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図面 (9)

課題

アミロイドプラークの形成によって特徴付けられる症状を予防的および治療的に処置する方法を開発する。

解決手段

アミロイドベータペプチドAβの第13位−第28位内に含有されるエピトープと好ましくは特異的に結合するヒト化抗体を用いて臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患を予防または処置するための医薬を製造する。

概要

背景

認識欠損発作脳出血、および全般的精神衰弱を生じさせる多くの総合的症状は、アミロイドベータペプチド(Aβ)を含有する脳内の神経突起および脳血管プラークと関連すると思われる。これらの症状には、前臨床的および臨床的アルツハイマー疾患ダウン症候群、および前臨床的および臨床的な脳性アミロイド血管障害(CAA)がある。アミロイドプラークはアミロイドベータペプチドから形成される。これらのペプチドは血中および脳脊髄液CSF)中を、典型的にはリポタンパク質との複合体型循環する。循環型のAβペプチドは、共通前駆体タンパク質アミロイド前駆体タンパク質(しばしばAPPと称される)の分解により生じた39〜43アミノ酸(ほとんどが40または42アミノ酸)から構成される。いくつかの型の可溶性Aβはそれ自身神経毒性であり、神経変性および/または認識減退重篤度を決定するものであり得る(McLean, C. A., et al., Ann. Neurol. (1999) 46:860-866; Lambert, M. P., et al. (1998) 95: 6448-6453; Naslund, J., J. Am. Med. Assoc. (2000) 283: 1571)。

Aβが脳および血液の間を行ったり来たりして輸送され得ることを示唆する証拠がある(Ghersi-Egea, J-F., et al., J. Neurochem. (1996) 67: 880-883; Zlokovic, B. V., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. (1993) 67: 1034-1040; Shibata M, et al., J. Clin, Invest. (2000) 106: 1489-1499)。さらに、プラーク中のAβは脳および血液内の可溶性Aβと平衡状態にある(Kawarabayashi T, et al., J. Neurosci. (2001) 21: 372-381)。

引用により本明細書中包含されるPCT出願US00/35681および米国第09/153,130号に記載されるように、CSF中のAβペプチドのトータル循環レベルは正常な個体およびアルツハイマーの症状を示す傾向がある個体において同様である。しかし、Aβ42レベルは、アルツハイマー疾患を有する個体において平均的に少ない(Nitsch, R. M., et al., Ann. Neurol. (1995) 37: 512-518)。Aβ42がAβ40より凝集する傾向があることが既知であり、そうであると、アミロイドプラーク中のAβ堆積、Aβの毒性可溶型への変換、神経細胞の損傷、および痴呆のような行動上の障害のような有害な結果が生じる(Golde, T. E., et al., Biochem. Biophys. Acta. (2000) 1502: 172-187)。

アミロイド堆積を減少させる免疫応答誘導する方法は、1999年6月10日公開のPCT公開WO99/27944に記載されている。この記載は完全長凝集Aβペプチドは有用な免疫原であろうと仮定している。ヒツジ抗マウスIgGコンジュゲートされたAβ断片(アミノ酸13〜28)の投与皮質アミロイド堆積にいかなる変化も生じさせず、Aβ13〜28断片コンジュゲート注射された9動物のうち1動物のみがAβ40に応答する何らかのリンパ球増殖を示しただけである。この出願はまた、Aβペプチドに特異的に結合する抗体を治療物質として用いることができることを示している。しかし、サポートするデータが、例えばAβ42を用いる活性免疫化を含むプロトコルを反映しているため、これは推測であるようだ。このペプチドはアジュバントを用いて供給され、免疫化から形成される抗体力価、ならびにAβペプチドレベルおよび前駆体ペプチドレベルが測定される。この公報は、アルツハイマーの症状を緩和するためにはAβプラークが減少しなければならず、Aβプラークを首尾良く減少させるのに細胞媒介性のプロセスが必要とされることを強く示唆する。

1999年11月25日公開のWO99/60024は、抗アミロイド抗体を用いるアミロイド除去のための方法に関する。しかし、その機構は、前形成アミロイド堆積(すなわちプラーク)に結合し、次いで局在化プラークの局所的なミクログリアクリアランスを生じさせる抗Aβ抗体能力を利用すると記載されている。この機構はインビボでは証明されていない。この公報はさらに、Aβプラークに対して有効であるために、抗Aβ抗体は脳実質へのアクセスを得、血液脳関門を横切らなければならないことを記載している。

アミロイドプラークの制御を試みることに関するいくつかのPCT出願が、2000年12月7日に公開された。WO00/72880は、AβペプチドのN末端断片およびそれに結合する抗体を用いて処置された場合には、アルツハイマー疾患のトランスジェニックマウスモデルの皮質および海馬におけるプラークが有意に減少し、ヒツジ抗マウスIgGとコンジュゲートされたAβ13−28断片または13−28断片に対する抗体、抗体266を用いて処置された場合にはそうではないことを記載している。このN末端に対する抗体は、血液脳関門を横切りインビトロ試験においてアミロイドプラークの貪食を誘導することが示されている。

WO00/72876はWO/72880と実質的に同じ開示内容を有し、アミロイドフィブリル成分自体を用いる免疫化に関する。

WO00/77178は、β−アミロイドの加水分解触媒するように設計された抗体、例えばフェニルアラニンスタチントランジション化合物Cys−Aβ10−25、スタチンPhe19−Phe20およびCys−Aβ10−25スタチンPhe20−Ala21の混合物に対して作成された抗体および、Phe19およびPhe20間に還元アミド結合を有するAβ10−25に対して作成された抗体を記載している。この文献は、Aβの隔離を記載しているが、このような隔離の証拠が与えられておらず、これは推測である。さらに、この文献は、抗体の投与が中枢神経系からのAβの流出を生じさせるか、プラーク形成を妨害するか、プラーク堆積を減少させるか、組織サンプル中、この抗体とAβ間の複合体を形成させるか、あるいは認識に影響するインビボの証拠を提供していない。

Aβ代謝に関する一経路CNSから血漿への輸送を介するものであることが示された(Zlokovic, B. V., et al., Proc. Natl. Acad. Sci (USA) (1996) 93: 4229-4234; Ghersi-Egea, J-F., et al., J. Neurochem. (1996) 67: 880-883)。さらに、血漿中のAβが血液脳関門を横切って脳にはいることができることが示された(Zolkovic, B. V., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. (1993) 67: 1034-1040)。また、アルツハイマー疾患のAPPV717Fトランスジェニックマウスモデルにおいて、特定のポリクローナルおよびモノクローナルAβ抗体を投与するとアミロイドプラーク中のAβ堆積が減少することが示された(Bard, F., et al., Nature Med. (2000)6:916-919);しかしこれは、特定の抗Aβ抗体が血液脳関門を横切り、アミロイドプラークのミクログリア細胞による貪食を刺激したせいであると言われた。Bard の実験では、脳スライスエクスビボアッセイにより、外部から加えられたミクログリアとともに添加Aβ抗体が存在することがAβの貪食を誘導し、結果的にAβ堆積の除去を導くことが示された。

CSFおよび血液中の可溶性Aβ40およびAβ42両者のレベルは、Aβ鎖に沿ったエピトープに対する抗体を用いる標準化されたアッセイにより容易に検出できる。このようなアッセイは例えば、米国特許5,766,846;5,837,672;および5,593,846中に報告されている。これらの特許は、Aβペプチドの中央ドメインに対するマウスモノクローナル抗体の作成を記載しており、これらは第16位および第17位まわりおよびこれらを含むエピトープを有することが報告された。N末端領域に対する抗体も同様に記載された。いくつかのモノクローナル抗体がAβペプチドの第13−28位と免疫反応することが示され;これらは第17−28位を表すペプチドと結合せず、したがって、引用特許によれば、これらの抗体の標的が第16−17位(α−セクレターゼ部位)を含むこの領域であることが確立された。Aβのアミノ酸13および28の間と結合することが既知である抗体には、マウス抗体266、4G8、および1C2がある。

PCT出願US00/35681
米国第09/153,130号
WO00/72880
WO00/72876
WO00/77178
米国特許5,766,846
米国特許5,837,672
米国特許5,593,846
McLean, C. A., et al., Ann. Neurol. (1999) 46: 860-866
Lambert, M. P., et al. (1998) 95: 6448-6453
Naslund, J., J. Am. Med. Assoc. (2000) 283: 1571
Ghersi-Egea, J-F., et al., J. Neurochem. (1996) 67: 880-883
Zlokovic, B. V., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. (1993) 67: 1034-1040
Shibata M, et al., J. Clin, Invest. (2000) 106: 1489-1499
Kawarabayashi T, et al., J. Neurosci. (2001) 21: 372-381
Nitsch, R. M., et al., Ann. Neurol. (1995) 37: 512-518
Golde, T. E., et al., Biochem. Biophys. Acta. (2000) 1502: 172-187
Zlokovic, B. V., et al., Proc. Natl. Acad. Sci (USA) (1996) 93: 4229-4234
Bard, F., et al., Nature Med. (2000)6:916-919
Kabat "Sequences of Proteins of Immunological Interest" National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987 および 1991
Chothia, et al., J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987); Chothia, et al, Nature 342:878-883 (1989)
Queen, et al., op. cit., and Co, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88, 2869 (1991)
Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton PA, latest edition
Johnson-Wood, K.らによるProc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94: 1550-1555
Bales, K. R. らによるNature Genet (1997) 17: 263-264)
DeMattos, R. B.らによるJ. Biol. Chem. (1998) 273: 4206-4212
Sun, Y.らによるJ. Neurosci (1988) 18: 3261-3272
Bales, K. R. らによるNature Genet. (1977) 17: 263-264
J.-C.Dodartら、Behavioral Neuroscience,113(5)982-990(1999)
Levitt,M.,J.Mol.Biol.168:595-620(1983)
He,X.Y.ら、J.Immunol.160:029-1035(1998)
Co,M.S.ら、J.Immunol.148:1149-1154(1992)
Karlsson R.ら、J.Immunol.Methods145:229-240(1991)

概要

アミロイドプラークの形成によって特徴付けられる症状を予防的および治療的に処置する方法を開発する。アミロイドベータペプチドAβの第13位−第28位内に含有されるエピトープと好ましくは特異的に結合するヒト化抗体を用いて臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患を予防または処置するための医薬を製造する。なし

目的

本発明は、Aβが関与し得る疾患および症状、例えば臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的な脳性アミロイド血管障害において認識に正に影響するヒト化抗体またはその断片を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患を予防または処置するための医薬を製造するための、Aβの第13位−第28位内に含有されるエピトープと特異的に結合する抗体の使用。

請求項2

該抗体が、アルツハイマー疾患に関連する毒性の可溶性Aβ種の作用またはアミロイドプラークの形成、を阻害する請求項1記載の使用。

請求項3

該抗体が、アルツハイマー疾患に関連する毒性の可溶性Aβ種の作用またはアミロイドプラーク、を減少させる請求項1記載の使用。

請求項4

該抗体が、アルツハイマー疾患に関連する認識減退を処置し、予防し、あるいは逆転させる請求項1記載の使用。

請求項5

該抗体が、アルツハイマー疾患の対象における認識を改善させる請求項1記載の使用。

請求項6

該抗体が、血液または脳脊髄液中の高分子複合体由来のAβを隔離する請求項1記載の使用。

請求項7

該抗体が、ヒト化抗体である請求項1〜6のいずれかに記載の使用。

請求項8

該抗体が、ヒトフレームワークを含む、請求項7記載の使用。

請求項9

該抗体が、ヒト化フレームワークを含む、請求項7記載の使用。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
この出願は、2000年2月24日提出の米国仮出願60/184,601、2000年12月8日提出の60/254,465、および2000年12月8日提出の60/254,498(これらの開示内容引用により本明細書中包含される)の優先権を主張する。

0002

本発明は、Aβペプチドアミノ酸13〜28間のエピトープに結合するヒト化抗体および、ベータアミロイドと関連する症状、例えばアルツハイマー疾患ダウン症候群、および脳性アミロイド血管障害の予防的および治療的処置に関する。より具体的には、血漿、脳、および脳脊髄液中のアミロイドベータ(Aβ)ペプチドを隔離(sequester)し、脳内および脳血管内のAβペプチドの蓄積を防ぎ、あるいは堆積逆転させ、認識を改善させるためのヒト化モノクローナル抗体の使用に関する。

