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技術 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材および耐食性に優れたアルミニウム熱交換器の製造方法

出願人 三菱アルミニウム株式会社
発明者 兵庫靖憲麻野雅三当摩建
出願日 2007年8月30日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-223703
公開日 2009年3月19日 (12年4ヶ月経過) 公開番号 2009-058140
状態 未査定
技術分野 一般的な熱交換又は熱伝達装置の細部5 はんだ付・ろう付 はんだ付・ろう付材料 溶融はんだ付
主要キーワード 比較用合金 局部溶解 腐食寿命 熱交換器部材 アルミニウム酸化皮膜 孔食発生 炉雰囲気 押出管
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年3月19日)のものです。
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図面 (2)

課題

ろう付け性が良好で、かつ耐食性に優れ、長期に亘って良好な熱交換性能を発揮することができる熱交換器用部材および熱交換器を提供する。

解決手段

K2SiF6をバインダ樹脂とともに塗布したチューブと、フィンとを備え、チューブのろう付け後電位がフィンより50mV以上とする。これら部材を用いてろう付け加熱によってK2SiF6とチューブのAl成分との反応により生成されるろうにより、ろう付けする。ろう付時のチューブの局部溶融が生じることなく良好にろう付けでき、チューブがフィンより50mV以上であることでフィンの犠牲陽極効果によって十分に防食される。また、Znをほとんど含有しないフィレットが形成され、長時間使用でも熱交換性能を損なうことがない。

概要

背景

ろう付によって製造されるアルミニウム製熱交換器では、これまでAl製の芯材にAl−Si合金ろう材クラッドしたブレージングシートが広く使用されてきているが、これを用いなくともSi粉末フラックスバインダとの混合物の形でチューブ押出管など)の表面に塗布したものを使用することによって安価に製品が製造できるようになっている。しかも、この製品において亜鉛を含むフラックスを用いることによって、ろう付時の加熱でチューブ表面から内部に亜鉛が拡散するため、表面で亜鉛濃度が高く内部で低くなるため、チューブには表面で電位が低く、内部で高い電位勾配が形成される。このため、本来、アルミニウム合金孔食が生じやすいにも拘わらず、腐食が生じても全面腐食となり、従来問題となっていた孔食発生によるチューブの冷媒漏れや強度低下を抑制することができる(例えば特許文献1参照)。
特開2004−330233号公報

概要

ろう付け性が良好で、かつ耐食性に優れ、長期に亘って良好な熱交換性能を発揮することができる熱交換器用部材および熱交換器を提供する。K2SiF6をバインダ樹脂とともに塗布したチューブと、フィンとを備え、チューブのろう付け後電位がフィンより50mV以上とする。これら部材を用いてろう付け加熱によってK2SiF6とチューブのAl成分との反応により生成されるろうにより、ろう付けする。ろう付時のチューブの局部溶融が生じることなく良好にろう付けでき、チューブがフィンより50mV以上であることでフィンの犠牲陽極効果によって十分に防食される。また、Znをほとんど含有しないフィレットが形成され、長時間使用でも熱交換性能を損なうことがない。

目的

また、上記製品の接合フッ化カリウム系フラックス酸化皮膜除去効果の助けで溶融Al−Si合金ろうが流動することによって可能となるものであるが、Si粉末が微細になると従来の(KAlF4+K3AlF6)フラックスでは上記効果が必ずしも充分ではないため、ろう付炉雰囲気酸素濃度を例えば、10ppm以下のように、かなり下げないと充分な接合が得られないという問題がある。
以上のようなことから、ろう付時にろうによるチューブの局部溶融が生じることなく、かつ、ろう付炉雰囲気の酸素濃度を充分に下げなくても優れた接合性が得られ、フィレットの耐食性も良好で、チューブの腐食も抑えられ、優れた熱交換性能を維持したまま、長期間の使用に耐え得る熱交換器が望まれている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

K2SiF6をバインダ樹脂とともに塗布したチューブと、フィンとを備え、前記チューブのろう付け後電位がフィンより50mV以上貴であることを特徴とする耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材

請求項2

前記K2SiF6の塗布量が10〜40g/m2であることを特徴とする請求項1記載の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材。

