図面 (/)

技術 圧電振動子片の特性調整加工装置及びこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法

出願人 シチズン時計株式会社
発明者 森谷卓
出願日 2007年9月6日 (12年0ヶ月経過) 出願番号 2007-231342
公開日 2009年3月26日 (10年5ヶ月経過) 公開番号 2009-063415
状態 未査定
技術分野 ジャイロスコープ 平均速度の測定;速度、加速度の試験較正 圧電、電歪、磁歪装置
主要キーワード 調整加工 規格範囲内 凹型形状 加工長 駆動検出回路 砥石保持部材 差動バッファ 振動出力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年3月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

加工工具を用いた漏れ振動調整加工において、小型化した振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができる圧電振動子片特性調整加工装置およびこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法を提供する。

解決手段

圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成されている電極を有する振動子片の脚の一部に対して加工工具を用いて漏れ振動調整加工を行う圧電振動子片の特性調整加工装置において、漏れ振動調整加工が行われる振動子片の脚を保持する脚保持台と脚保持台を移動させる脚保持台移動手段とを有し、漏れ振動調整加工を行うときには脚保持台が振動子片の脚を保持し、漏れ振動に起因する漏れ振動出力を測定するときには脚保持台移動手段が脚保持台を振動子片の脚から離れるように移動させることを特徴とする。

概要

背景

従来から、圧電材料からなる圧電振動子を用いた製品の例として、角速度のセンサである振動ジャイロなどがあり、自動車ナビゲーションシステムビデオカメラデジタルカメラの手振れ検出装置などに使用されている。一例として、圧電材料である水晶を用いた音叉型振動ジャイロ振動子特性調整加工である漏れ振動調整加工について簡単に説明する。

Z軸方向に厚みを有し、Y軸方向に平行に脚を有し、X軸方向に2本の脚が並んでいる図11に示すような振動子を用いた2脚音叉型水晶振動ジャイロを例にして説明する。一般に、振動ジャイロの振動子においては、X軸方向の駆動振動とZ軸方向の検出振動共振周波数が300Hz程度の接近した構成を必要とするが、加工精度限界や、水晶の結晶異方性に起因して、駆動振動と検出振動の機械的結合が発生する。

このX軸方向の駆動振動とZ軸方向の検出振動との機械的結合がある場合は、Y軸周りの角速度が印加されていない状態でも、2つの脚の先端はX軸方向への直線的な振動とならず、Z軸方向にも振動を発生させてしまう。このZ軸方向の振動が漏れ振動であり、これがノイズドリフトの原因となる。

このようなY軸周りの角速度が印加されていない状態でのZ軸方向の漏れ振動に起因する漏れ振動出力は、図12の断面図に示すような2脚音叉型の振動子の矩形の脚の角部である調整部M1からM8を適宜選択して面取り加工することにより、矯正することができることが知られている。

そして、このY軸周りの角速度が印加されていない状態でのZ軸方向の振動出力である漏れ振動出力が規格範囲内に収まるように、漏れ振動出力に応じて振動子の脚の調整部を選択し、調整部に対して加工工具などを押圧しながら面取り加工する漏れ振動調整加工が従来から一般に行われている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。

従来の漏れ振動調整加工においては、1個ずつに分離された振動子の固定部をパッケージ等に接着剤などを介して固定して振動子の脚に駆動振動を発振させた状態で漏れ振動出力を測定していた。そして、この漏れ振動出力に応じて加工工具を用いて振動子の脚の一部である調整部に対して漏れ振動調整加工を行い、漏れ振動出力が規格値に入るまでこの漏れ振動出力の測定と漏れ振動調整加工を繰り返している。

そのため、振動子の固定部はパッケージ等に接着剤などを介して固定しているが、振動子の脚は駆動振動を発振できるように固定せず、浮かせた状態で加工工具として研磨材を埋め込んだテープや回転する砥石を用いて漏れ振動調整加工を行っていた。

特開2002−243451号公報(第3から7頁、第9、10図)
特開平11−308064号公報(第4から7頁、第9、10図)

概要

加工工具を用いた漏れ振動調整加工において、小型化した振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができる圧電振動子片特性調整加工装置およびこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法を提供する。圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成されている電極を有する振動子片の脚の一部に対して加工工具を用いて漏れ振動調整加工を行う圧電振動子片の特性調整加工装置において、漏れ振動調整加工が行われる振動子片の脚を保持する脚保持台と脚保持台を移動させる脚保持台移動手段とを有し、漏れ振動調整加工を行うときには脚保持台が振動子片の脚を保持し、漏れ振動に起因する漏れ振動出力を測定するときには脚保持台移動手段が脚保持台を振動子片の脚から離れるように移動させることを特徴とする。

