胴の軸方向の位置と予め設定された基準位置との変位量を検出する刷版装着位置検出ステップを有し、上記補正情報は、刷版装着位置検出ステップにおいて検出された上記変位量を含むことを特徴とする、請求項11又は12記載の印刷機の制御装置。

請求項14

上記補正情報は、上記画像データの縮尺補正情報を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項記載の印刷機の制御方法。

請求項15

上記印刷機制御ステップは、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する印刷色調検出ステップと、検出された色調情報と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量制御ステップと、を有していることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の印刷機の制御方法。

請求項16

上記印刷機制御ステップは、印刷開始に先立ち、上記補正された画像データに基づいて上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量をプリセットするインキ供給量プリセットステップを有していることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の印刷機の制御方法。

請求項17

上記印刷機制御ステップは、印刷開始に先立ち、上記補正された画像データに基づいて設定されたインキ予備供給量だけ、上記版胴にインキを予備供給するインキ予備供給ステップを有していることを特徴とする、請求項11〜16のいずれか1項に記載の印刷機の制御方法。

請求項18

上記印刷機制御ステップは、上記補正された画像データに基づいて検出位置を調整されたマーク検出センサにより、上記印刷機により印刷された印刷用紙の断裁見当マークを検出する断裁マーク検出ステップと、検出された上記断裁見当マークの検出タイミングと上記印刷用紙の走行速度とに基づいて上記印刷用紙の搬送経路の長さを調整する断裁見当調整ステップと、上記印刷用紙の走行速度に応じたタイミングで上記印刷用紙を幅方向に断裁するウェブ断裁ステップとを有していることを特徴とする、請求項11〜17のいずれか1項に記載の印刷機の制御方法。

請求項19

上記印刷機制御ステップは、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する印刷色調検出ステップと、検出された色調情報と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴に供給する湿し水の量を調整する湿し水供給量制御ステップと、を有していることを特徴とする、請求項11〜18のいずれか1項に記載の印刷機の制御方法。

請求項20

上記印刷機制御ステップは、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する印刷色調検出ステップと、検出された色調情報と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴に装着された刷版が誤っているか否かを判定する簡易検版ステップと、を有していることを特徴とする、請求項11〜19のいずれか1項に記載の印刷機の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、印刷データに基づいて印刷機運転を制御する印刷機の制御装置及び制御方法に関する。

背景技術

0002

新聞印刷を行う新聞輪転機では、連続紙である印刷ウェブウェブ)の幅方向に4ページ分の絵柄がウェブの両面にそれぞれ印刷されるようになっている。
一方、新聞輪転機の版胴に装着される刷版新聞紙面2ページ分の寸法で作製されるのが一般的であり、新聞輪転機により新聞印刷を行う際には、図8に示すように、2枚の刷版102A,102Bをウェブの幅方向に所定の間隔Lをおいて並列するように版胴101に取り付けた状態で印刷を行うようになっている。

0003

新聞輪転機等のオフセット印刷機に用いられる刷版は、例えばCTP(Computer-To-Plate)システムあるいはCTF(Computer-To-Film)システムにより作製(製版)されるのが一般的である。
例えば、CTPシステムの場合、印刷絵柄の画像データに基づいて、PS版直接印刷潜像が描き込まれることにより、製版データからそのまま刷版が製版されるようになっている。

0004

このようなオフセット印刷機において、刷版を製版する際に用いられる製版データを取得し、取得した製版データに含まれる情報に基づいて印刷機のインキ供給量自動調整断裁見当の自動調整あるいは簡易検版等の種々の制御を行う技術が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。製版データに基づいて印刷機を制御することで、損紙の低減や印刷品質の向上を図ることができる。

0005

ところで、製版データに基づいて印刷機の制御を行う場合には、製版データに含まれる画像データの位置や縮尺などの位置情報座標情報)と印刷機により実際に印刷された印刷絵柄の位置情報とを一致させる必要がある。
即ち、画像データの位置及び縮尺と実際の印刷絵柄の位置及び縮尺が一致しない場合には、上述のインキ供給量や断裁位置見当合わせ等の制御の精度が低下してしまう。

0006

例えば、製版データと実際に印刷された印刷用紙から得られる色調情報とに基づいてインキ供給量の自動調整を行う場合において、画像データの位置と実際の印刷絵柄の位置とが一致しなければ、実際の印刷絵柄とは異なる部分の色調を目標値としてインキ供給量を自動調整することになるため、実際に印刷される印刷絵柄の色調品質が低下してしまう。
そこで、例えば特許文献2の技術では、製版データに基づいて簡易検版を行う場合において、製版データの画像データを基準画像と、ラインセンサにより取得した実際の印刷用紙の画像情報被検査画像)とに基づいて、正規化相関法により基準画像と非検査画像とのx,y座標上の位置ずれ量を算出し、算出された位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて被検査画像の位置ずれを補正する技術が提案されている。
特許第3790490号公報
特開2007−8058号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、特許文献2に開示される位置ずれ補正技術を用いた場合でも、製版データに含まれる画像データと実際に印刷される印刷絵柄との位置関係不一致に起因して印刷機の自動制御にかかる精度が低下し、印刷物の品質の低下や損紙の増大が生じる場合がある。
そこで本発明者らは、上述のように印刷機の制御にかかる精度が低下する原因について鋭意研究を行い、その原因を見出した。

0008

以下、製版データに含まれる画像データと実際に印刷される印刷絵柄との位置関係に不一致が生じる場合の例について説明する。
新聞等の印刷物においては、より訴求力の高い紙面を形成することが望まれており、近年では図9に示すように、新聞輪転機において印刷した印刷用紙に蛇腹折り[図9(A)]あるいは観音折り[図9(B)]を施すことで、4ページ分(両面併せると8ページ分)の見開き紙面を形成する技術が実用化されている。

0009

このように4ページ分の見開き紙面を印刷する場合には、図10に示すように、見開き紙面の中央部が空白部分となることを回避するために、2枚の刷版103A,103Bの間隔L′が略ゼロとなるようにする必要がある。
このため、刷版103Aは、図中2点鎖線で示す平常時の装着位置よりもΔXaだけ変位した幅方向位置において版胴101に装着され、刷版103Bは、平常時の装着位置よりもΔXbだけ変位した幅方向位置において版胴101に装着されることがある。

