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技術 コルゲートホーンの製造方法

出願人 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明者 浅山信一郎岩下浩幸菊地軍平池田一雄氏家英二
出願日 2007年8月24日 (13年4ヶ月経過) 出願番号 2007-218913
公開日 2009年3月12日 (11年9ヶ月経過) 公開番号 2009-055237
状態 特許登録済
技術分野 マイクロ波部品の製造方法 導波管型アンテナ
主要キーワード フレア角 天文台 電波画像 電波観測 建設計画 電波望遠鏡 光学域 背景放射
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図面 (11)

課題

高い精度が要求される精密部品信頼性を向上させる技術を提供する。

解決手段

コルゲートホーン10を製造する方法は、第1部材20の内部に、円錐面状導波路40を、切削により形成する工程と、第1部材20の一端に、第2部材30を圧入させるための空洞を形成する工程と、第2部材30の内部に、第2部材30が第1部材20の空洞に圧入されたときに、第1部材20の内部に形成された円錐面状の導波路40に接続される円錐面状の導波路50を、切削により形成する工程と、第2部材30の内部に、円錐面状の導波路50の端から第2部材30の逆側の端の間に、円錐面状の導波路50の端側が円形で、逆側が矩形円角変換導波路60を、ワイヤー放電加工により形成する工程と、第1部材20の空洞に第2部材30を圧入する工程と、を備える。

概要

背景

古代より、我々人類は、夜空輝く宇宙に思いを馳せ、宇宙の解明するための努力を続けてきた。壮大な宇宙には、未解明な謎が数多く残されているが、近年、技術革新による望遠鏡性能の飛躍的な向上に後押しされ、電波銀河パルサー、3K宇宙背景放射X線星、X線背景放射γ線バーストなど、偉大な発見が相次いでおり、人類は、少しずつ、しかし着実に、茫洋とした宇宙の核心に近づきつつある。

光学域での観測により発展してきた天文学は、宇宙電波の発見により、新たな局面を迎えた。低周波の電波を観測するための数十メートル級の大型電波望遠鏡が世界各国で相次いで完成し、日本でも、1970年には三鷹に6メートルのミリ波望遠鏡が、1982年には国立天文台野辺山宇宙電波観測所に45メートルの電波望遠鏡が設置された。野辺山宇宙電波観測所の電波望遠鏡は、世界でもトップレベルの性能を誇り、この電波望遠鏡により観測された高品位電波画像は、星間分子からの星と惑星系の形成、銀河における星形成と銀河核の活動性、星間分子雲の化学組成とその進化などの研究のために、世界各国の研究者に提供され、その成果国際的にも高く評価されている。

現在、新たな電波望遠鏡の建設計画として、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array:ALMA)計画が進行している。ALMA計画は、日、米、欧が独立して構想していた3計画を統合したものであるが、干渉計方式では、複数のアンテナ等を持ち寄ることによって、より大規模観測装置を実現することができるため、ミリ波サブミリ波天文学の発展に計り知れない効果をもたらすと期待されている。

野辺山宇宙電波観測所やALMAにおいて使用される電波望遠鏡は、宇宙から地球へ届くミリ波からサブミリ波帯電磁波を観測する。現在、ミリ波やサブミリ波の検出技術としては、SIS(Superconductor-Insulator-Superconductor)ミクサを用いたヘテロダイン検波が主流である。これは、SIS接合を有する素子超伝導状態で強い非線形性を示す性質を利用したものである。

ミリ波からサブミリ波帯の電磁波は、波長が短いため、導波路などのサイズが小さくなり、マイクロメーターオーダーの非常に高い加工精度が要求される。このような導波管の製造方法として、例えば、電鋳加工を用いたコルゲートホーンの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−199915号公報

