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技術 果汁飲料の製造方法

出願人 キリン・トロピカーナ株式会社
発明者 梅川知洋
出願日 2007年8月9日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2007-208116
公開日 2009年2月26日 (10年9ヶ月経過) 公開番号 2009-039048
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料
主要キーワード 酸化防止技術 容器面 脱気室 脱酸素処理後 製品液 脱酸素効果 充填品 炭素皮膜
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課題

抗酸化機能及び香味外観鮮度の保持された果汁飲料の製造方法及び該製造方法により製造された果汁飲料を提供すること。

解決手段

果汁飲料の製造工程において、果汁を、プレヒート65〜85℃の高温度条件で、還元性抗酸化剤の存在下において、−0.015〜−0.030Mpaの低圧の条件下で、脱気処理による脱酸素処理を行なうことにより、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を製造する。本発明における脱酸素処理において、還元性抗酸化剤としては、アスコルビン酸アスコルビン酸塩エリソルビン酸、及びエリソルビン酸塩から選ばれる1以上の抗酸化剤が用いられる。本願発明において、脱気処理には、デアレーター脱気装置)を用いることができる。

概要

背景

食品の製造工程における鮮度管理において、酸化防止技術は極めて重要であり、様々な取り組みが行われている。飲料においても同様であり、各種の試みが行われている。特に、果汁飲料においては、絞りたての状態では、新鮮香味外観を有するが、飲料の製造時や、製造後の製品中に混入した溶存酸素等によって、飲料中の成分が酸化され、絞りたての新鮮な香味や外観が損なわれるという結果を招く。したがって、果汁飲料等の製造に際して、飲料の香味、外観鮮度の保持された果汁飲料製品を提供するためには、飲料の溶存酸素等による成分の酸化に対する対策が特に重要な課題となる。

従来から、飲料等の製造に際して、溶存酸素による飲料成分の酸化を抑制し、飲料の香味や外観の変化を防止するために、飲料中の脱酸素処理を行ない、溶存酸素を低減する種々の方法が提案されている。従来より行われてきた、飲料等における脱酸素処理の主な取り組みとしては、飲料の製造に用いる用水を脱酸素処理する方法、窒素等の不活性ガス封入して飲料中の酸素ガス置換する方法、脱気処理による方法、酸化防止剤を添加する方法、容器面からの取り組みとしては、容器多層構造にする方法、容器の内面酸素バリア性の高い物質コーティングする方法等の方法が知られている。

例えば、飲料の製造に用いる用水を脱酸素処理する方法としては、コーヒー飲料の製造に際して、脱気処理したイオン交換水を用いて、コーヒー豆の抽出を行なう方法(特開平6−141776号公報、特開2000−93130号公報)や、果汁清涼飲料水の製造に、溶存酸素濃度が1.0ppmの脱気された水を使用する方法(特開平6−141825号公報)等が開示されている。また、不活性ガスを封入して飲料中の酸素をガス置換する方法としては、果汁飲料や清涼飲料等において、飲料中の溶存気体中空糸膜を用いて脱気した後、アルゴン窒素ガス、或いは炭酸ガス等の不活性ガスを接触、溶解させる方法(特開平7−170952号公報、特開平8−318138号公報)や、容器詰め茶飲料の製造において、飲料中に、炭酸ガスや、窒素ガス、或いはアルゴンガスヘリウムガスのような不活性ガスを吹き込んで脱酸素を行なう方法(特開平7−222553号公報、特開平9−294571号公報、特開2003−284494号公報)等が開示されている。

また、脱気処理による方法としては、上記のように飲料中の溶存気体を中空糸膜を用いて脱気する方法(特開平7−170952号公報、特開平8−318138号公報)や、チュウブ状脱気室構造の脱気装置デアレーター)を用いる方法(特開2001−113102号公報)、内部に減圧室からなる脱気手段と続いて脱気により発生した気泡破断する破泡手段とを具備するデアレーターを用いる方法(特開2005−110527号公報)等が開示されている。酸化防止剤を添加する方法としては、りんご果汁の褐変防止にアスコルビン酸ナトリウムエリソルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤を用いる方法(特開平6−133743号公報)や、コーヒー飲料の製造に際して、アスコルビン酸ナトリウムやエリソルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤を添加した抽出液でコーヒー豆を抽出する方法(特開2000−354455号公報)が開示されている。