目的

本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工における振動子片の脚の折れに対する危険を回避すると同時に、漏れ振動調整加工に要する時間を短縮することができる圧電振動子片の特性調整加工装置を提供すると共にこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成されている電極を有する振動子片の脚の一部に対して、加工工具を用いて漏れ振動調整加工を行う圧電振動子片特性調整加工装置において、漏れ振動調整加工が行われる前記振動子片の脚を保持する脚保持台と、前記脚保持台を移動させる脚保持台移動手段とを有し、前記加工工具が前記振動子片の脚の一部に接触した状態で加工圧力を加えながら漏れ振動調整加工を行うときには前記脚保持台が前記振動子片の脚を保持し、前記加工工具を前記振動子片の脚から離して前記振動子片に駆動振動発振させて漏れ振動に起因する漏れ振動出力を測定するときには前記脚保持台移動手段が前記脚保持台を前記振動子片の脚から離れるように移動させることを特徴とする圧電振動子片の特性調整加工装置。

請求項2

前記脚保持台の前記振動子片の脚と接触する表面部分は、摩擦係数が高くかつ弾性を有する平坦ゴム状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子片の特性調整加工装置。

請求項3

前記脚保持台の前記振動子片の脚と接触する表面部分の形状は、前記振動子片の脚を挿入自在に2方向に固定保持できる凹型形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動子片の特性調整加工装置。

請求項4

前記加工工具は、薄板状の弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材で保持された前記薄板状砥石であり、前記加工工具を振動加工装置に装着して前記振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電振動子片の特性調整加工装置。

請求項5

前記圧電材料が水晶であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧電振動子片の特性調整加工装置。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧電振動子片の特性調整加工装置を用いて、振動ジャイロで利用される圧電振動子を次の(a)から(d)の工程により製造することを特徴とする振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法。(a)漏れ振動出力を測定する漏れ振動出力測定工程。(b)前記漏れ振動出力測定工程を経て測定された前記漏れ振動出力に応じて漏れ振動の調整加工を行う漏れ振動調整加工工程。(c)前記漏れ振動調整加工工程を経た後に漏れ振動出力を再測定し、所定の規格値の範囲内であれば次工程の切断工程に進み、範囲外であれば前記漏れ振動調整加工工程を再度実施するように判断を行う漏れ振動出力再測定工程。(d)前記漏れ振動出力再測定工程を経て所定の規格値の範囲に入っている前記振動子片を前記母圧電基板から分断して圧電振動子を得る切断工程。

技術分野

0001

本発明は、圧電材料からなる振動子片の脚の一部に対して漏れ振動調整加工を行う圧電振動子片特性調整加工装置及びこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来から、圧電材料からなる圧電振動子を用いた製品の例として、角速度のセンサである振動ジャイロなどがあり、自動車ナビゲーションシステムビデオカメラデジタルカメラの手振れ検出装置などに使用されている。一例として、圧電材料である水晶を用いた音叉型振動ジャイロ振動子特性調整加工である漏れ振動調整加工について簡単に説明する。

0003

Z軸方向に厚みを有し、Y軸方向に平行に脚を有し、X軸方向に2本の脚が並んでいる図11に示すような振動子を用いた2脚音叉型水晶振動ジャイロを例にして説明する。一般に、振動ジャイロの振動子においては、X軸方向の駆動振動とZ軸方向の検出振動共振周波数が300Hz程度の接近した構成を必要とするが、加工精度限界や、水晶の結晶異方性に起因して、駆動振動と検出振動の機械的結合が発生する。

0004

このX軸方向の駆動振動とZ軸方向の検出振動との機械的結合がある場合は、Y軸周りの角速度が印加されていない状態でも、2つの脚の先端はX軸方向への直線的な振動とならず、Z軸方向にも振動を発生させてしまう。このZ軸方向の振動が漏れ振動であり、これがノイズドリフトの原因となる。

0005

このようなY軸周りの角速度が印加されていない状態でのZ軸方向の漏れ振動に起因する漏れ振動出力は、図12の断面図に示すような2脚音叉型の振動子の矩形の脚の角部である調整部M1からM8を適宜選択して面取り加工することにより、矯正することができることが知られている。

0006

そして、このY軸周りの角速度が印加されていない状態でのZ軸方向の振動出力である漏れ振動出力が規格範囲内に収まるように、漏れ振動出力に応じて振動子の脚の調整部を選択し、調整部に対して加工工具などを押圧しながら面取り加工する漏れ振動調整加工が従来から一般に行われている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。

0007

従来の漏れ振動調整加工においては、1個ずつに分離された振動子の固定部をパッケージ等に接着剤などを介して固定して振動子の脚に駆動振動を発振させた状態で漏れ振動出力を測定していた。そして、この漏れ振動出力に応じて加工工具を用いて振動子の脚の一部である調整部に対して漏れ振動調整加工を行い、漏れ振動出力が規格値に入るまでこの漏れ振動出力の測定と漏れ振動調整加工を繰り返している。

0008

そのため、振動子の固定部はパッケージ等に接着剤などを介して固定しているが、振動子の脚は駆動振動を発振できるように固定せず、浮かせた状態で加工工具として研磨材を埋め込んだテープや回転する砥石を用いて漏れ振動調整加工を行っていた。

0009

特開2002−243451号公報(第3から7頁、第9、10図)
特開平11−308064号公報(第4から7頁、第9、10図)

