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技術 親水性マイクロセル連続気泡発泡体とその製造方法

出願人 株式会社イノアックコーポレーション株式会社イノアック技術研究所
発明者 小林久晃宇佐見恭浩奥村直也
出願日 2007年8月30日 (13年2ヶ月経過) 出願番号 2007-224390
公開日 2009年3月19日 (11年8ヶ月経過) 公開番号 2009-057431
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理
主要キーワード 電子走査型顕微鏡 食品用シート 発泡比重 炭化水素系プロセスオイル 連続気泡体 スチレン比率 応力曲線 オキシエチレン含有量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年3月19日)のものです。
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課題

優れた柔軟性、吸水・保水性を有し、素材からの溶出物が極めて少なく、医療用、衛生用、食品用などの用途に使用可能で、1mm以下の薄層マイクロセルを有することができ、しかも繰り返し使用可能な耐久性を有し、更にはリサイクルの再利用可能な親水性連続発泡体とその製造方法を提供する。

解決手段

ポリオレフィンを主成分とし、親水性化合物0.5〜10重量%を含むポリマー組成物に、常温気体である物質を、超臨界状態含浸した後に、圧力を解放して連続気泡となるように発泡させ、発泡倍率を10倍以上としたことを特徴とする、親水性マイクロセル連続気泡発泡体の製造方法、及びその製造方法で得られる親水性マイクロセル連続気泡発泡体。

概要

背景

一般に医療用、衛生用、食品用などの用途には不織布が使用されているが、吸水性保水性通気性の性能にばらつきが生じやすい、かびが生えやすいなどの問題があり、精密な性能を有する、皮膚、人体などに毒性のない安全な素材が求められる。

そのひとつとして、一般に発泡体が知られているが、独立気泡では吸水性が低いため、親水性連続気泡ポリマー発泡体が必要となるが、その製造方法としては下記のようなものがある。

連続気泡ポリマー発泡体を製造する方法としては、特許文献1の方法など、独立気泡ポリマー発泡体を製造した後に、第2工程として、一対の回転ロールの間を通すなどの方法により、機械的応力によって破泡させて、連続気泡発泡体とする方法がある。
直接連続気泡発泡体を作る方法としては、ポリオールを用いてポリウレタン発泡体を得る方法がある(特許文献2)。
また、オレフィン系樹脂の連続気泡発泡体を得る方法として特許文献3、4などが挙げられる。

最近、超臨界ガスを用いたポリオレフィン系の発泡体も開発され、例えば特許文献5などがある。
一方、親水性を付与するために、連続気泡発泡体を一旦製造後、その表面に親水性物質を塗布する方法もある(特許文献4)。なお、特許文献2では直接親水性を得ることが可能である。
特開2006−1096号公報
特開2006−265448号公報
特開2001−213988号公報
特開2002−194128号公報
特開2000−263621号公報

概要

優れた柔軟性、吸水・保水性を有し、素材からの溶出物が極めて少なく、医療用、衛生用、食品用などの用途に使用可能で、1mm以下の薄層マイクロセルを有することができ、しかも繰り返し使用可能な耐久性を有し、更にはリサイクルの再利用可能な親水性連続発泡体とその製造方法を提供する。ポリオレフィンを主成分とし、親水性化合物0.5〜10重量%を含むポリマー組成物に、常温気体である物質を、超臨界状態含浸した後に、圧力を解放して連続気泡となるように発泡させ、発泡倍率を10倍以上としたことを特徴とする、親水性マイクロセル連続気泡発泡体の製造方法、及びその製造方法で得られる親水性マイクロセル連続気泡発泡体。なし

目的

本発明の課題は、優れた柔軟性、吸水・保水性を有し、素材からの溶出物が極めて少なく、医療用、衛生用、食品用などの用途に使用可能で、1mm以下の薄層としてもマイクロセルを有することが可能であり、しかも繰り返し使用可能な耐久性を有し、更にはリサイクル・屑の再利用可能な親水性連続発泡体、及びその製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリオレフィンと、親水性化合物0.5〜10重量%とを含むポリマー組成物に、常温・常圧で気体である物質を、超臨界状態含浸させた後に、圧力を解放して、連続気泡となるように発泡させて、発泡倍率を10倍以上としたことを特徴とする、親水性マイクロセル連続気泡発泡体の製造方法。

