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技術 固定型熔融ガラス置換部材とガラス物品の製造方法

出願人 日本電気硝子株式会社
発明者 加埜智典伊澤誠一岩田正和
出願日 2007年8月30日 (13年4ヶ月経過) 出願番号 2007-223383
公開日 2009年3月19日 (11年9ヶ月経過) 公開番号 2009-057218
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの溶融、製造
主要キーワード 仮想断面 流れ要素 耐熱管 動力回転 円相当半径 流れ位置 置換部材 耐熱板
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年3月19日)のものです。
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図面 (10)

課題

多大な設備費や施工上の労力を要さず、耐火物電極等の部材による異物の発生を抑制し、熔融ガラス中酸素や水の挙動に関連して発生する酸素泡を抑止することを可能とする固定型熔融ガラス置換部材及びこの部材によるガラス物品の製造方法を提供する。

解決手段

本発明の固定型熔融ガラス置換部材1は、熔融ガラス流路100内に配設され、流入する熔融ガラスGを置換する耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、前記流路の壁面からの距離が10mmの範囲内にある流入熔融ガラスGを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路の壁面からの距離が10mmを超える範囲にある流入熔融ガラスGを壁面から10mm以下の範囲内に移動させる中央流れの壁面導流手段とを有する。また本発明のガラス物品の製造方法は、上記本発明の固定型熔融ガラス置換部材をガラス熔融炉内駆動型溶融ガラス撹拌装置上流に配置してガラス物品を製造する。

概要

背景

ガラス製造業では、その時代の要求に適応する様々な用途に使用されるガラス物品を製造してきた。それに伴って多くの新たなガラス物品が発明されてきた。光ファイバディスプレイ基板光学レンズ等は、ガラスの優れた光学性能を生かしたものと言える。しかし、ガラスに求められる性能には、上記したような先進性を生かすものと対向して、基本的な要求性能と呼べる普遍的なものが幾つかある。その一つは、光学性能にも関わるガラス物品の均質性である。ガラスに均質性を要求するというのは、ガラスの透明性と関連するものではあるが、どれだけの水準の均質性を達成できるかということについて、これまで様々な研究が行われてきた。均質性を妨げる要因は、大きく分けてガラス組成そのものに起因するものと、それ以外によるものに分けることができる。前者は、どのようなガラス組成を設計するかということと関係するが、後者はどのようなガラス物品であっても避けることのできないものとなっている。後者に属するものとしては、ガラスを熔融する設備に起因するもの、ガラス物品の製造方法に起因するもの、さらにガラスが使用される環境、用途によるものがある。この内ガラスを熔融する設備に起因するものとしては、熔融時にガラス中に混入する気泡製造設備に使用される耐火物電極等から溶け出す、あるいは劣化によって混入する異物、あるいは前者のガラス組成にも関連するが、ガラスが溶存、あるいは放出される気体成分に関わる泡等がある。

耐火物や電極等の部材に起因する異物の問題は、ガラス製造業にとって古くからある解決困難な問題の一つである。このためこの問題を解決せんとする発明も数多く行われている。例えば特許文献1では、ガラス電気熔融炉モリブデン電極熔融ガラスによる侵蝕、熱による酸化劣化等によって熔融ガラスの製造に支障をきたすのを防止するため、冷却機構具備する電極ホルダーを有する電極棒を備えたガラス電気熔融炉が提案されている。また特許文献2では、熔融ガラスによる炉材侵食量を算出するための数学的なシミュレーションを行うことによって、炉の寿命品質管理活用することができるとする発明も行われている。

また熔融ガラス中酸素や水の挙動に関連して問題となるガラス中の泡についても、近年その発生原因対策について数多くの発明が行われている。例えば特許文献3では、熔融ガラス中の水分の分解によって生成した水素白金壁を透過して逸散する結果、熔融ガラス中で過多になった酸素が気泡となってガラス物品中に混入するのを防止するために、熔融ガラスを誘導する貴金属管二重構造とし、間隙に熔融ガラスが充填されているものとする発明が開示されている。また特許文献4では、酸素気泡の発生を抑止するために直接熔融ガラスと接する白金の外壁酸素分子の直径と同等以下の直径を有する気体の透過を遮断する遮蔽物を形成し、その遮蔽物の性能の変化を1600℃で10日経過後であっても当初の1/10以下とする発明が開示されている。

また不均質な熔融ガラスを強制的に混合する方法として、例えば特許文献5では、熔融ガラスの流路途中の熔融ガラスを攪拌する均質化装置として、攪拌軸部の外周の対向位置の少なくとも2箇所に攪拌翼を設け、この攪拌翼の最外側縦辺形状として、流路壁と攪拌翼との間隔を狭小とする凸部を間隔を設けて少なくとも2箇所以上設けた凹凸形状とし、流路壁部に沿って流れる煉瓦の侵蝕に起因する不均質生地を攪拌翼の凹凸形状による攪拌により均質化するという発明が開示されている。
特開平08−026736号公報
特開2006−056736号公報
特開2003−095663号公報
特開2006−076871号公報
特開2001−072426号公報

概要

多大な設備費や施工上の労力を要さず、耐火物や電極等の部材による異物の発生を抑制し、熔融ガラス中の酸素や水の挙動に関連して発生する酸素泡を抑止することを可能とする固定型熔融ガラス置換部材及びこの部材によるガラス物品の製造方法を提供する。本発明の固定型熔融ガラス置換部材1は、熔融ガラスの流路100内に配設され、流入する熔融ガラスGを置換する耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、前記流路の壁面からの距離が10mmの範囲内にある流入熔融ガラスGを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路の壁面からの距離が10mmを超える範囲にある流入熔融ガラスGを壁面から10mm以下の範囲内に移動させる中央流れの壁面導流手段とを有する。また本発明のガラス物品の製造方法は、上記本発明の固定型熔融ガラス置換部材をガラス熔融炉内駆動型溶融ガラス撹拌装置上流に配置してガラス物品を製造する。

目的

本発明は、係る状況に鑑み行われたものであり、ガラス物品を製造するガラス熔融設備において多大な設備費や施工上の労力を要することなく、耐火物や電極等の消耗に起因する異物などのガラス流路内の壁面付近への集中を抑制し、かつ熔融ガラス中の酸素や水の挙動に関連して発生する溶融ガラス中の酸素泡を抑止することを可能とすることを課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

熔融ガラス流路内に配設され、流入する熔融ガラスを置換する耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、前記流路の壁面からの距離が10mmの範囲内にある流入熔融ガラスを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路の壁面からの距離が10mmを超える範囲にある流入熔融ガラスを壁面から10mm以下の範囲内に移動させる中央流れの壁面導流手段とを有することを特徴とする固定型熔融ガラス置換部材。

