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技術 CVケーブルの外部半導電層の端部処理方法及び工具

出願人 株式会社ビスキャス関西電力株式会社東京電力ホールディングス株式会社中部電力株式会社
発明者 八木幸弘鈴木聡岩崎公裕小野田啓
出願日 2007年8月2日 (12年0ヶ月経過) 出願番号 2007-202088
公開日 2009年2月19日 (10年6ヶ月経過) 公開番号 2009-038919
状態 拒絶査定
技術分野 電線・ケーブルからの絶縁又は鎧装の除去
主要キーワード マイクロメーターヘッド 界面剥離力 湾曲溝 切削刃物 ケーブル軸線 外部導電層 回転基準 ケーブル径
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年2月19日)のものです。
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図面 (5)

課題

フリーストリッピング型外部半導電層を有するCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法で、外部半導電層に偏肉があってもケーブル絶縁体の削り込みや外部半導電層端部の波打ちが生じず、外部半導電層の端部に剥離段差が生じないようにする。

解決手段

外部半導電層2をケーブル絶縁体3を傷つけないように所要長剥ぎ取ってケーブル絶縁体3を露出させる第一工程、露出したケーブル絶縁体3表面を回転基準面として回転して外部半導電層2を周方向湾曲溝状に削り取る切削刃13を備えた切削工具11を用いて、切削刃13の先端部Sを外部半導電層の剥ぎ取り端Tより外部半導電層2側に位置させた状態で、前記剥ぎ取り端T付近の外部半導電層2を、切削溝の最深部Mがケーブル絶縁体3の外周面に達するまで切削する第二工程、外部半導電層の剥ぎ取り端Tから切削溝の最深部Mまでの間に残存する外部半導電層2を除去する第三工程、からなる。

概要

背景

現在電力ケーブルの主流となっているCVケーブルでは、架橋ポリエチレン絶縁体の外側に、ポリエチレン主材とする外部半導電層が設けられている。この外部半導電層の一つの種類として、フリーストリッピング型外部半導電層(以下「フリスト外導」という)と呼ばれるものがある。このフリスト外導は日本国内では主に公称電圧33kVまでのCVケーブルに採用されている。その特徴は、外部半導電層とケーブル絶縁体界面剥離力が、ある所定の範囲内(例えば12.7mm幅で4.9〜39.2Nの剥離力)に納まるように製造されていることである。これにより、ケーブル終端接続部や中間接続部を組み立てる際の外部半導電層除去作業を、外部半導電層の一部に切り込みを入れ、作業者が手で外部半導電層を剥ぎ取るだけで、簡単に行うことができる。

フリスト外導を有するCVケーブルでは、外部半導電層を剥ぎ取って露出したケーブル絶縁体の表面は極めて平滑であり、除去作業に熟練度も要求されない。そこで、これまで用いられてきた公称電圧33kVまでのケーブルよりも上の電圧階級、例えば66kVケーブルや77kVケーブルへのフリスト外導の適用が検討されている。

しかし、フリスト外導を有するケーブルの外部半導電層除去方法は、外部半導電層に切り込みを入れて、手で剥ぎ取るものであるため、所定領域を剥ぎ取った後に残される外部半導電層の端部は必ずケーブル絶縁体からある程度剥離した状態となってしまう。公称電圧33kVまでのケーブルでは、この剥離はケーブルの絶縁性能上問題とならないが、66kVや77kVのケーブルになると、33kVケーブルに比べて外部半導電層端部における電界が大きいので、ケーブルの絶縁性能に支障を来たすことが懸念されている。

このような問題を解決すべく、例えば特許文献1には、外部半導電層の端部となる位置の円周上を、ケーブルの軸を中心にケーブルの周りを回転する切削工具にて切削溝を形成し、次に外部半導電層の端部をテーパー形状にするための切削刃物でテーパー形状を形成した後、除去すべき領域の外部半導電層を手で剥ぎ取る方法が開示されている。

また特許文献2には、外部半導電層の端部となる位置の円周上を全周にわたって、まずガラス削りによってケーブル絶縁体を露出させると同時にテーパー形状を形成し、その後、除去すべき領域の外部半導電層を手で剥ぎ取る方法が開示されている。