更に、容器面からの取り組みとしては、飲料等の包装形態として、酸素透過性を有するフィルム或いはシートを用いて包装された対象物を、脱酸素剤と共に二重包装して二重包装体としたもの(特開平5−319459号公報)や、飲料等の長期保存のための包装体として、脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層と、ガスバリア性樹脂からなるガスバリア層を有する複合シート成形された容器を用いるもの(特開2000−158610号公報)、非炭酸飲料等の容器として、脱酸素剤を含み、内面に炭素皮膜を施した第1の層と、プラスチック材料で形成された第2の層からなる容器を用いるもの(特開2004−510651号公報)等が開示されている。また、缶入り飲料の製造に際して、飲料を充填する前の容器を、窒素ガス雰囲気にして、原料から充填、密封までの全工程をすべて脱酸素状態にした缶入り飲料の製造方法(特開平9−252752号公報)等が開示されている。

以上のように、従来、飲料等の製造に際して、溶存酸素による飲料成分の酸化を抑制し、飲料の香味や外観の変化を防止するために、飲料中の脱酸素処理を行ない、溶存酸素を低減する種々の方法が提案されてきた。果汁飲料等の製造に際しても、上記のとおり各種の脱酸素処理の方法が適用されている。特に、香味や外観の鮮度が重要な果汁飲料においては、酸化防止は、その品質を保持する上で、必須な技術であり、製品液中に含有する酸素量を調整することは、香味やフレーバー鮮度保持、酸化しやすい成分の分解を遅延させる効果、製品の液色の変化の防止、微生物増殖抑制制御効果、等に与える影響が大きく、従来から様々の検討が行われてきた。

果汁飲料等の製造に際して、特に、容器詰め果汁飲料として、長期の香味や外観の鮮度保持を図るために、上記のような飲料に適用される各種の脱酸素処理による酸化防止技術が適用されている。しかし、それぞれの酸化防止技術においては、所望する脱酸素効果が得られなかったり、また、特に、果汁飲料の場合は、脱酸素処理によるフレーバーの散逸による香気成分の低下や、香味への影響があって、それぞれの酸化防止技術単独では、果汁飲料の風味やフレーバーの低下のない、香味や外観の鮮度を保持した高品質の果汁飲料を製造するための効果的な酸化防止技術として満足のいくものではなかった。

一方で、前記のとおり、飲料の製造に際して適用される脱酸素処理の方法の中で、脱気装置(デアレーター)で直接的に製品液から酸素を除去する方法がある。この方法は、たとえば、清涼飲料の製造工場等において、脱酸素処理を行なうために用いられていたこともある。しかし、従来のデアレーターによる溶存酸素の除去は、フレーバーの散逸による香気成分の低下、保存中の品質へのプラスの効果が明確に認められない等の理由から、積極的な使用は行われていなかった。一般的には、脱気装置(デアレーター)は、飲料の製造工程中において、ロングライフ紙容器充填直後ヘッドスペースの低下、充填時の泡立ちの防止、高粘度商品におけるブースターポンプとしての役割等のために、脱酸素処理以外の処理目的で使用されている。したがって、この脱酸素処理の方法も、それ単独では果汁飲料等の鮮度保持のための酸化防止技術として、適用できるものではなかった。

特開平5−319459号公報。
特開平6−133743号公報。
特開平6−141776号公報。
特開平6−141825号公報。
特開平7−170952号公報。
特開平7−222553号公報。
特開平8−318138号公報。
特開平9−252752号公報。
特開平9−294571号公報。
特開2000−93130号公報。
特開2000−158610号公報。
特開2000−354455号公報。
特開2001−113102号公報。
特開2003−284494号公報。
特開2004−510651号公報。
特開2005−110527号公報。

概要

抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料の製造方法及び該製造方法により製造された果汁飲料を提供すること。果汁飲料の製造工程において、果汁を、プレヒート65〜85℃の高温度条件で、還元性抗酸化剤の存在下において、−0.015〜−0.030Mpaの低圧の条件下で、脱気処理による脱酸素処理を行なうことにより、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を製造する。本発明における脱酸素処理において、還元性抗酸化剤としては、アスコルビン酸アスコルビン酸塩エリソルビン酸、及びエリソルビン酸塩から選ばれる1以上の抗酸化剤が用いられる。本願発明において、脱気処理には、デアレーター(脱気装置)を用いることができる。なし