0010

このように、刷版の装着位置を通常時の装着位置とは異なる位置に装着する場合には、製版データに含まれる画像データと実際に印刷される印刷絵柄との位置関係にずれが生じ、画像データに基づいての印刷機の自動制御の精度が大幅に低下してしまう。
製版データに含まれる画像データと実際に印刷される印刷絵柄との位置関係に不一致が生じる別の例について説明する。

0011

CTPシステム等の製版装置において、製版データに含まれる画像データの縮尺(縮率)が変更される等して製版データに含まれる画像データと実際に印刷される絵柄との縮尺が異なっている場合がある。
このような場合においても画像データと実際に印刷される印刷絵柄との位置関係にずれが生じ、画像データに基づいての印刷機の自動制御の精度が大幅に低下してしまうこととなる。

0012

今後、高付加価値な印刷物を提供するための一つの手段として、上述のような特殊な印刷手法に対する需要が増大することが考えられる。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、製版データ等の印刷データに含まれる画像データと実際の印刷絵柄との位置関係に誤差がある場合であっても、印刷物の品質の低下や損紙の増大を防止できるようにした、印刷機の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上述の目的を達成するために、本発明の印刷機の制御装置(請求項1)は、版胴に刷版を装着して印刷を行う印刷機の制御装置であって、画像データを含む印刷データを取得する印刷データ取得手段と、上記印刷データ取得手段により取得した上記印刷データに含まれる上記画像データの位置に関する補正情報を取得する補正情報取得手段と、上記印刷データに含まれる上記画像データと上記補正情報とに基づいて、上記画像データを補正する画像データ補正手段と、上記画像データ補正手段によって補正された画像データを含む上記印刷データに基づいて、上記印刷機を制御する印刷機制御手段と、を有していることを特徴としている。

0014

なお、印刷データとは、TIFFEPS,PDF等の公知の画像形式の画像データとその画像データの印刷関連情報(例えば、ジョブ情報やページ番号等)とを合わせたデータであり、印刷機の版胴に装着される刷版の製版に用いられる製版データであることが好ましい。
ただし、印刷データとしては、印刷関連情報を必ずしも含む必要はなく、実際に刷版等をスキャニングすることにより刷版の画像データを取得したものを印刷データとして用いてもよい。

0015

また、上記補正情報は、上記印刷機を搬送される版胴の軸方向(即ち、印刷用紙の幅方向)に対応する画像データの位置補正情報を含むことが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、CTPシステム等の製版工程において、面付け位置等を幅方向に変位させる等、画像データと実際に印刷される印刷絵柄の幅方向位置が異なる場合であっても、版胴の軸方向位置補正情報に基づいて画像データを適切に補正することができる。

0016

また、上記刷版が上記版胴に対して装着される上記版胴の軸方向の位置と予め設定された基準位置との変位量を検出する刷版装着位置検出センサを有し、上記補正情報は、刷版装着位置検出センサにより検出された上記変位量を含むことが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、例えば、パノラマ印刷等を行う際に版胴に対する刷版の装着位置を基準位置より異ならせた場合であっても、幅方向位置補正情報に基づいて画像データを適切に補正することができる。

0017

また、上記補正情報は、上記画像データの縮尺補正情報を含むことが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、実際に印刷される印刷絵柄と画像データとの縮尺が異なる場合であっても、縮尺補正情報に基づいて画像データを適切に補正することができる。

0018

また、上記印刷機は、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する色調センサと、上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量調整手段と、をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記色調センサの検出結果と上記補正された画像データとに基づいて上記インキ供給量調整手段を制御するインキ供給量制御手段を有していることが好ましい(請求項5)。
このようにすれば、補正された画像データに基づいて、インキ供給単位幅毎のインキ供給量を精度良く調整でき、印刷品質の向上及び損紙の低減を図ることができる。

0019

また、上記印刷機は、上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量調整手段をさらに有し、上記印刷制御手段は、印刷開始に先立ち、上記画像データ補正手段により補正された画像データに基づいて、上記インキ供給量調整手段から供給されるインキの供給量プリセットするインキ供給量プリセット手段を有していることが好ましい(請求項6)。
このようにすれば、補正された画像データに基づいて、インキ供給単位幅毎のインキ供給量を精度良くプリセットすることができ、印刷開始から所望の色調の印刷用紙を得るまでの時間(あるいは通し数)を低減することができ、損紙の低減を図ることができる。

0020

また、上記印刷機は、上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量調整手段をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記画像データ補正手段により補正された画像データに基づいて、上記版胴に予め供給するインキ量を算出するインキ予備供給量算出手段と、印刷開始に先立ち、該インキ供給量調整手段は上記インキ予備供給量設定手段により設定されたインキ量だけ上記版胴にインキを予備供給するインキ予備供給量制御手段とを有していることが好ましい(請求項7)。
このようにすれば、補正された画像データに基づいて、印刷に先だって版胴に供給するインキ予備供給量を精度良く求めることができ適切なインキを版胴に予備供給することにより、印刷開始から所望の色調の印刷用紙を得るまでの時間(あるいは通し数)を低減することができ、損紙の低減を図ることができる。

0021

また、上記印刷機により印刷された印刷用紙の断裁見当マークを検出するマーク検出センサと、上記マーク検出センサの検出情報と上記印刷用紙の走行速度とに応じたタイミングで上記印刷用紙を幅方向に断裁する断裁胴と、上記補正された画像データに基づいて上記マーク検出センサの検出範囲を調整する検出範囲調整手段と、をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記マーク検出センサにより検出された上記断裁見当マークの検出タイミングと上記印刷用紙の走行速度とに基づいて上記印刷用紙の搬送経路の長さを調整する搬送経路調整手段を有していることが好ましい(請求項8)。
このようにすれば、補正された画像データに基づいて、マーク検出センサの検出範囲を調整するので、補正前の画像データと実際に印刷される印刷絵柄の位置関係が異なる場合でも、印刷用紙中の断裁見当マークの不検出に起因する断裁位置のずれや印刷機中での紙詰まり等を確実に防止することができる。

0022

また、上記印刷機は、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する色調センサと、上記版胴に供給する湿し水の量を調整する湿し水供給量調整手段と、をさらに有し、上記印刷制御手段は、上記色調センサの検出結果と上記補正された画像データとに基づいて上記湿し水供給量調整手段を制御する湿し水供給量制御手段を有していることが好ましい(請求項9)。
このようにすれば、補正された画像データと印刷用紙の色調情報に基づいて、例えば、印刷用紙の地汚れ等を精度良く検出することができ、湿し水の供給量を精度良く調整することができ印刷用紙の地汚れを確実に低減することができる。