特許第3242199号公報
特許第3771015号公報

概要

フリーストリッピング型外部半導電層を有するCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法で、外部半導電層に偏肉があってもケーブル絶縁体の削り込みや外部半導電層端部の波打ちが生じず、外部半導電層の端部に剥離や段差が生じないようにする。 外部半導電層2をケーブル絶縁体3を傷つけないように所要長剥ぎ取ってケーブル絶縁体3を露出させる第一工程、露出したケーブル絶縁体3表面を回転基準面として回転して外部半導電層2を周方向湾曲溝状に削り取る切削刃13を備えた切削工具11を用いて、切削刃13の先端部Sを外部半導電層の剥ぎ取り端Tより外部半導電層2側に位置させた状態で、前記剥ぎ取り端T付近の外部半導電層2を、切削溝の最深部Mがケーブル絶縁体3の外周面に達するまで切削する第二工程、外部半導電層の剥ぎ取り端Tから切削溝の最深部Mまでの間に残存する外部半導電層2を除去する第三工程、からなる。

目的

本発明の目的は、外部半導電層に偏肉がある場合でも、ケーブル絶縁体の削り込みや、外部半導電層の端部の波打ちが生じることがなく、しかも処理された外部半導電層の端部に剥離や段差が生じることのない、CVケーブルの外部半導電層の端部処理方法及び工具を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

ケーブル絶縁体の外周にフリーストリッピング型の外部半導電層を有するCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法であって、前記CVケーブルの端部の外部半導電層をケーブル絶縁体に傷をつけないように所要長剥ぎ取ってケーブル絶縁体を露出させる第一の工程、露出したケーブル絶縁体表面を回転基準面として外部半導電層を円周方向に湾曲溝状に削り取る切削刃を備えた切削工具を用いて、前記切削刃の先端部を外部半導電層の剥ぎ取り端より外部半導電層側に位置させた状態で、前記剥ぎ取り端付近の外部半導電層を、切削溝の最深部がケーブル絶縁体の外周面に達するまで切削する第二の工程、前記外部半導電層の剥ぎ取り端から切削溝の最深部までの間に残存する外部半導電層を除去する第三の工程、を有することを特徴とするCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法。

請求項2

前記第二の工程で、切削刃の先端部を、外部半導電層の剥ぎ取り端から2mm以上外部半導電層側に位置させて、外部半導電層を切削することを特徴とする請求項1記載の外部半導電層の端部処理方法。

請求項3

CVケーブルの端部の外部半導電層を剥ぎ取って露出させたケーブル絶縁体が挿入される枠体と、この枠体の内側に取り付けられ、ケーブル絶縁体を把持して、ケーブル絶縁体表面を回転基準面として前記枠体と共にケーブル絶縁体の周りに回転する把持部と、前記枠体のケーブル軸線方向の外部半導電層側に取り付けられ、当該枠体と共に外部半導電層の周りに回転して外部半導電層を湾曲溝状に削り取る切削刃とを備えていることを特徴とするCVケーブルの外部半導電層の端部切削工具。

請求項4

前記把持部は、前記枠体のケーブル径方向の切削刃側に取り付けられた第一の把持部と、前記枠体のケーブル径方向の切削刃と反対側に前記第一の把持部と対向するように取り付けられた第二の把持部とからなり、前記第一の把持部及び第二の把持部はケーブル径方向の位置を調整できるように前記枠体に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のCVケーブルの外部半導電層の端部切削工具。

請求項5

前記切削刃は、ケーブル径方向の位置を調整できるように前記枠体に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のCVケーブルの外部半導電層の端部切削工具。

技術分野

0001

本発明は、CVケーブル架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)の外部半導電層の端部の処理方法と、それに用いる切削工具に関するものである。