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、近年、振動ジャイロに用いる振動子は小型化してきており、当然その振動子の脚も細くなるため、研磨材を埋め込んだテープや回転する砥石などの圧力を掛けて加工を行う方式では漏れ振動調整加工時の振動子の脚折れの危険が増大し、問題になっている。また、このことに起因して、振動子の脚が細くなると漏れ振動調整加工での加工圧力に限界が生じるため、非常に低い加工圧力で漏れ振動調整加工を行わなければならず、加工時間が長くなるという問題が生じてくる。

0011

本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工における振動子片の脚の折れに対する危険を回避すると同時に、漏れ振動調整加工に要する時間を短縮することができる圧電振動子片の特性調整加工装置を提供すると共にこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

前述した目的を達成するために、本発明の圧電振動子片の特性調整加工装置は、圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成されている電極を有する振動子片の脚の一部に対して加工工具を用いて漏れ振動調整加工を行う圧電振動子片の特性調整加工装置において、
漏れ振動調整加工が行われる振動子片の脚を保持する脚保持台と、
脚保持台を移動させる脚保持台移動手段とを有し、
加工工具が振動子片の脚の一部に接触した状態で加工圧力を加えながら漏れ振動調整加工を行うときには脚保持台が振動子片の脚を保持し、
加工工具を振動子片の脚から離して振動子片に駆動振動を発振させて漏れ振動に起因する漏れ振動出力を測定するときには脚保持台移動手段が脚保持台を振動子片の脚から離れるように移動させることを特徴とする。

0013

また、脚保持台の振動子片の脚と接触する表面部分は、摩擦係数が高くかつ弾性を有する平坦ゴム状の部材であることを特徴とする。

0014

また、脚保持台の振動子片の脚と接触する表面部分の形状は、振動子片の脚を挿入自在に2方向に固定保持できる凹型形状であることを特徴とする。

0015

また、加工工具が薄板状の弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材で保持された薄板状砥石であり、この加工工具を振動加工装置に装着して振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする。

0016

また、圧電材料が水晶であることを特徴とする。

0017

本発明の振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法は、圧電振動子片の特性調整加工装置を用い、振動ジャイロで利用される圧電振動子を次の(a)から(d)の工程により製造することを特徴とする。
(a)漏れ振動出力を測定する漏れ振動出力測定工程。
(b)漏れ振動出力測定工程を経て測定された漏れ振動出力に応じて漏れ振動の調整加工を行う漏れ振動調整加工工程。
(c)漏れ振動調整加工工程を経た後に漏れ振動出力を再測定し、所定の規格値の範囲内であれば次工程の切断工程に進み、範囲外であれば漏れ振動調整加工工程を再度実施するように判断を行う漏れ振動出力再測定工程。
(d)漏れ振動出力再測定工程を経て所定の規格値の範囲に入っている振動子片を母圧電
基板から分断して圧電振動子を得る切断工程。

0018

(作用)
本発明によれば、加工工具を振動子片の脚の一部である調整部に接触させた状態で加工圧力を加えながら漏れ振動調整加工を行うときには振動子片の脚の変形を小さくするように脚保持台が振動子片の脚を保持し、加工工具を振動子片の脚から離して振動子片に駆動振動を発振させた状態で漏れ振動出力を測定するときには脚保持台移動手段により脚保持台が振動子片の脚から離れるように移動して、漏れ振動出力が規格範囲内に入るように振動子片の漏れ振動調整加工を行うので、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工における振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができる圧電振動子片の特性調整加工装置を提供することができる。

0019

また、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工においても脚の折れに対する危険を回避することができるため加工工具の加工圧力に関する制限を緩和することができ、漏れ振動調整加工に要する時間を短縮することができる。

0020

更に、今後の振動子片の更なる小型化に対して、漏れ振動調整加工の加工圧力に関する制限が緩和されるため設計自由度を大きくすることができる。

0021

また、母圧電基板に結合部を介して一体に形成されている振動子片の状態で漏れ振動調整加工を行うので、脚保持台が振動子片の脚を保持する時にパッケージの形状による制限もなく容易に脚保持台および脚保持台移動手段を設置することができる。

0022

また、本発明によれば、脚保持台の振動子片の脚と接触する表面部分は、摩擦係数が高くかつ弾性を有する平坦なゴム状の材質であるので、脚保持台の表面が振動子片の脚に接触して脚を保持すると、加工工具からの加工圧力により振動子片の脚は若干変形するので脚保持台表面と振動子片の脚との間の脚保持台表面方向の摩擦力も大きくなり、振動子片の脚をZ軸方向と同時にX軸方向について保持することが可能である。

0023

また、本発明によれば、脚保持台の振動子片の脚と接触する表面部分の形状が、振動子片の脚を挿入自在に2方向に固定保持できる凹型形状であるので、振動子片の脚を挿入自在にZ軸方向と同時にX軸方向について保持することが可能である。

0024

また、本発明によれば、加工工具が薄板状の弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材で保持された薄板状砥石であり、振動加工装置に装着され、薄板状砥石が振動しながら振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うので、回転させて加工を行う円柱状砥石の直径に比較して薄い平板状の砥石を使用することができ、母圧電基板上に小型の振動子片が高密度に配置されている場合にも、振動子片の狭い脚間および隣り合う狭い振動子片の間の漏れ振動調整加工を行うことができる。

