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技術 インクジェット記録システム、インクジェット記録装置及びプログラム

出願人 コニカミノルタエムジー株式会社
発明者 贄川幸大
出願日 2007年9月3日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2007-227422
公開日 2009年3月19日 (10年8ヶ月経過) 公開番号 2009-056754
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 硬化タイミング 送り幅 硬化済み 硬化定着 ノズル領域 吐出割合 画像データ処理プログラム 活性化エネルギー線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年3月19日)のものです。
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図面 (10)

課題

シリアル方式により複数回の主走査で1つのバンドを形成する場合に、各バンドの境界部分に発生する帯状繋ぎすじを目立たなくして高品質画像記録を行うことのできるインクジェット記録システムインクジェット記録装置及びプログラムを提供する。

解決手段

複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録システム100であって、1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、最初の記録走査及び最後の記録走査において記録される記録画素密度が、他の記録走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う画像処理制御部51を備えている。

概要

背景

一般に、少量多品種需要に対して臨機応変に対応できるインクジェット記録装置として、従来インクジェット方式記録装置(以下「インクジェット記録装置」と称する。)が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッド記録媒体に対向する面に設けられたノズルからインク吐出して記録媒体上に着弾定着させることにより記録媒体に画像を記録するものであり、従来のグラビア印刷方式フレキソ印刷方式による画像記録手段と異なって製版工程を必要としないため少量の需要にも簡易かつ迅速に対応することができるという特長を有している。また、騒音が少なく多色のインクを用いることによってカラーでの画像記録も容易に行うことができるという長所がある。

このようなインクジェット記録装置の一つとして、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査させながら記録を行うシリアル方式のインクジェット記録装置において、記録ヘッドを主走査方向に複数回走査することにより1つのバンド(走査ごとの副走査方向の記録媒体の送り量に相当する領域)を形成するものが知られている。

しかし、このように複数回の走査により1つのバンドを形成する場合には、各バンドの境界部分にいわゆる繋ぎすじが生じることがあり、このような繋ぎすじが目立つ場合には、画質が低下してしまう。

そこで、特に従来の水系のインクを用いるインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの端部に位置するノズル列からのインク吐出吐出割合を記録ヘッドの中央部分に位置するノズル列からのインク吐出に比べて低くすることにより、このような繋ぎすじを目立たなくする手法が考案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2002−36515号公報
特開2002−62375号公報

概要

シリアル方式により複数回の主走査で1つのバンドを形成する場合に、各バンドの境界部分に発生する帯状の繋ぎすじを目立たなくして高品質の画像記録を行うことのできるインクジェット記録システム、インクジェット記録装置及びプログラムを提供する。複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録システム100であって、1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、最初の記録走査及び最後の記録走査において記録される記録画素密度が、他の記録走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う画像処理制御部51を備えている。

目的

そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、シリアル方式により複数回の主走査で1つのバンドを形成する場合に、各バンドの境界部分に発生する帯状の繋ぎすじを目立たなくして高品質の画像記録を行うことのできるインクジェット記録システム、インクジェット記録装置及びプログラムを提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

記録媒体上にインク吐出するノズル副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に往復移動させる主走査手段と、前記記録媒体を所定量ずつ前記副走査方向に移動させる副走査手段と、を備え、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録システムであって、前記1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、前記記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う制御手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録システム。

請求項2

前記制御手段は、本来前記最初の走査において記録されるべき複数の画素のうちの一部の画素を前記最後の走査において記録されるように記録画素の振り分けを行い、前記最初の走査において記録される記録画素と前記最後の走査において記録される記録画素とを加算した場合の記録画素の密度が、前記他の走査において記録される記録画素の密度と等しいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録システム。

請求項3

前記制御手段は、前記最初の走査において記録される記録画素及び前記最後の走査において記録される記録画素が、偏りなく分布するように記録画素の振り分けを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録システム。

請求項4

前記制御手段は、前記最初の走査において記録される記録画素と前記最後の走査において記録される記録画素とを、前記記録ヘッドの端部に近いノズルで記録される領域の少なくとも一部が前記記録ヘッドの端部から相対的に遠いノズルで記録される領域に対して疎となるように振り分けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録システム。

請求項5

前記制御手段は、前記最初の走査において記録される記録画素と前記最後の走査において記録される記録画素とをランダムに振り分けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録システム。

請求項6

前記制御手段は、前記最初の走査において記録される記録画素と前記最後の走査において記録される記録画素との振り分けを、各色ごとに変化させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録システム。

請求項7

前記制御手段は、前記最初の走査において記録される記録画素と前記最後の走査において記録される記録画素との振り分けを、主走査ごとに変化させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録システム。

請求項8

前記最初の走査において記録される記録画素と前記最後の走査において記録される記録画素との振り分けの割合は変更可能となっていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のインクジェット記録システム。

請求項9

前記インクは、活性化エネルギー線硬化性化合物を含み活性化エネルギー線照射することによって硬化する活性化エネルギー線硬化性インクであり、前記活性化エネルギー線を照射する活性化エネルギー線照射部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のインクジェット記録システム。

請求項10

記録媒体上にインクを吐出するノズルが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に往復移動させる主走査手段と、前記記録媒体を所定量ずつ前記副走査方向に移動させる副走査手段と、を備え、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録装置であって、前記1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、前記記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う制御手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。

請求項11

記録ヘッドを主走査方向に往復移動させる主走査と記録媒体を副走査方向に移動させる副走査とを交互に行いながら記録媒体上にインクを吐出させ、前記主走査と副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行う場合において、前記1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように前記記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う機能をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータ読取可能なプログラム