目的

本発明の課題は、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料の製造方法及び該製造方法により製造された果汁飲料を提供すること、特に、果汁飲料の製造工程において、果汁飲料の香味やフレーバーや品質に影響を与えない最適な状態で、果汁の効果的な脱酸素処理を行ない、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を効率的に製造する方法、及び該方法によって製造される抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

果汁飲料の製造工程において、果汁を、プレヒート65〜85℃の高温度条件で、還元性抗酸化剤の存在下において、−0.015〜−0.030Mpaの低圧の条件下で、脱気処理による脱酸素処理を行なうことを特徴とする果汁飲料の製造方法。

請求項2

還元性抗酸化剤が、アスコルビン酸アスコルビン酸塩エリソルビン酸、及びエリソルビン酸塩から選ばれる1以上の抗酸化剤であることを特徴とする請求項1記載の果汁飲料の製造方法。

請求項3

還元性抗酸化剤が、アスコルビン酸又はエリソルビン酸であり、その濃度が0.015〜0.05重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の果汁飲料の製造方法。

請求項4

脱気処理を、デアレーターにより行なうことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の果汁飲料の製造方法。

請求項5

果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の果汁飲料の製造方法。

請求項6

請求項1〜5いずれか記載の製造方法により製造されたことを特徴とする抗酸化機能及び香味外観鮮度の保持された果汁飲料。

技術分野

0001

本発明は、抗酸化機能及び香味外観鮮度の保持された果汁飲料、及びその製造方法、特に、果汁含量が70〜100重量%である果汁飲料の製造工程において、還元性抗酸化剤の存在下において、果汁を、高温低圧の条件下で、デアレター脱気装置)を用いた脱気処理により脱酸素処理を行なうことを特徴とする果汁飲料の製造方法、及び該方法によって製造された抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料に関する。

背景技術

0002

食品の製造工程における鮮度管理において、酸化防止技術は極めて重要であり、様々な取り組みが行われている。飲料においても同様であり、各種の試みが行われている。特に、果汁飲料においては、絞りたての状態では、新鮮な香味や外観を有するが、飲料の製造時や、製造後の製品中に混入した溶存酸素等によって、飲料中の成分が酸化され、絞りたての新鮮な香味や外観が損なわれるという結果を招く。したがって、果汁飲料等の製造に際して、飲料の香味、外観鮮度の保持された果汁飲料製品を提供するためには、飲料の溶存酸素等による成分の酸化に対する対策が特に重要な課題となる。

0003

従来から、飲料等の製造に際して、溶存酸素による飲料成分の酸化を抑制し、飲料の香味や外観の変化を防止するために、飲料中の脱酸素処理を行ない、溶存酸素を低減する種々の方法が提案されている。従来より行われてきた、飲料等における脱酸素処理の主な取り組みとしては、飲料の製造に用いる用水を脱酸素処理する方法、窒素等の不活性ガス封入して飲料中の酸素ガス置換する方法、脱気処理による方法、酸化防止剤を添加する方法、容器面からの取り組みとしては、容器多層構造にする方法、容器の内面酸素バリア性の高い物質コーティングする方法等の方法が知られている。

0004

例えば、飲料の製造に用いる用水を脱酸素処理する方法としては、コーヒー飲料の製造に際して、脱気処理したイオン交換水を用いて、コーヒー豆の抽出を行なう方法(特開平6−141776号公報、特開2000−93130号公報)や、果汁や清涼飲料水の製造に、溶存酸素濃度が1.0ppmの脱気された水を使用する方法(特開平6−141825号公報)等が開示されている。また、不活性ガスを封入して飲料中の酸素をガス置換する方法としては、果汁飲料や清涼飲料等において、飲料中の溶存気体中空糸膜を用いて脱気した後、アルゴン窒素ガス、或いは炭酸ガス等の不活性ガスを接触、溶解させる方法(特開平7−170952号公報、特開平8−318138号公報)や、容器詰め茶飲料の製造において、飲料中に、炭酸ガスや、窒素ガス、或いはアルゴンガスヘリウムガスのような不活性ガスを吹き込んで脱酸素を行なう方法(特開平7−222553号公報、特開平9−294571号公報、特開2003−284494号公報)等が開示されている。