0023

また、上記印刷機は、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する色調センサをさらに有し、上記印刷制御手段は、上記色調センサの検出結果と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴に装着された刷版の誤りを検出する簡易検版手段を有していることが好ましい(請求項10)。
このようにすれば、補正された画像データと印刷用紙の色調情報に基づいて、版胴に装着された刷版の掛け間違い等を早期に確実に発見することができ、損紙を低減することができる。

0024

また、本発明の印刷機の制御方法(請求項11)は、版胴に刷版を装着して印刷を行う印刷機の制御方法であって、印刷絵柄の画像データを含む印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、上記印刷データ取得ステップにおいて取得した上記印刷データに含まれる上記画像データの位置に関する補正情報を取得する補正情報取得ステップと、上記印刷データに含まれる上記画像データと上記補正情報とに基づいて、上記画像データを補正する画像データ補正ステップと、上記画像データ補正ステップにおいて補正された画像データを含む上記印刷データに基づいて、上記印刷機を制御する印刷機制御ステップと、からなることを特徴としている。
なお、印刷データとは、印刷機の版胴に装着される刷版の製版に用いられる製版データであってもよく、画像データの他に種々のデータを含むものであってもよい。また、実際に刷版等をスキャニングすることにより刷版の画像データを取得したものを印刷データとして用いてもよい。

0025

また、上記補正情報は、上記版胴の軸方向に対応する画像データの位置補正情報を含むことが好ましい(請求項12)。
また、上記刷版が上記版胴に対して装着される上記版胴の軸方向の位置と予め設定された基準位置との変位量を検出する刷版装着位置検出ステップを有し、上記補正情報は、刷版装着位置検出ステップにおいて検出された上記変位量を含むことが好ましい(請求項13)。
また、上記補正情報は、上記画像データの縮尺補正情報を含むことが好ましい(請求項14)。

0026

また、上記印刷機制御ステップは、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する印刷色調検出ステップと、検出された色調情報と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量を調整するインキ供給量制御ステップと、を有していることが好ましい(請求項15)。

0027

また、上記印刷機制御ステップは、印刷開始に先立ち、上記補正された画像データに基づいて上記版胴の軸方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎に上記版胴に供給するインキの量をプリセットするインキ供給量プリセットステップを有していることが好ましい(請求項16)。
また、上記印刷機制御ステップは、印刷開始に先立ち、上記補正された画像データに基づいて設定されたインキ予備供給量だけ、上記版胴にインキを予備供給するインキ予備供給ステップを有していることが好ましい(請求項17)。

0028

また、上記印刷機制御ステップは、上記補正された画像データに基づいて検出位置を調整されたマーク検出センサにより、上記印刷機により印刷された印刷用紙の断裁見当マークを検出する断裁マーク検出ステップと、検出された上記断裁見当マークの検出タイミングと上記印刷用紙の走行速度とに基づいて上記印刷用紙の搬送経路の長さを調整する断裁見当調整ステップと、上記印刷用紙の走行速度に応じたタイミングで上記印刷用紙を幅方向に断裁するウェブ断裁ステップとを有しているとを有していることが好ましい(請求項18)。

0029

また、上記印刷機制御ステップは、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する印刷色調検出ステップと、検出された色調情報と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴に供給する湿し水の量を調整する湿し水供給量制御ステップと、を有していることが好ましい(請求項19)。
また、上記印刷機制御ステップは、上記印刷機により印刷された印刷用紙の色調情報を検出する印刷色調検出ステップと、検出された色調情報と上記補正された画像データとに基づいて上記版胴に装着された刷版の誤りを検出する簡易検版ステップと、を有していることが好ましい(請求項20)。

発明の効果

0030

本発明の印刷機の制御装置及び制御方法によれば、製版データに含まれる画像データの位置に関する補正情報を取得し、この補正情報に基づいて画像データを補正することにより、実際に印刷される印刷絵柄と製版データに含まれる画像データとの位置関係の不一致を解消あるいは低減することができる。そして、この補正された画像データに基づいて印刷機を制御することにより、印刷機の種々の制御要素を精度良く制御することができ、印刷品質の向上を図ることができる。

0031

これにより、例えば、パノラマ印刷等の特殊な印刷手法を用いる場合や、製版データに含まれる画像データと実際に印刷される絵柄との縮尺を異なられた場合においても印刷機を適切に制御することができる。

発明を実施するための最良の形態

0032

以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、複数の印刷機により新聞印刷を行う新聞用オフセット輪転印刷機(新聞輪転機)に本発明を適用したものである。
図1図7は、いずれも本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置及び制御方法を説明するためのものであって、図1本制御装置機能構成を示す機能ブロック図、図2は新聞輪転機を有する印刷工場概略構成を示すブロック図、図3は新聞輪転機の概略構成を示す模式的な図、図4は折加工部の構成を模式的に示す図、図5は通常時において版胴に装着する刷版の装着位置を模式的に示す図、図6はパノラマ印刷を行う版胴に装着する刷版の装着位置を模式的に示す図、図7は本制御装置にかかる制御手順を示すフローチャートである。

0033

(全体概略構成)
図2に示すように、新聞印刷を行う工場は、製版データサーバ20,CTPシステム21,印刷機オペレーションターミナル(以下、印刷機OTという)30,印刷ユニット制御装置(印刷機制御手段)40及び新聞輪転機(印刷機)50を有している。
製版データサーバ20には、例えば、新聞紙面の編集作業を行なう図示しない編集センター(通常、新聞社の本社等)から通信ネットワークを介して供給される製版データが各ページ単位で記憶されている。

0034

なお、本実施形態では、この製版データが本発明の印刷データに相当するように構成されているが、例えば、刷版をスキャニングすることによって得られる印刷絵柄の網点面積率データ等、印刷絵柄の画像データを含むデータであればどのようなデータを印刷データとして用いてもよい。
製版データは、新聞の各紙面の印刷用刷版(以下、単に刷版という)を製版するためのデータであり、印刷される新聞紙面の絵柄の画像データ、及び、当該紙面に関連する情報(印刷ジョブ名,ページ情報,印刷ユニット装着位置情報印刷部数特記事項,画像データの縮尺情報)とを含むようになっている。以下、紙面に関連する情報をジョブ情報という。

0035

ジョブ情報に含まれる各情報のうち、特に画像データの縮尺情報は、後述するように印刷ユニット制御装置40において画像データを補正する際に用いられる縮尺補正情報である。
縮尺情報は、実際に印刷される新聞紙面の絵柄(即ち、刷版上に描画された絵柄であり、印刷絵柄ともいう)と画像データとの大小関係の割合にかかる情報である。