請求項2

白金族元素を含有する耐熱合金または99%以上の純度耐熱金属により構成されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の固定型熔融ガラス置換部材。

請求項3

流路内の熔融ガラス流動方向に沿った長さ寸法が、流路最大幅よりも短いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定型熔融ガラス置換部材。

請求項4

略円形の断面形状を有する流路内又は略矩形の断面形状を有する流路内に配設されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の固定型熔融ガラス置換部材。

請求項5

厚み寸法が、0.1mm〜10mmの範囲内にあることを特徴とする請求項4に記載の固定型熔融ガラス置換部材。

請求項6

流路内の熔融ガラス流動方向に垂直な最大断面積についての円相当半径が、100〜400mmであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の固定型熔融ガラス置換部材。

請求項7

請求項1から請求項6の何れかに記載の固定型熔融ガラス置換部材を熔融ガラスが1000℃以上の流路中に配設してガラス物品を製造するものであることを特徴とするガラス物品の製造方法。

請求項8

請求項1から請求項6の固定型熔融ガラス置換部材をガラス熔融炉内駆動型溶融ガラス撹拌装置上流に配置することを特徴とする請求項7に記載のガラス物品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、溶融ガラス熔融するガラス溶融炉において、ガラス均質度を向上させるために使用される固定型熔融ガラス置換部材と、この固定型熔融ガラス置換部材を使用することによって行われるガラス物品の製造方法に関する。

背景技術

0002

ガラス製造業では、その時代の要求に適応する様々な用途に使用されるガラス物品を製造してきた。それに伴って多くの新たなガラス物品が発明されてきた。光ファイバディスプレイ基板光学レンズ等は、ガラスの優れた光学性能を生かしたものと言える。しかし、ガラスに求められる性能には、上記したような先進性を生かすものと対向して、基本的な要求性能と呼べる普遍的なものが幾つかある。その一つは、光学性能にも関わるガラス物品の均質性である。ガラスに均質性を要求するというのは、ガラスの透明性と関連するものではあるが、どれだけの水準の均質性を達成できるかということについて、これまで様々な研究が行われてきた。均質性を妨げる要因は、大きく分けてガラス組成そのものに起因するものと、それ以外によるものに分けることができる。前者は、どのようなガラス組成を設計するかということと関係するが、後者はどのようなガラス物品であっても避けることのできないものとなっている。後者に属するものとしては、ガラスを熔融する設備に起因するもの、ガラス物品の製造方法に起因するもの、さらにガラスが使用される環境、用途によるものがある。この内ガラスを熔融する設備に起因するものとしては、熔融時にガラス中に混入する気泡製造設備に使用される耐火物電極等から溶け出す、あるいは劣化によって混入する異物、あるいは前者のガラス組成にも関連するが、ガラスが溶存、あるいは放出される気体成分に関わる泡等がある。

0003

耐火物や電極等の部材に起因する異物の問題は、ガラス製造業にとって古くからある解決困難な問題の一つである。このためこの問題を解決せんとする発明も数多く行われている。例えば特許文献1では、ガラス電気熔融炉モリブデン電極熔融ガラスによる侵蝕、熱による酸化劣化等によって熔融ガラスの製造に支障をきたすのを防止するため、冷却機構具備する電極ホルダーを有する電極棒を備えたガラス電気熔融炉が提案されている。また特許文献2では、熔融ガラスによる炉材侵食量を算出するための数学的なシミュレーションを行うことによって、炉の寿命品質管理活用することができるとする発明も行われている。

0004

また熔融ガラス中酸素や水の挙動に関連して問題となるガラス中の泡についても、近年その発生原因対策について数多くの発明が行われている。例えば特許文献3では、熔融ガラス中の水分の分解によって生成した水素白金壁を透過して逸散する結果、熔融ガラス中で過多になった酸素が気泡となってガラス物品中に混入するのを防止するために、熔融ガラスを誘導する貴金属管二重構造とし、間隙に熔融ガラスが充填されているものとする発明が開示されている。また特許文献4では、酸素気泡の発生を抑止するために直接熔融ガラスと接する白金の外壁酸素分子の直径と同等以下の直径を有する気体の透過を遮断する遮蔽物を形成し、その遮蔽物の性能の変化を1600℃で10日経過後であっても当初の1/10以下とする発明が開示されている。

0005

また不均質な熔融ガラスを強制的に混合する方法として、例えば特許文献5では、熔融ガラスの流路途中の熔融ガラスを攪拌する均質化装置として、攪拌軸部の外周の対向位置の少なくとも2箇所に攪拌翼を設け、この攪拌翼の最外側縦辺形状として、流路壁と攪拌翼との間隔を狭小とする凸部を間隔を設けて少なくとも2箇所以上設けた凹凸形状とし、流路壁部に沿って流れる煉瓦の侵蝕に起因する不均質生地を攪拌翼の凹凸形状による攪拌により均質化するという発明が開示されている。
特開平08−026736号公報
特開2006−056736号公報
特開2003−095663号公報
特開2006−076871号公報
特開2001−072426号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながらこれまでに行われた発明だけでは、ガラス溶融炉における溶融ガラスをより均質熔融状態とし、ガラスを熔融する際に発生する様々な問題を改善するためには充分ではない。耐火物や電極等の部材に起因する異物の問題については、強制的な撹拌等の混合を行うと一時的に改善することもできる場合もあるが、撹拌装置によって生じる巻き込み泡等の新たな欠陥の発生をも考慮せねばならなくなる。そのため、あらゆる場合に最大能力で撹拌装置が利用できるとは限らない。さらに特許文献5のように撹拌翼と流路壁との最短間隔に5〜15mmを推奨しても、このように流路壁との間隔を狭くすることは回転軸偏心に起因する炉の壁面との接触によって撹拌装置を破損する危険性が増大することになり、実際のガラス生産では間隔を狭くすることは不可能である。そしてガラスの流れ流路を流れる比重の高い異質ガラスは流路の底面を流れてくるので特許文献5の撹拌装置では、異質ガラスが撹拌装置の壁近傍入り易くなり、不完全均質状態のガラスが下流に流れやすいという問題が生じることになる。また、熔融ガラス中の酸素や水の挙動に関連する問題についても、これまでに提示された方法は、熔融装置の抜本的な改良を示唆するものであり、それに伴って多大な設備費用を要するようになること、また提示された技術は現実的な施工等で多大な労力を要するものであること等の問題を有している。