背景技術

0003

認識欠損発作脳出血、および全般的精神衰弱を生じさせる多くの総合的症状は、アミロイドベータペプチド(Aβ)を含有する脳内の神経突起および脳血管プラークと関連すると思われる。これらの症状には、前臨床的および臨床的なアルツハイマー疾患、ダウン症候群、および前臨床的および臨床的な脳性アミロイド血管障害(CAA)がある。アミロイドプラークはアミロイドベータペプチドから形成される。これらのペプチドは血中および脳脊髄液(CSF)中を、典型的にはリポタンパク質との複合体型循環する。循環型のAβペプチドは、共通前駆体タンパク質アミロイド前駆体タンパク質(しばしばAPPと称される)の分解により生じた39〜43アミノ酸(ほとんどが40または42アミノ酸)から構成される。いくつかの型の可溶性Aβはそれ自身神経毒性であり、神経変性および/または認識減退重篤度を決定するものであり得る(McLean, C. A., et al., Ann. Neurol. (1999) 46:860-866; Lambert, M. P., et al. (1998) 95: 6448-6453; Naslund, J., J. Am. Med. Assoc. (2000) 283: 1571)。

0004

Aβが脳および血液の間を行ったり来たりして輸送され得ることを示唆する証拠がある(Ghersi-Egea, J-F., et al., J. Neurochem. (1996) 67: 880-883; Zlokovic, B. V., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. (1993) 67: 1034-1040; Shibata M, et al., J. Clin, Invest. (2000) 106: 1489-1499)。さらに、プラーク中のAβは脳および血液内の可溶性Aβと平衡状態にある(Kawarabayashi T, et al., J. Neurosci. (2001) 21: 372-381)。

0005

引用により本明細書中に包含されるPCT出願US00/35681および米国第09/153,130号に記載されるように、CSF中のAβペプチドのトータル循環レベルは正常な個体およびアルツハイマーの症状を示す傾向がある個体において同様である。しかし、Aβ42レベルは、アルツハイマー疾患を有する個体において平均的に少ない(Nitsch, R. M., et al., Ann. Neurol. (1995) 37: 512-518)。Aβ42がAβ40より凝集する傾向があることが既知であり、そうであると、アミロイドプラーク中のAβ堆積、Aβの毒性可溶型への変換、神経細胞の損傷、および痴呆のような行動上の障害のような有害な結果が生じる(Golde, T. E., et al., Biochem. Biophys. Acta. (2000) 1502: 172-187)。

0006

アミロイド堆積を減少させる免疫応答誘導する方法は、1999年6月10日公開のPCT公開WO99/27944に記載されている。この記載は完全長凝集Aβペプチドは有用な免疫原であろうと仮定している。ヒツジ抗マウスIgGコンジュゲートされたAβ断片(アミノ酸13〜28)の投与皮質アミロイド堆積にいかなる変化も生じさせず、Aβ13〜28断片コンジュゲート注射された9動物のうち1動物のみがAβ40に応答する何らかのリンパ球増殖を示しただけである。この出願はまた、Aβペプチドに特異的に結合する抗体を治療物質として用いることができることを示している。しかし、サポートするデータが、例えばAβ42を用いる活性免疫化を含むプロトコルを反映しているため、これは推測であるようだ。このペプチドはアジュバントを用いて供給され、免疫化から形成される抗体力価、ならびにAβペプチドレベルおよび前駆体ペプチドレベルが測定される。この公報は、アルツハイマーの症状を緩和するためにはAβプラークが減少しなければならず、Aβプラークを首尾良く減少させるのに細胞媒介性のプロセスが必要とされることを強く示唆する。

0007

1999年11月25日公開のWO99/60024は、抗アミロイド抗体を用いるアミロイド除去のための方法に関する。しかし、その機構は、前形成アミロイド堆積(すなわちプラーク)に結合し、次いで局在化プラークの局所的なミクログリアクリアランスを生じさせる抗Aβ抗体能力を利用すると記載されている。この機構はインビボでは証明されていない。この公報はさらに、Aβプラークに対して有効であるために、抗Aβ抗体は脳実質へのアクセスを得、血液脳関門を横切らなければならないことを記載している。

0008

アミロイドプラークの制御を試みることに関するいくつかのPCT出願が、2000年12月7日に公開された。WO00/72880は、AβペプチドのN末端断片およびそれに結合する抗体を用いて処置された場合には、アルツハイマー疾患のトランスジェニックマウスモデルの皮質および海馬におけるプラークが有意に減少し、ヒツジ抗マウスIgGとコンジュゲートされたAβ13−28断片または13−28断片に対する抗体、抗体266を用いて処置された場合にはそうではないことを記載している。このN末端に対する抗体は、血液脳関門を横切りインビトロ試験においてアミロイドプラークの貪食を誘導することが示されている。

0009

WO00/72876はWO/72880と実質的に同じ開示内容を有し、アミロイドフィブリル成分自体を用いる免疫化に関する。

0010

WO00/77178は、β−アミロイドの加水分解触媒するように設計された抗体、例えばフェニルアラニンスタチントランジション化合物Cys−Aβ10−25、スタチンPhe19−Phe20およびCys−Aβ10−25スタチンPhe20−Ala21の混合物に対して作成された抗体および、Phe19およびPhe20間に還元アミド結合を有するAβ10−25に対して作成された抗体を記載している。この文献は、Aβの隔離を記載しているが、このような隔離の証拠が与えられておらず、これは推測である。さらに、この文献は、抗体の投与が中枢神経系からのAβの流出を生じさせるか、プラーク形成を妨害するか、プラーク堆積を減少させるか、組織サンプル中、この抗体とAβ間の複合体を形成させるか、あるいは認識に影響するインビボの証拠を提供していない。

0011

Aβ代謝に関する一経路CNSから血漿への輸送を介するものであることが示された(Zlokovic, B. V., et al., Proc. Natl. Acad. Sci (USA) (1996) 93: 4229-4234; Ghersi-Egea, J-F., et al., J. Neurochem. (1996) 67: 880-883)。さらに、血漿中のAβが血液脳関門を横切って脳にはいることができることが示された(Zolkovic, B. V., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. (1993) 67: 1034-1040)。また、アルツハイマー疾患のAPPV717Fトランスジェニックマウスモデルにおいて、特定のポリクローナルおよびモノクローナルAβ抗体を投与するとアミロイドプラーク中のAβ堆積が減少することが示された(Bard, F., et al., Nature Med. (2000)6:916-919);しかしこれは、特定の抗Aβ抗体が血液脳関門を横切り、アミロイドプラークのミクログリア細胞による貪食を刺激したせいであると言われた。Bard の実験では、脳スライスエクスビボアッセイにより、外部から加えられたミクログリアとともに添加Aβ抗体が存在することがAβの貪食を誘導し、結果的にAβ堆積の除去を導くことが示された。

0012

CSFおよび血液中の可溶性Aβ40およびAβ42両者のレベルは、Aβ鎖に沿ったエピトープに対する抗体を用いる標準化されたアッセイにより容易に検出できる。このようなアッセイは例えば、米国特許5,766,846;5,837,672;および5,593,846中に報告されている。これらの特許は、Aβペプチドの中央ドメインに対するマウスモノクローナル抗体の作成を記載しており、これらは第16位および第17位まわりおよびこれらを含むエピトープを有することが報告された。N末端領域に対する抗体も同様に記載された。いくつかのモノクローナル抗体がAβペプチドの第13−28位と免疫反応することが示され;これらは第17−28位を表すペプチドと結合せず、したがって、引用特許によれば、これらの抗体の標的が第16−17位(α−セクレターゼ部位)を含むこの領域であることが確立された。Aβのアミノ酸13および28の間と結合することが既知である抗体には、マウス抗体266、4G8、および1C2がある。

0013

PCT出願US00/35681
米国第09/153,130号
WO00/72880
WO00/72876
WO00/77178
米国特許5,766,846
米国特許5,837,672
米国特許5,593,846
McLean, C. A., et al., Ann. Neurol. (1999) 46: 860-866
Lambert, M. P., et al. (1998) 95: 6448-6453
Naslund, J., J. Am. Med. Assoc. (2000) 283: 1571
Ghersi-Egea, J-F., et al., J. Neurochem. (1996) 67: 880-883
Zlokovic, B. V., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. (1993) 67: 1034-1040
Shibata M, et al., J. Clin, Invest. (2000) 106: 1489-1499
Kawarabayashi T, et al., J. Neurosci. (2001) 21: 372-381
Nitsch, R. M., et al., Ann. Neurol. (1995) 37: 512-518
Golde, T. E., et al., Biochem. Biophys. Acta. (2000) 1502: 172-187
Zlokovic, B. V., et al., Proc. Natl. Acad. Sci (USA) (1996) 93: 4229-4234
Bard, F., et al., Nature Med. (2000)6:916-919
Kabat "Sequences of Proteins of Immunological Interest" National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987 および 1991
Chothia, et al., J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987); Chothia, et al, Nature 342:878-883 (1989)
Queen, et al., op. cit., and Co, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88, 2869 (1991)
Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton PA, latest edition
Johnson-Wood, K.らによるProc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94: 1550-1555
Bales, K. R. らによるNature Genet (1997) 17: 263-264)
DeMattos, R. B.らによるJ. Biol. Chem. (1998) 273: 4206-4212
Sun, Y.らによるJ. Neurosci (1988) 18: 3261-3272
Bales, K. R. らによるNature Genet. (1977) 17: 263-264
J.-C.Dodartら、Behavioral Neuroscience,113(5)982-990(1999)
Levitt,M.,J.Mol.Biol.168:595-620(1983)
He,X.Y.ら、J.Immunol.160:029-1035(1998)
Co,M.S.ら、J.Immunol.148:1149-1154(1992)
Karlsson R.ら、J.Immunol.Methods145:229-240(1991)

発明が解決しようとする課題

0014

発明者らは、予期せず、24月齢半接合性トランスジェニックマウス(APPV717F)において、266抗体を投与すると、非常に迅速に、ほとんど完全に認識(物質記憶)が回復することを発見した。しかし、この抗体は、アルツハイマー疾患、ダウン症候群、およびAβペプチドに関連する他の症状の処置に有効であるために、抗体に必要とされると当技術分野で教示されている性質を有していない。さらに驚いたことに、Aβと第13位および第28位間で結合する抗体(266および4G8)が可溶型のAβを血液中のその結合、循環型から隔離でき、抗体266を末梢投与すると、比較的大量のAβペプチドがCNSから血漿内へ迅速に流出することが観察された。これは、Aβアミロイドプラーク堆積を減少させること、血液脳関門を任意に有意な程度にまで横切ること、プラークを修飾すること、細胞性機構を活性化させること、または凝集したAβに対して大きな親和力で結合することを必ずしも伴わずにさえ、可溶性Aβの変更されたクリアランス、プラーク形成の妨害、および、最も驚くべきことに、認識の改善を生じさせる。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、Aβが関与し得る疾患および症状、例えば臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的な脳性アミロイド血管障害において認識に正に影響するヒト化抗体またはその断片を提供する。この抗体またはその断片は血液脳関門を横切る必要がなく、アミロイドプラークを修飾する必要がなく、細胞応答を活性化する必要がなく、あるいは必ずしもアミロイドプラーク堆積を減少させることさえ必要がない。別の側面では、本発明は、Aβペプチドをその血中の結合、循環型から隔離し、中枢神経系および血漿中の可溶型および結合型Aβのクリアランスを変更するヒト化抗体およびその断片を提供する。別の側面では、本発明は、Aβ分子のアミノ酸13および28の間のエピトープに特異的に結合するヒト化抗体およびその断片を提供する。別の側面では、本発明は、CDRがマウスモノクローナル抗体266由来であるヒト化抗体およびその断片であって、およそマウス抗体の結合性質を保持し、マウス抗体と機能的に同等なインビトロおよびインビボ性質を有するもの(配列番号1〜配列番号6)を提供する。別の側面では、本発明は、可変領域がマウス抗体266由来のCDRおよび特定のヒトフレームワーク配列を含む配列(配列番号7〜配列番号10)を有するヒト化抗体およびその断片であって、およそマウス抗体の結合性質を保持し、マウス抗体266と機能的に同等なインビトロおよびインビボ性質を有するものを提供する。別の側面では、本発明は、軽鎖が配列番号11であり、重鎖が配列番号12であるヒト化抗体およびその断片を提供する。

0016

また本発明の一部分は、上に開示されるヒト化抗体またはその断片をコードするポリヌクレオチド配列、そのヒト化抗体またはその断片をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター、そのベクターで形質転換されたか、あるいはそのポリヌクレオチドを包含し、ヒト化抗体またはその断片を発現する宿主細胞、本明細書中に開示されるヒト化抗体およびその断片の医薬製剤、およびその作成および使用方法である。

0017

このようなヒト化抗体およびその断片はヒトにおけるAβの隔離;ヒトにおける脳内のAβプラークまたはAβ毒性によって特徴付けられる疾患および症状、例えばアルツハイマー疾患、ダウン症候群、および脳性アミロイド血管障害の処置および予防;ヒトにおけるこれらの疾患の診断;およびヒト被検体がAβに対するヒト抗体を用いる処置に応答するかどうかの測定に有用である。