技術分野

0001

本発明は、インクジェット記録システムインクジェット記録装置及びプログラム係り、特に、記録ヘッド複数回走査することにより1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録システム、インクジェット記録装置及びプログラムに関するものである。

背景技術

0002

一般に、少量多品種需要に対して臨機応変に対応できるインクジェット記録装置として、従来インクジェット方式記録装置(以下「インクジェット記録装置」と称する。)が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの記録媒体に対向する面に設けられたノズルからインク吐出して記録媒体上に着弾定着させることにより記録媒体に画像を記録するものであり、従来のグラビア印刷方式フレキソ印刷方式による画像記録手段と異なって製版工程を必要としないため少量の需要にも簡易かつ迅速に対応することができるという特長を有している。また、騒音が少なく多色のインクを用いることによってカラーでの画像記録も容易に行うことができるという長所がある。

0003

このようなインクジェット記録装置の一つとして、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査させながら記録を行うシリアル方式のインクジェット記録装置において、記録ヘッドを主走査方向に複数回走査することにより1つのバンド(走査ごとの副走査方向の記録媒体の送り量に相当する領域)を形成するものが知られている。

0004

しかし、このように複数回の走査により1つのバンドを形成する場合には、各バンドの境界部分にいわゆる繋ぎすじが生じることがあり、このような繋ぎすじが目立つ場合には、画質が低下してしまう。

0005

そこで、特に従来の水系のインクを用いるインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの端部に位置するノズル列からのインク吐出吐出割合を記録ヘッドの中央部分に位置するノズル列からのインク吐出に比べて低くすることにより、このような繋ぎすじを目立たなくする手法が考案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2002−36515号公報
特開2002−62375号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、繋ぎすじは、あるバンドの境界部分に先に吐出されているインクがある場合に、当該バンドに隣接する次のバンドを形成するためのインクが打たれた際、先に吐出されているインクの上に乗ったインクと、インクの吐出されていない記録媒体の表面に直接乗ったインクとで、硬化具合が異なること等に起因して発生するものである。
すなわち、硬化済みインクドット上に着弾したインクのドット形状と、記録媒体上に着弾したインクのドット形状とでは、インクの拡がり方が異なるため、形状が異なる。それゆえ、硬化済みのドットが並んでいる領域と、硬化済みのドットが並んでいない、初めて記録媒体上に記録する領域との境界部分のドットは、あるものは硬化済みのインクの上に乗り、あるものは記録媒体の上に直接乗るというように、インクの拡がり方の異なる下地の上に着弾することとなる。このため、こうした境界部分のインクドットは、ドット形状が歪になり、このような形状の異なるドットが列状に並ぶと、画像の中に筋として見えてしまう。

0007

このため、繋ぎすじの発生を防止するためには、隣接するバンド間記録開始時点記録終了時とに時間差が生じる部分、すなわち、バンドを形成するための前の走査で記録された既に硬化済みの領域と、その後の走査で記録媒体上に初めてインクが吐出され記録される領域との境界をできるだけ分散させる必要があり、特許文献1又は特許文献2に記載されているように、単に記録ヘッドの端部に位置するノズル列か、記録ヘッドの中央部分に位置するノズル列かによってインク吐出の吐出割合を変えることによっては、繋ぎすじの発生を十分に防止することができない。

0008

特に、近年は、様々な記録媒体に対応可能なインクジェット記録装置として、例えば紫外線等の光に対して所定の感度を有する光開始剤が含有された光硬化性インクを用い、記録媒体上に着弾したインクに光を照射することで、インクを硬化させ記録媒体上に定着させる光硬化性インクを用いたインクジェット記録装置が知られている。このような光硬化性インクを用いたインクジェット記録装置等、活性エネルギー線を照射することによって硬化するインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置の場合には、記録媒体に吐出されたインクを記録媒体に吸収させずに、記録媒体の表面で硬化させることによって定着させることにより記録を行う。そして、このような記録方法による場合、隣接するバンドの記録開始時点と記録終了時とに時間差があると、インクの硬化タイミングが異なること等に起因して繋ぎすじがより目立つとの問題がある。

0009

そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、シリアル方式により複数回の主走査で1つのバンドを形成する場合に、各バンドの境界部分に発生する帯状の繋ぎすじを目立たなくして高品質の画像記録を行うことのできるインクジェット記録システム、インクジェット記録装置及びプログラムを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するため、本発明のインクジェット記録システムは、
記録媒体上にインクを吐出するノズルが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に往復移動させる主走査手段と、
前記記録媒体を所定量ずつ前記副走査方向に移動させる副走査手段と、を備え、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録システムであって、
前記1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、前記記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う制御手段を備えていることを特徴としている。

0011

また、本発明のインクジェット記録装置は、
記録媒体上にインクを吐出するノズルが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に往復移動させる主走査手段と、
前記記録媒体を所定量ずつ前記副走査方向に移動させる副走査手段と、を備え、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、前記記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う制御手段を備えていることを特徴としている。

0012

また、本発明のプログラムは、
記録ヘッドを主走査方向に往復移動させる主走査と記録媒体を副走査方向に移動させる副走査とを交互に行いながら記録媒体上にインクを吐出させ、前記主走査と副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行う場合において、
前記1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように前記記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。

発明の効果

0013

本発明によれば、複数回の主走査及び副走査によって1つのバンドを形成するように記録を行う場合に、1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように記録画素の振り分けを行う。
既に記録媒体上に着弾し硬化したインクの上に後からインクが着弾した場合と、いまだインクが着弾していない部分にインクが着弾した場合とではインクの拡がり方等に違いがある。このため、各バンドの境界部分に多くのインクが着弾していると後からインクを吐出させた際に繋ぎすじが発生する。この点、本発明では、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度を低くしているので、硬化済みのドットが並んでいる領域と、硬化済みのドットが並んでいない、初めて記録媒体上に記録する領域との境界部分を分散させることができ、バンド間の境界に発生する繋ぎすじを目立たなくすることができるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態について、図面を参照して説明する。