請求項3

前記K2SiF6の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材。

請求項4

前記チューブが、質量%で、Cu:0.05〜0.50、Mn:0.05〜1.50%、Si:0.03〜1.0%、Ti:0.05〜0.25%、Cr:0.05〜0.30%、Fe:0.20〜0.50%のうち1種または2種以上含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器部材。

請求項5

前記フィンが、質量%で、Mn:0.8〜1.50%、Zn:0.3〜5.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器部材。

請求項6

前記フィンの組成に、さらに質量%で、Zr:0.03〜0.20%、Ti:0.03〜0.20%、Cr:0.03〜0.20%、Fe:0.20〜0.50%、Si:0.10〜1.0%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器部材。

請求項7

K2SiF6をバインダ樹脂とともにチューブ表面に塗布し、該チューブと該チューブのろう付け後電位よりも50mV以上卑であるフィンとを、ろう付け加熱によって前記K2SiF6とチューブのAl成分との反応により生成されるろうにより、ろう付けすることを特徴とする耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、自動車ラジエータなどに好適なアルミニウム製熱交換器の製造に供される、耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材および該部材を用いたアルミニウム製熱交換器の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

ろう付によって製造されるアルミニウム製熱交換器では、これまでAl製の芯材にAl−Si合金ろう材クラッドしたブレージングシートが広く使用されてきているが、これを用いなくともSi粉末フラックスバインダとの混合物の形でチューブ押出管など)の表面に塗布したものを使用することによって安価に製品が製造できるようになっている。しかも、この製品において亜鉛を含むフラックスを用いることによって、ろう付時の加熱でチューブ表面から内部に亜鉛が拡散するため、表面で亜鉛濃度が高く内部で低くなるため、チューブには表面で電位が低く、内部で高い電位勾配が形成される。このため、本来、アルミニウム合金孔食が生じやすいにも拘わらず、腐食が生じても全面腐食となり、従来問題となっていた孔食発生によるチューブの冷媒漏れや強度低下を抑制することができる(例えば特許文献1参照)。
特開2004−330233号公報

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、上記方法では確かにチューブの耐食性は良好であるものの、ろう付時にフラックス中亜鉛成分フィンとチューブの接合部であるフィレット中に他の部分より多く濃縮されるため、この部分の電位が最も卑となり、フィレットが腐食し易くなる。そしてフィレットが腐食しつくされるとチューブはフィンとの接触が絶たれ、チューブからフィンへの熱伝導が著しく低下するため、比較的早く熱交換性能が低下する。また、この種のろう付では、ろう付時にSi粉末が周囲のアルミニウム合金化してAl−Si合金ろうを形成するため、チューブの局部溶融による凹みが生じ、極端な場合にはろう付時にチューブに貫通孔が生じることがある。また、チューブに凹みが生じると製品の使用時にここを起点に腐食が生じやすくなることもある。

0004

また、上記製品の接合はフッ化カリウム系フラックス酸化皮膜除去効果の助けで溶融Al−Si合金ろうが流動することによって可能となるものであるが、Si粉末が微細になると従来の(KAlF4+K3AlF6)フラックスでは上記効果が必ずしも充分ではないため、ろう付炉雰囲気酸素濃度を例えば、10ppm以下のように、かなり下げないと充分な接合が得られないという問題がある。
以上のようなことから、ろう付時にろうによるチューブの局部溶融が生じることなく、かつ、ろう付炉雰囲気の酸素濃度を充分に下げなくても優れた接合性が得られ、フィレットの耐食性も良好で、チューブの腐食も抑えられ、優れた熱交換性能を維持したまま、長期間の使用に耐え得る熱交換器が望まれている。

0005

本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、ろう付け性が良好で、かつろう付け後には、耐食性に優れた熱交換器を得ることができる、耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材および耐食性に優れたアルミニウム熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

すなわち、本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材のうち、第1の本発明は、K2SiF6をバインダ樹脂とともに塗布したチューブと、フィンとを備え、前記チューブのろう付け後電位がフィンより50mV以上貴であることを特徴とする。

0007

第2の本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材は、前記第1の本発明において、前記K2SiF6の塗布量が10〜40g/m2であることを特徴とする。

0008

第3の本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材は、前記第1または第2の本発明において、前記K2SiF6の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする。