背景技術

0002

現在電力ケーブルの主流となっているCVケーブルでは、架橋ポリエチレン絶縁体の外側に、ポリエチレン主材とする外部半導電層が設けられている。この外部半導電層の一つの種類として、フリーストリッピング型外部半導電層(以下「フリスト外導」という)と呼ばれるものがある。このフリスト外導は日本国内では主に公称電圧33kVまでのCVケーブルに採用されている。その特徴は、外部半導電層とケーブル絶縁体界面剥離力が、ある所定の範囲内(例えば12.7mm幅で4.9〜39.2Nの剥離力)に納まるように製造されていることである。これにより、ケーブル終端接続部や中間接続部を組み立てる際の外部半導電層除去作業を、外部半導電層の一部に切り込みを入れ、作業者が手で外部半導電層を剥ぎ取るだけで、簡単に行うことができる。

0003

フリスト外導を有するCVケーブルでは、外部半導電層を剥ぎ取って露出したケーブル絶縁体の表面は極めて平滑であり、除去作業に熟練度も要求されない。そこで、これまで用いられてきた公称電圧33kVまでのケーブルよりも上の電圧階級、例えば66kVケーブルや77kVケーブルへのフリスト外導の適用が検討されている。

0004

しかし、フリスト外導を有するケーブルの外部半導電層除去方法は、外部半導電層に切り込みを入れて、手で剥ぎ取るものであるため、所定領域を剥ぎ取った後に残される外部半導電層の端部は必ずケーブル絶縁体からある程度剥離した状態となってしまう。公称電圧33kVまでのケーブルでは、この剥離はケーブルの絶縁性能上問題とならないが、66kVや77kVのケーブルになると、33kVケーブルに比べて外部半導電層端部における電界が大きいので、ケーブルの絶縁性能に支障を来たすことが懸念されている。

0005

このような問題を解決すべく、例えば特許文献1には、外部半導電層の端部となる位置の円周上を、ケーブルの軸を中心にケーブルの周りを回転する切削工具にて切削溝を形成し、次に外部半導電層の端部をテーパー形状にするための切削刃物でテーパー形状を形成した後、除去すべき領域の外部半導電層を手で剥ぎ取る方法が開示されている。

0006

また特許文献2には、外部半導電層の端部となる位置の円周上を全周にわたって、まずガラス削りによってケーブル絶縁体を露出させると同時にテーパー形状を形成し、その後、除去すべき領域の外部半導電層を手で剥ぎ取る方法が開示されている。

0007

特許第3242199号公報
特許第3771015号公報

発明が解決しようとする課題

0008

フリスト外導を公称電圧66kV以上のCVケーブルに適用することを考えた場合、外部半導電層端部の処理は絶縁性能上非常に重要な部分であり、外部半導電層端部における外部半導電層の剥離、段差波打ち或いはケーブル絶縁体の凹みはわずかな量でも存在しないことが理想である。

0009

しかし特許文献1の方法は、あくまでも外部半導電層端部位置の切削溝がケーブル絶縁体に達しないことを前提としており、この端部にわずかな厚さだけ残された部分を引きちぎる際に、剥離が生じるのを避けることはできない。また外部半導電層の先端部分には、外部半導電層の切削によって厚さは薄くなっているものの、段差が存在する。特許文献1では、この段差部分を覆って滑らかな外部半導電層表面を形成するために、薄い半導電テープを巻きつけて、その部分を加熱するといった付加的な手間のかかる処理を行っている。

0010

また特許文献2の方法によれば、外部半導電層端部の剥離は回避できるが、ガラス削りという熟練度とそれ相当の処理時間を要する作業が必要となるため、フリスト外導ケーブルの特徴である接続部組立における外部半導電層剥ぎ取り作業の簡易性という利点を十分に活かしきれない。

