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技術 合金箔と排気ガス浄化装置用触媒担体

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 山内克久松岡秀樹福田國夫加藤康宇城工
出願日 2007年8月17日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2007-212716
公開日 2009年3月5日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-046718
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理
主要キーワード 早期消耗 変形量測定 大気雰囲気炉 担体寿命 ヒータ発熱体 改善要求 内方拡散 高温靭性
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

従来のFe−20Cr−5Al系合金よりも高温での酸化増量や変形量が小さい触媒担体用合金箔と、その合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体を提供する。

解決手段

mass%で、C:0.015%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.2%以下、P:0.05%以下、S:0.003%以下、N:0.015%以下、Cr:19.0〜21.0%、Al:4.6〜7.0%、La:0.03〜0.20%、ZrおよびHfのうちから選ばれる1種または2種の合計:0.02〜0.15%、W:1.5〜3.5%を含有し、さらに、Nb:0.15%未満、Mo:0.20%未満、Ta:0.5%未満、Ni:0.20%未満およびTi:0.10%未満の成分組成を有する合金箔と、その合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体。

概要

背景

Fe−Cr−Al系合金は、高温での耐酸化性に優れているため、自動車オートバイモーターボートなどの内燃機関排気ガス浄化装置用部材(触媒担体、各種センサーなど)に使用されているほか、ストーブガスバーナ加熱炉の部材、あるいは、電気抵抗率が高い特性を活かして、ヒータ発熱体などにも使用されている。

上記用途のうち、自動車やオートバイの排気ガス浄化装置の触媒担体は、板厚が0.10mm以下の合金箔を使用した円筒形状のハニカム構造を有するものであるが、高温での使用環境下でエンジン振動走行による衝撃を長時間にわたって受け続ける。そのため、触媒担体の長期にわたる耐久性を確保する必要性から、上記合金箔には、ハイレベル高温強度剛性)や耐酸化性が要求される。というのは、高温での酸化で合金箔の消耗や脆化が進むと、担体破断や変形が起こって、浄化性能が著しく低下するためである。

さらに、近年における排気ガス規制強化に伴い、浄化効率をよりいっそう向上するため、従来よりも高温で排気ガス触媒とが接触する位置に担体設置場所を変更したり、あるいは、担体の構造を多数の開口部を設けたハニカム構造としたりするなどの設計変更修正がなされるようになってきている。その結果、担体を構成する素材に対する負荷は、従来にも増して高まる方向にあり、高温剛性や耐酸化性に対する改善要求一段と強まっている。

斯かる高温での剛性と耐酸化性とを併せ持つ合金箔素材としては、幾つかの提案がなされている。例えば、特許文献1には、Zr、Hf、希土類元素を添加したFe−20Cr−5Al系合金に、さらに、Ni、MoおよびWを添加してヤング率を高めた、高温での繰り返し熱応力および酸化に対する耐性と、高い機械強度とを必要とする用途に用いることができるフェライト系ステンレス鋼が、また、特許文献2には、Yミッシュを添加したFe−20Cr−5Al系合金に、さらにNbおよび/またはTa、あるいはさらに、Moおよび/またはWを添加して高温での耐力と耐酸化性を向上させたメタル担体用合金箔が開示されている。さらに、特許文献3には、La、Ce、Pr、Ndを添加したFe−20Cr−5Al系合金に、C+Nに対して所定量のTaを添加し、さらに、Mo、W、Nbを添加することによって、高温での耐力を高めて耐久性を向上させた耐熱ステンレス箔が開示されている。
特表2005−504176号公報
特開平05−277380号公報
特公平06−104879号公報

概要

従来のFe−20Cr−5Al系合金よりも高温での酸化増量や変形量が小さい触媒担体用の合金箔と、その合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体を提供する。mass%で、C:0.015%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.2%以下、P:0.05%以下、S:0.003%以下、N:0.015%以下、Cr:19.0〜21.0%、Al:4.6〜7.0%、La:0.03〜0.20%、ZrおよびHfのうちから選ばれる1種または2種の合計:0.02〜0.15%、W:1.5〜3.5%を含有し、さらに、Nb:0.15%未満、Mo:0.20%未満、Ta:0.5%未満、Ni:0.20%未満およびTi:0.10%未満の成分組成を有する合金箔と、その合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体。なし