0009

第4の本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記チューブが、質量%で、Cu:0.05〜0.50、Mn:0.05〜1.50%、Si:0.03〜1.0%、Ti:0.05〜0.25%、Cr:0.05〜0.30%、Fe:0.20〜0.50%のうち1種または2種以上含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。

0010

第5の本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、前記フィンが、質量%で、Mn:0.8〜1.50%、Zn:0.3〜5.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。

0011

第6の本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材は、前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記フィンの組成に、さらに質量%で、Zr:0.03〜0.20%、Ti:0.03〜0.20%、Cr:0.03〜0.20%、Fe:0.20〜0.50%、Si:0.10〜1.0%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする。

0012

また、本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法は、K2SiF6をバインダ樹脂とともにチューブ表面に塗布し、該チューブと該チューブのろう付け後電位よりも50mV以上卑であるフィンとを、ろう付け加熱によって前記K2SiF6とチューブのAl成分との反応により生成されるろうにより、ろう付けすることを特徴とする。

0013

本発明者らはK2SiF6フラックスを用いることによって、微細Si粉末を使用必要がなく、したがって、ろう付炉雰囲気の酸素濃度が100ppmを超えるような劣悪な雰囲気でも容易にろう付でき、充分なフィレットを形成できる健全継ぎ手を得ることができることを見出したものである。

0014

本発明においてK2SiF6フラックスはSi成分によるAl−Si合金ろう形成とF成分によるろう付中のアルミニウム酸化皮膜破壊作用を同時に発揮させるためにチューブ表面に塗布される。この際の塗布量は10〜40g/m2が望ましい。
10g/m2未満の塗布量ではSi成分が不足するためにろうの形成量が充分でなく、満足できるフィレットの形成が得られない。10〜40g/m2でろうの形成量とフラックスの作用効果のいずれでも満足できるものである。一方、40g/m2を超えて塗布されてもさらに優れた効果が得られるわけではなく、逆に、チューブ表面の塗料厚さが大きくなり、ろう付後の各チューブ/フィン間で生じる収縮高さが大きくなり、このひずみによって一部チューブ/フィン間の剥がれを生じることになる。したがって、塗布量を10〜40g/m2とするのが望ましい。

0015

また、フラックス中に亜鉛が含有されていないので、チューブ表面に形成されたろうが流動してフィンとの接触部に形成されるフィレット中に多量の亜鉛が含有されることはない。したがって、この部分がフィンよりも卑になることがなく、フィレットの耐食性も健全になる。よって、フィレットの早期腐食による熱交換性能の低下も生じることがない。
一般に、チューブ表面に塗布された亜鉛成分がろう付時の加熱で内部に拡散することによって形成される、表面が低く内部に入るに連れて高くなる電位分布のもとでは、チューブの孔食は発生せず全面腐食となるため、腐食寿命が著しく伸びることは良く知られている。本発明のチューブにはこのような電位勾配が形成されていないものの、フィンの電位がチューブのそれよりも十分に低くなっているために、フィンの犠牲防食効果によってチューブの孔食発生は抑制できる。

0016

チューブの耐食性は上記のようにフィンの特性に大きく依存する。フィンとの電位差が小さい場合にはフィンの犠牲陽極効果が十分遠くまで発揮できなく、例えば、フィンとの接合部のない、チューブのヘッダー近傍部で孔食が生じることがある。この電位差を50mV以上にすることによって通常の製品のチューブは全てにわたって防食できる。
上記チューブとフィンとの接合は、フッ化物系フラックスの酸化皮膜除去効果の助けで溶融Al−Si合金ろうが流動することによって可能となる。溶融Al−Si合金ろうは、フラックス中のSiとマトリックスのAl成分とが溶融して生成される。この際の反応の一例を下記に示す。
K2SiF6+Al→KAlF4+Si(Al−Si)

0017

上記観点から、本熱交換器用部材として用いるチューブの材質は、耐食性に優れると共に、できるだけ電気化学的に貴な合金であることが望ましい。Cu、Mn、Si、Ti、Cr、Feなどの合金元素はこのような特性を付与するために含有される。好適な含有量は、Cu:0.05〜0.50、Mn:0.05〜1.50%、Si:0.03〜1.0%、Ti:0.05〜0.25%、Cr:0.05〜0.30%、Fe:0.20〜0.50%である。なお、これらの元素には材料強度を向上させる効果も付与できる。それぞれ、上限を超える量の含有ではさらに優れた特性を付与できないばかりでなく、材料の加工性などを劣化させる。一方、下限未満では狙いの特性を付与できない。