0011

また、ガラス削りに代わる方法としては、外部半導電層の端部となる位置の外部半導電層を、その周りに回転する切削工具で削り取って、その部分のケーブル絶縁体を全周露出させる方法も考えられる。しかし、この方法は、外部半導電層の厚さがケーブル全周にわたって偏りがなく同じ厚さである場合には理想的な外部半導電層端部を形成できるが、一般に外部半導電層の厚さはケーブル周方向に厚い部分と薄い部分が存在している(偏肉がある)ため、この方法では、外部半導電層の厚い部分でケーブル絶縁体が露出するまで切削すると、外部半導電層の薄い部分ではケーブル絶縁体を削り込んでしまう結果となる。また、外部半導電層の薄い部分において露出したケーブル絶縁体の幅は、ケーブル絶縁体を削り込んでしまった分だけ、外部半導電層の厚い部分において露出したケーブル絶縁体の幅よりも広くなり、結果として形成された外部半導電層の端部の位置は外部半導電層の厚い部分と薄い部分で軸線方向にずれてしまい、ケーブル周方向において外部半導電層の端部が波打つ状態となる。上記のようなケーブル絶縁体の削り込みによる凹みや、外部半導電層の端部の波打ちは、そこに形成されるケーブル接続部の絶縁上の欠陥となるため好ましくない。

0012

本発明の目的は、外部半導電層に偏肉がある場合でも、ケーブル絶縁体の削り込みや、外部半導電層の端部の波打ちが生じることがなく、しかも処理された外部半導電層の端部に剥離や段差が生じることのない、CVケーブルの外部半導電層の端部処理方法及び工具を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明に係るCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法は、ケーブル絶縁体の外周にフリーストリッピング型の外部半導電層を有するCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法であって、
前記CVケーブルの端部の外部半導電層をケーブル絶縁体に傷をつけないように所要長剥ぎ取ってケーブル絶縁体を露出させる第一の工程、
露出したケーブル絶縁体表面を回転基準面として回転して外部半導電層を周方向に湾曲溝状に削り取る切削刃を備えた切削工具を用いて、前記切削刃の先端部を外部半導電層の剥ぎ取り端より外部半導電層側に位置させた状態で、前記剥ぎ取り端付近の外部半導電層を、切削溝の最深部がケーブル絶縁体の外周面に達するまで切削する第二の工程、
前記外部半導電層の剥ぎ取り端から切削溝の最深部までの間に残存する外部半導電層を除去する第三の工程、
を有することを特徴とするものである。

0014

上記の外部半導電層の端部処理方法において、前記第二の工程では、切削刃の先端部を、外部半導電層の剥ぎ取り端から2mm以上外部半導電層側に位置させて、外部半導電層を切削することが好ましい

0015

また、本発明に係る外部半導電層の端部処理方法に用いる切削工具は、CVケーブルの端部の外部半導電層を剥ぎ取って露出させたケーブル絶縁体が挿入される枠体と、この枠体の内側に取り付けられ、ケーブル絶縁体を把持して、ケーブル絶縁体表面を回転基準面として前記枠体と共にケーブル絶縁体の周りに回転する把持部と、前記枠体のケーブル軸線方向の外部半導電層側に取り付けられ、当該枠体と共に外部半導電層の周りに回転して外部半導電層を湾曲溝状に削り取る切削刃とを備えていることを特徴とするものである。

0016

上記の切削工具において、前記把持部は、前記枠体のケーブル径方向の切削刃側に取り付けられた第一の把持部と、前記枠体のケーブル径方向の切削刃と反対側に前記第一の把持部と対向するように取り付けられた第二の把持部とからなり、前記第一の把持部及び第二の把持部はケーブル径方向の位置を調整できるように前記枠体に取り付けられていることが好ましい。

0017

また上記の切削工具において、前記切削刃は、ケーブル径方向の位置を調整できるように前記枠体に取り付けられていることが好ましい。

発明の効果

0018

本発明によれば、外部半導電層を所要長剥ぎ取って露出したケーブル絶縁体表面を回転基準面として切削刃を回転させて外部半導電層を切削するので、外部半導電層に偏肉があっても外部半導電層はケーブル絶縁体と同心円状に切削されることになる。したがってケーブル絶縁体の外周面が露出するまで切削するだけで、ケーブル絶縁体の削り込みをなくすことができると共に、外部半導電層の端部の波打ちをなくすことができる。