概要

高い精度が要求される精密部品信頼性を向上させる技術を提供する。コルゲートホーン10を製造する方法は、第1部材20の内部に、円錐面状の導波路40を、切削により形成する工程と、第1部材20の一端に、第2部材30を圧入させるための空洞を形成する工程と、第2部材30の内部に、第2部材30が第1部材20の空洞に圧入されたときに、第1部材20の内部に形成された円錐面状の導波路40に接続される円錐面状の導波路50を、切削により形成する工程と、第2部材30の内部に、円錐面状の導波路50の端から第2部材30の逆側の端の間に、円錐面状の導波路50の端側が円形で、逆側が矩形円角変換導波路60を、ワイヤー放電加工により形成する工程と、第1部材20の空洞に第2部材30を圧入する工程と、を備える。

目的

本発明によれば、量産に適したコルゲートホーンの製造技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コルゲートホーンを製造する方法であって、第1部材の内部に、円錐面状導波路を、切削により形成する工程と、前記第1部材の前記円錐面状の導波路の出射側の端に、第2部材を圧入させるための空洞を形成する工程と、前記第2部材の内部に、前記第2部材が前記第1部材の前記空洞に圧入されたときに、前記第1部材の内部に形成された前記円錐面状の導波路に接続される円錐面状の導波路を、切削により形成する工程と、前記第2部材の内部に、前記円錐面状の導波路の端から前記第2部材の端の間に、前記円錐面状の導波路の端側が円形で、前記第2部材の端側が矩形円角変換導波路を、ワイヤー放電加工により形成する工程と、前記円錐面状の導波路に溝を形成する工程と、前記第1部材の前記空洞に前記第2部材を圧入する工程と、を備え、前記第1部材の前記円錐面状の導波路と前記第2部材の前記円錐面状の導波路は、前記溝の段差部において分割されることを特徴とするコルゲートホーンの製造方法。

請求項2

前記円角変換導波路のフレア角は、前記円錐面状の導波路のフレア角よりも鋭角であることを特徴とする請求項1に記載のコルゲートホーンの製造方法。

請求項3

前記円角変換導波路を形成する工程は、前記第2部材の内部に、前記円角変換導波路の内径よりも小さい内径の貫通孔を形成する工程と、前記ワイヤー放電加工のためのワイヤーを前記貫通孔に挿入する工程と、前記ワイヤーの一端を円形に沿って、他端を矩形に沿って移動させながら放電を発生させて、前記円角変換導波路を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のコルゲートホーンの製造方法。

請求項4

前記圧入する工程は、前記第2部材を前記第1部材に圧入する際の位置を調整するための治具を形成する工程と、前記第1部材に固定されたガイドピンを、前記治具に形成された孔に挿入して、前記治具と前記第1部材の位置を合わせる工程と、前記ガイドピンに沿って前記治具を前記第1部材の方へ摺動させることにより、前記治具に形成された突起で前記第2部材を前記第1部材の前記空洞に圧入する工程と、を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコルゲートホーンの製造方法。

請求項5

前記円錐面状の導波路及び前記円角変換導波路の表面を金でメッキする工程を更に備え、前記金でメッキする工程において、前記空洞の内面又は前記第2部材の外面に金がメッキされることにより、前記第2部材の少なくとも一部において、前記第2部材の外径が前記空洞の内径よりも大きくなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコルゲートホーンの製造方法。

請求項6

前記第2部材の前記円角変換導波路の出射側の外径は、前記空洞の内径よりも大きく、入射側の外径は、前記空洞の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコルゲートホーンの製造方法。

請求項7

前記第2部材は前記空洞よりも長く、当該コルゲートホーンが他の部品に固定される際に前記第2部材が前記他の部品に当接する面は、周囲より突出していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコルゲートホーンの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、コルゲートホーンの製造技術に関する。