0036

製版データサーバ20に記憶された各ページに対応する製版データは、CTPシステム21及び印刷機OT30に送信されるようになっている。
CTPシステム21では、各ページ単位の製版データの内、ジョブ情報に含まれる刷版情報に基づいて、面付けを行い、面付けされたデータにより刷版を製版するようになっている。ここでは、1つの刷版に2ページ分が面付けされるようになっており、この面付けはジョブ情報に含まれる刷版情報に基づいて行われる。

0037

なお、CTPシステム21において製版された刷版は、オペレータ等により新聞輪転機50へと搬送され、後述するように新聞輪転機50の版胴に装着され、新聞紙面の印刷に用いられるようになっている。
印刷機OT30はコンピュータ表示装置入力装置により構成されており、印刷ユニット制御装置40を介して新聞輪転機50全体を制御できるようになっている。

0038

印刷ユニット制御装置40もコンピュータにより構成されており、新聞輪転機50の各印刷ユニットT1〜T5(図3参照)にそれぞれ設けられている制御対象(制御要素)を制御しうるように構成されている。なお、印刷機OT30と印刷ユニット制御装置40とは通信により信号を互いに送受信可能に接続されている。また、ここでは、印刷ユニット制御装置40は一体の制御装置となっているが、各印刷ユニットT1〜T5毎に個別に印刷ユニット制御装置40を設けるようにしてもよい。

0039

(新聞輪転機の概略構成)
以下、新聞輪転機50の概略構成について説明する。図3に示すように、新聞輪転機50は、印刷用紙としてのウェブWの走方向上流側から、複数の印刷ユニット(タワーユニット)T1〜T5と、ウェブパス部4と、入口部分に三角板6を備えた折加工部5とをこの順にそなえている。

0040

なお、各タワーユニットT1〜T5には、ウェブローラ巻取紙)1aを装着された給紙部1と、インフィード部2と、表裏それぞれ適宜の数の版胴及びブランケット胴を備えた印刷部3がこの順に設けられている。
ここでは、タワーユニットT2〜T4には、表裏それぞれに各2個の版胴及びブランケット胴が設置されており、タワーユニットT1,T5では表裏両面にそれぞれ2色印刷が可能となっている。一方、両端のタワーユニットT1,T5に表裏それぞれに各4個の版胴及びブランケット胴が設置されており、タワーユニットT1,T5では表裏両面にそれぞれ4色印刷が可能となっている。

0041

なお、各タワーユニットT1〜T5の印刷部3よりも下流側には、それぞれのタワーユニットT1〜T5により印刷されたウェブWの表裏両面の色調情報をウェブWの全幅に亘って取得する色調センサとしてのラインセンサ(図1参照)54が設けられており、色調センサ54の検出結果は印刷ユニット制御装置に送信されるようになっている。
ラインセンサ54は、ウェブWに印刷された印刷絵柄の赤外光(IR),赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)のそれぞれの反射光の濃度をウェブWの幅方向全域について検出するIRGB濃度計により構成されている。

0042

ただし、色調センサとしては必ずしも上記の4色の反射光を検出するIRGB濃度計でなくともよい。特に、タワーユニットT2〜T4等、刷色数が4色以下の印刷を行う印刷ユニットには、印刷を行うインキ色に応じて(IR),(R),(G),(B)の反射光の内、適宜省略した反射光(例えば、IRとBの2色のみ等)の濃度を検出するように構成してもよい。また、色調センサとして濃度計の替わりに分光反射率計測する分光反射率計を用いてもよい。

0043

ウェブパス部4は、制御要素としてのコンペンセータローラ等によりウェブパスルートの長さを調整するウェブパスルート調整機構51(図1参照)を備えており、調整機構により種々の組み合わせでウェブWを走行させて印刷物(ここでは、新聞)を構成することができる。新聞用オフセット輪転機の場合、通常インフィード部2において、スリッタ(図示略)によりウェブWは幅方向に分割され、より複雑なウェブパスルート4が形成されている。

0044

また、図4に示すようにウェブパスルート4において所定のウェブWと所定の組み合わせで重ね合わされ丁合され、三角板6から折加工部5に進入し、三角板6で縦折り(走行方向に沿って折り目を付けた折り)され、折胴(咥え胴ともいう)7及び断裁胴8によって横折り(ウェブ幅方向への折り目を付けた折り)されるとともに所定長さ毎に断裁され、折り込みローラ9によって、折り目を加圧され、折帖とされた後、羽根車10等を介して順に排紙されるようになっている。なお、図4では、ウェブパスルート4を簡略化して表現しているが、実際にはより多数のウェブWが搬送され及び重合されるようになっている。

0045

また、搬送されるウェブW上に印刷された断裁見当マークを検出するマーク検出センサ55(図1参照)を有しており、マーク検出センサ55の検出結果は印刷ユニット制御装置40に送信されるようになっている。なお、断裁見当マークは、画像データ中に含まれている。

0046

(刷版及び版胴についての説明)
次に、CTPシステム21によって製版された刷版を版胴に装着する部分の構成について説明する。ここでは、図3中、版胴11及び版胴12にそれぞれ対応する刷版を装着する構成について説明する。
まず、版胴11について説明する。図5に示すように、版胴11は、版胴11の軸方向(即ち、ウェブWの幅方向)の中央部で左版胴11Aと右版胴11Bとに分割され、版胴11の中央部にはギャップGが形成されている。版胴11はいわゆる分割胴となっている。そして、版胴11には、左版胴11Aと右版胴11Bとのそれぞれに2枚の刷版13A,13Bが装着されるようになっている。

0047

版胴11には、同じ印刷部3の他の刷色の刷版との見当合わせを容易とするために、基準となる刷版の取り付け位置(基準位置BPL,BPR)が規定されており、左版胴11A及び右版胴11Bにそれぞれ設けている図示しない刷版端部装着部にそれぞれ基準位置BPL,BPRに対応して見当合わせ用部材が設けられている。
即ち、左版胴11A及び右版胴11Bに対して基準位置BPL,BPRに適切に対応する2枚の刷版13A,13Bが装着されることにより、新聞紙面のページA〜Dがウェブ幅方向に並列するようになっている。なお、この場合、2枚の刷版13A,13Bの間には上述のようにスリッタにより断裁される際の「断裁しろ」として適当な隙間Dが形成されるようになっている。