0019

また、外部半導電層を周方向に湾曲溝状に削り取る切削刃を備えた切削工具を用いて、外部半導電層の剥ぎ取り端付近の外部半導電層を、切削刃の頂部を外部半導電層の剥ぎ取り端より外部半導電層側に位置させて削り取るので、前工程で外部半導電層を所要長剥ぎ取るときに生じる外部半導電層の剥離部分を外部半導電層の端部から取り除くことができる。このためケーブル絶縁体との間に剥離のない外部半導電層の端部を形成することができると共に、外部半導電層の端部の段差をなくすことができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

図1(A)〜(E)は本発明に係るCVケーブルの外部半導電層の端部処理方法の一実施形態を示す。図において、1はCVケーブル、2はフリーストリッピング型の外部半導電層、3はケーブル絶縁体である。CVケーブル1は外被等が剥ぎ取られて外部半導電層2が露出した状態である。なお図面では、外部半導電層2の厚さが厚く誇張して描かれているが、実際の外部半導電層2の厚さは0.5mm〜1mm程度である。また外部半導電層2は意図的に偏肉があるように描かれている。

0021

この端部処理方法では、まず(A)に示すように、外部半導電層2の端部となる位置の近くに環状の切り込み4を入れると共に、それより先端側の外部半導電層2にらせん状の切り込み5を入れる。切り込み4、5はいずれもケーブル絶縁体3に傷をつけないようにケーブル絶縁体3に達しない深さである。その後、環状の切り込み4より先の外部半導電層2を手で剥ぎ取り、(B)のようにケーブル絶縁体3をケーブル接続に必要な長さだけ露出させる。ここまでの工程は従来と同じである。この工程では、外部半導電層2を切り込み5、4に沿って引き裂くことになるため、外部半導電層2の端部には必ずケーブル絶縁体3から剥離した部分Hが生じる。この剥離部Hの長さは通常、外部半導電層2の剥ぎ取り端Tから2mm位である。

0022

次に(C)に示すように、露出したケーブル絶縁体3に切削工具11を装着する。この切削工具11は、ケーブル絶縁体3表面を回転基準面として回転して外部半導電層を円周方向に湾曲溝状に削り取るため、刃先湾曲した切削刃13、枠体15、ケーブル絶縁体把持部17A、17B、調整ねじ19A、19Bなどを備えている(詳細は後述)。この切削工具11を、切削刃13の先端部Sが外部半導電層の剥ぎ取り端Tより(好ましくは2mm以上)外部半導電層2側に位置するようにセットして、ケーブル絶縁体3表面を回転基準面として回転させると共に、切削刃13を徐々にケーブル中心部に向けて移動させ、剥ぎ取り端T付近の外部半導電層2を湾曲溝状に切削する。この切削は、(D)に示すように切削溝の最深部Mがケーブル絶縁体3の外周面に達するまで(外周面が露出するまで)行う。この切削工程では、切削刃13がケーブル絶縁体3表面を回転基準面として(つまりケーブル絶縁体3を回転中心軸として)回転するため、外部半導電層2に偏肉があっても、ケーブル絶縁体3の外周面が露出したところで切削を止めれば、ケーブル絶縁体3の削り込みを確実に防止できる。なおケーブル絶縁体3の外周面が露出したことは、外部半導電層が黒色、ケーブル絶縁体がほぼ白色等と色が異なったり、表面状態及び/又は材質が異なるので、目視で容易に確認できる(場合によっては手触りにより確認することもある)。

0023

その後、切削工具11を取り外すと、外部半導電層の剥ぎ取り端Tから切削溝の最深部Mまでの間には僅かながら外部半導電層2のかけらが残存するので、この外部半導電層のかけらを手で除去する。これによって外部半導電層2の端部の剥離部分は完全に除去されることになる。その結果、(E)に示すように、外部半導電層2の端部に剥離、段差、波打ちがなく、しかもケーブル絶縁体3に外周面に削り込みがない、良好な外部半導電層の端部処理部を得ることができる。