背景技術

0002

古代より、我々人類は、夜空輝く宇宙に思いを馳せ、宇宙の解明するための努力を続けてきた。壮大な宇宙には、未解明な謎が数多く残されているが、近年、技術革新による望遠鏡性能の飛躍的な向上に後押しされ、電波銀河パルサー、3K宇宙背景放射X線星、X線背景放射γ線バーストなど、偉大な発見が相次いでおり、人類は、少しずつ、しかし着実に、茫洋とした宇宙の核心に近づきつつある。

0003

光学域での観測により発展してきた天文学は、宇宙電波の発見により、新たな局面を迎えた。低周波の電波を観測するための数十メートル級の大型電波望遠鏡が世界各国で相次いで完成し、日本でも、1970年には三鷹に6メートルのミリ波望遠鏡が、1982年には国立天文台野辺山宇宙電波観測所に45メートルの電波望遠鏡が設置された。野辺山宇宙電波観測所の電波望遠鏡は、世界でもトップレベルの性能を誇り、この電波望遠鏡により観測された高品位電波画像は、星間分子からの星と惑星系の形成、銀河における星形成と銀河核の活動性、星間分子雲の化学組成とその進化などの研究のために、世界各国の研究者に提供され、その成果国際的にも高く評価されている。

0004

現在、新たな電波望遠鏡の建設計画として、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array:ALMA)計画が進行している。ALMA計画は、日、米、欧が独立して構想していた3計画を統合したものであるが、干渉計方式では、複数のアンテナ等を持ち寄ることによって、より大規模観測装置を実現することができるため、ミリ波サブミリ波天文学の発展に計り知れない効果をもたらすと期待されている。

0005

野辺山宇宙電波観測所やALMAにおいて使用される電波望遠鏡は、宇宙から地球へ届くミリ波からサブミリ波帯電磁波を観測する。現在、ミリ波やサブミリ波の検出技術としては、SIS(Superconductor-Insulator-Superconductor)ミクサを用いたヘテロダイン検波が主流である。これは、SIS接合を有する素子超伝導状態で強い非線形性を示す性質を利用したものである。

0006

ミリ波からサブミリ波帯の電磁波は、波長が短いため、導波路などのサイズが小さくなり、マイクロメーターオーダーの非常に高い加工精度が要求される。このような導波管の製造方法として、例えば、電鋳加工を用いたコルゲートホーンの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−199915号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、電鋳加工によりコルゲートホーンを製造する場合、母型溶融除去してコルゲートホーンを取り出すので、1個ずつ母型を形成する必要があり、コストや時間がかかるという問題がある。高い加工精度を維持しつつ、製造に要するコストや時間を低減させる製造方法の開発が強く望まれる。

0008

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、コルゲートホーンの製造に要するコストや時間を低減させる技術の提供にある。

課題を解決するための手段

0009

本発明のある態様は、コルゲートホーンの製造方法に関する。このコルゲートホーンの製造方法は、第1部材の内部に、円錐面状の導波路を、切削により形成する工程と、前記第1部材の前記円錐面状の導波路の出射側の端に、第2部材を圧入させるための空洞を形成する工程と、前記第2部材の内部に、前記第2部材が前記第1部材の前記空洞に圧入されたときに、前記第1部材の内部に形成された前記円錐面状の導波路に接続される円錐面状の導波路を、切削により形成する工程と、前記第2部材の内部に、前記円錐面状の導波路の端から前記第2部材の端の間に、前記円錐面状の導波路の端側が円形で、前記第2部材の端側が矩形円角変換導波路を、ワイヤー放電加工により形成する工程と、前記円錐面状の導波路に溝を形成する工程と、前記第1部材の前記空洞に前記第2部材を圧入する工程と、を備え、前記第1部材の前記円錐面状の導波路と前記第2部材の前記円錐面状の導波路は、前記溝の段差部において分割されることを特徴とする。