0015

[第1の実施形態]
まず、図1から図8を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録システムの第1の実施形態について説明する。

0016

図1に示すように、インクジェット記録システム100は、インクジェット記録装置1と、これを制御する制御装置50とを備えている。

0017

図2に示すように、本実施の形態において、インクジェット記録装置1は、シリアルプリント方式によるインクジェット記録装置1であり、このインクジェット記録装置1には、平板状に形成され記録媒体2を非記録面から支持するプラテン3が設けられている。

0018

プラテン3の上方には、記録媒体2の幅方向に延在する棒状のガイドレール4が設けられている。このガイドレール4には、キャリッジ5が支持されており、キャリッジ5は主走査手段としてのキャリッジ駆動機構11(図1参照)によりガイドレール4に沿って記録媒体2の幅方向(以下「主走査方向X」と称する。)に往復移動自在となっている。

0019

また、インクジェット記録装置1には、複数の搬送ローラ15等により構成され、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに記録媒体2を送る副走査手段としての記録媒体搬送機構12(図1参照)が設けられている。画像記録時において、キャリッジ駆動機構11による主走査と記録媒体搬送機構12による副走査とは交互に行われるようになっており、記録媒体搬送機構12は、搬送ローラ15を回転させることによって、キャリッジ駆動機構11による走査ごとに、キャリッジ5の動作に合わせて、記録媒体2を所定量ずつ副走査方向Yの上流側から下流側に搬送するようになっている。

0020

図1に示すように、キャリッジ5には、本実施形態におけるインクジェット記録装置1で使用される各色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)。)に対応した4つの記録ヘッド6が搭載されている。各記録ヘッド6は、外形略直方体状に形成されており、長手方向が互いに平行となるように並んで配置されている。なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の色インクや、白インク、透明インク等を使用することもできる。この場合には、各インクに対応した記録ヘッド6がキャリッジ5に搭載される。

0021

図3に示すように、記録ヘッド6の記録媒体2に対向する面は、記録ヘッド6の長手方向(副走査方向Y)に沿って複数のノズル61が列状に形成されたインク吐出面62となっており、各記録ヘッド6はノズル61からそれぞれインクを吐出させるようになっている。

0022

本実施形態において、インクジェット記録装置1は、いわゆるマルチパス記録を行うものである。マルチパス記録とは、ノズル列を構成するノズル61を数ブロックに分割しこれら分割したノズル61に画像データの分担を分散させて記録媒体2の送り(移動)を上記分割した1ブロック分に対応する量ずつ間欠搬送するようにして画像記録を行う画像記録方法であり、ある領域(1つのバンド)を構成する全画素を複数回の走査(nパス)によって埋めるものである。なお、ノズル列はストレート配列でもスタガ配列でもよいが、本実施形態ではストレート配列のものを例として説明する。

0023

本実施形態では、後述するように1つのバンド(主走査ごとの副走査方向Yにおける記録媒体2の送り量に相当する領域)を形成するのに必要な走査回数n(1つのバンドを構成する画素を埋めるのに必要な記録走査の走査回数)が7回(7パス)となっており、ノズル61が設けられている領域(以下「ノズル領域」と称する。)は、例えば、図3に示すように、1つのバンドを記録するのに必要な記録走査の走査回数nよりも1つ多い8つの領域(ノズル領域A〜H)に分割されている。

0024

各ノズル領域A〜Hの副走査方向Yにおける長さは、それぞれ、1つのバンド(記録媒体搬送機構12による記録媒体2の走査ごとの移動量に相当する長さに対応する領域)の幅とほぼ同じ幅寸法となっている。記録ヘッド6は、後述する制御部20(図1参照)がヘッド駆動部14(図1参照)を動作させることによって各ノズル61に対して画像データ(画像データに対応する駆動信号)が割り当てられるようになっており、これによって、あるノズル領域のノズル61からはインクを吐出させないようにするといったインクの吐出制御が行われる。
なお、ノズル列の長さLをn+1で割ったときに割り切れ余りが出る場合には、この余りの部分に相当するノズル61は記録動作に使用しない。ノズル列の長さLをn+1で割ったときに余りが出る場合には、余りの部分については、ノズル列の長さLに含めないものとしてもよい。

0025

なお、ここで、ノズル列の長さLは、1つの記録ヘッド6におけるノズル列の長さである場合に限定されない。例えば、同種のインクを吐出する記録ヘッドが副走査方向Yに2つ以上並んで配置されるような場合には、当該複数の記録ヘッドのノズル列の長さを合計した長さがノズル列の長さLとなる。

0026

また、キャリッジ5の内であって一群として設けられた記録ヘッド6の両側部には、記録媒体2の上に吐出され着弾したインクを硬化定着させる活性エネルギー線としての紫外線を照射する活性化エネルギー線照射部として紫外線照射装置7が配設されている。

0027

紫外線照射装置7は、紫外線を照射する紫外線光源(図示せず)を有している。この紫外線光源としては、例えば高圧水銀ランプ低圧水銀ランプメタルハライドランプ半導体レーザー冷陰極管エキシマーランプ、又はLED(Light Emitting Diode)等を適用することが可能であるが、紫外線光源はここに例示したものに限定されない。

0028

なお、紫外線照射装置7の配置はこれに限定されず、各記録ヘッド6の間にもそれぞれ紫外線照射装置7を設けるようにしてもよい。また、紫外線照射装置7は、キャリッジ5内に搭載されている場合に限られず、キャリッジ5の外に設けられていてもよい。