0018

生物学的液中を循環するAβペプチドを隔離するために適当なヒト化抗体をインビボ投与することは、脳内のAβ含有散在、神経突起、および脳血管プラークの形成に関連する症状の予防的および治療的処置に有用である。その免疫学的反応性断片を含むヒト化抗体は、プラークが形成可能であるか、あるいは毒性となり得る部位へ、およびその部位から、体液内においてそれを輸送するのに、通常重要であるだろう高分子複合体からのAβペプチドの除去を生じさせる。さらに、抗体またはその断片を用いて血漿Aβペプチドを隔離すると、「シンク(sink)」としてふるまい、血漿コンパートメント内で有効に可溶性Aβペプチドを隔離し、Aβが中枢神経系(CNS)中の位置から血漿にはいるのを導く。血中のAβを隔離することにより、脳からの正味の流出が高められ、可溶性Aβが不溶性プラーク内に堆積することおよび脳内で毒性の可溶性種を形成するのを防ぐ。さらに、可溶性Aβと平衡しているプラーク中の不溶性Aβを、血中の隔離作用を介して脳から除去することができる。Aβペプチドを抗体で隔離することはまた、その身体からの除去を高め、脳内における可溶性Aβの毒性作用阻害し、プラーク中アミロイドとしての不溶性Aβの発達およびさらなる蓄積を阻害する。本発明において有用な抗体は血液脳関門を大量に横切らない(<0.1%血漿レベル)。さらに、本発明で用いられるヒト化抗体は、末梢的に投与される場合、Aβペプチドと結合したとき、あるいは遊離して循環しているとき、その有益な作用を有するために脳内の細胞性免疫応答を導き出す必要がない。さらに、末梢的に投与される場合、これらは、その有益な作用を有するために、脳内の凝集Aβペプチドとはっきり感知できるほどに結合する必要がない。

0019

したがって、一側面では、本発明は、ヒトにおけるβ−アミロイドタンパク質を含有するプラークの形成を特徴とする症状の処置方法および予防方法であって、その処置を必要としているヒトに、Aβペプチドの中間領域に特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体または免疫学的に反応性であるその断片の治療的または予防的有効量を好ましくは末梢的に投与することを含む方法に関する。別の側面では、本発明は、ヒトにおけるアミロイドプラーク形成の阻害方法およびアミロイドプラークのクリアランス方法であって、その阻害を必要としているヒト被検体に、Aβペプチドをその血中の循環型から隔離し、脳からの流出ならびに血漿および脳中の変化したAβクリアランスを導くヒト化抗体の有効量を投与することを含む方法に関する。さらなる側面では、本発明は、その免疫学的に有効な部分を含む、そのようなヒト化抗体およびその製造方法に関する。

0020

本発明はまた、臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患、ダウン症候群、または臨床的または前臨床的な脳性アミロイド血管障害であると診断された被検体における認識減退を逆転させる方法、認識を改善させる方法、認識減退を処置する方法、および認識減退を予防する方法であって、被検体に本発明のヒト化抗体の有効量を投与することを含む方法を含む。

0021

本発明はまた、ヒトにおいて、アルツハイマー疾患、ダウン症候群、または脳性アミロイド血管障害を処置し、予防し、あるいは逆転させるための;臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患、ダウン症候群、または臨床的または前臨床的な脳性アミロイド血管障害における認識減退を処置し、予防し、あるいは逆転させるための;またはアミロイドプラーク形成または毒性の可溶性Aβ種の作用を阻害するための、ヒト組織中の抗体または抗体断片組換え配列延長された発現を含む、薬物の製造のための本発明のヒト化抗体の使用に関する。

0022

本発明は、本発明の抗体の投与後短い時間の間、比較的大量のAβが中枢神経系から血液へ流出するという驚くべき発見に関する。したがって本発明は、Aβまたはその断片と結合する抗体を用いる処置に対するヒト被検体の応答を評価する方法であって、a)抗体またはその断片を被検体に投与し;ならびにb)被検体血液中のAβ濃度を測定することを含む方法を含む。

0023

本発明はまた、Aβまたはその断片と結合する抗体を用いてヒト被検体を処置する方法であって、a)第一の量の抗体またはその断片を被検体に投与し;b)第一用量の投与後3時間〜2週間のうちに被検体血液中のAβ濃度を測定し;c)必要であれば、工程b)の結果に基づいて抗体またはその断片の第二の量を計算し、ここに第二の量は第一の量と同じであるか、あるいは異なっており;ならびにd)第二の量の抗体または断片を投与することを含む方法を含む。

0024

本発明はまた、ヒト被検体において、Aβアミロイドプラーク形成を阻害または予防するための、Aβアミロイドプラークを減少させるための、毒性の可溶性Aβ種の作用を減少させるための、またはAβプラークと関連する症状または疾患を処置するための、Aβに結合する抗体またはその断片の効力を評価する方法であって、a)被検体血漿またはCSFの第一のサンプルを得;b)第一サンプル中のAβのベースライン濃度を測定し;c)抗体またはその断片を被検体に投与し;d)抗体またはその断片の投与後3時間〜2週間のうちに、被検体血漿またはCSFの第二のサンプルを得;ならびにe)第二のサンプル中のAβの濃度を測定することを含む方法を含む。ここに効力は血液中で抗体に結合したAβ量およびCSF中のAβ濃度と関連する。

0025

本発明の実施の様式
ヒト生物学的液中を循環するAβペプチドは、染色体21上にコードされる前駆体タンパク質のカルボキシ末端領域である。インビトロ実験の結果から、Aβペプチドは、細胞の脂質膜にその長い前駆体をアンカーする領域の一部分である一連疎水性アミノ酸を含有するために、生理学溶液中で低い溶解性しか有さないことが報告された。したがって、循環Aβペプチドが通常、その凝集を防ぐ他の部分と複合体化していることは驚くべきことではない。これは生物学的液中の循環Aβペプチドの検出を困難にしてきた。

0026

上記特許文献(米国特許5,766,846;5,837,672および5,593,846)は、Aβペプチドのアミノ酸13−28を含むペプチドに対して作成され、これに特異的に結合することが示されたクローン266と称される抗体(モノクローナル抗体を含む)の製造を記載している。本発明者らは、この領域の範囲内と結合する抗体が、Aβのアミノ酸配列の他の部分と結合する抗体とは対照的に、可溶性Aβペプチドを高分子複合体から非常に効率的に隔離できることを発見した。この隔離はCNSからの正味のAβペプチド流出を生じさせ、CNSおよび血漿中のそのクリアランスを変更し、プラーク形成のアベイラビリティーを減少させる。したがって、ヒト化型に変換することによってその免疫原性を減少させるよう修飾されたこの特異性を有する抗体は、ベータ−アミロイドプラークの形成と関連する症状を予防的および治療的に処置する機会を提供する。これらの症状には、上記のように、前臨床的および臨床的なアルツハイマー、ダウン症候群、および前臨床的および臨床的な脳性アミロイド血管障害が含まれる。

0027

本明細書中で用いられる用語「処置」には、処置される症状がすでに存在することが既知である治療処置、ならびに予防−すなわち可能性ある未来の症状の開始の予防または緩和が含まれる。

0028

「Aβペプチドの中間領域に結合するモノクローナル抗体」とは、Aβの第13位から第28位間に含有されるエピトープを表すアミノ酸配列と結合するモノクローナル抗体(MabまたはMabs)を意味する。全領域が標的化される必要はない。抗体がこの領域内の少なくとも1エピトープ(特に、例えばα−セクレターゼ部位16−17または抗体266が結合する部位を含む)と結合する限り、このような抗体は本発明の方法において有効である。

0029

「抗体」とは、本質的にモノクローナル抗体または免疫学的に有効なその断片、例えばそのFab、Fab'、またはF(ab')2断片を意味する。本明細書中、いくつかの関連では、強調のために断片が具体的に記載される;しかし、断片が特定されるかどうかにかかわらず、用語「抗体」にはこのような断片ならびに単一鎖型が含まれることが理解されよう。タンパク質が意図される標的に結合する特異的能力、そしてこの場合、血液中でAβペプチドをその担体タンパク質から隔離する能力を保持している限り、用語「抗体」内に含まれる。また、定義「抗体」内に含まれるものは、例えば、この特異性を有する抗体の、単一鎖型、一般にはFv領域と称されるものである。ヒト化型に変換するために、適当な特異性を有する、典型的にはマウスまたは他の非ヒト抗体の操作が必要とされるため、必ずしもそうではないが、好ましくは、本発明において有用な抗体は組換え的に作成されたものである。抗体はグリコシル化されていてもいなくてもよいが、グリコシル化された抗体が好ましい。抗体は周知のように、ジスルフィド結合を介して適正に架橋されている。

0030

基本的な抗体の構造単位テトラマーを含むことが既知である。各テトラマーは2つの同一対のポリペプチド鎖から構成され、各対は1「軽」鎖(約25kDa)および1「重」鎖(約50−70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主に担う約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分はエフェクター機能を主に担う定常領域を規定する。

0031

軽鎖はガンマミューアルファ、およびラムダとして分類される。重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、それぞれ抗体のイソ型、IgG、IgMIgAIgDおよびIgEを規定する。軽鎖および重鎖のうち、可変領域および定常領域は約12またはそれ以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた、約10またはそれ以上のアミノ酸の「D」領域を含んでいる。

0032

各軽/重鎖対の可変領域は抗体の結合部位を形成する。したがって、無傷の抗体は2結合部位を有する。鎖はすべて、相補性決定領域またはCDRsと称される3つの超可変領域と連結された比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同一の全体構造を示す。各対の2つの鎖由来のCDRsはフレームワーク領域によって向きを調節され、特定のエピトープと結合することが可能にされている。N末端からC末端で、軽鎖および重鎖はともに、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。アミノ酸の各ドメインへの割り当ては周知の慣例にしたがうものである[Kabat "Sequences of Proteins of Immunological Interest" National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987 および 1991; Chothia, et al., J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987); Chothia, et al, Nature 342:878-883 (1989)]。

0033

当分野でよく理解されているように、哺乳類を免疫化し、該哺乳類の抗体産生細胞由来のハイブリドーマを形成させ、またはそれを不死化し、ならびにハイブリドーマまたは不死化細胞を培養し、その適当な特異性に関して評価する標準的技術によって適当な特異性を有するモノクローナル抗体を容易に作成できる。この場合、このような抗体は、ヒト、ウサギラットまたはマウスを例えばAβペプチドの13−28領域を含むエピトープを表すペプチドまたはその適当なサブ領域を用いて免疫化することにより作成できる。組換え操作に関する材料は、所望の抗体を産生するハイブリドーマまたは他の細胞から所望の抗体をコードするヌクレオチド配列回収することによって得ることができる。これらのヌクレオチド配列は次いでヒト化型の抗体を提供するために操作することができる。

0034

「ヒト化抗体」とは、非ヒト相補性決定領域(CDR)を有する抗体の配列を変更することによって、ヒト抗体生殖系列由来のアミノ酸配列から部分的に、あるいは全体的に構成される抗体を意味する。最もシンプルなこのような変更は単に、マウス定常領域をヒト抗体の定常領域で置換し、したがって、医薬的使用に関して許容されるほど十分に低い免疫原性を有し得るヒト/マウスキメラを作成することからなるものであり得る。しかし、好ましくは、抗体の可変領域およびCDRでさえもまた、現在までに当分野に周知である技術によってヒト化される。可変領域のフレームワーク領域は対応するヒトフレームワーク領域によって置換され、非ヒトCDRは実質的に無傷のままであるか、あるいはそのCDRはヒトゲノム由来の配列で置換されることさえある。完全なヒト抗体は、免疫系がヒト免疫系に対応するように変更された遺伝的に修飾されたマウス内で生産される。上記のように、単一鎖型である断片を含む、抗体の免疫学的に特定の断片を用いれば、本発明の方法における使用に関しては十分である。

0035

ヒト化抗体とはさらに、ヒトフレームワーク、少なくとも1つの非ヒト抗体由来CDRを含み、存在する任意の定常領域がヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、すなわち少なくとも約85−90%、好ましくは少なくとも95%同一であるものを表す。したがって、可能性としてはCDRを除いて、ヒト化抗体のすべての部分は1またはそれ以上の天然のヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。例えば、ヒト化免疫グロブリンは典型的にはキメラマウス可変領域/ヒト定常領域抗体を含まないだろう。

0036

ヒト化抗体は、ヒト治療における使用に関して、非ヒトおよびキメラ抗体と比べて少なくとも3つの潜在的な利点を有する:
1)エフェクター部分がヒトであるから、ヒト免疫系の他の部分とより首尾良く相互作用することができる(例えば、補体依存性細胞障害性(CDC)または抗体依存性細胞障害性ADCC)によってより効率的に標的細胞破壊する)。
2)ヒト免疫系は、ヒト化抗体のフレームワークまたはC領域外来物として認識しないはずであり、したがってこのような注入抗体に対する抗体応答は完全に外来の非ヒト抗体または部分的に外来のキメラ抗体に対するものより低くなるはずである。
3)注入非ヒト抗体はヒト循環系においてヒト抗体の半減期よりもずっと短い半減期を有することが報告された。注入ヒト化抗体は天然に存在するヒト抗体と本質的に同一の半減期を有し、投与量および頻度をより少なくできるだろう。