目的

そこで、本発明の目的は、従来以上の高温使用環境下においても、従来のFe−20Cr−5Al系合金よりも高温耐久性に優れる、すなわち、酸化増量や変形量(寸法変化)が小さく、剛性の高い触媒担体用の材料(合金箔)を開発するとともに、その材料を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体を提供することにある。なお、本発明が開発を目指す合金箔の具体的な目標特性は、大気中で、1100℃×500hrの酸化試験したときの酸化増量が15g/m2以下、この時の変形量が5%以下、さらに900℃でのヤング率が110GPa以上である。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

C:0.015mass%以下、Si:0.3mass%以下、Mn:0.2mass%以下、P:0.05mass%以下、S:0.003mass%以下、N:0.015mass%以下、Cr:19.0〜21.0mass%、Al:4.6〜7.0mass%、La:0.03〜0.20mass%、ZrおよびHfのうちから選ばれる1種または2種の合計:0.02〜0.15mass%、W:1.5〜3.5mass%を含有し、さらに、Nb:0.15mass%未満、Mo:0.20mass%未満、Ta:0.5mass%未満、Ni:0.20mass%未満およびTi:0.10mass%未満であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する合金箔

請求項2

C:0.015mass%以下、Si:0.3mass%以下、Mn:0.2mass%以下、P:0.05mass%以下、S:0.003mass%以下、N:0.015mass%以下、Cr:19.0〜21.0mass%、Al:4.6〜7.0mass%、La:0.03〜0.20mass%、ZrおよびHfのうちから選ばれる1種または2種の合計:0.02〜0.15mass%、W:1.5〜3.5mass%を含有し、さらに、Nb:0.15mass%未満、Mo:0.20mass%未満、Ta:0.5mass%未満、Ni:0.20mass%未満およびTi:0.10mass%未満であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体

技術分野

0001

本発明は、自動車オートバイ等の排気ガス浄化装置メタルハニカム触媒担体等の高温での強度(剛性)と耐酸化性が要求される部材に用いて好適な合金箔と、その合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体に関するものである。

背景技術

0002

Fe−Cr−Al系合金は、高温での耐酸化性に優れているため、自動車やオートバイ、モーターボートなどの内燃機関の排気ガス浄化装置用部材(触媒担体、各種センサーなど)に使用されているほか、ストーブガスバーナ加熱炉の部材、あるいは、電気抵抗率が高い特性を活かして、ヒータ発熱体などにも使用されている。

0003

上記用途のうち、自動車やオートバイの排気ガス浄化装置の触媒担体は、板厚が0.10mm以下の合金箔を使用した円筒形状のハニカム構造を有するものであるが、高温での使用環境下でエンジン振動走行による衝撃を長時間にわたって受け続ける。そのため、触媒担体の長期にわたる耐久性を確保する必要性から、上記合金箔には、ハイレベル高温強度(剛性)や耐酸化性が要求される。というのは、高温での酸化で合金箔の消耗や脆化が進むと、担体破断や変形が起こって、浄化性能が著しく低下するためである。

0004

さらに、近年における排気ガス規制強化に伴い、浄化効率をよりいっそう向上するため、従来よりも高温で排気ガス触媒とが接触する位置に担体設置場所を変更したり、あるいは、担体の構造を多数の開口部を設けたハニカム構造としたりするなどの設計変更修正がなされるようになってきている。その結果、担体を構成する素材に対する負荷は、従来にも増して高まる方向にあり、高温剛性や耐酸化性に対する改善要求一段と強まっている。

0005

斯かる高温での剛性と耐酸化性とを併せ持つ合金箔素材としては、幾つかの提案がなされている。例えば、特許文献1には、Zr、Hf、希土類元素を添加したFe−20Cr−5Al系合金に、さらに、Ni、MoおよびWを添加してヤング率を高めた、高温での繰り返し熱応力および酸化に対する耐性と、高い機械強度とを必要とする用途に用いることができるフェライト系ステンレス鋼が、また、特許文献2には、Yミッシュを添加したFe−20Cr−5Al系合金に、さらにNbおよび/またはTa、あるいはさらに、Moおよび/またはWを添加して高温での耐力と耐酸化性を向上させたメタル担体用合金箔が開示されている。さらに、特許文献3には、La、Ce、Pr、Ndを添加したFe−20Cr−5Al系合金に、C+Nに対して所定量のTaを添加し、さらに、Mo、W、Nbを添加することによって、高温での耐力を高めて耐久性を向上させた耐熱ステンレス箔が開示されている。
特表2005−504176号公報
特開平05−277380号公報
特公平06−104879号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記特許文献1〜3に開示されたような、Fe−20Cr−5Al系合金に、強化元素としてNb、Ta、MoあるいはWの1種類以上を添加して高温強度やヤング率を高めた材料は、その他にも数多くの提案がなされている。しかしながら、いずれの材料も、酸化増量の抑制や変形量の抑制についての検討が殆どなされていないため、近年における耐酸化性に対する高い要求を満たすには不十分なレベルのものでしかない。