0007

本発明は、係る状況に鑑み行われたものであり、ガラス物品を製造するガラス熔融設備において多大な設備費や施工上の労力を要することなく、耐火物や電極等の消耗に起因する異物などのガラス流路内の壁面付近への集中を抑制し、かつ熔融ガラス中の酸素や水の挙動に関連して発生する溶融ガラス中の酸素泡を抑止することを可能とすることを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、熔融ガラスの流路内に配設され、流入する熔融ガラスを置換する耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、前記流路の壁面からの距離が10mmの範囲内にある流入熔融ガラスを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路の壁面からの距離が10mmを超える範囲にある流入熔融ガラスを壁面から10mm以下の範囲内に移動させる中央流れの壁面導流手段とを有することを特徴とする。

0009

ここで、熔融ガラスの流路内に配設され、流入する熔融ガラスを置換する耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、前記流路の壁面からの距離が10mmの範囲内にある流入熔融ガラスを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路の壁面からの距離が10mmを超える範囲にある流入熔融ガラスを壁面から10mm以下の範囲内に移動させる中央流れの壁面導流手段とを有するとは、次のようなものである。すなわち、酸化物換算質量百分率表示でその組成を表示することのできる多成分系無機ガラスがその軟化温度よりも高温状態となって流動する耐熱性の流路内に配設されるもので、固定状態で熔融ガラスを置換する機能を有する部材である固定型熔融ガラス置換部材であって、この固定型熔融ガラス置換部材が壁面流れ離脱手段として、この固定型熔融ガラス置換部材へ流れ込む熔融ガラスの内、流路の壁面より10mmまでの距離にある流入熔融ガラスの位置を10mmよりも以遠の位置に移動させることを可能とし、同時に中央流れ壁面導流手段として、流路の壁面より10mmよりも以遠の位置にある熔融ガラスを流路の壁面より10mmまでの距離に移動させることを可能とし、この2つの流れ変更手段により流路壁面に対する熔融ガラス位置を置換する機能を実現するものであること表している。

0010

また上述の軟化温度とは、JIS R3103−1(2001)に従う計測によって測定できる軟化温度のことであり、無機ガラスでは低温の場合であっても300℃以上の値となる。よって本発明に係わる構造部材は、全て300℃以上の耐熱性を有する構造部材であることが必要であるのは言うまでもない。また本発明の固定型熔融ガラス置換部材で、固定状態で熔融ガラスを置換する機能を有するものであるとは、熔融ガラスの流通する流路外、すなわち外部の電気動力等によって熔融ガラスを強制的に置換する部材、例えば攪拌機スターラーともいう)などとは異なり、このような外部からの動力の供給によって駆動されて置換動作するものではないということを意味している。

0011

本発明者らは、熔融ガラスの置換に関して多くの研究を行い、熔融ガラスのような非常に高粘性を有し、しかも高温環境下での置換操作を確実に行うには、流路壁面近傍の熔融ガラスを如何に効率よく、しかも副次的な影響、例えば壁面の損耗等を招くことなく移動させるかということが重要であり、このようなことを可能とするには従来の攪拌装置ではなく、全く異なる思想に基づき固定した状態、すなわち攪拌翼のように外部からの動力の供給を受けるものことなく熔融ガラスの置換を行える置換部材が必要であるという事を見出した。そしてさらにこの置換部材は、単純に流路の壁面より10mmまでの流入熔融ガラスを10mm以遠へと移動させるだけ、すなわち壁面流れ離脱手段を有するだけでは不十分であり、さらにそれに加えて流路壁面より10mm以遠の流入熔融ガラスを10mmまでへと移動させる、すなわち中央流れ壁面導流手段をも有するという2つの機能を1つの部材に組み合わせることができなければ、高い置換効率で熔融ガラスの置換ができないことも見出し、ここに研究の成果を提供するものである。

0012

ここで流路の壁面より10mmという境界重視するのは、従来の攪拌機では特にこの流路の壁面より10mmまでの溶融ガラスが熔融ガラス全体の均質化を妨げる原因があることが多く、耐火物や電極等の部材に起因する異質のガラスが流れ込み易いものであって、この部分の熔融ガラスを確実、かつ流路壁の損傷などの支障を伴わずに均質化を行うことが重要となるからである。

0013

本発明の固定型熔融ガラス置換部材の機能について、図1の本発明の機能説明図を参照しながら説明する。図1では、1は本発明の固定型熔融ガラス置換部材、100は溶融ガラスの流通径路、Gは熔融ガラスの流動方向、S1は固定型熔融ガラス置換部材の川上に位置する流路流れ方向に垂直な断面、S2は固定型熔融ガラス置換部材の川下に位置する流路流れ方向に垂直な断面、A1はS1断面における流路の壁面より10mmまでの熔融ガラス位置、B1はS1断面における流路の壁面より10mm以遠の熔融ガラス位置、A2はS2断面における流路の壁面より10mm以遠の熔融ガラス位置、B2はS2断面における流路の壁面より10mmまでの熔融ガラス位置をそれぞれ表している。

0014

図1において固定型熔融ガラス置換部材1の川上に位置する流路流れ方向Gに垂直な断面S1断面において流路の近傍を流動してきた熔融ガラスは、流路の壁面10mmまでの位置A1にあり、一方流路の中央部を流動してきた溶融ガラスは、流路の壁面10mm以遠の位置B1にある。この状態で本発明の固定型熔融ガラス置換部材1に熔融ガラスが流入すると、固定型熔融ガラス置換部材1を通過した後では、本発明の固定型熔融ガラス置換部材1の熔融ガラスを置換する機能が働き、その結果固定型熔融ガラス置換部材の川下に位置する流路流れ方向Gに垂直な断面S2においては、元々はA1に位置していた熔融ガラスは壁面流れ離脱手段によってA2の位置、すなわちS2断面における流路の壁面より10mm以遠の熔融ガラス位置へと移動し、一方、元々はB1に位置していた熔融ガラスは中央流れ壁面導流手段の働きによってB2の位置、すなわちS2断面における流路の壁面より10mmまでの熔融ガラス位置に移動することになる。

0015

本発明の固定型熔融ガラス置換部材1の性能は、上述したように熔融ガラスを置換する機能によるものであるが、それは流路流れ方向を決める壁面に対する壁面流れ離脱手段と中央流れ壁面導流手段の2つを組み合わせ、1つの部材に両手段を併せ持たせることによって始めて効率よい熔融ガラスの置換が実現できるものである。この内の一つだけの機能、例えば熔融ガラス流路に邪魔板等の流れを妨げる突起物を設けて熔融ガラスの流れを変更しようとする場合には、邪魔板のある領域で一時的な流れの変更は認められるが、邪魔板を通過した直後の熔融ガラスの流れは邪魔板が入ることによって僅かに変更させられるに過ぎず、特に壁面から10mmまでの領域の熔融ガラスは邪魔板を通過した後で再び壁面に沿った流れに戻ることが判明しており、大きな効果が得られないことが判明している。これは熔融ガラスが水のような低い粘性ではなく、例え高温であっても粘度の高い液体の状態にあることに起因するものである。図2はこのような状態について説明するものである。