0037

ヒト化免疫グロブリンの設計は、以下のように行うことができる。アミノ酸が以下のカテゴリーに含まれる場合、用いられるヒト免疫グロブリン(アクセプター免疫グロブリン)のフレームワークアミノ酸はCDR提供非ヒト免疫グロブリン(ドナー免疫グロブリン)由来のフレームワークアミノ酸で置換される:
(a)アクセプター免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域中のアミノ酸はその部位のヒト免疫グロブリンに関して通常でないが、ドナー免疫グロブリン中の対応するアミノ酸はその部位のヒト免疫グロブリンに関して典型的である;
(b)このアミノ酸の位置がCDRの1つのすぐ隣であるか;あるいは、
(c)フレームワークの任意の側鎖原子が、三次元免グロブリンモデル中、CDRアミノ酸の任意の原子の約5−6オングストローム(中心から中心)内である[Queen, et al., op. cit., and Co, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88, 2869 (1991)]。アクセプター免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域中の各アミノ酸およびドナー免疫グロブリン中の対応するアミノ酸がその位置のヒト免疫グロブリンに関して通常でない場合、このようなアミノ酸はその位置のヒト免疫グロブリンに関して典型的なアミノ酸によって置換される。

0038

好ましいヒト化抗体はマウス抗体266のヒト化型である。ヒト化266のCDRsは以下のアミノ酸配列を有する:
軽鎖CDR1:



軽鎖CDR2:



軽鎖CDR3:



重鎖CDR1:



重鎖CDR2:



および重鎖CDR3:

0039

本発明のヒト化抗体の好ましい軽鎖可変領域は、以下のアミノ酸配列を有し、そのフレームワークはヒト生殖系列VkセグメントDPK18およびJセグメントJk1起源であり、同一ヒトVサブグループ内のコンセンサスアミノ酸へのいくつかのアミノ酸置換を有し、潜在的免疫原性が減少している:



式中:
第2位のXaaはValまたはIleであり;
第7位のXaaはSerまたはThrであり;
第14位のXaaはThrまたはSerであり;
第15位のXaaはLeuまたはProであり;
第30位のXaaはIleまたはValであり;
第50位のXaaはArg、Gln、またはLysであり;
第88位のXaaはValまたはLeuであり;
第105位のXaaはGlnまたはGlyであり;
第108位のXaaはLysまたはArgであり;ならびに、
第109位のXaaはValまたはLeuである。

0040

本発明のヒト化抗体の好ましい重鎖可変領域は以下のアミノ酸配列を有し、そのフレームワークはヒト生殖系列VHセグメントDP53およびJセグメントJH4を起源とし、同一ヒトサブグループ内のコンセンサスアミノ酸へのいくつかのアミノ酸置換を有し、潜在的免疫原性が減少している:



式中:
第1位のXaaはGluまたはGlnであり;
第7位のXaaはSerまたはLeuであり;
第46位のXaaはGlu、Val、Asp、またはSerであり;
第63位のXaaはThrまたはSerであり;
第75位のXaaはAla、Ser、Val、またはThrであり;
第76位のXaaはLysまたはArgであり;
第89位のXaaはGluまたはAspであり;ならびに、
第107位のXaaはLeuまたはThrである。

0041

本発明のヒト化抗体の特に好ましい軽鎖可変領域は以下のアミノ酸配列を有し、そのフレームワークはヒト生殖系列VkセグメントDPK18およびJセグメントJk1起源であり、同一ヒトVサブグループ内のコンセンサスアミノ酸へのいくつかのアミノ酸置換を有し、潜在的免疫原性が減少している:



0042

本発明のヒト化抗体の特に好ましい重鎖可変領域は以下のアミノ酸配列を有し、そのフレームワークはヒト生殖系列VHセグメントDP53およびJセグメントJH4起源である;



0043

本発明のヒト化抗体に関する好ましい軽鎖は以下のアミノ酸配列を有する:



0044

本発明のヒト化抗体の好ましい重鎖は以下のアミノ酸配列を有する:






0045

本発明のヒト化抗体およびヒト化266に関する軽鎖および重鎖に関して他の配列が可能である。この免疫グロブリンは二対の軽酸/重鎖複合体を有することができ、少なくとも一鎖は1またはそれ以上のマウス相補性決定領域を含み、これはヒトフレームワーク領域セグメントに機能的に連結されている。

0046

別の側面では、本発明は、発現時に、本発明の抗体由来の重鎖および軽鎖CDRsを含む抗体をコードする組換えポリヌクレオチドに関する。ヒトフレームワーク領域に関して、CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンのフレームワークまたは可変領域のアミノ酸配列がヒト免疫グロブリン可変領域配列コレクション中の対応する配列と比較され、高いパーセンテージの同一アミノ酸を有する配列が選択される。発現時にモノクローナル抗体266の重鎖および軽鎖CDRsを含むポリペプチド鎖をコードするポリヌクレオチドの例を、図4および5に挙げる。コドン縮重および決定的ではないアミノ酸置換のせいで、他のポリヌクレオチド配列が容易にそれらの配列の代わりになる。特に好ましい本発明のポリヌクレオチドは、発現時に、配列番号1〜配列番号6、または配列番号7〜配列番号10の可変領域のいずれか、または配列番号11および配列番号12の軽鎖および重鎖を含む抗体をコードするものである。

0047

ポリヌクレオチドは、典型的には、天然に付随するか、あるいは異種プロモーター領域を含む、ヒト化免疫グロブリンをコードする配列に作動可能に連結された発現制御ポリヌクレオチド配列をさらに含む。好ましくは発現制御配列真核生物宿主細胞の形質転換またはトランスフェクトを可能にするベクター中の真核生物プロモーター系であるが、原核生物宿主に関する制御配列もまた使用できる。このベクターを適当な宿主セルラインへ包含させた後、この宿主細胞を、このヌクレオチド配列の高レベル発現に適する条件下で増殖させ、所望であれば、軽鎖、重鎖、軽/重鎖二量体または無傷の抗体、結合性断片または他の免疫グロブリン型の収集および精製を行ってもよい。

0048

最終的に所望のヒト化抗体を発現可能な本発明のヌクレオチド配列は、種々の異なるポリペプチドゲノム性またはcDNA、RNA、合成オリゴヌクレオチドなど)および成分(例えば、V、J、D、およびC領域)から、ならびに種々の異なる技術によって形成させることができる。適当なゲノムおよび合成配列の連結が一般的作成方法であるが、cDNA配列を用いてもよい。

0049

ヒト定常領域DNA配列は、周知の手法にしたがって種々のヒト細胞から単離できるが、好ましくは不死化されたB細胞から単離する。本発明の免疫グロブリンを作成するためのCDRsは同様に、Aβペプチドのアミノ酸13および28間のエピトープに結合可能な非ヒトモノクローナル抗体由来であり、このモノクローナル抗体は任意の都合よい哺乳類ソース、例えばマウス、ラット、ウサギ、または上記周知の方法によって抗体を作成可能な他の脊椎動物において作成されたものである。免疫グロブリン発現および分泌についてポリヌクレオチド配列および宿主細胞に関する適当なソースは当分野に周知の多数のソースから得ることができる。

0050

本明細書中に具体的に記載されているヒト化免疫グロブリンに加えて、他の「実質的に相同な」修飾免疫グロブリンを容易に設計でき、当業者に周知の種々の組換えDNA技術を用いて製造できる。例えば、フレームワーク領域は一次構造レベルでいくつかのアミノ酸置換、末端および中間の付加および欠失などにより天然配列から変化し得るものである。さらに、種々の異なるヒトフレームワーク領域を、本発明のヒト化免疫グロブリンに関する基礎として、単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。一般に、この遺伝子の修飾は、種々の周知の技術、例えばサイトダイレクト突然変異誘発によって容易に達成することができる。

0051

別法では、プライマリーな抗体構造の一部分のみを含むポリペプチド断片を作成することができ、この断片は1またはそれ以上の免疫グロブリン活性(例えば補体固定活性)を有する。これらのポリペプチド断片は、当分野に周知の方法により無傷の抗体をタンパク質分解することによって、あるいはサイトダイレクト突然変異誘発を用いてベクター中の所望の位置に終止コドンを挿入することによって作成(例えばCH1の後ろに挿入してFab断片を作成またはヒンジ領域の後ろに挿入してF(ab')2断片を作成)することができる。単一鎖抗体DNAリンカーを用いてVLおよびVHを連結することによって作成することができる。

0052

以前に述べたように、コード化ヌクレオチド配列は発現制御配列に作動可能に連結(すなわち、確実に機能する位置に配置)された後、宿主内で発現される。これらの発現ベクターは典型的に、宿主生物内において、エピソマーとしてか、あるいは宿主染色体DNAの組込み部分として複製可能である。一般に、発現ベクターは選択マーカー、例えばテトラサイクリンまたはネオマイシンを含有し、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にする。

0053

大腸菌は、本発明のポリヌクレオチドのクローニングに特に有用な原核生物宿主である。使用に適する他の微生物宿主には、桿菌(bacilli)、例えば枯草菌(Bacillus subtilus)、および他の腸内細菌科、例えばサルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、および種々のシュードモナス種(Pseudomonas species)が含まれる。これらの原核生物宿主では、典型的に、宿主細胞と両立可能な発現制御配列(例えば複製起点)を含有する発現ベクターを作成できる。さらに、多数の周知のプロモーター系、例えばラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、ベータ−ラクタマーゼプロモーター系、またはファージラムダ由来のプロモーター系のいずれかが存在してもよい。プロモーターは典型的に、場合によりオペレーター配列を伴って発現を制御し、転写および翻訳を開始および完了させるために、リボソーム結合部位配列などを有する。

0054

他の微生物、例えば酵母もまた、発現用に用いることができる。酵母菌(Saccharomyces)は、発現制御配列、例えばプロモーター(3−ホスホグリセラートキナーゼまたは他の糖分解酵素を含む)、および複製起点、終結配列など所望のものを有する適当なベクターを用いて好ましい宿主となる。

0055

微生物に加えて、哺乳類組織細胞培養を用いて、本発明のポリペプチドを発現および作成してもよい。真核生物細胞は、無傷の免疫グロブリンを分泌可能な多数の適当な宿主セルラインが当分野で開発されたため、実際に好ましく、これには、CHOセルライン、種々のCOSセルライン、シリアンハムスター卵巣セルライン、HeLa細胞、好ましくは骨髄腫セルライン、形質転換B細胞、ヒト胎児腎臓セルライン、またはハイブリドーマが含まれる。これらの細胞に関する発現ベクターには、発現制御配列、例えば複製起点、プロモーター、エンハンサー、および必要なプロセッシング情報部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位ポリアデニル化部位、および転写終結配列が含まれ得る。好ましい発現制御配列は、免疫グロブリン遺伝子SV40アデノウイルスウシ乳頭腫ウイルスサイトメガロウイルスなど由来のプロモーターである。

0056

目的のヌクレオチド配列(例えば重鎖および軽鎖をコードする配列および発現制御配列)を含むベクターは、細胞性宿主のタイプに応じて変化する周知の方法によって宿主細胞内にトランスファーすることができる。例えば塩化カルシウムトランスフェクションは一般に原核生物細胞に関して用いられ、リン酸カルシウム処理またはエレクトロポレーションは他の細胞性宿主に関して用いることができる。

0057

発現時、本発明の完全抗体、その二量体、個々の軽鎖および重鎖、または免疫グロブリン型は、硫酸アンモニウム沈殿イオン交換アフィニティー逆相疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーゲル電気泳動などを含む当分野の標準的手法にしたがって精製できる。少なくとも約90〜95%均一性を有する実質的に純粋な免疫グロブリンが好ましく、98〜99%またはそれ以上の均一性を有するものが医薬用途には最も好ましい。所望により部分的に、あるいは均一にまで精製した後、このポリペプチドは、本明細書中に示されるように、治療的または予防的に用いることができる。

0058

Aβに関連する徴候または病態、例えば臨床的または前臨床的なアルツハイマー疾患、ダウン症候群、または臨床的または前臨床的なアミロイド血管障害を示す危険性を有する被検体に、標準的投与技術を、静脈内、腹腔内、皮下、肺性経皮筋肉内、鼻腔内、頬側下、または坐剤投与により好ましくは末梢的に(すなわち中枢神経系への投与によってではなく)用いて、抗体(免疫学的な反応性断片を含む)を投与する。抗体は心室系、脊髄液、または脳実質に直接投与することができ、これらの位置に向ける技術は当分野に周知であるが、これらのより困難な手法を用いる必要はない。本発明の抗体は、末梢循環系に依存するよりシンプルな技術によって投与された場合に有効である。本発明の利点には、中枢神経系そのものに直接提供されない場合でさえ、その有効な効果を発揮する抗体の能力が含まれる。実際、本明細書中には、血液−脳関門を横切る抗体の量が血漿レベルの<0.1%であること、および本発明の抗体が、末梢循環中のAβを隔離し、ならびにCNSおよび血漿可溶性Aβクリアランスを変更するその能力を発揮することが示されている。