請求項2

親水性化合物が、オキシ化合物から誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1記載の製造方法。

請求項3

親水性化合物が、HLB値(親水親油バランス)が12以下であることを特徴とする、請求項1または2項記載の製造方法。

請求項4

ポリマー組成物100重量部あたり、ノニオン系界面活性剤0.2〜10重量部を含有させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法によって得られる、親水性マクロセル連続気泡発泡体

請求項6

請求項5記載の発泡体であって、吸水量が吸水前の該発泡体の重量の10倍以上であることを特徴とする発泡体。

請求項7

50%圧縮荷重における柔軟性が0.02MPa以下であることを特徴とする、請求項5又は6記載の発泡体。

請求項8

請求項5〜7のいずれか1項記載の発泡体を含む、医療、衛生、食品用発泡体。

技術分野

0001

本発明は、親水性マイクロセル連続気泡発泡体の製造方法、そのような製造方法で得られる親水性マイクロセル連続気泡発泡体に関し、この発泡体通気性衣類液体供給材吸水材をはじめとして、さらに医療用、衛生用、食品用などの用途に有用である。

背景技術

0002

一般に医療用、衛生用、食品用などの用途には不織布が使用されているが、吸水性保水性、通気性の性能にばらつきが生じやすい、かびが生えやすいなどの問題があり、精密な性能を有する、皮膚、人体などに毒性のない安全な素材が求められる。

0003

そのひとつとして、一般に発泡体が知られているが、独立気泡では吸水性が低いため、親水性連続気泡ポリマー発泡体が必要となるが、その製造方法としては下記のようなものがある。

0004

連続気泡ポリマー発泡体を製造する方法としては、特許文献1の方法など、独立気泡ポリマー発泡体を製造した後に、第2工程として、一対の回転ロールの間を通すなどの方法により、機械的応力によって破泡させて、連続気泡発泡体とする方法がある。
直接連続気泡発泡体を作る方法としては、ポリオールを用いてポリウレタン発泡体を得る方法がある(特許文献2)。
また、オレフィン系樹脂の連続気泡発泡体を得る方法として特許文献3、4などが挙げられる。

0005

最近、超臨界ガスを用いたポリオレフィン系の発泡体も開発され、例えば特許文献5などがある。
一方、親水性を付与するために、連続気泡発泡体を一旦製造後、その表面に親水性物質を塗布する方法もある(特許文献4)。なお、特許文献2では直接親水性を得ることが可能である。
特開2006−1096号公報
特開2006−265448号公報
特開2001−213988号公報
特開2002−194128号公報
特開2000−263621号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記の従来技術による製法には種々の問題点がある。
すなわち、特許文献1のような機械的応力によって破泡させる方法では、機械的応力をかけて連続気泡化する工程のための設備や、それを収容するためのスペースが必要になる。また、この方法では数百μm以上の直径の大きな独立気泡の連通化は可能であるが、微細セル径気泡を連通化させるのは困難である。
特許文献2の方法では、化学発泡剤整泡剤を使用し、またポリウレタン自身が分解する可能性があるので、当該方法で得られた発泡体を医療用、衛生用、食品用などの用途に使用すると、これら化学発泡剤やポリウレタン分解物などが流出してくる懸念が高い。
特許文献3の方法では、素材がクリーンなポリオレフィンであり、また化学発泡剤、整泡剤を使用していない一般的なガス発泡法であるが、得られる発泡体は、気泡の径が大きくなるため、薄層化させるのは不可能である。
本気泡の径が大きい問題に対し特許文献4の方法は、一般的なガス発泡法でありながらフロンガスを混合物することにより微細な連続気泡体を得ている。しかしながら、フロンガスによる発泡法フロン規制により実施することが困難である。
超臨界ガスを用いたポリオレフィン系発泡体の製造方法では、クリーンで気泡の径が小さい発泡体が得られるものの、一般的に独立気泡である。わずかに連続気泡が得られる例として特許文献5があるが、この方法で得られる発泡体は充填材を大量に含み、その発泡倍率も10倍以内と、硬いものであった。
また、特許文献4のように、連続気泡発泡体に親水性物質を表面塗布する方法は、耐久性に乏しく、長期保存や繰り返し使用により親水性物質が水中に溶出したり、またそれにより吸水性が落ちる問題がある。
以上のように、超臨界法によるガス発泡法は微細な独立気泡を得るのには大変優れた方法であるが、十分に発泡させた連続気泡体を得ること、更には親水性化合物を配合して発泡させ吸水性を有するものは発泡を阻害するなどの理由で実施された例がなかった。