0016

図2は、図1と同様の溶融ガラスの流路100に耐火板製の平面突起物9を設けることによって、固定型熔融ガラス置換部材の川上に位置する流路流れ方向に垂直な断面S1において流路の壁面より10mmまでに位置する熔融ガラスA1を流路の壁面より10mmよりも遠方へと移動させようとしたものであるが、ここでは本発明における壁面流れ離脱手段に相当するものは有しているものの、中央流れ壁面導流手段が設けられていない。このため固定型熔融ガラス置換部材の川上に位置する流路流れ方向に垂直な断面S1において、断面の中央部に位置する流路の壁面より10mm以遠の熔融ガラスB1の流れは大きく変更されることはない、すなわち熔融ガラスは高い粘性を有する状態にあるためA1位置にあった熔融ガラスが無くなった位置へ、速やかに中央部の溶融ガラスが流れ込んでくることはない。またA1からの流れも耐火板製の平面突起物9で一旦上方へと変更させられるものの、耐火板製の平面突起物9を通り過ぎるとそのほとんどが再び流路の壁面より10mmまでの位置A3に戻ることになってしまう。こうして1つの熔融ガラスの流れを変更する手段を有するだけでは十分な熔融ガラスの置換が行えず、均質化効率が著しく悪いものとなり実用上は大きな効果が得られなくなる。このため本発明では壁面流れ離脱手段と中央流れ壁面導流手段の両方を有することが重要なのである。

0017

壁面流れ離脱手段と中央流れ壁面導流手段とは、本発明の固定型熔融ガラス置換部材の所定箇所にそれぞれ1以上配されているならばよく、配設方法としては耐熱性を有するもの、例えば溶接や填め込み、鋲止め等によって構成されていればよい。また1つの固定型熔融ガラス置換部材に複数の壁面流れ離脱手段と中央流れ壁面導流手段とが設けられているものであってあってもよく、壁面流れ離脱手段の数と中央流れ壁面導流手段の数は必ずしも一致していなくてもよい。また前記した耐熱性について、特に均質度が問題となる溶融ガラスは、1500℃以上の高温熔融を必要とするものが多いため、より好ましくは1500℃以上の耐熱性、すなわち1500℃であってもその構造が容易に変形、酸化腐蝕、分解あるいは熔融ガラスへ溶解することなく、安定した性能が維持、発揮されるものとなっていることが必要である。

0018

本発明の固定型熔融ガラス置換部材の性能をガラス溶融炉に配設して評価するためには、着色ガラス等をトレーサーとして使用することによってその熔融ガラスの流れ挙動を計測して得られる情報から検証することが可能である。ただし、このような確認作業は、多大な労力を要するため、それに代わるものとして相似条件の適用などによって諸因子整合させた状態で室温状態でのモデル試験で熔融ガラス流れの状態を検証することもできる。さらにより効率的な方法として充分に高い能力を有するパソコンスパコン等によってガラス熔融炉内をシミュレーションすることにより熔融ガラス流れの挙動についての実炉の状態を再現することで検証してもよい。

0019

また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、その一部あるいは全部が必要に応じて外部からの動力によって動作するのではなく、熔融ガラスの流動に伴って動作するようなものであれば、例えば振動伸縮、回転などの自立的な動作をするものであってもよい。ただしその場合であっても振動、伸縮あるいは回転などを伴う箇所にそれなりの損耗が生じ易くなるので、高温状態での部材の損耗についても対処することができるのであれば採用することはできるが、高温状態での部材の損耗について特にそれを好まず、しかも重視するのであれば固定した構造とするのが好ましい。

0020

本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、その構成材料が全て同じ材質によるものであっても複数の材料よりなるものであってもよく、壁面流れ離脱手段と中央流れ壁面導流手段も同様である。

0021

また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、上述に加え白金族元素を含有する耐熱合金または99%以上の純度耐熱金属により構成されてなるものであるならば、高い高温強度耐摩耗性を有し、各種のガラス材に対しても高温状態であっても高い化学的な安定性を有するものとできるので好ましい。

0022

ここで、白金族元素を含有する耐熱合金または99%以上の純度の耐熱金属により構成されてなるものであるとは、固定型熔融ガラス置換部材が白金、イリジウムオスミウムパラジウムロジウムあるいはルテニウムの何れか1以上の元素を含有する耐熱性を有する合金であるか、あるいは固定型熔融ガラス置換部材の純度が質量百分率表示で平均99%以上を有する耐熱金属材により構成されたものであることを表している。また耐熱金属材とは、少なくともその融点が1000℃以上のものを意味している。

0023

固定型熔融ガラス置換部材を構成する白金族元素、あるいは耐熱金属材については、必要に応じて1000℃以上の融点を有するセラミックス材を併用してもよい。セラミックス材は白金族元素、あるいは耐熱金属材中に分散したものとしてもよく、また繊維状、あるいは被覆膜として施すものであってもよい。

0024

また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、上述に加え流路流れ方向に沿った固定型熔融ガラス置換部材の長さ寸法が、流路流れ方向に垂直な流路最大幅よりも短いものであれば、流路流れ方向の長さの短い流路であっても使用することができ、本発明を構成するために必要となる耐熱性材料の使用量も少ないものとなるので、本発明を構成するに要する経費も抑制することが可能となる。

0025

ここで、流路流れ方向に沿った固定型熔融ガラス置換部材の長さ寸法が、流路流れ方向に垂直な流路最大幅よりも短いものとは、流路流れ方向に沿った固定型熔融ガラス置換部材の最長部の全長の大きさが流路流れ方向に垂直な流路最大幅の1倍未満であることを意味している。流路流れ方向に沿った固定型熔融ガラス置換部材の長さ寸法は、1つの独立した固定型熔融ガラス置換部材についての全長の計測によるものであり、流路流れ方向に垂直な流路最大幅についても同様である。

0026

また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、上述に加え略円形の断面形状を有する流路内又は略矩形の断面形状を有する流路内に配設されるものであるならば、熔融ガラスを流通させる様々な流路に対応することができ、多くのガラス溶融設備に適用することができる。

0027

ここで略円形の断面形状を有する流路内又は略矩形の断面形状を有する流路内に配設されるものであるとは、流路の流れ方向に垂直な流路断面形状円形あるいはそれに類する形状であるか、あるいは矩形あるいはそれに類する形状であることを意味している。類する形状とは、局所的な突起、凹凸などがあっても、全体の輪郭として円形あるいは矩形と見なせる外観のものである場合を表している。またそれぞれの形状は内部形状を意味するものであり、流路の外部形状は問わないものである。