0048

なお、図5中2点鎖線は、版胴の軸方向に対して複数に分割されたインキ供給単位幅16Aを示しており、公知のインキ供給量調整機構図1参照)52により各インキ供給単位幅毎に版胴11に供給されるインキの供給量を調整可能に構成されている。
また、印刷部3には、表裏それぞれに版胴11に供給される湿し水の供給量を調整する公知の湿し水供給量調整機構図1参照)53が備えられている。

0049

次に版胴12について説明する。なお、ここでは、タワーユニットT1において4ページの見開き紙面を形成するパノラマ印刷が行われるようになっている。オペレータはパノラマ印刷であるか否かを、ジョブ情報に含まれる特記情報や刷版に添付された書類等から得ることができる。
図6に示すように、版胴12は、版胴11と同様に版胴12の軸方向に方向(ウェブWの幅方向)の中央部で左版胴12Aと右版胴12Bとに分割され、版胴12の中央部にはギャップGが形成されている。

0050

そして、版胴12には、ウェブ幅方向に2枚の刷版14A,14Bが装着されるようになっている。ただし、版胴12では版胴11の場合と比較して2枚の刷版14A,14Bが版胴に装着される装着位置が異なっている。
即ち、左刷版14Aは、基準位置BPLよりも右へΔXAだけ変位した位置に装着されており、右刷版14Bは基準位置BPRよりも右へΔXBだけ変位した位置に装着されている。

0051

なお、左右の各刷版14A,14Bの各変位量ΔXA,ΔXBは(ΔXA>ΔXB)となるようになっている。
この刷版の装着位置について説明する。版胴12では、4ページの見開き紙面を印刷する必要があるため、印刷絵柄の中央部分に左右の刷版の境界が位置することになる。したがって、印刷絵柄の中央部分に空白部分が生じることを防止するためには、左右の各刷版14A,14B間の間隔D′をできるだけ小さくする必要がある。

0052

その一方、版胴12は、左右の版胴12A,12Bに分割されており、版胴12のギャップGの部分に刷版の端部が位置した場合には、印刷時に適切な印圧(版胴とブランケット胴との接触圧力)が得られず、印刷欠陥が生じる虞がある上、刷版14A,14Bの変形等が生じる虞もある。
このため、パノラマ印刷を行う際には、左右の各刷版14A,14Bを刷版12のいずれか一方の端部側(ここでは右側)に変位させ、他方側の刷版14Aの変位量を一方側の刷版14Bの変位量よりも大きくすることにより左右の各刷版14A,14Bの間隔D′が略ゼロとなるように版胴12に装着するのである。

0053

なお、各基準位置BPL,BPRに対する左右の各刷版14A,14Bそれぞれの装着位置の変位量(ずれ量)ΔXA,ΔXBは刷版装着位置検出センサ56により検出されるようになっている。そして刷版装着位置検出センサ56の検出情報は、画像データの位置に関する補正情報として印刷ユニット制御装置40に送信されるようになっている。
なお、図6中の2点鎖線は、版胴の軸方向に対して複数に分割されたインキ供給単位幅16Bを示している。

0054

制御系の構成)
次に制御系の構成について説明する。図1に示すように、印刷機OT30と印刷ユニット制御装置40とは相互に通信可能に接続されている。
また、印刷ユニット制御装置40と新聞輪転機50の各制御要素またはセンサとも相互に通信可能に電気的に接続されている。

0055

印刷機OT30は、印刷ユニット制御装置40を介して新聞輪転機50の運転動作を制御する機能を有しており、新聞輪転機50の運転速度等の情報を常時印刷ユニット制御装置40に送信するようになっている。また、製版データサーバ20から受信した製版データを印刷ユニット制御装置40に送信する印刷データ取得手段としての機能を有している。

0056

印刷ユニット制御装置40は、その機能要素として補正情報取得部(補正情報取得手段)41,画像データ補正部(画像データ補正手段)42,インキ供給量制御部(インキ供給量制御手段)43,インキ供給量プリセット部(インキ供給量プリセット手段)44,インキ予備供給量算出部(インキ予備供給量算出手段,インキ予備供給量制御手段)45,搬送経路制御部46,マーク検出範囲調整部(検出範囲調整手段)47,湿し水供給量制御部(湿し水供給量制御手段)48及び簡易検版部(簡易検版手段)49を有している。ここでは、インキ供給量制御部43,インキ供給量プリセット部44,インキ予備供給量算出部45,搬送経路制御部46,マーク検出範囲調整部47,湿し水供給量制御部48及び簡易検版部49が印刷機制御手段に相当する。なお、印刷ユニット制御装置40の各機能要素はそれぞれ印刷機OT30が有するようにしてもよく印刷機OTと印刷ユニット制御装置40とで共有してもよい。

0057

一方、新聞輪転機50は上述したように、ウェブパスルート調整機構(搬送経路調整手段)51,インキ供給量調整機構(インキ供給量調整手段)52,湿し水供給量制御部(湿し水供給量制御手段)53,ラインセンサ(色調センサ)54,マーク検出センサ55及び刷版装着位置検出センサ56を有している。

0058

(画像データ補正)
補正情報取得部41は、製版データのジョブ情報に含まれる縮尺情報を画像データの縮尺補正情報として取得するとともに、刷版装着位置検出センサ56のから入力される刷版の装着位置の変位量ΔXA,ΔXBを画像データの位置補正情報として取得するようになっている。
そして、画像データ補正部42では、補正情報取得部41に取得された補正情報に基づいて、製版データに含まれる画像データを補正するようになっている。
具体的には、まず第1に、縮尺補正情報に基づいて画像データの実寸法が実際に印刷される印刷絵柄の寸法と等しくなるように、画像データを拡大補正又は縮小補正(縮尺補正という)する。

0059

続いて第2に、位置補正情報に基づいて、縮尺補正された画像データの版胴の軸方向に対応する位置を補正して補正された画像データを得るようになっている。
例えば、版胴12に対応する画像データの場合は、縮尺補正された左刷版14Aに対応する画像データが変位量ΔXAだけ画像全体が右側にシフトするように画像データを補正するようになっている。そして、縮尺補正された右刷版14Bに対応する画像データが変位量ΔXBだけ画像全体が右側にシフトするように画像データを補正するようになっている。

0060

なお、画像データの補正は刷版単位の画像データに対して行ってもよく、ページ単位の画像データに対して行うようにしてもよい。また、画像データのデータ形式及び画像データの補正処理については公知の手法を用いるようになっている。