0025

また、弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材に固着した薄板状砥石を用いて加工を行うので、調整部を加工するときに急激な加工圧力の変動がなく、安定した漏れ調整加工作業を行うことができる。更に、振動子片の脚を脚保持台で保持して漏れ調整加工を行うため、加工圧力による振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができるので、薄板状砥石の利点と合わせて更なる振動子片の小型化に対して、漏れ振動調整加工を容易に行うことができる。

0026

本発明の振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法によれば、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工においても脚の折れに対する危険を回避することができるため加工工具の加工圧力に関する制限を緩和することができ、漏れ振動調整加工に要する時間を短縮すること
ができるので高精度の振動ジャイロ用圧電振動子を低コストで提供することができる。

発明の効果

0027

本発明によれば、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工における振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができる圧電振動子片の特性調整加工装置とこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0028

前述の背景技術の説明においては、図11に示す振動子J10のように、漏れ振動調整加工が施されていないが、1個ずつに分離され、振動子形状と電極が形成されている状態の振動子に対して、振動子または圧電振動子として説明した。

0029

ここで、以後の説明のために本願では、図7(b)に示すような母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している状態で形成されている振動子形状の部位を振動子片W20といい、振動子片W20が母圧電基板W10から結合部W11を切り離されたとき圧電振動子ということにする。従って、振動子片W20が漏れ振動調整加工工程を経ていても、振動子片W20は母圧電基板W10から結合部W11を切り離されていない場合は、振動子片W20ということになる。

0030

また、本願では固定する場所を明確にするため、図7(b)の振動子片W20のように基部J15の他に外部に固定するための固定部J16を有する形状で説明するが、基部J15を外部に固定する場合は基部J15が固定部になる。

0031

以下、本発明にかかる好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。主に2脚または3脚音叉型の圧電振動子片の一つである水晶振動子片を例に取り説明する。

0032

(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態にかかる漏れ振動調整加工における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を調整する特性調整加工装置とこの特性調整加工装置を用いた3脚音叉型振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法とを説明する斜視図であり、脚保持台R1が脚保持台移動手段R2により脚保持位置に移動して加工が行われているところを説明している。

0033

図2は加工工具が振動子片の脚から離れ、漏れ振動出力を測定するために脚保持台R1が脚保持台移動手段R2により脚保持位置から待機位置に移動しているところを説明している。図7は本発明の第1の実施形態にかかる母圧電基板形成工程を説明する図である。図7(a)は母圧電基板を示す図である。図7(b)は図7(a)のA部の拡大平面図であり、母圧電基板に振動子片の形状が形成されている状態を示している。

0034

図8は本発明の第1の実施形態にかかる母圧電基板に形成された振動子片の脚の断面図で、電極が形成されている状態を示している。図9は本発明の第1の実施形態にかかる漏れ振動調整加工における母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図9(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図9(b)は図9(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図である。

0035

図10は本発明の第1の実施形態にかかる母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図10(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図10(b)は図10(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図で、エアで吸引する仮固定方法を説明している。

0036

図13は調整部を面取り加工した形状を説明するための模式図である。図14図13
と反対方向に調整部を面取り加工した形状を説明するための模式図である。図15は2脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線駆動検出回路の模式図である。図16は3脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。

0037

これらの図を参照しながら、本発明の第1の実施形態にかかる圧電振動子片の特性調整加工装置及びこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法を説明する。

0038

先ず、対象とする振動子片W20について2脚音叉型の振動子片を例に取り、説明する。図7(a)は、母圧電基板W10の平面図である。図7(b)は、図7(a)のA部を拡大した平面図で、少なくとも1個以上の振動子片W20がエッチング加工技術等を用いて形成された状態を示している。振動子片W20の第1の脚J11、第2の脚J12が基部J15で結合しており、基部J15と結合している固定部J16は結合部W11を介して母圧電基板W10に一体に結合している。

0039

尚、この説明の振動子片W20では固定部J16を設けているが、固定部J16を設けずに基部J15が直接に結合部W11を介して母圧電基板W10に一体に結合していても良い。また、振動子片W20は図8に示すように第1の脚J11には、駆動電極J1、J2、J3及びJ4が形成され、右側に記す第2の脚J12には脚の角部に検出電極J5、J6、J7及びJ8の電極パターンが形成された状態になっている。

0040

次に、このような振動子片W20を基台K30に仮固定する方法を説明する。図9は、母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片W20が基台K30に仮固定された状態を示す図で、図9(a)は斜視図、図9(b)は、図9(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図で、振動子片W20の中央(図7の第2脚J12の長手方向)の断面を示す。

0041

図9(a)に示すように、振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10を平面度が高精度に仕上げられた基台K30の上面に位置決めして載置する。そして母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している振動子片W20を基台K30に仮固定するときは、図9(b)では、振動子片W20の固定部J16を上から図示していない押圧部材などにより押圧して基台K30の上に仮固定する。

0042

更に、図10(b)に示すように、基台K30に吸引部K31を設け、図示していないエアポンプによってエアを吸引して、基台K30に位置決めして載置されている母圧電基板W10の固定部J16を吸引して仮固定しても良い。また、母圧電基板W10を基台K30の平面度の良い面に倣わせるように、母圧電基板W10の振動子片W20以外の部分も仮固定することが推奨される。