0007

本発明の課題は、優れた柔軟性、吸水・保水性を有し、素材からの溶出物が極めて少なく、医療用、衛生用、食品用などの用途に使用可能で、1mm以下の薄層としてもマイクロセルを有することが可能であり、しかも繰り返し使用可能な耐久性を有し、更にはリサイクルの再利用可能な親水性連続発泡体、及びその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、ポリオレフィンを主成分とし、親水性化合物を含むポリマー組成物に、常温・常圧で気体である物質を、超臨界状態含浸させた後に、圧力を解放して連続気泡となるように発泡させることにより、上記課題を解決し、本発明を完成させるに至った。

0009

すなわち、本発明は、
ポリオレフィンと、親水性化合物0.5〜10重量%とを含むポリマー組成物に、常温・常圧で気体である物質を、超臨界状態で含浸させた後に、圧力を解放して、連続気泡となるように発泡させて、発泡倍率を10倍以上とさせたことを特徴とする、親水性マイクロセル連続気泡発泡体の製造方法に関し、また、そのような製造方法で得られる親水性マイクロセル連続気泡発泡体に関する。

発明の効果

0010

本発明の製造方法によれば、素材としてポリオレフィンを使用し、かつ発泡剤自体を使用しなくて済むので、作業環境に悪影響を与えず、またその発泡剤分解生成物が残存することもなく、安全性に優れた親水性マイクロセル連続気泡発泡体を得ることができる。しかも機械的応力によって破泡させる工程や親水性化合物を後工程で塗布する工程を必要としない簡便な工程によって、優れた柔軟性、吸水・保水性とその耐久性を有する、1mm以下の薄層とすることも可能である、親水性マイクロセル連続気泡発泡体を製造することができる。

0011

また、本発明によって得られる親水性マイクロセル連続気泡発泡体は非架橋型なので、発泡体のリサイクルが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明のポリオレフィンとしては、ポリエチレンポリプロピレンポリブテン−1、エチレン−プロピレン共重合体エチレンα−オレフィン共重合体、及びこれら相互のポリマーブレンドが例示される。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン中密度ポリエチレン線状低密度ポリエチレン低密度ポリエチレンなどのいずれでもよく、ポリプロピレンは、アタクチックイソタクチックシンジオタクチックランダムなどのいずれでもよい。共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよく、熱可塑性樹脂でも熱可塑性エラストマーでもよい。これらのうち、耐熱性で、柔軟性を維持できることから、ランダム系ポリプロピレンが好ましい。ガス抜けがなく、発泡が容易なことからメルトフローレートは、230℃、2.1kgfにおいて0.1〜5.0g/10minが好ましく、0.3〜1.0g/10minがさらに好ましい。

0013

本発明の親水性化合物は、(メタアクリル酸2−ヒロドキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒロドキシプロピルエチレングリコールエチレンオキシドプロピレングリコールプロピレンオキシドブチレングリコールブチレンオキシドビニルメチルエーテル酢酸ビニル、及びビニルアルコールなどのオキシ化合物;(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンなどのアミド構造を有する化合物;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸などのスルホン酸、(無水マレイン酸、及びビニルホスホン酸などの有機酸化合物、又はそれらの金属塩若しくはアンモニウム塩;ならびにビニルピリジン及びエチルイミンなどのアミン化合物などからなる群から選択される単量体を1種以上重合させて得ることができ、すなわち上記単量体から誘導される繰り返し単位を1種以上含んだ化合物であり、架橋されていたり、あるいはランダムコポリマーブロックポリマーグラフトポリマー、若しくはスターポリマーであってもよいし、又はそれらのブレンドであってもよい。