0061

色調制御
インキ供給量調整機構52は、上述したように版胴の軸方向に対して複数に分割されたインキ供給単位幅毎に版胴に供給するインキの量を調整可能に構成されている。
インキ供給量調整機構52としては、版胴の軸方向に対して複数に分割されたインキキーインキ元ローラとの隙間(インキキー開度)を調整することにより版胴に供給するインキの量を調整するインキキー式のものであってもよく、インキ供給単位幅毎にデジタルインキポンプによりインキ元ローラに対してインキを吹き付けるデジタルポンプ式のものであってもよい。インキキー式の場合は各インキキーの幅長がインキ供給単位幅となる。また、デジタルポンプ式の場合はインキノズルの有効吐出幅(インキ元ローラに到達時の吐出幅)をインキ供給単位幅とすることができる。

0062

インキ供給量調整機構52は、インキ供給量制御部43により制御されるようになっている。
インキ供給量制御部43は、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、インキ供給単位幅毎のラインセンサ54から検出される色調情報(反射濃度)の目標値を設定し、色調情報の目標値と実際にラインセンサ54により検出された印刷絵柄の色調情報の検出値とに基づいて、色調情報の目標値と検出値との差が所定範囲内となるようにインキ供給量調整機構52によるインキ供給単位幅毎のインキ供給量をフィードバック制御するようになっている。

0063

(インキ供給量プリセット)
インキ供給量プリセット部44は、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、画像データとインキ供給単位幅とを重ねあわせ、各インキ供給単位幅毎の画線率(ここでは、インキ供給幅単位での網点面積率という)を算出するようになっている。

0064

そして、予め求められた画線率とインキ供給量との対応関係に基づいて、後述するインキ予備供給が終了した後に、インキ供給量調整機構52のインキ供給単位幅毎のインキ供給量をプリセットするようになっている。なお、ここでのインキ供給量とは、単位時間あたりにインキ供給量調整機構52から供給可能なインキの量(即ち、インキ単位時間あたりのインキ供給可能量)をいう。

0065

(インキ予備供給量制御)
インキ予備供給量算出部45は、予め求められた画線率とインキ予備供給量との対応関係に基づいて、印刷開始に先だって版胴に予め供給し、版胴の表面に所定のインキ膜圧を形成するためのインキ予備供給量を算出するようになっている。このインキ予備供給量の算出手法は公知の手法を用いて行われる。なお、ここでのインキ予備供給量とは、インキ供給量調整機構52から版胴に対して供給されるインキの絶対量のことをいう。

0066

また、インキ予備供給量算出部45は、算出されたインキ予備供給量に基づいて、インキ供給量調整機構52のインキ供給量を所定のインキ供給量に設定してウェブWを通紙することなく、インキ供給量調整機構52から版胴に至るインキローラ群(図示せず)を回転させ、インキ供給量調整機構52から算出されたインキ予備供給量分のインキを版胴に供給するようにインキ供給量調整機構52を制御するようになっている。

0067

(断裁見当制御)
マーク検出範囲調整部47は、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、ウェブWに印刷された断裁見当マークの位置(版胴の軸方向位置)を取得し、マーク検出センサ55を断裁見当マークの検出に好適な位置まで版胴の軸方向に変位され、マーク検出センサ55の検出位置が最適となるように調整されるようになっている。

0068

ウェブパスルート調整機構51はコンペンセータローラ等の位置調整などの公知の機構により構成されており、各タワーユニットT1〜T5を通過した各ウェブWの搬送経路の長さを変更しうるようになっている。
そして、ウェブパスルート調整機構51は、搬送経路制御部46によりマーク検出センサ55により検出された断裁見当マークの検出タイミングとウェブWの走行速度とに基づいて、各タワーユニットT1〜T5を通過した各ウェブWの搬送経路の長さをそれぞれ調整するようにウェブパスルート調整機構51が制御されるように構成されている。
これにより、各タワーユニットT1〜T5で印刷されたウェブWが正確な位置に重ね合わされるとともに、断裁胴8によって、適切な位置での断裁が行われるようになっている。

0069

(湿し水供給量制御)
湿し水供給量調整機構53は、版胴に供給する湿し水の量を調整するように構成されており、湿し水供給量制御部48はラインセンサ54の検出結果と画像データ補正部42において補正された画像データとに基づいて、湿し水供給量調整機構53を制御するようになっている。

0070

より具体的には、湿し水供給量制御部48は、画像データ補正部42において補正された画像データとラインセンサ54の検出結果とを比較してウェブWに地汚れがあるか否かを判定するように構成されている。
そして、ラインセンサ54の検出結果により地汚れがあると判定した場合には、地汚れの色調からどのインキ色の版胴に起因する地汚れであるかを判断し、該当する版胴に対する湿し水の供給量を増加調整するようになっている。

0071

なお、ここでは、湿し水供給量調整機構53により供給される湿し水の供給量には所定の上限値が設定されるようになっている。
このように構成することによりインキ汚れの発生抑制対策を行なうので、複数のインキが重なった汚れが生じても、どの色の印刷ユニットが地汚れを発生する湿し水供給量状態かを適切に判定して湿し水供給量を調整するので、地汚れの発生を確実に防止することができる。

0072

(簡易検版制御)
簡易検版部49は、ラインセンサ54の検出結果と画像データ補正部42において補正された画像データとに基づいて、版胴に装着された刷版の誤り(刷版の掛け間違い)を検出するように構成されている。
簡易検版部49は、刷版の掛け間違いを検出すると、印刷機OT30側に刷版掛け誤り信号を送信するようになっている。印刷機OT30は、刷版掛け誤り信号を受けると新聞輪転機50の運転を停止するように構成されている。

0073

より具体的には、簡易検版部49では画像データ補正部42において補正された画像データの画像を基準画像とし、ラインセンサ54の検出結果から得られた画像を被検査画像として設定するようになっている。そして、基準画像と被検査画像とのそれぞれの画像の濃淡レベル値[印刷面に見立てたxy平面上の輝度値分布f(x,y)]の位置ずれを正規化相関法により補正し、位置ずれ補正された基準画像と被検査画像との濃淡レベル値の一致度が所定の一致度以下である場合には、版胴に装着された刷版の誤りであると判定するようになっている。

0074

(フローチャート)
本発明の一実施形態にかかる、印刷機の制御装置は上述のように構成されているので、以下のような手順で印刷が行われる。
図7に示すように、まずステップS100では、製版データサーバ20から印刷機OT30を介して印刷ユニット制御装置40に製版データが送信される(製版データ取得ステップ,補正情報取得ステップ)。