0043

次に、このように、基台K30の上に位置決めして仮固定された母圧電基板W10上の少なくとも1個以上の振動子片W20に対して行う漏れ振動調整加工について説明する。図1は、加工工具として回転する円柱状砥石K40を用いて調整部を面取り加工することにより漏れ振動調整加工を行う場合の模式図である。図1は3脚構成で図示してあるが、2脚構成でも方法は全く同じである。

0044

図1は一例として調整部M1が選択された場合について漏れ振動調整加工を行っているところを示しており、加工工具である回転する円柱状砥石K40を漏れ振動出力に応じて脚J11の調整部M1に適度の切り込みを行いながら適度な加工長さMLになるように脚J11に平行に移動させることで漏れ振動調整加工を行うことを示している。他の調整部
についても同様に漏れ振動調整加工を行うことができる。

0045

ここで、図1において、加工工具である回転する円柱状砥石K40は、図示していないX−Y−Zステージに回転自在に固定保持され、調整部への移動と加工長さMLの移動および円柱状砥石K40の切り込み量の調節などができる構成になっている。

0046

次に、脚保持台R1および脚保持台移動手段R2の構成と動きについて説明する。図1に示す脚J11の調整部M1の漏れ振動調整加工を開始するときには、図1に示すようにZ軸ステージからなる上下移動可能な脚保持台移動手段R2に固定されている脚保持台R1が、加工圧力が掛かっていない状態の時の振動子片W20の脚J11の下面に接する脚保持位置に移動して振動子片W20の少なくとも脚J11を保持し、振動子片W20の脚J11が加工工具からの加工圧力により変形するのを減少させる。

0047

また、漏れ振動調整加工を終了して漏れ振動出力を測定するために振動子片W20に駆動振動を発振させるときには、図2に示すように脚保持台R1が脚保持台移動手段R2により振動子片W20の脚J11およびJ12の下面に接する脚保持位置から離れた下方に設定されている待機位置に移動している構成になっている。

0048

次に、Y軸周りに角速度が付与されていない状態で、X軸方向の駆動振動との機械的結合により生じたZ軸方向の検出振動である漏れ振動に起因する漏れ振動出力の測定方法を説明する。ここで駆動振動と漏れ振動および漏れ振動に起因する漏れ振動出力の測定について、図15の2脚音叉型水晶ジャイロの断面及び配線や駆動検出回路を示す模式図で説明する。

0049

例えば電極J1及びJ3の電位を参照として発振条件を超える増幅率アンプJGを用いて増幅し、発振条件を満足する位相移相回路JPで整えて電極J2及びJ4に戻すことにより、第1の脚J11の屈曲に伴う機械的な戻り力と電気的な力の間でエネルギー交換が起こり、第1の脚J11をX軸方向に自励発振させることがきる。

0050

また、振動子片W20全体で見ると、第1の脚J11及び第2の脚J12の運動量をバランスさせる為、第1の脚J11がX軸方向に動く時、第2の脚J12は−X軸方向に動き、第1の脚J11が−X軸方向に動く時、第2の脚J12がX軸方向に動く動作となり、その周波数は、音叉型振動子J10の面内屈曲振動の共振周波数とほぼ一致する。この振動が駆動振動である。

0051

このように駆動振動を行っているときに、Y軸周りに角速度が印加されていない状態(コリオリ力が働いていない状態)のZ軸方向の振動が漏れ振動である。この漏れ振動に起因する漏れ振動出力は、電極J5及び電極J7を一方の入力信号とし、電極J6及び電極J8を他方の入力信号とし、差動バッファJDにより差動増幅された信号出力として検査装置で測定される。

0052

今までは2脚音叉型水晶ジャイロについて説明してきたが、3脚音叉型水晶ジャイロについても全く同様の構成で説明することが出来る。図16は3脚音叉型水晶ジャイロの断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。

0053

図16を簡単に説明すると、脚J11と脚J12は脚の平面に駆動電極1L、1R、1D、1U及び2L、2R、2D、2Uを有し、これらの駆動電極によって面内屈曲振動をする。脚J13においては1つの脚の平面上に電極3Gを有しアースされており、2個の電極3D、3Uは角部に形成され、この電極3D、3Uが検出電極を形成する。回路系については図15の構成と同じである。

0054

ここで、先に説明したように基台K30に振動子片W20を仮固定した状態で漏れ振動調整加工を行う振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法について、図16の3脚音叉型水晶ジャイロを例にとり説明する。

0055

[漏れ振動出力測定工程]
まず、漏れ振動出力を測定する漏れ振動出力測定工程を説明する。漏れ振動出力は、駆動振動を行わせている時に、Y軸周りに角速度が印加されていない状態で図16に示した検出電極3D、3Uを入力信号とし、差動バッファJDにより差動増幅された信号出力として検査装置で測定される。ここで、電気的な接続は、母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している振動子片W20の固定部J16に配線された必要な電極にプローブピン(図示していない)などでコンタクトする。