0007

そこで、今後、より一層強化されるであろう排気ガス規制にも十分対応可能な、高い浄化効率を持つ触媒担体を開発するためには、従来よりも高い温度での使用環境下において、従来のFe−20Cr−5Al系合金よりも耐久性に優れる、すなわち、酸化増量や変形量(寸法変化)が小さい材料(合金箔)の開発が必要とされている。また、剛性が高いことも変形量の低減を図るには必要な要件である。

0008

そこで、本発明の目的は、従来以上の高温使用環境下においても、従来のFe−20Cr−5Al系合金よりも高温耐久性に優れる、すなわち、酸化増量や変形量(寸法変化)が小さく、剛性の高い触媒担体用の材料(合金箔)を開発するとともに、その材料を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体を提供することにある。なお、本発明が開発を目指す合金箔の具体的な目標特性は、大気中で、1100℃×500hrの酸化試験したときの酸化増量が15g/m2以下、この時の変形量が5%以下、さらに900℃でのヤング率が110GPa以上である。

課題を解決するための手段

0009

発明者らは、上記課題を達成するために、Fe−Cr−Al系合金に、高温におけるヤング率を高める効果のある元素としてNb、Mo、WおよびTaを単独または複合して添加し、ヤング率および高温耐久性(酸化増量および変形量)への影響を詳細に調査した。その結果、いずれも高温でのヤング率を高める効果が大きいことがわかった。しかし、耐酸化性については、Nb、MoおよびTaを所定量以上添加した場合には、La、Zr、Hfなどの耐酸化性向上元素を添加しても、900℃以上の温度では異常酸化を起こし易く、特に、1000℃を超える高温では、耐酸化性の劣化が著しいことがわかった。

0010

したがって、従来以上の高い使用温度においても、剛性を確保しつつ、高い耐久性(耐酸化性、耐変形性)を得るためには、強化(ヤング率向上)元素としてWを添加した上で、La、Zr、Hfを添加して耐酸化性を向上させ、さらに、耐酸化性の向上に有害なNb、Mo、Taの含有量を、製造上、不可避的に混入してくる他の不純物元素を含めて所定量以下の組成範囲に厳しく制限する必要があることを見出し、本発明を開発するに至った。

0011

すなわち、本発明は、C:0.015mass%以下、Si:0.3mass%以下、Mn:0.2mass%以下、P:0.05mass%以下、S:0.003mass%以下、N:0.015mass%以下、Cr:19.0〜21.0mass%、Al:4.6〜7.0mass%、La:0.03〜0.20mass%、ZrおよびHfのうちから選ばれる1種または2種の合計:0.02〜0.15mass%、W:1.5〜3.5mass%を含有し、さらに、Nb:0.15mass%未満、Mo:0.20mass%未満、Ta:0.5mass%未満、Ni:0.20mass%未満およびTi:0.10mass%未満であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する合金箔である。

0012

また、本発明は、C:0.015mass%以下、Si:0.3mass%以下、Mn:0.2mass%以下、P:0.05mass%以下、S:0.003mass%以下、N:0.015mass%以下、Cr:19.0〜21.0mass%、Al:4.6〜7.0mass%、La:0.03〜0.20mass%、ZrおよびHfのうちから選ばれる1種または2種の合計:0.02〜0.15mass%、W:1.5〜3.5mass%を含有し、さらに、Nb:0.15mass%未満、Mo:0.20mass%未満、Ta:0.5mass%未満、Ni:0.20mass%未満およびTi:0.10mass%未満であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する合金箔を用いた排気ガス浄化装置用触媒担体である。