0075

ステップS110では、新聞輪転機50の各版胴にCTPシステム21により製版された刷版が装着される。なお、ステップS100とステップS110とは前後して行ってもよいし、並行して行ってもよい。
ステップS110において各版胴に刷版が装着されると、ステップS120では、刷版装着位置検出センサ56により、検出された刷版の装着位置の基準位置からの変位量(ずれ量)情報が検出され、検出情報が補正情報取得部41に入力される(刷版装着位置検出ステップ,補正情報取得ステップ)。

0076

そして、ステップS130では、ステップS100において得た製版データのジョブ情報に含まれる画像データの縮尺補正情報に基づいて、画像データの縮尺(スケール)が補正され、続いて、ステップS120で得た基準位置からの変位量情報に基づいて、縮尺を補正された画像データの位置が補正される(画像データ補正ステップ)。
続いてステップS140では、ステップS130において補正された画像データと、予め求められた画線率とインキ予備供給量との対応関係に基づいて、各版胴毎印刷開始前に予備供給するインキ予備供給量が算出される。そして、算出されたインキ予備供給量に応じて、版胴にインキが予備供給され、版胴の表面に好適なインキ膜厚が形成される(インキ予備供給ステップ)。

0077

ステップS140においてインキの予備供給が完了すると、ステップS150では、ステップS130において補正された画像データと予め求められた画線率とインキ供給量との対応関係とに基づいて、新聞輪転機50の各版胴に対してインキ供給単位幅毎に版胴に供給するインキ供給量がプリセットされる(インキ供給量プリセットステップ)。
そして、ステップS140,S150においてインキ予備供給ステップ及びインキ供給量プリセットステップが実行されると、ステップS160では、各タワーユニットT1〜T5の印刷部においてウェブWに対して印刷を行うべく新聞輪転機50の印刷運転が開始される。

0078

新聞輪転機50の印刷運転が開始されると、ステップS170では、各タワーユニットT1〜T5の印刷部3においてそれぞれ印刷されたウェブWの色調情報が各タワーユニットT1〜T5のラインセンサ54により検出される(印刷色調検出ステップ)。
そして、ステップS180では、ステップS170において検出された色調情報とステップS130において補正された画像データとに基づいて、各タワーユニットT1〜T5の各版胴について、版胴に装着された刷版が掛け誤っているか否かが判定される(簡易検版ステップ)。

0079

ステップS180において、刷版の掛け誤りが判定されると、ステップS260として印刷機OT30により新聞輪転機50の運転が停止される。
なお、刷版の掛け誤りと判定された版胴の位置は印刷機OT30の表示装置により表示され、オペレータは掛け誤った刷版を適切な刷版に付け替えて再び、ステップS100からの処理を開始する。

0080

ステップS180において刷版の掛け誤りが無いと判定されると、ステップS190では、色調情報の目標値とラインセンサ54の検出値との差が所定範囲内となるようにインキ供給量調整機構52によるインキ供給単位幅毎のインキ供給量がフィードバック制御により調整される(インキ供給量制御ステップ)。
また、ステップS200では、まず、ラインセンサ54の検出値とステップS130において補正された画像データとに基づいて、ウェブWに地汚れがあるか否かが判定される。そして、地汚れがあると判定された場合には、どのインキ色に起因する地汚れであるかが判断され、該当するインキ色版胴に供給する湿し水の供給量が増加調整される(湿し水供給量制御ステップ)。

0081

なお、上記のステップS190,S200は並行して同時に実行される。また、ステップS190,S200は、後述するステップS210〜S240までの処理とも並行して実施される。
ステップS210では、ラインセンサ54の検出値とステップS130において補正された画像データとに基づいて、マーク検出センサ55が断裁見当マークの検出に好適な位置まで位置調整される。

0082

そして、ステップS220では、各タワーユニットT1〜T5を通過したウェブWに印刷された断裁見当マークが検出される(断裁マーク検出ステップ)。
続いて、ステップS230では、ウェブパスルート調整機構51により各タワーユニットT1〜T5を通過した各ウェブWの搬送経路の長さがそれぞれ調整され(断裁見当調整ステップ)、ステップS240では、断裁見当を調整された上ウェブパスルート4において重ね合わされたウェブWが折胴7及び断裁胴8によってウェブ幅方向へ折り畳まれるとともに所定長さ毎に断裁され、さらに、折り込みローラ9によって折り目を加圧されることにより折帖が形成される。

0083

次に、ステップS250として印刷終了条件成立したか否かが判断される。ステップS250の判断は印刷機OT30により行われ、例えば、所望の印刷部数に達する等予め設定された印刷終了の条件が満たされると、ステップS270に進み、新聞輪転機50の刷了処理が行われ、印刷が終了する。
一方、ステップS250において印刷終了条件が成立しない場合には、ステップS170に戻り、ステップS170〜ステップS240までの処理が繰り返される。

0084

なお、本実施形態では、ステップS140,S150,S180〜S200,S210及びS230の処理が印刷機制御ステップに相当する。

0085

このように本発明の印刷機の制御装置及び制御方法によれば、パノラマ印刷を行うタワーユニットT1の情報がジョブ情報として製版データに含まれており、この情報に基づいて、パノラマ印刷を行うタワーユニットT1の版胴については、左右の各刷版14A,14Bをいずれも版胴12の一端側に変位するように装着する。これにより、中央で分割された版胴である版胴12の中央部のギャップG部分に、刷版の端部が位置することにより刷版が変形する等して、印刷時に当該部分の印圧が低下して色調品質が著しく低下する等の不具合を回避することができる。

0086

さらに、製版データに含まれる画像データの縮尺情報やパノラマ印刷を行う版胴12における左右の各刷版14A,14Bの装着位置の基準位置BPからの変位量ΔXA,ΔXBを検出して、画像データの位置修正にかかる補正情報として取得し、この補正情報に基づいて画像データを補正することにより、実際に印刷される印刷絵柄と製版データに含まれる画像データとの位置関係の不一致を解消あるいは低減することができる。

0087

この補正された画像データに基づいて印刷機を制御することにより、新聞輪転機50の各制御機能43〜49を精度良く実行することができ、印刷品質の向上を図ることができる。
特に、補正前の画像データと実際に印刷される絵柄との位置関係が幅方向(版胴の軸方向)に大きい場合には、インキ供給単位幅毎の画線率に大きな誤差が生じることになるが、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、インキ供給単位幅毎の画線率を演算することにより、インキ供給量制御部43においてインキ供給単位幅毎のインキ供給量を精度良く調整でき、印刷品質の向上及び損紙の低減を図ることができる。