0056

先に述べたように、振動子片W20に駆動振動を発振させて漏れ振動出力を測定するときには、図2に示すように脚保持台R1が脚保持台移動手段R2により振動子片W20の脚J11およびJ12の保持位置から離れた下方の待機位置に移動している。

0057

[漏れ振動調整加工工程]
次に、漏れ振動調整加工工程を説明する。漏れ振動調整加工工程は、漏れ振動出力測定工程を経て測定された漏れ振動出力に応じて漏れ振動の調整加工を行う工程である。測定された漏れ振動出力に応じて漏れ振動出力が小さくなるように、調整部M1〜M8の少なくとも1箇所以上を面取り加工して漏れ振動を調整するが、漏れ振動出力は、調整部M1、M3、M5及びM7の面取り図13参照)加工では同じ方向に変化し、また調整部の方向がこれらと直交するM2、M4、M6及びM8の面取り(図14参照)加工では逆方向に変化する。

0058

そのため、調整部M1およびM5の漏れ調整加工である面取り加工では、漏れ振動出力が同方向に変化し、調整部M4およびM8の漏れ調整加工では逆方向に変化するので、図1に示す加工工具側の調整部M1、M4,M5、M8に対する漏れ振動調整加工だけでも漏れ振動出力を調整することができる。図1に示すような脚保持台の配置の場合には、この調整部M1、M4,M5、M8のいずれか一箇所以上を漏れ振動調整加工することになる。

0059

このとき、駆動信号に対する漏れ振動出力の位相や漏れ振動出力の大きさにより、漏れ振動出力が低減する調整部M1〜M8の選択とその調整部の加工位置および加工工具の切り込み量などを決定することができる。同一の加工工具の切り込み量に対して漏れ振動出力の変化率は、調整部M1〜M8の加工位置が脚の根本側では大きく、先端側では小さくなる。

0060

この特性から、漏れ振動出力が大きい場合には、調整部M1〜M8の中の適切な脚の根本よりを中心に漏れ調整加工を行うと効率良く漏れ振動出力を低減でき、漏れ振動出力が小さい場合には、調整部M1〜M8の中の適切な脚の先端よりを中心に漏れ調整加工を行うと漏れ振動出力の微調整が容易である。

0061

また、先に述べたように、振動子片W20の脚J11に対して漏れ振動調整加工するときには、図1に示すように脚保持台R1が、加工圧力が掛かっていない状態の時の振動子片W20の脚J11の下面に接する脚保持位置に移動して振動子片W20の少なくとも脚J11を保持し、振動子片W20の脚J11が加工工具からの加工圧力により変形するのを減少させる。

0062

[漏れ振動出力再測定工程]
次に、漏れ振動出力再測定工程を説明する。漏れ振動出力再測定工程は、再度漏れ振動出力を測定し、漏れ振動出力の大きさが所定の規格値範囲に入れば漏れ振動調整加工を終了し、規格値範囲に入っていなければ更に上記の漏れ振動調整加工と漏れ振動出力の再測定を繰り返して実施するように判断を行う。

0063

このようにして、漏れ振動調整加工を行い、漏れ振動に起因する漏れ振動出力の大きさが所定の規格値範囲に入れば漏れ振動調整加工を終了し、洗浄等の作業を行う。

0064

[切断工程]
そして、最後に切断工程を説明する。母圧電基板W10上の結合部W11(図7参照)をレーザー加工技術などを用いて切断し、母圧電基板W10から振動子片W20を分断すると漏れ振動の調整が完了した圧電振動子を得ることができる。

0065

本実施形態によれば、加工工具を調整部に接触させた状態で加工圧力を加えながら漏れ振動調整加工を行うときには振動子片の脚の変形を小さくするように脚保持台が振動子片の脚を保持し、加工工具を振動子片の脚から離して振動子片に駆動振動を発振させた状態で漏れ振動出力を測定するときには脚保持台移動手段により脚保持台が振動子片の脚から離れるように移動するので、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工における振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができる圧電振動子片の特性調整加工装置を提供することができる。

0066

更に、今後の振動子片の更なる小型化に対して、漏れ振動調整加工の加工圧力に関する制限が緩和されるため設計自由度を大きくすることができる。また、母圧電基板に結合部を介して一体に形成されている振動子片の状態で漏れ振動調整加工を行うので、脚保持台が振動子片の脚を保持する時にパッケージの形状による制限もなく容易に脚保持台および脚保持台移動手段を設置することが出来る。

0067

本実施形態における振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法によれば、小型化した振動子片の漏れ振動調整加工においても脚の折れに対する危険を回避することができるため加工工具の加工圧力に関する制限を緩和することができ、漏れ振動調整加工に要する時間を短縮することができるので高精度の振動ジャイロ圧電振動子を低コストで提供することができる。

0068

(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる圧電振動子片の特性調整加工装置について図5を参照しながら説明する。なお、図5は本発明の第2の実施形態にかかる平坦なゴム状の部材が脚保持台の表面に接着されているところを示す斜視図である。本実施形態は脚保持台が第1の実施形態と異なっており、その他は同様である。したがって、第1の実施形態と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。