0010

前記円角変換導波路のフレア角は、前記円錐面状の導波路のフレア角よりも鋭角であってもよい。

0011

前記円角変換導波路を形成する工程は、前記第2部材の内部に、前記円角変換導波路の内径よりも小さい内径の貫通孔を形成する工程と、前記ワイヤー放電加工のためのワイヤーを前記貫通孔に挿入する工程と、前記ワイヤーの一端を円形に沿って、他端を矩形に沿って移動させながら放電を発生させて、前記円角変換導波路を形成する工程と、を含んでもよい。

0012

前記圧入する工程は、前記第2部材を前記第1部材に圧入する際の位置を調整するための治具を形成する工程と、前記第1部材に固定されたガイドピンを、前記治具に形成された孔に挿入して、前記治具と前記第1部材の位置を合わせる工程と、前記ガイドピンに沿って前記治具を前記第1部材の方へ摺動させることにより、前記治具に形成された突起で前記第2部材を前記第1部材の前記空洞に圧入する工程と、を含んでもよい。

0013

コルゲートホーンの製造方法は、前記円錐面状の導波路及び前記円角変換導波路の表面を金でメッキする工程を更に備えてもよく、前記金でメッキする工程において、前記空洞の内面又は前記第2部材の外面に金がメッキされることにより、前記第2部材の少なくとも一部において、前記第2部材の外径が前記空洞の内径よりも大きくなるようにしてもよい。

0014

前記第2部材の前記円角変換導波路の出射側の外径は、前記空洞の内径よりも大きくてもよく、入射側の外径は、前記空洞の内径よりも小さくてもよい。

0015

前記第2部材は前記空洞よりも長くてもよく、当該コルゲートホーンが他の部品に固定される際に前記第2部材が前記他の部品に当接する面は、周囲より突出していてもよい。

発明の効果

0016

本発明によれば、量産に適したコルゲートホーンの製造技術を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

図1(a)は、実施の形態に係る製造方法により製造されるコルゲートホーン10の底面図であり、図1(b)は、断面図である。コルゲートホーン10は、ミリ波又はサブミリ波の電磁波を導波するために用いられる。コルゲートホーン10の内部には、複数の溝(コルゲーション)14を有する円錐面状の導波路12が形成されている。コルゲートホーン10は、フランジ22に形成された孔74を用いて、ピンにより直交偏波分離器(Ortho Mode Transducer:OMT)などの部品に固定される。

0018

円錐面状の導波路12の出射端は円形であるが、測定システム受信機などで広く用いられている標準的な導波管は矩形導波管である。したがって、両者を接続するためには、円形から矩形へ変換する円角変換導波路60が必要となる。円角変換導波路60を旋盤などを用いた切削により形成することは困難であるため、円角変換導波管をコルゲートホーン10とは別の部品として製造し、コルゲートホーンと受信機の間に接続することも考えられるが、本実施の形態では、円角変換導波路60をコルゲートホーン10内に集積して形成する。これにより、部品数を低減させることができるので、製造に要するコストなどを低減することができるとともに、受信機を小型化することができる。さらに、導波路を短縮することができるので、電波の伝播損失を低減させることができる。

0019

本実施の形態では、コルゲートホーン10を、第1部材20と第2部材30とに分割して製造する。これにより、後述するように、溝14などの加工を容易にすることができ、製造に要する時間やコストを低減させることができるとともに、加工精度を向上させることができる。第1部材20に形成される円錐面状の導波路40と、第2部材30に形成される円錐面状の導波路50は、溝14の段差部において分割されている。コルゲートホーン10内の伝送モードHE11モードであり、電波の進行方向に管内電流は流れないため、溝14の段差部で第1部材20と第2部材30とを分割することにより、接触面の状態による性能への影響を抑えることができる。

0020

図2(a)に示すように、溝14の出射端側の段差部において第1部材20と第2部材30が分割されてもよいし、図2(b)に示すように、溝14の入射端側の段差部において第1部材20と第2部材30が分割されてもよい。

0021

ガイドピン70は、後述するように、第2部材30を第1部材20に形成された空洞へ圧入するときに、位置調整用の治具を第1部材20に位置合わせするために用いられる。以下、コルゲートホーン10の製造方法の詳細について説明する。