0005

また、脱気処理による方法としては、上記のように飲料中の溶存気体を中空糸膜を用いて脱気する方法(特開平7−170952号公報、特開平8−318138号公報)や、チュウブ状脱気室構造の脱気装置(デアレーター)を用いる方法(特開2001−113102号公報)、内部に減圧室からなる脱気手段と続いて脱気により発生した気泡破断する破泡手段とを具備するデアレーターを用いる方法(特開2005−110527号公報)等が開示されている。酸化防止剤を添加する方法としては、りんご果汁の褐変防止にアスコルビン酸ナトリウムエリソルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤を用いる方法(特開平6−133743号公報)や、コーヒー飲料の製造に際して、アスコルビン酸ナトリウムやエリソルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤を添加した抽出液でコーヒー豆を抽出する方法(特開2000−354455号公報)が開示されている。

0006

更に、容器面からの取り組みとしては、飲料等の包装形態として、酸素透過性を有するフィルム或いはシートを用いて包装された対象物を、脱酸素剤と共に二重包装して二重包装体としたもの(特開平5−319459号公報)や、飲料等の長期保存のための包装体として、脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層と、ガスバリア性樹脂からなるガスバリア層を有する複合シート成形された容器を用いるもの(特開2000−158610号公報)、非炭酸飲料等の容器として、脱酸素剤を含み、内面に炭素皮膜を施した第1の層と、プラスチック材料で形成された第2の層からなる容器を用いるもの(特開2004−510651号公報)等が開示されている。また、缶入り飲料の製造に際して、飲料を充填する前の容器を、窒素ガス雰囲気にして、原料から充填、密封までの全工程をすべて脱酸素状態にした缶入り飲料の製造方法(特開平9−252752号公報)等が開示されている。

0007

以上のように、従来、飲料等の製造に際して、溶存酸素による飲料成分の酸化を抑制し、飲料の香味や外観の変化を防止するために、飲料中の脱酸素処理を行ない、溶存酸素を低減する種々の方法が提案されてきた。果汁飲料等の製造に際しても、上記のとおり各種の脱酸素処理の方法が適用されている。特に、香味や外観の鮮度が重要な果汁飲料においては、酸化防止は、その品質を保持する上で、必須な技術であり、製品液中に含有する酸素量を調整することは、香味やフレーバー鮮度保持、酸化しやすい成分の分解を遅延させる効果、製品の液色の変化の防止、微生物増殖抑制制御効果、等に与える影響が大きく、従来から様々の検討が行われてきた。

0008

果汁飲料等の製造に際して、特に、容器詰め果汁飲料として、長期の香味や外観の鮮度保持を図るために、上記のような飲料に適用される各種の脱酸素処理による酸化防止技術が適用されている。しかし、それぞれの酸化防止技術においては、所望する脱酸素効果が得られなかったり、また、特に、果汁飲料の場合は、脱酸素処理によるフレーバーの散逸による香気成分の低下や、香味への影響があって、それぞれの酸化防止技術単独では、果汁飲料の風味やフレーバーの低下のない、香味や外観の鮮度を保持した高品質の果汁飲料を製造するための効果的な酸化防止技術として満足のいくものではなかった。

0009

一方で、前記のとおり、飲料の製造に際して適用される脱酸素処理の方法の中で、脱気装置(デアレーター)で直接的に製品液から酸素を除去する方法がある。この方法は、たとえば、清涼飲料の製造工場等において、脱酸素処理を行なうために用いられていたこともある。しかし、従来のデアレーターによる溶存酸素の除去は、フレーバーの散逸による香気成分の低下、保存中の品質へのプラスの効果が明確に認められない等の理由から、積極的な使用は行われていなかった。一般的には、脱気装置(デアレーター)は、飲料の製造工程中において、ロングライフ紙容器充填直後ヘッドスペースの低下、充填時の泡立ちの防止、高粘度商品におけるブースターポンプとしての役割等のために、脱酸素処理以外の処理目的で使用されている。したがって、この脱酸素処理の方法も、それ単独では果汁飲料等の鮮度保持のための酸化防止技術として、適用できるものではなかった。