0014

本発明の親水性化合物の中でも、ポリオレフィンとの相溶性が良好である点、かつ繰返し使用により得られた発泡体から外部(例えば、吸水した水など)に溶出してしまうなどの問題を起こしにくい点から、前記オキシ化合物から誘導される繰り返し単位を含む親水性化合物が好ましく、さらにはHLB値(親水親油バランスグリフィン法)が12以下である化合物であることが好ましく、更に好ましくはHLB値が3〜10の化合物が好ましく使用できる。
その親水性化合物の好ましい具体例としては、エチレングリコールまたはエチレングリコール及びプロピレングリコールの繰返し単位を含む親水性化合物が好ましく、オレフィン繰り返し単位又は長鎖アルキルなどとの反応物又は組み合わせとした化合物、あるいは、ランダムコポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、スターポリマー、又はそれらのブレンドなどが挙げられる。

0015

また、上記親水性化合物の好ましい具体例として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)長鎖アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)長鎖アルキルアミン、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)長鎖アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸グリセリル脂肪酸ポリグリセリル、脂肪酸(ジ)エタノールアミドや、それら複数の混合物などが挙げられるが、特にポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)長鎖アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸エステルが好ましく使用できる。ここで、上記長鎖アルキル及び脂肪酸の炭素数は、HLB値が12以下となるように選択すれば良いが、10以上の炭素数が好ましく、例えばC12(ラウリルまたはラウリレート)、C18(ステアリルまたはステアレート)、C22(ベヘニルまたはベヘニレート)である。なお、脂肪酸は天然物由来ヤシ油パーム核油ひまし油牛脂などの脂肪酸やその混合物も好ましく使用できる。また、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンなどのオキシアルキル繰返し単位数も、HLB値が12以下となるように選択すれば良いが、1〜20が好ましく、更には10以下である。ポリグリセリル繰り返し単位数も、同様にHLB値が12以下となるように選択すれば良いが、1〜20が好ましく、更には10以下である。

0016

これら親水性化合物の配合量は、ポリマー組成物全体に対し0.5〜10重量%であることが必要であり、更に好ましくは、1〜5重量%である。0.5重量%より少ない場合、発泡体は吸水性効果を十分発揮できず、また10重量%を超える場合は、発泡体の機械物性が低下するなど問題が生ずる。また、1重量%以上であると発泡体は優れた吸水効果を発揮でき、5重量%以下だと優れた機械物性を示す。

0017

他に、本発明のポリマー組成物に配合可能な成分としては、本発明で得られる発泡体の柔軟性を改良する目的として、エチレンープロピレンゴムスチレン系エラストマーなどを、本発明で製造される発泡体の性質を損ねない範囲で存在してもよい。エチレンープロピレンゴムとしては、硬化してゴム状弾性体となる、エチレンとプロピレンの共重合体であるEPR(EPM)と;エチレン、プロピレン及び少量の非共役ジエンの共重合体であるEPDM包含される。非共役ジエンとしては、エチリデンノルボルネンジシクロペンタジエン及び1,4−ヘキサジエンが例示され、本発明においては、そのいずれを用いたものでもよい。

0018

さらに発泡体に適切な性質を与え、又は発泡体の作製や加工を容易にするために、使用目的に応じて、流動パラフィン炭化水素系プロセスオイル高級脂肪酸グリセリンエステル、高級脂肪酸アミドのような滑剤リン酸エステル水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム酸化アンチモン炭酸亜鉛塩素化パラフィンヘキサクロロシクロペンタジエンのような難燃剤芳香族アミン類ベンゾイミダゾール類、ジチオカルバミン酸塩類、フェノール化合物亜リン酸エステル類のような老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタンのような酸化防止剤導電性カーボンブラック銅粉ニッケル粉酸化スズのような導電材カーボンブラック有機顔料染料、それらを含有するマスターバッチのような着色剤;ならびにシリカアルミナ酸化チタン及び上記の各種添加剤のうち充填剤の機能を有するもののような充填剤などを、ポリマー組成物に配合することができる。