0024

図2は本発明に係る外部半導電層の端部処理方法に用いる切削工具の一実施形態を示す。この切削工具11は、CVケーブルの端部の外部半導電層を剥ぎ取って露出させたケーブル絶縁体3が挿入される枠体15と、この枠体15の内側に取り付けられた、ケーブル絶縁体3を把持する一対の把持部17A、17Bと、枠体15のケーブル軸線方向の外部半導電層2側にねじ18により固定された切削刃13とを備えている。把持部17A、17Bは、ケーブル絶縁体3を把持して、ケーブル絶縁体3を回転中心軸として、枠体15と共にケーブル絶縁体3の周りに回転するものである。切削刃13は、枠体15と共に外部半導電層2の周りに回転して外部半導電層2を湾曲溝状に削り取るものである。

0025

一方の把持部17Aは、枠体15のケーブル径方向の切削刃13側に取り付けられており、他方の把持部17Bは、枠体15のケーブル径方向の切削刃13と反対側に前記一方の把持部17Aと対向するように取り付けられている。把持部17A、17Bの対向面は、ケーブル絶縁体3を把持するだけで、ケーブル絶縁体3を位置決めできるように、凹形に形成されている。把持部17A、17Bはそれぞれ、枠体15にねじ込まれた調整ねじ19A、19Bによって枠体15に取り付けられ、ケーブル径方向の位置を調整できるようになっている。したがって、把持部17A、17Bによりケーブル絶縁体3を把持した状態で、調整ねじ19A、19Bを同時に同方向に回転させると、枠体15及び切削刃13のケーブル径方向の位置を調整することができる。

0026

この切削工具11は以上のような構成であるので、把持部17A、17Bで図2のようにケーブル絶縁体3を把持した状態(図1(C)と同じ)で、全体をケーブル絶縁体3の周りに回転させることにより、切削刃13で外部半導電層2をケーブル絶縁体3と同心円状に切削することができる。切削深さは、調整ねじ19A、19Bを同時に同方向に回転させて、枠体15及び切削刃13をケーブル径方向に移動させることにより調整する。調整ねじ19A、19Bにより切削刃13を徐々にケーブル中心部に向けて移動させ、ケーブル絶縁体3の外周面が露出するまで切削すると、図1(D)のような状態になる。なお、枠体15の両側面には、切削工具11をケーブル絶縁体3の周りに回転させるハンドル突設されているが、図示を省略してある。

0027

図3は本発明に係る切削工具の他の実施形態を示す。この切削工具11は、枠体15に切削刃13の両側を跨ぐように門形部21を設け、この門形部21にねじ込んだ第三の調整ねじ23により切削刃13を支持して、切削刃13のケーブル径方向の位置を調整できるようにしたものである。このようにすると、把持部17A、17Bの調整ねじ19A、19Bはケーブル絶縁体3の把持のみに使用でき、切削刃13のケーブル径方向の位置を枠体15とは別に調整できるため、切削溝の深さの調整を容易に行うことができる。上記以外の構成は、図2の実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。

0028

なお、図2及び図3の実施形態ともに、切削刃13を任意の形状のものと交換でき、例えば、外部半導電層2に生じる湾曲溝の曲率を緩やかにするような刃先とした切削刃13を付けることができる。また、刃先の部分をCVケーブル(外部半導電層2)と当接する角度を任意とした切削刃13を付けることもできる。このようにすれば、CVケーブルの設計(種類)により、例えば外部半導電層の材質や厚さ等が変わっても切削刃13の交換のみで、所望の湾曲溝を形成することが可能である。

0029

図4は本発明に係る切削工具のさらに他の実施形態を示す。図4において、図2の各部と同一部分又は各部に相当する部分には図2と同一符号を付してある。この切削工具11は、ケーブル絶縁体3を把持する把持部17A、17Bから軸線方向に離れた位置に外部半導電層2を把持する補助把持部25A、25Bを設け、一方の把持部17Aと補助把持部25Aの間に切削刃13を配置したものである。