0059

投与用医薬組成物は選択される投与様式に適当であるように設計され、製薬的に許容される賦形剤、例えば分散剤バッファー界面活性剤保存剤可溶化剤等張剤、安定化剤などが適当に用いられる。引用により本明細書中に包含される Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton PA, latest edition は、概して当業者に既知の製剤化技術の概論を提供する。例えばリポソーム内カプセル化するか、あるいは極性基を保護することによって本発明の抗体の可溶性を変更し、それらをよりに親油性にすることは特に有用であるかもしれない。

0060

静脈内または腹腔内または皮下注射による末梢全身性デリバリーが好ましい。このような注射に関する適当なビヒクルは簡単なものである。しかし、さらに鼻腔エアロゾルまたは坐剤を用いて、粘膜を介して投与することもできる。このような投与様式に適当な製剤は周知であり、典型的には膜を横切る移動を促進する界面活性剤を含む。このような界面活性剤はしばしばステロイド由来であり、あるいはカチオン性脂質、例えばN−[1−(2,3−ジオレオイル)プロピル−N,N,N−トリエチルアンモニウムクロライドDOTMA)または種々の化合物、例えばコレステロールヘミスクシナートホスファチジルグリセロールなどである。

0061

選択される特定の投与様式にしたがって、製剤中のヒト化抗体の濃度は、少なくて約0.1重量%〜多くて15または20重量%であり、主に液体容量、粘度などに基づいて選択される。したがって、典型的な注射用医薬組成物は、リン酸緩衝塩類溶液の1mL滅菌緩衝水および本発明のヒト化抗体1〜100mgを含有して構成され得る。この製剤は、製剤の作成後に滅菌ろ過するか、あるいは微生物学的に許容されるものにすることができる。典型的な静脈内注入組成物は、250mL量の液体、例えば滅菌リンガー溶液、および1〜100mg/mLまたはそれ以上の抗体濃度を有し得る。本発明の治療剤保存用凍結あるいは凍結乾燥することができ、使用前に適当な滅菌担体中に再組成することができる。凍結乾燥および再組成は、抗体活性喪失の程度を変化させ得る(例えば慣用的免疫グロブリンでは、IgM抗体IgG抗体より大きな活性喪失を示す傾向がある)。用量を調節して埋め合わせる必要があるだろう。製剤のpHは、抗体の安定性化学的および物理的)および投与時の患者に対する苦痛のなさのバランスをとって択される。一般に、4〜8の範囲のpHが寛容される。

0062

タンパク質、例えばヒト化抗体の投与には、前記方法が最も都合がよく、最も適当であると思われるが、適当な適合化により、適正な製剤されれば、他の投与技術、例えば経皮投与および経口投与を用いることができる。

0063

さらに、生物分解性フィルムおよびマトリクス、または浸透性ミニポンプ、またはデキストランビーズアルギナート、またはコラーゲンに基づくデリバリー系を利用する制御放出製剤を用いるのが望ましいこともある。

0064

まとめると、製剤は、本発明の抗体の投与に利用可能であり、当分野に周知であり、種々のオプションから選択することができる。

0065

典型的な投与量は、標準的臨床技術を用いて最適化することができ、これは投与の様式および患者の症状に応じる。

0066

以下の実施例は本発明を制限するためのものではなく、例示するためのものである。

0067

本明細書中以下の実施例は、他のもののうち、元々、ヒトAβペプチドの残基13−28から構成されるペプチドを用いる免疫化によって製造された「266」と称されるマウスモノクローナル抗体を用いる。この抗体はこのペプチドと免疫反応することが確認されているが、ヒトAβペプチドの残基17−28のみを含有するペプチド、またはAβペプチド内の任意の他のエピトープにおいては反応しないことが以前に報告されている。この抗体の製造は、引用により本明細書中に包含される米国特許5,766,846に記載されている。本明細書中の実施例はマウス系において行われた実験を記載しているので、マウスモノクローナル抗体の使用で十分である。しかし、ヒトにおける使用を意図される本発明の処置方法では、抗体266の免疫特異性に対応する免疫特異性を有するヒト化型の抗体が好ましい。

0068

実施例1
ヒト体液における添加されたAβペプチドの隔離
ヒトの脳脊髄液(CSF)(50μL)およびヒト血漿(50μL)の試料を室温で1時間インキュベートした。該インキュベートは、
1.単独で;
2.Aβ40ペプチド(5ng)と一緒に;または
3.Aβ40ペプチド(5ng)をモノクローナル抗体266(1mg)(例えば、米国特許第5,766,846号(これは本明細書の一部を構成する)に記載されている)と一緒に;
行なった。

0069

次いで、該試料を4〜25%の非変性勾配ゲル(すなわち、非変性勾配電気泳動(NDGGE))を用いて電気泳動を行ない、ニトロセルロース移行した。次いで、該ブロットをポニソー(Poncesu)Sを用いて染色するか、またはウェスタンブロッティング分析の場合には、ビオチン標識化したモノクローナル抗体(3D6)(このものは、Aβペプチドの最初の5つのアミノ酸に関する)を用いてプローブし、ストレプトアビジンホースディシュペルオキシダーゼを用いて展開して増幅化学ルミネセンスECL)を用いて検出した。該ブロット上のバンドに含まれる物質の水和直径を、ファルマシア分子量マーカーを用いて見積った。従って、Aβペプチドが他の分子と結合する場合には、得られた複合体のサイズについて実験する。

0070

Aβペプチド(5ng)のあるなしでのCSFのウェスタンブロッティング分析は、抗体3D6によって媒介される検出ヘの応答ではAβペプチドの証拠は全くないことを示す。同様な結果は、ヒト血漿の場合にも得られる。このことは、AβペプチドをSDS−PAGEによって検出し、続いて同じ方法および同じCSF試料を用いたウェスタンブロッティング分析によって検出することができるという事実にも関わらず、このことは本当であった。恐らく、Aβペプチドの検出はこのペプチドと該試験液中の他の因子との相互作用によって抑制されたのであろう。しかしながら、Mb266を該インキュベートに加えた場合には、該抗体と複合形成する隔離Aβペプチドを示す特性バンドが、血漿およびCSFの両方の場合に存在する。主なバンドは約11nmの水和直径(このものは抗体二量体に対応する)と更に小さいバンド(13nm)(これは、抗体の単量体に相当する)である。

0071

実施例2
隔離抗体の特異性
ヒトCSF(50μL)またはAPPV717FCSF(10μL)を含有する試料を使用した。APPV717Fは、アルツハイマー疾患のマウスモデルであるトランスジェニックなマウスである。ここでは、家族性アルツハイマー疾患突然変異を有するヒトアミロイド前駆体タンパク質トランスジーンを発現し、中枢神経系においてヒトAβペプチドの産生を生じる。

0072

該試料を、実施例1に記載の通り、様々なMabs(1μg)のあるなしで室温で1時間インキュベートし、次いで4〜25%NDGGE上で電気泳動を行ない、ニトロセルロース上にブロットした。該抗体は、
Mab 266(13〜28位と結合)
Mab 4G8(17〜24位と結合)
QCパン(1〜40位のウサギポリクローナル)
マウスIgG(非特異的)
Mab 3D6(1〜5位で結合する)
Mab 21F12(33〜42位と結合する)
Mab 6E10(1〜17位と結合する)及び
QCB40、42(Aβ40およびAβ42に対するウサギポリクローナル)
である。

0073

Aβペプチド抗体複合体の検出は、実施例1に記載に通りであった。すなわち、標識化した3D6(このものは、AβペプチドN−末端に対する)を行ない、続いてストレプトアビジン−HRPおよびECLを行なった。Mab 266(3D6の場合には、例えばAβペプチドのカルボキシル末端と結合するQCB40,42に代える)と一緒にインキュベートしたヒトCSFにおいて、同様な検出を行なった。

0074

該結果は、試験抗体においてMab 4G8およびMab 266だけがAβペプチドの検出を可能にすることを示した。

0075

該結果は、ヒトCSFの場合には、検出可能な量の抗体Aβ複合体においてMab 266およびMab 4G8だけを分離することができることを示した(ここで、いずれの抗体も存在しない場合には、Aβは全く検出されない)。Mab 266は、APPV717Fトランスジェニックマウス由来のCSFを用いた場合には、ヒトCSFを用いた場合に得られる結果と同様な結果を与えることもできた。3D6またはQCB40,42抗体のいずれをウェスタンブロッティング分析を開発するのに使用するかに関わらず、AβペプチドはMab 266を用いてヒトCSF中で分離することができた。

0076

実施例3
次元電気泳動による、Aβペプチドと266との複合体の隔離
Aβ40ペプチド(50ng)を含有する試料を、Mab 266(2μg)と一緒に37℃で3時間インキュベートした。Mab 266単独での相当するインキュベートしたものを、コントロールとして使用した。

0077

次いで、試料について2次元ゲル電気泳動を行なった。

0078

番目次元において、該インキュベートした試料について実施例1に記載に通り、NDGGE分析を行なった。次いで、該ポリアクリルアミドゲルを1番目の次元のフローの方向に垂直な個々のレーンに切断し、SDS−PAGE(トリシン(Tricine)ウレアゲル)による変性還元条件下でゲル分離を2番目の次元において行なった。該バンドの存在は、ポンス−S染色(いずれかのタンパク質)によるか、またはHRP−ベースの検出システムにおける6E10 Mab(セネテック(Senetec社)製)およびビオチン標識化した抗−マウスAβを用いた特定の開発によって検出した。

0079

移行後のニトロセルロースブロッティングのポンス−S染色により、Mab 266のみの重鎖および軽鎖の視覚化が可能になった。Aβペプチドが4kDのバンドとしてのMab 266との複合体に存在することを確認し、1次元のNDGGE後に完全鎖Mab 266のサイズを有する配列が観察された。

0080

実施例4
非等価な結合および隔離の実証
血漿およびCSF中を循環するAβペプチドはアポリタンパク質Eを含めたタンパク質との複合体中に含まれると考えられる。本実施例は、アポEについての抗体(このものは、複合体と結合することができる)が該複合体の残りからアポEを分離することができないことを実証する。

0081

アポE複合体(500ng)を、MabまたはアポEについてのポリクローナル抗体(2μg)と37℃で1時間インキュベートした。次いで、該インキュベートした試料について、実施例1に記載の方法を用いるNDGGEを行なった。NDGGE後に、ウェスタンブロッティング法を、アフィニティー精製したヤギ抗−アポE抗体を用いて行ない、ECLによる検出を行なった。抗体が存在しない場合には、アポEを8〜13nmで検出することができ、このことはリポタンパク質粒子中にそのものが存在することと一致する。アポEについてのモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体が存在することにより、アポEのより大きな分子種ヘの集団シフト、「スーパーシフト」を生じる。このことは、アポEについての抗体が分離されず、すなわちリポタンパク質粒子からアポEが除かれず、むしろそれらはリポタンパク質上でアポEと結合してより大きな分子種を形成することを示す。

0082

実施例5
Aβの分離は、抗−アポE抗体によって撹乱されない
ヒトCSF(100μL)の試料をMab 266単独であるか、ポリクローナル抗−アポEと一緒であるか、または両方の抗体と一緒に37℃で60分間インキュベートを行なった。次いで、該試料を実施例1に記載の通り、NDGGEによって分析して、該バンドの検出を実施例1に記載の通り行なった。

0083

該結果は、Mab 266を該試料に添加する限り、分離された266−Aβペプチド複合体に特徴的な約11nm直径でのバンドは見ることができることを示す。このことは、抗−アポEが存在するかどうかという場合である。分離されたAβを示すこのバンドは、Aβペプチド(50ng)をMab 266の存在下でのインキュベート混合物に加える場合にも見られる。従って、抗−アポE抗体の存在によるアポEの分子量の変化は、Mab 266によるAβペプチドの隔離を妨害しない。

0084

実施例6
インビボでのAβペプチドの隔離
A.トランスジェニックなAPPV717Fマウス(これは、PDAPPマウスとも呼ばれる)は、ヒトAPPタンパク質突然変異体過剰発現する。これらのマウスは、CNS中でヒトAβを産生し、CSFおよび血漿中で循環するヒトAβペプチドのレベルを上昇させる。8ヶ月齢のマウスに、サリンまたはMab 266(100μg)を静脈内注射した。それらは内部注射の10分後に出血し、内部注射の20時間後に再び出血した。