発明の効果

0013

本発明によれば、900℃以上の高温においても剛性が高く、1100℃の高温においても優れた耐酸化性や耐変形性に優れる合金箔を得ることができる。したがって、本発明の合金箔は、将来における厳しい排気ガス規制の下で用いられる自動車やオートバイなどの排気ガス浄化装置用触媒担体に用いて好適である。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明は、従来以上の高い温度での使用環境下においても、高い剛性を確保しつつ、高い耐久性(耐酸化性、耐変形性)を得るために、強化(ヤング率向上)元素としてWを添加した上で、La、Zr、Hfを添加して耐酸化性を向上させ、さらに、耐酸化性の向上に有害なNb、Mo、Taの含有量を、製造上、不可避的に混入してくる他の不純物元素を含めて所定量以下の組成範囲に制限するところに特徴がある。
以下、本発明の合金箔が有すべき成分組成について具体的に説明する。

0015

C:0.015mass%以下、N:0.015mass%以下
CおよびNは、ともに、過剰に含有すると、加工性を低下させて合金箔の製造を困難にするだけでなく、耐酸化性を劣化させる。よって、CおよびNの含有量は、それぞれ0.015mass%以下とする。望ましくは0.010mass%以下である。

0016

Si:0.3mass%以下
Siは、過剰に含有すると、保護皮膜となして重要な役割を担うAl2O3酸化皮膜成長阻害する。また、Al2O3酸化皮膜の密着性を低下させるため、特に、900℃以上における耐酸化性を劣化させる。よって、Siの含有量は0.3mass%以下とする。好ましくは0.2mass%以下である。

0017

Mn:0.2mass%
Mnは、過剰に含有すると、Siと同様、Al2O3酸化皮膜の成長を阻害し、耐酸化性が劣化させる成分である。よって、Mn含有量は0.2mass%以下とする。好ましくは0.1mass%以下である。

0018

P:0.05mass%以下、S:0.003mass%以下
PおよびSは、不可避的に混入してくる不純物成分であり、いずれも、加工性を劣化させて合金箔の製造を困難にするだけでなく、Al2O3酸化皮膜の成長を阻害し、耐酸化性をも劣化させる元素である。したがって、本発明では、極力、低減することが望ましく、Pは0.05mass%以下、Sは0.003mass%以下とする。好ましくは、Pは0.03mass%以下、Sは0.001mass%以下である。

0019

Cr:19.0〜21.0mass%
Crは、高温における耐酸化性や剛性を確保するために必要な基本元素である。19.0mass%未満では、本発明が目的とする耐酸化性やヤング率を満足させるには不十分であり、一方、21.0mass%を超えると、加工性が劣化するため、合金箔を圧延することが難しくなったり、ハニカムにするための波付加工後の耐久性も劣化したりすることから、19.0〜21.0mass%の範囲とする。好ましくは、19.5〜20.5mass%の範囲である。

0020

Al:4.6〜7.0mass%
Alは、合金箔の表面に、保護性の高いAl2O3酸化皮膜を形成し、高温での耐酸化性を向上する元素である。しかし、Alの含有量が4.6mass%未満では、0.1mmの合金箔にした場合、酸化によるAlの早期消耗により十分な耐酸化性が得られない。一方、Alを過剰に添加しすぎると、加工性が劣化し、圧延することや製造ラインへの通板が困難となり、また、高温強度やヤング率の低下を招いたりする。よって、Alの上限は、7.0mass%とする。なお、耐酸化性、剛性および製造性とのバランスを確保する観点からは、5.0〜6.4mass%の範囲であることが好ましい。

0021

W:1.5〜3.5mass%
Wは、高温における強度やヤング率を向上する作用があり、本発明においては、極めて重要な成分である。特に、Wは、NbやMo、Taと比べて、耐酸化性を劣化させる悪影響が小さいため、本発明の合金箔には最も適した強化元素である。900℃におけるヤング率を110GPa以上とするためには、Wを1.5mass%以上添加する必要がある。しかし、3.5mass%を超えて添加すると、加工性や耐酸化性が低下する。よって、本発明では、Wは1.5〜3.5mass%の範囲とする。好ましくは、1.5〜2.5mass%の範囲である。