0022

図3(a)は、第1部材20の底面図であり、図3(b)は、断面図である。第1部材20の内部には、旋盤などを用いた切削により円錐面状の導波路40が形成される。導波路40には、複数の溝42が形成される。第1部材20の出射端側に、第2部材30を圧入させるための空洞24が形成される。フランジ22の底面には、ガイドピン70を挿入するための孔72と、コルゲートホーン10を他の部材に接続するためのピンを挿入するための孔74が形成される。

0023

図4は、第1部材20に溝42を形成する工程を説明するための図である。第1部材20に円錐面状の導波路40を形成した後、第1部材20を旋盤に固定し、L字型の刃44を用いて溝42を彫る。刃44の幅は、溝42の幅と同じか、溝42の幅よりも小さいものとする。図3に示した例では、コルゲートホーン10の入射側の開口から刃44を挿入して溝42を彫っているが、導波路40の長さが刃44の長さよりも長く、出射端側の溝42を彫ることが難しい場合は、出射側の開口から刃44を挿入して出射端側の溝42を彫るようにしてもよい。

0024

図5(a)は、第2部材30の底面図であり、図5(b)は、断面図である。第2部材30の内部には、旋盤などを用いた切削により円錐面状の導波路50が形成される。円錐面状の導波路50には、第1部材20と同様に、L字型の刃44により溝52が形成される。円錐面状の導波路50の出射端近傍を、第2部材30として第1部材20とは別個に製造するので、導波路50や溝52を切削により形成する工程を容易にし、加工精度を向上させることができる。

0025

円錐面状の導波路50の出射端側に、円角変換導波路60が形成される。円角変換導波路60は、後述するように、ワイヤー放電加工を用いて形成される。ワイヤー放電加工において、第2部材30を加工装置に固定するために、フランジ32が設けられている。第2部材30に、導波路50、溝52、円角変換導波路60が形成されると、フランジ32は必要ないので、AA’面で切断される。これにより、第2部材30の製造が完了する。製造された第2部材の底面図及び断面図を、図6(a)(b)に示す。

0026

図7に示すように、第2部材30に形成される円角変換導波路60のフレア角は、円錐面状の導波路50のフレア角よりも鋭角になっている。したがって、第2部材30の内部に、ワイヤー放電加工を用いて円角変換導波路60を形成することができる。また、第2部材30の出射端側の領域36の外径を、空洞24の内径よりも大きくしている。これにより、第2部材30を空洞24に圧入させた後に、第2部材30が空洞24から抜け落ちたり、ずれたりすることを防ぐことができる。第2部材30の入射端側の外径は、空洞24の内径と同じかやや小さくしてもよい。これにより、第2部材30を空洞24に圧入させる際に、空洞24に入れやすくすることができる。なお、図7では、分かりやすくするために寸法を誇張して描いており、実際の寸法を示しているわけではない。第2部材30の外径と空洞24の内径との差は、第1部材20及び第2部材30の材料や、圧入する際の圧力などを考慮して決定されてもよい。

0027

円角変換導波路60を形成する際に、まず、図8(a)に示すように、円角変換導波路60の最小の内径よりも小さい内径の円筒状の貫通孔を、第2部材30の導波路50の出射端側に形成する。その後、貫通孔にワイヤー放電加工装置のワイヤーを挿入し、ワイヤーの一端を円形に沿って、他端を矩形に沿って移動させながら放電を発生させることにより、円角変換導波路60を形成する。このようにして形成された円角変換導波路60の斜視図を図8(b)に示す。