0069

図5に示すように、脚保持台R1の表面に摩擦係数が高くかつ弾性を有する平坦なゴム状の部材R10が接着剤等により固着している構造にする。この平坦なゴム状の部材R10を表面に有する脚保持台R1を用いて、振動子片W20の脚を保持し、漏れ振動調整加工を行う。漏れ振動に起因する漏れ振動出力のモニターや漏れ振動調整加工作業を含む振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法は前述の第1の実施形態と同様である。

0070

本実施形態によれば、脚保持台R1の振動子片の脚と接触する表面部分は、摩擦係数が高くかつ弾性を有する平坦なゴム状の部材R10であるので、脚保持台R1の表面が振動子片の脚に接触して脚を保持すると、加工工具からの加工圧力により振動子片の脚は若干
変形するので脚保持台表面と振動子片の脚との間の脚保持台表面方向の摩擦力も大きくなり、振動子片の脚をZ軸方向と同時にX軸方向についても保持することが可能である。

0071

(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる圧電振動子片の特性調整加工装置について図6を参照しながら説明する。なお、図6は第3の実施形態にかかる脚保持台の表面に凹型形状の溝があることを示す斜視図である。本実施形態は脚保持台の表面形状が第1および第2の実施形態と異なっており、その他は同様である。したがって、第1の実施形態と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。

0072

図6に示すように、脚保持台R1の振動子片W20の脚と接触する表面部分の形状が、振動子片W20の脚を挿入自在に2方向に固定保持できる凹型形状R11にする。この2方向に固定保持できる凹型形状R11を表面に有する脚保持台R1を用いて、振動子片W20の脚を保持し、漏れ振動調整加工を行う。漏れ振動に起因する漏れ振動出力のモニターや漏れ振動調整加工作業を含む振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法は前述の第1の実施形態と同様である。

0073

本実施形態によれば、保持台の振動子片の脚と接触する表面部分の形状が、振動子片の脚を挿入自在に2方向に固定保持できる凹型形状であるので、振動子片の脚を挿入自在にZ軸方向と同時にX軸方向についても保持することが可能である。

0074

(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態にかかる圧電振動子片の特性調整加工装置およびこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法について図3および図4を参照しながら説明する。

0075

なお、図3は第4の実施形態にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を調整する特性調整加工装置とこの特性調整加工装置を用いた振動ジャイロ用3脚音叉型圧電振動子の製造方法とを説明する斜視図であり、脚保持台が脚保持台移動手段により脚保持位置に移動して加工が行われているところを説明している。

0076

図4は、加工工具が振動子片の脚から離れ、漏れ振動出力を測定するために脚保持台が脚保持台移動手段により脚保持位置から待機位置に移動しているところを説明している。本実施形態は、加工工具を薄板状砥石K41とした漏れ振動調整加工工程であることに特徴があり、その他は第1、第2及び第3の実施形態と同様である。したがって、第1、第2及び第3の実施形態と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。

0077

本実施形態では、弾性を有する砥石保持部材K42に固着されている加工工具である薄板状砥石K41を振動加工装置に装着し、脚の長手方向に振動させながら加工を行う漏れ振動調整加工工程を説明する。

0078

少なくとも1個以上の振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10の基台K30への仮固定や調整部のいずれか1箇所以上を漏れ振動調整加工することなどについては先に説明した第1、第2及び第3の実施形態と同様である。図3は漏れ振動調整加工工程を説明するための模式図である。図3は3脚構成で図示してあるが、2脚構成でも方法は全く同じである。

0079

図3において、弾性を有する砥石保持部材K42に固着されている薄板状砥石K41を図示していない振動加工装置に装着し、薄板状砥石K41を脚J11の長手方向に振動さ
せ、脚J11の調整部M1に漏れ振動出力に応じて適度の圧力で押し付けながら脚J11に平行に適度な加工長さMLになるように移動させることで漏れ振動調整加工を行う。他の調整部についても同様に漏れ振動調整加工を行うことができる。

0080

ここで、図3において、薄板状砥石K41が固着されている弾性を有する砥石保持部材K42を固定保持している振動加工装置は、図示していないX−Y−Zステージに固定保持され、調整部のM1、M4、M5、M8いずれかへの移動と加工長さMLの移動および薄板状砥石K41の押し付け圧の調節などができる構成になっている。尚、弾性を有する砥石保持部材K42に薄板状砥石K41が固着されている場合について説明したが、弾性を有する薄板状砥石K41が振動加工装置に直接保持されていても良い。

0081

以降の漏れ振動に起因する漏れ振動出力のモニターや漏れ振動調整加工作業を含む振動ジャイロ用圧電振動子の製造方法は前述の第1の実施形態と同様である。

0082

本実施形態によれば、回転させて加工を行う円柱状砥石の直径に比較して薄い平板状の薄板状砥石を使用することができ、母圧電基板上に小型の振動子片が高密度に配置されている場合にも、振動子片の狭い脚間および隣り合う狭い振動子片の間の漏れ振動調整加工を行うことができる。

0083

また、弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材に固着した薄板状砥石を用いて加工を行うので、調整部を加工するときに急激な加工圧力の変動がなく、安定した漏れ調整加工作業を行うことができる。更に、振動子片の脚を脚保持台で保持して漏れ調整加工を行うため、加工圧力による振動子片の脚の折れに対する危険を回避することができるので、薄板状砥石の利点と合わせて更なる振動子片の小型化に対して、漏れ振動調整加工を容易に行うことができる。