0028

また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、上述に加え厚み寸法が、0.1mm〜10mmの範囲内にあるならば、構造部材として充分な機能を発揮する構成を構築することが可能となる。

0029

ここで、厚み寸法が、0.1mm〜10mmの範囲内にあるとは、固定型熔融ガラス置換部材の中実部の平均厚みが0.1mmから10mmの範囲にあることを意味している。

0030

固定型熔融ガラス置換部材の厚み寸法が、0.1mmに満たないと、1000℃以上の高温で充分な強度を維持できない。一方固定型熔融ガラス置換部材の厚み寸法が、10mmを超えるものとすると、製造費用が嵩むものとなる。

0031

また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、上述に加え流路流れ方向に垂直な最大断面積についての円相当半径が、100〜400mmであるならば、ガラス熔融炉に使用することで効果的に熔融ガラスの均質化を行う能力を発揮できる。

0032

流路流れ方向に垂直な最大断面積についての円相当半径が100mm未満で利用する場合は熔融ガラスを流す時の圧力損失が大きくなり、耐熱性管状体への負荷が大きくなる。また流路流れ方向に垂直な最大断面積についての円相当半径が400mmを超えるならば、耐熱性構造体の形状を維持する為の補強が必要になり、製造費用が嵩んでしまう。

0033

本発明のガラス物品の製造方法は、請求項1から請求項6の何れかに記載の固定型熔融ガラス置換部材を熔融ガラスが1000℃以上の流路中に配設してガラス物品を製造するものであることを特徴とする。

0034

ここで、請求項1から請求項6の何れかに記載の固定型熔融ガラス置換部材を熔融ガラスが1000℃以上の流路中に配設してガラス物品を製造するとは、熔融ガラスが流動する流路内に配設される耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、固定型熔融ガラス置換部材へ流入する熔融ガラスについて、前記流路の壁面より10mmまでの流入熔融ガラスを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路壁面より10mm以遠の流入熔融ガラスを10mmまでへと移動させる中央流れ壁面導流手段とを有し、両変更手段によって壁面に対する熔融ガラス流れ位置を置換することを特徴とする固定型熔融ガラス置換部材、あるいはさらに加えて白金族元素を含有する耐熱合金または99%以上の純度の耐熱金属により構成されてなる固定型熔融ガラス置換部材、またこれに加えて流路流れ方向に沿った耐熱ガラス置換固定部材の長さ寸法が、流路流れ方向に垂直な流路最大幅よりも短い固定型熔融ガラス置換部材、またこれに加えて略円形又は略矩形の断面形状を有する流路内に配設される固定型熔融ガラス置換部材、またこれに加えて厚み寸法が、0.1mm〜10mmの範囲内にある固定型熔融ガラス置換部材、またこれに加えて流路流れ方向に垂直な最大断面積についての円相当半径が、100〜400mmである固定型熔融ガラス置換部材の内の何れかの固定型熔融ガラス置換部材を無機ガラスを熔融するに際して使用されるガラス熔融炉の一部を構成する熔融ガラスが1000℃以上の流路中に配設して、ガラス物品を製造することを意味している。

0035

本発明の固定型熔融ガラス置換部材を1000℃以上の熔融ガラスの流路中に配設してガラス物品を製造するものであれば、熔融ガラス中の水分から水素イオンが白金壁を透過して逸散する結果、壁際部分の熔融ガラス中に蓄積された酸素が飽和濃度を超えて気泡となりガラス物品中に混入する問題に対しても、酸素濃度が高くなる前に酸素濃度の低い熔融ガラスと置換された状態となるので、壁際部分での酸素気泡の形成を抑止することが可能となる。

0036

また本発明のガラス物品の製造方法は、上述に加え請求項1から請求項6の固定型熔融ガラス置換部材をガラス熔融炉内の駆動型溶融ガラス撹拌装置の上流に配置するものであれば、流路壁際の異質な熔融ガラスを混合し、さらにそれを強制的に撹拌することが可能になるので一層の均質化が可能となり好ましい。

0037

ここで、固定型熔融ガラス置換部材をガラス熔融炉内の駆動型溶融ガラス撹拌装置の上流に配置するとは、固定型熔融ガラス置換部材のガラス溶融炉内での配設位置が、成形域を川下とした場合にガラス熔融炉内の撹拌装置より川上側にあることを表している。

0038

本発明のガラス物品の製造方法は、様々な無機ガラス材の製造に使用することができ、特に脈理や異物などに関して高い品位が要求されるガラス、例えばCCD用カバーガラスLD用カバーガラス、リードスイッチ用管ガラスダイオード用管ガラス、粉末ガラスプロジェクタ用ガラスのような電子部品用ガラス、各種レンズ用ガラスや光ファイバー部材と関連硝材光学フィルター用ガラスのような光学部品用ガラス、積層板ガラス複層ガラス偏光ガラスのような窓板用ガラス、アンプル管用ガラスやシリンジ用ガラス、放射線遮蔽用ガラスなどのような医療用ガラス、蛍光灯用ガラスや管球用ガラス、バックライト用ガラスなどの照明用ガラスさらにPDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイ)用ガラスやLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)用ガラス、FED(Field Emission Display:電界放射ディスプレイ)用ガラスのようなフラットディスプレイ用ガラス、FRPガラスファイバARG用ガラスファイバ等のようなガラス繊維建材用ガラス防火用ガラス、調理用器具用ガラスなどのような結晶化ガラス母材ガラスに適用することができる。

0039

また本発明のガラス物品の製造方法は、上述に加えガラス物品がフラットパネルディスプレイ搭載用ガラスであるならば、微細な泡の形成、混入を防止することによって高い成形効率を実現することができ、安定した品位のフラットパネルディスプレイ搭載用ガラスを成形することができる。

0040

ここで、ガラス物品がフラットパネルディスプレイ搭載用ガラスであるとは、LCD装置搭載用ガラス、PDP装置搭載用ガラス、VFD(Vacuum Fluoresscent Display:蛍光表示管ディスプレイ装置搭載用ガラス、FED装置搭載用ガラス、ELD(Elctro Luminescent Display:エレクトロルミネセントディスプレイ)装置搭載用ガラス、LED Display(Light Emitting Display:発光ダイオードディスプレイ)装置搭載用ガラス、ECD(Elctro Chromic Display:エレクトロクロミックディスプレイ)装置搭載用ガラス、EPD(Electrophoretic Display:電気泳動ディスプレイ)装置搭載用ガラスあるいはSED(Surface−Conduction electron−emitter Display)表示装置用途等のフラットディスプレイ用ガラスであることを意味している。