0018

同様に、本熱交換器用部材として用いるフィンの材質は、耐食性に優れると共に、できるだけ電気化学的に卑な合金であり、ろう付時の加熱で容易に変形しない高温強度に優れ、かつ、製品として室温強度にも優れた合金であることが必要とされる。
Znは耐食性の低下を最少に抑え、電位を有効に卑にすることができるために含有される。一方、Mn、Zr、Ti、Cr、Fe、Siの合金元素はいずれも高温室温強度向上のために含有される。好適な含有量は、Mn:0.8〜1.50%、Zn:0.3〜5.0%、Zr:0.03〜0.20%、Ti:0.03〜0.20%、Cr:0.03〜0.20%、Fe:0.20〜0.50%、Si:0.10〜1.0%である。それぞれ上限を超える量の含有ではさらに優れた特性を付与できないばかりでなく、材料の加工性などを劣化させる。一方、下限未満では狙いの特性を付与できない。

発明の効果

0019

本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材は、K2SiF6をバインダ樹脂とともに塗布したチューブと、フィンとを備え、前記チューブのろう付け後電位がフィンより50mV以上貴であるので、ろう付けに際し、良好なろう付け性が得られ、ろう付け後においては優れた耐食性を発揮し、フィレット腐食に伴う経時的な熱交換性能の劣化も回避することができる。

0020

また、本発明の耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法は、K2SiF6をバインダ樹脂とともにチューブ表面に塗布し、該チューブと該チューブのろう付け後電位よりも50mV以上卑であるフィンとを、ろう付け加熱によって前記K2SiF6とチューブのAl成分との反応により生成されるろうにより、ろう付けするので、ろう付け時の局部熔解がなく、良好なろう付け性が得られる。また、製造された熱交換器は、優れた耐食性を有し、フィレット腐食に伴う経時的な熱交換性能の劣化も防止される。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下に、本発明の一実施形態を説明する。
熱交換器用チューブには、好適にはCu:0.05〜0.50、Mn:0.05〜1.50%、Si:0.03〜1.0%、Ti:0.05〜0.25%、Cr:0.05〜0.30%、Fe:0.20〜0.50%のうち1種または2種以上含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するAl合金を用いる。該Al合金を常法により溶製し、通常は押出加工を経てチューブ2とされる。

0022

また、熱交換器用フィンには、好適には、Mn:0.8〜1.50%、Zn:0.3〜5.0%を含有し、必要に応じてさらにZr:0.03〜0.20%、Ti:0.03〜0.20%、Cr:0.03〜0.20%、Fe:0.20〜0.50%、Si:0.10〜1.0%のうち1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するAl合金を用いる。該Al合金を常法により溶製し、圧延工程などを経て波形形状のフィン3とされる。なお、チューブ2およびフィン3の製造方法は、本発明としては特に限定をされるものではなく、既知製法を適宜採用することができる。

0023

上記チューブ2には、K2SiF6をバインダ樹脂とバインダと、溶剤を加えた塗布物が塗布される。上記K2SiF6は、好適には、平均粒径が1〜8μmのものが用いられる。
該塗布物の塗布量はK2SiF6換算で、10〜40g/m2とするのが望ましい。
また、バインダには、既知のものを用いることができ、好適にはアクリル系樹脂が用いられる。これら材料と水、アルコールなどの適宜材料の溶剤を混合して塗布物とする。これら材料の混合比も本発明としては特に限定をされるものではないが、好適には、フラックス:バインダ:アルコール=20〜40:2〜6:25〜50の混合比が望ましい。

0024

上記塗布物は、適宜の方法によりチューブ表面に塗布される。塗布物の塗布方法は特に限定をされるものではなく、スプレー法シャワー法フローコーター法ロールコータ法刷毛塗り法浸漬法などを適宜採用することができる。