0010

特開平5−319459号公報。
特開平6−133743号公報。
特開平6−141776号公報。
特開平6−141825号公報。
特開平7−170952号公報。
特開平7−222553号公報。
特開平8−318138号公報。
特開平9−252752号公報。
特開平9−294571号公報。
特開2000−93130号公報。
特開2000−158610号公報。
特開2000−354455号公報。
特開2001−113102号公報。
特開2003−284494号公報。
特開2004−510651号公報。
特開2005−110527号公報。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の課題は、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料の製造方法及び該製造方法により製造された果汁飲料を提供すること、特に、果汁飲料の製造工程において、果汁飲料の香味やフレーバーや品質に影響を与えない最適な状態で、果汁の効果的な脱酸素処理を行ない、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を効率的に製造する方法、及び該方法によって製造される抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、果汁飲料の製造工程において、果汁を、特定の高温度条件で、アスコルビン酸エリソルビン酸のような還元性抗酸化剤の存在下において、特定の低圧の条件下で、脱気処理(デアレーター処理)による脱酸素処理を行なうことにより、果汁のフレーバーの散逸による香気成分の低下等押さえ、しかも、効果的に脱気処理による脱酸素処理を行なうことが可能であり、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。

0013

すなわち、デアレーター(脱気装置)を用いた脱気処理により、液中の溶存酸素を低減することは、一般に用いられており、効率的な脱酸素処理手段として良く知られているが、この方法を飲料に適用した場合には、デアレーター処理効率の関係から、脱気処理した飲料の保存品質へのプラスの効果が認められなかったり、また、脱気処理によるフレーバーの散逸等から、飲料等の実用的な脱酸素処理手段としては利用されていなかった。特に、果汁飲料においては、脱酸素処理における、果汁の香味やフレーバー、その他の品質に対する影響が重要となることから、デアレーター(脱気装置)を用いた脱気処理をそのまま果汁飲料の脱酸素処理手段として用いることは困難であった。また、デアレーター処理による脱気処理において、そのデアレーター処理の効率を上げるために、被処理液液温を上げて処理しても、その後液を冷却すること等により、一旦低下した溶存酸素濃度が、極めて容易に上昇してしまう等の問題があった。

0014

そこで、多量の被処理液の効率的な脱酸素処理が可能なデアレーター(脱気装置)を用いた脱気処理を、果汁飲料のような飲料の脱酸素処理手段として利用すべく、鋭意検討する中で、該脱酸素処理手段とアスコルビン酸やエリソルビン酸のような還元性抗酸化剤による脱酸素処理手段とを組み合わせ、果汁のプレヒートによる特定の高温度条件下、特定の低圧の圧力条件下で、該還元性抗酸化剤の存在下で、デアレーター(脱気装置)を用いて脱気処理を行なうことにより、果汁の香味やフレーバー、その他の品質に対する影響を極力抑えて、効果的な脱酸素処理が可能であることを見い出し、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を製造する実用的な方法開発することに成功した。

0015

すなわち、本発明は、果汁飲料の製造工程において、果汁を、プレヒート65〜85℃の高温度条件で、還元性抗酸化剤の存在下において、−0.015〜−0.030Mpaの低圧の条件下で、脱気処理による脱酸素処理を行なうことにより、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料を製造する方法からなる。本発明の製造方法によって製造された、果汁飲料は、効果的な脱酸素の条件下と、残存する還元性抗酸化剤の存在によって、脱酸素処理後も、酸化防止効果持続し、該果汁飲料は、容器詰果汁飲料等として、抗酸化機能や香味、外観鮮度の長期にわたり保持された飲料を提供することができる。

0016

本発明における脱酸素処理において、還元性抗酸化剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、及びエリソルビン酸塩から選ばれる1以上の還元性抗酸化剤が用いられる。本願発明において、特に好ましくは、還元性抗酸化剤として、アスコルビン酸又はエリソルビン酸を用い、その濃度が0.015〜0.05重量%であることが好ましい。本発明の脱酸素処理を用いた果汁飲料は、果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%であるような飲料の製造に際して適用することができる。