0029

ここで本実施形態に用いられるインクについて説明する。
本実施形態に用いられるインクは、活性エネルギー線としての紫外線が照射されることにより硬化する性質具備する紫外線硬化性インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化性インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、この両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、少なくともオキセタン化合物エポキシ化合物ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物である。

0030

また、記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質からなる記録媒体が適用可能である。また、記録媒体2の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等の各種形態を適用することができる。

0031

また、図1に示すように、インクジェット記録装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、各種の制御プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、画像データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)(いずれも図示せず)等を備えて構成される制御部20を備えている。
制御部20は、ROMに記録された制御プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUにより実行するようになっている。
また、制御部20には、キャリッジ駆動機構11、記録媒体搬送機構12、記録ヘッド6を駆動するヘッド駆動部14及び紫外線照射装置7が電気的に接続されている。

0032

制御部20には、制御装置50からインタフェース(I/F)16を介して、各画素ごとの濃度データに基づいて生成された記録用の画像データが送られるようになっており、制御部20は、送られた記録用の画像データをヘッド駆動部14に出力し、ヘッド駆動部14を制御して記録ヘッド6の各ノズルに画像データを割り当てる。これにより、各記録ヘッド6のノズル61から適切な吐出量のインクが吐出され、記録媒体2上に所定の画像が記録される。

0033

また、制御部20は、キャリッジ駆動機構11を制御してキャリッジ5を主走査方向Xに往復走査させるとともに、キャリッジ5の動作に合わせて記録媒体2を副走査方向Yに搬送させるように、記録媒体搬送機構12の動作を制御するようになっている。

0034

さらに、制御部20は、紫外線照射装置7を制御して記録媒体2上に吐出されたインクに対して紫外線を照射するようになっている。

0035

なお、本実施形態においては、制御部20は、キャリッジ駆動機構11による主走査方向Xへの移動の往路における往路走査及び復路における復路走査の双方において記録動作を行うように記録ヘッド6及び紫外線照射装置7を制御するようになっている。

0036

次に、制御装置50は、図1に示すように、例えば、CPU等を備えてなる画像処理制御部51及び各種の制御プログラム等を格納するROM、画像データ等を一時記憶するRAM等を備えてなる記憶部52等から構成されるコンピュータである。

0037

画像処理制御部51は、記憶部52のROM等に記録された制御プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUにより実行するようになっている。
本実施形態において、記憶部52にはインクジェット記録装置1に出力する記録用の画像データの生成等を行うための画像データ処理プログラム53が格納されている。

0038

本実施形態の制御装置50には、図示しない外部のホストコンピュータ等からLAN(Local Area Network)等を介して記録媒体2に記録すべき画像データが送信されるようになっており、送信されてきた画像データは、図示しないインタフェース(I/F)を介して画像処理制御部51に入力されるようになっている。

0039

画像処理制御部51は、例えばRGBやL*a*b*等の色空間で符号化された状態で送信されてきた画像データを、インクジェット記録装置1で用いるインク種、すなわちY、M、C、Kの色空間に復号化し、記録媒体2上に記録する画像の各画素ごとの濃度データに変換して、インクジェット記録装置1において記録を行うための記録用の画像データを生成する。この画像データは、各記録ヘッドのどのノズル領域からどのようなタイミングでどれだけのインクを吐出させるか等の情報を含むものである。画像処理制御部51により生成された記録用の画像データは、インクジェット記録装置1の制御部20に送られるようになっている。

0040

本実施形態ではインクジェット記録装置1による記録において、1つのバンドを形成するためにn回の記録が必要であり、n回の記録走査(実際にインク吐出を伴う記録のための走査)を行う。さらに、本実施形態では、インク吐出を伴わないn+1回目の走査を行うようになっている。すなわち、例えば、1つのバンドを形成するために7回の記録走査が必要な場合には、1つのバンドについて7回の記録走査を行い、その後、8回目にインク吐出を伴わない走査を行う。このように、本実施形態では、ノズル領域A〜Hに位置するノズル61により、1つのバンドを形成するためにn+1回の走査による記録を行う。このため、画像処理制御部51は、ノズル領域A〜Hに位置する各ノズル61からどのタイミングでどの程度のインクを吐出させるか等、各ノズル61に対する記録用の画像データの割り当てを行う。

0041

そして、本実施形態において画像処理制御部51は、このn回の記録走査のうち、最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行うようになっている。
なお、ここで記録画素とは、当該記録走査において実際に記録が行われる画素をいう。

0042

具体的には、画像処理制御部51は、記録走査のうちの最初の走査において記録されるべき画素のうちの一部を記録走査のうちの最後の走査において記録されるように記録画素の振り分けを行い、前記記録走査のうちの最初の走査において記録される記録画素と最後の走査において記録される記録画素とを加算した場合の記録画素の密度が、前記他の走査において記録される記録画素の密度と等しくなるようにする。

0043

ここで、図4を参照しつつ、本実施形態の画像処理制御部51により生成される記録用の画像データに基づいて、インクジェット記録装置1で実行されるバンドごとの走査について具体的に説明する。
なお、図4において縦線区切り図3に示した記録ヘッド6を示しており、記録ヘッド6を図4左手側から右手側に向かって斜めにずらして図示しているのは、主走査ごとに記録媒体2を副走査方向Yに搬送しながら記録を行った場合の、各走査における記録ヘッド6の記録媒体2に対する相対的な位置関係を模式的に示したものである。