0022

La:0.03〜0.20mass%、および、Zr、Hfの1種または2種を合計:0.02〜0.15mass%
La、ZrおよびHfは、Fe−Cr−Al系合金の高温における耐酸化性を高める、本発明においては極めて重要な元素である。すなわち、Laは、Al2O3酸化皮膜と合金との密着性を向上し、酸素内方拡散を抑制することにより耐酸化性を向上させる元素である。また、ZrおよびHfは、C、Nと結合して固定することによって加工性を改善する元素である。また、Laと同時に添加することにより、Laの耐酸化性向上効果をさらに高める働きがある。しかし、Laの含有量が0.03mass%未満、ZrまたはHfの合計含有量が0.02mass%未満であると、本発明が目的とする優れた耐酸化性を得ることができず、一方、それらの元素を過剰に添加すると、酸化皮膜中粒界や、酸化皮膜と地鉄との界面への濃化が過剰となり、かえって酸化速度を増加させるため、耐酸化性が低下する。よって、本発明においては、Laを0.03〜0.20mass%、ZrとHfの1種または2種を合計で0.02〜0.15mass%の範囲で添加する。好ましくは、La:0.04〜0.15mass%、ZrおよびHfの合計:0.03〜0.10mass%の範囲である。

0023

Nb:0.15mass%未満、Mo:0.20mass%未満、Ta:0.5mass%未満、Ni:0.20mass%未満およびTi:0.10mass%未満
Nb、MoおよびTaは、高温における強度やヤング率を高める効果があり、また、NiおよびTiは、高温での強度を高める効果がある成分である。しかし、NbおよびMoは、過剰に添加すると酸化増量を増加させ、また、Ta、NiおよびTiは、地鉄表層への濃化により合金の熱膨張率を増加させて、素材の消耗や変形を促進し、担体寿命を短くする。特に、これらの成分を過剰に添加すると、大気中で1100℃×500hrの酸化試験を行なった際の酸化増量が15g/m2を超えるか、あるいは変形量(寸法増加)が5%を超えるため、これらの合金箔でハニカム担体を作製した場合には、合金箔の変形や破断により浄化機能の低下が早期に起こってしまう。よって、これらの成分の含有量の上限は厳しく管理する必要があり、Nbは0.15mass%未満、Moは0.20mass%未満、Taは0.5mass%未満、Niは0.20mass%未満およびTiは0.10mass%未満に制限する。望ましくは、Nb、Mo、Tiは0.05mass%未満、Taは、0.1mass%未満、また、Niは、0.15mass%未満である。

0024

また、本発明の合金箔は、上記必須成分のほかに、耐酸化性に有害なSの弊害を軽減する元素として、Ca、MgおよびBを添加してもよい。Ca、MgおよびBは、Sが結晶粒界や合金箔の表層へ濃化することを抑制したり、高温靭性を改善したりすると共に、耐酸化性向上元素であるLa、Zr、Hf等と共存することによって、耐酸化性をより高める効果がある。その効果を得るには、Ca、MgおよびBの1種または2種以上を合計で0.0010mass%以上含有させることが好ましい。しかし、0.0080mass%を超えて含有させると、却って、加工性の低下や耐酸化性の低下を招く。よって、これらの元素を添加する場合には、Ca、MgおよびBは、合計で0.0010〜0.0080mass%の範囲とするのが望ましい。さらに好ましくは、0.0020〜0.0060mass%である。なお、個々の元素における望ましい範囲は、Caは0.0003〜0.0040mass%、Mgは0.0020〜0.0030mass%、Bが0.0005〜0.0050mass%である。

0025

また、上記成分に加えてさらに、耐酸化性向上のために、希土類元素であるCe、Nd、SmおよびYを微量添加してもよい。しかし、格段の耐酸化性向上は望めず、添加量によっては、却って劣化する場合もある。また、これらの元素の原料は、高価である上、組成制御が難しく、製造コストの大幅な増加をもたらす。よって、La以外の希土類元素を添加する場合には、合計でも0.02mass%以下、より好ましくは0.01mass%以下であることが望ましい。

0026

次に、本発明に係る合金箔の製造方法について説明する。
本発明の合金箔は、加工性を考慮して成分設計をしているため、従来の製造方法を適用することによって十分に製造することができ、特に限定する必要はない。例えば、上記の成分組成を含有する鋼を、転炉電気炉等で溶製し、VODやAODで2次精錬した後、造塊−分塊圧延法や連続鋳造法鋼スラブとし、その後、1050〜1250℃に加熱してから熱間圧延し、熱延鋼板とする。次いで、上記鋼板表面のスケール酸洗ショットブラスト研削等で除去し、焼鈍冷間圧延を複数回繰り返し、所定の板厚(0.03〜0.1mm)の合金箔とするのが好ましい。