0085

各々の動物由来の血漿(20μL)を含有する試料を、実施例1に記載の通り、NDGGEおよび抗体3D6を用いるウェスタンブロッティング法によって分析を行なった。サリンを注射した動物は、10分後または20時間後のいずれかで特徴的な11nmの分離されたAβペプチドのバンドの存在を示さなかった。しかしながら、Mab 266を注射された2動物は20時間後にはこのバンドの出現を示した。

0086

B. 2ヶ月齢のAPPV717Fマウスを本研究に使用した。0日目に、該マウスにMab 266なし、Mab 266(1mg)またはこの抗体(100μg)を与えた。血漿試料を抗体の投与2日前、並びに1、3、5および7日目に採取した。実施例1に記載の通り、該血漿試料をNDGGE分析を行い、続いてウェスタンブロッティング分析を行い、3D6を用いて検出した。血漿試料をプロテインG(このものは、免疫グロブリンと結合する)を用いて処置しない場合には、Mab 266の投与後のあらゆる時点で、266/Aβ複合体を検出し、従って、Mab 266が有効に除去された。Mab 266(100μg)を注射した動物において7日目にわずかに減少したことを除いては、試験期間中での一貫したレベルの複合体を見出した。一般に、100μgを投与した動物における該レベルは、この抗体(1mg)を投与したマウスにおいて観察されるレベルよりも一貫して低かった。

0087

C. 2ヶ月齢のAPPV717Fマウスに、Mab 266(1mg)を静脈内投与し、血漿試料(25μL)を各々から採取した。該血漿試料についてNDGGE分析を行ない、続いて上記の通り(但し、ビオチン標識化した3D6と結合させて、引き続いてストレプトアビジン125I(アマーシャム製)を用いて検出してホスホイメージングスクリーニング曝露させる点を除く)、ウェスタンブロッティング分析を行なった。飽和レベルのMab 266と複合化させて且つ同様に検出したAβ40の公知の量を用いる標準曲線と比較して、該複合体のレベルを見積った。Mab 266と結合したAβペプチドの量を、約100ng/mLと見積り、このことはこれらのマウスにおける内因性のAβペプチド(これは、約100pg/mLであると測定される)の約1,000倍の増加であることを示す。このことは、Aβ沈積前のAPPV717脳におけるAβペプチドのレベルとも同じであった。ヒトAPPおよびAPPV717FTgマウスにおけるヒトAβは、ほとんど脳だけで産生される。従って、血漿中でのMab 266の存在はAβペプチドのシンクとして作用し、このためにAβペプチドのCNSから血漿中への正味の流出を促進する。この増加した正味の流出は、CNSから血漿中へのAβの流出の増加から生じるようであり、また血漿中のAβが脳に再流入することが防止されることからも生じるようである。

0088

トリス−トリクリン(Tricline)SDS−PAGEゲル上のMab 266(1mg)を注射した24時間後のAPPV717Fマウスから血漿試料(20μL)を採取し、引き続いてプロテインGと結合したベッドを用いたプロテインG曝露の前後に、抗−Aβ抗体6E10を用いたウェスタンブロッティングを行なうことによって、分離されたAβペプチドについての正確なサイズを確認した。プロテインGによって減少するバンドは4〜8kDで検出され、このことはAβペプチドの単体、ひょっとしたらその二量体が存在していることと一致する。

0089

D.2ヶ月齢のAPPV717Fマウスを、PBS(n=7)またはビオチン標識化したMab 266(すなわち、m266B(n=9))(500μg)のいずれかを用いて腹膜内処理した。注射前およびその24時間後の両方で、血漿をELISA法(Johnson-Wood, K.らによるProc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94: 1550-1555; およびBales, K. R. らによるNature Genet (1997) 17: 263-264)の改良法を用いて、全Aβペプチドについて分析した。m266Bと結合する全Aβを、m3D6で被覆した96ウェルオプチプレート(optiplate)(パッカード社製)を用いることによって測定した。希釈した血漿試料および標準品(これは、様々な濃度のAβ40およびm266B)を、被覆したプレート中で終夜インキュベートし、全てのAβ/m266B複合体の量を、125I−ストレプトアビジンを用いて測定した。加えて、該24時間時には血漿試料を第1にプロテインGを用いて処理して、Mab 266とは結合しないAβペプチドを定量化する。そして、CSF中のAβ全ておよびAβ42をELISA法によって測定した。PBSを注射した動物において、血漿Aβペプチドレベルは注射の前後で140pg/mLであった。血漿レベルはその注射前にMab 266を注射したマウスのレベルと同様であったが、Mab 266とは結合していないAβペプチドのレベルは注射の24時間後では検出することはできなかった。

0090

CSF中のレベルをも測定した。CSFは、CNS中の細胞外コンパートメントであり、CSF中の分子の濃度は脳の細胞外腔における物質の濃度にある程度影響を及ぼす。CSFは、大槽コンパートメントから単離した。マウスをペントバルビタールを用いて麻酔をかけ、頭蓋の底部から第1の椎骨ヘの筋系を取り出した。解剖顕微鏡下でマイクロニードルを該槽を覆っているくも膜注意深く穿刺して、該CSFをポリプロピレンマイクロピペット中に除くことによって、CSFを集めた。注射の24時間後に、Mab 266を注射したマウスのCSFにおける全Aβペプチドの増加が観察され、PBS注射したマウスと比較して、Aβ42についての約2倍量の増加がCSFにおいて得られた。このことは、変性ゲル電気泳動、続いてAβ42特異的抗体21F12を用いるウェスタンブロッティング分析法を用いて確認した。

0091

更なる実験において、3ヶ月齢のAPPV717FTgマウスを、PBSまたはMab 266のいずれかを静脈内注射し、CSFにおけるAβ40レベルおよびAβ42レベルの両方を以下の通り、評価した。

0092

Aβ40の測定の場合には、Aβ40に特異的なモノクローナル抗体m2G3を使用した。上記(Johnson-Wood, K.らによるProc. Natl. Acad. USA (1997) 94: 1550-1555)のELISA法を、ストレプトアビジン−HRP試薬を125I−ストレプトアビジンに置き代えることによって、RIAに改良した。血漿試料およびCSF試料の場合には、該方法を緩衝液中にグアニジンがない非変性条件下で行なった。脳のホモジネートにおけるカルボネートに可溶なAβおよび不溶なAβの評価については、試料をカルボネート(100mM)、NaCl(40mM)、pH 11.5(4℃)でホモジネートし、スピン(10,000×g)を15分間行なった。そして、上記の文献(Johnson-Wood, K.らによるProc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94: 1550-1555)および上記の通り、上清可溶物)およびペレット不溶物)の画分中のAβを評価した。血漿中のAβ/Mab 266複合体の測定を、改良したRIA法によって行なった。マウスにビオチン標識化したMab 266(Mab 266B)を注射し、血漿を多くの時点で単離した。Mab 266と結合した全Aβを、m3D6で被覆した96ウェルオプチプレート(パッカード社製)を用いることによって測定した。希釈した血漿試料および標準品(様々な濃度のAβ40およびMab 266B)を、該被覆したプレート中で終夜インキュベートし、全Aβ/Mab 266複合体の量を125I−ストレプトアビジンを用いて測定した。

0093

Mab 266の静脈内注射の3時間後に、CSF中のAβ40レベルは2倍量増加し、Aβ42のレベルは有意に増加しなかった。しかしながら、24時間後および72時間後の両方において、CSF中のAβ40およびAβ42の両方は2〜3倍に増加した。同様な結果は、変性ゲル分析、続いて貯蔵CSFのAβウェスタンブロッティング法を用いることによって、同様な結果を得た。脳の間質液からのAβの流出(これは、CSFレベルによってある程度の影響を受ける)は、観察されたCSF中のAβの増加を説明するであろう。

0094

CSF中でのAβペプチドレベルの変化は、CSF中へのMab 266の流入が原因ではあり得ないことは重要である。その理由としては、注入24時間後に測定されるレベル(これは、Mab 266の0.1%血漿レベルよりも低い)は該変化を説明するのに不十分であるからである。これらの結果は、該抗体が血流中に存在することによって、Aβベプチドが脳の実質からCSF中に除かれることを示唆する。

0095

PBSまたはカルボネート緩衝液中で可溶であるAβペプチドの形態は、Mab 266を注射し、上記の通りCSFを分析した同じマウスにおける大脳皮質ホモジネート中で観察された。該皮質ホモジネート中でのこれらの可溶な形態の同様な増加が観察された。

0096

実施例7
Mab266は、インビトロでAβペプチドシンクとして作用する
Mab 266がAβペプチドのシンクとして作用する能力を調べるために、透析チャンバーをインビトロシステムとして構築した。ヒトCSF(1mL)を透析膜(このものは、Mab 266(1μg)のあるなしでPBS(75μL)を含有する下部チャンバーから10〜100kDの範囲で特定にカットオフされている)によって隔てられたポリプロピレンチューブトップチャンバーに置いた。

0097

平衡は3時間後に達したようであり、このことは下部チャンバー中の物質を酸性ウレアゲルに置き、続いて様々な時点で6E10を用いてAβペプチドについてウェスタンブロッティング法を行なうことによって測定される。試料をギ酸中で変性させて、最終濃度を80%(容量比)とし、β−メルカプトエタノール(1%)を用いて還元させた。試料を、4〜35%のポリアクリルアミド勾配ゲルを通る0.9M酢酸実験用(running)緩衝液(このものは、6Mウレア、5%(容量比)氷酢酸および2.5%TEMEDを含有する)中で電気泳動(陽極から陰極へ)させた。ニトロセルロースヘ移行させる前に、ゲルの酸性pHを中和した。引き続いて、標準的なウェスタンブロッティング法を用いてAβを同定した。検出したバンドは、4kDに相当する。

0098

従って、該トップチャンバーから除かれるAβの量を、3時間後に上部および下部のチャンバー(n=4)の両方についてのELISA分析によって測定した。Mab 266のあるなしでの様々な分子量のカットオフについての結果を、図1に示す。図示する通り、PBSを下部チャンバーに置いた場合には、最少量のAβペプチドだけが該膜を通過するが、Mab 266が存在しており、分子量のカットオフが約25kDである場合には、50%のAβペプチドが該下部チャンバー中で分離されていた。ほとんど100%のAβペプチドが該膜を通過する場合には、分子量のカットオフが100kDにまで増加するにつれて、通過する量は増加した。

0099

実施例1に記載するアッセイにおいてはAβペプチドを分離することができないが、抗−N−末端Aβ抗体である3D6および10D5は、Aβペプチドをこのシステムにおける膜に通過させることができることも観察した。これらの結果は、Aβペプチドの抗体が生理学的な溶液中の該ペプチドを他の結合性タンパク質から分離させるこれらの条件下で十分なアフィニティーを有しているが、Mabs(例えば、266)(このものは、13〜28位のエプトープと免疫反応性である)が実質的により有効であって高いアフィニティーで結合することを示す。

0100

同様なアッセイにおいて、星状細胞分泌性のアポE4(このものは、DeMattos, R. B.らによるJ. Biol. Chem. (1998) 273: 4206-4212; Sun, Y.らによるJ. Neurosci (1988) 18: 3261-3272に記載されている通り精製した)は、下部チャンバーにおけるAβペプチドの量を増加させるのに小さいが統計学的に有意な効果を有していた。ポリクローナルIgGまたはBSAをMab 266の代わりに用いた場合には、全く顕著な効果は観察されなかった。

0101

実施例8
CNSから血漿へのAβペプチドの流れ
A. Aβ40(1μg)をラットCSF(5μL)に溶解して、そのものを可溶の状態に保ち、次いで野生型イスウェブスターマウス(このものは、予めPBS(n=3)またはビオチン標識化したMab 266(n=3)(200μg)のいずれかを静脈内注射する)の大槽のくも膜下腔に注射した。処置後の異なる時点での、マウスの血漿におけるAβ全てを、AβELISA(これは、コーティング抗体として3D6を用い、および過剰量のビオチン標識化した266と混合させたAβの標準品を使用)によって測定した。ELISAにおけるAβ検出のための各々の動物から除去後に、過剰量のビオチン標識化した266を用いてスパイク(spike)した。PBSを注射したマウスの場合には、レベルが0.15ng/mLのペプチドの最少の検出可能な量を、30〜60分後にピーク値として検出した。その後該レベルは実質的に0であった。しかしながら、Mab 266を投与したマウスにおいては、血漿Aβペプチドは60分後にPBSを注射したマウスにおいて検出されるレベル(約50ng/mL)よりも330倍高いレベルに達し、180分後には約90ng/mLの値に達した。

0102

B. 200μg(n=3)または600μg(n=3)のいずれかを2ヶ月齢のAPPV717Fマウスに静脈内注射することを用いるこの操作を繰り返した。Mab 266を、上記の用量を用いて3ヶ月齢のAPPV717F+/+マウスに静脈内注射した。静脈内注射前およびその後の異なる時点での、Mab 266と結合したAβ266の血漿濃度をRIA法によって測定した。ある例示的なマウスからの詳細な結果を図2に示す。