0044

また、図4中、実線で区切った領域内に示した矢印は、各ノズル領域による記録が主走査方向Xの往路、復路のいずれで行われるか、すなわち、記録が行われる際の記録ヘッド6の走査方向(移動方向)を示したものである。また、実線で区切った領域のうち横線を付した領域(矢印の記載されていない領域)は、記録動作に使用しない領域であり、制御部20は、当該記録動作に使用しない領域内に位置するノズル61に画像データを割り当てないことにより当該ノズル61からインクを吐出させないように記録ヘッド6のインク吐出を制御するようになっている。
なお、実際の記録動作では、記録ヘッド6の副走査方向Yにおける位置は固定され、記録媒体2が副走査方向Yに所定量ずつ移動する(搬送される)が、図4では、説明の便宜上、記録媒体2の位置を固定し、記録ヘッド6の記録媒体2との相対的な位置が副走査方向Yの上流側から下流側に順次移動しているように表現している。

0045

本実施形態において、インクジェット記録装置1は、図4に示すように、副走査手段である記録媒体搬送機構12による1回の搬送で副走査方向Yに搬送される記録媒体2の移動量(送り幅)を1バンドとしたときに、1つのバンドを形成するために必要な記録走査の走査回数n(1つのバンドを構成する画素(記録画素)を埋めるのに必要な記録走査の回数)が7回となっている。
また、画像処理制御部51は、往路走査及び復路走査のうち少なくとも一方の記録動作において、記録ヘッド6の端部の所定のノズル領域(ノズル領域A及びH)内に位置するノズル61に画像データを割り当てないようにすることによりノズル61からのインク吐出を制御するようになっている。これにより、一部のノズル61を記録動作に使用しないで記録が行われ、1つのバンドを形成するために、記録ヘッド6を主走査方向Xにn+1回(7+1回 =8回)の走査が行われる。
なお、繋ぎすじは同時に記録が行われるバンド間の境界部分には発生しない。本実施形態にように、双方向記録方式であって、1つのバンドを形成するためにn+1回の走査による記録を行う場合には、例えば、図4に示すバンドiとバンドiiとは同時に記録されるため、その境界部分に繋ぎすじは現れないが、バンドiiとバンドiiiとは記録開始時と記録終了時に時間のずれが生じるため、その境界部分には繋ぎすじが発生する。

0046

図4において、実線で区切った領域は、1つのバンドを形成するために行う走査回数(7回+1回=8回)に対応して8つに分割された記録ヘッド6のノズル領域A〜Hに対応している。
なお、各ノズル領域A〜Hは、副走査手段である記録媒体搬送機構12による記録媒体2の走査ごとの移動量(搬送量)に相当する長さに対応する領域となっている。

0047

そして、画像処理制御部51は、7回の記録走査のうち、最初の走査である1回目の記録走査によって記録される領域(例えば、図4のバンドi及びバンドiiにおける領域a)及び最後の走査である7回目の記録走査によって記録される領域(例えば、図4のバンドi及びバンドiiにおける領域b)における記録画素の密度が、他の走査(2回目から6回目の記録走査)によって記録される領域(例えば、図4のバンドi及びバンドiiにおける領域c)における記録画素の密度と比較して低くなるように、記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う。なお、本実施形態では、図4の領域aにおける記録画素と領域bにおける記録画素とを加算した場合の記録画素の密度が、図4の領域cにおける記録画素の密度と等しくなるようになっている。

0048

例えば、6画素×6画素のある領域を7回の記録走査(7パス)で埋める(記録する)場合について、図5を参照しつつ説明する。

0049

この場合、まず、図5(a)に示すように、1回目の記録走査(1パス目)で、例えばノズル領域Hに位置するノズル61により「1」の網掛け部分の画素について記録が行われる。次に、図5(b)に示すように、2回目の記録走査(2パス目)で、例えばノズル領域Gに位置するノズル61により「2」の網掛け部分の画素について記録が行われる。続いて、図5(c)に示すように、3回目の記録走査(3パス目)で、例えばノズル領域Fに位置するノズル61により「3」の網掛け部分の画素について記録が行われる。さらに、図5(d)に示すように、4回目の記録走査(4パス目)で、例えばノズル領域Eに位置するノズル61により「4」の網掛け部分の画素について記録が行われる。次に、図5(e)に示すように、5回目の記録走査(5パス目)で、例えばノズル領域Dに位置するノズル61により「5」の網掛け部分の画素について記録が行われる。さらに、図5(f)に示すように、6回目の記録走査(6パス目)で、例えばノズル領域Cに位置するノズル61により「6」の網掛け部分の画素について記録が行われる。そして最後に、図5(g)に示すように、7回目の記録走査(7パス目、n回目)で、例えばノズル領域Bに位置するノズル61により「7」の網掛け部分の画素について記録が行われ、当該領域内の全画素について記録が完了する。
また、本実施形態では、その後に行われる8回目の走査(8パス目、n+1回目)では、ノズル領域Aに位置するノズル61からはインクを吐出させないようにして、インク吐出を伴わない走査を行う。

0050

なお、図5では、本来6回の記録走査(6パス)で全ての画素を記録すべき場合に、1回目の記録走査(最初の記録走査)において記録されるべき複数の画素のうちの一部の画素(図5(a)〜(f)において、薄い網掛け部分)が7回目の記録走査(最後の記録走査)において記録されるように、1回目の記録走査と7回目の記録走査とに記録画素を振り分けている。
これにより、1回目の記録走査(1パス目)において記録される記録画素の密度及び7回目の記録走査(7パス目)において記録される記録画素の密度が、2回目から6回目の記録走査(2パス目から6パス目)において記録される記録画素の密度のほぼ半分になっている。