0019

ポリマー組成物に超臨界状態で含浸させる、常温・常圧で気体である物質としては、この超臨界状態でポリマー浸透するものであればよく、窒素ヘリウム二酸化炭素プロパン、ブタンなど、及びそれらの混合ガスが例示され、取扱いが容易で、安全性が高く、作業環境が優れていることから、二酸化炭素及び窒素が好ましく、二酸化炭素が特に好ましい。

0020

本発明で、ポリマー組成物に、常温・常圧で気体である物質を、含浸させる際の高温とは、効率的に機能性の発泡体が得られる、該物質を超臨界状態にさせる温度である。示差走査熱量計による測定によって得られたポリマーの結晶化ピーク温度より20〜40℃高い温度であることが、特に好ましい。

0021

本発明で、ポリマー組成物に、常温・常圧で気体である物質を含浸させる際の高圧とは、該物質のポリマー組成物への含浸が完全に行われ、微細なセルを得るために該物質を超臨界状態にするように、8〜15MPaが好ましく、特にガス抜けしにくくするために、10〜15MPaがより好ましい。

0022

常温・常圧で気体である物質をポリマーに含浸させる時間は、必要な含浸量及び含浸させる際の温度・圧力によって異なるが、通常3〜30分、好ましくは5〜20分である。

0023

本発明においては、上記の条件で、常温・常圧で気体である物質をポリマーに含浸させた後、圧力を解放することで連続気泡となるように発泡させる。圧力を、減少速度を通常0.3〜3.0MPa/s、好ましくは0.5〜2.0MPa/sで減少させることにより、連続気泡となるように発泡させることができる。

0024

本発明において、連続気泡となるように発泡させる手段は、本発明の効果を妨げない限り特に制限されず、任意の方法が用いられ、連続気泡を生成する成分(連泡化剤)をポリマー組成物に含有させる方法が例示される。この方法だと、従来のような機械的応力によって破泡させる工程を省くことができ、簡便に連続気泡が得られる。

0025

上記の連続気泡を生成する成分は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、ポリオレフィンへの溶解性に優れ、かつ顕著な連続気泡化効果を示す、各種界面活性剤が使用でき、その中でもノニオン系界面活性剤がより好ましく使用できる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルアミン、例えばジオキシエチレンステアリルアミンなど、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルアルキレンジアミン、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸(ポリ)グリセリル、例えばステアリン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸グリセリル、脂肪酸(ジ)エタノールアミドや、それら複数の混合物などが挙げられる。上記長鎖アルキル、脂肪酸、及びアルキレンの炭素数は、HLB値が12以下となるように選択すれば良いが、10以上の炭素数が好ましく、例えばC12(ラウリルまたはラウリレートなど)、C18(ステアリルまたはステアレートなど)、C22(ベヘニルまたはベヘニレートなど)である。また、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンなどのオキシアルキルの繰返し単位数も、HLB値が12以下となるように選択すれば良いが、1〜20が好ましく、更には10以下である。ポリグリセリルの繰り返し単位数も、同様にHLB値が12以下となるように選択すれば良いが、1〜20が好ましく、更には10以下である。これらのノニオン系界面活性剤は、前記親水性化合物と重複しており、発泡体に親水性を付与する効果と連続気泡化させる効果の双方を奏するものもあるが、それぞれの効果をより有効に発揮させるためには親水性化合物とノニオン系界面活性剤はお互いに異なるものを使用した方がよい。連続気泡を生成する成分には特にポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリル、脂肪酸(ジ)エタノールアミドで、かつHLB値(親水親油バランス)が12以下、更に好ましくは3〜10の化合物が、ポリオレフィンとの親和性が高いことから、好ましく使用でき、単独で用いても、2種以上併用してもよく、また長鎖アルキルアルコールなどを添加してもよい。
アニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤は、連続気泡化が得られなかったり、分解性が悪かったり、蛋白変性皮膚障害など毒性が高く人体・環境汚染問題が発生したりするので好ましくない。