0103

モノクローナル抗体Mab 266と結合するAβの濃度は、150pg/mLの基底レベルから100ng/mL以上のレベルにまで4日間で増加することを見出した。該曲線上の早期の時点を分析することによって、Aβ全てがAPPV717FTgマウスの血漿ヘ流入する正味の割合は飽和レベルの抗体の存在下では42pg/mL/分であった。

0104

Mab 266が野生型およびAPPV717FTgマウスの両方における血漿Aβレベルに及ぼす影響、並びに該抗体がCSF中のAβ濃度に及ぼす影響は、循環性のMab 266が存在することにより、Aβの流れの平衡の変化、またはCNSおよび血漿の間での輸送の変化を生じることを示す。

0105

実施例9
Mab266が脳におけるAβに及ぼす影響
4ヶ月齢のAPPV717F+/+マウスを、サリン、Mab 266(500μg)またはコントロールマウスIgG(100μg、ファルミゲン)の腹膜内注射により、2週間毎に5ヶ月間処置した。該マウスを9ヶ月齢で殺し、皮質中のAβ沈積を測定した。Aβ−免疫反応性によって適用される面積(%)(このものは、ラビットパン(pan)−Aβ抗体(QCB社製)を用いて同定される)を、Holtzman, D. M.らによるAnn. Neurol. (2000) 97: 2892-2897に記載されている通り、背側の海馬を直接に覆っている皮質について定量化した。該結果を図3Aに示す。この年齢では、各々の群のおよそ半分はAβ沈積の発生は未だ始まっていなかった。しかしながら、皮質中に>50%のAβ荷(burden)を有するマウスの%は、266で処置した群の場合に有意に低かった(P=0.02、カイ二乗試験)。APPV717Fマウスは9ヶ月で大量のAβ沈積を発生することができるが、約50%は沈積なしを示して、約50%は実質的に沈積しているという大きな可変性を示した。PBSおよびIgGで処置した動物において、6/14および5/13のマウスが50%よりも大きいAβ染色によって覆われた皮質を有していた。一方で、Mab 266を用いて処置した14マウスのうちの1つだけがこのレベルの染色を有していた。全ての群におけるほとんど50%の動物が、9ヶ月齢でAβの沈積を未だ発生していなかった。後者は、我々のコホートにおける個々のマウスの親世代が原因と考えられる。その理由は、研究される全てのマウスはAPPV717F+/+であると確認されていても、高レベルのAβの沈積は4/8繁殖ペア由来のマウスにおいてのみ観察されるからである。他の4つの繁殖ペア由来のマウスについても、Aβの沈積は実質的になかった(低症状の同腹仔)。共変動として親世代を用いた場合には、Aβ沈積の減少においてm266の強力で有意な効果が存在した(p=0.0082、図3B)。

0106

実施例10
末梢注射したMab266は、APPV717FTgマウスにおけるプラークとは結合しない
5ヶ月間腹膜腔内注射したMab 266が脳中でAβと結合するかどうかを測定するために、9齢のAppV717F+/+Tgマウス由来の脳の切片(このものは、Aβ沈積物に含まれ、Mab 266、サリンまたはコントロールIgGのいずれかを用いて処理する)を使用した。組織の処理および免疫染色を上記(Bales, K. R. らによるNature Genet. (1977) 17: 263-264)に記載の通り行なった。全ての群の動物由来の組織を、フルオレセリンで標識化した抗−マウスIgG(ベクター製)と一緒にインキュベートし、次いで蛍光顕微鏡下で調べた。Aβ沈積の特異的な染色は、いずれの群においても観察されなかった。それに対して、該切片を抗−マウスIgGとインキュベートする前の切片に、Mab 266を適用した場合には、Aβははっきりと検出された。

0107

実施例11
24月齢トランスジェニックヘミ接合体PDAPPマウスの認知に対する抗体266の投与効果
ヘミ接合体トランスジェニックマウス(APPV717F)を16匹用いた。実験の開始時、マウスはおよそ24月齢であった。注射は全て腹膜内(i.p.)であった。半分のマウスにはリン酸緩衝化生食塩水(PBS、「コントロール」)の注射を毎週投与し、他の半分にはPBSに溶解したマウス抗体266(500μg)を投与した。7週間(42日)の期間にわたって、合計6回の注射を行った。最後の注射の3日後に、基本的にはJ.-C.Dodartら、Behavioral Neuroscience,113(5)982-990(1999)に記載されているように、対象物認知課題(object recognition task)を用いて動物の挙動を評価した。認知指数(recognition index)(TB×100)/(TB−TA)を計算した。結果を以下の表1に示す。

0108

表1.認知指数についての統計表

0109

24月齢ヘミ接合体トランスジェニックマウスへの抗体266(500μg)の毎週の投与は、挙動における有意な変化と関連していた。抗体処置トランスジェニックマウスは、野生型コントロール動物に類似する認知指数を有した[J.−C.Dodartら]。認知指数における差異は、0.001の確率水準で統計的に有意であった。認知指数の上昇は、アミノ酸13〜28の領域でβアミロイドペプチドに結合する抗体を用いる処置がアルツハイマー病のマウスモデルで説明されている挙動欠陥を逆転させることを示す。それゆえ、アミノ酸13〜28の領域においてβアミロイドペプチドに結合する抗体の投与はアルツハイマー病およびダウン症候群のような疾患を処置し、概して疾患の進行と関連する認識減退を停止する。

0110

アミロイド負荷(堆積)(抗Aβ抗体3D6または21F12を用いて染色した後に免疫反応性物質により覆われる領域の%)を、上記のように7週間の間、マウス抗体266を用いて処置した24月齢の動物の脳から、帯状回および頭頂皮質の領域を含む海馬のすぐ下の皮質中で定量した。結果を以下の表に示す。処置群間における差異は統計的に有意ではない。

0111

表2.マウス266抗Aβ抗体を用いて処置した後のAPPV717F+/−マウスにおけるアミロイドプラーク負荷

0112

これらの非常に高齢の動物に関しては、マウス抗体266を用いての処置は、3D6または21F12のいずれかを用いる測定で、PBS処置群と比較して有意に異なるアミロイド負荷は生じなかった。さらに、Aβ負荷は、対象物認知課題においてありふれたものから新規な対象物を区別することができない低年齢の動物のアミロイド負荷と比較して実質的に高く、そして有意に上昇していた(以下を参照のこと)。最も驚くべきことには、これらの結果は、抗Aβ抗体はアミロイド負荷自体の減少を必要とせずに認識欠損を逆転させることができることを示している。

0113

処置の7週間後、m266処置群の認知指数は、24月齢マウスの野生型コーホートに関して予想したものと有意な差異はなかった。このことは、これらのトランスジェニック動物における認識低下(減退)の完全な回復を示す。

0114

実施例12
若齢トランスジェニックヘミ接合体PDAPPマウスにおける抗体266の投与の認識に対する効果
54匹のホモ接合体トランスジェニックマウス(APPV717F)を用いた。23匹のマウスは、実験開始時にはおよそ2ヶ月齢であった。残りのマウスは実験開始時にはおよそ4ヶ月齢であった。処置期間は5ヶ月であった。従って、実験終了時にはマウスはおよそ7ヶ月齢であるか、またはおよそ9ヶ月齢であるかのいずれかであった。

0115

注射は全て腹膜内(i.p.)であった。「PBS」コントロール群の各マウスにはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS、200μL)の注射を毎週投与した。「IgG」コントロール群の各マウスにはIgG1κイソタイプコントロールの注射を毎週投与した(100μg/マウス/週)。「高用量」群の各マウスにはPBSに溶解した抗体266(500μg)を毎週投与した(「HD」)。「低用量」群の各マウスはPBSに溶解したマウス抗体266(100μg)を毎週投与した(「LD」)。最後の注射の3日後に、上記の実施例10に記載のように動物の挙動を対象物認知課題を用いて動物の挙動を評価し、そして識別指数を新規な対象物に対して費やした時間と見慣れた対象物に対して費やした時間との差異として計算した。結果を以下の表3に示す。実験の終止時に、マウスの年齢によりデータをグループ分けした。

0116

表3.識別指標に関する統計表

0117

これらのデータは総合的に、抗体266(Aβの中心ドメインに対する抗体)の投与が7〜9ヶ月齢APPV717Fトランスジェニックマウスのプラーク沈着減弱し、ならびに先に特徴を記載した挙動欠陥を逆転させるという結果を支持する。患者をAβペプチドの中心ドメインに対する抗体を用いて処置することにより、代表的には疾患の進行と関連している認識減退を阻害または予防し、そしてそれを逆転させる。

0118

処置動物に関する識別指標は、同齢の野生型マウスに関して期待したほど有意に異なっていなかった。それゆえ、ちょうどより老齢の動物におけるように(実施例11)、m266での処置はこれらのより若年齢のトランスジェニック動物における認知減退を完全に逆転させた。

0119

実施例13
ヒト化抗体266の合成
細胞および抗体
マウス骨髄腫細胞株Sp2/0をATCC(Manassas、VA)から得、そして37℃CO2インキュベーター中で10%FBSを含有するDM培地カタログ番号SH32661.03、HyClone,Logan,UT)中で維持した。マウス266ハイブリドーマ細胞を、まず、10%FBS(HyClone)、10mMHEES、2mMグルタミン、0.1mM非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、25μg/mlゲンタマイシンを含有するRPMI−1640培地中で生育させ、次いでローラー瓶中、2.5Lの体積に、2%低IgFBS(カタログ番号30151.03、HyClone)を含有する無血清培地(HybridomaSFM、カタログ番号12045−076、Life Technolories、Rockville、MD)中で拡大した。マウスモノクローナル抗体266(Mu266)を、アフィニティークロマトグラフィーによりプロテインGセファロースカラムを用いて培養上清から精製した。ビオチン化Mu266をEZ−Link Sulfo−NHS−LC−LC−ビオチン(カタログ番号21338ZZ,Pierce,Rockford,IL)を用いて製造した。

0120

種々の領域のcDNAのクローニング
製造業者のプロトコルに従って、およそ107個のハイブリドーマ細胞からTRIzol試薬(Life Technologies)を用いて全RNAを抽出し、ポリ(A)+RNAをPolyATractmRNA単離システム(Promega,Madison,WI)を用いて単離した。製造業者のプロトコルに従って、SMARTTMRACE cDNA増幅キット(Clontech,Palo Alto,CA)を用いて2本鎖cDNAを合成した。軽鎖および重鎖に対する種々の領域のcDNAを、それぞれ、マウスκおよびγ鎖定常域にアニーリングする3’プライマー、およびSMARTTMRACE cDNA増幅キット中に提供される5’ユニバーサルプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応PCR)により増幅した。VL PCRに関しては、3’プライマーは、マウスCk領域にハイブリダイズする17〜46残基を有する以下の配列を有する:




VH PCRに関しては、3’プライマーは、マウスγ鎖CH1にハイブリダイズする17〜50残基を有する以下の縮重配列を有する:




VLおよびVH cDNAを、配列決定のためにpCR4Blunt−TOPOベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)にサブクローニングした。DNA配列決定を、製造業者の指示に従って蛍光ダイデオキシ連鎖ターミネーター(Applied Biosystems,FosterCity,CA)を用いてPCRサイクル配列決定反応により行った。配列決定反応をModel 377DNAシークエンサー(Applied Biosystems)で分析した。

0121

ヒト化266(Hu266)可変領域の構築
マウス抗体V領域のヒト化を、Queenら[Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033(1988)]に概説されるように行った。Mu266CDRのアクセプターとして用いるヒトV領域フレームワークを配列ホモロジーに基づいて選択した。コンピュータープログラムABMODおよびENCAD[Levitt,M.,J.Mol.Biol.168:595−620(1983)]を用いて可変領域の分子モデルを構築した。CDRと接触すると推定されるヒト化V領域におけるアミノ酸を、Mu266の対応する残基で置換した。これは、重鎖中の46、47、49および98残基で、ならびに軽鎖中の51残基で行った。同一のV領域サブグループにおいてまれであることが分かっているヒト化V領域のアミノ酸を、コンセンサスなアミノ酸に変えて、潜在的な免疫原性を排除した。これは、軽鎖の42および44残基で行った。

0122

軽鎖および重鎖可変領域遺伝子を構築し、およそ65〜80塩基の長さにわたる、8個の重複合成オリゴヌクレオチドを用いて増幅した[He,X.Y.ら、J.Immunol.160:029−1035(1998)]。オリゴヌクレオチドを2つ1組にしてアニーリングさせ、DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントを用いて伸長し、2個のフラグメントを得た。これらのフラグメントを変性させ、2つ1組でアニーリングさせ、再度伸長させ、全長遺伝子を得た。得られた生成物を、Expand High FidelityPCRSystem(Roche Molecular Biochemicals,Indianapolis,IN)を用いてPCRにより増幅した。PCR増幅したフラグメントをゲル精製し、pCR4Blunt−TOPOベクターにクローニングした。配列を確認した後、MIuIおよびXbaIを用いてVLおよびVH遺伝子消化し、ゲル精製し、それぞれ、軽鎖および重鎖の発現のためのベクターにサブクローニングしてpVk−Hu266およびpVgl−Hu266を作製した(それぞれ、本明細書中の図6および7を参照のこと)[Co,M.S.ら、J.Immunol.148:1149−1154(1992)]。これらのプラスミドから発現された成熟ヒト化266抗体は、配列番号11の軽鎖、および配列番号12の重鎖を有する。