0088

さらに、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、インキ供給単位幅毎の画線率を演算することにより、インキ供給量プリセット部44においてインキ供給単位幅毎のインキ供給量を精度良くプリセットすることができ、印刷開始から所望の色調のウェブWを得るまでの時間(あるいは通し数)を低減することができ、損紙の低減を図ることができる。また、インキ予備供給量算出部45において、印刷に先だって版胴に供給するインキ予備供給量を精度良く求めることができ、適切なインキを版胴に予備供給することにより、印刷開始から所望の色調のウェブWを得るまでの時間(あるいは通し数)を低減することができ、損紙の低減を図ることができる。

0089

また、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、マーク検出センサ55の位置を調整するので、補正前の画像データと実際に印刷される印刷絵柄の位置関係が版胴の軸方向に異なる場合でも、ウェブW上に印刷された断裁見当マークがマーク検出センサの検出範囲から逸脱することを防止でき、断裁見当マークの不検出に起因する断裁位置のずれや新聞輪転機50のウェブ搬送路における紙詰まり等の発生を確実に防止することができる。

0090

また、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、ウェブWの地汚れ等を精度良く検出することができ、湿し水供給量制御部48において湿し水の供給量を精度良く調整することができウェブWの地汚れの発生を確実に低減することができる。
また、湿し水の供給量が過剰になると、インキと湿し水とが過乳化となって浮き汚れやローラストリッピング現象等の不具合を招くが、湿し水供給量に上限値を設定して湿し水量の増加補正を行なうので、かかる不具合を回避することができる。

0091

また、画像データ補正部42において補正された画像データに基づいて、簡易検版部49において、版胴に装着された刷版の掛け誤りを精度良く自動的に検出することができるので、刷版の掛け誤りを精度良く且つ早期に確実に発見することができ、損紙を低減することができる。
特に、画像データ補正部42において画像データの位置ずれが既に補正されているので、簡易検版部49において正規化相関法により基準画像と非検査画像とのx,y座標上の位置ずれ量の補正の限界値をより厳密に設定することができるので、簡易検版部49における刷版の掛け誤りの検出精度飛躍的に向上させることができる。

0092

[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態においては、いずれも印刷機として新聞印刷を行う新聞輪転機を例に説明したが、商業用のオフセット輪転印刷機枚葉紙に印刷を行う枚葉印刷機にも印刷機として本発明を好適に適用可能である。

0093

また、実施形態では、版胴の軸方向に対応する画像データの位置補正情報を刷版装着位置検出センサの検出情報から得るようにしているが、画像データの位置補正情報は、この他にもジョブ情報に特記情報として画像データの位置補正情報を含めておいてもよく、また、印刷機OTの入力装置からオペレータが直接入力するようにしてもよい。
また、補正された画像データに基づいて制御される印刷機の制御対象についても、インキ供給量制御,インキ予備供給量制御,インキ供給量プリセット制御,湿し水供給量制御,断裁見当調整制御及び簡易検版に限定するものではなく、適宜省略可能である。あるいは、補正された画像データを用いることが好適なその他の印刷機の制御にも適宜適用することができる。

0094

例えば、補正された画像データと印刷された印刷用紙の色調の検出結果とに基づいて、印刷用紙に重大な欠陥があることを検出して、欠陥が発見された印刷用紙については、製品となる良品搬送ラインから除去するように構成してもよい。
また、画像データの補正情報としては、上述したように、版胴の軸方向の画像データの位置の補正情報及び画像データの縮尺にかかる補正情報に限らず、必要に応じて、版胴の周方向(印刷用紙の搬送方向)に対する画像データの位置を補正する情報を含みこの補正情報に基づいて画像データを補正するように構成してもよい。

0095

また、刷版の版胴の軸方向の装着位置情報等の画像データの位置補正情報の画像データの位置補正情報を全て製版データのジョブ情報に含めるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、CTPシステム等の製版工程において、面付け位置等を幅方向に変位させる等、画像データと実際に印刷される印刷絵柄の幅方向位置が異なる場合であっても、版胴の軸方向位置補正情報に基づいて画像データを適切に補正することができる。

図面の簡単な説明

0096

本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、本制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、新聞輪転機を有する印刷工場の概略構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、新聞輪転機の概略構成を示す模式的な図である。
本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、折加工部の構成を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、通常時において版胴に装着する刷版の装着位置を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、パノラマ印刷を行う版胴に装着する刷版の装着位置を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る印刷機の制御装置を説明するためのものであって、本制御装置にかかる制御手順を示すフローチャートである。
従来技術を説明するためのものであって、通常時において版胴に装着する刷版の装着位置を模式的に示す図である。
本発明の課題を説明するためのものであって、(A),(B)はいずれもパノラマ印刷を行った印刷物を模式的に示す図である。
本発明の課題を説明するためのものであって、パノラマ印刷を行う版胴に装着する刷版の装着位置を模式的に示す図である。

符号の説明

0097

1 給紙部
1aウェブローラ(巻取紙)
2インフィード部
3印刷部
4ウェブパスルート
5 折加工部
6三角板
7折胴
8断裁胴
9折り込みローラ
10羽根車
11,12版胴(分割胴)
11A,12A 左版胴
11B,12B 右版胴
13,14刷版
13A,14A 左刷版
13B,14B 右刷版
16A,16Bインキ供給単位幅
20製版データサーバ
21 CTPシステム
30印刷機オペレーションターミナル(印刷機OT,印刷データ取得手段)
40印刷ユニット制御装置
41補正情報取得部(補正情報取得手段)
42 画像データ補正部(画像データ補正手段)
43インキ供給量制御部(インキ供給量制御手段)
44 インキ供給量プリセット(インキ供給量プリセット手段)
45インキ予備供給量算出部(インキ予備供給量算出手段)
46搬送経路制御部
47マーク検出範囲調整部(検出範囲調整手段)
48湿し水供給量制御部(湿し水供給量制御手段)
49簡易検版部(簡易検版手段)
50新聞輪転機(印刷機)
51 ウェブパスルート調整機構(搬送経路調整手段)
52 インキ供給量強制機構(インキ供給量調整手段)
53 湿し水供給量調整機構(湿し水供給量調整手段)
54ラインセンサ(色調センサ)
55マーク検出センサ
56刷版装着位置検出センサ
T1〜T5タワーユニット(印刷ユニット)
Wウェブ(印刷用紙)

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