0026

上記ノニオン系界面活性剤の配合量は、ポリマー組成物100重量部当たり、十分に連続気泡化した通気性の高い発泡体が得られる点から、0.2重量部以上、特に0.3重量部以上、とりわけ0.5重量部以上が好ましく、破泡の進行による発泡体の収縮が抑えられる点から10重量部以下、特に5重量部以下、とりわけ3重量部以下が好ましい。

0027

本発明では連続気泡となるように発泡させる際、発泡倍率を10倍以上とすることが、得られる発泡体に優れた柔軟性、吸水・保水性を付与するために必要である。発泡倍率が10倍未満であると、吸水量が少なく、吸水速度が遅く、また柔軟性も不十分という問題が生じる。本発明の発泡体は、吸水量を増やし、吸水速度を上げ、より柔軟にするために、12倍以上、特に15倍以上の発泡倍率が好ましい。なお、発泡倍率の上限は特に制限されないが、機械強度の点から、100倍以下、好ましくは80倍以下、より好ましくは50倍以下である。

0028

前記の10倍以上の発泡倍率となるような発泡とともに、押出成形のような方法で成形して、連続気泡発泡体の成形体を得ることができる。押出機としては、単軸タンデム型押出機を用い、場合によっては二軸押出機と組み合わせて用いてもよい。

0029

本発明の製造方法において、後工程として、切断、スキン層の除去などを行って所定のサイズに加工することができる。発泡工程において連続気泡発泡体が直接に得られるので、機械的応力により独立気泡を破泡させて連続気泡化させる工程の必要はない。

0030

本発明の製造方法により親水性マイクロセル連続気泡発泡体が得られる。この発泡体は、吸水量が吸水前の当該発泡体の重量の8倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは12倍以上であることが、柔軟性、吸水性などの点から好ましい。
なお、吸水量の上限は特に制限されないが、通常は50倍以下であってもよい。

0031

本発明の製造方法により、平均セル径が200μm以下のマイクロセルを有する、連続気泡の平均細孔径が10μm以下の、高発泡で、圧縮荷重をかけた状態での柔軟性に優れた、親水性マイクロセル連続気泡発泡体を得ることができる。柔軟性としては、50%圧縮荷重における柔軟性が0.02MPa以下が好ましく、更に好ましくは0.015MPa以下である。本柔軟性が0.02MPaを超えると凹凸部への追従性が乏しくなるなど硬くなる傾向にある。

0032

以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。

0033

実施例および比較例において、下記のポリマーを用いた。なお、部は重量部を表す。
PP:ランダム型ポリプロピレン、PE:低密度ポリエチレン、EPDM:EPDM(エチレン単位29.5モル%、プロピレン単位66.0モル%、エチリデンノルボルネン単位4.5モル%)、SEBSスチレンブタジエントリブロックポリマー水素添加物スチレン比率20%、数平均分子量約10万)、核剤煙霧質シリカ、安定剤:テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸ペンタエリトリトール、連泡化剤:ジオキシエチレンステアリルアミンとグリセリロールモノステアレートの1:1混合物(HLB:5.3)、親水性化合物A:ジオキシエチレンステアリルエーテル(HLB:4.9)、同B:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(分子量約575、オキシエチレン含有量20%、HLB:4.0)同C:テトラオキシエチレンセチニックグリコールエーテル(HLB:7.0)、同D:ペンタオレイン酸デカグリセリル(HLB:6.4)