0025

上記チューブ2とフィン3とは、図1に示すように必要に応じてヘッダープレート4などとともに互いに組み付けられて熱交換器用部材1が構成されて、ろう付けに供される。ろう付けに際しては、不活性雰囲気などの適当な雰囲気で適温に加熱して、ろう材を溶解させる。雰囲気中の酸素濃度は、150ppm以下が望ましいが、数百ppm程度の酸素含有許容される。また、ろう付けの加熱温度としては580〜620℃が例示される。また、加熱保持時間としては1〜10分が挙げられる。ただし、これら温度および加熱時間は例示であり、本発明としては特定の条件に限定されるものではない。
ろう付に際しては、K2SiF6とチューブのAl成分とが反応して一部がろうとなって、部材同士が良好にろう付される。この際の反応の一例を下記に示す。
K2SiF6+Al→KAlF4+Si(Al−Si)

0026

上記ろう付けに際し、フラックスは、被ろう付け材の表面酸化皮膜を除去し、ろう付け加熱中の酸化を防止し、さらにろうの広がりぬれを促進してろう付け性を向上させる。
上記ろう付けに際しては、Si粉末によるチューブの局部溶解もなく、良好なろう付けがなされ、チューブとフィンとの間に適度なフィレットが形成される。さらにろう付けされた熱交換器は、チューブの電位がフィンよりも50mV以上貴になっており、チューブの腐食が効果的に防止される。また、フィレットにはろう材やフラックスからのZn供給がなく、フィレットが優先的に腐食されることがないので、経時的な熱交換効率の低下が防止される。

0027

表1と表2にそれぞれ化学組成(残部Alと不可避不純物)を示すチューブ用合金1〜4と比較合金、フィン用合金1〜3と比較用合金をそれぞれ溶製した。
チューブ用合金は均質化熱処理後、熱間押出肉厚0.25mmの扁平多穴管とした。一方、フィン用合金は均質化熱処理後、熱間圧延冷間圧延にて0.07mm厚さの板とした。チューブとフィンのろう付け後電位を表3に示した。

0028

次に、チューブには平均粒径5μmのK2SiF6フラックス、または、最大粒径30μmのSi粉末と(KAlF4+K2AlF6)フラックスをアクリル系樹脂とイソプロピルアルコールとの混合物としてロール塗布し、乾燥させた。なお、Si粉末塗布量は3.0g/m2とした。K2SiF6フラックスの塗布量は表3に示した。

0029

図1に示すようにチューブ2とコルゲート加工したフィン3を組合せてミニコア組立熱交換器部材1を用意し、種々の酸素濃度の窒素ガス雰囲気の炉中で600℃、3分保持のろう付を行い、ろう付け性を評価し、その結果を表3に示した。ろう付け性の評価は、フィレットの形成状況の観察により行った。本発明のK2SiF6フラックスを塗布したコアの接合はいずれも良好であったのに対し、(KAlF4+K3AlF6)フラックスを用いたコアNo.10ではフィレットが形成されず、接合は不良であった。

0030

これらの種々の材料組合せからなるコアをSWAAT(酸性海水噴霧−湿潤複合試験)20日間の腐食試験に供した。試験後のチューブに生じた腐食深さを測定し、その結果を表3に示した。チューブの腐食は本発明の塗料を用いて本発明の合金同士の組合せからなるコアではいずれもチューブの腐食はごくわずかであるのに対し、比較コアではいずれも深い孔食が発生してい、貫通した。なお、いずれのコアでも、チューブとフィンの接合部フィレットの腐食は軽微であった。

0031

0032

0033

0034

表3より明らかなように、本発明の材料の組合せからなるコアではいずれもチューブ材の電位がフィンより充分貴であることによってチューブの腐食の程度はわずかであるのに対して、比較コアでは合金の組合せが良好でもろう付後のフィレットの形成が充分でなかったり、材料間の電位差が僅かであったり、電位差が逆であることによって、侵食激しく貫通が生じることが明らかである。
以上のように、本発明の条件を満たす熱交換器ではチューブの耐食性が極めて良好で、長期間の使用後にもガス漏れなどの問題を生じることがないばかりでなく、製品の耐圧強度も維持できるなど、実用上、有益である。

図面の簡単な説明

0035

本発明の一実施形態の熱交換器用部材を示す図である。

符号の説明

0036

1熱交換器用部材
2チューブ
3 フィン

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