0017

すなわち、具体的には本発明は、(1)果汁飲料の製造工程において、果汁を、プレヒート65〜85℃の高温度条件で、還元性抗酸化剤の存在下において、−0.015〜−0.030Mpaの低圧の条件下で、脱気処理による脱酸素処理を行なうことを特徴とする果汁飲料の製造方法や、(2)還元性抗酸化剤が、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、及びエリソルビン酸塩から選ばれる1以上の抗酸化剤であることを特徴とする上記(1)記載の果汁飲料の製造方法や、(3)還元性抗酸化剤が、アスコルビン酸又はエリソルビン酸であり、その濃度が0.015〜0.05重量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の果汁飲料の製造方法からなる。

0018

また、本発明は、(4)脱気処理を、デアレーターにより行なうことを特徴とする上記(1)〜(3)いずれか記載の果汁飲料の製造方法や、(5)果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%であることを特徴とする上記(1)〜(4)いずれか記載の果汁飲料の製造方法や、(6)上記(1)〜(5)いずれか記載の製造方法により製造されたことを特徴とする抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料からなる。

発明の効果

0019

現在の市場において、健康志向嗜好性の観点から、果汁飲料の需要が高まっているが、容器詰め果汁飲料等において、香味や外観鮮度の保持された飲料を提供するためには、飲料等の製造に際して、溶存酸素による飲料成分の酸化を抑制し、飲料の香味や外観の変化を防止することが重要であり、飲料中の脱酸素処理により、溶存酸素を低減することが必要となる。果汁飲料の製造における脱酸素処理においては、効果的な脱酸素効果と共に、脱酸素処理によるフレーバーの散逸による香気成分の低下や、香味への影響により果汁飲料の品質の低下を極力防止することが重要となる。本発明のデアレーターによる脱気処理と還元性抗酸化剤を組み合わせた、特定の処理条件下での脱酸素処理からなる果汁飲料の製造方法は、これらの要求をすべて満足し、本発明は、抗酸化機能及び香味、外観鮮度の保持された果汁飲料、及び該果汁飲料の効率的な、かつ実用的な製造方法を提供する。本発明の方法によって製造される果汁飲料は、脱酸素処理後も、酸化防止効果が持続し、該果汁飲料は、容器詰果汁飲料等として、抗酸化機能や香味、外観鮮度の長期にわたり保持された飲料を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0020

本発明は、果汁飲料の製造工程において、果汁を、プレヒート65〜85℃の高温度条件で、還元性抗酸化剤の存在下において、−0.015〜−0.030Mpaの低圧の条件下で、脱気処理による脱酸素処理を行なうことを特徴とする果汁飲料の製造方法からなる。該方法において、脱気処理は、通常、飲料水や飲料の脱気に使用されているデアレーター(脱気装置)を用いることができる。該デアレーターとしては、中空糸構造を持つもの、チュウブ状脱気室構造のもの、減圧室を備えたもの等、適宜の構造のものを挙げることができる。

0021

本発明の脱酸素処理において用いられる還元性抗酸化剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、及びエリソルビン酸塩から選ばれる1以上の還元性抗酸化剤を挙げることができるが、その中でアスコルビン酸やエリソルビン酸が特に好ましい還元性抗酸化剤として挙げることができる。本発明において、還元性抗酸化剤の添加量は、果汁飲料全量に対して、0.015重量%以上の範囲で添加されるが、アスコルビン酸やエリソルビン酸を用いた場合には、0.015〜0.05重量%の範囲で用いることが好ましい。本発明の脱気処理による脱酸素処理を用いた果汁飲料の製造方法は、果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%であるような果汁飲料の製造に適用することができる。

0022

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。

0023

[デアレーターを用いた脱酸素処理条件の検討]

0024

試験1>
試験方法):試験1として、試験サンプルに、果汁ミックスジュース[「シーズンベストパイフルーツ250mlスリム」:パインアップル80%、その他20%)]を用いて、消泡剤の添加の有無、そして、プレヒート温度条件と圧力条件の検討を行った。プレヒート温度条件は、20℃および70℃、圧力条件は、−0.025Mpaおよび−0.085Mpaとした。そして、デアレーター処理無しも対照区とした。