0123

安定なトランスフェクション
マウス骨髄腫細胞株Sp2/0への安定なトランスフェクションを、Gene Pulser装置(BioRad,Hercules,CA)を用いるエレクトロポレーションにより、記載されるように360Vおよび25μFで達成した(Coら、1992)。トランスフェクションの前に、pVk−Hu266およびpVgl−Hu266プラスミドDNAを、FspIを用いて線状化した。およそ107Sp2/0細胞を、pVk−Hu266(20μg)およびpVgl−Hu266(40μg)を用いてトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、10%FBSを含有するDME培地中に懸濁し、数個の96ウェルプレートプレーティングした。48時間後、選択培地(10%FBS、HT培地補充物、0.3mg/mlキサンチンおよび1μg/mlミコフェノール酸を含有するDME培地)を添加した。選択開始約10日後、培養上清を抗体産生についてELISAにより以下のようにアッセイした。高収率のクローンを、10%FBSを含有するDME培地中で拡大し、抗体発現に関してさらに分析した。次いで、選択したクローンを適合させてハイブリドーマSFMを生育させた。

0124

ELISAによる抗体発現の測定
96ウェルELISAプレート(Nunc−Immunoプレート、カタログ番号439454、NalgeNunc,Naperville,IL)のウェルを、0.2M炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.4)中のヤギ抗ヒトIgG(Fcγフラグメント特異的なポリクローナル抗体)(カタログ番号109−005−098、Jackson ImmunoResearch、West Grove、PA)100μlを用いて、一晩4℃でコーティングした。洗浄緩衝液(0.1%Tween20を含有するPBS)を用いて洗浄した後、Superblock Blocking緩衝液(カタログ番号;37535,Pierce)を用いて30分間ウェルをブロックし、次いで洗浄緩衝液を用いて洗浄した。Hu266を含有するサンプルを適当にELISA緩衝液(1%BSAおよび0.1%Tween20を含有するPBS)で希釈し、ELISAプレート(100μl/ウェル)に適用した。標準として、ヒト化抗−CD33 IgG1モノクローナル抗体HuM195(Coら、1992、上記)を用いた。ELISAプレートを2時間室温でインキュベートし、ウェルを洗浄緩衝液を用いて洗浄した。次いで、ELISA緩衝液中に1/1000に希釈したHRP結合型ヤギ抗ヒトκポリクローナル抗体(カタログ番号1050−05、Southern Biotechnology,Birmingham,AL)100μlを各ウェルに適用した。1時間室温でインキュベートし、そして洗浄緩衝液を用いて洗浄した後、ABT基質(カタログ番号507602および506502、Kirkegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)を各ウェルに添加した。ウェル毎に2%シュウ酸を100μl添加することにより呈色を停止させた。OPTImaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices,Menlo Park,CA)を用いて415nmで吸光度を読み取った。

0125

Hu266の精製
高Hu266−発現Sp2/0安定トランスフェクション体のうちの1つ(クローン1D9)を採用してHybridomaSFM中で生育させ、ロータービン中リットルまで拡大させた。細胞生存率が10%以下に到達した時点で用いた培養上清を回収し、プロテインAセファロースカラムにロードした。PBSを用いてカラムを洗浄した後、0.1Mグリシン−HCl(pH2.5)、0.1M NaClを用いて抗体を溶離した。溶離したタンパク質を2リットルのPBSで3回透析し、0.2μlフィルターを用いてろ過した後に4℃で保存した。280nmでの吸光度を測定することにより抗体濃度を測定した(1mg/ml=1.4A280)。標準的な手順に従って、4〜20%グラジエントゲル(カタログ番号EC6025、Novex、San Diego、CA)でTris−グリシン緩衝液中でSDS−PAGEを行った。精製したヒト化266抗体を還元し、SDS−PAGEゲルで泳動した。全抗体はおよそ分子量25kDaおよび50kDaの2本のバンドを示す。これらの結果は、アミノ酸組成から算出した軽鎖および重鎖もしくは重鎖フラグメントの分子量と一致する。

0126

実施例14
ヒト化266抗体のインビトロ結合特性
上記のように合成し、精製したヒト化266抗体の結合効率を、ビオチン化マウス266抗体を用いて比較ELISAにおいてマウス266抗体と比較した。96−ウェルELISAプレート(Nunc−Immunoプレート、カタログ番号439454、NalgeNunc)のウェルを、0.2M炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.4)中BSA結合型β−アミロイドペプチド(1−42)100μl(10μg/mL)を用いて一晩4℃でコーティングした。Aβ1−42−BSA結合体は、Aβ1−42−Cys43(C−末端システインAβ1−42、AnaSpec)をジメチルスルホキシド500μL中に溶解し、次いで直ぐに蒸留水1,500μLを添加することにより製造した。マレイミド活性型ウシ血清アルブミン(Pierce)2mgを蒸留水200μLに溶解した。2つの溶液を合わせ、徹底的に混合し、室温で2時間静置した。ゲルクロマトグラフィーカラムを用いて未反応のペプチドをAβ1−42−Cys−BSA結合体から分離した。

0127

ELISAプレート洗浄器を用いて0.1%Tween20を含有するリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(洗浄緩衝液)でウェルを洗浄した後、SuperBlock試薬(Pierce)をウェルあたり300μL添加することによりウェルをブロックした。30分ブロックした後、洗浄緩衝液を用いてウェルを洗浄し、過剰な液体を取り除いた。

0128

ELISA緩衝液中のビオチン化Mu266(0.3g/ml最終濃度)および競合抗体(Mu266またはHu266;750μg/ml最終濃度で開始、3倍系列希釈)の混合物を、1ウェルあたり最終体積100μlでトリプリケートで添加した。競合物なしのコントロールとして、0.3μg/mlビオチン化Mu266を100μl添加した。バックグラウンドコントロールとして、ELISA緩衝液100μlを添加した。ELISAプレートを室温で90分間インキュベートした。洗浄緩衝液を用いてウェルを洗浄した後、1μg/mlHRP結合型ストレプトアビジン(カタログ番号21124、Pierce)を100μl、各ウェルに添加した。プレートを室温で30分間インキュベートし、洗浄緩衝液で洗浄した。呈色のために、100μl/ウェルABTSペルオキシダーゼ基質(Kirkegaard&Perry Laboratories)を100μl/ウェルで添加した。2%シュウ酸を100μl/ウェル添加することにより呈色を停止した。415nmで吸光度を読み取った。競合物濃度のlogに対して吸光度をプロットし、(Prismを用いて)曲線をデータ点に適合させ、当該分野において周知の方法を用いて各抗体についてのIC50を決定した。

0129

マウス266に関する平均IC50は4.7μg/mLであり(3回の別個の実験、標準偏差=1.3μg/mL)、ヒト化266に関しては7.5μg/mLであった(3回の別個の実験、標準偏差=1.1μg/mL)。第2のセットの3回の実験を基本的には上記の通りに行い、マウス266に関する平均IC50が3.87μg/mlであること(SD=0.12μg/mL)を決定し、ヒト266に関してはIC50は4.0μg/mLであること(SD=0.5μg/mL)を決定した。これらの結果に基づき、本発明者らはヒト化266はマウス抗体266と非常に類似する結合特性を有すると結論した。それゆえ、本発明者らはヒト化266は、マウス266と比較して非常に類似したインビトロおよびインビボ活性を有し、マウス266を用いてマウス中で実証されたと同様の効果をヒトにおいても示すと予想する。

0130

実施例15
マウス抗体266および4G8のインビトロ結合特性
BIAcoreバイオセンサー2000を用いて抗体親和性(KD=Kd/Ka)を測定し、BIAevaluation(v.3.1)ソフトウェアを用いてデータを分析した。捕捉抗体(ウサギ抗マウス)を遊離アミン基を介して、N−エチル−N−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドおよびN−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHS)を用いてバイオセンサーチップ(CM5)のフローセル2上のカルボキシル基に連結させた。非特異的ウサギIgGをフローセル1にバックグラウンドコントロールとして結合させた。モノクローナル抗体を捕捉して300共鳴単位(resonance unit)(RU)を得た。次いで、アミロイドβ1−40または1−42(Biosource International,Inc.)を減少濃度(decreasing concentration)(1000〜0.1倍KD)でチップに流した。チップを再生するために、グリシン−HCl(pH2)での洗浄により結合型抗Aβ抗体をチップから溶離した。アミロイドβ非含有コントロール注射はベースライン減法に対するコントロールとして機能した。相の会合および解離を示す感知図を分析してKdおよびKaを決定した。この方法を用いて、マウス抗体266のAβ1−40およびAβ1−42両方に対する親和性は4pMであることを見出した。4G8のAβ1−40に対する親和性は23nMであり、Aβ1−42に対しては24nMであった。266および4G8の両方のAβに対する親和性に6000倍の差があるにもかかわらず、これらはAβの13〜28アミノ酸の間のエピトープに結合し、Aβを効率的にヒトCSFから隔離する。それゆえ、抗体がAβを隔離し、本発明の有益かつ驚くべき利点を提供する能力を決定する際には、エピトープの位置が結合親和性よりも重要である。

0131

実施例16
BIAcore方法および可溶性ペプチドを用いるマウス抗体266のエピトープマッピング
BIAcoreは、分子相互作用を測定するための自動バイオセンサーシステムである[Karlsson R.ら、J.Immunol.Methods145:229−240(1991)]。BIAcoreの、他の結合アッセイを超える利点は、抗原の結合を、抗原を標識または固定化する必要なく測定することができるということである(すなわち、抗原がよりネイティブ立体配座を維持している)。全ての希釈物をTween20を含むHEPES緩衝化生理食塩水を用いて作製したこと、種々のAβのフラグメント(BioSource International)を注入したこと、各フラグメントを1つの濃度で注入した(440nM)ことを除いて基本的には実施例12に記載のように、BIAcore方法を使用して種々のアミロイドβペプチドフラグメントのマウス抗体266への結合を評価した。

0132

アミロイドβフラグメント1〜28、12〜28、17〜28および16〜25はマウス抗体266に結合したが、Aβフラグメント1〜20、10〜20および22〜35は結合しなかった。フラグメント1〜20、10〜20および22〜35は他のMAb群と、Aβのそれら領域に関して公知のエピトープ特異性で結合した。この方法を用いると、マウス抗体266に対する結合エピトープはAβのアミノ酸17および25の間に存在するようである。通常、結合は少なくとも3残基のエピトープが存在すると生じるので、さらに、エピトープは残基19〜23の中に含まれていると推測することができる。

0133

実施例17
ヒト化抗体266のインビトロ結合特性
上記のように合成し、精製したヒト化266抗体の親和性(KD=Kd/Ka)は、基本的に実施例15に上記のように測定した。この方法を用いると、ヒト化266のAβ1−42に対する親和性は4pMであることが見出された。

図面の簡単な説明

0134

図1は、Mab266により透析膜を通してヒト脳脊髄液から回収したAβペプチドの割合を、透析膜の分子量カットオフ関数として示す。
図2は、Mab266を200μgまたは600μgのいずれかで注射した後のAPPV717Fトランスジェニックマウスの血漿中に見出されるAβ合計の濃度を時間の関数として示す。
図3Aは、生理食塩水、マウスIgGまたはMab266で処置したAPPV717Fトランスジェニックマウスの皮質におけるAβペプチド沈着量を示す。図3Bはこれらの結果と親起源との相間関係を示す。
プラスミドpVk−Hu266由来のヒト化266軽鎖を発現するためのポリヌクレオチド配列、および発現されるヒト化266軽鎖をコードする単鎖アミノ酸(成熟すると配列番号11に対応する)を示す。
プラスミドpVk−Hu266由来のヒト化266軽鎖を発現するためのポリヌクレオチド配列、および発現されるヒト化266軽鎖をコードする単鎖アミノ酸(成熟すると配列番号11に対応する)を示す。
プラスミドpVg1−Hu266由来のヒト化266重鎖を発現するためのポリヌクレオチド配列、および発現されるヒト化266重鎖をコードする単鎖アミノ酸(成熟すると配列番号12に対応する)を示す。
プラスミドpVg1−Hu266由来のヒト化266重鎖を発現するためのポリヌクレオチド配列、および発現されるヒト化266重鎖をコードする単鎖アミノ酸(成熟すると配列番号12に対応する)を示す。
pVk−Hu266のプラスミドマップである。
pVg1−Hu266のプラスミドマップである。

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