0041

すなわち本発明のガラス物品の製造方法は、ガラス物品がフラットパネルディスプレイ用ガラスであるならば、そのガラス物品の均質度が極めて重要な基本的な要件となるガラス物品の製造を高い効率で行うことを可能とすることによって、多くの画像表示様式に対応する品位を容易に実現することができるので好ましい。

発明の効果

0042

本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果が得られる。

0043

(1)本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、熔融ガラスの流路内に配設され、流入する熔融ガラスを置換する耐熱性を有する固定型熔融ガラス置換部材であって、前記流路の壁面からの距離が10mmの範囲内にある流入熔融ガラスを10mm以遠へと移動させる壁面流れ離脱手段と、流路の壁面からの距離が10mmを超える範囲にある流入熔融ガラスを壁面から10mm以下の範囲内に移動させる中央流れの壁面導流手段とを有するため、ガラス熔融設備を構築する上で多大な設備費や施工の際の大きな労力を掛けなくともよく、しかも耐火物や電極等のガラス溶融炉に関連する部材に起因する異物などの発生を効率よく抑制することができ、さらに熔融ガラス中の酸素や水の挙動に関連して発生する酸素泡による欠陥の発生数を抑止するものである。

0044

(2)また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、白金族元素を含有する耐熱合金または99%以上の純度の耐熱金属により構成されてなるものであるならば、様々な高い機能を有するガラス物品を製造することのできる熔融ガラスに対して、高温状態であっても化学的な反応性が低い材料であるので、高温での浸蝕などの虞を最低限に抑制しつつガラス物品の製造を行うことが可能となる。

0045

(3)さらに本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、流路内の熔融ガラス流動方向に沿った長さ寸法が、流路最大幅よりも短いものであれば、従来の熔融設備の構造を大幅に変更することもなく本発明を取り込んで新規の高い製造効率を実現する設計に変更することができ、費用も安価で済むために無理なく既存設備に取り込むことが容易な構成を有するものである。

0046

(4)また本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、略円形の断面形状を有する流路内又は略矩形の断面形状を有する流路内に配設されるものであるならば、従来の熔融設備の構造を大幅に変更することもなく本発明を取り込んで新規の高い製造効率を実現する設計に変更することができ、無理なく既存設備に取り込むことが容易な構成を有するものである。

0047

(5)さらに本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、厚み寸法が、0.1mm〜10mmの範囲内にあるならば、熔融ガラスを保持するに十分な剛性を高温状態であっても有するものであり、安定したガラス物品の製造が可能となる。

0048

(6)そして本発明の固定型熔融ガラス置換部材は、流路内の熔融ガラス流動方向に垂直な最大断面積についての円相当半径が、100〜400mmであるならば、熔融ガラスを保持するに十分な剛性と低い圧力損失で使うことが出来るので、低コストで高品質のガラス物品の製造が可能となる。

0049

(7)本発明のガラス物品の製造方法は、上記の固定型熔融ガラス置換部材を熔融ガラスが1000℃以上の流路中に配設してガラス物品を製造するものであるため、多くのガラス熔融に対応することができ、優れた機能を有するガラス物品を潤沢に供給することが可能となるものである。

0050

(8)本発明のガラス物品の製造方法は、請求項1から請求項6の固定型熔融ガラス置換部材をガラス熔融炉内の駆動型溶融ガラス撹拌装置の上流に配置するものであるため、高い混合性能を実現することによってガラス物品に高い光学的な性能を要求する場合等に特に好適なものである。

発明を実施するための最良の形態

0051

以下に本発明の固定型熔融ガラス置換部材とガラス物品の製造方法について、具体的に説明を行う。

0052

液晶用板ガラスの製造工程では、ガラス中に混入する酸素気泡が問題視され、それに対して様々な工程改善がおこなわれたが、その1つとして本発明の固定型熔融ガラス置換部材を利用することが実施された。この酸素泡がガラス物品中に混入する欠陥は、熔融ガラス中の水分が原因となって発生した酸素泡が清澄されずに残留し、その結果ガラス物品中に混入することでおこるものである。そしてこの酸素泡の発生機構は、熔融ガラス中の水分がイオン解離した状態で存在している環境において、熔融ガラスを製造する設備に使用されている純度99%以上の白金壁を水素が透過して熔融ガラス中から系外へと散逸することによって、白金壁近傍の熔融ガラス中の酸素濃度が増加し、その結果白金壁近傍で酸素濃度過多となった状態となって熔融ガラス中で酸素気泡が形成されることによるものである。よってこのような酸素濃度過多となるのを妨げるような働きを有するものとして、本発明の固定型熔融ガラス置換部材をガラス溶融炉中の溶融ガラスが流通する耐熱管内に配設して、熔融ガラスの均質性を向上させるとともに、酸素泡の発生数を低減する目的で本発明が利用された。

0053

図3には、液晶用板ガラスの製造工程で1400℃以上に加熱された熔融ガラスが流通する熔融ガラスの流路100とそこに配設された固定型熔融ガラス置換部材10を示している。この図2は平面図を示しており、(A)は熔融ガラスの流路に対する仮想断面M、N及び固定型熔融ガラス置換部材10の位置を示す斜視図であり、(B)は仮想断面Nについての平面図、(C)は仮想断面Mについての平面図を示している。ちなみにこの熔融ガラスの流路100は、熔融ガラスの流れ方向Gに対して垂直な断面が略矩形状を呈しており、仮想断面Nは水平方向、仮想断面Mは垂直方向の断面となっている。この固定型熔融ガラス置換部材10の流路100の流れ方向Gに垂直な最大断面積についての円相当半径は、320mmであって、使用されている白金ロジウム製の耐熱鋼板2の厚み寸法は1.1mmであり、流路100の流れ方向に沿った耐熱ガラス置換固定部材10の長さ寸法は、流路100の流れ方向に垂直な流路最大幅の0.95倍の比率となっている。また図3(B)からも判るように、この熔融ガラス流路100に配設された本発明の固定型熔融ガラス置換部材10は、その流入口11が川上の壁際に配置してある。壁面3から10mmまでの外側領域の熔融ガラスC1は流入口11から固定型熔融ガラス置換部材10を通り、中央の流出口12から壁面3から10mm以遠にある内側領域を流れる。また壁面から10mm以遠にある内側領域の熔融ガラスO1は中央から矩形管外側上面側又は外側底面側を通り、中央の流出口12位置では壁面3から10mmまでの外側領域を流れるような構造となっている。そしてこの固定型熔融ガラス置換部材10では、その構造が仮想断面Nでは、V字状の外観を呈しており、前記したように厚み1.1mmの白金ロジウム合金板2をTIG溶接(tungusten inert gas welding)することによって構築されたものである。