0025

(結果)
結果、製品液中の溶存酸素の濃度が、充填直後の8.2ppmから、全ての試験区で、低下していた。なお、デアレーター処理を行わなかった試験区においても、溶存酸素は低下していた。しかし、プレヒート温度が高い条件下(70℃)で、かつ、圧力条件が低い条件下(−0.025Mpa)において、溶存酸素の低下量が大きかった。すなわち、高温条件下で、かつ、低圧条件で、デアレーターを使用することで製品液中の溶存酸素の低下が大きいことが判明した。ただ、ここで、デアレーター処理を行わなくても、溶存酸素が大きく低下していた。このことから、高温条件にすることで、ビタミンC(アスコルビン酸)等の抗酸化物質活性化したことが考えられる。すなわち、ビタミンCは、50℃付近から分解が始まるが、まず酸化されることにより、酸化型ビタミンCとなり,その後、最終的に完全に分解されることから、加熱により酸化が促進されるものと思われる。

0026

<試験2>
(試験方法):試験2として、試験サンプルに、「シーズンズベスト(ビタミンCを含む)」、「純水+ビタミンC」を用いて、熱充填(86℃)および冷充填(21℃)を行ない、充填直後の溶存酸素量を測定した。

0027

(結果)
結果、いずれも、熱充填(86℃)時に溶存酸素量は大きく低下した。このことから、溶存酸素量は、デアレーターの処理条件が高温であることや、液中にビタミンCを含有する状況下において、大きく低下することが判明した。

0028

<試験3>
(試験方法):試験3として、ビタミンCではなく、その他の酸化防止剤にビタミンCと同様のデアレーター効果を促進する効果があるかどうかを検討した。試験は純水を用いて、ビタミンC、ビタミンE茶ポリフェノールを添加し、93℃30秒の殺菌後に、熱充填(86℃)および冷充填(25℃)を行ない、充填品を20℃に冷却し、溶存酸素を測定した。なお、ビタミンCの濃度は0.005%、0.015%、0.03%、0.04%、ビタミンEの濃度は0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、茶ポリフェノールの濃度は、0.001%、0.005%、0.01%、0.015%とした。

0029

(結果)
結果、溶存酸素を低下させる効果が認められたのは、ビタミンCのみであった。
またその添加量は0.015%以上の添加を行なうことで、酸化防止効果が得られることが判明した。

0030

(試験1〜3の結果)
以上の試験1、試験2、試験3の結果より、デアレーターの使用する条件として、65〜85℃の高温下で、−0.015〜−0.030Mpaの低圧で、ビタミンCを.015%以上添加または含有させることが、果汁飲料における酸化防止効果が大きく、香味やフレーバーへの影響もないことが判明した。

0031

<試験4>
(試験方法):試験4として、(1)デアレーター処理有り−0.025Mpa、(2)デアレーター処理無しの100%オレンジジュースサンプルを作成し、充填直後の香味、外観、還元型ビタミンC量、及び35℃、1ヶ月の香味、外観、還元型ビタミンC量を測定した。

0032

(結果)
結果、充填直後品については、デアレーターの処理の有無に関して、差は認められず、100%オレンジジュース特有の良好な香味・外観を有していた(パネル5名による結果)。デアレーターの処理の有無による充填直後品の香味差について、パネル5名による評価の結果を表1に示す。これにより、デアレーターの処理が充填直後の製品特性に悪影響を及ぼさないことが明らかとなった。

0033

0034

デアレーターの処理の有無による保存品の香味及び外観差について、パネル5名による評価の結果を表4に示す。なお、デアレーターの処理の有無による保存香味への影響の評価は、表2の評価点に、デアレーターの処理の有無による保存外観への影響の評価は、表3の評価点に従った。

0035

0036

0037

0038

また還元型ビタミンC量については、充填直後品は(1)34.6mg/100ml、(2)35.0mg/100mlであった。35℃1ヶ月の保存により(3)32.0mg/100ml、(4)26.0mg/100mlまで減少した。以上から、デアレーターによる酸素の減少は、ビタミンCの残存性を向上させることが明らかとなった。デアレーターの有無によるビタミンC量の推移(mg/100ml)を、表5に示す。

0039

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