0051

1回目の記録走査(最初の記録走査)と7回目の記録走査(最後の記録走査)とに記録画素を振り分ける具体的な手法は限定されないが、例えば図6に示すように、1回目の記録走査において記録される記録画素と7回目の記録走査において記録される記録画素とが偏りなく分布するように、1回目の記録走査において記録されるべき記録画素の中からほぼ均一に選択された一部の記録画素を7回目の記録走査において記録されるようにする。これにより、1回目の記録走査において記録される記録画素と7回目の記録走査において記録される記録画素とを重ね合わせるとちょうど本来1回目の記録走査において記録されるべき全記録画素と等しくなる。

0052

なお、1回目の記録走査(1パス目)において記録される記録画素の密度及び7回目の記録走査(7パス目)において記録される記録画素の密度は、2回目から6回目の記録走査(2パス目から6パス目)において記録される記録画素の密度のほぼ半分ずつである場合に限定されない。
例えば、図6に示すように、1回目の記録走査で本来記録されるべき画素の40%の記録画素(図6(a))を記録し、7回目の記録走査で残りの60%の記録画素(図6(b))を記録してもよい。なお、1回目の記録走査と7回目の記録走査とに振り分ける割合はここに例示したものに限定されない。

0053

また、記録画素との振り分けの割合は変更可能となっていることが好ましい。各バンドにおける最後の記録走査による記録は、画像の光沢感に影響を及ぼすことから、1回目の記録走査(最初の記録走査)と7回目の記録走査(最後の記録走査)との間の記録画素の振り分けの割合を変更することによって、特に本実施形態のように紫外線等の光で硬化する光硬化性インクを使用した場合、画像の光沢感を任意に変更することが可能となる。

0054

また、画像処理制御部51は、1回目の記録走査と7回目の記録走査とに記録画素を振り分ける手法として、例えば図7に示すように、記録ヘッド6の端部に近いノズル61で記録される領域の少なくとも一部が、記録ヘッド6の端部から相対的に遠いノズル61で記録される領域に対して疎となるように、記録画素の振り分けを行ってもよい。
記録ヘッド6の端部に近いノズル61で記録を行う領域は、隣接するバンドとの境界部分となるため、この部分の記録画素を少なくすることによって、より繋ぎすじを目立たなくすることができる。

0055

さらに、画像処理制御部51は、個々のノズル61ごとに記録画素の振り分けを行うのではなく、例えば図8に示すように、記録ヘッド6のあるノズル列については1回目の記録走査において全てのノズル61を使い、あるノズル列については1回目の記録走査において記録ヘッド6の端部に近いノズル61を使用しないというように、記録ヘッド6のノズル列ごとに、1回目の記録走査と7回目の記録走査との記録画素の振り分けを行うようにしてもよい。
このように、ノズル列記録画素の振り分けを行う場合には、個々のノズル61ごとに振り分けを行う場合と比較してデータ処理を簡易化することができる。

0056

画像処理制御部51は、記録画素のうち、どれを1回目の記録走査において記録し、どれを7回目の記録走査において記録するかをランダム選別することにより振り分ける。これにより、偏りなく記録画素を振り分けを行うことができ、画質を向上させることができる。
なお、記録画素を振り分ける手法は特に限定されず、予め振り分けについてのパターンを記憶部52等に記憶させておき、このパターンを適用することにより記録画素の振り分けを行ってもよい。

0057

なお、画像処理制御部51は、1回目の記録走査と7回目の記録走査との記録画素の振り分けを、各主走査ごとに変化させることが好ましい。また、インクの色ごとに振り分けの仕方が異なるように各色のインクに対応した記録ヘッド6ごとに1回目の記録走査と7回目の記録走査との記録画素の振り分けを変化させてもよい。さらに、これらを組合せて、各主走査ごとに各記録ヘッド6における記録画素の振り分けを変化させてもよい。このように種々の要素を組合せることによって、より偏りなく記録画素を振り分けを行うことができ、画質を向上させることができる。

0058

なお、制御装置50は、記録用の画像データ等をインクジェット記録装置1に送るほか、インクジェット記録装置1の全体の動作制御を行うための入力を行うようになっている。また、制御装置50において、記録ヘッド6を駆動する駆動周波数の設定のための入力等、インクジェット記録装置1に関する各種設定を行うことが可能となっていてもよい。

0059

次に、本実施形態における作用について説明する。

0060

図示しない外部のホストコンピュータ等から符号化された画像データが送信され、インタフェース(I/F)を介して制御装置50の画像処理制御部51に入力されると、画像処理制御部51は、当該画像データを復号化してインクジェット記録装置1において記録を行うための記録用の画像データを生成する。

0061

ここで、画像処理制御部51による記録用の画像データの生成処理について説明する。この処理は、制御装置50の記憶部52に格納された画像データ処理プログラム53とコンピュータである画像処理制御部51とが協働することにより実現されるものである。

0062

画像処理制御部51は、予めなされている設定又はユーザによる設定等に基づき、1つのバンドを形成するために何回の記録走査を行うかを判断し、必要な記録走査の走査回数n+1を決定する。そして、インクジェット記録装置1の記録ヘッド6のノズル列をこのn+1で除して、記録ヘッド6のノズル61を複数のノズル領域に分割する。
例えば、必要な記録走査の走査回数が7である場合には、図3に示すように、記録ヘッド6のノズル61を7+1の8つのノズル領域A〜Hに分割する。そして、各ノズル領域A〜Hに対する画像データの割り当てを行い、この割り当て情報を含む記録用の画像データを生成する。

0063

本実施形態では、このノズル領域A〜Hに対する画像データの割り当てにおいて、画像処理制御部51は、各バンドを形成するための1回目の記録走査(1パス目)において記録される記録画素の密度及び7回目の記録走査(7パス目)において記録される記録画素の密度が2回目から6回目の記録走査(2パス目から6パス目)において記録される記録画素の密度よりも低くなるようにする。
具体的には、画像処理制御部51は、各バンドにおける1回目の記録走査及び7回目の記録走査を行うノズル領域について、本来6回の記録走査(6パス)で全画素を記録する場合には1回目の記録走査において記録されるべきである記録画素のうちの一部(図5(a)〜(f)において、薄い網掛け部分)が7回目の記録走査において記録されるよう、1回目の記録走査と7回目の記録走査とに記録画素を振り分けるように画像データの割り当てを決定する。