0034

実施例および比較例で得られた発泡体の性質を、次の方法で評価した。
(1)見掛け比重:JIS K7112に準拠した電子比重計MD-200S(ミラージュ貿易株式会社商品名)を用いて、発泡体の見掛け比重を測定した。なお、発泡倍率は、未発泡の組成物比重とから算出した。
(2)平均セル径:電子走査型顕微鏡JXA-6100P(日本電子株式会社商品名)を使用し、視野内に観測される全セルの短径長径を測定し平均した。
(3)細孔径分布:JIS K3832に準拠するPerm-Polometer(Porous Material Inc.商品名)を用いて、最大細孔径、細孔径分布および最少細孔径を測定し、平均細孔径を算出した。
(4)通気性:フラジール型通気性試験機を用い、JIS L1004により、通気性を測定した。すなわち、適切なオリフィスをテーブルに設置し、試験片を固定して空気を流し、その際のマノメーター水位を読み取って、流量換算表から流量を算出した。
(5)柔軟性:オートグラフAGS-5KNB(株式会社島津製作所商品名)を用いて、元の厚さに対して50%につぶした時のひずみ−応力曲線を求め、それより柔軟性を算出した。
(6)吸水量:40mm×50mm、厚み0.2mmの試験片を1分間水没させた後に重量を測定して、水没前の重量との差異から、単位あたりの吸水量を算出した。更に見掛け比重で割り返して吸水倍率を求めた。
(7)吸水速度:PETフイルム上に、0.6mm厚の試験片を乗せ、0.1ccの水を滴下させて、吸水するまでの時間を測定した。
(8)同耐久性:吸水速度測定後、試験片を1分間水没させ、50℃のオーブンで2時間以上乾燥させ、再度吸水速度を評価した。これを5回繰り返した時の吸水時間を示した。

0035

実施例1
表1に示す配合比になるよう、均質となるようミキサーにて混合してポリマー組成物を調製した。これを単軸タンデム型押出機において、樹脂温度185℃設定して加熱しながら、圧力10MPaにて二酸化炭素を圧入して溶解させ、10分経過した後、圧力を、減少速度1.5MPa/sで減少させつつ温度170℃で押出して、発泡体を得た。
割り機にてこの発泡体の両面をスライスすることにより、0.2mm厚及び0.6mm厚の均一な連続気泡体を得た。見掛け比重は0.045g/cm3、発泡倍率は20.4倍(未発泡比重0.92g/cm3)、平均セル径は190μm、連通した細孔径は、最大40μm、最小3μm、平均8μmであり、通気性8.2cm3/cm2/s、柔軟性0.012MPaであった。また、1分後の吸水量は0.82g/cm3、18.2倍であり、吸水速度は3秒であり、その耐久性も4秒と吸水速度はほとんど低下しなかった。

0036

0037

実施例2〜6
実施例1と同様に、表1に示す配合比になるように混合し、発泡体を得た。結果を表1に示す。実施例1に対し、実施例2では親水性化合物を変更するとともに連泡化剤の量を増やし、実施例3,4では親水性化合物の種類と配合量を変更し、実施例5、6ではポリオレフィン樹脂の種類と親水性化合物の種類を変更したが、いずれも柔軟で良好な吸水性とその耐久性が確認できた。

0038

比較例1〜3
実施例1と同様に、表1に示す配合比になるように混合し、発泡体を得た。ただし、比較例3では、親水性化合物を配合せず、得られた発泡体を、親水性化合物をエタノールで30倍に希釈した溶液に浸漬して処理した。結果を表1に示す。連泡化剤のない比較例1では独立気泡のため通気性や吸水性がなく、親水性化合物のない比較例2では吸水性に乏しく、また比較例2で用いたサンプルに対し、親水性化合物の30倍エタノール溶液表面処理して乾燥した比較例3では吸水耐久性が乏しかった。

0039

本発明によって、簡便な工程で、優れた柔軟性、吸水・保水性を有し、素材からの溶出物が極めて少なく、繰り返し使用可能な耐久性の高い、親水性マイクロセル連続気泡発泡体を製造することができる。その結果、この発泡体は、通気性衣類、液体供給材、吸水材をはじめとした各方面への、特に、医療用、衛生用、食品用などの用途に有用である。具体的には、外科用及び創傷包帯創傷テープ経皮吸収基材及び発汗パッド失禁パッド生理用ナプキンパンティライナータンポン、おむつ、食品用シート(例えば、刺身、肉などの包装やそれらの陳列の際の下敷きに使用される)が例示されるが、これらに限定されるものではない。

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