0030

この実施形態では、把持部17A、17Bは2本の平行ガイド棒27に案内されてケーブル径方向に移動可能であり、補助把持部25A、25Bも同様に2本の平行ガイド棒29に案内されてケーブル径方向に移動可能である。また、一方の把持部17Aは、枠体15に取り付けられたマイクロメーターヘッド19Aによってケーブル径方向の位置を調整するようになっており、他方の把持部17Bは枠体15にねじ込まれた調整ねじ19Bによってケーブル径方向の位置を調整するようになっている。同様に、一方の補助把持部25Aは、枠体15に取り付けられたマイクロメーターヘッド31Aによってケーブル径方向の位置を調整するようになっており、他方の補助把持部25Bは枠体15にねじ込まれた調整ねじ31Bによってケーブル径方向の位置を調整するようになっている。他方の把持部17Bのケーブル絶縁体3に当接する部分はV溝状に形成され、同様に、他方の補助把持部25Bの外部半導電層2に当接する部分もV溝状に形成されている。

0031

また、切削刃13は刃物台33にねじ18により固定され、この刃物台33を介して枠体15に固定されている。切削刃13は、図4(E)、(F)に示すように、平板状であるが、刃先が凸形曲線状に形成されており、その先端部Sが同図(B)、(D)に示すように外部半導電層3の接線方向を向くように刃物台33に固定されている。なお、35は枠体15の両側面に突設されたハンドルで、切削装置11をケーブル1の周りに手動で回転させるためのものである。

0032

この切削装置11は、切削刃13の片側にケーブル絶縁体3を把持する把持部17A、17Bが、反対側に外部導電層2を把持する補助把持部25A、25Bが設けられているが、把持部17A、17Bは補助把持部25A、25Bよりも軸線方向のサイズを大きくしてあり(図4(C)参照)、ケーブル絶縁体3表面を回転基準面として回転する点は前記各実施形態と同様である。補助把持部25A、25Bは、外部半導電層2を軽く把持して、切削刃13が外部半導電層2を切削するときに切削装置11の回転中心軸線がケーブル絶縁体3の中心軸線に対して傾くのを抑制する働きをする。

0033

この切削装置11の使い方は基本的には図2のものと同様であるが、一方の把持部17A及び補助把持部25Aの位置をマイクロメーターヘッド31Aで調整するようになっているので、把持部17A及び補助把持部25Aの位置(つまり切削刃13による外部半導電層2の切削深さ)を微調整することが容易である。

図面の簡単な説明

0034

(A)〜(E)は本発明に係る外部半導電層の端部処理方法の一実施形態を工程順に示す説明図。
本発明に係る切削工具の一実施形態を示す、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(B)のC−C線矢視図、(D)は(B)のD−D線断面図。
本発明に係る切削工具の他の実施形態を示す、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(B)のC−C線断面図。
本発明に係る切削工具のさらに他の実施形態を示す、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図、(D)は背面図、(D)は切削刃の平面図、(F)は同正面図。

符号の説明

0035

1:CVケーブル
2:外部半導電層
3:ケーブル絶縁層
4、5:切り込み
13:切削刃
15:枠体
17A、17B:把持部
19A、19B:調整ねじ
21:門形部
23:第三の調整ねじ
25A、25B:補助把持部
35:ハンドル

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  • 株式会社ディスコの「 工具」が 公開されました。( 2019/06/13)

    【課題】電線の切断作業と被覆材剥がし作業とを効率をよく行えるようにする。【解決手段】工具10は、刃先110を対面させ第1の支持軸12を軸に開閉させ電線30を切断する一対の切断刃11と、刃先130を対面... 詳細

  • 株式会社泉精器製作所の「 下層被覆用電線被覆剥ぎ取り装置」が 公開されました。( 2019/06/06)

    【課題】架設電線の下層被覆を把持して剥ぎ取ることが簡単にできる構成の電線被覆剥ぎ取り装置を提供する。【解決手段】電線被覆剥ぎ取り装置1は、フレーム2と、第1回転軸P1を軸心としてフレーム2に内蔵される... 詳細

  • 株式会社新興商会の「 剥離装置」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題】本発明は、効率的に被覆部材を剥離する剥離装置を提供する。【解決手段】本実施形態に係る剥離装置1は、回転軸12と、板状である回転刃14と、回転刃14を複数重ねて回転軸12に固定する固定部16とを... 詳細

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