0064

なお、前述のように、記録画素を振り分ける手法、振り分けのパターン等は特に限定されない。画像処理制御部51は、デフォルトとして予め設定されている手法等又はユーザ等により任意に設定された手法等にしたがって記録画素の振り分けを行う。

0065

制御装置50において生成された記録用の画像データはインクジェット記録装置1に送信され、制御部20に備えられた図示しない記憶部(メモリ)等に記憶される。そして、画像記録に必要なデータが全て揃うと、制御部20は記録動作に移行するように装置各部の制御を行う。すなわち、制御部20が記録媒体搬送機構12を制御することにより記録媒体2が順次副走査方向Yの上流側から下流側に搬送される。また、制御部20がキャリッジ駆動機構11を制御することによりキャリッジ5に搭載された記録ヘッド6を記録媒体2の上を主走査方向Xに沿って走査させるとともに、制御部20はヘッド駆動部13を制御することにより各記録ヘッド6を動作させ、主走査方向Xの往路及び復路において所定の吐出量のインクを所定の画素に吐出させる。また、制御部20は紫外線照射装置7を制御して記録媒体2上に吐出されたインクに紫外線を照射させる。これにより、記録媒体2上に画像が記録される。

0066

以上のように、本実施形態によれば、1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、画像処理制御部51が記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う。
このため、あるバンドの記録開始時、記録終了時と、当該バンドに隣接するバンドの記録開始時、記録終了時との間に時間差が生じる場合でもバンドの境界部分において、先に打たれているインクの上に時間を置いて次のインクが重なり合って打たれる可能性を少なくすることができるので、バンドの境界部分とそれ以外の部分とでインクの硬化具合の差を小さくすることが可能となり、バンド間の境界部分におけるインクのドットの形状や硬化した際の光沢感の違い等を低減させて、バンドの境界部分に発生する繋ぎすじを目立たなくさせることができる。

0067

また、本実施形態では、いずれのバンドでも書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら記録を行い、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数n+1回の走査で1つのバンドを形成するようになっているので、全てのバンドにおいて、ある走査回数のときに往路走査又は復路走査のうちいずれで記録されるかの順番(各バンドを形成する記録動作の走査方向の組合せ)が一致している。
このため、往路、復路ともに記録を行う双方向の記録を行う場合であって、1つのバンドを複数回の走査で形成する場合でも、バンドごとにインク吐出順序、乾燥時間、活性エネルギー線の照射タイミング等が異なることによる色調、濃度、光沢感等の差に起因するバンディングむらの発生を防止して、高品質の画像を形成することができる。

0068

また、記録走査のうちの最初の走査において記録される記録画素及び最後の走査において記録される記録画素が、偏りなく分布するように記録画素の振り分けを行うので、濃度むら等を生じにくく、画質を向上させることができる。

0069

また、本実施形態は、活性化エネルギー線である紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性インクを用いて記録を行うものであり、このようなインクを用いる場合には、隣接するバンドの記録開始時点と記録終了時とに時間差があると、インクの硬化タイミングが異なること等に起因して繋ぎすじが目立ちやすいが、記録走査のうちの最初の走査と最後の走査とで記録される記録画素を振り分けるので、繋ぎすじによる画質の低下を防止することができる。

0070

なお、本実施形態においては、1つのバンドを7回の走査(記録走査)で形成する場合を例としたが、1つのバンドを形成するために必要な走査回数はこれに限定されない。例えば5回の走査(記録走査)等の少ない走査回数で1つのバンドを形成してもよいし、さらに多くの走査回数で1つのバンドを形成するようにしてもよい。
このような場合にも、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数(記録走査の回数)n+1回の走査を行う。また、記録ヘッドのノズル領域も走査回数n+1に分割して、このうち副走査方向Yの上流側端部及び下流側端部に位置するノズル領域に位置するノズルを往路走査及び復路走査のいずれか一方において記録動作に使用しないようにする。

0071

また、本実施形態においては、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数(記録走査の回数)n+1回の走査を行うことにより、全てのバンドにおいて、ある走査回数のときに往路走査又は復路走査のうちいずれで記録されるかの順番(各バンドを形成する記録動作の走査方向の組合せ)が一致するように構成したが、このような構成をとることは必須ではない。1つのバンドを形成するのに必要な走査回数(記録走査の回数)n回の走査によって1つのバンドを形成するようにしてもよい。
この場合にも、記録走査のうちの最初の走査(1回目の記録走査)と最後の走査(n回目の記録走査)とで記録される記録画素を振り分けるようにする。

0072

その他、本発明が上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。

0073

[第2の実施形態]
次に、図9を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録システムの第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、記録の手法が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。

0074

本実施形態において、インクジェット記録システムは、第1の実施形態と同様、図示しない制御装置とインクジェット記録装置とにより構成されている。
本実施形態のインクジェット記録装置は、往路走査、復路走査のいずれか一方において記録動作を行う片方向記録方式となっている。なお、装置構成は第1の実施形態で示したものと同様であるので、その説明を省略する。

0075

図9を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録装置による記録動作について、双方向記録方式の場合と異なる点につき説明する。