0027

なお、本発明の合金箔は、所望の耐酸化性を確保するためには、成分組成を適正範囲に制御することに加えてさらに、合金箔の表面粗さの制御することが重要である。合金箔の板厚が0.10mm以下である場合、表面の粗さが大きい、即ち、表面積が大きくなると、高温での使用により酸化が促進されて短時間でAlが酸化消耗し、異常酸化を起こしやすくなる。そのため、合金箔の表面粗さは、製造上、問題がない範囲で、できるだけ小さくするよう制御することが望ましい。具体的には、本発明が目的とする耐酸化性を確保するためには、合金箔表面の算術平均粗さRaは0.3μm以下、かつ、十点平均粗さRzは1.5μm以下であることが好ましい。特に、板厚が0.05mm以下の場合には、Raは0.2μm以下、Rzは1.2μm以下とすることがより好ましい。ここで、上記粗さのパラメータであるRaはJIS B0601(2001)、RzはJIS B0601(1998)の規定によるものである。

0028

表1に示したNo.1〜24の成分組成を有する合金を真空溶解炉にて溶製し、50kgの鋼塊とし、次いで、この鋼塊を1200℃に加熱後、900〜1200℃の温度域で熱間圧延して板厚3mmの熱延鋼板とし、その後、表面のスケールを除去し、1回または2回の焼鈍と冷間圧延を行い、板厚1mmの冷延鋼板とし、さらに、950〜1100℃の焼鈍を施してから冷間圧延して最終板厚が0.05mm、表面粗さRaが0.3μm以下、Rzが1.5μm以下の合金箔を得た。

0029

0030

上記のようにして得た熱延鋼板および合金箔について、下記の試験に供した。
<ヤング率の測定>
上記製造途中の板厚3mmの熱延鋼板を950〜1100℃の温度で焼鈍して十分に再結晶を起こさせてから、板厚:2mm×幅:10mm×長さ:60mmの試験片切り出し、端面をすべて平滑面に仕上げた後、曲げ共振法を用いて、900℃におけるヤング率を測定した。ヤング率の測定結果は、110MPa未満を×、110MPa以上120MPa未満を○、120MPa以上を◎と評価した。
<耐酸化性の評価>
上記のようにして得た板厚0.05mmの合金箔を、さらに、1050〜1200℃で焼鈍し、十分に再結晶させた後、酸化増量測定用として、幅:20mm×長さ:30mmの寸法の試験片を、また、変形量測定用として、幅:50mm×長さ:50mmの寸法の試験片を、各合金箔からそれぞれ3枚ずつ採取した。次いで、これらの試験片を用いて、大気雰囲気炉中で1100℃×500時間加熱する酸化試験を行い、酸化増量および変形量を測定した。
酸化増量は、酸化試験前後の重量変化初期の表面積で除して、単位面積当りの酸化増量を求め、3枚の平均値が、15g/m2超えを×、10g/m2超え15g/m2以下を〇、10g/m2以下を◎と評価した。なお、試験前後の重量変化の測定に際しては、試験片から剥離したスケールも回収し、酸化増量に加えた。また、変形量は、試験片ごとに幅と長さを各3ヶ所で測定して寸法変化量(%)を測定し、3枚の試験片の平均値を求め、その平均変形量が5%超えのものを×、3%超え5%以下のものを〇、3%以下のものを◎と評価した。

0031

上記測定の結果を、表1中に併記して示した。この結果から、合金の成分組成が本発明の範囲内にある合金No.1〜9の合金は、高温でのヤング率、酸化増量および変形量の評価がいずれも○以上が得られており、高温での強度および耐久性に優れていることがわかる。これに対して、成分組成が本発明の範囲外である合金No.10〜24の合金は、ヤング率、酸化増量、変形量の何れか1以上の特性が×の評価を示している。これらの結果から、本発明の合金箔は、従来の材料と比較して、より高温環境下で使用される排気ガス浄化装置用触媒担体として好ましい特性を有するものであることがわかる。

0032

本発明の合金箔は、オートバイ、自動車など排ガス浄化装置用部材、特に触媒のメタルハ二カム担体用の合金箔として好適である。さらに、本発明の成分組成を有する合金は、高温における耐酸化性と剛性に優れるため、箔としてだけでなく、0.10mmを超える板厚で用いられるヒータ発熱体、ストーブ、バーナや加熱炉の部材などにも用いることができる。

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