0084

尚、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は上記の説明により何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、水晶2脚音叉の圧電振動子または水晶3脚音叉の圧電振動子を例に説明したが、本発明は、脚の数は例えば1,2,3,4,5本等、脚の数に限定されるものでは無く、また材質も水晶に限らず全ての圧電材料の振動体に適用できるものである。また、本実施例においては振動ジャイロ用の圧電振動子として説明したが、振動ジャイロ用に限るものでもない。

図面の簡単な説明

0085

本発明の第1の実施形態にかかる振動ジャイロ用3脚音叉型圧電振動子片の漏れ振動を調整する特性調整加工装置と漏れ振動調整加工工程とを説明する斜視図であり、脚保持台が脚保持台移動手段により脚保持位置に移動して加工が行われているところを説明している。
本発明の第1の実施形態にかかる振動ジャイロ用3脚音叉型圧電振動子片の漏れ振動を調整する特性調整加工装置と漏れ振動出力測定工程とを説明する斜視図であり、加工工具が振動子片の脚から離れ、漏れ振動出力を測定するために脚保持台が脚保持台移動手段により脚保持位置から待機位置に移動しているところを説明している。
本発明の第4の実施形態にかかる振動ジャイロ用3脚音叉型圧電振動子片の漏れ振動を調整する特性調整加工装置と漏れ振動調整加工工程とを説明する斜視図であり、脚保持台が脚保持台移動手段により脚保持位置に移動して加工が行われているところを説明している。
本発明の第4の実施形態にかかる振動ジャイロ用3脚音叉型圧電振動子片の漏れ振動を調整する特性調整加工装置と漏れ振動出力測定工程とを説明する斜視図であり、加工工具が振動子片の脚から離れ、漏れ振動出力を測定するために脚保持台が脚保持台移動手段により脚保持位置から待機位置に移動しているところを説明している。
本発明の第2の実施形態にかかる平坦なゴム状の部材が脚保持台の表面に接着されているところを示す斜視図である。
本発明の第3の実施形態にかかる脚保持台の表面に凹型形状の溝があることを示す斜視図である。
本発明の第1の実施形態にかかる母圧電基板形成工程を説明する図である。図7(a)は母圧電基板を示す図である。図7(b)は図7(a)のA部の拡大平面図であり、母圧電基板に振動子片の形状が形成されている状態を示している。
本発明の第1の実施形態にかかる母圧電基板に形成された振動子片の脚の断面図で、電極が形成されている状態を示している。
本発明の第1の実施形態にかかる漏れ振動調整加工における母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図9(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図9(b)は図9(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図である。
本発明の第1の実施形態にかかる母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図10(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図10(b)は図10(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図で、エアで吸引する仮固定方法を説明している。
2脚音叉型振動子外観を示す図である。
2脚音叉型の振動子の調整部を示す振動子の脚の断面図である。
調整部を面取り加工した形状を説明するための模式図である。
図13と反対方向に調整部を面取り加工した形状を説明するための模式図である。
2脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。
3脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。

符号の説明

0086

W10母圧電基板
W11 結合部
W20振動子片
K20導電膜
K30基台
K31吸引部
K40 回転する円柱状砥石
K41薄板状砥石
K42砥石保持部材
J1〜J8 2脚音叉振動子の電極
1D、1R、1U、1L 3脚音叉振動子の第1の脚の電極
2D、2R、2U、2L 3脚音叉振動子の第2の脚の電極
3D、3U、3G 3脚音叉振動子の第3の脚の電極
J10音叉型振動子
J11 第1の脚
J12 第2の脚
J13 第3の脚
J15 基部
J16 固定部
JCコンパレータ
JD差動バッファ
JGアンプ
JM乗算回路
JP、JP2移相回路
JS積分回路
M1〜M8 調整部
ML加工長さ
R1脚保持台
R2 脚保持台移動手段
R10平坦なゴム状の部材
R11 凹型形状

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 京セラ株式会社の「 センサ素子および角速度センサ」が 公開されました。( 2019/07/25)

    【課題・解決手段】センサ素子の圧電体は、基部からy軸方向に延びている駆動腕および検出腕を有している。複数の励振電極は、駆動腕をx軸方向に振動させることが可能な配置で駆動腕に位置している。複数の検出電極... 詳細

  • 日立オートモティブシステムズ株式会社の「 センサ装置」が 公開されました。( 2019/07/18)

    【課題・解決手段】本発明の目的は、検出エレメントが共振周波数でのゲインを持たないようにダンピングを調整されたセンサ装置において、出荷前の特性取得にかかるコストを抑制しつつ、出荷後の検出エレメントの応答... 詳細

  • TDK株式会社の「 振動デバイス」が 公開されました。( 2019/07/18)

    【課題】圧電振動子の振動を効率的に得ることができる振動デバイスを提供する。【解決手段】振動デバイス1は、圧電素子13と、互いに対向する一対の主面15a,15bを有すると共に、一方の主面15aに圧電素子... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