0076

片方向記録方式の場合には、制御装置の画像処理制御部は、1つのバンドを形成するのに必要な記録走査の走査回数n回である場合に、記録ヘッド6のノズル領域を走査回数nで分割し、この全ノズル領域を用いて記録を行うように、画像データの割り当てを行う。
図9は、1つのバンドを7回の記録走査で形成する場合(n=7回)について示したものである。なお、1つのバンドを形成するのに必要な記録走査の走査回数nは7回である場合に限定されない。

0077

画像処理制御部は、7回の記録走査のうち、最初の走査である1回目の記録走査によって記録される領域(例えば、図9のバンドi及びバンドiiにおける領域a)及び最後の走査である7回目の記録走査によって記録される領域(例えば、図9のバンドi及びバンドiiにおける領域b)における記録画素の密度が、他の走査(2回目から6回目の記録走査)によって記録される領域(例えば、図9のバンドi及びバンドiiにおける領域c)における記録画素の密度と比較して低くなるように、記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う。なお、本実施形態では、図9の領域aにおける記録画素と領域bにおける記録画素とを加算した場合の記録画素の密度が、図9の領域cにおける記録画素の密度と等しくなるようになっている。

0078

なお、記録画素の振り分けの手法等、その他の構成は、第1の実施形態で示したものと同様であるので、その説明を省略する。

0079

次に、本実施形態における作用について説明する。

0080

画像データが制御装置の画像処理制御部に入力されると、画像処理制御部は、画像データ処理プログラムと協働することにより、当該画像データを復号化してインクジェット記録装置において記録を行うための記録用の画像データを生成する。

0081

画像処理制御部は、予めなされている設定又はユーザによる設定等に基づいて、1つのバンドを形成するために必要な記録走査の走査回数nを決定し、インクジェット記録装置の記録ヘッド6のノズル列をこの走査回数nで除して、記録ヘッド6のノズルを複数のノズル領域に分割する。
例えば、必要な記録走査の走査回数が7である場合には、図9に示すように、記録ヘッド6のノズルを7つのノズル領域A〜Gに分割する。そして、各ノズル領域A〜Gに対する画像データの割り当てを行い、この割り当て情報を含む記録用の画像データを生成する。

0082

本実施形態では、このノズル領域A〜Gに対する画像データの割り当てにおいて、画像処理制御部は、各バンドを形成するための1回目の記録走査(1パス目)において記録される記録画素の密度及び7回目の記録走査(7パス目)において記録される記録画素の密度が2回目から6回目の記録走査(2パス目から6パス目)において記録される記録画素の密度よりも低くなるようにする。
具体的には、画像処理制御部は、各バンドにおける1回目の記録走査及び7回目の記録走査を行うノズル領域について、本来6回の記録走査(6パス)で全画素を記録する場合には1回目の記録走査において記録されるべきである記録画素のうちの一部が7回目の記録走査において記録されるよう、1回目の記録走査と7回目の記録走査とに記録画素を振り分けるように画像データの割り当てを決定する。

0083

なお、記録画素を振り分ける手法、振り分けのパターン等が特に限定されない点は、第1の実施形態と同様である。画像処理制御部は、デフォルトとして予め設定されている手法等又はユーザ等により任意に設定された手法等にしたがって記録画素の振り分けを行う。

0084

制御装置において生成された記録用の画像データはインクジェット記録装置に送信され、制御部はこの画像データに基づいて記録動作が行われるようにヘッド駆動部を制御して各記録ヘッド6を動作させる。これにより、記録媒体上に画像が記録される。

0085

以上のように、本実施形態によれば、1つのバンドを形成するための複数回の走査のうち、記録を行う記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の密度が、他の走査において記録される記録画素の密度と比較して低くなるように、画像処理制御部51が記録走査の最初の走査及び最後の走査において記録される記録画素の振り分けを行う。
このため、あるバンドの記録開始時、記録終了時と、当該バンドに隣接するバンドの記録開始時、記録終了時との間に時間差が生じる場合でもバンドの境界部分において、先に打たれているインクの上に時間を置いて次のインクが重なり合って打たれる可能性を少なくすることができるので、バンドの境界部分とそれ以外の部分とでインクの硬化具合の差を小さくすることが可能となり、バンド間の境界部分におけるインクのドットの形状や硬化した際の光沢感の違い等を低減させて、バンドの境界部分に発生する繋ぎすじを目立たなくさせることができる。

図面の簡単な説明

0086

本発明に係るインクジェット記録システムの第1の実施形態の要部構成を示したブロック図である。
図1に示すインクジェット記録装置の要部構成を示した上面図である。
第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の記録ヘッドの各ノズル領域を示した図である。
第1の実施形態における各バンドを記録する記録ヘッドの対応するノズル領域を示した模式図である。
7回の走査で全画素の記録を行う場合に各パスで記録される画素を模式的に示す説明図であり、それぞれ(a)は1パス目、(b)は2パス目、(c)は3パス目、(d)は4パス目、(e)は5パス目、(f)は6パス目、(g)は7パス目の記録画素を示した図である。
最初の走査と最後の走査との記録画素の振り分けの一例を示す説明図であり、(a)は1パス目、(b)は7パス目を示す。
最初の走査と最後の走査との記録画素の振り分けの一変形例を示す説明図であり、(a)は1パス目、(b)は7パス目を示す。
最初の走査と最後の走査との記録画素の振り分けの一変形例を示す説明図であり、(a)は1パス目、(b)は7パス目を示す。
第2の実施形態における各バンドを記録する記録ヘッドの対応するノズル領域を示した模式図である。

符号の説明

0087

1インクジェット記録装置
2記録媒体
6記録ヘッド
7紫外線照射装置
10 制御部
11キャリッジ駆動機構(主走査手段)
12記録媒体搬送機構(副走査手段)
50制御装置
51画像処理制御部(制御手段)
52 記憶部
61ノズル
62インク吐出面
X 主走査方向
Y 副走査方向

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