0054

熔融ガラスの流路100にこのような固定型熔融ガラス置換部材10を配設することによって、溶融ガラス流路側方の炉の壁面3の近傍を流動している熔融ガラスの流れC1を流路100の中央へと変更するというのが、ここでの目的である。というのもこの熔融ガラス流路100は、炉床側は高密度セラミックス構造とガラス構造が積層された構造物に配設されているため、水素が拡散して外部へ逸散することはない。また通路100の天井側は、例え酸素気泡が形成されても、熔融ガラスの流路100の天井の一部について、オープン構造トラップを設けることによって気泡を除去することができるからである。よって、この熔融ガラス流路100については、側方の炉の壁面3の近傍だけに注意する必要があり、そのため本発明によって改善が可能か試験を実施した。

0055

その結果、本発明の固定型熔融ガラス置換部材10の配設によって、従来認められた微細な酸素気泡の発生を防止することができ、最終的に成形されたガラス物品中の泡数を減らすことによって、良質の薄板ガラスを得ることができる事を確認することができた。

0056

次いで、本発明の他の固定型熔融ガラス置換部材20について説明する。図4にはこの固定型熔融ガラス置換部材20の説明図を示す。図4(A)は固定型熔融ガラス置換部材20についての部分斜視図を表しており、図4(B)は、図4(A)に於いてKで表される流入口の位置における熔融ガラスの流路に垂直な断面について示したものである。この固定型熔融ガラス置換部材20は、液晶表示装置搭載用板ガラス、あるいはプラズマディスプレイ搭載用板ガラスを熔融、成形するための製造設備において使用されるものであり、その構造は1000℃以上の耐熱性を有する1.5mm厚の白金ロジウム合金板2をTIG溶接加工することによって構成されている。この固定型熔融ガラス置換部材20は、熔融ガラスの流れGを有する耐熱性の流路100に配設されている。そしてこの流路100において、この固定型熔融ガラス置換部材20は、図4(B)からも判るように4つの流入口11を有しており、その位置は耐熱性の環状の全周の壁面3について、壁面3から10mmまでの溶融ガラスを流入させる壁面3に当接した状態にある。壁面3から10mmまでの溶融ガラスは、この流入口11から固定型熔融ガラス置換部材20内へと流入する。そして固定型熔融ガラス置換部材20内において、4カ所の流入口11(図3では、4つの内の2つのみが前面に認められる)から流入した熔融ガラスは、壁面3から10mm以上遠い位置にある中央域集束させ、流出口14から流通流路の内側の領域へ流出させる仕組みになっている。またこの図3では熔融ガラスは紙面の左方から右方へと流れるように固定型熔融ガラス置換部材10を配設して利用されるものであるが、壁面3から10mm以上遠い位置にある内側の領域の熔融ガラスは、流入口12から固定型熔融ガラス置換部材20へ流れ込み、流出口13を通過して壁面から10mmまでの壁面近傍の領域に流出することになる。本発明の固定型熔融ガラス置換部材20は、非常に複雑な構造をしているが、全体として外形は、略円筒形状とみなせる外観を呈するものである。そしてこの固定型熔融ガラス置換部材20の熔融ガラスの流路100に沿った長さ寸法は、110mmであり、熔融ガラスの流路100に対して垂直な最大幅の内径寸法は200mmであるため、熔融ガラスの流路100に沿った長さ寸法に対する熔融ガラスの流路100に対して垂直な最大幅の内径寸法は0.55であって、1未満の値である。

0057

この固定型熔融ガラス置換部材20の熔融ガラスに対する働きについて、図5を参照しながら説明を行う。図5は、図4の固定型熔融ガラス置換部材20について特定の仮想断面P、Qで熔融ガラスの流動状態を見る場合について示したものである。図5(A)は固定型熔融ガラス置換部材20についての仮想断面P、Qの位置関係を示している。また図5(B)は、仮想断面Pについて、図5(C)は、仮想断面Qについて示している。図5(B)から判るように、この固定型熔融ガラス置換部材20では、仮想断面Pについて見ると、固定型熔融ガラス置換部材20の直前の位置にある壁面3から10mmまでの領域にあるものも含まれる外側領域の熔融ガラスC2aは、固定型熔融ガラス置換部材20によってその流れ位置が変更され、固定型熔融ガラス置換部材20の直後では、壁面3から10mm以遠の内側領域の熔融ガラスC2bとなっている。一方、図5(C)では、仮想断面Qについて示したものであるが、固定型熔融ガラス置換部材20の直前の位置にある壁面3から10mm以遠の内側領域の熔融ガラスO2aは、固定型熔融ガラス置換部材20によってその流れ位置が変更され、固定型熔融ガラス置換部材20の直後では、壁面3から10mmまでのものも含まれる領域にある外側領域の熔融ガラスO2bとなっていることが判る。このように、この固定型熔融ガラス置換部材20は、固定型熔融ガラス置換部材20前後で熔融ガラス流れを効率よく変更することができるものになっている。

0058

この固定型熔融ガラス置換部材20の形状を決定するために、数値流れ解析によるシミュレーションによって性能を評価した。このシミュレーションによって得られたガラスの流れ画像図6として示す。この固定型熔融ガラス置換部材20を同一形状流れ断面内の壁面3から10mmまでの領域にあるものも含まれる外側領域からの流れ要素C3と壁面3から10mm以遠の内側領域からの流れ要素O3について、流れをトレースして熔融ガラス流れ要素の何割の相対位置が変更できる性能を有しているかを調べたところ、内側領域にあった流れ要素O3aは、固定型熔融ガラス置換部材20直後で外側領域の流れ要素O3bになり、外側領域にあった流れ要素C3aは、耐熱構造部材直後で内側領域の流れ要素C3bになるように高い効率で変更が行われており、同一流れ断面内の外側領域と内側領域の流れ要素の入れ替えという働きを確実に実現していて、流れにおける様々なロスを差し引くと、その変更率は95%と高いものであった。

0059

次いで、図7に実施例2の固定型熔融ガラス置換部材20を改造した固定型熔融ガラス置換部材30の部分斜視図を示す。この固定型熔融ガラス置換部材30は、液晶表示装置搭載用板ガラス、あるいはプラズマディスプレイ搭載用板ガラスを熔融、成形するための製造設備において使用されるものであり、液晶表示装置搭載用板ガラスやプラズマディスプレイ搭載用板ガラスといったフラットディスプレイに搭載される薄板ガラスについては、薄板ガラスは成形された薄板ガラスを透過する可視光線静止画動画の画像として目視することで利用されるものであるから、板ガラス内部の均質性や、その表面の高い成形精度が求められるものである。このため板ガラスを熔融する段階から、従来にない高い均質度を要求されることとなり、様々な製造技術が開発されている。