0028

図9は、第2部材30を第1部材20の空洞24に圧入する際の位置を調整するための治具の外観を示す。治具80には、ガイドピン70を挿入するための孔84と、第2部材30を圧入させるための突起82が設けられている。第1部材20の孔72に固定されたガイドピン70を、治具80に形成された孔84に挿入して、治具80と第1部材20の位置を合わせた後、ガイドピン70に沿って治具80を第1部材20の方へ摺動させると、治具80に形成された突起82が第2部材30を押し、第1部材20の空洞24へ圧入させる。これにより、第1部材20の空洞24へ精確に第2部材30を圧入させることができ、加工精度を向上させ、信頼性の高いコルゲートホーンを製造することができる。

0029

導波路の表面の電気伝導性を向上させるために、円錐面状の導波路12及び円角変換導波路60の表面を金メッキしてもよい。導波路の表面のみに金メッキしてもよいし、第1部材20及び第2部材30全体を金メッキしてもよい。コルゲートホーン10では、円錐面状の導波路12が長いので、奥の方まで確実に金メッキを施すために、無電解金メッキを行うことが望ましい。第1部材20及び第2部材30の全体に金メッキなどの表面処理を施す場合、化学皮膜や金メッキの膜厚を考慮して、第2部材30の外径と空洞24の内径を設計しておくのが好ましい。すなわち、空洞24の内面又は第2部材30の外面に金がメッキされることにより、第2部材30の少なくとも一部において、第2部材30の外径が空洞24の内径よりも大きくなるようにする。この場合、第2部材30を空洞24に圧入する際に、空洞24に入れやすくするために、第2部材30の入射端側は、金メッキを施した後の外径が空洞24の内径よりも小さくなるようにしておくのが好ましい。

0030

図10は、本実施の形態に係る方法で製造されたコルゲートホーン10が他の部品90に接続された様子を示す。コルゲートホーン10のフランジ22に形成された孔と、部品90のフランジ92に形成された孔に、ピン94を貫通させてネジなどで締め付けることで、コルゲートホーン10と部品90が接続される。このとき、第2部材30は空洞24より長く、第2部材30が部品90に当接する面34は、周囲よりも突出しているので、第2部材30は部品90により空洞24内に押し込まれるように固定される。コルゲートホーン10は一般に冷却した状態で用いられるので、温度変化により第1部材20と第2部材30の形状が変化することで、導波路40と導波路50の接触状態が変化する可能性があるが、本実施の形態では、部品90により第2部材30を押し込むように固定するので、第1部材20の導波路40と第2部材30の導波路50の間の接触状態を良好に保ち、コルゲートホーン10の性能を向上させることができる。

0031

以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

0032

実施の形態では、導波管の例として、コルゲートホーンを製造する方法について説明したが、その他、内部に導波路などの空洞を有する任意の部品について、本実施の形態の方法を適用可能である。

図面の簡単な説明

0033

図1(a)は、実施の形態に係る製造方法により製造されるコルゲートホーンの底面図であり、図1(b)は、断面図である。
図2(a)(b)は、第1部材と第2部材の接触部分の拡大図である。
図3(a)は、第1部材の底面図であり、図3(b)は、断面図である。
第1部材に溝を形成する工程を説明するための図である。
図5(a)は、第2部材の底面図であり、図5(b)は、断面図である。
図6(a)は、第2部材の底面図であり、図6(b)は、断面図である。
円角変換導波路のフレア角と、円錐面状の導波路のフレア角を示す図である。
図8(a)(b)は、円角変換導波路を形成する工程を説明するための図である。
第2部材を第1部材の空洞に圧入する際の位置を調整するための治具の外観を示す図である。
実施の形態に係る方法で製造されたコルゲートホーンが他の部品に接続された様子を示す図である。

符号の説明

0034

10コルゲートホーン、12導波路、14 溝、20 第1部材、22フランジ、24 空洞、30 第2部材、32 フランジ、40 導波路、42 溝、44 刃、50 導波路、52 溝、60円角変換導波路、70ガイドピン、72 孔、74 孔、80治具、82突起、84 孔、90部品、92 フランジ、94ピン。

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