0060

この固定型熔融ガラス置換部材30は、熔融時に使用される耐火材起源をもつジルコニウム等の成分が、熔融ガラスの密度よりも大きいため、熔融ガラス中で壁面3から10mmまでの領域に偏在する傾向をもつことを解消するために導入されたものである。図7から明瞭なように固定型熔融ガラス置換部材30は、熔融ガラスの流れ方向Gに対して、壁面3から10mmまで熔融ガラスの流入口11を熔融ガラスの流路の底面に2箇所設けた構成(1箇所については固定型熔融ガラス置換部材30の陰になって見えない)となっている。この固定型熔融ガラス置換部材30の流入口11に流入した熔融ガラスは、流出口14から流れ出すことになり、壁面3から10mm以遠の位置に変更されることになる。また壁面3から10mm以遠の位置にある熔融ガラスは流入口12から固定型熔融ガラス置換部材30に流れ込み、流出口13から流れ出して壁面3から10mmまでの流れとなっている。

0061

このように固定型熔融ガラス置換部材30を配設することによって、ジルコニア等の成分を含むガラスは、外側領域の下部のガラスを置換すれば良いので、4カ所の取り込み部分を2カ所にすることで対応可能である。この場合、構成材を減らすことで費用を削減できた。

0062

次いで、図8に本発明の他の固定型熔融ガラス置換部材40の部分斜視図を示す。この固定型熔融ガラス置換部材40は、液晶表示装置搭載用板ガラス、あるいはプラズマディスプレイ搭載用板ガラスを熔融、成形するための製造設備において使用されるものであり、その構造は1000℃以上の耐熱製を有する1.5mm厚の白金ロジウム合金板を加工することによって構成されており、製造設備への配設は、固定型熔融ガラス置換部材40の外面から伸びる3枚の支持耐熱板によって行われている。この固定型熔融ガラス置換部材40は、外側領域の下部のガラスを置換することを目的として使用されるものである。図7では熔融ガラスは紙面の左方から右方へと流れるように固定型熔融ガラス置換部材40を配設して利用されるものであるが、この固定型熔融ガラス置換部材40へと流入した熔融ガラスは、この装置から流出する際に2種類の流出口から流れ出すことになる。一つは中央流出口14で、もう一つはこの固定型熔融ガラス置換部材40の下部に形成された流出口13である。また、固定型熔融ガラス置換部材40の流路に垂直な最大幅寸法は300mmであるのに対して、固定型熔融ガラス置換部材40の流路に沿った全長は230mmであり、この全長に対する最大幅寸法の比は0.77であった。

0063

この固定型熔融ガラス置換部材40の形状を決定するときにも、数値流れ解析によるシミュレーションによって性能を評価した。このシミュレーションによって得られたガラスの流れ画像を図9として示す。この固定型熔融ガラス置換部材40を同一形状の流れ断面内の外側領域からの流れ要素C4aと内側領域からの流れ要素O4aについて、流れをトレースして熔融ガラス流れを調べたところ、内側領域にあった流れ要素O4aは、固定型熔融ガラス置換部材40直後で外側領域の流れ要素O4bになり、外側領域にあった流れ要素C4aは、固定型熔融ガラス置換部材40直後で内側領域の流れ要素C4bになるように高い効率で変更が行われており、同一流れ断面内の外側領域と内側領域の流れ要素の入れ替えという働きを確実に実現していることが明瞭になった。

0064

パソコン上でのシミュレーションの結果を参考とし、実際の無アルカリガラスを熔融して、板ガラスに成形する製造設備を備えたガラス溶融炉の外部動力回転機構による撹拌装置の上流に本発明の固定型熔融ガラス置換部材40を配設して、その撹拌性能を設置前の従来の状況と比較したところ、この固定型熔融ガラス置換部材40を配設することによって、従来問題となっていたジルコニウムを含有する熔融ガラス中における重い成分が偏在する熔融ガラスが撹拌装置で効果的に混合されることを確認することができた。

図面の簡単な説明

0065

本発明の固定型熔融ガラス置換部材の機能を示す説明図である。
本発明ではない邪魔板等の突起物による熔融ガラスの流れを表す説明図である。
本発明の固定型熔融ガラス置換部材の説明図であり、(A)は熔融ガラス流路に対する仮想断面N、M位置及び固定型熔融ガラス置換部材の位置を示す斜視図であって、(B)仮想断面Nについての平面図、(C)は仮想断面Mについての平面図である。
本発明の他の固定型熔融ガラス置換部材の説明図であり、(A)は部分斜視図、(B)は(A)図のK方向の熔融ガラス流路に垂直な平面についての断面図を表している。
本発明の固定型熔融ガラス置換部材についての説明図であり、(A)は斜視図上の仮想断面P、Qの位置を示しており、(B)は仮想断面Pについての断面図、(C)は仮想断面Qについての断面図を示している。
本発明の固定型熔融ガラス置換部材のシミュレーションについての説明図を示している。
本発明の底面付近の外側領域のガラスを置換する他の固定型熔融ガラス置換部材の部分斜視図である。
本発明の他の固定型熔融ガラス置換部材の部分斜視図。
本発明の他の固定型熔融ガラス置換部材のシミュレーションについての説明図。

符号の説明

0066

1、10、20、30、40 本発明の固定型熔融ガラス置換部材
2耐熱板材
3 壁面
11 外側流入口
12 中央流入口
13外側流出口
14 中央流出口
100溶融ガラスの流路
G熔融ガラスの流動方向
S1 固定型熔融ガラス置換部材の川上に位置する流路流れ方向に垂直な断面
S2 固定型熔融ガラス置換部材の川下に位置する流路流れ方向に垂直な断面
A1 S1断面における流路の壁面より10mmまでの熔融ガラス位置
B1 S1断面における流路の壁面より10mm以遠の熔融ガラス位置
A2 S2断面における流路の壁面より10mm以遠の熔融ガラス位置
B2 S2断面における流路の壁面より10mmまでの熔融ガラス位置
Cシミュレーション上で固定型熔融ガラス置換部材川上で内側領域に存在する熔融ガラスの軌跡
C1,C2a,C3a,C4a 固定型熔融ガラス置換部材直前の外側領域の熔融ガラス
C2b,C3b,C4b 固定型熔融ガラス置換部材直前に外側領域にあった熔融ガラスの固定型熔融ガラス置換部材直後の流れ位置
O シミュレーション上で固定型熔融ガラス置換部材の川上で外側領域に存在する熔融ガラスの軌跡
O1,O2a,O3a,O4a 固定型熔融ガラス置換部材の直前の内側領域の熔融ガラス
O2b,O3b,O4b 固定型熔融ガラス置換部材の直前に内側領域にあった熔融ガラスの固定型熔融ガラス置換部材の直後の流れ位置
K熔融ガラス流入口における熔融ガラス流路に垂直な方向
M、N、P、Q 仮想断面

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